「Scream」のショートフィルムの中で、マイケルがイスに座って見ていた3つの作品。2番目に登場したのは、ジャクソン・ポロックの「Number 32, 1950」でした。
最初にウォーホル、そのあとポロック、一旦ジャネットの方に移って、再びマイケルに戻ったとき、もう一度ポロックの絵が映って、マグリットの絵になるという構成なので、ウォーホル、ポロック、マグリットという順番にも意味がありそうですね。
Andy Warhol 1928年8月6日 - 1987年2月22日
1961年、身近にあったキャンベル・スープの缶やドル紙幣をモチーフにした作品を描く。
Jackson Pollock 1912年1月28日 - 1956年8月11日
1943年頃から「ドリッピング」や、「ポーリング」という技法を使い、アクションペインティングというスタイルを確立させた。
René Magritte 1898年11月21日 -1967年8月15日
1926年の『迷える騎手』が最初のシュルレアリスム的作品とされ、1960年代には、マグリットの作品への一般の認識が大幅に高まった。
彼らの生年や、作家としての個性が確立した年代からもわかるように、美術の中心がヨーロッパだった時代にベルギーで生まれたマグリット、美術界の中心がパリからニューヨークに移った時代、抽象主義ムーブメントを先導したジャクソン・ポロック。そして、ポップアートと呼ばれるアメリカンアートを創生したウォーホル。という歴史の逆順になっています。
つまり、これはビジュアルアーティストでもあるマイケルにとっての、ルーツを遡るシーンであり、ウォーホルの次に、自分を位置づけていることを表明した場面でもあるわけです。
マイケルが常に、システィナ礼拝堂や、ミケランジェロを意識していて、ミュージックビデオではなく、ショートフィルムなんだという強いこだわりを持ち、アルバム「HISyory」のティーザーでも遺憾なく発揮された歴史への深い洞察を知っている方なら驚くに値しないと思いますが、
今ではクラシックになっていて、大衆芸術ではないように思われていても、当時のワーグナーとオペラの関係は、マイケルとショートフィルムのようなものですからね!
ただ、抽象絵画は、マイケルのビジュアル感性とは相容れないというか、同時代のアーティストと比べても、彼の美術的趣向は古典的で、
参考記事:好きな画家は誰?と尋ねたワイエスに、マイケルは・・・
ネバランに飾ってあった美術品も、自分で描いた絵や、自分を描かせた絵も、すべてが具象的ですし、マイケルほどイメージではなく、必ず「物語」として表現しようとするアーティストもめずらしいですよね。
そんな彼がなぜポロックを?という謎を解くために、かれについてちょっぴり掘り下げてみましょう。
ジャクソン・ポロックは、アイルランド系アメリカ人として、アメリカ西部に生まれ、ロサンゼルスのアーツ・ハイスクール、1930年からはニューヨークのアート・スチューデンツ・リーグでも美術を学ぶ。ヨーロッパの抽象主義やシュルレアリスム、またネイティブアメリカンのアートにも影響を受け、無意識的なイメージを重視するようになり、1943年頃から、キャンバスを床に広げ、刷毛やコテで空中から塗料を滴らせる「ドリッピング」や、線を描く「ポーリング」という技法を使いはじめ、「アクション・ペインティング」の代表的な画家というだけでなく、自由で大胆不敵なスタイルは、アメリカそのものを象徴するアーティストとして評価されるように。
製作中のポロックの様子がわかる動画
(音楽がフィットしてないのが残念)
「自分の絵画技法は、欲求に従って自然に発展した、自分の感情を絵にしたいのではなく、それ自体を表現したい。技法は手段にすぎず、ステートメントがあって、初めて活かされる、絵を描いている間、私は自分が何者であるかを全面的に理解する。絵の具の流れに従って描く。そこに偶然はなく、始まりも終わりもない、絵の具を飛ばしたり、すでにあるイメージを壊すような変更も恐れない、絵画にはそれ自身の生命があり、私はそれを生かそうとしている ー ジャクソン・ポロック」
彼のテクニックは、塗料の粘性や、その重力、キャンバスへの塗料の吸収を組み合わせて、彼がコントロールする身体の動きという、制御可能な要素と制御不能な要素の混合物でした。彼はまるでダンスのように精力的にキャンバスを動き回り、見たいもの現れるまで止まらなかった(とある美術評論より)
