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黙示録:映画プロデューサー 奥山和由の天国と地獄_f0134963_09505913.jpg

『天才 勝新太郎』に感動して以来、春日太一氏の本は何冊も読んできたけど、その中でも特に面白く、奥山氏のことを覚えている人も、そうでない人にも、超オススメの凄い本。

映画と書籍を同時に売り出す商法で、角川春樹が一世を風靡した時代の映画には興味が持てなかったけど、その後に現れた、奥山和由プロデュースには作品だけでなく、企画や、宣伝コピーも含めて、鮮烈な印象を受けたものがたくさんあった。

本書はそれらひとつひとつを余すことなく蘇らせてくれて、好きだった作品はもちろん、興味がなかった作品でさえ、その裏側を語り尽くそうとする奥山氏の話に引き込まれる。

松竹の社長だった父親、最後まで憧れ続けた深作欣二、ビートたけしが「世界の北野」になっていく瞬間、そしてロバート・デニーロとの深い絆。

数々の名監督や、樹木希林や、ショーケンといった俳優たちだけでなく、『226』の遺族や、一ノ瀬泰造(『地雷を踏んだらサヨウナラ』)、山口県光市母子殺人事件の遺族である本村洋さんへの思いなど、どの作品に関しても、濃いエピソードが次から次へと止めどなく続く。

『RANPO』で、監督への不満から、自らメガホンをとることになり、2ヴァージョン公開という異例の事態になったのはなぜだったのか? そして快進撃の最中の松竹から追放。

常人なら、そのひとつを経験しただけで、人生が終わってしまうような大波に何度も何度ものまれながら、次々と作品を生み出していったパワーに圧倒されて思い出したり、これは観なくちゃと思った作品は多かったのだけど、

私がこれだけはどうしても、と思ったのは、神代辰己監督、萩原健一主演の『恋文』(p97)でした。

神代監督とショーケンの映画では、以前『もどり川』という作品に感動していたんだけど、この2年後にもう一作撮ってたなんて知りませんでした。しかも『恋文』は、連城三紀彦がショーケンをモデルにして書いた作品なんだとか。『もどり川』でこんな役を演じられるのはショーケンだけだと思ったり、出演した女優はどの映画でも魅力的な人たちばかりなんだけど、この映画ではさらにスケールアップしていて驚いたのだけど、

僕は今でも『恋文』は超名作だと思うし、「リメイクするとしたら、私は『恋文』に出演したいという女優が何人もいた(奥山談)だなんて、どれほど名作なのかまるで想像できない。


最後に、どんな本を読んでいても、ふとした瞬間に登場するわたしたちのKINGエピソードをw

(p122)ハリウッドからジェネシス賞という賞をもらった。映画の都からだと喜んだら、内容は動物愛護に貢献した映画やテレビに与えられる賞だと。スケジュール的に行けそうにないと連絡を入れると同時に、授賞式の詳細が届いて、司会は『刑事コジャック』のテリー・サバラスで、プレゼンターはベリンダ・カーライル、他に受賞するのは、アニメ部門がディズニーで、音楽部門はなんとマイケル・ジャクソン!猿のバブルス君への溺愛していたのが評価されて、彼も出席すると。マイケルと並んで受賞するなんて、このチャンスを逃したら一生ないと、強引にスケジュール調整して出かけると、サバラスとカーライルにおめでとうのキスをされ、テーブルの隣はディズニーで、反対側にはマイケルの席!でも受賞者が登壇というタイミングで現れたのは、代理のバブルス君だけ。結局、マイケルは急用で来れなかった。(省略引用)

このとき残念至極の状態で登壇し、大喝采を受けた奥山氏のスピーチはぜひ本書で!


by yomodalite | 2020-01-22 23:57 | 映画・マンガ・TV | Comments(0)
ジャクソン家が選んだ2019年映画ベスト10_f0134963_00232991.png


タジ、プリンス、ビギ(ブランケット)が映画について語るyoutube番組の、2019年のベスト10。

私も1年間で観た映画のベスト10を選んでみようと思ったことはあるんだけど、マイケルの曲と同じく順位をつけるっていうのが、どうしても出来なくて・・・





以下、タジ・ジャクソン(T)、プリンス・ジャクソン(P)、ビギ・ジャクソン(B)

