(追記修正あり)先週は、東京都現代美術館で『血が、汗が、涙がデザインできるか』を見て、昨日は、ギンザ・グラフィック・ギャラリーで『グラフィックデザインはサバイブできるか』を見た。
少女時代に憧れたひとが、年月を経て出会っても素晴らしかったことを知る機会を与えられたのは良かったけど、石岡瑛子の大規模回顧展がようやく今だなんてあまりにも遅すぎる!
そんな怒りは、憧れのひとに出会った頃の私にちょっぴり戻してもくれたけど、かつてあった夢と、その情熱が消えている今、ここにある美しさを、どれだけ胸に焼き付けておけるだろう。
今の私は、少女時代に憧れたものが、年月を経ても色褪せていないことを確認できたというだけでは、物足りなさも感じてしまう。それが他力本願だということはわかっているのだけど、それでは「今」起きていることへの力にできなくて・・。
そして、そんなことを感じる度に、私を一番支えてくれたのは、やっぱりマイケルだった。
今、マイケルが生きていたら彼はどうしただろう、という声をときどき耳にするけど、私は彼は生きている間のすべての時間で、私たちに必要なものをすべて遺してくれたと思っている。
彼が応えてくれたほんのわずかな言葉や公衆での態度、そして、プライヴェートを知る人々から漏れ聞いた弱さでさえ、どれだけ私の力になったことか。
(何年の選挙のとき、オバマとヒラリーのどちらを支持するかを聞かれて)「僕たちは、人間が世界の問題を解決することを当てにしないようにと育てられた。人間にはそれが出来ないというのが、僕の見方だよ。それは僕たちを超えたものなんだ」(→この続き)
今、少女時代からの憧れのひとの展覧会がもうひとつ行われているのだけど、そこにはなぜか足を運べないでいる。87歳になるその人の、ここ数年の活動が期待ハズレだなんて、仕方のないことだとは思うけど・・。
◎関連記事
i-Dマガジン2020年夏号に掲載されたカニエとファレルの会話を和訳しました。
ファレルは、アポロシアターの理事でありながら、LN後に作られた『The Apollo』の中で、ジャクソン5を外すというまさかの決定に抵抗した形跡がなくて、ちょっぴり失望していたのですが、このインタビューの内容は素晴らしいものでした。
また、この会話の中でマイケルについてカニエが語った部分は多くの記事になっていましたが、事あるごとにマイケルへの尊敬を語り、あのフェイクドキュメンタリーで、MJ Muteが起こった後も一切揺るぐことのなかった彼の信念や、メディアに粉飾されていない真の姿も見えてくるので、彼のマイケル愛がより伝わるのではないかと思います。
11 June 2020, 2:20am
ファレル・ウィリアムス「信仰とは自分が感じるもの」
ラップ界のレジェンドであり、スーパープロデューサーであり、ファッション界の巨匠でもあるカニエ・ウェストと語る、創造性、インスピレーション、そしてコミュニティについて
(ファレルの話の全体は、i-Dの2020年夏号『The Faith In Chaos Issue』360号に掲載。下記はカニエとの会話部分のみ)
音楽界最大のスーパースター2人の会話をどのように紹介すればいいだろう?音楽だけではなく、現代の生活のサウンドや、ファッション、フィーリングを定義し、再構築し、形成してきた2人のアーティスト、ファレル・ウィリアムスとカニエ・ウェストのクリエイティブには、手つかずのままになっているものは少ない。
ファレルはパイオニアだ。90年代初頭から、プロダクション・デュオ、ザ・ネプチューンズの一員としての彼の仕事は、後に彼が率いる革新的でジャンルを超越したグループ、N.E.R.Dによって強化され、ヒップホップ世代のサウンドを効果的に形作ってきた。今日でも、彼の精神はビルボードのホット100の中に感じることができる。彼自身がソロアーティストとして活躍しているだけでなく、アリアナ・グランデからミーガン・ザ・スタリオンまで、彼はソングライターでありプロデューサーとしても活躍している。
そして、彼はヒップホップが高級ファッションの世界に進出するための青写真を作った人物でもある。彼の影響力は帝国を築き上げるほどになっているが、その彼でも認めざるを得ないのは、カニエ・ウェストが率いる帝国だ。地球上で最も落ち着きのないラッパーであり、デザイナーであり、建築家、神の言葉の伝道師でもあるカニエ・ウェストは、長い間ファレルにインスピレーションを求めてきました。もしファレルがラッパーを超えた業界への第一歩を踏み出していなかったら、カニエの資産額10億ドルとも言われる「Yeezy」(アディダスとコラボしたシューズライン)も存在していなかっただろう。
21世紀に入ってからも、2人はコラボレーションをしたり、世界中をツアーしたりしてきたが、何よりもまず友人であり続けた。そして今この2人は、世界が封鎖された中で創造性を育んでいることに気がついた。コロナウイルスの大流行は、ある意味では、政治的にも社会的にも不確実な時代の波の中にあると言える。しかし、私たちの多くは指導者たちの言動に落胆し、政府の役人ではなく、私たちが信頼するアーティストに進歩の方法を求める。そこで、マイアミビーチとワイオミングから、ファレル・ウィリアムスとカニエ・ウェストがそれぞれの始まりについてや、最適な創造性、そして一時的に引き離された世界の影響から立ち直るために、私たち全員がどのように行動しなければならないかについて話してくれました。
カニエ:ハロー!