ただ、元祖ビート・ジェネレーションと評され、アルコールによる奇行でも知られたポロックは、名声が高まると同時に激しい批判にもさらされ、徐々にメディアの餌食となっていく。その自由奔放な技法は「チンパンジーでも描ける」と揶揄され、タイム誌は、ジャック・ザ・リッパー(切り裂きジャック)をもじって、「ジャック・ザ・ドリッパー」と呼ぶようになり、インチキで胡散臭いパフォーマンスといった悪評は、ポロックの精神を蝕むほど大きくなっていった。
ビート・ジェネレーションに影響を受け、70年代のニューヨークでパンクの女王と呼ばれたパティ・スミスの伝説的なアルバム『イースター』に収録された「Rock 'N' Roll Nigger」。パティは反抗的で名誉あるアウトサイダーを「黒人(Nigger)」として歌っているのですが、そこに登場したのは、
Jimi Hendrix was a nigga.
Jesus Christ and Grandma, too
Jackson Pollock was a nigga
Nigga, nigga, nigga, nigga
Nigga, nigga, nigga
ジミ・ヘンドリックスと
イエス・キリストとおばあちゃん
そして、ジャクソン・ポロックでした。
ポロックが、絵筆を自由にすることで語らせようとした無意識の世界は、マイケルがダンスについて語っている言葉とどこか似ていて、先人から多くを学びながら、新しいアートを開拓しようとした革命者を、メディアが面白おかしく餌食にするのも今とまったく同じ・・。
ポロック作品の中で「Number 32」が選ばれた理由については、まだわからない点が多いのですが、実はこの番号のタイトルは、「Number 32, 1949」と、「Number 32, 1950」の2つあるんですね。
ジャクソン・ポロックのキャリアの中でもピークとされる、この1949年の作品は、明るい色彩が用いられ、ポロック全作品の最高の特徴であるすべてがここにあり、抽象表現主義の圧倒的で議論の余地のない傑作で、現代美術の試金石と評されることもある作品。
一方、「Scream」に使われた「Number 32, 1950」は、黒の塗料のみで構成され、これ以降の黒の絵画シリーズに先行する作品として、1956年にポロックが事故で亡くなるまでの最後の嵐を予感させる、とみなす人も。
マイケルが、1949年の傑作ではなく、1950年の作品を選び、本来なら、アニメやアート作品でカラフルに彩られるはずのショートフィルムを、モノクロで撮影したのも、もしかしたら、「Number 32, 1950」にインスパイアされたからかもしれません。
ポロックとマイケルに共通する「叫び」が少しは伝わったでしょうか?
次回は、3番目のルネ・マグリットを取り上げます!
「Scream」のショートフィルム全体を見たところで、マイケルがイスに座って見ていた3人のアーティストの作品に集中してみましょう。
ヒストリー期は、作品ごとに別のキャラクターになっていくマイケルが楽しみだったというよりは、これからどうなっちゃうんだろう、と心配するファンも多かった時期でもあるんですが、今振り返ってみると、「自分の顔をアートとして考えていた」という皮膚科医の発言どおり、音楽だけではなく、一作に込められたアートの完成度も極限にまで達した時代でした。
ショートフィルムを監督したマーク・ロマネクは、優れたMVを創り出すことで有名で、アートにもこだわる人ですが、マイケルもBad期にはすでに相当のアート通。一見、ここで選ばれた3人のアーティストは、文房具屋のポストカード売り場でも見かける、誰もが一度は見たことがあるものから、写真、抽象画、具象画という3つの分類で選ばれているようで、特に意味があるようには感じられないのですが、
でも、そこまで有名だからこそ、マイケル・ジャクソンという人にとっては意味があるというか、むしろ、彼はそういった作品から多くを学んでいたと思います。
まずは、最初に登場したアンディ・ウォーホルから、その理由を探ってみましょう。
ここで使用されたのは(一番上の写真)、ウォーホルが亡くなる1年前の「Self-Portrait in Fright Wig, 1986」。連写されているせいか、微妙に異なる写真が何作もあるのですが、彼の最後の自画像といえる作品です。
銀髪のかつらはウォーホルのトレードマークで、彼はよくズラだとすぐわかるような、ポリエステル製のチープなものを被っていたのですが、ここでは、よりふざけた感じの「Fright Wig」と呼ばれるものを使用しています。
今年になって、スクリームのSFを見直していて「ハッ」と気付いたんですが、マイケルが「THIS IS IT」の記者会見で被っていたMJ史上最低の変なかつら・・・もはや、マイケルかどうかすら疑わしく見えたアレは、そんなおちゃめなウォーホルから影響を受けた???
