『万引き家族』は是枝作品の集大成

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是枝監督の映画を観るのは『誰も知らない』、『そして父になる』に続いて3作目。今回はカンヌのパルムドール受賞したこともあって、大阪の先行上映でもかなりの人が入っていました。

2010年代のパルムドール受賞作品では、2016年の『私はダニエル・ブレイク』、
2017年の『ザ・スクエア 思いやりの聖域』を観ましたが、

今回の是枝作品も含めて、これら3作品には共通点がある。

『私はダニエル』と『ザ・スクエア』は舞台設定はかなり異なるものの、生活保護を求めるダニエル・ブレイクも、キュレーターのクリスティアンも、格差社会の中で助け合おうとする話。

あらすじで見ると、

イギリス北東部で大工として働く59歳のダニエル・ブレイクは、心臓の病を患い医者から仕事を止められ、国の援助を受けようとするが、複雑な制度が立ちふさがり必要な援助を受けることが出来ない。悪戦苦闘するダニエルだったが、シングルマザーのケイティと二人の子供の家族を助けたことから、交流が生まれ、貧しいなかでも、寄り添い合い絆を深めていく…。

『ダニエル・ブレイク』と『万引き家族』は特に近い点があるのだけど、ケン・ローチ監督がダニエルをある種のヒーローとして、正義を描いているのとは逆に、是枝監督が描いた「家族」は、誰もが悪人で、正しさはどこにもなく、そこには「やさしさ」しかない。

私には是枝作品の方がすべてにおいてずっと素晴らしい作品に感じられた。

お兄ちゃん役の城桧吏は、『誰も知らない』で、長男を演じ、カンヌで史上最年少の最優秀主演男優賞を受賞したた柳楽優弥と同じぐらい素晴らしいのだけど、この「家族」は全員が素晴らしすぎて、誰か1人だけ選ぶことなんて出来なかった。それで監督が代表して、トロフィーを受け取ることになったんだと思う。

たったひとつだけ不満があるとすれば、もっともっと彼らを見ていたかったこと。

エンディングロールで、すごく美しい音楽(細野晴臣)が流れて、これで終わってしまうことがとても寂しかった。

DVD化の際は、未公開シーンも一杯追加して欲しいけど、もっと長く観たいので連続ドラマ化してくれても・・とも思った。

最後に登場する、高良健吾と池脇千鶴は損な役回りだけど、ほんの一瞬だけ登場するキャストにも、ハッとするほど素晴らしい存在感がありました。

血縁家族の素晴らしさをあまり知らない人には特に・・・


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by yomodalite | 2018-06-04 22:28 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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