ファレル:そっちはどう?
どうって、ワイオミングでくつろいでたところさ。で、そっちは?
マイアミ。ビーチがあるっていいよね。空気はいいし、空もキレイで、子供たちも家族もはしゃいでるよ。
人ごみから離れるのはね… 雲は追いかけたいけど、群衆は追いかけたくないからね。
それはイイ感じだね。 そんな霧や雑音に邪魔されていないときにインタビューに応じてくれてありがとう。
どういたしまして。
最初に会ったとき、君はまだキャリアの最初の頃で、まだ音楽も発売されていなかったと思うんだけど、会ってすぐに「この人は違う」と思ったのを覚えてる。君の粘り強さが伝わって、リリースされたときは、君が言っていた通りの曲になっていた。君は適切な人を集めて、具体的な製品や曲、経験をリバースエンジニアリングすることができる人だと思う。人を集めるためにはどんなことでもやる人だよね。だから、君がこれまでに成し遂げてきたことは何も驚くことではないと思う。
それで、今は俺はワイオミング州でCOVID期間中の製品の製造方法について考えてるんだ。6月に発表したFoam Runnersは初めてアメリカで製造する商品なんだけど、どこに限定して生産するか考えなきゃならない。方法というよりはアプローチかな。歴史においても、音楽のジャンルでも、服のスタイルでも、すべては物事を成し遂げるための異なるアプローチなんだ。イメージに左右されすぎてるこの夏は、犬が尻尾を追いかけているようなもの。世の中のあらゆるものに挑戦して、何かを成し遂げようとしている人たちも、なかなかそこから抜け出せなくなっているような気がするよ。
娘の誕生日に彼女とプエルトリコに一緒に行ったとき、ギターを弾いている男性がいたんだけど、彼が弾き終わった後に大金のチップを渡してお礼を言った後にこういった。「ここでギターを弾いていても、スタジアムのど真ん中で弾いていても、何の違いもない。それが僕らの仕事だよな」って。音楽は表現のための素晴らしいプラットフォームだけど、ある時点で表現とは何かという頂点に到達する。ラジオやメディア、マーケティングの考え方は圧倒的に素晴らしくパワフルなものではあるけど、ラジオで流れるようでなければ、型破りな表現にはなれなかった。俺たちが育ち愛したヒップホップ界では、ラジオに出たいのか出たくないのか、という話が多かったよね。
ファレルが俺にインスパイアしてくれたことの1つは、型破りの大胆さだった。あなたはインスピレーションの源だよ。俺がピンクのポロシャツを着る前に、ピンクのポロシャツを着ていた。それは血統のように受け継がれて、そこから今のカルチャーにまでたどることができる。あなたは俺たちのためにファッションのドアを壊してくれた。パリに出たときのエレガンスは、決して他で学べるものではなかった。他にも、例えば、『Source』の表紙でスケートボードを持った最初の男になったこととか。そういった全く違うことをしなければならなかった瞬間は、世代全体にインスピレーションを与えた。すべてのことが、どんどんファレルが始めたことに似てきていると感じる。
君が本当に壁やドアを壊したみたいに感じたよ。 マイケル・ジャクソンが一世代前にやっていたようにね。ある意味、あなたはマイケル・ジャクソンにすごく似ている。マイケル・ジャクソンが密かにやっていたように、超ギャングスタ的なことをね。例えば、マイケルがMTVでエルビス・プレスリーの娘にキスしたこととか、かつてのブラックカルチャーは、夜の世界でやってる感じだったんだけど、彼は、黒人はこうあるべきだって教えられたり、思い込まされたこととはまったく違うことをしたんだ。ビートルズのカタログを買うとかさ、それがマイケル・ジャクソンだったんだ。
どんな会社であっても、ヒーローを貶めることは許されないということを示すルールのようなものが必要だよ。シェード・ルームでも、ソーシャルメディアでも、特にドキュメンタリーではね。メディアが俺に不満を持つたびに「来たぞ」という感じがしたよ。俺を「ワッコー・ジャッコー」にしたいんだろって。彼らはいつもそうしてきた。
シカゴに住んでいた頃のことを思い出すと、友だちはみんなギャングだったし、夏になると郊外に行って「黒人の子供」と呼ばれてた。その頃はギャングスタ・ラップの真っ只中でファレルが言っていたことに、より親近感を覚えてたんけどね… もう1つ指摘したかったことがあって、話が逸れてしまうのは分かっているんだけど、バージニア州のこと、黒人音楽にとってバージニア州がどれだけ重要かについて話したいんだ。人々はデトロイトの重要性を語るけど、現代のブラック・ミュージックはバージニアなんだ!テディ・ライリーからファレル・ウィリアムス、ティンバランドまで。そして俺のお気に入りのジョデシ(※1)や、デヴァンテも最高!(※2)ゴスペルの和音から引き出されるものを俺は言葉にできないんだけど、ゴスペルの和音にパンクなアプローチをしたファレルはまさにパンク。それこそがパンクなんだよ。君がドラムを使い始めたその瞬間。ファレル最高ーーーー!!って感じだった。
