人気ブログランキング |

カテゴリ:現代文化・音楽・訳詞( 146 )

石岡瑛子を回顧する

石岡瑛子を回顧する_f0134963_23375235.jpeg


(追記修正あり)先週は、東京都現代美術館で『血が、汗が、涙がデザインできるか』を見て、昨日は、ギンザ・グラフィック・ギャラリーで『グラフィックデザインはサバイブできるか』を見た。


少女時代に憧れたひとが、年月を経て出会っても素晴らしかったことを知る機会を与えられたのは良かったけど、石岡瑛子の大規模回顧展がようやく今だなんてあまりにも遅すぎる!


そんな怒りは、憧れのひとに出会った頃の私にちょっぴり戻してもくれたけど、かつてあった夢と、その情熱が消えている今、ここにある美しさを、どれだけ胸に焼き付けておけるだろう。


今の私は、少女時代に憧れたものが、年月を経ても色褪せていないことを確認できたというだけでは、物足りなさも感じてしまう。それが他力本願だということはわかっているのだけど、それでは「今」起きていることへの力にできなくて・・。


そして、そんなことを感じる度に、私を一番支えてくれたのは、やっぱりマイケルだった。


今、マイケルが生きていたら彼はどうしただろう、という声をときどき耳にするけど、私は彼は生きている間のすべての時間で、私たちに必要なものをすべて遺してくれたと思っている。


彼が応えてくれたほんのわずかな言葉や公衆での態度、そして、プライヴェートを知る人々から漏れ聞いた弱さでさえ、どれだけ私の力になったことか。


(何年の選挙のとき、オバマとヒラリーのどちらを支持するかを聞かれて)「僕たちは、人間が世界の問題を解決することを当てにしないようにと育てられた。人間にはそれが出来ないというのが、僕の見方だよ。それは僕たちを超えたものなんだ」(→この続き)


今、少女時代からの憧れのひとの展覧会がもうひとつ行われているのだけど、そこにはなぜか足を運べないでいる。87歳になるその人の、ここ数年の活動が期待ハズレだなんて、仕方のないことだとは思うけど・・。


◎関連記事





タグ:
by yomodalite | 2020-12-08 23:40 | 現代文化・音楽・訳詞 | Comments(0)
コロナ禍後に行われたファレルとカニエの会話_f0134963_13202716.jpeg



i-Dマガジン2020年夏号に掲載されたカニエとファレルの会話を和訳しました。

ファレルは、アポロシアターの理事でありながら、LN後に作られた『The Apollo』の中で、ジャクソン5を外すというまさかの決定に抵抗した形跡がなくて、ちょっぴり失望していたのですが、このインタビューの内容は素晴らしいものでした。

また、この会話の中でマイケルについてカニエが語った部分は多くの記事になっていましたが、事あるごとにマイケルへの尊敬を語り、あのフェイクドキュメンタリーで、MJ Muteが起こった後も一切揺るぐことのなかった彼の信念や、メディアに粉飾されていない真の姿も見えてくるので、彼のマイケル愛がより伝わるのではないかと思います。


11 June 2020, 2:20am

ファレル・ウィリアムス「信仰とは自分が感じるもの」

ラップ界のレジェンドであり、スーパープロデューサーであり、ファッション界の巨匠でもあるカニエ・ウェストと語る、創造性、インスピレーション、そしてコミュニティについて


(ファレルの話の全体は、i-Dの2020年夏号『The Faith In Chaos Issue』360号に掲載。下記はカニエとの会話部分のみ)

音楽界最大のスーパースター2人の会話をどのように紹介すればいいだろう?音楽だけではなく、現代の生活のサウンドや、ファッション、フィーリングを定義し、再構築し、形成してきた2人のアーティスト、ファレル・ウィリアムスとカニエ・ウェストのクリエイティブには、手つかずのままになっているものは少ない。


ファレルはパイオニアだ。90年代初頭から、プロダクション・デュオ、ザ・ネプチューンズの一員としての彼の仕事は、後に彼が率いる革新的でジャンルを超越したグループ、N.E.R.Dによって強化され、ヒップホップ世代のサウンドを効果的に形作ってきた。今日でも、彼の精神はビルボードのホット100の中に感じることができる。彼自身がソロアーティストとして活躍しているだけでなく、アリアナ・グランデからミーガン・ザ・スタリオンまで、彼はソングライターでありプロデューサーとしても活躍している。


そして、彼はヒップホップが高級ファッションの世界に進出するための青写真を作った人物でもある。彼の影響力は帝国を築き上げるほどになっているが、その彼でも認めざるを得ないのは、カニエ・ウェストが率いる帝国だ。地球上で最も落ち着きのないラッパーであり、デザイナーであり、建築家、神の言葉の伝道師でもあるカニエ・ウェストは、長い間ファレルにインスピレーションを求めてきました。もしファレルがラッパーを超えた業界への第一歩を踏み出していなかったら、カニエの資産額10億ドルとも言われる「Yeezy」(アディダスとコラボしたシューズライン)も存在していなかっただろう。


21世紀に入ってからも、2人はコラボレーションをしたり、世界中をツアーしたりしてきたが、何よりもまず友人であり続けた。そして今この2人は、世界が封鎖された中で創造性を育んでいることに気がついた。コロナウイルスの大流行は、ある意味では、政治的にも社会的にも不確実な時代の波の中にあると言える。しかし、私たちの多くは指導者たちの言動に落胆し、政府の役人ではなく、私たちが信頼するアーティストに進歩の方法を求める。そこで、マイアミビーチとワイオミングから、ファレル・ウィリアムスとカニエ・ウェストがそれぞれの始まりについてや、最適な創造性、そして一時的に引き離された世界の影響から立ち直るために、私たち全員がどのように行動しなければならないかについて話してくれました。


コロナ禍後に行われたファレルとカニエの会話_f0134963_13244048.jpeg

カニエ:ハロー!


ファレル:そっちはどう?


どうって、ワイオミングでくつろいでたところさ。で、そっちは?


マイアミ。ビーチがあるっていいよね。空気はいいし、空もキレイで、子供たちも家族もはしゃいでるよ。


人ごみから離れるのはね… 雲は追いかけたいけど、群衆は追いかけたくないからね。


それはイイ感じだね。 そんな霧や雑音に邪魔されていないときにインタビューに応じてくれてありがとう。


どういたしまして。


最初に会ったとき、君はまだキャリアの最初の頃で、まだ音楽も発売されていなかったと思うんだけど、会ってすぐに「この人は違う」と思ったのを覚えてる。君の粘り強さが伝わって、リリースされたときは、君が言っていた通りの曲になっていた。君は適切な人を集めて、具体的な製品や曲、経験をリバースエンジニアリングすることができる人だと思う。人を集めるためにはどんなことでもやる人だよね。だから、君がこれまでに成し遂げてきたことは何も驚くことではないと思う。