第10位 
・マリッジ・ストーリー(T)
・IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。(P)
・2人のローマ教皇(B)

第9位
・1917 命をかけた伝令(T、B)2020年2月14日公開
・アベンジャーズ/エンドゲーム(P)

第8位
・フォードvsフェラーリ(T)2020年1月10日公開
・アド・アストラ(P、B)

第7位
・ジョン・ウィック:パラベラム(T)
・マリッジ・ストーリー(P)
・アベンジャーズ/エンドゲーム(B)

第6位
・パラサイト 半地下の家族(T、P)
・ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(B)

第5位
・ジョジョ・ラビット(T)2020年1月17日公開
・ロケットマン(P)
・フォードvsフェラーリ(B)

第4位
・ジョーカー(T)
・フォードvsフェラーリ(P)
・マリッジ・ストーリー(B)

第3位
・ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(T)
・ジョーカー(P、B)

第2位
・アイリッシュマン(T、P)
・パラサイト 半地下の家族(B)

第1位
・アベンジャーズ/エンドゲーム(T)
・ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(P)
・アイリッシュマン(B)

結果を見ると、46歳のタジと、22歳のプリンス、17歳のビギが選んだ作品は、ほとんど変わりないんですよね。

ひとりだけ選んでいる作品も、ビギが10位に『2人のローマ教皇』、プリンスは10位の『IT/イット THE END』と5位の『ロケットマン』、タジが5位に『ジョジョ・ラビット』7位に『ジョン・ウィック:パラベラム』を選んだぐらいで、プリンスもビギも養育係だったタジへの反抗心は全くない様子w

また、ここ最近の発言から、エルトン関連はもう好きになれないなんて思っていた私と違って、プリンスってなんて寛容なの。と思ったり・・

一番年長者であるタジが『アベンジャーズ/エンドゲーム』を1位にしてるのが若干意外だったものの、プリンスやビギは、幼い頃から父にギャング映画を見せられていた教育が効いていそうw

3人ともベスト3に選んだ『アイリッシュマン』は、Netflixで観ましたが、3時間29分という長編は映画館以外の場所で見られるといいですよね。デ・ニーロは「ジョーカー」に引き続き良かったし、ジョー・ペシは引退状態に近かったらしいのだけど、過去最高かと思うぐらい素晴らしい演技で、今度こそ『ムーンウォーカー』のことが忘れられそうw

でも・・私には「アイリッシュマン」というタイトルで、どうしてイタリア系の顔が並ぶのか、その違和感だけがずっと拭えなかったなぁ。

ハリウッドで、日本人の役を中国やタイやフィリピン人の俳優が演じるのは同じアジア系だから何とも思わないけど、どうしてマフィアが絡むと、ユダヤ人ゲットーの話でも(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ)アイリッシュ系アメリカ人の話でも(アイリッシュマン)、必ずイタリア系の監督が作品化して、俳優もすべてイタリア系ってことになるんでしょうね?

他の2人はいいとしても、ジミー・ホッファは、アル・パチーノがいつもの感じでやるんじゃなく、他にもっと適したイタリア系じゃない俳優がいたと思うんだけど・・・そんなわけで、私にはそっちのマフィアの方が気になって仕方なかったかなw

『2人のローマ教皇』と『マリッジ・ストーリー』もNetflixで観たんだけど、アダム・ドライバーは、今この人が出てるとつい観ちゃう俳優のひとり。

韓国映画もちょっぴり苦手で、ホラーも苦手なんだけど、パルムドール受賞の『パラサイト 半地下の家族』は観なきゃね。それと、最近信用度が激減したゴールデングローブ賞だけど、『ジョジョ・ラビット』は面白そう!