(※1)ジョデシ(Jodeci)
https://en.wikipedia.org/wiki/Jodeci
(※2)デヴァンテ(DeVante)
https://open.spotify.com/artist/25rT8k7V7EwL1k5e5fqC4x
うわー、それは褒め過ぎだよ。なんて言っていいか… 言葉が出ないよ。でも、僕だけじゃなかったから。名前が知られているかどうかにかかわらず、僕たちみたいのは大勢いた。当時のメディアが認知したいたよりもずっと多くのモデルがあった。僕たちはまさに「What about us?」って感じで、特定の型には嵌まっていない、多元的な存在だったんだ。僕は君が同じことを続けていることを知ってる。君は本当に本物。本物の。という意味だよ。自分の心にはっきりと見えているものを作り上げることができる。それは、本質的にすべての人間の経験にあることだと思う。誰もがそれを叩き込む能力を持っているけど、中には本能的にそれを知っている人もいるみたいで、その能力を持った君のような人たちが、人間の精神は偉大だということを人々に思い出させることができるんじゃないかな。
彼らは、俺たちの心の中にあるものを気づかせないようにしてる。でもそれはどんなことをしても守らなきゃならないものなんだ。サンセット大通りをドライブして看板を見ると... これから公開される映画や、そのランキングとかを考えてると… 自分が誰なのか忘れてしまう。たまには電話を切って9ヶ月間ハワイに行くとか… 家族も移動させてすべてをワイオミングに移して答えを見つけなきゃ。ここワイオミングでは時間の流れが違うし、空間も違う。すべてのものの代わりに、空間と時間だけがあるから意識の流れも違うみたい。精神的に自分を駆り立て、自分が誰であるかを思い出させてくれるものを見つけることの方が重要だからね。
彼らはミュージシャンがいつ最高の仕事をする時期を調べようとするけど、多くの偉大なビジュアルアーティストや画家を見てみると、それは50歳になった頃なんだよね。ラルフ・ローレンの「Polo」のことを考えてみても、ラルフが「ポロ(スポーツ)」に出会ったのも、ラルフが「Polo(ブランド)」を始めたのも、40歳になってからだった。
16歳から25歳までの間のどこかでピークを迎えると言われていて、確かに若いうちにそれに気づく例外的な人もいるけど、創造性を発揮するために実際に開かれている窓は、業界が信じているようなものではないね。流れてくる瞬間もあれば、何も得られない瞬間もあるし、満潮なのか?干潮なのか?その兆しを見失うこともあるし、魚を失うこともある。それがすべてだし、すべてが宇宙と繋がっていて、その繋がりには時間や場所も関係ない。でも業界はそれを実際に考えてないから、それを知らないんだ。
俺はここで農家の人たちと一緒にいるんだけど、作物が良くなることもあれば、悪くなることもあるし、それは本当に神さま次第なんだ。2日前の晩、デザインチームを牧場に連れて行った。彼らに山に沈む夕陽を見て欲しいと思ったのは、それは本当に、ピンクフロイドの『ダークサイドオブムーン』のジャケットのように見えるからなんだ。 でも、その日の空はとても霞んでいて、夕陽もなく、ただ灰色から黒へと変わっていった。それでも、湖のほとりにいると、白鳥とか色んな鳥たちや、動物たちが見えてきて、突然、すべてが生き生きとしていることに気づく。俺たちはある計画のためにそこに行ったんだけど、それは違った形で出てきたんだ。「神は人間の計画を笑う」と言うけど、毎日、この人生のゲームの中で目が覚めると、神がコントロールする、マスタープランがあることに気づく。それはこれまで父が俺に言った中で最も力強い言葉の1つなんだけど、人は流れに身を任せているとき、神が何を望んでいるのかがわかって、神との繋がりに気づくんだ。
いとこが牧場を経営しているから、俺はときどきそこでいろんな人と一緒のテーブルで朝食をとるんだけど、おそらく神もその瞬間、俺にこれらの人々との会話を望んでいるんだと思う。 昨日は「キー・オブ・ライフ」(スティービー・ワンダー)を手に入れて、この名盤をレコードプレーヤーで聴いていて、昼食のときもそのレコードを再生していた。 だから昨日は、俺たちにとってまさに「キー・オブ・ライフ(人生の鍵)」だったんだよね。あるとき、クリス・ジュリアンが話していたときに、「すべては開かれ、すべてに何かがある」って言ったら、スティービーが同時にまったく同じ言葉を言っていた。
スティービー・ワンダーといえば、彼が君に電話して欲しいって言ってたよ。
なんだって!昨日スティービーに電話すればよかったって今朝思ったとこだったんだ。番号を教えて。このインタビューには載せないで!