それで、今は俺はワイオミング州でCOVID期間中の製品の製造方法について考えてるんだ。6月に発表したFoam Runnersは初めてアメリカで製造する商品なんだけど、どこに限定して生産するか考えなきゃならない。方法というよりはアプローチかな。歴史においても、音楽のジャンルでも、服のスタイルでも、すべては物事を成し遂げるための異なるアプローチなんだ。イメージに左右されすぎてるこの夏は、犬が尻尾を追いかけているようなもの。世の中のあらゆるものに挑戦して、何かを成し遂げようとしている人たちも、なかなかそこから抜け出せなくなっているような気がするよ。


娘の誕生日に彼女とプエルトリコに一緒に行ったとき、ギターを弾いている男性がいたんだけど、彼が弾き終わった後に大金のチップを渡してお礼を言った後にこういった。「ここでギターを弾いていても、スタジアムのど真ん中で弾いていても、何の違いもない。それが僕らの仕事だよな」って。音楽は表現のための素晴らしいプラットフォームだけど、ある時点で表現とは何かという頂点に到達する。ラジオやメディア、マーケティングの考え方は圧倒的に素晴らしくパワフルなものではあるけど、ラジオで流れるようでなければ、型破りな表現にはなれなかった。俺たちが育ち愛したヒップホップ界では、ラジオに出たいのか出たくないのか、という話が多かったよね。


ファレルが俺にインスパイアしてくれたことの1つは、型破りの大胆さだった。あなたはインスピレーションの源だよ。俺がピンクのポロシャツを着る前に、ピンクのポロシャツを着ていた。それは血統のように受け継がれて、そこから今のカルチャーにまでたどることができる。あなたは俺たちのためにファッションのドアを壊してくれた。パリに出たときのエレガンスは、決して他で学べるものではなかった。他にも、例えば、『Source』の表紙でスケートボードを持った最初の男になったこととか。そういった全く違うことをしなければならなかった瞬間は、世代全体にインスピレーションを与えた。すべてのことが、どんどんファレルが始めたことに似てきていると感じる。


君が本当に壁やドアを壊したみたいに感じたよ。 マイケル・ジャクソンが一世代前にやっていたようにね。ある意味、あなたはマイケル・ジャクソンにすごく似ている。マイケル・ジャクソンが密かにやっていたように、超ギャングスタ的なことをね。例えば、マイケルがMTVでエルビス・プレスリーの娘にキスしたこととか、かつてのブラックカルチャーは、夜の世界でやってる感じだったんだけど、彼は、黒人はこうあるべきだって教えられたり、思い込まされたこととはまったく違うことをしたんだ。ビートルズのカタログを買うとかさ、それがマイケル・ジャクソンだったんだ。


どんな会社であっても、ヒーローを貶めることは許されないということを示すルールのようなものが必要だよ。シェード・ルームでも、ソーシャルメディアでも、特にドキュメンタリーではね。メディアが俺に不満を持つたびに「来たぞ」という感じがしたよ。俺を「ワッコー・ジャッコー」にしたいんだろって。彼らはいつもそうしてきた。


シカゴに住んでいた頃のことを思い出すと、友だちはみんなギャングだったし、夏になると郊外に行って「黒人の子供」と呼ばれてた。その頃はギャングスタ・ラップの真っ只中でファレルが言っていたことに、より親近感を覚えてたんけどね… もう1つ指摘したかったことがあって、話が逸れてしまうのは分かっているんだけど、バージニア州のこと、黒人音楽にとってバージニア州がどれだけ重要かについて話したいんだ。人々はデトロイトの重要性を語るけど、現代のブラック・ミュージックはバージニアなんだ!テディ・ライリーからファレル・ウィリアムス、ティンバランドまで。そして俺のお気に入りのジョデシ(※1)や、デヴァンテも最高!(※2)ゴスペルの和音から引き出されるものを俺は言葉にできないんだけど、ゴスペルの和音にパンクなアプローチをしたファレルはまさにパンク。それこそがパンクなんだよ。君がドラムを使い始めたその瞬間。ファレル最高ーーーー!!って感じだった。


(※1)ジョデシ(Jodeci)

https://en.wikipedia.org/wiki/Jodeci


(※2)デヴァンテ(DeVante)

https://open.spotify.com/artist/25rT8k7V7EwL1k5e5fqC4x


うわー、それは褒め過ぎだよ。なんて言っていいか… 言葉が出ないよ。でも、僕だけじゃなかったから。名前が知られているかどうかにかかわらず、僕たちみたいのは大勢いた。当時のメディアが認知したいたよりもずっと多くのモデルがあった。僕たちはまさに「What about us?」って感じで、特定の型には嵌まっていない、多元的な存在だったんだ。僕は君が同じことを続けていることを知ってる。君は本当に本物。本物の。という意味だよ。自分の心にはっきりと見えているものを作り上げることができる。それは、本質的にすべての人間の経験にあることだと思う。誰もがそれを叩き込む能力を持っているけど、中には本能的にそれを知っている人もいるみたいで、その能力を持った君のような人たちが、人間の精神は偉大だということを人々に思い出させることができるんじゃないかな。


彼らは、俺たちの心の中にあるものを気づかせないようにしてる。でもそれはどんなことをしても守らなきゃならないものなんだ。サンセット大通りをドライブして看板を見ると... これから公開される映画や、そのランキングとかを考えてると…  自分が誰なのか忘れてしまう。たまには電話を切って9ヶ月間ハワイに行くとか… 家族も移動させてすべてをワイオミングに移して答えを見つけなきゃ。ここワイオミングでは時間の流れが違うし、空間も違う。すべてのものの代わりに、空間と時間だけがあるから意識の流れも違うみたい。精神的に自分を駆り立て、自分が誰であるかを思い出させてくれるものを見つけることの方が重要だからね。


彼らはミュージシャンがいつ最高の仕事をする時期を調べようとするけど、多くの偉大なビジュアルアーティストや画家を見てみると、それは50歳になった頃なんだよね。ラルフ・ローレンの「Polo」のことを考えてみても、ラルフが「ポロ(スポーツ)」に出会ったのも、ラルフが「Polo(ブランド)」を始めたのも、40歳になってからだった。


16歳から25歳までの間のどこかでピークを迎えると言われていて、確かに若いうちにそれに気づく例外的な人もいるけど、創造性を発揮するために実際に開かれている窓は、業界が信じているようなものではないね。流れてくる瞬間もあれば、何も得られない瞬間もあるし、満潮なのか?干潮なのか?その兆しを見失うこともあるし、魚を失うこともある。それがすべてだし、すべてが宇宙と繋がっていて、その繋がりには時間や場所も関係ない。でも業界はそれを実際に考えてないから、それを知らないんだ。


俺はここで農家の人たちと一緒にいるんだけど、作物が良くなることもあれば、悪くなることもあるし、それは本当に神さま次第なんだ。2日前の晩、デザインチームを牧場に連れて行った。彼らに山に沈む夕陽を見て欲しいと思ったのは、それは本当に、ピンクフロイドの『ダークサイドオブムーン』のジャケットのように見えるからなんだ。 でも、その日の空はとても霞んでいて、夕陽もなく、ただ灰色から黒へと変わっていった。それでも、湖のほとりにいると、白鳥とか色んな鳥たちや、動物たちが見えてきて、突然、すべてが生き生きとしていることに気づく。俺たちはある計画のためにそこに行ったんだけど、それは違った形で出てきたんだ。「神は人間の計画を笑う」と言うけど、毎日、この人生のゲームの中で目が覚めると、神がコントロールする、マスタープランがあることに気づく。それはこれまで父が俺に言った中で最も力強い言葉の1つなんだけど、人は流れに身を任せているとき、神が何を望んでいるのかがわかって、神との繋がりに気づくんだ。