で、ゴールデングローブ賞といえば、毎回過激だったリッキー・ジャーヴェイスの司会、今年は最後ということもあって、過去最高だったみたい!




by yomodalite | 2020-01-11 00:30 | 映画・マンガ・TV | Comments(0)

映画『ジョーカー』

映画『ジョーカー』_f0134963_23082735.jpg


ホアキン・フェニックスがジョーカーを演じると聞いたときは興奮した。

自分ではまったく思いつかなかったのに、言われてみたら、これほどハマりそうな人もいない気がして、ずっと公開が待ち遠しくてしかたなかった。

でも、殺人や残酷シーンが大の苦手だし、コメディアンを最上級でリスペクトしているので、お笑いを志している人が虐められたり、ツラい思いをするのも見たくない・・

そんなこんなで、高まる期待と、不安と怯えでビクビクしながら観ていたのだけど、

これは、ブルース・ウェインの少年時代を舞台にしながら、現代アメリカを描いた「名画」でした。

売れっ子コメディアンで、人気番組のホストであるマレーを演じている俳優は、きっとデ・ニーロを意識しているに違いないと思い、『キング・オブ・コメディ』のことを思い出したりしていたんだけど、実際にデ・ニーロ本人が演じていたことに、エンドロールまで気がつかなかった。(やっぱデ・ニーロってスゴい)




コメディアン志望で、母と二人暮らし・・『ジョーカー』と『キング・オブ・コメディ』の主人公には、似ている点が多いけど、ホアキンの『ジョーカー』により似ているのは、『タクシードライバー』かな。

でも、デ・ニーロの傑作2作が狂気を演じていたのと違って、ホアキンの『ジョーカー』は、狂気を描いているのではない。と観客に思わせてしまうところが、この映画の怖いところなのかもしれないけど、

私にとって『ジョーカー』は、『キング・オブ・コメディ』ほど恐ろしい映画ではなかったし、今年一番美しい映画は、『氷上の王、ジョン・カリー』で確定だと思っていたけど、ホアキンのダンスと背中がこんなに美しいとは思わなかった。

ホアキンだけを見に、もう一度映画館に行きたい。



by yomodalite | 2019-10-10 00:00 | 映画・マンガ・TV | Comments(7)
ル・ポールのドラァグ・レースにハマる!_f0134963_21010195.jpg


あのね、ホントここだけの話、もー思いっきり“小声”で言うけど、あの例のやつが Netflix で・・って聞いたとき、実は「やったぁー!」って思ったのね。

だって、BSプレミアムなんかで放送されたら、NHKラジオで1年間放送される西寺さんの「ディスカバー・マイケル」にも悪影響を及ぼしかねないし・・

なんてこともそうなんだけど、実は、Netflix で前々からすごく見たい番組があって、今、久しぶりの1人暮しを満喫しているこの家では、TVもDVDもないので、スマホやPCで海外番組を楽しむのに、ちょうどいいタイミングだと思ったわけ。

で、そのすっごく見たかったというのは、2009年から放送している『ル・ポールのドラァグ・レース』という番組で、ドラァグクイーン界のカリスマ、ル・ポールが主催する勝ち抜きコンテストで、アメリカズ・ネクスト・ドラァグ・スーパースターの称号と賞金10万ドルを目指して、クイーン達が様々な課題に挑戦する、というリアリティ番組。

私が最初にル・ポールのことを知ったのは7、8年ぐらい前のラトーヤのツイッターで、その頃からドラァグ文化に多大な貢献をしたカリスマだってことぐらいは知ってて、スーパーモデル級のルックスや、彼の音楽には親しんでいたんだけど・・・


RuPaul's The Beginning
ル・ポールと共演しているのはSeason5の出演者
Jinkx Monsoon, Alaska, and Roxxxy Andrews




RuPaul's Sissy That Walk
ル・ポールと共演しているのはSeason6の出演者
Adore, Bianca and Courtney




RuPaul's Champion
ル・ポールと共演しているのはSeason3の出演者
Raja, Manila Luzon and Alexis Mateo
(始まるまで少し時間がかかります)




実際の番組を見てみたら、MCをしているときの彼の頭の回転の速さや、言葉の魅力とか、コメディセンス、そして出演者たちの多彩な才能と、少年時代からの壮絶なドラマに感動し、お下劣すぎるギャグにも興味津々で、シーズン1〜11まで、睡眠時間を削るほど長く視聴した上に、まだ飽きずにスピンオフ番組にまで手をだす始末・・。

そんなわけなので、その魅力について語る時間さえないんですけどw、一応、マイケルブログとして、無理やりMJに絡めたことを少しだけ・・

ル・ポールを知るきっかけとなったラトーヤなんですが、彼女はゲストとして最多(3回)の番組出演者で、それというのも、ル・ポールがラトーヤの大ファンだからなんですね!