(笑)メールするよ。
さて、これはi-Dマガジン「カオスな時代の信仰」号だけど、これから何について話す?創造性?それともコロナウイルス?
僕は、これが現代のペストだってことを明確にする必要があると思う。そこに新しい「普通」のようなものがあるとは思わないし、パンデミック前と後の違いを十分に表現することはできない。 多くの人が非常に警戒心が強く、神経質になっていて、命の重さは今までとは違ったものになるだろうし、私たちは本当に分断されるかもしれない。おそらくオンラインは今まで以上に接続されているけど、お互い接触することはできない。 ちょっとバベルの塔(実現不可能な天にも届く塔を建設しようとして神に壊された)に近いところもあるね。これほどてっぺん近くにまで接近したのは初めてで、それに伴う多くの利点がある一方で、デメリットも多くグレーゾーンも多い。
でも、愛はとても深い感情だということも知っているし、それは人が本当に感じているもの。握手やハグで以前のように感情を交換することはできなくてもね。それと経済について。どんな形にせよ、平常化というのは来るよね。正常化ではなく平常化。波というのはある時点まで来ると平になるからね。ただ、そうなったとき、あたりを見回せば、多くの店が潰れ、多くの人が失業しているっていうのは、決して正常な状態とは言えないよね。でも僕たちは、以前にもパンデミックも経験して生き残ってきた。今度だってできるよ。いろんな意味で、僕たちはこの状況に陥ってしまったけど、それを乗り切るためにも仕事をしなくちゃね。
俺には、それ以上言うことない!
でも、君がどんな気持ちだったか聞いてみたかったんだ。i-Dが誰とインタビューしたいか聞いてきたとき、君のことを思った。君の存在感と視点が多くの世界に根付いているからこそ、君は世界で最も影響力のある存在なんだと思う。君が話せば、みんな耳を傾けるだろう。賛成であろうと反対であろうと、何であろうと、みんな君の話を聞くよね。
人が必要としていることや、世界の見方について話しているとき、できる限り人に癒しのバイブレーションをもたらすとき。僕が思うに、一緒にこの会話をしたいと思う人は、君以外にはいないと思う。
俺はマネージャーのブウと一緒にいて、人々がアメリカに来たがっていることや、アメリカという国がいかに素晴らしいかという話をしていた。それからアメリカで貧しいとはどういうことかについて考え始め、俺は「アフリカで貧しい場合は・・・」と言い始めたんだけど、そこでブウが遮るように、「アメリカでいるよりいいですよ。アフリカのコミュニティはあなたを空腹のままほっておきませんから」と言ったんだ。そういうのが、パンデミックが終わったとき、前に進むために取り入れるべき考え方だと思う。そういう変化が起こるべきなんだよ。
俺たちは、人類を1つの種として理解する必要がある。メンタリティを変え、考え方を再調整し、世界を変えるために再調整された考え方をする必要があると思う。世界を変えられるのは、人が変わること以外にない。世界は正しい方向に向かっていなかったから、今は本当にリセットすべきときなんだ。すべては神にかかっている。そして、俺たちは集団として感じ、救われ、答えを得て、何が起こっているのかを集団として考える機会を得ている。一旦立ち止まって考え、本当はどう感じているのかをお互いに尋ね合う時間を持っている。みんな何を感じているのか?俺は何を感じている?君は何を感じている?そして、みんなが何を考えているのかを尋ねる必要がある。一番深いレベルでは知っていること。それが直感だよ。
俺は、物事はシンプルに出来ていると信じてる。あらゆるものが溢れているけど、今は再調整し、本質的なものとシンプルなものに焦点を当てる機会だと思う。
