アイ、トーニャは必見!

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映画館で、初めてこの予告編をみたときは驚いた。
トーニャ・ハーディングという名前を今思い出すことになるなんて・・・

1994年、私は今と同じようにフィギュアスケートを見るのが好きだったけど、そんな私の前に現れた初めての「悪役」がハーディング。彼女がスケート界を追われた後プロレスラーになった、というニュースを聞いたときも、多くの悪役レスラーのように「ヒールを演じている」なんて思わなかった。

ライバルだったケリガンを襲撃し、リレハンメルの氷上では、審査員席に足を乗せ、靴紐の不備を訴えた・・彼女の記憶はそれがすべてで、思い出したくないものばかりだったのに・・・

トーニャの生い立ちが描かれていくうちに、少女時代の彼女に感情移入せずにはいられなくなり、成長した彼女がZ Zトップ(!)の音楽で滑り出すと、応援せずにはいられなくなる。

ゴシップ誌「ハード・コピー」の記者は言う。「この事件には、バカしか登場しない」。

トーニャの周囲は、「ホワイト・トラッシュ」と揶揄されるような人ばかり。

オバマやヒラリー、そしてハリウッドが悲惨さを目にしながら、まったく手を差し伸べることなく、ただただ蔑んできた人々・・・

ケリガン事件も彼らが勝手にひきおこしたものだったのに、メディアはトーニャを悪役にキャスティングし、常にナンシーと対比させることを選んだ。

20年以上経った2017年にトーニャが映画になった理由のひとつには、トランプ大統領誕生の影響もあったと思う。

私を嫌う人は皆こういう、「トーニャ、真実を話せ」って。でも、真実って何?

予告編の冒頭とは違い、実際の映画では最終章の場面で、トーニャがそう問いかけるとき、当時のことを覚えている人なら、きっと胸に重く響くでしょう。

人は自分の信じたいこととは違うものを「フェイクニュース」と呼び、自分がしている差別だけは正当な理由があると思い込む。

裁判は、何ももたなかった彼女から、唯一の希望だったスケートさえ奪ってしまう。

理不尽な結末を少しだけ和らげるかのように、エンディングロールでは、現在トーニャが母になり子供を育てていることに誇りをもっていることが伝えられるのだけど、

もう少しだけ明るい気分で観たいひとは、映画館に行く前にこの動画を見て!

Dancing with the Stars 2018
アダム・リッポンや長洲未来と共に
レジェンドスケーターとして出演!




今の彼女に拍手を送りたくなる…




スケートを猛特訓し、プロデューサーも務めた主演のマーゴット・ロビーと、鬼母を演じて助演女優賞を総なめしたアリソン・ジェネイ、ふたりの気合の入った演技も絶品です!





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Commented by mo8_a29 at 2018-05-14 17:25
こんにちは!観てきました!トーニャの不運というか厳しかった現実は、なんにも言えません・・・アメリカは、正義が揺れてますね~~と思いました。
今大好きなフィギュア・スケートに、かつて身を置いた人の現実は過酷だったんだと思うとなんだか複雑ですね。。。トーニャのことは、最初はとてもハッキリしていてたくましい選手と思っていて あのケリガン襲撃事件から随分ダーティーだなーーという印象でした。しかし彼女の母親がああいう人で 恋人・夫がまたまた暴力的で
その友人が問題で・・・ほんと 環境が浮かび上がると・・・呆気にとられます。
Commented by yomodalite at 2018-05-15 21:05
>彼女の母親がああいう人で・・・

あの母親が登場した瞬間から、トーニャに同情してしまいました。でも、ウェイトレスの薄給から、長年スケートの授業料を払い続けた母の気持ちも・・・

映画のエンディングは辛いものもあったけど、Dancing with the Starsの審査員とか、リッポンやネイサンなど現代のスケーターにもリスペクトされている姿が見れて、この映画によって彼女の名誉が回復できていたり、児童虐待の被害者だった彼女が母親として、幸せになっていたことには心の底からホッとしたり・・。