ちなみに、翌日プライヴェートでミュージカルを観に行ったときは、きれいにブローされていました。ですから、この頃の彼の美意識が狂っていたからではなく、最後のツアーを発表し、世界中の人が見る記者会見だから、マイケルは「あえて」あれを選んだんですね(当時は気づきませんでしたが)。ウォーホルが晩年の自画像に、団子鼻のピエロが身に着けたら似合うような「Fright Wig(恐怖のかつら)」を選んだように。
ウォーホルは、自分の容姿にとてもこだわっていて、こういった明らかにズラとわかる代物をあえてカブっただけでなく、薄毛や、鼻へのコンプレックスを表現した作品も多く見られます。
本人が劣等感を認めていることもあってか、メディアも彼の鼻に言及することも多く、ウォーホルのプロフィールには、「外見への強迫観念から、鼻の整形手術を受け続けた」と書かれているものも。
えっ、まさか、そんなところにもMJとの共通点が?と思って調べてみると、1977年のセルフポートレイトではぽってりしていた鼻が、1979年のセルフポートレイトでは、「鼻筋が通ったように」見える・・・
Self-Portrait 1977
でも、結局、 表紙の写真のように1986年には、鼻は元の形に戻っているって、以前、「マイケルの顔について」でも似たようなことを書いたような気がするんですけど(笑)
ただ、これらの写真ではわかりにくいんですが、実はウォーホルには、マイケルと同じように白斑の症状もあったんです。
「ウォーホルは、幼少時に、顔や手足に痙攣が起こる神経系疾患「シデナム舞踏病」にかかり、突発的な衝撃発作に見舞われたり、色素を失う症状にも苦しめられ、赤く腫れた鼻から「赤鼻のアンディ」 という残酷なニックネームで呼ばれることもあった。その後、心気症も酷くなり、母親の側で寝たきりの生活も長く続いた」
幼年期に、大きな鼻を父親にからかわれ、思春期には酷いニキビに悩まされ、その後、白斑症や、紅斑性狼瘡にも苦しめられたマイケルには、ウォーホルのプロフィールに通じるものがあったのではないでしょうか。
マイケルも、ウォーホルも、外見へのコンプレックスと、美への願望があったのは確かだと思いますが、醜形恐怖や、さまざまな強迫観念ではなく、また、若さや美を追求するという以上に、ふたりとも、本当に自分の顔を「アート」として捉えていたんだと思います。
マイケルが「Scream」でウォーホルの自画像を使ったのは、「自分の顔はアートなんだ!」という叫びだったのかもしれませんね!
(※ウォーホルの白斑症については、長年のMJファンで文学博士のウィラ・スティルウォーターの『M Poetica』で初めて知りました。こちらは近々、別ブログで連載開始しますので、告知をお見逃しなく!)
次回は、ジャクソン・ポロックをとりあげます!
