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お引越しとおじいさんの時計と令和までの私のあらすじ

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平成最後と言われても何とも思わなかったけど、令和初日にはちょっぴり反応したくなったので、久しぶりに私事を。

* * *

2ヶ月前、実母(鬼w)の大阪の新居を準備していたら、ついにダーリンに転勤辞令が。

これでもう大阪ともお別れ…と悲しくなったものの、東京宅を貸しているお宅が退去するまで1年待たなくてはならないとか、単身マンションの場合は会社が8割ほど家賃を補助してくれるけど、2人住まいだとそーゆーの一切なくて、母の移動準備のためにも、私は大阪の方が都合いい…

そんなことを色々検討した結果、ダーリンは1年間単身で東京。私は今まで住んでいた家から徒歩20分ぐらい離れたところにある、母用に準備していた大阪のマンションに住むことに。

ダーリンと自分と母の3つの引越し準備を同時に考えるという、これまで10回を超える引越し歴の中でも最高に複雑なプランニング。

前回、東京から大阪に移動したときは、4割ほどの住居面積減に対応するため、ずいぶんと断捨離したけど、今回は面積が4割増しな上に、収納力のなさでは究極ともいえる物件での暮らしは、モノが増えることに常に注意する日々だったので、新居で収納に困ることは絶対にない…

はずだったのに、引越し前も、4月半ばに新居に移ってからも、毎日毎日ひたすら物を捨て続けた。

もともとモノを貯めるのが嫌いな方なのに、なぜなのか、自分でも不思議でならないのだけど、どうしても離れがたかったものの中で一番古いものは、通っていた大学の近くで拾った古いミシン台と、ずいぶん前に亡くなった祖父の部屋にあった、大きな古時計。

ミシン台はアンティークなインテリアとして、今も比較的よく見かけるアレなんだけど、時計は丸い形の、普通の家の壁にはかけられないほど大きな、昔のお風呂屋さんの壁の上の方にかかっていた… と言えば、うっすら思い当たる人もいるかもしれない、直径60センチほどで、厚みも20センチぐらいあるもの。

この家には合わない、と思うことは今までにも何度もあったし、壁にかけられないので、どこの家でも、床に置くことになって、存在感あり過ぎだったし、

しかも、インテリアとして重要な文字盤を、目の悪い祖父が書き直してしまったそれは、味わい深いというよりは、台無し感が満載で、

それでも、なぜか捨てられなくて、いつかこの文字盤をステキにデザインし直して…なんていう思いを持ちつつ、30年ぐらい一緒に過ごしてきてしまったんだけど、

文字盤を新たにデザインすることも、この時計を持ち続けることも、もういいよね、おじいちゃん、これまで見守ってくれてありがとう。でも、今度こそお別れするからね。

そんな決心をした私は、部屋の明け渡し日の前日、古い釘を抜くためのペンチとか、いざとなったら切断するためのノコギリなんかも持参して、もう他には何もなくなった部屋で、懸命に解体作業をした。

何度か古時計を分解したことがあった私は、古時計は中の機械の方が魅力的なことがあると知っていたので、最後に中を見てみたかったのだ。

周囲をたくさんの小さなネジで留められている文字盤は、ネジ山のほとんどがダメになっていて、引っこ抜くのがすごく大変だったんだけど、なんとか文字盤を剥がしてみると、

文字盤が無くなったその物体は、なんだか以前よりずっとステキに見えて、中の機械だけ取り出そうと思ってたのに、ガラスケース越しの方が良いようにも思えてきて、、


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最後の荷物を入れるために持ってきた海外旅行用の大きなキャリーにも入らないのに、どうしても持って帰りたくなって、

結局、文字盤だけを捨て、残っていた段ボールで簡単に周囲を囲って、結構な重さもあるそれを抱えて、歩いて新居に帰る決意を固めてしまう。

玄関を出て数歩歩いただけで、このまま20分歩くなんて絶対に無理だと気付いたけど、タイミング良く客を降ろすタクシーが目の前で止まって、粗大ごみ費用の2倍ぐらいの金額で、無事新居に運べた。