同感だね。本当に僕たちは水瓶座の時代にいると信じている。概念的にも、文字通りの意味でも、比喩的にも、すべてが宙に浮いて未解決な状態なんだ。信仰は、あなたが見ているものではなく、信仰はあなたが聞くものについてでもない。信仰とは感じるものであり、人類は絶対にこれまで以上に感じる場所と状態にある。
僕たちは今目覚めているところなんだ。 家に帰るとき、午前3時とか4時で、疲れて運転してて、ちょっと道路から外れそうになる。友だちか誰かに「起きろよ!」って言われて、僕は「大丈夫!目は覚めてるよ!」って言うことあるよね。でも、僕たちは今、目が覚めたんだ。 今までだってちゃんと起きてはいた。ただ、そのふたつの違いがわからなかった。「起きてる」っていうのは意味がわかる。でも、「目が覚めてる」っていうのはどういうことだろう。それは疲れてさえいないってこと。眠気を払うために目をこすったりしなくてもいいってこと。集中する。僕たちはみんな、ちゃんと目を覚ましていなきゃ。それが音楽であり、アーティストであり、アートなんだ。みんなそれを感じなければならない。 感じられない場合、それはただの2次元であり、空間と時間の無駄。 すべては感情についてのこと、何もかも。
僕は感じたことしか話せないけど、この隔離状態の中で君が感じてきたことは、また違うんじゃない?すべてが強化されていて、ビジョンも、感情も、宇宙とのつながりも… 何もかもが強化されているような気がする。君もそうじゃない?君の経験を元にすれば… 君にとっての経験を語ってもらうことがいいと思う。人々は君の経験から何か得ることができるんじゃない?
変だよね。 周りにいるすべての友だちとか、アドバイスをくれる人も雇って、ものすごくたくさんの質問をしたけど、誰も俺に聞いてくれなかったんだ。1度や2度は俺のところに来て "あなたならどうしますか?”と言われたのを覚えているけど… 俺のやり方が誰にでも通用するとは思えないけど... でも言いたいことは分かるだろう、今のところ、俺は製造業を地域化して、村を育て、コミュニティを形成することに全力を注いでいる。それは俺にとっては素晴らしいことだよ。
それをワイオミングでやっているの?
うん、去年の夏、俺はホームレスのための避難所を作ってた。ホームレスのためのシェルターを作るとき、 多くの場合それは、いかにもホームレスのためのもの、といったものを作るんだけど、俺はもっとセンスのあるものを、実際の家として作りたいんだ。そうすると、人々はドラッグや精神衛生上の問題はどうなの?とか言うんだけど、ゲーテッドコミュニティ(フェンスや壁で覆うことでセキュリティが完備された中間層以上の住宅)では、ドラッグやメンタルヘルスの問題は、ホームレスのドラッグやメンタルヘルスの問題と同じくらいあるからね。俺は、自分が住めるような場所で、インスピレーションを与えてくれるような空間を作りたいと考えてた。億万長者でも家でTシャツを着ているし、ホームレスもTシャツを持っているから、俺はそこをTシャツの家って呼んでる。
とにかく建てられるところに行かなきゃならなかった。それで、アフリカでの共同生活を勉強したり、有機農業や、太陽エネルギーを勉強したんだ。これは今、俺たちが持っているチャンスの1つだからね。俺たちは街を作る方法を学んでる。タトゥーアーティストのところに行くと、彼らは世界で一番酷いタトゥーを入れてても最高のアーティストだってことがあるだろ?なぜかと言えば、彼らは自分の身体を使って練習するからなんだ。過去20年間、多くのメディアが俺がどんな表現をしてきたか見てくれれば、俺が自分の体を使ってやってきたことがわかるよ。
そうだね。それは神が君に与えてくれたものだよ。君はそこに身を投じて、やり抜いてきた。物事を起こす力。何より素晴らしい神からの褒章はその力だね。
ありがとうファレル、俺は妻と子供たちと食事に行くよ、カイリーとトラバも来るから、家族の時間を過ごしてくるよ。
最高だね!
あなたも素晴らしい1日を!
家族に愛を!
