円朝ざんまい よみがえる江戸・明治のことば

森 まゆみ/平凡社

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円朝本2冊目。円朝作品ゆかりの地をめぐり、作品世界を味わう趣向。また何年か後に読んでみたくなると思われる本。しかしこの本ではまだ円朝に出会えないなぁ。
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【本の内容】 幕末から明治にかけて活躍した「落語中興の祖」、三遊亭円朝。円朝が実際に取材した創作落語の舞台をたどり、失われた人情の機微と、言葉の至芸に浸る一冊です。
「何でも歩かなければ、実地は踏めませぬ」(本文より)という円朝の言葉を肝に銘じ、著者は相棒のポン太を伴い旅に出ます。
「怪談牡丹灯籠」の谷中・根津、「文七元結(ぶんしちもっとい)」の浅草・吉原といった江戸市中から、「熱海土産温泉利書(あたみみやげいでゆのききがき)」の熱海、「鰍沢(かじかざわ)」の甲斐身延、「塩原多助(しおばらたすけ)一代記」の上州まで、円朝作品ゆかりの地を歩きとおし、疲れれば温泉につかり、地酒で一杯。著者ならではのフットワークのよさと、近代史の豊かな見識が存分に発揮された一冊です。 永井愛 (劇作家・演出家)

【目 次】
「闇夜の梅」―円朝、来し方の秘話
「士族の商法・華族の医者・世辞屋」―"開化"を斬新に描く
「指物師名人長二」―江戸屈指の男ぶり
「怪談牡丹灯籠」―足のある幽霊
「心眼・明治の地獄」―夢からさめた話
「熱海土産温泉利書」―健脚娘、恋の仇討ち
「文七元結」―江戸っ子の見栄もほころぶ親子の情
「七福神」―不況もどこ吹く、見事なのんき
「怪談乳房榎」―不良息子の面影
「業平文治漂流奇談」―きわめつき、すっきりしたいい男
「真景累ヶ淵」―こりゃ因果の巡りすぎ
「鰍沢」―女はこわい
「霧陰伊香保湯煙」―昔なつかし温泉道
「塩原多助一代記・上野下野道の記」―「誠実・勤倹・正直」の人を追いかけて
「蝦夷錦古郷之家土産・椿説蝦夷なまり」―落ちのびた上野彰義隊士


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by yomodalite | 2007-10-05 11:44 | お笑い・落語 | Trackback | Comments(0)

三遊亭円朝の遺言

藤浦 敦/新人物往来社

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「円朝」に興味が湧いてきて、初めて読んだ本。

円朝が語ったことを、藤浦氏が、書きおこし編集した本だと思っていましたが大間違いでした。著者は三遊派宗家の三代目なんですね。(落語家でもないのに、宗家とか、代々受け継いでいるとかよくわからないのですが...)で、そういう自分が言うのだから、これは円朝の遺言だと言うてはるようです。第1章の「円朝秘話」のみ、弟子や、著者の祖父や父へ語り残していることが書かれてあるのですが、同じく第1章の次項「学ぶべきではない志ん生」からは、いきなり著者の持論全開で、円朝の遺言というタイトルにやっぱり違和感を感じてしまう。

第2章からは、談志、小さん、小朝との対談、ベテラン、新人問わない落語家への愛が感じられる批評には、現在でも読むべき点が充分ありました。なんとか、CDなどで今でも聞ける噺家の話題が多いので、落語初心者にも為になりそう。「三遊派宗家」(三代目)という肩書きや、『三遊亭円朝の遺言』というタイトルでなかったら、もっとすんなり読めたのにと、読書中ずっと思っていましたが、円朝の縁がなければ、やはりこの本とは出会えなかったでしょう。