オープニングの文字と、壁のモニターに映し出されるグラフィックと、そこから変化して現れる、“gravity(重力)” “habitation(住居)” “gallery(ギャラリー)” “media(メディア)” “meditation(瞑想)” “observation(観察)” “recreation(レクレーション)” という文字。“gravity”という文字が映し出されると、無重力状態のマイケルが現れるなど、ここで描かれている映像の見出しのような役目になっていて、デザインしたのは、ソニーやナイキのCMや、映画『ファイトクラブ』のオープニングシーンなど、マルチメディアデザイナーとして有名だったP. Scott Makela。
“habitation(住居)”
ふたりが暮らしている無重力の住まいのインテリア、壁にかかったスーツ・・
“gallery(ギャラリー)”
マイケルとジャネットはそれぞれ壁を隔てたラウンジにいる。
同じイスに座ったジャネットが操作するリモコンは、二次元画像ではなく、彼女の意思から具現化したホログラムのようで、
これは、キクラデス文明時代の女性像の頭部
元になっているのはヴァチカン美術館にある「ジュスティニアーニのアテナ」のようですが、
“media(メディア)”
たくさんの座席の前方で、ビデオゲームをするふたりは、メディアとの対決を表現しているよう。
“meditation(瞑想)”
ストレスを解消しようとしてか、マイケルは円形の石庭の中心に造られた小さな茶の湯の座敷で座禅を組んでいる。
“observation(監視・観察結果・意見)”
「プレッシャーをかけるな」という声が響く。ジャネットはトイレの中まで覗かれ、その耐えがたい状況に中指を立て、最大限の怒りの表情。大スクリーンにニュース映像が映し出されると、ジャネットの声で「信じられない・・」そして、瞑想中のマイケルも我慢ができなくなり叫びだすと、天井のガラスが割れ、その破片が座禅中に彼に降りかかる。怒りのマイケルが大スクリーンに映ると、その前ではジャネットが踊っていて、ジャネットがスクリーンに映し出されたときは、マイケルが踊っている。宇宙船の中の重力はコントロール不能に陥り、ギターや家具の一部が空中を飛んでいる。
“recreation(レクレーション)”
観客席の前のスカッシュルームのような部屋では、お気に入りの7番がついたスポーツウエアに着替えたマイケルが美術品のように陳列されている黒い壺をめがけてラケットを振り、壺は次々に割れていくが、怒りが収まらず、何度も叫び声をあげるふたり(スクリーンのアニメも常に叫んでいる)。オープニングと同じ「Scream」の文字が現れ、それが破裂すると、ヘッドフォンからのノイズの苦痛に激しく首を振るジャネット、ジャネットの肩を優しく抱き支え合うふたり、しかし、同じヘッドフォンをつけたマイケルは、ジャネットよりもさらに激しく首を振り、もはや分裂する寸前・・。
それなのに、どんなストレスもカッコイイ曲にしてしまうことがよくわかる
「Scream」の和訳はこちらです!
そして、マイケルが、アンディ・ウォーホル、ジャクソン・ポロック、ルネ・マグリットといったアーティストから、表現したかったものについては、こちらに続きます。
インヴィンシブルの和訳は、あと2曲を残すのみ。
それなのに、「Speechless」に手をつけようとすると緊張してしまうし、「Unbreakable」はラップが一番の難問なので、Notorious B.I.G(別名ビギー・スモールズ)の生前のアルバムを繰り返し聴いたり、同じ時代のヒップホップのリリックを調べたり、自分でも呆れるほど遠回りして考えているんですが、なかなかビギーの魂が降りてこないこともあって、
「Unbreakable」よりも前、MJが初めてビギーを使った「This Time Around」から取りかかることにしました。
Notorious B.I.G(本名Christopher George Latore Wallace)は、犯罪とクラックが蔓延する環境に育ち、17歳で銃の不法所持により逮捕され、その後はお決まりのようにドラッグディーラーの道へ。しかし、その頃からラッパーとしても注目を集め、1994年のデビューアルバム『レディ・トゥ・ダイ』は大成功をおさめます。
当時のヒップホップ業界は、西海岸(デス・ロウ・レコード)と、東海岸(バッド・ボーイレーベル)が争っていて、それぞれを代表するスターとなった2pacとビギーは交友をもちながらも激化する両者の抗争の渦に巻き込まれ、
94年に、2pacが何者かに銃撃されると、ビギーは犯行に関わったと疑われ、96年に2pacが射殺されると、翌年ビギーも同じように亡くなってしまう。
マイケルは、再び王冠を手にするために、『Dangerous』をチャートのNo.1から蹴落としたニルヴァーナや、インダストリアル・ロックのナイン・インチ・ネイルズらだけでなく、ブラックミュージック界を席巻していたラップをも取り入れようとしたわけですが、
X世代と呼ばれた当時の若者の気持ちを代弁していたカート・コバーンや、2pac、ビギーにとっては、成功の重圧や、周囲の変化にやりきれない思いを抱いている時期でもありました(カート・コバーンは、2pacが銃撃された94年に猟銃自殺によって亡くなった)。
批評家は、『HIStory』に対して、様々な批判を繰り広げましたが、マイケルは再びNo,1に返り咲き、この曲から数年後の裁判ではすべてにおいて無罪を勝ち取りました。
この曲は、ビギーとマイケルふたりのスターダムの苦悩が歌われていると言われていますが、本当に劇的な「This time around」を演出できたのは、マイケルだったのではないでしょうか。
This Time Around
song and lyrics by Michael Jackson
[Verse 1]
This time around I’ll never get bit
Though you really wanna fix me