(会話終了)
i-Dマガジン「The Faith In Chaos」2020年夏号掲載。
https://i-d.vice.com/en_uk/article/m7jexy/pharrell-williams-interview-i-d-magazine
カニエは『ジーザス・イズ・キング』の続編『ゴッズ・カントリー』(仮題)に取り組んでいて、4月には、建築、持続可能性、そしてドナルド・トランプ現大統領の熱烈な支持について「GQ」に語っていました。また、このインタビューが公開される直前、彼はジョージ・フロイドの娘の教育費として200万ドルを寄付したあと、故郷のシカゴで抗議行動に参加し、シカゴの警察と公立学校の改革を求めて行進にも参加していたようです。
6月7日はプリンスの誕生日!
シーラEの発言からプリンスファムの間では
レモンケーキがブームになっていて、
私も便乗したかったんだけど、
イメージ通りのが売ってなくて、
結局「パープルモンブラン」を買ってしまう。
プリンスが食べていたデザート集を見ると
そんなに遠くない??
ちなみにスーパーLIFEで買ったこちらは
お値段以上の味でした
でも、プリンスがメンバーの契約条件に書いたレモンケーキへの思いは、甘いものを作る腕というよりは、甘いものを誰かに食べさせたいと思う気持ちや、一緒に食べ物を分かち合いたいという彼の「ファミリー」願望だったんじゃないかな。
9人兄弟でずっと仕事も一緒にしていたマイケルと違って、ファミリーやホームを求める気持ちがプリンスにはずっとあったような・・
”HOME”といえば、最近Netflixで見ていた『POSE』
シーズン1 の「愛と葛藤」で主役のブランカが歌った「HOME」にもすごく感動した。
ゲイやトランジェンダーたちがファッションやダンスを競うコンテスト「ボール」。そこではハウスと呼ばれる、ファミリーのようなチームが築かれていて、リーダーはマザーと呼ばれている。
主役でハウス・オブ・エヴァンゲリスタのマザー、ブランカが、親友のプレイ・テルの恋人がAIDSで入院している病院で歌った曲なんだけど、調べてみたら、マイケルも出演していた映画「THE WIZ」でダイアナ・ロスが歌った曲でした!
故郷を想う時心に浮かぶのは
愛があふれ出る場所
ホームにいたい
あの場所に帰りたい
懐かしいものに囲まれて
高く茂った草を傾かせて吹く風
落ちてくる雨粒が突然意味を持ち
景色にパラパラと降り注ぎ
何もかもきれいにしてくれる
戻るチャンスがあるかもしれない
方向がつかめてきたから
ホームに帰れたらステキでしょう
愛と思いやりがあるから
時が流れる速さを緩められたら
私が成長するのに十分な時間ができる
時よ私の味方になって
もう一度やり直させて
突然私の世界が消えて変わった
だけど行き先は分かってる
私の気持ちは混乱した
だけど成長するのをこの目で見た
神様聞こえるなら厳しくしないで
見たままに信じるべきか教えるために
教えて 逃げるべきか
挑戦して残るべきか
ただ身を任せるべきか?
この真新しい世界に生きるなんて
空想かもしれない
でも愛を知った 愛を教えてくれた
だから私には本物
それに学んだ
自分の心の中をのぞけば
見つかるのだと
愛に満ちた世界が
あなたの世界と私の世界のように
ホームのように
(『POSE』字幕より)
ブランカが歌った「HOME」
ウィズのダイアナよりも泣けて、
『POSE』には食事のシーンもよく登場して、
少し変わった「ファミリー」たちの「ハウス」が描かれています。
プレイ・テルを演じているビリー・ポーターが歌った「For All We Know」も
本家のダニー・ハサウェイよりも感動的だったので、番組の方でぜひ!
レモンケーキの写真は
ネットからお借りしました。
2018年最後の投稿は、今年一番アンダーラインを引いた本を紹介することにします。
* * *
ヒップホップにイマイチ乗れずにいる洋楽ファンにとって、1968年生まれの長谷川町蔵氏と、1970年生まれの大和田俊之氏の対談形式によるこの本以上に納得できる読み物はないんじゃないでしょうか。
おふたりの話は、専門用語が散りばめられただけで、アーティストへの過剰な思い入れも、リスペクトの理由も、さっぱり伝わってこないヒップホップマンセーな書き手とは違って、
日本の多くのリスナーにとって、本来はカンタンに共感出来そうにない世界について、フィジカルレベルで、ストンと納得させてくれます。
こんな風に理解できていたら、ムダな苦労をしなかったのに、とか、やっぱそうだよね、と安心したり、全然知らなかったこともたくさんあるのですが、下記はほんのさわりだけ。
(省略して引用しています)
◎第 1部ヒップホップの誕生より
I N T R O D U C T I O N
ヒップホップの壁を超えて
大和田:・・・というわけで 、かつての僕のような初心者 、つまり 「興味はあるのに聴き方が分からない 、どこから手を出せばいいのか分からない 」読者に向けて 、町蔵さんにレクチャ ーしていただこうと思います。
長谷川:まあ 、メディア側にも問題はあるんですけど 。本来はヒップホップを世間に紹介しなくてはいけないヒップホップ系ライタ ーがコアなヒップホップ ・ファンにしかわからない用語で書くし 。
良識ある洋楽ファンがヒップホップの壁を越えられないのはよく分かるんですよ 。まず歌詞が暴力 、金 、犯罪を礼賛して女性蔑視的だし 、音楽的にもロックのように洗練していかない ・・・ヒップホップをロックと同じように音楽だと思うから面白さがわからないのであって ・・・
大和田:音楽じゃないとするとなんでしょう ?