いとこが牧場を経営しているから、俺はときどきそこでいろんな人と一緒のテーブルで朝食をとるんだけど、おそらく神もその瞬間、俺にこれらの人々との会話を望んでいるんだと思う。 昨日は「キー・オブ・ライフ」(スティービー・ワンダー)を手に入れて、この名盤をレコードプレーヤーで聴いていて、昼食のときもそのレコードを再生していた。 だから昨日は、俺たちにとってまさに「キー・オブ・ライフ(人生の鍵)」だったんだよね。あるとき、クリス・ジュリアンが話していたときに、「すべては開かれ、すべてに何かがある」って言ったら、スティービーが同時にまったく同じ言葉を言っていた。


スティービー・ワンダーといえば、彼が君に電話して欲しいって言ってたよ。


なんだって!昨日スティービーに電話すればよかったって今朝思ったとこだったんだ。番号を教えて。このインタビューには載せないで!


(笑)メールするよ。


さて、これはi-Dマガジン「カオスな時代の信仰」号だけど、これから何について話す?創造性?それともコロナウイルス?


僕は、これが現代のペストだってことを明確にする必要があると思う。そこに新しい「普通」のようなものがあるとは思わないし、パンデミック前と後の違いを十分に表現することはできない。 多くの人が非常に警戒心が強く、神経質になっていて、命の重さは今までとは違ったものになるだろうし、私たちは本当に分断されるかもしれない。おそらくオンラインは今まで以上に接続されているけど、お互い接触することはできない。 ちょっとバベルの塔(実現不可能な天にも届く塔を建設しようとして神に壊された)に近いところもあるね。これほどてっぺん近くにまで接近したのは初めてで、それに伴う多くの利点がある一方で、デメリットも多くグレーゾーンも多い。


でも、愛はとても深い感情だということも知っているし、それは人が本当に感じているもの。握手やハグで以前のように感情を交換することはできなくてもね。それと経済について。どんな形にせよ、平常化というのは来るよね。正常化ではなく平常化。波というのはある時点まで来ると平になるからね。ただ、そうなったとき、あたりを見回せば、多くの店が潰れ、多くの人が失業しているっていうのは、決して正常な状態とは言えないよね。でも僕たちは、以前にもパンデミックも経験して生き残ってきた。今度だってできるよ。いろんな意味で、僕たちはこの状況に陥ってしまったけど、それを乗り切るためにも仕事をしなくちゃね。


俺には、それ以上言うことない!


でも、君がどんな気持ちだったか聞いてみたかったんだ。i-Dが誰とインタビューしたいか聞いてきたとき、君のことを思った。君の存在感と視点が多くの世界に根付いているからこそ、君は世界で最も影響力のある存在なんだと思う。君が話せば、みんな耳を傾けるだろう。賛成であろうと反対であろうと、何であろうと、みんな君の話を聞くよね。


人が必要としていることや、世界の見方について話しているとき、できる限り人に癒しのバイブレーションをもたらすとき。僕が思うに、一緒にこの会話をしたいと思う人は、君以外にはいないと思う。


俺はマネージャーのブウと一緒にいて、人々がアメリカに来たがっていることや、アメリカという国がいかに素晴らしいかという話をしていた。それからアメリカで貧しいとはどういうことかについて考え始め、俺は「アフリカで貧しい場合は・・・」と言い始めたんだけど、そこでブウが遮るように、「アメリカでいるよりいいですよ。アフリカのコミュニティはあなたを空腹のままほっておきませんから」と言ったんだ。そういうのが、パンデミックが終わったとき、前に進むために取り入れるべき考え方だと思う。そういう変化が起こるべきなんだよ。


俺たちは、人類を1つの種として理解する必要がある。メンタリティを変え、考え方を再調整し、世界を変えるために再調整された考え方をする必要があると思う。世界を変えられるのは、人が変わること以外にない。世界は正しい方向に向かっていなかったから、今は本当にリセットすべきときなんだ。すべては神にかかっている。そして、俺たちは集団として感じ、救われ、答えを得て、何が起こっているのかを集団として考える機会を得ている。一旦立ち止まって考え、本当はどう感じているのかをお互いに尋ね合う時間を持っている。みんな何を感じているのか?俺は何を感じている?君は何を感じている?そして、みんなが何を考えているのかを尋ねる必要がある。一番深いレベルでは知っていること。それが直感だよ。


俺は、物事はシンプルに出来ていると信じてる。あらゆるものが溢れているけど、今は再調整し、本質的なものとシンプルなものに焦点を当てる機会だと思う。


同感だね。本当に僕たちは水瓶座の時代にいると信じている。概念的にも、文字通りの意味でも、比喩的にも、すべてが宙に浮いて未解決な状態なんだ。信仰は、あなたが見ているものではなく、信仰はあなたが聞くものについてでもない。信仰とは感じるものであり、人類は絶対にこれまで以上に感じる場所と状態にある。


僕たちは今目覚めているところなんだ。 家に帰るとき、午前3時とか4時で、疲れて運転してて、ちょっと道路から外れそうになる。友だちか誰かに「起きろよ!」って言われて、僕は「大丈夫!目は覚めてるよ!」って言うことあるよね。でも、僕たちは今、目が覚めたんだ。 今までだってちゃんと起きてはいた。ただ、そのふたつの違いがわからなかった。「起きてる」っていうのは意味がわかる。でも、「目が覚めてる」っていうのはどういうことだろう。それは疲れてさえいないってこと。眠気を払うために目をこすったりしなくてもいいってこと。集中する。僕たちはみんな、ちゃんと目を覚ましていなきゃ。それが音楽であり、アーティストであり、アートなんだ。みんなそれを感じなければならない。 感じられない場合、それはただの2次元であり、空間と時間の無駄。 すべては感情についてのこと、何もかも。


僕は感じたことしか話せないけど、この隔離状態の中で君が感じてきたことは、また違うんじゃない?すべてが強化されていて、ビジョンも、感情も、宇宙とのつながりも… 何もかもが強化されているような気がする。君もそうじゃない?君の経験を元にすれば… 君にとっての経験を語ってもらうことがいいと思う。人々は君の経験から何か得ることができるんじゃない?


変だよね。 周りにいるすべての友だちとか、アドバイスをくれる人も雇って、ものすごくたくさんの質問をしたけど、誰も俺に聞いてくれなかったんだ。1度や2度は俺のところに来て "あなたならどうしますか?”と言われたのを覚えているけど… 俺のやり方が誰にでも通用するとは思えないけど... でも言いたいことは分かるだろう、今のところ、俺は製造業を地域化して、村を育て、コミュニティを形成することに全力を注いでいる。それは俺にとっては素晴らしいことだよ。


それをワイオミングでやっているの?


