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和訳 Ghosts

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マイケルの曲は、ショートフィルムの映像と同時に記憶されるものが多いですが、中でも「Ghosts」は映像抜きでは考えられない作品ですよね。


この映像は、1993年の『アダムス・ファミリー2』のプロモーション用に創られたものが元になっていて、それがキャンセルになった後、どんどんアイデアが盛り込まれていったようです。(ゾンビが壁を歩くシーンは、アステアの映画からの引用だったと思うんだけど・・・←コメントで判明!後半に追記)



現在Youtube で公式に公開されている「Ghosts」の映像は、『ブラッド・オン・ザ・ダンス・フロア・ヒストリー・イン・ザ・ミックス』のCDとセットで発売されたSFを編集したもので、スティーブン・キングとの共同脚本による38分の物語の中では、「2 BAD」「Is It Scary」 「Ghosts」 の3曲が使用され、マイケルが中心になって踊る群舞のメインパートは「2 BAD」で、Ghosts」 は、マイケルの魂が体内に入り込んだ町長のダンスシーンで使用されています。


松明を持ち、町はずれの屋敷に住む芸術家を追い出そうとする人々の先頭に立つ町長は、マイケルが性的児童虐待の嫌疑をかけられたとき、捜査を率い、その後の裁判でも主任検事を務めたトム・スネドンを表していると言われていますが、そのマイケルとは真逆とも思えるキャラを演じているのもマイケル自身なんですよね。


リアルタイムで「Ghosts」のSFを見たときは、B級ホラー映画風味のスリラーより、最先端のCGによるゴシックテイストが魅力的で、その美しさには惚れ惚れしたものの、最後のオチのつけ方がイマイチ、という印象が拭えなかったのですが、今見ると、この親子の一見類型的でチープな演技が、マイケルにとっていかにリアルだったか、それが、20年以上経ってようやく実感できたというか、


スリラー以上の “ドンデン返し” がある、Ghosts(映像)のエンディングですが、『Leaving Neverland』後の2019年に見ると、もしかしたら、今までとは少し違って見えるかもしれませんよ。私はますますマイケルの予見性に圧倒されました。


マイケルが自分で書いた歌詞は、主語が変化していくことが多いのですが、「Ghosts(曲)」は、長編の一部で、3曲を使用した映像の中で何役も演じていることもあってか、めずらしく主語が一貫してますね。





Ghosts

Michael Jackson


[Verse 1]

There's a ghost down in the hall

There's a ghoul upon the bed

There's something in the walls

There's blood up on the stairs

And it's floating through the room

And there's nothing I can see

I know This place is doomed

Because now it's haunting me


階下には幽霊がいて

ベッドの上には餓鬼

壁の中にも何かが潜んでいる

階段の上を血が流れ

それが部屋にまで流れ込んでくる

僕には何も見えないけど

わかってるんだ

この場所が致命的だってこと

だって、それは僕に取り憑いて離れないから


[Bridge]

I don't understand it

Hey

I don't understand it!

Aaow


わからないよ

理解できないね、僕には


[Verse 2]

There's a tapping in the floor

There's a creak behind the door

There's a rocking in the chair

But nobody sitting there

There's a ghostly smell around

But nobody to be found

And a coffin in lay open

Where a restless soul is spoiling


床ををコツコツ歩く音

ドアの向こうで軋む音

椅子が揺れているけど

誰も座ってないし

怪しい臭いがするその場所には

誰もいないのに

棺の蓋が開いていて

安らかに眠ることができない魂が飛び回ってる


[Bridge]

Don't understand it

(Got a ghost, got a break in the walls)

Hey!

(Got a ghoul, got a break in the halls)

Don't understand it

(Got a ghost, got a break in the walls)

Hey!

(Got a ghoul, got a break in the halls)


理解できない

(壁の中から、幽霊が現れる)

ねえ!

(廊下の奥から、餓鬼がやってくる)

わからない

(壁の中から、幽霊が現れる)

ほら!

