2016年 06月 23日
春日太一のトークショーで千葉真一に圧倒される |
『あかんやつら』はまだ読んでいる最中だわ、これまでに見た時代劇も、このブログに書いたものがすべてという寒い状況で、千葉真一氏の出演作品にいたっては、『仁義なき戦い』と『KILLBILL』しかちゃんと見ていないだなんて、あの会場で私しかいなかったと思う。
客席は8割が男性で39歳の春日氏よりも若い人が多いという印象。千葉真一が『影の軍団』のテーマ曲で登場すると、全員こぶしを突き上げる感じの「オォーーー」という歓声が響き、壇上に上がった千葉氏がジン・トニックを注文されると、またもや、「オォーーー」みたいな・・・春日氏のトークショーは二夜連続で、前日の杉作J太郎氏の回も来たという人も6割以上もいたようで、とにかく熱気がスゴい。
春日氏の声を聞くのは今回が初めてだったのですが、物書きとは思えない美声で、トークショーのホストとしてもゲストとしてもとても素敵だったのですが、ショーは博識で、MCも上手い春日氏がリードする形ではなく、千葉真一の独壇場でした。
それは、最近見た『アナザーストーリーズ 仁義なき戦い』(NHK)でも発揮されていましたが、番組で話されたことを、編集された放送と同じぐらい淀みないだけでなく、さらに肉付けして話されたり、ひとつの質問に対して倍以上の答えが返ってくるだけでなく、もっとずっと深いところまで熱く語られる。
役者としての話だけでもスゴいのに、JACを創り、そこで何人もの人にアクションを教えただけでなく、撮影技術を発明したことや、今構想中の映画の話まで、とにかく話題が尽きなくて、全然作品を見ていない私にも情景が目に浮かぶぐらい、上手に観客に説明することが出来るなんて、本当に驚愕のひとこと。
トークショーの内容を自分のメモとして少しだけ・・
・緒形拳がキライ(彼はアクションを人任せにするから)
・成田三樹夫の肉体は素晴らしい(彼はアクションを人任せにしない)
・時代劇の中で本当に「峰打ち」が出来るのは若山富三郎だけ(暴れん坊将軍がやってるのは峰打ちじゃない)
・影の軍団で共演した樹木希林がすごかった
・東映の撮影所で役者をやめさせられそうになったとき、高倉健が救ってくれた
・今の若手俳優でいいと思うのは?「イイのいるかな?」
・共演してみたい俳優は?「ブラッド・ピット。彼はなにをやってもいいと思えるほど魅力がある。大好き!」
・ブルース・リーに約束して会いに行ったら、飛行機が着陸したとき、彼はもう亡くなっていた。
・時代劇に出ていても、千葉真一が現代的に見えるのはなぜか?「深作監督に教わったことだけど、映画はリズムとリアリズムが大事。シーンはテンポなんだ」
そのほか、今企画中の映画として、米国のサラリーマンも読んでいる「五輪の書」、柳生十兵衛やくノ一がCIAの手先となって活躍する映画のこと、カムイ伝や、沖縄のこと・・
また、タランティーノのことは、めちゃめちゃ頭が良くてクレイジーだと語られていましたが、それと同じぐらい千葉真一も頭が良くてクレイジーなのは、3時間を超えても尽きることのない話の中で、何度も「オールナイト」を口にされていたことで充分すぎるほど納得(77歳なのに)!
とにかくもっと作品を観なくちゃ。まずは『日本暗殺秘録』かな。あと『柳生十兵衛あばれ旅』、『柳生一族の陰謀』と『新幹線爆破』と『影の軍団』と・・・
by yomodalite
| 2016-06-23 11:44
| 映画・マンガ・TV
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