長谷川:ずばり 、一定のルールのもとで参加者たちが優劣を競い合うゲームであり、コンペティションです。・・・たとえば第一線から退いたアーティストの扱われ方・・・ロックだとファンが徐々に減っていくけど 、ヒップホップは、ファンがクモの子を散らすようにいなくなっちゃう 。それは 「こいつはもうゲームに勝てなくなった 」と見限られたってことなんですよ 。
筋金入りの帰国子女で 、大学入学までずっとロサンゼルスにいた学生が、「今の日本のヒップホップはぜんぜん面白くない ! 」と。「どうして? 」って訊くと 、「ビ ーフがないからっすよ!ヒップホップはカンプティッションなんっすよ! 」と叫ぶんです 。
僕がヒップホップに興味があると伝えると毎日のようにメールをくれるんですが、それが 「先生ヤバイっす、誰が誰をディスりました 」とか 「誰と誰がビ ーフを始めました 」「誰が誰のレーベルに入りました 」とか人間関係の話ばっかり 。・・・ この曲がカッコいい !ていう音楽の話はひとつもない (笑) 。
僕も最初から競技と思って聴いていたわけじゃないんですよ 。もともとニューウェーヴの延長で「新しいロック 」としてヒップホップを聴き始めたので 、途中まではヒップホップに進化や洗練を求めていたんです。でも途中でこれは違うなと 。
それで競技であることを意識しながら、時代順にもう一回聴いてみたら、自分の直感が正しいような・・・なので 、歴史をたどりながら 〝ゲームとしてのヒップホップ 〟を喋っていきましょう。
◎テクノ、ハウスとの関係
大和田:ヒップホップとハウスは両方ともディスコをそのルーツのひとつとしながら、片方は女性蔑視的な性格を帯びつつ 、もう片方はゲイ ・カルチャーを継承するわけですよね 。同じ黒人音楽でもこうした対称性がはっきりと出てくるのは・・・
ハウスやテクノにはどこかスピリチュアルな雰囲気が漂うというか 、ある種の超越性が感じられますよね 。それに対してヒップホップはどこまでもリアリティに根ざしている 。
長谷川:ハウスもテクノもループ主体の音楽なのに、ヒップホップほど商業的に大きくならなかったのは、ディスコから受け継いだ匿名性や 音楽の中にある超越性のせいなのかもしれません 。インタビューや写真撮影を拒否している人や 、一人で様々な名義を使い分けているア ーティストも多いんです。そこいらへんが 「俺が俺が」って主張しまくる俗っぽいヒップホップと対照的なんですよ 。
◎ジャマイカからブロンクスへ
大和田:ヒップホップに関する文献を読むと 、必ずジャマイカから始まりますよね 。ほとんどレゲエの歴史と同じになってしまうという ・・・
長谷川:ブロンクスはジャマイカ移民が多くて 、ネーション・オブ・イスラムの指導者ルイス・ファラカーンや国務長官だったコリン・パウエルもブロンクスのジャマイカ系黒人なんですよ・・・
大和田:ブロンクスにはもともとユダヤ系やアイリッシュ系の人がたくさん住んでいたんですが、6 0年代にブロンクス横断高速道路が建設されると、白人がみな郊外に逃げちゃった。だから、アフリカ系とヒスパニック系移民が流れ込んでくるのは比較的最近なんです・・・
長谷川:最初は、当時のディスコDJと同じように 、2つのターンテーブルとミキサーを使ってレコードを切れ目なくかけているだけだったのに、ある日仲間たちのダンスが盛り上がるのが 、曲のコ ーラス部分ではないってことに気づく。たとえばジェームズ ・ブラウンの 〈 F u n k y D r u m m e r 〉は 6分以上続く曲だけど 、一番盛り上がるのは 5分を過ぎてから出てくる・・・いわゆる 「ドラムブレイク 」と呼ばれる部分 ・・・
(引用終了)
これが〝ブレイクビ ーツ 〟の発明に繋がり・・価値観の転倒や、パラダイムシフトをもたらし…
ちなみに、マイケルは、ヒップホップの楽曲の中でも数多くサンプリングされたアーティストの1人なんですが、中でも一番多く使われたのは何だと思いますか?