(廊下の奥から、餓鬼がやってくる)


[Chorus 1]

And who gave you the right to scare my family?

And who gave you the right to shame my baby, she needs me

And who gave you the right to shake my family tree?

You put a knife in my back, shot an arrow in me!

Tell me, are you the ghost of jealousy?

The ghost of jealousy


誰が僕の家族を脅えさせる権利を与えた?

何の権利があって僕の子供を侮辱する?

彼女には僕が必要なのに

何の権利があって僕の一族を動揺させる?

お前は僕の背後からナイフを突き立て、僕の体に矢を射った

嫉妬の化物ってお前みたいなやつのことか?

嫉妬という化物


[Verse 3]

There's a tapping in the floor

There's a creak behind the door

There's a rocking in the chair

But nobody sitting there

There's a ghostly smell around

But nobody to be found

And a coffin in-lay open

Where a restless soul is spoiling


床はガタガタ音がして

ドアの向こうでは軋む音

椅子が揺れているけど

誰も座ってないし

怪しい臭いがするその場所には

誰もいないのに

棺の蓋が開いていて

安らかに眠ることができない魂が飛び回ってる


[Bridge]

Don't understand it!

(Gotta ghost gotta break in the walls)

Yeah Yeah!

(Got a ghoul, got a break in the halls)

Don't understand it!

(Got a ghost, got a break in the walls)

You’re just a dog gone!

(Got a ghoul, got a break in the halls)

Aaow!


理解できない

(壁の中から、幽霊が現れる)

やあ、やあ!

(階下から、餓鬼がやってくる)

わけがわからない

(壁の中から、幽霊が現れる)

まさに忌まわしい奴ら!

(階下から、餓鬼がやってくる)


[Chorus 2]

And who gave you the right to scare my family?

And who gave you the right to scare my baby

She needs me

And who gave you the right to shake my family tree?

And who gave you the right to take intrusion

To see me?


誰が僕の家族を脅えさせる権利を与えた?

何の権利があって僕の子供を侮辱する?

彼女には僕が必要なのに

何の権利があって僕の一族を動揺させ

誰が僕に会うために勝手に入り込んでいいって言った?


[Chorus 1]

And who gave you the right to shake my family?

And who gave you the right to hurt my baby

She needs me

And who gave you the right to shake my family tree?

You put a knife in my back, shot an arrow in me!

Tell me, are you the ghost of jealousy?

A suckin' ghost of jealousy

Aaow!


誰が僕の家族を脅えさせる権利を与えた?

何の権利があって僕の子供を傷つける?

彼女は僕が必要なのに

何の権利があって僕の一族を動揺させる?

お前は僕の背後からナイフを突き立て、僕の体に矢を射った

お前が嫉妬の化物ってやつか?

嫉妬という化物


[Chorus 2]

And who gave you the right to shake my family?

And who gave you the right to shake my baby

She needs me

And who gave you the right to shake my family tree?

And who gave you the right to take intrusion

To see me?

And who gave you the right to hurt my family?

And who gave you the right hurt my baby, she needs me

And who gave you the right to scare my family tree?

You put a knife in my back, shot an arrow in me!

Tell me, are you the ghost of jealousy?

The ghost of jealousy

Aaow!


誰が僕の家族を脅えさせる権利を与えた?

何の権利があって僕の子供を傷つける?

彼女は僕が必要なのに

何の権利があって僕の一族を動揺させる?

誰が僕に会うために勝手に入り込んでいいって言った?

誰が僕の家族を脅えさせる権利を与えた?

何の権利があって僕の子供を傷つける?

彼女は僕が必要なのに

何の権利があって僕の一族を動揺させる?

お前は僕の背後からナイフを突き立て、僕の体に矢を射った

お前が嫉妬の化物ってやつか?

嫉妬という化物

ああー!


[Outro]

Doggone

But there's no doubt about it, piece of mind

Tell me, are you the ghost of jealousy?


忌々しい!

でも、もはや疑いの余地はない

おまえは嫉妬の化物なんだろう?