【著者が褒めた落語家と演目】
・三遊亭円楽/「八百屋小町」「浜野矩随(はまののりゆき)」「薮入り」
 「中村仲蔵」〜など人情噺◎
・古今亭志ん朝/「愛宕山」「三枚起請(さんまいぎしょう)」「大工しらべ」
 「芝浜」「黄金餅」
・立川談志/「三軒茶屋」「二階ぞめき」「め組の喧嘩」「小猿七之輔」
 「小金餅」「野ざらし」「文七元結」「明烏」
・鈴々舎馬風/◎自作「会長への道」「紙入れ」「五人廻し」「品川心中」
 「お茶汲み」「元犬」〜イキな話◎
・月の家円鏡/「寝床」
・柳家小さん/◎「うどんや」「大工しらべ」「三軒長屋」「うんつく」
 「こんにゃく問答」「富八(御慶)」「傘碁」「富久」「宿屋の富」
  夏の噺〜「二十四孝」「夏どろ」「あくび指南」「猫久」(おかみさんが絶品)
 「大山詣り」「酢豆腐」「麻のれん」「蚊いくさ」「佃祭」「青菜」
・三遊亭円歌/「授業中」「浪曲社長」「錦のけさ」「強飯の女郎買い」「女郎の手紙」
・三遊亭円丈/「雪とん」
・春風亭小朝/「お血脈」「うなぎの幇間」「扇の的」
 ◎「豊志賀の死」(「真景累ヶ淵」内)「夜桜」「片棒」「文七元結」
・春風亭柳朝(小朝の師匠)/「大工しらべ」「火焔太鼓」
・橘屋二三蔵/「活人形」「文七元結」「らくだ」◎「うなぎの幇間」
・立川談十朗/「こんにゃく問答」「禁酒番屋」
・三笑亭可楽/◎「鰻の幇間」「らくだ」〜愚痴の芸◎
・林家彦六/「牡丹灯籠」「真景累ヶ淵」「戸田の渡し・お紺ごろし」
 〜道具入り怪談噺◎
・柳家小三治/「猿後家」「茶の湯」「味噌蔵」「大山詣り」「猫の災難」
 「粗忽の釘」「小言念仏」「味噌蔵」「厩火事」
・春風亭柳昇/「日照権」「海外旅行」「結婚式」
・春風亭柳好/◎「野ざらし」「うなぎの幇間」「浮世風呂」「薮入り」
 「羽織のあそび」「五人廻し」「棒だら」「がまの油」
・桂文治/◎「夜桜」(夜桜の文治)「大工調べ」「大山詣り」〜江戸前気取りが◎
・立川藤志楼(高田文夫)/◎「野ざらし」「居残り佐平治」
・桂文字助/中央区の落語家「ためし酒」
・立川談四楼/「コタツ」
・入船亭扇橋/◎「つる」「へっついの幽霊」「宿屋の富」
・立川談春/「黄金の大黒」「三人旅」「巌流島」「道潅」「寄合酒」
・立川志らく/「堀の内」「火焔太鼓」「大工しらべ」「死神」「粗忽の釘」
・橘家円蔵(月の家円鏡)/「たいこ腹」「寝床」

☆円朝作近世の傑作「人情噺文七元結(ぶんしちもつとい)」〜談志、林家正蔵が◎
江戸っ子には二通りの良さがある。長兵衛と近江屋卯兵衛は共に典型的な江戸っ子気質で、モデルはともに藤浦周吉。

☆フジテレビ「落語のピン」立川談志、小朝の深夜落語テレビ(1993)
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【内 容】落語三遊派宗家であり円朝の名跡をもつ著者が、落語界・落語ファンにおくるメッセージ。柳家小さん・立川談志・春風亭小朝の三氏が対談で特別参加。

1/三遊派宗家の口上―「三遊亭円朝の遺言」
2/立川談志師匠との対談―「常識に挑み、極める落語芸」
3/三遊派宗家のメッセージ(1)「噺家へおくるひと言」
4/柳家小さん師匠との対談―「小さん、若き日の思い出」
5/三遊派宗家のメッセージ(2)「噺家へおくるふた言」
6/春風亭小朝師匠との対談―「どこへ行く、落語界」


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by yomodalite | 2007-09-26 14:43 | お笑い・落語 | Trackback | Comments(0)
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3日間の国立劇場公演の最終楽。

大劇場での、毎日3時間に及ぶ公演で、志の輔師匠の声は、いつもより少し嗄れた感じがしましたが、本当に素晴らしい公演でした。初心者も、通人も唸らせてきた師匠ですけど、朝青龍〜安倍首相辞任、「美しい国」〜『24』発売、とジャストタイムリーな時事を盛り込んだ「枕」が、本ネタの中で、それぞれ「つかみ」以上の効果をあげていて感心しきり。

それにしても、最後の『政談月の鏡』には驚かされました。これまで、こんな話があるとは思っても見なかったような斬新な作品。場面が変わって、新しい登場人物がしゃべり出す度に鳥肌が立つ。

いずれの人物にも深い陰影と背景を感じさせる志の輔の演技力の凄さ、そしてこんな通好みの作品を演じるときも、満席のどんな客もおいてきぼりにしないサービス精神が、この大劇場ならではの演出に込められていました。

本当に凄すぎる!!!行って良かった〜〜〜〜・ ・ヾ(* ̄▽ ̄)ノ

「茜の とぉんと来ました」
http://d.hatena.ne.jp/turarayuki/20070914

【演 目】
・「バールのようなもの」
・「八五郎出世せず」 (別名「妾馬」めかうま)
・「政談月の鏡」(円朝作)





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by yomodalite | 2007-09-15 01:21 | お笑い・落語 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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