和訳 “Heal The World”

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前回の “Will You Be There” と同じくマイケルが作詞作曲した曲。

2曲とも1992年に出版された詩集『Dancing the Dream』に収録されているので、そちらでも訳しているのですが、詩集とは少し違う点も踏まえて、再度和訳したいと思います。


* * *


マイケルのよく知られたメッセージソングの中で、We Are The Worldは、ライオネル・リッチーとの共作、そして、Man In The Mirrorは、サイーダ・ギャレットとグレン・バラードによるものですが(Keep The Faithも同じコンビ)、「Heal The World」は、マイケルがひとりで創った曲。


この穏やかな曲が、アルバム『デンジャラス』の中でもっとも “危険” な曲だったということは、前にも書きましたが(→)、発売当時のアメリカでは低評価だったこの曲は、現代のラップにありがちな、メディアが描きたがる現代や、彼らが好む社会性とは違って、いつの時代にも通じる普遍的な内容を、誰もが口ずさめる歌にしたものです。


冒頭の子供の声は、決められたセリフを読み上げたのではなく、100人以上の子供たちへのインタヴューから選ばれたもので、ミキシングを担当したマット・フォージャーが友人の娘にした、地球についての質問の返答が、そのまま使用されています。


フォージャーが、子供が口ごもったような箇所を編集しようとすると、マイケルは「だめだめ、そのまま残しておいて」と。


歌になった「Heal The World」は、「地球を良くしたい」という少女の思いに、マイケルが出した答えになっているようです。


広大な地球を良い場所にするには、自分の心の中の小さな場所を良くすること。

みんなにとって良い世界とは、愛に満ちた世界であり、正しい世界のために、命をかけて戦うのではなく、愛とはただ与えるものだという「勇気」を知れば、不安も恐怖もない、至福の世界に生きられるということ。








Heal The World


(a child's voice) 

"Think about amm.. the generations and a... 

say you wanna make it a better place 

for the children and children's children.

So that they...they, they know What's a better world for them,

and think they can make it a better place."


(子供の声)

考えてみたんだけど、あのね…世代は引き継がれていくでしょ、で、みんな「この世界をもっと良い場所にしたい」って言うでしょう。「子供たちと、またその次の子供たちのために」って。だからみんな… みんなが、みんな自分たちにとって、何がもっと良い世界なのかがわかれば、みんなの力で世界をもっと良い場所にすることが考えられるんじゃない。


There’s a place

In your heart

And I know that it is love

And this place

Could be much brighter than tomorrow

And if you

Really try

You’ll find there’s no need to cry

In this place

You’ll feel there’s no hurt or sorrow


君の心がある場所に

愛があることはわかってる

そして、未来はもっと輝くようになることも

君がその気になれば

泣くことなんが何もないんだって気づくよ

ここには、痛みも悲しみもないんだって


There are ways to get there

If you care enough for the living

Make a little space

Make a better place


もし、君が生きることについてよく考えたら

そこにたどりつくことができるよ

ほんの小さな場所でいいから

今より良い場所を作るんだ


Heal the world

Make it a better place

For you and for me

And the entire human race

There are people dying

If you care enough for the living

Make a better place

For you and for me


世界を癒そう

今より良い場所にしよう

君と僕と

すべての人々のために

この世界では、人は常に死んでいく

でも、君が生きることについてよく考えたら

もっと良い場所にできる

君にとっても、僕にとっても


If you want

To know why

There’s a love that cannot lie

Love is strong

It only cares of joyful giving

If we try

We shall see

In this bliss we cannot feel fear or dread

We stop existing and start living


どうしてか知りたいよね?

ここには、嘘のない愛があるからだよ

愛はすごく強いんだ

そして、それはただ与える喜びなんだよ

やってみれば

みんなわかるはず

この至上の喜びには、不安も恐怖もないってことが

僕らはただ生きているだけじゃなく、

ちゃんと生き始めるんだ


Then it feels that always

Love’s enough for us growing

So make a better world

Make a better world


そしたら、いつだって感じられるようになるよ

僕たちが成長するために十分な愛があるってことが

だから、もっと良い世界にしようよ

もっと良い世界に


Heal the world

Make it a better place

For you and for me

And the entire human race

There are people dying

If you care enough for the living

Make a better place

For you and for me


世界を癒そう

今より良い場所にしよう

君と僕と

すべての人々のために

もし、君が生きることを深く考えたなら

人は死んでいくものだとわかるよね

もっと良い場所にしよう

それは、君のためでも、僕のためでもあるんだから


And the dream we were conceived in

Will reveal a joyful face

And the world we once believed in

Will shine again in grace

Then why do we keep strangling life

Wound this earth

Crucify its soul?