(訳:yomodalite)


アステアが壁を歩くシーンは

1951年の『Royal Wedding』

childspiritsさんありがとーー!!!!





上記のアステアだけでなく

マイケルが影響を受けた映画について

ここでもまとめてたんだった(汗)




by yomodalite | 2019-07-10 19:03 | ☆マイケルの言葉 | Comments(2)

和訳 Blood on the Dance Floor

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初めて Blood on the Dance Floor のショートフィルムを見たときの恐怖は今でも忘れられません。当時マイケルより、デヴィッド・リンチの大ファンだった私は、デイル・クーパーの中に邪悪な存在が宿った瞬間を、ドラマではなく、実際にこの眼で見たような戦慄を覚えました。


一定の限度を超えたスターは、誰もがその成功の代償を支払うかのように、破滅へと向かってしまう。でもマイケルを襲った成功の反動は、それらとは比べものにならないほど激しく、その無垢な心が壊れてしまうことを心配しながらも、彼が正気で居続けるなんて誰も信じられなかった時代、


ある意味、彼は、期待を裏切らなかったわけです。


このときのマイケルの怖さは、THIS IS IT後のファンにはなかなかわからないと思うけど、別に生前ファンの優位を語りたいわけじゃなく、


多くのファンは、性的虐待疑惑への無罪を信じるあまり、マイケルが一般的な39歳よりも遥かに成熟したエンターテイメント界の熟達であることを忘れ、彼の被害者像しか見えなくなっていたし、


日頃からマイケルに辛口になることが多い評論家は、数々のスキャンダルに見舞われながら、それを全てバネにしたかのような楽曲を、いつものしたり顏でむしろこれまで以上に高く評価してみたり、


とにかく、誰もが、マイケル自身のことば「But they say the sky’s the limit and to me that’s really true and my friends you have seen nothin’ Just wait ’til I get through」( →和訳Bad )を信じず、ただ、自分勝手に彼を必要としていて、私もそのひとりだったんですね。


さて、曲の内容ですが、この曲には、ビリージーンや、ダーティ・ダイアナ、デンジャラス・・これまでもマイケルの多くの曲にみられる「怖い女」が登場して、マイケルは、いっけんこの女に破滅させられようとしているエリート男性を演じているように見えて、すこし違います。


マイケルは、歌詞の中の“語り手”で、「僕」と「彼女」の両方に、自身の別の意味を重ね合わせながら、男と女のダンスを両方の側から見ることができる存在。


SFの冒頭、イバラが巻きついた心臓は、カトリック系の教会に飾られることが多い受難を示すもので、このハートに、SUSIE + ME とあるように、最初の受難は、スージー(と、マイケル)の方。



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(ここにナイフが刺さって曲が始まる)


つまり、この曲の「彼女は・・」という部分は、すべて先に男がしたことで、「僕」が最初に彼女の電話番号をゲットし、彼女を押し倒して7インチのモノを突き刺した。それで、彼女はおなかにベイビーを授かった。(だから、彼女がゲットしたのは番号ではなく、get someone's number 本心を知る、正体を見抜く等の方だと思います

「僕」の破滅の要因が、彼女のおなかの中の子供だという、何万年も続いてきた愛と欲望のすれ違い・・そこにはシンプルな原理があるだけなのに、キリスト教社会は愛と性を分離し、神の愛を禁欲の熱狂へと導き、「聖女」という存在を生み出してしまう。


ダンスフロアは熱く燃えるように赤く、「僕」はそこに自分のパワー(Blood on my side)を感じたけれど、マイケルは、そこが冷たく滴るような紅で濡れていることも知っている。


そして「怖い女」とは、男の無知と自分勝手が作り出した存在だということも。


そんなわけで、


さまざまなメタファーが散りばめられ、言葉と音がバシバシとキマリまくり、時代を超えた魔力に満ち溢れ、私が最もマイケルらしい、と感じてならない究極のダンスナンバーの和訳です!