This time around you’re making me sick
Though you really wanna get me
Somebody’s out
Somebody’s out to get me
They really wanna fix me, hit me
But this time around I’m taking no shit
Though you really wanna get me
You really wanna get me
今度は絶対にひっかからない
君は心底僕をハメたいだろうけどね
今度ばかりはうんざりだよ
君は僕をいいようにしたいんだろう
外に誰かがいる、僕をつかまえようと、うろつく誰かが
彼らは、心底僕を捕らえて、ぶちのめしたいのさ
でも、今度ばかりは君の相手はしてられない
君はマジで、僕を本当に捕まえたいだろうけどね
[Chorus]
He really thought he really had
Had a hold on me
He really thought he really had
They thought they really had control of me
彼はでかしたと思った
僕を仕留めたってね
彼はでかしたと思った
マジで僕を自由にできると思ったのさ
This time around I’ll never get bit
Though you really wanna get me
This time around I’m taking no shit
Though you really wanna fix me
Somebody’s out
Somebody’s out to use me
They really want to use me
And they falsely accuse me
This time around
They’ll take it like spit
‘Cause you really can’t control me
You know you can’t control me
今度は絶対にひっかからない
君は心底僕をハメたいだろうけどね
今度ばかりはうんざりだよ
君は僕をいいようにしたいんだろう
外に誰かがいる、僕を利用しようとする誰かが
彼らはマジで僕を利用して、偽りの罪で僕を告訴する
今度ばかりは、彼らに言ってやる
君に僕を自由にはさせないって
[Chorus]
He really thought he really had
Had a hold on me
He really thought he really had
They thought they really had control of me
He really thought he really had
A hold on me
He really thought he really had
They thought they really had control of me
He really thought he really had
Had a hold on me
He really thought he really had
They thought they really had control of me
He really thought he really had
A hold on me
He really thought he really had
They thought they really had control of me
彼はでかしたと思った
僕を仕留めたってね
彼はでかしたと思った
マジで僕を自由にできると思ったのさ
[rap by The Notorious BIG]
Listen
I’ve got problems of my own
Flashin’ cameras
Taps on my phone
Even in my home
I ain’t safe as I should be
Things always missin’
Maybe it could be my friends
They ain’t friends
If they robbin’ me
Stoppin’ me
From makin’ a profit, see
Apology
Shallow like the ocean
I guess I’ll resort to gun totin’
If I was dead broke and smokin’
I’d probably be by my lonesome
I’m a killer nigga
I ain’t jokin’
Endo smoke got me choked
And I’m hopin’
The fool comes slippin’
So I could blow ’em open
This time around
I changed up my flow
Got rid of the rocks
Got Pitts by the door
I’ve raised other people
To watch my back
Stay away from strangers
So I won’t slack
And I know my nigga Mike like that
Baby
聞いてくれ
俺には俺の悩みがある
カメラのフラッシュ、電話の盗聴
自分の家でさえ、安全とは言えず
いつもモノがなくなるんだ
たぶん、やったのは俺のダチさ
でも、俺から奪うなんて、ダチとは言えないな
俺が儲けようとすれば、足を引っ張り
しょっぱい謝罪は、海のごとく(*1)
俺は銃を持って歩くしかないのかも
もし俺が死ぬほど貧乏で、煙でもふかしてたら
だれもそばには寄ってこないんだろうけどな
俺は最高の黒人(*2)
冗談なんかじゃないぜ
マリファナの煙でむせてるけど
そうありたいって思ってる
バカなヤツがうっかりやって来たら
そいつをぶちのめしてやる
今度こそは、俺が流れを変えるんだ