彼女が出演したのは、シーズン最初の方なんですが、それ以降でも、番組内で彼女について語っている場面が何度もあって、例えば、出演者のアイヴィ・ウィンタースの名前を呼ぶときに、独特の言い方をするんですが、その言い方は、ラトーヤのショーの・・の場面から取った、とか、

スナッチゲーム(有名人のモノマネでクイズに答える)のコーナーで誰をモノマネするか決めかねている出演者に、「オーディションで、ラトーヤのモノマネしてたでしょ、あれをやればいいじゃない」と薦めたり、

崇拝するディーバの布教をする、という課題で、そんなに好きでもないのにマライヤ・キャリーを選んで失敗した出演者たちに、

「どうして、他に思いつかなかったの?マドンナとか、レディ・ガガとか、シェール、ジェニファー・ロペス、ラトーヤ」

ル・ポールのドラァグ・レースにハマる!_f0134963_21122990.png

あのーー私もラトーヤファンなんですけど、この面々の最後に出す?・・・しかも、これオチじゃなくて、笑いをたくさん取り入れた会話が得意なルポールが、ものすごく真剣な表情で「ラトーヤ」って言ってましたから!


ラトーヤの笑い方も自分のモノにしてます!





そんなわけで、かなりのラトーヤファンで、マイケルより2歳年下のルポールは、若い頃からダイアナ・ロスの崇拝者でもあるので、女性の好みはマイケルに近いのかも。


番組内でもかかった2004年リリースの
“Just Wanna Dance”
ファビュラスボディだけでなく
すっぴん風メイクがカワイイ48歳!




さて、姉のことはこのぐらいにして(多すぎ?w)

クイーンたちのモノマネは基本的に女性なんですが、マイケルがスナッチゲームに登場したこともありました!

ルポール、MJモノマネをしているThorgyを
最初に紹介するときも
「ラトーヤの兄弟のマイケル・ジャクソン」って言ってるw
MJモノマネは大勢のコメディアンがやってますが
もしかしたらキュートさではNo.1?
ただ、ベッドのことや、
赤ちゃん吊り下げなどがネタになってるので
そーゆーの嫌な人は見ないでね!



0.12、1:03、2:07、2:27、2;13
3:05、3:35、3:50、4:22、5:26
5:59〜6:04、7:11


これをやってるのはシーズン8に出演した
Thorgy Thor(ソージー・ソー)という人で


ニューヨーク州立大学で
ヴィオラとバイオリンの両方の学士号をもってて、
チェロも演奏できて、
自身の交響楽団 "Thorchestra"でも活躍しているみたい。


これは別番組の「ル・ポールショー」
マイケル同様、ル・ポールも愛の伝道師で、
番組の最後で必ず言う締めの言葉
If you can't love yourself, how in the hell you gonna love somebody else?
「自分を愛さずには、人は愛せない」
とか、
「一度折れてくっついた骨は、結果的には最も強い骨になる : 辛い経験が人を強くする」
など、名言率もすごく高いことがちょっぴり伝わるかな?



by yomodalite | 2019-07-20 00:00 | 映画・マンガ・TV | Comments(2)
映画『ニューヨーク公共図書館』_f0134963_23195450.jpg



『ナショナル・ギャラリー』や、『ヴァチカン美術館4K3D』といった美術館をテーマにした映画が予想外につまらなかったので、図書館をテーマにした映画を3時間40分もかけて観るなんて・・・という不安は大きかったのだけど、こちらは意外と面白かった。


映画『ニューヨーク公共図書館』_f0134963_23221424.jpg


NY公共図書館といえば、世界中の図書館関係者が憧れる荘厳な本館を思い浮かべますが、実際はここだけでなく、4つの公開されている研究図書館と、地域ごとにある分館を合わせた92館の図書館すべてのこと。