とにかく、あのあとの彼女の人生が2時間に凝縮された、驚きの映画でした!
Commented by moro at 2018-05-16 15:48 x
私もこの事件はよく覚えていて、映画館で予告編を観た時にはびっくりしました。
ライバルを蹴落とすために実際に衝撃させるなんて、そんなバカな・・・と半信半疑
でしたが、当時のマスコミも完全に「黒」扱いでしたね。そして数多くのスキャンダルと同様に、メディアに消費されたあとは彼女の尊厳は回復されないまま置き去り。
「アメリカには愛する仲間と敵が必要。」その通り。
それにしても、こんな間抜けでバカな事件で、彼女の唯一の生きがいが取り上げられてしまうなんて!

>オバマやヒラリー、そしてハリウッドが悲惨さを目にしながら、まったく手を差し伸べることなく、ただただ蔑んできた人々・・

これで人種や障害に対する差別というわかりやすさならまた違っていたのかもしれない。私も最近まで気が付いていませんでした。

映画としてもとても面白かった!テンポのいい編集、素晴らしい俳優たち。
主演のマーゴット・ロビー、チークを塗って必死で笑顔を作るシーンには、こちらが泣きそうになった。母親役のアリソン・ジェネイ・・・しびれました!
そして誇大妄想狂のショーン役、可笑しくて怖くて上手い。

動画の紹介ありがとうございました。
リッポンと未来ちゃんのは見ていたのですが、(二人ともサ・ス・ガでございます。)トーニャも出演していたのですね。
目を輝かせて審査員を見つめ、「プリンセスになったみたい!」と喜ぶ今の彼女を見て胸がいっぱいになりました。今後の彼女の人生は幸せであってほしい。

ところで樋口新葉ちゃんの来季のEXプロがMJメドレーだそうで、今から楽しみでワクワクしています!



Commented by yomodalite at 2018-05-17 16:13
moroさん、コメントありがとーーーー!!!

>映画としてもとても面白かった!テンポのいい編集、素晴らしい俳優たち。

暗くなりがちな話ですし、ドキュメント映像に忠実な演技も多いのに、音楽とテンポが良くて、不思議とエンターテイメントとして楽しめましたよね。トーニャの時代はコンパルソリがあったり、歌詞ありの音楽も禁止されてたから、ZZトップで滑るなんてありえないんだけど、当時の音楽がすごく効果的に使われてて・・。

トーニャが伊藤みどりに次いで、公式戦でトリプルアクセルを決めていたことにも驚いたんだけど、なんか、トリプルアクセルって「物語」を紡いじゃうところがあるよねぇ。

エンディングで、各キャストがドキュメント映像と同時に紹介されて、あの濃い面々がキャストの怪演ではなく、リアルにそうだったんだ、ってところも驚いたけど、あの母親がウエイトレスの薄給を娘のスケートにつぎ込んだのも余程の思いをしてのことでしょうし、トーニャの才能は、みんながどうかしてしまうほど突然変異だったんでしょうね。

>目を輝かせて審査員を見つめ、「プリンセスになったみたい!」と・・・

映画の後これを見て本当にホッとして、20代で世界中から非難を浴びるような経験をした彼女が、50歳間近の今、まるで少女のようにくったくのない笑顔で輝いている姿を見てしまうと、当時も今も冴えない感じの彼らの愚かさのせいでトーニャが犠牲になったように思えるのだけど・・・

でも、今の年齢であんな笑顔を見せられるトーニャの20代は・・・彼らにとってものスゴいものだったでしょうね。彼らは彼らでトーニャが「並外れていた」ことで、人生が狂ってしまったのかも。

>ところで樋口新葉ちゃんの来季のEXプロがMJメドレー・・・

メドベージェワとか超一流選手とも仲良くしてるみたいだし、負けん気も強そうだし、これからもっと伸びそうな新葉ちゃん、黒のMJぽいファッションも似合いそうだし、スピードと勢いのあるジャンプが素敵な彼女には、スムクリに挑戦してほしいなぁ。

・・でもって、MJやるときは、メドレーじゃなくて一曲まるごとにして!って今年も強く言っていくよぉww
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by yomodalite | 2018-05-10 10:47 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(4)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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