うん、去年の夏、俺はホームレスのための避難所を作ってた。ホームレスのためのシェルターを作るとき、 多くの場合それは、いかにもホームレスのためのもの、といったものを作るんだけど、俺はもっとセンスのあるものを、実際の家として作りたいんだ。そうすると、人々はドラッグや精神衛生上の問題はどうなの?とか言うんだけど、ゲーテッドコミュニティ(フェンスや壁で覆うことでセキュリティが完備された中間層以上の住宅)では、ドラッグやメンタルヘルスの問題は、ホームレスのドラッグやメンタルヘルスの問題と同じくらいあるからね。俺は、自分が住めるような場所で、インスピレーションを与えてくれるような空間を作りたいと考えてた。億万長者でも家でTシャツを着ているし、ホームレスもTシャツを持っているから、俺はそこをTシャツの家って呼んでる。


とにかく建てられるところに行かなきゃならなかった。それで、アフリカでの共同生活を勉強したり、有機農業や、太陽エネルギーを勉強したんだ。これは今、俺たちが持っているチャンスの1つだからね。俺たちは街を作る方法を学んでる。タトゥーアーティストのところに行くと、彼らは世界で一番酷いタトゥーを入れてても最高のアーティストだってことがあるだろ?なぜかと言えば、彼らは自分の身体を使って練習するからなんだ。過去20年間、多くのメディアが俺がどんな表現をしてきたか見てくれれば、俺が自分の体を使ってやってきたことがわかるよ。


そうだね。それは神が君に与えてくれたものだよ。君はそこに身を投じて、やり抜いてきた。物事を起こす力。何より素晴らしい神からの褒章はその力だね。


ありがとうファレル、俺は妻と子供たちと食事に行くよ、カイリーとトラバも来るから、家族の時間を過ごしてくるよ。


最高だね!


あなたも素晴らしい1日を!


家族に愛を!


(会話終了)


i-Dマガジン「The Faith In Chaos」2020年夏号掲載。

https://i-d.vice.com/en_uk/article/m7jexy/pharrell-williams-interview-i-d-magazine


カニエは『ジーザス・イズ・キング』の続編『ゴッズ・カントリー』(仮題)に取り組んでいて、4月には、建築、持続可能性、そしてドナルド・トランプ現大統領の熱烈な支持について「GQ」に語っていました。また、このインタビューが公開される直前、彼はジョージ・フロイドの娘の教育費として200万ドルを寄付したあと、故郷のシカゴで抗議行動に参加し、シカゴの警察と公立学校の改革を求めて行進にも参加していたようです。



by yomodalite | 2020-06-12 13:40 | 現代文化・音楽・訳詞 | Comments(9)

レモンケーキと”HOME”

レモンケーキと”HOME”_f0134963_20583578.jpg

6月7日はプリンスの誕生日!

シーラEの発言からプリンスファムの間では

レモンケーキがブームになっていて、



私も便乗したかったんだけど、

イメージ通りのが売ってなくて、

結局「パープルモンブラン」を買ってしまう。




プリンスが食べていたデザート集を見ると

そんなに遠くない??

ちなみにスーパーLIFEで買ったこちらは

お値段以上の味でした



でも、プリンスがメンバーの契約条件に書いたレモンケーキへの思いは、甘いものを作る腕というよりは、甘いものを誰かに食べさせたいと思う気持ちや、一緒に食べ物を分かち合いたいという彼の「ファミリー」願望だったんじゃないかな。


9人兄弟でずっと仕事も一緒にしていたマイケルと違って、ファミリーやホームを求める気持ちがプリンスにはずっとあったような・・



”HOME”といえば、最近Netflixで見ていた『POSE』

シーズン1 の「愛と葛藤」で主役のブランカが歌った「HOME」にもすごく感動した。


ゲイやトランジェンダーたちがファッションやダンスを競うコンテスト「ボール」。そこではハウスと呼ばれる、ファミリーのようなチームが築かれていて、リーダーはマザーと呼ばれている。


主役でハウス・オブ・エヴァンゲリスタのマザー、ブランカが、親友のプレイ・テルの恋人がAIDSで入院している病院で歌った曲なんだけど、調べてみたら、マイケルも出演していた映画「THE WIZ」でダイアナ・ロスが歌った曲でした!




故郷を想う時心に浮かぶのは

愛があふれ出る場所

ホームにいたい

あの場所に帰りたい

懐かしいものに囲まれて

高く茂った草を傾かせて吹く風

落ちてくる雨粒が突然意味を持ち

景色にパラパラと降り注ぎ

何もかもきれいにしてくれる

戻るチャンスがあるかもしれない

方向がつかめてきたから

ホームに帰れたらステキでしょう

愛と思いやりがあるから

時が流れる速さを緩められたら

私が成長するのに十分な時間ができる

時よ私の味方になって

もう一度やり直させて


突然私の世界が消えて変わった

だけど行き先は分かってる

私の気持ちは混乱した

だけど成長するのをこの目で見た

神様聞こえるなら厳しくしないで

見たままに信じるべきか教えるために

教えて 逃げるべきか

挑戦して残るべきか

ただ身を任せるべきか?


この真新しい世界に生きるなんて

空想かもしれない

でも愛を知った 愛を教えてくれた

だから私には本物

それに学んだ

自分の心の中をのぞけば

見つかるのだと

愛に満ちた世界が

あなたの世界と私の世界のように

ホームのように


(『POSE』字幕より)



ブランカが歌った「HOME」

ウィズのダイアナよりも泣けて、

『POSE』には食事のシーンもよく登場して、

少し変わった「ファミリー」たちの「ハウス」が描かれています。


プレイ・テルを演じているビリー・ポーターが歌った「For All We Know」も

本家のダニー・ハサウェイよりも感動的だったので、番組の方でぜひ!




レモンケーキの写真は

ネットからお借りしました。


タグ:
by yomodalite | 2020-06-07 21:20 | 現代文化・音楽・訳詞 | Comments(0)
モーツァルトは「アマデウス」ではなかった_f0134963_23274536.jpg


モーツァルトは「アマデウス」ではない、というタイトルから、実際のモーツァルトは、1984年に公開になった映画『アマデウス』で描かれたようなキャラクター(天衣無縫で礼儀知らずで奇妙な性癖をもつ)ではなかった。ことが描かれているのではないかと思ったのですが、そうではなくて・・

また、映画では、サリエリの激しい嫉妬が、モーツァルトの死に繋がって行ったように描かれていますが、それでは、幼い頃からヨーロッパ全土で有名になり、天才の名をほしいままにしていたモーツァルトが、どこに埋葬されたかもわからないような共同墓地に葬られるという異常な事態の説明になっていない。モーツァルトの死の真相とは・・という話でもなく、

フリーメーソンの「フ」の字も登場しない本書で解き明かされたのは、モーツァルトの本名は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトではなく、モーツァルト自身、一度も「アマデウス」と名乗ったり、署名した事もないだけでなく、生前そんな風に呼ばれた事さえなかった、という事実。

モーツァルト自身は、少年期まではヴォルフガング・モーツァルトと署名していて、21歳にザルツブルグで離職し、就職先を求めて旅に出た時から、ヴォルフガング・アマデと署名するようになっている。アマデは、自分を評価し愛してくれたイタリアからもらった称号 Amadeo から作られたものなのですが、アマデーオは、アマデウスの省略形ではなく、イタリア語のアマデーオを、ドイツ語にしてもアマデウスにはならない。それなのに、なぜ・・?

