90歳の主演作『ラッキー』

f0134963_12020995.jpg


去年91歳で亡くなったハリー・ディーン・スタントンの遺作。
・・・とだけ知っていて見に行ったのだけど、ハリーが演じている主人公のラッキーは90歳。アメリカ南西部の街に住み、第二次世界大戦に出征した経験があり、ちょっぴり偏屈だけど、愛されていて・・と、実際のハリーがモデルになっている、という以上に、ハリーの人生すべてに捧げられたオマージュ作品。

『ファーゴ』や『グラン・トリノ』に出演していた名バイプレーヤー、ジョン・キャロル・リンチが監督として、ハリーの最後を記録し、実際の友人で自身の作品に何度も起用しているデヴィッド・リンチも友人役で出演していて、ふつうの人々であるラッキーの周囲の会話には、ちょっぴり哲学的な部分も。

無神論者で現実主義者だというラッキーと彼らの会話には「ナッシング」がいっぱい出てくるのだけど、韻を踏んだセリフになっていたせいか、私はときどき、ヒップホップの歌詞や、ケンドリック・ラマーのことも頭に浮かべてしまった(前日にピュリツァー賞のニュースを見たからかな)。

そんなのは私だけかもしれないけど、でもニューヨークやカリフォルニアではなく、アメリカ南西部の多様性がこの映画のテーマにあることも確かで、ヒップホップだけでなく、ライムもフロウもリリックも、ブルースにだってある、という映画でもあったと思う。

2012年のドキュメンタリーでは、ハリーが歌うサントラも発売されたけど、この映画でも、彼がスペイン語の歌を披露するシーンがある。

偏屈で老いたカウボーイの視線の先に見えていた、パリ、テキサス、そして沖縄やフィリピンといったアジアも、スペインも、都会の言葉とはちがうものだったみたい。



[PR]
トラックバックURL : https://nikkidoku.exblog.jp/tb/29731187
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by yomodalite | 2018-04-19 12:07 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


by yomodalite