映画『ニューヨーク公共図書館』_f0134963_23230759.jpg
(大阪府立図書館もこの本館をモデルに建てられてるよね


「政治家は、宗教団体に働きかけるけど、無神論者のことは無視している。私たちはすでに国民の2割を占めているということを示すためにも団結する必要がある」

最初に登場したリチャード・ドーキンスが、図書館の講堂で、そんなことを語っているのを見たら、ここが都会の「教会」にも見えてきて、それなら私も信徒になってもいいな、と思ったんだけど、実際、世界最大級の図書館というのは、もっとも「神」に近いものかも。でも、そんなことを思っている間もなく、映画は次々に、図書館が行っているさまざまなことを映し出していく。

子どもから老人まで、宿題からダンスまで教えてくれるし、就職相談にも乗ってくれ、研究のための資料は文字情報だけでなく、図版も幅広く揃っていて、有名人の講演だけでなく、音楽演奏、ポエトリーリーディング、研究発表など、使用する人の用途も幅広い。

映画化された小説よりも、原作を読む方が面白いと感じることがほとんどだし、同じ時間なら、見るよりも、読む方が深い知識が得られることが多いと思うけど、この図書館の映画には「読む」だけではわからないたくさんのことが映し出されていて、華やかなパーティーが企画される一方で、寝床を求めて訪れようとするホームレスへの対応も必要だったり、運営側が考えなくてはならない議題は尽きることなく、最後までまったく退屈しなかった。

と言いたいところだけど、あと少しのところでウトウトしてしまって、気がついたらエンドクレジットになっていた。どんな場面で終わったのかちょっぴり気にはなるけど、3時間半までよく頑張ったと思うw

凄腕の読書人による映画より長いかもしれないレヴュー。
この映画に関してはネタバレの心配は一切ないけど、
観る前に読むとさらにハードルが上がりますw



by yomodalite | 2019-07-18 00:01 | 映画・マンガ・TV | Comments(0)

『岬の兄妹』

『岬の兄妹』_f0134963_12040350.jpg



ここ数年の中でもっともあわただしい毎日を過ごしていて、観たい作品のほとんどを見逃してしまっている中、ようやく観れた映画。

どこかから流れてきた「もう二度と観たくはないけれど、絶対に一度は観たほうがいい」という著名人の言葉で、なんだか観たくないシーンが多そう・・とは思ったけど、華々しく全国で一斉上映されるハリウッド映画でも毎回、何度も目を塞いでしまうシーンがあるし、トランプが大統領になる前のテレビは、毎日空爆され、破壊された街ばかりが映されていた。

今どきのインディ映画が、主要メディアが描く「世界」より暗いなんてあり得るのかな?

そんなことを思いつつ、「観たくないシーン」の登場にずっとドキドキしていたのだけど、私には「嫌な描写」や、「衝撃的なシーン」はほとんどなく、同じ人間として納得できなかったり、理解できない人が登場することもなくて、スムーズに感情移入することができました。

著名人のコメントには、喜劇とか笑いという言葉も多いですが、私が見た映画館では笑いが起こることはありませんでした。でも、私にとってこれは「悲劇」ではなく、見た後に暗くなる映画ではなかったことは確か。

気になっている人は是非!

監督は大阪出身で、出演者も関西弁が多かったと思うのだけど、この「岬」ってどこなんだろう?

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by yomodalite | 2019-03-07 12:08 | 映画・マンガ・TV | Comments(0)
ホイットニーの栄光を忘れないで!_f0134963_18121195.jpg



書くのが遅くなってしまいましたが、1月4日その日初日だった『ホイットニー〜オールウェイズ・ラブ・ユー』を観に行きました。

周囲の人間の証言を集めドキュメント仕立てにした映画で、晩年のホイットニーがどんな風に描かれるのか、死の真相などと言って、自分を識者だと思い込んでいるウッカリ者たちの戯言につき合わされそうな予感がプンプンして、およそお正月映画には相応しくないような気はしたものの、ダーリンが『アリー』より見たいというので、しかたなく・・。

ただ始まってみると、めちゃくちゃ歌が上手くて、スーパーモデルのようなスタイルで、みんなが好きだったあのキュートな笑顔や、誰もが知っている名曲の数々が次々にスクリーンに蘇って…