ドラッグとはおさらばして(*3)
ピッツに表に立ってもらう(*4)
今までとは別のやつらを引き立てて
俺を背後から守ってもらい
知らない奴らからは離れて、気を緩めたりしない
俺のダチのマイク(MJのこと)もそうしてるんだ、ベイビィ
This time around, yeah
He really thought he really had
Control of me
He really thought he really had
They thought they really had control of me
He really thought he really had
A hold on me
He really thought he really had
They thought they really had control of me
He really thought he really had
Had a hold on me
He really thought he really had
They thought they really had control of me
He really thought he really had
Control of me
He really thought he really had
They thought they really had control of me
He really thought he really had
A hold on me
He really thought he really had
They thought they really had control of me
This time around yeah
He really thought
今度こそは・・
彼はでかしたと思った
僕を仕留めたってね
彼はでかしたと思った
マジで僕を自由にできると思ったのさ・・・
(訳:yomdalite)
_________
(*1)CD訳の「お詫びは大洋のように空っぽ」とは別の訳を考えてみました。
(*2)このkiller は凶暴ではなく最高!という意味。(MJインタビューでの使用例→)
Rod Temperton came into the studio and he came up with this killer
ロッド・テンパートンがスタジオに現れたとき、彼はあのスゴい曲を持ってきたんだ。
(*3)rocks は、クラックや、コカインといったドラッグのことだと思う。
(*4)Pitts は、落とし穴や、ピッツバーグではなく、ビギーのマネージャーであり、プロデューサーでもあった、Mark Pitts のことだと思う。→ https://en.wikipedia.org/wiki/Mark_Pitts
written by Michael Jackson
Money
Money
Lie for it
Spy for it
Kill for it
Die for it
金,金
お金のために嘘をつき
お金のためにスパイをして
殺すことも
殺されることもある
[Verse 1]
So you call it trust
But I say it’s just
In the devil’s game
Of greed and lust
それを「信用」だって、君は言うだろうけど
僕に言わせれば
物欲と肉欲にまみれた
悪魔との駆け引きにすぎない
They don’t care
They’d do me for the money
They don’t care
They use me for the money
彼らはなにも気にせず
お金のために僕を利用する
So you go to church
Read the holy word
In the scheme of life
It’s all absurd
君が教会に行って
聖書の尊い言葉を読むのは
処世術のため
まったくばかげてる
They don’t care
They’d kill for the money
Do or dare
The thrill for the money
彼らはなんとも思っちゃいない
お金のためなら人を殺すことだってするし
お金のスリルを楽しんでる
You’re saluting the flag
Your country trusts you
Now you’re wearing a badge
You’re called the just few
And you’re fighting the wars
A soldier must do
I’ll never betray or deceive you my friend but
君は国旗に忠誠を誓い
国からお墨付きをもらい
今じゃ、勲章も身につけてる
数少ないエリートだと言われ
そして、戦争をたたかうことになる
兵士としては従うしかないよね
僕は、君を裏切ったり
友達をだましたりなんてしない。でも・・
If you show me the cash
Then I will take it
If you tell me to cry
Then I will fake it
If you give me a hand
Then I will shake it
You’ll do anything for money
君がお金を見せてくれるのなら
僕は受け取るよ
泣けと言われれば、泣くふりをするし
握手を求められれば、喜んで応じる
人は金のためならなんでもするんだ
[Chorus:]
Anything
Anything
Anything for money
Would lie for you
Would die for you
Even sell my soul to the devil
どんなことでも
なんであっても
金のためならなんでもする
嘘をつくことも
命に関わることも
魂を悪魔に売っても構わない
(繰り返し)
[Verse 2]
Insurance?