本書は、モーツァルトの名前が「ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト」になってしまった理由と、モーツァルト自身が「アマデ」を使っていた理由を軸に、モーツァルトの生涯が描かれています。

後年、モーツァルトを国家遺産のように使うドイツもオーストリアも(モーツァルトが生まれたザルツブルグは、現在はオーストリアの都市ですが、当時は神聖ローマ帝国、正式名称「ドイツ国民の神聖ローマ帝国」)、生前はモーツァルトを嫌っていた。本書は、そのあたりの理由が詳細に書かれているとは言えませんが、

7人兄弟の7番目として生まれ、幼少の頃より父親から熱心な音楽教育を受け、天才少年として欧州各国で大変な評判になりながら、ザルツブルグでは不遇だったモーツァルトの人生には、ところどころでマイケル・ジャクソンと共通するところがあって、

映画「アマデウス」にも登場したちょっと下品な手紙は、マイケルが少年たちに書いた手紙(Doo Doo)にそっくりだったり、

評判になった伝記の記述は、検証もされずに長く伝承されていくことなど・・

マイケルが旅立った後、美術家や音楽家だけでなく、歴史上のあらゆる偉人に対して、そんな風に思ってしまう病を発症中ではあるんですけど、ね!

こちらは、Kitty Oneさんからのご紹介で読みました!(コメント欄→)Kitty Oneさんありがとーーー! 



by yomodalite | 2020-05-29 23:37 | 現代文化・音楽・訳詞 | Comments(3)
フレディ・マーキュリーと私_f0134963_23510872.png



映画『ボヘミアン・ラプソディ』にも登場した、フレディ・マーキュリーの最後の恋人であるジム・ハットンが書いた手記。

出会いからその死まで、フレディのプライヴェートを最も知る人物による濃密な7年間の記録の中には、ふたりの生々しいセックスライフについても語られているのだけど、ジムのどこか野暮ったい容貌や、彼と一緒にいるときのフレディがとても穏やかに見えるせいか、それは暴露的というよりは、ただ、ありのままを描いたからだと感じられた。

フレディが日本好きだったことは有名だけど、「JUN」の服が好きで、バスタブの外で体を洗うといった日本式にこだわったり、火鉢探しに夢中になる様子など、詳しいエピソードが興味深かった、

また、マイケルと仕事したときの話では、一緒にラップナンバーをやったり、短い付き合いながら、フレディはマイケルが好きだったけど、ユーモアが通じない気がしたり、マイケルの方もフレディのコカイン好きに眉をひそめ、でも一番忘れられない経験だったのは、マイケルが家に招いたとき、ペットのラマに会わせようとして、それで、フレディの白のスラックスが糞まみれになった、というエピソードはこの本が出典?だったのかな。

中盤以降は、エイズを発症したフレディと、自らも感染していながら、彼を看病するジムの生活が描かれていて、フレディに徐々に死が迫っていく描写はどうしようもなく切ない。

そして、ついにそのときがやって来ると、共にフレディの恋人として、それまでは良好な関係に見えたジムとメアリーは「決別」する。

ジムは、メアリーの判断を、酷い仕打ちだと描写しているけど、おそらく、彼女はフレディの栄光や遺産を守るために、優先して考えなければならないことがたくさんあったのではないかと思う。

解説はクイーンの大ファンでエイズ予防財団の森田眞子氏。ショービジネス界によくありがちなスターの元恋人による暴露本かと思ったけど、読んでみたら完全にラブストーリーだった、という氏の感想に完全に同意したくなる内容でした。




by yomodalite | 2019-04-06 23:53 | 現代文化・音楽・訳詞 | Comments(0)

プリンス録音術

プリンス録音術_f0134963_17325560.jpg


エンジニア、バンド・メンバーが語るレコーディング・スタジオのプリンス。
その固すぎるタイトルから、プリンスのスタジオワークに興味があるミュージシャンやエンジニアの人のための本を想像してしまいますが、読み始めてみると、誰よりも仕事中毒でスタジオにこもりっきりだったプリンスの人間性について、彼らの言葉以上に伝えられるものはなく、

代表作ともいえる『パープル・レイン』から、永年レコーディングを担当したスーザン・ロジャーズが各アルバムについて多くを語っているだけでなく(リリース一週間前に突然取りやめになった幻の『ブラック・アルバム』の真実についても!)、長期短期にかかわらず、プリンスを支えた裏方や、スタジオワーカーたちとのエピソードが数多く掲載されています。

マイケルとは違い、生前からメディアのプリンスへの評価は一貫して高かったという印象でしたが、この本に掲載されている有名雑誌のレヴューは、そのすべてが驚くほど高い評価ばかりなので、ファンにとって気持がイイだけでなく、プリンスの栄光と才能を知りたい人には最適で、

また、ミュージシャンとしてだけでなく、少年時代を描いた章のボリュームもたっぷりあるので、彼の生い立ちや、デビューまでの物語を知りたい人にもオススメ!

唯一、残念だったのは書かれている内容が1994年までだったこと。

私がファンになったのは『ゴールド・エクスペリエンス』(1995)で、その後の『イマンシペイション』も、『レインボウ・チルドレン』も、『ミュージコロジー』や、『アート・オフィシャル・エイジ』も、『ヒットアンドラン1、2』といった大好きなアルバムのことが含まれてなくて・・・第二弾はよ!

(引用開始)

パロン(サンセット・サウンドのスタッフ・エンジニア)はマイケル・マクドナルドやアース・ウィンド &ファイアを始め、数多くのスターと仕事をしてきた 。彼は、プリンスとレコーディングするという一生に一度の経験を振り返ると、80年代を通じてプリンスがよく比較されていたあるアーティストの名前を挙げながら、こう語っている。「これまで仕事をしてきた中で、プリンスとマイケル・ジャクソンのような人はいなかった。もちろんプリンスは、僕が仕事をしてきた中でも特に腕の良いミュージシャンだった。マイケル ・ジャクソンとはよく仕事をしたけれど、そのヴォーカルと耳の良さ、自分が求める音楽をわかっているという点で、プリンスはマイケル・ジャクソンと同じ部類に入るだろう。マイケル・ジャクソンは自分で楽器を弾かなかったから、自分の希望を他の人たちに伝えなければならなかったけれど、プリンスはそれをする必要がなかった。マイケルは、自分の求めるものをはっきりと伝え、ギタリストにはギター・リフを歌って聴かせていたよ。お互い違った才能を持っているけれど、ふたりは同じ部類に入ると思う 」 。