そして翌日は、ひとり用のソファを通常のゴミとして出すために、座面と足を分解していたら、簡単に分離できるはずのネジが一本だけどうしても取れなくて、1時間ほどノコギリでギコギコして周囲を金属屑と発泡スチロールまみれにしたあげく、結局分離できなくて、新たに金属切断用のノコギリ(粗大ごみ料金の2倍程度)を買うはめに。

そんな誰もが引越しのときにするとはいえない、ワケのわからない作業をいくつも乗越え、新居では、段ボールから出したものを、次々にシンデレラフィットで収納していくという作業に、脳も身体も使い尽くしていたんだけど、平成最後の日に、ついに終わりのときが来た。というのが、わたしのここまでのあらすじ。

そして、令和初日の今日は、水曜日ということもあって映画を観に行った。

3月は『岬の兄弟』以降、高め安定いつもどおりのイーストウッド節の『運び屋』に感心したあと、期待していたバリー・ジェンキンスの『ビール・ストリートの恋人たち』にがっかりし、4月は『グリーンブック』と『ブラッククランズマン』。もはや、白人至上主義者でなくてもしつこいと言いたくなるほど作り続けられている人種差別を材料にしながら、ここまで軽やかに仕上げてみせるスパイク・リーの洗練に脱帽し、

そして今日は、大きなスクリーンで、『アベンジャーズエンドゲーム』を観るという選択と迷ったけど、結局こじんまりした場所で上映されている『ROMA』を観に行った。

この時期にアメリカとメキシコの合作で、タイム誌や映画評論家の絶賛といった不安材料もありながらw、始まってみるとモノクロ映画なんだけど、アート系というわけではなく、淡々としていて、ハリウッド的ではないけど、目が離せない魅力にあふれた映像と、映画音楽ではないリアルな音にぐっと引き込まれ、予想以上に、私の令和第1日目にぴったりだった。

わたしにとっての令和の幕開けは、久しぶりに経験する1人暮らしの始まりでもあるんだよね!

Commented by ヤンチャ at 2019-05-03 19:17 x
つくづく、人にも物にも、優しい人なのですね。とおもいました。古時計も喜んでいる。絶対。
yomodaliteさんのような方は、本当に貴重な人類です。
Commented by yomodalite at 2019-05-03 20:36
え、えええーーーー!
いやいやいや、いっぱい色んなもの捨ててるし・・・
いったいこの記事のどこで、そんな・・・
やんちゃさんのその感覚こそ、貴重ですぅーー(笑
Commented by moro at 2019-05-03 23:32 x
yomodaliteさん、トリプルお引越しお疲れ様でした。
ひとつの引っ越しだけでもすごく大変なのに、三つもなんて・・・想像を絶します・・・
おじいさんの時計の内部、なんて美しいんでしょう。
私回転するものが好きみたいで、歯車、好きなんですよね。
複数の歯車が噛み合っているメカニックな美しさ、たまりません。
そしてペンチとノコギリを準備して、他に何もない部屋で初めておじいさんの時計の中身を見出したyomodaliteさん。
この記事、短編小説みたいです。

前記事にコメントしようと思いつつ、私も部屋の片づけに追われて令和になってしまいました。
いつも和訳など、ありがとうございます。
一区切りついてどっと疲れがくるかもしれません。
ご自愛くださいね。
Commented by yomodalite at 2019-05-04 22:07
moroさんも、片付けに追われてたんですね。
お疲れ様でしたー!

THE 機械って感じがいいのかなー
ちっちゃいのから大きいのまで、
なんか気がつくとあちらこちらに歯車があるようなw

たしかに、どっと疲れて
GWはサボったり遊んでばっかりです!
Commented by kei-wa at 2019-05-11 13:37 x
なんと3件もの引越しの同時進行本当にお疲れ様でした!
しかも金属用のこぎりまで登場しちゃうなんて!
私も10回ほど引越しを経験しておりますが、何度やっても慣れないし大嫌いなので
それをこなされたなんて、もう頭が下がります。

そんな歴史のある時計をずっと大切にされてきたなんて素敵ですね!ゼンマイの写真、美しくて見とれちゃいました。昔の物って機械でも造形が美しいですよね。

で、私にもそんな歴史あるものってあったかなと思ったら、私が生まれるちょっと前から1歳くらいまで父が私について書いてくれた日記があったことを思い出したのに、どこに行ったかわからず本棚を探していたら、見つかったのは日記ではなく20年以上前~数年間の私の手帳。開いたら日記になっていて(日記をつけていたことすら忘れてた!)最初の旦那との結婚式の日取りやら、離婚したあとの元カレと別れた日のやさぐれた記述やらもう冷や汗がでるような内容が飛び出してきて、そのまま本棚の戸を閉めました(^_^;)
これも断捨離せずとっておくことになりそうですww
moroさまもおっしゃっていた素敵な短編小説のような記事にこんな
コメント失礼いたします!