Where do your loyalties lie?
Is that your alibi?
I don't think so
保険だって?
じゃあ、君の忠誠心はどこにある?
それが君のアリバイ?
そうは思えないね
You don't care
You'd do her for the money
Say it's fair
なんだっていいのさ
お金のために彼女をだましても
悪いことはしてないって言う
You sue her for the money
Want your pot of gold
Need the Midas touch
Bet you sell your soul
Cause your God is such
君はお金のために彼女を訴える
金のなる木が欲しいのさ
触れるものすべてが金に変わるなら
君は魂を売りかねないね
だって、君の神はそんなものだから
You don't care
You kill for the money
Do or dare
The thrill for the money
なんだっていいのさ
お金のために人を殺すことだってするし
お金でスリルを楽しんでる
Are you infected with the same disease of lust, gluttony and greed?
Then watch the ones
With the biggest smiles
The idle jabbers... Cause they're the backstabbers
君も同じ病気にかかってるんじゃない?
好色と大食いと強欲の病気だよ
それなら、満面の笑みを浮かべてる
彼らをよく見ておけよ
何もせず、ただべちゃくちゃとしゃべってる・・・
彼らは、いきなり人を裏切るから
If you know it's a lie
Then you will swear it
If you give it with guilt
Then you will bear it
If it's taking a chance
Then you will dare it
You'll do anything for money...
嘘だってわかっていても
君は本当だと誓うだろう
罪の意識を感じても
その気持ちを押さえ込み
もし、チャンスが転がり込んできたら
君は何だってする
人はお金のためなら、なんだってやるんだ
[Chorus]
Anything
Anything
Anything for money
Would lie for you
Would die for you
Even sell my soul to the devil
どんなことでも
なんであっても
金のためならなんでもする
嘘をつくことも
命に関わることも
魂を悪魔に売っても構わない
(繰り返し)
[Verse 3]
You say you wouldn't do it
For all the money in the world
世界中のお金を積まれたって
そんなことはしないと君は言う
I don't think so
If you show me the man
Then I will sell him
If you ask me to lie
Then I will tell him
でも、僕はそうは思わない
もし、そんな男に会ったら
僕がそいつを売り飛ばす
もし、僕に嘘をつけというなら
僕はそいつに嘘をつく
If you're dealing with God
Then you will hell him
You'll do anything for money
もし、君が神と取引するなら
君は神さえも地獄に送るだろう
人はお金のためなら、なんだってやるんだ
Anything
Anything for money
Would lie for you
Would die for you
Even sell my soul to the devil
Anything
Anything
Anything for money
Would lie for you
Would die for you
Even sell my soul to the devil
どんなことでも
なんであっても
金のためならなんでもする
嘘をつくことも
命に関わることも
魂を悪魔に売っても構わない・・・
(繰り返し)
[Background Sounds]
If you want it, earn it with dignity, Vanderbilt, Morgan, Trump, Rockefeller, Carnegie, Getty, Getty, Getty, …
もし、金が欲しいのなら尊厳をもって稼げ、ヴァンダービルト、モルガン、トランプ、ロックフェラー、カーネギー、ゲッティ、ゲッティ、ゲッティ、...
(訳:yomodalite)
誰が大統領でもかまいませんが、マイケルは永遠に私の「王様」!
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