(引用終了)

ただし、、MJファンで、プリンスビギナーの方にちょっぴり注意すべき点を挙げると、プリンスは、マイケルのような「完全主義者」とは違って、溢れ出す音をとにかくアウトプットしたい欲求が強く、そこにレコード会社との軋轢なども加わって、信じられないほど膨大なアルバムのほとんどがリマスターされていない上に、2016年に発売されたベスト盤もキャリアすべてを振り返っての選曲とはいえないもどかしさがあって(プリンス自身がリマスターした2017年発売の『パープル・レイン Deluxe Edition』はイイ!)・・

そんなわけで、サンプリングされた音でさえクリアで、最新のデジタルリマスターだの、ハイレゾだのといった音に慣れたMJファンの耳には、せっかくCDで買ったのにプリンスの音がショボく聴こえることも・・(正規がこれほど多いにも関わらず何故かブート推しするファン多いのも謎)

またビジュアル面でも、マイケルとは違った意味で大きく変化していますし、本当に長い間、天才アーティストであり続けたプリンスの全体像を把握するのは容易ではありません。

で、そんなアナタに朗報ww



これまでMixcloud で公開されていた名古屋のプリパ音源が、CDで買えるように!

プリンス録音術_f0134963_18033766.jpg




プリンス録音術_f0134963_18035345.jpg


曲名も書いてあって頭出しも可能!晩年までとにかく一杯あるプリンスのアルバムからMixする手間とお金を考えれば、とんでもなくお得な商品!

私の印象では、2017の方が踊れる感じで、2018はカフェのBGMにもぴったりで、油断しているとお部屋がシャレ乙になってしまうので要注意ですw

更新を通知する


タグ:
by yomodalite | 2019-01-15 18:18 | 現代文化・音楽・訳詞 | Comments(2)

文化系のためのヒップホップ入門_f0134963_20275506.jpeg


2018年最後の投稿は、今年一番アンダーラインを引いた本を紹介することにします。



ヒップホップにイマイチ乗れずにいる洋楽ファンにとって、1968年生まれの長谷川町蔵氏と、1970年生まれの大和田俊之氏の対談形式によるこの本以上に納得できる読み物はないんじゃないでしょうか。


おふたりの話は、専門用語が散りばめられただけで、アーティストへの過剰な思い入れも、リスペクトの理由も、さっぱり伝わってこないヒップホップマンセーな書き手とは違って、


日本の多くのリスナーにとって、本来はカンタンに共感出来そうにない世界について、フィジカルレベルで、ストンと納得させてくれます。


こんな風に理解できていたら、ムダな苦労をしなかったのに、とか、やっぱそうだよね、と安心したり、全然知らなかったこともたくさんあるのですが、下記はほんのさわりだけ。


(省略して引用しています)


◎第 1部ヒップホップの誕生より


I N T R O D U C T I O N

ヒップホップの壁を超えて


大和田:・・・というわけで 、かつての僕のような初心者 、つまり 「興味はあるのに聴き方が分からない 、どこから手を出せばいいのか分からない 」読者に向けて 、町蔵さんにレクチャ ーしていただこうと思います。


長谷川:まあ 、メディア側にも問題はあるんですけど 。本来はヒップホップを世間に紹介しなくてはいけないヒップホップ系ライタ ーがコアなヒップホップ ・ファンにしかわからない用語で書くし


良識ある洋楽ファンがヒップホップの壁を越えられないのはよく分かるんですよ 。まず歌詞が暴力 、金 、犯罪を礼賛して女性蔑視的だし 、音楽的にもロックのように洗練していかない ・・・ヒップホップをロックと同じように音楽だと思うから面白さがわからないのであって ・・・


大和田:音楽じゃないとするとなんでしょう


長谷川:ずばり 、一定のルールのもとで参加者たちが優劣を競い合うゲームであり、コンペティションです。・・・たとえば第一線から退いたアーティストの扱われ方・・・ロックだとファンが徐々に減っていくけど 、ヒップホップは、ファンがクモの子を散らすようにいなくなっちゃう 。それは 「こいつはもうゲームに勝てなくなった 」と見限られたってことなんですよ


筋金入りの帰国子女で 、大学入学までずっとロサンゼルスにいた学生が、「今の日本のヒップホップはぜんぜん面白くない ! 」と。「どうして? 」って訊くと 、「ビ ーフがないからっすよ!ヒップホップはカンプティッションなんっすよ! 」と叫ぶんです 。


僕がヒップホップに興味があると伝えると毎日のようにメールをくれるんですが、それが 「先生ヤバイっす、誰が誰をディスりました 」とか 「誰と誰がビ ーフを始めました 」「誰が誰のレーベルに入りました 」とか人間関係の話ばっかり 。・・・ この曲がカッコいい !ていう音楽の話はひとつもない (笑)


僕も最初から競技と思って聴いていたわけじゃないんですよ 。もともとニューウェーヴの延長で「新しいロック 」としてヒップホップを聴き始めたので 、途中まではヒップホップに進化や洗練を求めていたんです。でも途中でこれは違うなと


それで競技であることを意識しながら、時代順にもう一回聴いてみたら、自分の直感が正しいような・・・なので 、歴史をたどりながら 〝ゲームとしてのヒップホップ 〟を喋っていきましょう。


◎テクノ、ハウスとの関係


大和田:ヒップホップとハウスは両方ともディスコをそのルーツのひとつとしながら、片方は女性蔑視的な性格を帯びつつ 、もう片方はゲイ ・カルチャーを継承するわけですよね 。同じ黒人音楽でもこうした対称性がはっきりと出てくるのは・・・


ハウスやテクノにはどこかスピリチュアルな雰囲気が漂うというか 、ある種の超越性が感じられますよね 。それに対してヒップホップはどこまでもリアリティに根ざしている 。


長谷川:ハウスもテクノもループ主体の音楽なのに、ヒップホップほど商業的に大きくならなかったのは、ディスコから受け継いだ匿名性や 音楽の中にある超越性のせいなのかもしれません 。インタビューや写真撮影を拒否している人や 、一人で様々な名義を使い分けているア ーティストも多いんです。そこいらへんが 「俺が俺が」って主張しまくる俗っぽいヒップホップと対照的なんですよ


◎ジャマイカからブロンクスへ


大和田:ヒップホップに関する文献を読むと 、必ずジャマイカから始まりますよね 。ほとんどレゲエの歴史と同じになってしまうという ・・・


長谷川:ブロンクスはジャマイカ移民が多くて 、ネーション・オブ・イスラムの指導者ルイス・ファラカーンや国務長官だったコリン・パウエルもブロンクスのジャマイカ系黒人なんですよ・・・


大和田:ブロンクスにはもともとユダヤ系やアイリッシュ系の人がたくさん住んでいたんですが、6 0年代にブロンクス横断高速道路が建設されると、白人がみな郊外に逃げちゃった。だから、アフリカ系とヒスパニック系移民が流れ込んでくるのは比較的最近なんです・・・


長谷川:最初は、当時のディスコDJと同じように 、2つのターンテーブルとミキサーを使ってレコードを切れ目なくかけているだけだったのに、ある日仲間たちのダンスが盛り上がるのが 、曲のコ ーラス部分ではないってことに気づく。たとえばジェームズ ・ブラウンの F u n k y D r u m m e r 〉は 6分以上続く曲だけど 、一番盛り上がるのは 5分を過ぎてから出てくる・・・いわゆる 「ドラムブレイク 」と呼ばれる部分 ・・・


(引用終了)


これが〝ブレイクビ ーツ 〟の発明に繋がり・・価値観の転倒や、パラダイムシフトをもたらし


ちなみに、マイケルは、ヒップホップの楽曲の中でも数多くサンプリングされたアーティストの1人なんですが、中でも一番多く使われたのは何だと思いますか?