Though it’s plain to see

This world is heavenly

Be God’s glow


それから、僕らが抱いてきた夢が

喜びにあふれた形で現れるだろう

僕らが信じてきた世界が

大いなる恵みの中でまた輝き出すだろう

それなのに、なぜ僕たちは息苦しい生活をして

この地球を傷つけ

その魂を責めるようなことをする?

この世界をみれば

天国のように素晴らしいことは明らかで

神のおかげで輝いているのに


We could fly

So high

Let our spirits never die

In my heart

I feel you are all my brothers

Create a world

With no fear

Together we’ll cry happy tears

See the nations

Turn their swords into plowshares


僕らはもっと高く

飛べるし

僕らの魂が死ぬことはなく

僕の心の中では

みんな僕の兄弟なんだ

恐れのない世界を創っていこう

僕らはともに喜びの涙を流し

国々が剣を鍬に持ち換えるのを見るんだ


We could really get there

If you cared enough for the living

Make a little space

To make a better place


僕らは絶対にそこにたどりつける

君が生きることについてよく考えれば

小さくても

今より良い場所をつくろう


Heal the world

Make it a better place

For you and for me

And the entire human race

There are people dying

If you care enough for the living

Make a better place

For you and for me


世界を癒そう

今より良い場所にしよう

君と僕と

すべての人々のために

この世界では、人は常に死んでいく

でも、君が生きることについてよく考えれば

もっと良い場所になる

君にとっても、僕にとっても


Heal the world

Make it a better place

For you and for me

And the entire human race

There are people dying

If you care enough for the living

Make a better place

For you and for me


世界を癒そう

今より良い場所にしよう

君と僕と

すべての人々のために

この世界では、人は常に死んでいく

でも、君が生きることについてよく考えれば

もっと良い場所になる

君にとっても、僕にとっても


Heal the world

Make it a better place

For you and for me

And the entire human race

If you care enough for the living

Make a better place

For you and for me


世界を癒そう

今より良い場所にしよう

君と僕と

すべての人々のために

この世界では、人は常に死んでいく

でも、君が生きることについてよく考えれば

もっと良い場所になる

君にとっても、僕にとっても


There are people dying

If you care enough for the living

Make a better place

For you and for me


ここでは、人は皆死んでいく

でも、君がよく考えて生きていけば

今よりもっと良い場所にすることができる

君と僕のために


There are people dying

If you care enough for the living

Make a better place

For you and for me


人は皆死んでいく

でも、君がよく考えて生きていけば

もっと良い場所が創れる

君にとっても僕にとっても


You and for me

You and for me

You and for me

You and for me

You and for me

You and for me

You and for me

You and for me

You and for me

You and for me

You and for me


君と僕のために・・・


(訳:yomodalite)


アルバム『デンジャラス』のマイケル作詞はこの曲で終了。

『インヴィンシブル』『デンジャラス』を終えて、次回からは、『スリラー』『バッド』『ヒストリー』の中から順不同ではありますが、マイケル作詞の曲の訳詞は、最後まで必ずやる予定!



Commented by kei-wa at 2018-11-02 23:56 x
素敵な和訳ありがとうございます(*´∀`*)
そっかあ、子供の言葉に答える形をとっていたのですね!
あのもごもご言い直しているところ、編集しなくて大正解ですよね!
詩集の方の和訳の文語調から、歌の歌詞は子供にマイケルが語りかけるような口語体なのがまたいいです!
優しい歌なのにこういう歌詞を歌うことはアメリカではDangerousなことなんですね。
この曲はなんだか綺麗すぎて初めはあまり聴かなかった曲なのですが、マイケルについて知るにつれ、この曲ほどマイケルそのものを表す曲はないんじゃないかって思うようになってからは、聴くたびに会ったこともないマイケルの魂と交信しているような荘厳な気持ちになり、文字通り癒さてしまいます。

それに、子供をはじめ、多くの人に歌ってもらえるよう(?)、歌いやすいキーとメロディラインで、高度なボーカルテクニックをほぼ封印して歌っているのもラスト子供に寄り添うようにボーカルを重ねていくところも本当に素晴らしいなあと思います。
SFの地球を持つ子供の手が白人と黒人なのもマイケルらしいですね。
Commented by yomodalite at 2018-11-05 20:55
>高度なボーカルテクニックをほぼ封印して歌っている・・