Blood on the Dance Floor

Michael Jackson


[Verse 1]

She got your number, ah

She know your game, ah

She put you under, ah

It's so insane, ah

Since you seduced her, ah(*1)

How does it feel? Ah

To know that woman, ah

Is out to kill


彼女は君の正体をつかんだよ

君のやり口をわかっていて

君を支配してるのさ

まじヤバイよね

ねぇ口説いた女に

破滅させられることがわかるって

どんな気分?


[Refrain]

Every night stance is like taking a chance

It's not about love and romance

And now you're going to get it

Ah, every hot man is out taking a chance

It's not about love and romance

And now you do regret it


愛や恋とは関係なく

毎晩チャンスをねらうのが君のスタイル

で、今もそれを欲しがってる

愛や恋とは関係なく

デキる男はみんな試したがる

で、今になって後悔してるってわけ


[Pre-Chorus]

To escape the world, I've got to enjoy that simple dance

And it seemed that everything was on my side

(Blood on my side)

She seemed sincere like it was love and true romance

And now she's out to get me

But I just can't take it (*2)

Just can't break it


この現実から逃れようと

僕はただあの例のダンスを楽しむしかなかった

そうすれば、世界が僕のものだと信じられたんだ

(熱い血潮が僕の中に)

彼女は心の底から僕を愛してると思ってたのに

今、彼女は僕の息の根を止めようとしている

そんなことはさせない

でも、どうすることもできない


[Chorus]

Susie got your number and Susie ain’t your friend

Look who took you under with seven inches in

Blood is on the dance floor, blood is on the knife

Susie's got your number and Susie says it's right


スージーは君の本心を見抜いているし

友達なんかじゃない

君を押し倒して7インチも刺したやつだぜ

熱い血がたぎるダンスフロアに

紅い血に染まったナイフ

スージーは君の運命を手に入れた

スージーに言わせれば当然の権利ってわけ


[Verse 2]

She got your number, ah

How does it feel? Ah

To know this stranger, ah

Is about to kill, ah

She got yo' baby, ah

It happened fast, ah

If you could only, ah

Erase the past (Ah)


彼女は君の運命を手にしたよ

ねぇどんな気分?

たいして知りもしないやつに

息の根を止められるのは

彼女は君の子供も身ごもった

あっという間の出来事さ

君はただ過去を消せたらいいのにって

思うだけ


[Refrain]

Every night stance is like taking a chances (Ah)

It's not about love and romance

And now you're going to get it

Ah, every hot man is out taking a chance

It's not about love and romance

And now you do regret it


愛や恋とは関係なく

毎晩チャンスをねらうのが君のスタイル

で、今もそれを欲しがってる

愛や恋とは関係なく

デキる男はみんな試したがる

で、今になって後悔してるってわけ


[Pre-Chorus]

To escape the world, I got to enjoy this simple dance

And it seemed that everything was on my side

(Blood on my side)

It seemed to me like it was love

And true romance

And now she's out to get me

And I just can't take it


この現実から逃れようと

僕はただあの例のダンスを楽しむしかなかった

そうすれば、世界が僕のものだと信じられたんだ

(熱い血潮が僕の中に)

それは愛とか恋のようにも見えたけど

今、彼女は僕の息の根を止めようとしていて

どうすることもできない


[Chorus]

Susie got your number and Susie ain’t your friend

Look who took you under with seven inches in

Blood is on the dance floor, blood is on the knife

Susie got your number, you know Susie says it's right (Hoo-hoo)


スージーは君の本心を見抜いているし

友達なんかじゃない

君を押し倒して7インチも刺したやつだぜ

熱い血がたぎるダンスフロアに

红い血に染まったナイフ

スージーは君の運命を手に入れた

スージーに言わせれば当然の権利ってわけ


[Chorus]

Susie's got your number

Susie ain’t your friend (Ah, it's goin' down, baby)

Look who took you under, she put seven inches in

Blood is on the dance floor, blood is on the knife (It's goin' down, baby)

Susie's got your number (Ah)

Susie says it's right


スージーは君の本心を見抜いているし

友達なんかじゃない

君を押し倒して7インチも刺したやつだぜ

熱い血がたぎるダンスフロアに

紅い血に染まったナイフ

スージーは君の運命を手に入れた

スージーに言わせれば当然の権利ってわけ


[Outro]

It was blood on the dance floor

(Blood on the dance floor)

It was blood on the dance floor

(Blood on the dance floor)

It was blood on the dance floor

(Blood on the dance floor)

It was blood on the dance floor

(Blood on the dance floor)

And I just can't take it

The girl won't break it

Hoo!