その答えと、結局ラップは何を語っているのかについて興味がある方はぜひ!
そして、今年お世話になったみなさまへ。
このブログは来年もまだ続きますw
イギー・ポップの「China Girl」の和訳です。
『ギミー・デンジャー』を見てから、再びイギーが大好きになったものの、訳詞のことはまったく考えてなかったんですが、下記のコメント欄にいただいた、ephemeralさんからの訳詞をきっかけに、自分でも訳してみました。
「China Girl」は、ナイル・ロジャースがプロデュースしたデヴィッド・ボウイ版の方が有名で完成度も高いのですが、元々は、ボウイとイギー・ポップが共同制作した曲で、1977年のイギーのアルバム『イディオット』の収録曲でした。
その後、薬物依存症で破産の危機にあったイギーを救うため、1983年のボウイのアルバム『レッツ・ダンス』でセルフ・カバーされ大ヒット。印税の半分がイギーに与えられたという、ふたりの友情話も有名ですね。
あらためて歌詞を見てみると、西欧の白人男が犯してきた罪の重さから、東亜の女性に惹かれているようだったり、
また、歌詞に出てくる「マ-ロンブランドのような悲劇的な気分」というのは、おそらく、ブランドの映画『サヨナラ』のことなんですが、ブランドが演じているのは、朝鮮戦争で活躍した少佐で、転勤で日本に来て知り合った日本女性との悲恋話なんですけど、、まぁ、白人男にとっては、日本女性も「チャイナ・ガール」なんですよね。
また、MTVの賞も受賞したボウイのMVでは、現在、スポーツ選手が相手チームの選手にこれをやるとかなり重い処分を受ける、アジア人に対して目を横に引っ張る仕草なんかもあったりして・・・
ボウイの「チャイナ・ガール」は、同じ国に住むことなどない、遠い異国の女だったことも感じられますが、イギーのヴァージョンは・・・
China Girl
※グレー部分はボウイの歌詞とは少し異なる箇所
I could escape this feeling, with my China Girl
I'm just a reck without my little China Girl
I d'hear her heart beating, loud as thunder
I saw the stars crashing
チャイナガール、おまえさえいてくれれば、俺はこの気持ちから逃げられる
おまえがいないと俺は抜け殻みたい
彼女の心臓の音が雷みたいに響いて
星が爆発するのが見えたんだ
I'm a mess without my, China Girl
Wake up mornings there's no China Girl
I 'd hear hearts beating, loud as thunder
I see stars crashing down
おまえがいないと俺はどうしようもなくなる
朝、目が覚めて、ここにチャイナガールがいないなんて
彼女の心臓の音を聴くと、雷みたいに響いて
空から星が燃えながら墜ちてくるのが見えたんだ
I feel tragic like I'm Marlon Brando
When I look at my China Girl
I could pretend that nothing really meant too much
When I look at my China Girl
チャイナガール、おまえを見ると
俺はマ-ロン・ブランドみたいな悲劇的な気分になって
チャイナガール、おまえを見ると
どんなこともたいした意味はないんじゃないかって思える
I stumble into town just like a sacred cow
Visions of swastikas in my head
Plans for everyone
It's in the whites of my eyes
俺はよろめきながら、聖なる牛のように街に出る
頭の中はハーケンクロイツで一杯で
みんなのための計画を実行する
俺が考えていたことはそんなこと
My little China Girl
You shouldn't mess with me
I'll ruin everything you are
I'll give you television
I'll give you eyes of blue
I'll give you men who want to rule the world
俺の小さなチャイナガール
君はおれに関わらないほうがいい
おまえのすべてがだめになってしまう
俺はおまえの世界にテレビを持ち込み
青い目の人間の見方を持ち込む
世界を支配することを望む男なんだ
And when I get excited
My little China Girl says
Oh baby just you shut your mouth(?)
She says ... sh-sh-shhh
そんな風に興奮していると
俺のチャイナガールは、ねぇもう口を閉じてって
彼女は言うんだ「シーッ…」ってね
Oh oh oh ohoo little china girl
Oh oh oh ohoo little china girl
ああ、かわいいチャイナガール・・・
(訳:yomodalite)
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