デビューから人気が爆発し、女性歌手として初めてビルボードで初登場1位を記録し、ビートルズの6曲連続を超える、7曲連続で全米シングルチャート1位の記録を打ち立て、

1991年のスーパーボウルでは、史上最高の国歌斉唱と絶賛され、初主演映画の『ボディガード』は世界的に大ヒット、サウンドトラックはグラミー賞最優秀アルバム賞を受賞し、「オールウェイズ・ラヴ・ユー」は全米シングルチャートで14週連続No.1を記録するほどの大ヒット曲に。

1998年には7年ぶりとなる『マイ・ラブ・イズ・ユア・ラブ』をリリースして再び歌手活動を本格化。しかし、2000年、ハワイの空港で大麻所持で拘束され・・・

マイケルとの知られざる関係・・といった広告を見た人もいるかもしれませんが(ジャーメインとの写真が写ったり、ジャネットや、ジャッキー兄の不倫相手としても有名なポーラ・アブドゥルに言及する場面も)、同時代に世界的な活躍をしたふたりには、その反動とも言える大きなプレッシャーと苦しみがあり、マイケルの30周年コンサートに出演したホイットニーは、その極度に痩せた姿でメディアから嘲笑の対象となってしまう。

かつては素晴らしいコメディアンを輩出していた、サタデーナイトライブなどのコメディ番組が、有名人に対してこれほどまでに酷い嘲笑をするようになったのはいつ頃からだろう・・・そんな落胆と憤りを感じながら、マイケルが三バカ大将(Three Stooges)のカーリーの本に書いた序文を思い出したり。

偉大なコメディアンは、微笑みの下に涙を隠し、人々を満足させるために身を削るもの。

それは芸能人としての義務であり、マイケル自身の矜持でもあったわけだけど、今は有名人や政治家は、どんなに叩いても良くて、フェイクニュースの中にしかネタを見つけられないコメディアンばかり・・。

そして、そんなコメディアンよりももっとタチが悪いのが、フェイクニュースを真実と捉え(!)、分析しw、原因だのw、真実だのwとのたまう心理学者といった面々。彼らは何の苦労も痛みもなく、至るところで「虐待」を発見しては、苦しんでいる人々の外側に「原因」と「敵」を作り出し・・・。

そういった晩年のホイットニーの壮絶な苦しみの原因を、とある人物の罪だと告発する手法にも疑問をもちましたが、

光と影は同じところにあるもの。影ばかりに目を向けないで、今は安らかに眠る歌姫の栄光を懐かしく思い出すきっかけになってほしい。と願わずにはいられませんでした。

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by yomodalite | 2019-01-10 18:18 | 映画・マンガ・TV | Comments(4)
『メアリーの総て』ー フランケンシュタインとは何だったのか?_f0134963_10461461.jpg



『フランケンシュタイン』を書いたメアリー・シェリーのことを知るきっかけになれば・・という軽い気持ちだったのですが、想像以上に心が動かされました。

ー なぜ彼女は、愛を乞う哀しき〈怪物〉を産み落としたのか

こういった宣伝コピーが、実際の映画の世界と合致していないことは多いけど、この映画はこの問いに真正面から答えようとしている。

駆け落ちした後、数々の波乱を経験したメアリーが、まだ18歳だったことに驚いたけど、その年齢で小説を書き上げ、著者が若い女性ということに難色をしめす出版社しかない状況から匿名での出版に至る、という経緯にはもっと驚かされた。

「絶望や苦悩というものは、女性が表現できるものではない」

メアリーが生まれた時代とは違っていても、彼女の怒りは今尚よくわかる。

でも、この映画はメアリーを “metoo時代” のヒロインとして取り上げたようなシロモノじゃない。

18歳の若い女性が生みだした〈怪物〉があらわしていたもの、それこそが一番の驚きであり、彼女の「・・・が、私を創った」という最後の言葉に圧倒されずにはいられないのだ。

時代を経てリメイクされる間に、怪物の名前が「フランケンシュタイン」になったり、顔も体もツギハギだらけの怪物は、哀しい存在としてだけでなく、無垢でユーモラスなイメージを抱いている人も多いでしょう。