ダンスフロアは血気盛んな

血みどろの世界

僕にはもう耐えられないけど

女もそれを抑えることはできない

ああ・・・


(訳:yomodalite)


(*1)CD歌詞では、Since she 

(*2)CD歌詞では、And I just can't take it


by yomodalite | 2019-05-27 00:00 | ☆マイケルの言葉 | Comments(2)
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もしかしたら、私は日本一「Blood on the Dancefloor:HIStory in the Mix」を愛している女なんじゃないかと思うことがあるんです。

ほとんど毎日聴きたいと思うし、特に1日の始まりに聴くと色々憂鬱になるような現実にもなんとなく対応できる気がして、すごく「ポジティブ」になれるのですが、一般的にはあまり健康的とはいえないイメージの曲が多いこのアルバムに、なぜそのような効果があるのか?ずっと不思議でした。

これは、自分の感想に1番近いレヴューのような気がして、いつか訳しておこうと思っていたものです。いつもどおり、ヤバい英語力を駆使していますので、お気づきの点は遠慮なくご指摘くださいませ。

Source : SHUFFPOST ENTERTAINMENT

Michael Jackson : Man in the Music, Part 2(Morphine)
Joe Vogel
(Posted: June 27, 2009 03:44 AM)

This is Part 2 of a series exploring Michael Jackson the artist through his albums and songs. The following excerpt is taken from Chapter 5 of Man in the Music: An Album by Album Guide to Michael Jackson

マイケル・ジャクソン「Man in the Music」Part 2 “Morphine”
アルバムと歌を通して研究するシリーズのパート2。今回取り上げるのは、第5章「An Album by Album Guide to Michael Jackson」から


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People often struggle with allowing artists to grow and evolve. For Bob Dylan it was considered sacrilege by many to pick up an electric guitar; for the Beatles, the shift from sentimental love songs to social statements and psychedelia caused them to lose, in some people's minds, their initial charm and mass appeal.

人はアーティストが成長し、進化していくことを認めるのに苦労する。ボブ・ディランへは、エレキギターなどけしからんという意見が多く、ビートルズには、センチメンタルなラブソングから、社会への声明やサイケデリックな世界観へ変化したことが、彼らの初期にもっていた魅力や大衆的な人気を失わせることになったと感じた人もいただろう。

For Michael Jackson, the conventional wisdom meant every album post-Thriller that didn't sound or sell like Thriller was considered a failure; this, in spite of the fact that some of his most significant and challenging work came later. Call it the curse of expectational stasis.

マイケル・ジャクソンへは、スリラー以降のアルバムが、スリラーのようには売れなかったことで失敗と思われるということが一般通念になった。実際には、彼の最も重要で挑戦的な作品がその後だったにも関わらず、これは、期待が外れたときの混乱による災難と言ってもいい。


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Still, for those who gave Blood on the Dancefloor: HIStory in the Mix a serious listen, it was an impressive record indeed. Containing just five new songs, the album is considered an artistic breakthrough by some. "His singing on the first five tracks of new material has never been so tormented, or audacious," wrote Armond White of Village Voice.