ところで、yomodaliteさんの映画の感想を受けまして、今月号のユリイカのスパイク・リー監督特集も読んでみたいと思いました!

Commented by yomodalite at 2019-05-13 14:47
>そんな歴史のある時計を・・

基本的に、今ときめくか、ときめかないか、で決めるこんまり方式なんだけど、こんな昔に拾ったりもらったりしたものを、なんでこんなに苦労して持ち続けているのかってものもあれば、清水の舞台から飛び降りるぐらい迷って購入した、そこそこの値段のものをあっさりポイしたくなったり・・・
引越しって、自分の判断に驚くこと多いけど、なんか捨てると、まだ別の形で戻ってくるんじゃないか、とか、これを捨てることで、なんか運命が変わるかも、とか、私にとってちょっぴりギャンブルのように楽しんでるところがあるみたい。

>・・・20年以上前~数年間の私の手帳。

そうそう、なんか昔のお手紙とか名刺とか写真とか、色々出てきて面白いよね。私も前のダーリンとのウェディングパーティーの写真を楽しんだりw、昔の名刺から検索して、SNSのアカウントを見つけて、あーーこいつと結婚しなくて良かったwーーとか、昔もらったお手紙に書いてある自分の姿に「誰これ?」と思ったり・・・大変でした!

だから、元カレの記述が書かれた日記とか、その場で捨てなくても大丈夫だったのなら、もうちょっと寝かしておいてもいいかもよ。最近よく思うんだけど、もう生きるのが無理なぐらい苦しんだことなんかも、今になってみると、すごく愛おしい思い出になっていたりするんだよね。もしこれがなかったら・・なんか自分の人生ってつまんなくね?って感じでw

>今月号のユリイカのスパイク・リー監督特集

あーーそれ全然知らなかった。2016年の大統領選の発言で、距離をおきたくなった人がいっぱいいるんだけど、リーもそのひとりで、「なんだかな。。」って感じがしてたんだけど、『ブラッククランズマン』を見たら、彼の年齢で今この作品を作れるって、この人は今もずっと賢いひとなんだなぁ、と。真逆のようでいて、このスマートさは、イーストウッドに似てるのかな、なんて思いました。
Commented by kei-wa at 2019-05-14 22:23 x
ステキな返信ありがとうございます。♥。・゚♡゚・。♥。

>捨てること・・・ギャンブルのように楽しんでるところがあるみたい。

私もそれ、真似してみたいです!そうすれば、捨てたことを後悔するよりむしろワクワクしそうですものね!

>これがなかったら、なんか自分の人生ってつまんなくね?って感じでw

今は私もだんだんそう思えるようになってきました。若い女の子の恋愛相談の
役に立ちますし(笑)また20年後とかにどんな気持ちで読むんだろうなあ(笑)
ところで、yomodaliteさん、前の…って、また私との共通項が見つかって勝手に
喜んでおりませう(^_^;)

わたしは洋画をほとんど見ない時期が長くあって、ここ数年で観たクリントイーストウッド作品は「ハドソン川の奇跡」くらいなので、知らないに等しいのですが、
あの映画は物凄い話題になった事件を扱ったものだったけれど、変に誇張しない作りがいいなという印象でした。それでも墜落シーンがリアルすぎて全身に力が入って恐怖と緊張とで嗚咽しながら観ていたので隣の席の旦那にドン引きされましたけど(笑)
あしたユリイカが届くのですが、リー監督について全く知らないので、読む前にyomodaliteさんの印象を聞いていてよかったです!
Commented by paseri at 2019-05-21 05:02 x
こんにちは。お久しぶりです。実母(鬼w)に爆(^。^)!