でも、メアリーの物語では、

フランケンシュタインという名の青年が、生命の謎に取り憑かれ、神に背く行為だと自覚しながらも「理想の人間」を創ろうとする。そして、墓を暴き、死体を手に入れ、それをつなぎ合わせることで、ついに〈怪物〉の創造に成功する。

しかし誕生した怪物は、細部まで完成させられず、醜い容貌となり、そのおぞましさにフランケンシュタインは絶望し、怪物を残したまま去ってしまう。

残された怪物は、醜さゆえに人間たちから迫害を受け、自らも殺人を犯してしまう。そして、自己の存在に悩んだ末、フランケンシュタインに自分の伴侶となる異性の怪物を造るように要求し、この願いを叶えてくれれば二度と現れないと約束する。しかし、さらなる怪物の増加を恐れたフランケンシュタインは、その要求を拒否し、製造機器を捨ててしまい・・・

最終的に、フランケンシュタインは、怪物を殺すよう友人に頼み、息を引き取るが、創造主から名前すら与えられることのなかった怪物はその遺体の前に現れ、死を嘆き、自らも海に消えてしまうという話。

フランケンシュタインは大学生で、〈怪物〉はたった数か月で複数の言語をマスターしてしまうほど極めて高い知性の持ち主だったのだ。

そして、メアリー自身は・・・

彼女の両親はともに自由主義者として著書を出版していたような人物。

無神論者でアナキズムの先駆者である父ウィリアム・ゴドウィンと、フェミニズムの創始者とも言われる母メアリ・ウルストンクラフト。共に結婚制度を否定していた二人は、生まれてくる子が私生児ゆえに社会で差別されることを恐れ、友人や支持者が反対する中、教会で挙式する。しかし、母のメアリは出産からまもなく産褥熱のため死亡してしまう。

孤独だったメアリーは、父の元で学んでいたロマン派詩人パーシー・シェリーと恋に落ち、シェリーに妻子がいることを知りながら駆け落ちを選ぶ。

詩人のバイロンに誘われ、ともに過ごしている間に、小説の着想を経るものの、シェリーの妻は自殺し、ふたりは結婚したが、借金に追われ、シェリーとの間にできた子供も亡くなってしまう。そして、数々の波乱を経験したメアリー初の小説が『フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス』だった。

〈ツギハギだらけの怪物〉を創ったメアリーが、「・・・が、私を創った」と言った理由。『メアリーの総て』は、その問いへの入り口に相応しい出来栄えで、

1813年に出版され、ゴシック小説や、ロマン派小説の代表作であるだけでなく、SF小説の元祖という小説が、200年以上経った今でも傑作でありつづけることの「凄み」を知りたい人はぜひ!

監督は娯楽規制が多いサウジアラビアで
初の女性になったハイファ・アル=マンスール

by yomodalite | 2018-12-20 10:50 | 映画・マンガ・TV | Comments(0)
『くるみ割り人形と秘密の王国』_f0134963_11043593.jpg


テーマパークも映画もイマイチ、ディズニーが苦手で、実写映画は、今年『プーと大人になった僕』を観るまで、一度も劇場に足を運んだことがなかったのだけど、

チャイコフスキーによるバレエ音楽『くるみ割り人形』は、マイケルがこれを手本に『スリラー』を創ったと言うほど、すべての曲が完璧で、文学からバレエの名作へと進化した作品。

こちらは映画の原作を読んだときのもの・・

そして、この作品を映画にするなら、やっぱりディズニーほどふさわしい制作環境はないですよね!