さらに、本当に重要なレコードである『Blood on the Dancefloor: HIStory in the Mix』を真剣に聴くなら、この5曲の新曲には、これまでにない芸術的な進展が見られる。ビレッジ・ボイスのアーノルド・ホワイトは「彼が最初に歌った5曲は、苦痛に満ちていながらも、不敵で大胆といった、これまでにはない新しい質感がある」と書いている。

"'Blood on the Dancefloor' has the vitality of an intelligence that refuses to be placated. . .[It] is a throwdown, a dare to the concept of innocuous Black pop." In a 1997 review, The New York Times' Neil Strauss concurred: "There is real pain and pathos in these new songs... Jackson's pain is often the world's merriment, and this is probably true of his new songs, which fret about painkillers, sexual promiscuity and public image.

『Blood on the Dancefloor』は、懐柔を拒否するような知性に溢れていて、それは、無害なブラックポップのコンセプトへの思い切った冒険でもある。1997年のニューヨークタイムスのレヴューにおいて、ニール・ストラウスの意見も一致している。現実の苦痛や悲哀が込められた新曲… ジャクソンの苦痛は、しばしば、世界中で娯楽となったが、これらの新曲は、鎮痛剤や、性的乱交、自分の公的イメージに対する彼の真実を歌ったものだ。

In many of them, Jackson seems like the elephant man, screaming that he is a human being... In keeping with Jackson's darker mood, the music has grown more angry and indignant. With beats crashing like metal sheets and synthesizer sounds hissing like pressurized gas, this is industrial funk... Creatively, Jackson has entered a new realm."

大勢の中で、ジャクソンはまるで、自分は人間なんだと叫んでいるエレファントマンのように見える… 金属板を壊すようなビート、シンセサイザーは、圧縮されたガスのシューというような音をだし、その音楽は怒りを増し、ジャクソンは暗い雰囲気を漂わせている。これは、まさに創造的で、インダストリアル・ファンクというか… ジャクソンは新しい領域に入ったと言える。


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In the gritty, haunting "Morphine," Jackson tackles a subject he never had before: drug addiction. To a relentless, industrial funk beat, the singer lashes out in visceral bursts of anger, aggression, and pain. "Is truth a game daddy," he screams out at one point. "To win the fame baby / It's all the same baby / You're so reliable."

ザラザラするような不安感に満ちた「Morphine」、ジャクソンは以前は考えられなかったテーマである「薬物中毒」に取り組んだ。執拗なインダストリアル・ファンクのビートに対し、歌手は、怒りを内部から爆発させるかのように攻撃的に苦痛を歌い上げる。「真実はゲームなのか?ダディ」彼はある時点で叫ぶ。「名声を得るために、みんなそうさ、実に頼もしいよ」

The rage and disappointment, combined with its ear-assaulting sound (music critic Tom Sinclair described it as "alternating Trent Reznor-style sturm und clang with Bacharachian orchestral pomp"), make for a jarring listening experience, particularly for those accustomed to the breezier melodic pop of Off the Wall and Thriller (though it should be noted that songs like "Wanna Be Startin' Somethin'" and "Billie Jean" were already beginning to uncover the complexity, paranoia and pain represented in these later tracks).

憤怒と失望が混ざりあって耳を襲う音は(音楽評論家のトム・シンクレアは、トレント・レズナー風の荒れ狂うような音と、バート・バカラック風の優雅さが交互に入れ替わるようだと著している)「Off the Wall」や「Thriller」の軽快なメロディーや、美しいポップスに慣れている人には、不協和音のような耳障りの悪さを感じるだろう。(「Wanna Be Startin’ Somethin’」や「Billie Jean」のような曲も、これらの曲の複雑さをもち、偏執的で、苦痛を精密に表現していたにも関わらず)

☆sturm und clang ←Trent Reznor に絡んでいることから「sturm und klang」の誤植ではないかと… 確信はありませんが「sturm und klang」で訳しています。

☆Trent Reznor(トレント・レズナー)ナインインチネイルズの中心人物。
デヴィッド・リンチの映画『ロスト・ハイウェイ』の音楽を担当。

◎Nine Inch Nails - The Perfect Drug (full)

☆同じく『ロスト・ハイウェイ』で使用されたドイツの「インダストリアル系」バンド
◎Rammstein Rammstein lost highway

☆Tom Sinclair(トム・シンクレア)Entertainment Weeklyのレビュワー
EW.com(http://www.ew.com/ew/)



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But "Morphine" is best viewed as an experiment -- both sonically and lyrically -- in representing the experience of physical / psychological pain as well as its temporary release via narcotic pain relievers like demerol and morphine (both of which Jackson has been reportedly addicted to, on and off, since the early Nineties).