そこんとこ、わかってもらえて嬉しいです。

>この曲ほどマイケルそのものを表す曲・・

マイケル自身も、この曲を作れて良かったって言ってましたが、ホント世界中のアーティストの中で、これを作れるのは、彼だけだと思いますね。
Commented by moro at 2018-11-06 16:36 x
この曲はメロディも言葉もシンプルで、凄く濃い他の曲のなかにあって、
ちょっとした安らぎタイムみたいになっていました。一緒に口ずさんだりして。
ただ、少し私が違和感を感じていたのが、繰り返されるフレーズの
There are people dying
If you care enough for the living~
のところ。
ライブでも子供たちと一緒に繰り返し歌ってますよね。
なぜ「dying」というどちらかというとネガティブな単語が
繰り返されるのだろうと感じていたのです。(音程も一段と高いので、耳に残る)
それは以前に読んでいた他の人の訳から、この「people dying」を
地域の紛争や貧困で死んでいく人々のことだと私が先入観を持っていたからでした。
でも三年前にyomodaliteさんの訳の「人々は死にゆくけれど・・」を読んで、
もっと普遍的な生きとし生けるものすべてがもつ死のことなのかと思い至りました。
「dying」と「living」は必ずいっしょですものね。
どんな環境にいる人も生まれて生きて死んでを繰り返して「generation」は続いていく・・・
そして今回気か付いたのが「There are people dying」の「There are~」で、
私たちにとってたったひとつの地球、よい場所にしたいその世界が「There are」
なのかなぁ。みんながここで、生まれて生きてを繰り返していくんだよ、と。
優しい声とメロディでサラッと聞き流してしまい、ついつい自分の聞き取れる単語でだけ解釈してしまうのですが、この歌は本当に普遍的で、単にhealという言葉だけで
わかった気になってはいけないですね。
気づきを与えてくれる訳を本当にありがとうございます。
Commented by yomodalite at 2018-11-07 18:01
moroさーーん、痒いところに手が届くような嬉しいコメントありがとうございます!

>地域の紛争や貧困で死んでいく人々・・・

たしかに映像と一緒にみると、そう感じてしまうし、それで間違ってるとも思わないんですが・・・

マイケルは「Man In The Mirror」を作ったサイーダに、僕も「イマジン」のような曲を作りたいんだと言っていて、その後その思いを実現させた曲が「Heal The World」だと思います。

>「dying」と「living」は必ずいっしょですものね。

そうですよね!
戦争がなくても、人は必ず死ぬし、そして「LOVEさえなければ、PEACE」というタモリの名言のように(https://change-consul.factdeal.co.jp/internet-marketing/タモリさんの「戦争が無くならない理由」に鳥肌/)、愛と平和は戦争の反語ではなく、ジョンとヨーコが何度、Love & Peaceを訴えても、No War にはならないし、戦争がなくても、人は平和とは限らない。

戦争の歴史は、異なる神を信じる人々の歴史のようにも見えますが、「イマジン」のように、天国も、国も、所有するものもなくても、ひとは愛から争い、誰かのために戦いたがり、多くの人々にとって、愛は誰かを所有するようなものだから、不倫や浮気が裏切りになる・・。

先人からよく学んで、それを超えていく、というマイケルの姿勢にほとんど例外がないことは、moroさんもご存知だと思いますが、この曲はジョンとヨーコやイマジン、そして「Love & Peace」への批判の声から、一歩進んだ地点にある歌だと思います。
Commented by yomodalite at 2018-11-08 11:26
moroさんが「dying」と「living」をピックアップしてくれたので、そのサビの2回目の部分は、少し別の訳にしました。
Commented by はとりんご at 2018-11-08 12:31 x
突然コメントを失礼します。いつも大変面白く読ませていただいています。
ブログにコメントを残すこと自体はじめてで、何か緊張しています、、

私も、there are people dying のところがずっと引っ掛かっていたのですが、今回、dyingの深い深い意味に思いいたり、電車のなかで鳥肌が立っています。

いつも、目から鱗を本当にありがとうございます‼️ますますマイケルさんは素敵だと感じました。

Commented by yomodalite at 2018-11-08 22:02
はとりんごさん、はじめまして!
この曲の和訳で、新しい方からコメントいただけることになって嬉しいです。
また、これからもお気軽にコメントくださいね。
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by yomodalite | 2018-11-01 11:41 | ☆マイケルの言葉 | Comments(7)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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