毒親なる言葉が随分前から使われる様になりましたが私の場合は姑がクズ!
クズ過ぎてこんな母親おるんやなぁ〜と変に感動!するくらいクズです(^◇^)

さてさて、お引越しお疲れ様でした。私も6回引越ししていまして、この度7回目の
引越しに着手予定です。秋頃の予定なのでチョットずつ断捨離中!
増え過ぎて大変なマイコー関連を新居の壁一面にレイアウトするのを楽しみに
只今、持ち物のカタログ作成中です。

いつも素敵な写真と記事をありがとうございます。

Commented by yomodalite at 2019-05-21 21:02
お久しぶりでーす!
paseriさんも引越し準備中だったとは…
でも、クズ姑は… ホントいちばん早く断捨離したいですよね!(^^)、

毒親みたいな言葉がいいかどうかはわかんないけど、苦しんでる子供に、世間が「子供のことを愛してない親なんかいない…」みたいなことしか言ってくれない時代は苦しかった。毒だってわかってる方が、吐き出せるもんねー。

新居の壁一面がマイケル!
マイケル部屋構想って尽きないよねー。最近私は、彼をウチに招いたときのテーブルコーディネートを考えてて、キング専用のお皿とか、カップのデザインを思い浮かべたりしてると、時間忘れちゃう、って感じ!
Commented by kei-wa at 2019-05-23 21:17 x
こんにちは!
突然夏のような暑さがやってきて体がついてゆきません(^_^;)

お好み焼き2枚とはなかなかやりますね!(笑)
昔、SONYの会長宅でマイケルが大皿いっぱいの20世紀梨を一人で食べちゃった
そうですけど、何玉分だったんでしょうね。

さてさて、ユリイカを読みすすめ、「ブラッククランズマン」の後半で
黒人コミュニティの会合で語るご老人が、USA for Africa提唱者でもあるハリー・ベラフォンテさんだったことを知り驚きました。
また、ラストにかかった曲が、プリンスが歌う、ゴスペルの名曲「Mary don't you weep」と知り早速YouTubeで聴きました。
ピアノの伴奏だけで歌うプリンスが歌うゴスペルがうおーって感じなんです。
プリンスが存命だったとき、監督となにか一緒に仕事をしたいと話していたそうなので、この映画で約束が叶ったことになりますね。
MVの内容も歌詞とリンクするもので、リー監督がこの曲を使ったことにさらに納得という感じがしました。
プリンスまだ25歳のときでこの歌唱力って、なんでしょうもう!
そしてこのピアノの怒りと悲しさの表現が凄すぎて、これ、日本人は絶対弾けないなあ…と思ってしまいます。
https://www.youtube.com/watch?v=e5-HEBGPzFM

Commented by yomodalite at 2019-05-26 22:57
リー監督、 アカデミー賞のとき紫の服を着てたし、いつかかるのかなーって思ってたらラストまで引っ張られました(^^)

プリンスって、他の人にあげた曲も、みんな代表曲になってるのばっかりなんだけど、自分がカバーした場合も、レジェンド級のシンガーを超えちゃってるのばっかりなの。この曲もアレサフランクリン以上だし…

https://www.youtube.com/watch?v=yJ_m7Yu3H3A&feature=share

ギターも世界一だし、ピアノの魅力もスゴイし、ホントこんな天才に俺の方が…なんて思えるの、マイケルだけだと思う。

神の使いとして生まれて、美しい天使のまま去っていったのも、この2人だけだし、これほど美しいライバル関係他にある?って感じ
Commented by kei-wa at 2019-05-27 22:49 x
お返事ありがとうございます!
>他の人にあげた曲も、~
そうだったんですね!全く知らなかったのでビックリです。
Mary、アレサ・フランクリンの歌も全然暗い雰囲気じゃないんですね。
わたしはもともとtake6のバージョンしか知らなくて、プリンスのものを
聴くまでは歌詞にも興味を持ってなくて、こんな悲しい歌だとは思いもしなかったんです。
この曲で私の中のプリンスのイメージが大きく変わりました。
yomodalitedさんのもうひとりの天使を私も少しずつだけれど、勉強してみようかなという気持ちになりました。
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by yomodalite | 2019-05-01 23:13 | 日常と写真 | Comments(12)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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