(今回は若干ネタばれしてるかも・・)

そんな期待どおり、とにかく宮殿もドレスも素晴らしくて、7つ星ホテルのスイーツバイキングのインスタ映えをはるかに凌駕する、ディズニーが総力を挙げたゴージャスでスイートな世界が、たったの1100円(レディースデー)で体験できて、太ることもないなんて、まさにファンタジー。

ただ、主役のクララが最近ではめずらしいぐらい正統派のディズニープリンセス顔なのに、おしゃれにも、ダンスにも興味がなく、名付け親であるドロッセルマイヤーの発明品の仕組みに興味を示すような “リケジョ” なのは、まーいいとしてw、

ドロッセルマイヤーが、モーガン・フリーマンだとわかったときのガッカリ感といったら・・・

そして、そのそのガッカリ感を裏切ることなく、賢者の雰囲気だけは漂わせるものの、何にも解決しないうえに、特に深みもない毎回おんなじ「モーガン・フリーマン」がやりそうなキャラクターに退化していて、

これで、マザー・ジンジャーが、メリル・ストリープだったらもうお腹いっぱいで吐きそうになるぐらいウンザリだったのだけど、ヘレン・ミレンだったので・・セーフw

その他、くるみ割り人形役や、クララのパパ役、そしてバレエシーンでもっとも期待していたセルゲイ・ポルーニンも含め、この映画では男性が控えめで、

クララ以外では、マザー・ジンジャーと、お菓子の国の統治者シュガー・プラムを演じたキーラ・ナイトレイなど、主に女性が目立つ仕上がりで、今最も注目の黒人バレリーナ、ミスティ・コープランドも存在感を放っていました。

でも、とりたてて悪人といえるような人物がいないことも、世界を救うなんてことより、自分の心を大切にして、自分の人生を作っていくことなど、どんな少女にとっても大事な価値観をテーマにしている点は素晴らしいのだけど、

登場人物がお互いに戦う理由も、彼らとクララを繋いでいる母や、ドロッセルマイヤーについても描かれ方が弱すぎるせいか、少女の(探究すべき内面への)冒険もイマイチなものになってしまっていて・・

チャイコフスキーの音楽ももうひとつ生かされてなかったところが

ちょっと残念だったかな。




by yomodalite | 2018-12-14 00:49 | 映画・マンガ・TV | Comments(0)

映画『ハード・コア』

映画『ハード・コア』_f0134963_22385704.jpg



純粋すぎる右近(山田孝之)は、間違いを正すために常に暴力を使ってしまう。世直しを掲げる結社を組織する金城銀次郎の元で、埋蔵金探しのために働いているが、共に働く精神薄弱気味の牛山(荒川良々)を不憫に思い、彼の童貞を卒業させてあげたいと思っている。右近の弟で商社マンの左近(佐藤 健)は、右近とは真逆な生き方をしているものの兄を捨てきれず・・

そんなある日、牛山が暮らしている廃工場で、古びたロボットを発見し・・・

* * *

原作は絶版になったマンガで、『山田孝之の東京都北区赤羽』『山田孝之のカンヌ映画祭』など、山田孝之とコンビで面白いTV作品を創ってきた山下敦弘氏が監督・・・

という情報だけで、いつものように予告編すら見ていなかったので、次々に起こるまったく想像ができない展開に最後まで驚かされた。

山田孝之+佐藤健という組合せに、レディースデーということもあって、ほとんどが女性客だったのだけど、およそ女性向きの話じゃない。でも、山田孝之から目が離せないという女性は多いみたい。

金城銀次郎を、あの首くくり栲象氏(20年以上にわたって毎日のように自宅の庭で首を吊り続けてきたパフォーマー)が演じられていたのだけど、氏が今年の春に亡くなられていたことは知らなかった。

エンディングに「狩撫麻礼に捧ぐ」とあって、狩撫麻礼氏のこともよく知らなかったのだけど、「ア・ホーマンス」が松田優作監督・主演で映画化され、「ルーズ戦記 オールドボーイ」は、03年にパク・チャヌク監督、13年にスパイク・リー監督で、それぞれ映画化され、パク監督作『オールド・ボーイ』は第57回カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリを獲得し、大根仁監督は「湯けむりスナイパー」「リバースエッジ 大川端探偵社」をドラマ化している、なんてことも、この映画の公式サイトで初めて知った。

予告編は、ディレクターズカットも含めて本編映像を見せすぎなので、エンディング曲の「なだらかな夜」のyutubeを貼りたかったんだけど、なかったので、

山田孝之と佐藤健の初日舞台あいさつを。




by yomodalite | 2018-12-05 23:00 | 映画・マンガ・TV | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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