その答えと、結局ラップは何を語っているのかについて興味がある方はぜひ!

そして、今年お世話になったみなさまへ。

このブログは来年もまだ続きますw


by yomodalite | 2018-12-29 23:00 | 現代文化・音楽・訳詞 | Comments(2)
セリーヌ・ディオンのドキュメンタリー映画_f0134963_14523920.jpg


2010年に公開されたセリーヌ・ディオンのドキュメンタリー・フィルム『セリーヌ:スルー・ザ・アイズ・オブ・ザ・ワールド』の絶叫上映を観に、Zepp難波へ。

大阪は朝から大雨で、時間帯によっては靴の中に水が溜まるぐらいの勢いで、山間部では土砂被害警告も出てたけど、上映が始まる時間が近づくにつれて雨足も落ち着き、梅田から乗り換えなしの会場には難なく到着。

実は、セリーヌのことは全然ファンじゃなくて、CDを買ったこともないし、知ってる曲といえば、例のあの曲と、あとは、R・ケリーとデュエットした「I'm Your Angel」と、






あともう一曲、なんか有名な曲があったような気がするけど、曲名とか知らないし・・とか、もうホントそんなレベルだったんだけど、ライブ映像に加えて、プライヴェートも垣間みえるドキュメンタリーを大きなスクリーンで観られて1ドリンク付き3000円なんて、とってもお得な気がして、速攻でポチったんだけど、

実際、正解だったことは始まったとたんにわかりました。

私のイメージの中のセリーヌは、白いロングドレスを着て、ラスベガスのステージでバラードを歌う人だったんだけど、ワールドツアーで、スタジアムの観客の前に立つ彼女は、完全にロックスターの雰囲気で、アラブ世界からアジア各国、人種や民族や宗教や音楽性の違いや性的嗜好もまったく関係なく、すべてを一瞬で乗り越えてしまうぐらいの度量の大きさが、彼女がステージに登場したとたんに伝わって・・・

衝撃でした。

完璧なスタイルにピッタリとしたミニのワンピース、そこから伸びる長い足には常に10センチの細いヒール!

セリーヌが、マドンナと同じぐらい肉体を鍛えているなんて、想像もしてなかったので、むちゃくちゃ高いピンヒールでカッコよく歩くだけでなく、走り回る姿には驚いてしまいました。

ざっくりとした印象では、楽曲は、オリジナルよりもカバー曲が多くて、3時間ほどの上映(同名のDVDは120分だけど)では、2/3がロックで、1/3がバラード。

マネージャーである夫と、ひとり息子を連れて、世界中をライブで飛び回り、ファンサービスにも熱心で、つかの間の休息も夫や息子と過ごして、彼女にはスキャンダルが入り込む隙間など1ミリもないんだけど、こんな生活でこれほどパワフルな活動を続けるモチベーションになるんだろうかと、またもや、マドンナのことを思い出して疑問に思ってしまった。

でも、おそらく、セリーヌの方が音楽の力で生かされていることを自分自身で感じているからなんでしょう。

とにかく、セリーヌが音楽の力を全身で体現できる人だってことがよくわかるドキュメンタリーでした。

(でも、にわかファンに173分は長過ぎたかなぁ・・それと、彼女がMJモノマネをやる場面がなかったのは残念だった。エルヴィスはやってたのに・・)


クイーンの「We will Rock You」と
「The Show Must Go On」は
彼女にとって重要な曲みたい





このフィルムの映像じゃないし
低画質だけど
「足」でセレクト!





予告編(1)




予告編(2)





by yomodalite | 2018-06-21 15:30 | 現代文化・音楽・訳詞 | Comments(0)

和訳 Iggy Pop "China Girl"

和訳 Iggy Pop \"China Girl\"_f0134963_22463878.jpg


イギー・ポップの「China Girl」の和訳です。

『ギミー・デンジャー』を見てから、再びイギーが大好きになったものの、訳詞のことはまったく考えてなかったんですが、下記のコメント欄にいただいた、ephemeralさんからの訳詞をきっかけに、自分でも訳してみました。


「China Girl」は、ナイル・ロジャースがプロデュースしたデヴィッド・ボウイ版の方が有名で完成度も高いのですが、元々は、ボウイとイギー・ポップが共同制作した曲で、1977年のイギーのアルバム『イディオット』の収録曲でした。


その後、薬物依存症で破産の危機にあったイギーを救うため、1983年のボウイのアルバム『レッツ・ダンス』でセルフ・カバーされ大ヒット。印税の半分がイギーに与えられたという、ふたりの友情話も有名ですね。


あらためて歌詞を見てみると、西欧の白人男が犯してきた罪の重さから、東亜の女性に惹かれているようだったり、


また、歌詞に出てくる「マ-ロンブランドのような悲劇的な気分」というのは、おそらく、ブランドの映画『サヨナラ』のことなんですが、ブランドが演じているのは、朝鮮戦争で活躍した少佐で、転勤で日本に来て知り合った日本女性との悲恋話なんですけど、、まぁ、白人男にとっては、日本女性も「チャイナ・ガール」なんですよね。


また、MTVの賞も受賞したボウイのMVでは、現在、スポーツ選手が相手チームの選手にこれをやるとかなり重い処分を受ける、アジア人に対して目を横に引っ張る仕草なんかもあったりして・・・


ボウイの「チャイナ・ガール」は、同じ国に住むことなどない、遠い異国の女だったことも感じられますが、イギーのヴァージョンは・・・






China Girl

※グレー部分はボウイの歌詞とは少し異なる箇所


I could escape this feeling, with my China Girl

I'm just a reck without my little China Girl

I d'hear her heart beating, loud as thunder

I saw the stars crashing


チャイナガール、おまえさえいてくれれば、俺はこの気持ちから逃げられる

おまえがいないと俺は抜け殻みたい

彼女の心臓の音が雷みたいに響いて

星が爆発するのが見えたんだ


I'm a mess without my, China Girl

Wake up mornings there's no China Girl

I 'd hear hearts beating, loud as thunder

I see stars crashing down


おまえがいないと俺はどうしようもなくなる

朝、目が覚めて、ここにチャイナガールがいないなんて

彼女の心臓の音を聴くと、雷みたいに響いて

空から星が燃えながら墜ちてくるのが見えたんだ


I feel tragic like I'm Marlon Brando

When I look at my China Girl

I could pretend that nothing really meant too much

When I look at my China Girl


チャイナガール、おまえを見ると

俺はマ-ロン・ブランドみたいな悲劇的な気分になって

チャイナガール、おまえを見ると

どんなこともたいした意味はないんじゃないかって思える


I stumble into town just like a sacred cow

Visions of swastikas in my head

Plans for everyone

It's in the whites of my eyes


俺はよろめきながら、聖なる牛のように街に出る

頭の中はハーケンクロイツで一杯で

みんなのための計画を実行する

俺が考えていたことはそんなこと


My little China Girl

You shouldn't mess with me

I'll ruin everything you are

I'll give you television

I'll give you eyes of blue

I'll give you men who want to rule the world


の小さなチャイナガール

君はおれに関わらないほうがいい

おまえのすべてがだめになってしまう

はおまえの世界にテレビを持ち込み

青い目の人間の見方を持ち込む

世界を支配することを望む男なんだ


And when I get excited

My little China Girl says

Oh baby just you shut your mouth(?)