「Morphine」は、歌詞や音においても、デメロールやモルヒネといった一時的な麻薬の投与によって得られる身体的・精神的な開放感と苦痛の両方を表現するうえで、最も実験的といえる。(伝えられるところによれば、90年代の初期から、ジャクソンはその両面で中毒になっていたという)

This experience is also brilliantly conveyed in the song's form: About mid-way through the track, the grating beat subsides, symbolically representing the pacifying effect of the drug. "Relax, this won't hurt you," Jackson sings soothingly from the perspective of the drug.

この経験はまた、曲の形式にも見事に表現されている。曲のちょうど真ん中あたりで、軋むようなビート音は弱まっていく。これは、ドラッグの鎮静効果を象徴するものだ。「リラックスして。痛くなんかないからね」ジャクソンはドラッグの視点からなだめるように歌う。

Before I put it in
Close your eyes and count to ten
Don't cry
I won't convert you
There's no need to dismay
Close your eyes and drift away

Demerol
Demerol
Oh God he's taking demerol
Demerol
Demerol
Oh God he's taking demerol

He's tried
Hard to convince her
To be over what he had
Today he wants it twice as bad
Don't cry
I won't resent you
Yesterday you had his trust
Today he's taking twice as much

Demerol
Demerol
Oh God he's taking demerol
Demerol
Demerol
Oh God he's taking demerol


◎訳詞:Morphine「マイケルの遺した言葉」



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These verses are perhaps some of the most poignant (and tragic) Jackson has ever sung. Beyond the literalness of the drug itself is Jackson's persistent yearning to escape from pain, loneliness, confusion, and relentless pressure. In this brief interlude he beautifully conveys the soothing, seductive, but temporary release from reality. There is a sense of pleading, of desperation, before the high abruptly ends, and the listener is slammed back into the harsh world of accusations and anguish.

この一連の歌詞は、おそらく、ジャクソンがこれまで歌った中では、もっとも痛烈(および悲劇的)で、麻薬そのものの解釈以上に、ジャクソンが抱える孤独や混乱と容赦のないプレッシャーといった苦痛から解放されたいという願望が見られる。短い間奏中も、彼は優しく慰め、誘うように。しかし、それは一時的な解放に過ぎず、ハイな状態は突然、絶望を訴えるような感覚へと突き落とされ、リスナーは、非難に苦しむ不快な世界に連れ戻される。

Sputnik Music described this musical sequence as a "moment of absolute genius." The song, written and composed entirely by Jackson, is one of his most experimental and brilliant creations. It is a confession, a personal intervention, a witness, and a warning.

Sputnik Musicは、この音楽シークェンスを「絶対的な天才の瞬間」であり、この曲は完全にジャクソンによって作詞・作曲され、彼のもっとも輝かしく、実験的な創造のひとつで、それは罪の告白であり、個人的な治療でもあり(自らが)証人となる、警告でもあると評した。



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[Note : This analysis of "Morphine" was written before Michael Jackson's death. It becomes all the more tragic given reports that narcotics like demerol and morphine may have contributed to his passing.]

[注:この「Morphine」の分析は、マイケル・ジャクソンが亡くなる前に書かれたもの。デメロールやモルヒネのようなドラッグが彼の死の要因かもしれないという報告に従うなら、より一層悲劇と言える]


☆Sputnik Music:英国の音楽評論誌(http://www.sputnikmusic.com/)

(Copyright by Joseph Vogel, from Man in the Music: An Album by Album Guide to Michael Jackson)

◎Morphine - Michael Jackson





by yomodalite | 2012-03-30 14:36 | MJ考察系 | Comments(7)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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