She says ... sh-sh-shhh


そんな風に興奮していると

のチャイナガールは、ねぇもう口を閉じてって

彼女は言うんだ「シーッ」ってね


Oh oh oh ohoo little china girl

Oh oh oh ohoo little china girl


ああ、かわいいチャイナガール・・・


(訳:yomodalite)



by yomodalite | 2018-03-13 23:04 | 現代文化・音楽・訳詞 | Comments(13)
ククーシュカ和訳 ー メドベージェワのエキシビジョンナンバー_f0134963_12521448.png

→「ククーシュカ」についての前記事

前記事に引き続き、メドベージェワのエキシビジョンナンバー、映画『ロシアン・スナイパー』で使用された、Polina Gagarina(ポリーナ・ガガーリナ)の「Кукушка(ククーシュカ)」の和訳です。

メドベージェワはこの曲ですべるとき、口ずさんでいることがあるのですが、『ロシアン・スナイパー』の原題は「Битва за Севастополь(セバストーポリの戦い)」で、第二次大戦中のクリミア半島とセヴァストポリ要塞をめぐるドイツ軍とソ連軍の戦闘のさなか、女性スナイパーとして活躍した、リュドミラ・パブリチェンコを中心に描いた映画です。

「ククーシュカ」は、この映画以前に、ロシアのロックシンガー、ビクトル・ツォイが歌ったことで知られていた曲のようですが、





ポリーナが歌ったことで、女性スナイパーの心情に沿ったものになったようです。





詞はロシア語なので、下記はsky lineという方の英訳から和訳しています。
http://lyricstranslate.com/en/kukushka-кукушка-cuckoo.html



Кукушка(ククーシュカ)
カッコー

How many songs are unwritten yet?
Tell me, cuckoo, sing it to me
Where should I live, in the city or outside
Lie like a stone or shine like a star
Like a star

まだ書かれていない曲がたくさんあるわよね?
教えてカッコー、わたしに歌って
わたしはどこで生きればいいの
街の中、それともどこか別の場所
石のように横たわるか
それとも輝く星になるか
星のように、ね

My sun, come on, look at me
My palm turned into a fist
And if there's gunpowder,
give me fire
That's how it is

太陽よ わたしを見て
わたしの手のひらは拳に変わった
そこに火薬があるなら、私に火を
そう、それだけ

Who's going to follow my lonely track
The strong and brave laid down their lives
On the battlefield, in fight
Few of them remained in our memory
Sober-minded, with the steady hand, in arms
In arms

孤独な道を行くわたしの後を継ぐものは?
たくましく勇敢なものたちが命を捧げた戦場
その闘いの中で
わずかな者たちがわたしたちの記憶に残った
彼らは取り乱すことなく
落ち着いて銃を扱う
そう、銃をね

My sun, come on, look at me
My palm turned into a fist
And if there's gunpowder,
give me fire
That's how it is

太陽よ わたしを見て
わたしの手のひらは拳に変わった
そこに火薬があるなら、私に火を
そう、それだけ

Where are you now, my liberal freedom
Who are you meeting sweet sunrise with
Give me an answer

わたしの自由はどこにいってしまったの
誰が美しい日の出に出会えるというの
わたしに教えて

It's good to live with you and hard without you
The head and patient shoulders
To put under whip lashes, whip lashes

あなたと生きることが喜びで
あなたなしでは生きられない
頭もそして萎えた肩も
振り下ろされた鞭の下で耐えている
振り下ろされた鞭に

You my sun, come on, look at me
My palm turned into a fist
And if there's gunpowder,
give me fire
It's like this

太陽よ わたしを見て
わたしの手のひらは拳に変わった
そして、そこに火薬があるなら
私に火を
そう、火のように

Where are you now, my liberal freedom
Who are you meeting sweet sunrise with
Give me an answer

わたしの自由はどこにいってしまったのか
誰が美しい日の出に出会えるというのか
わたしに教えて

It's good to live with you and hard without you
The head and patient shoulders
To put under whip lashes, whip lashes

あなたと生きることが喜びで
あなたなしでは生きられない
頭もそして萎えた肩も
振り下ろされた鞭の下で耐えている
振り下ろされた鞭に

You my sun, come on, look at me
My palm turned into a fist
And if there's gunpowder,
give me fire
It's like this

太陽よ わたしを見て
わたしの手のひらは拳に変わった
もし、そこに火薬があるなら
私に火を
そう、火のように

訳:yomodlite

※気になる点や、ロシア語がわかってないなど、ご指摘は遠慮なくお願いします。
また、こちらのページにある別の英訳については現在検討中。

https://m.poemhunter.com/poem-amp/the-cuckoo-translation-of-a-russian-song/



Europeans 2018 Exhibition



2018 Orympic




Kukushka(ロシア語オリジナル)
Песен ещë ненаписанных, сколько?
Скажи, кукушка, пропой.
В городе мне жить или на выселках,
Камнем лежать или гореть звëздой?
Звëздой.
Солнце моë - взгляни на меня,
Моя ладонь превратилась в кулак,
И если есть порох - дай огня.
Вот так...
Кто пойдëт по следу одинокому?
Сильные да смелые
Головы сложили в поле в бою.
Мало кто остался в светлой памяти,
В трезвом уме да с твердой рукой в строю,
В строю.
Солнце моë - взгляни на меня,
Моя ладонь превратилась в кулак,
И если есть порох - дай огня.
Вот так...
Где же ты теперь, воля вольная?
С кем же ты сейчас
Ласковый рассвет встречаешь? Ответь.
Хорошо с тобой, да плохо без тебя,
Голову да плечи терпеливые под плеть,
Под плеть.
Солнце моë - взгляни на меня,
Моя ладонь превратилась в кулак,
И если есть порох - дай огня.
Вот так...

戦場をテーマにした「ククーシュカ」という有名な曲は他にも・・
◎[参考記事]カッコウは鳴き声で人の余命を告げる?




by yomodalite | 2018-03-07 21:30 | 現代文化・音楽・訳詞 | Comments(14)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。


by yomodalite