マイケルと神について(番外編)「ミケランジェロのピエタ」

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マイケルと神について考えるとき、ミケランジェロのことは、とても重要なファクターなのだけど、この考察を続けて、ミケランジェロまでたどり着くのに、あとどのくらいかかるのかなぁとか考えて気が遠くなりつつ、「ピエタ」のことをぼんやりと想っていた。




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ミケランジェロのピエタは、4種類あって、一番有名な「サン・ピエトロのピエタ」は、ミケランジェロが25歳頃に完成しているのだけど、後の3作品はいずれも未完成。

・「サン・ピエトロのピエタ」(1498年 - 1500年、サン・ピエトロ大聖堂)
・「ドゥオーモのピエタ」(1547年? - フィレンツェ、ドゥオーモ博物館)
・「パレストリーナのピエタ」(1555年? - フィレンツェ、アカデミア美術館)
・「ロンダニーニのピエタ」(1559年 - ミラノ、スフォルツァ城博物館)



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「サン・ピエトロのピエタ」は、若々しく美しいマリアが印象的で、イエスを膝に抱いているマリアは、イエスよりも神々しく「聖母」とは「女神」であるという印象。



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一方、「ドゥオーモのピエタ(別名フィレンツェのピエタ)」には、母マリアとマグダラのマリアと思われる二人の女性と、一般的にはニコデモだと言われている(父ヨゼフだという説もある)男性1人に支えられ、ミケランジェロ自身の真作かどうか議論もある「パレストリーナのピエタ」でも、マリアと思われる女性は、現実的な描写となり、神ではなく「人間イエス」を描こうとしているように見える。



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最後のピエタであり、遺作と言われる「ロンダニーニのピエタ」では「サン・ピエトロのピエタ」と同じくマリアと二人きりで描かれているのだけど、このマリアもやはり人間的で、、


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未完に終わった作品はどれも、イエスにも、マリアにも、神々しさが欠けていて、ミケランジェロは20代で制作し、最高傑作ともいわれる「サン・ピエトロのピエタ」以降、ピエタを、聖母子としては描いていないように思う。

また、最初に創られたイエスを膝に抱いている「サン・ピエトロのピエタ」以外は、いずれも、傷ついたイエスを立たせようとしているように見える。

「ロンダニーニのピエタ」は、十字架刑の後なのかどうかはわからないけど、イエスの背後にいるマリアは、イエスの肩より上に見え、これはマリアを「背負っている」からだとも言われているけど、

イエスの足は地に着いているようには見えないし、この足の状態からは自力で立っているとは思えず、やはり、先の2作品と同じく、マリアがイエスの体を引き上げようとしているか、もしくは、飛翔しつつあるのではないだろうか。


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Wikipediaに書いてある「イエスを亡くして悲しむマリアをイエスの霊が慰めている様を表現するために、両義的な解釈が可能となるようミケランジェロが意図した」という解釈も、なんだかよくわからないのだけど、でも、どうして、ミケランジェロは「サン・ピエトロのピエタ」以外、イエスを立たせようとしているんだろう。とぼんやり考えながら、

「ダヴィデ像」から、ずっと裸体の男を描いてきたミケランジェロの作品を見ているうちに、ふと思い出した。

あの医師の裁判のときに公開された、MJの最後の写真を。



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あの時、マイケル・ジャクソンという人は、どうして、こんなにもメディアによって、どんな姿もすべて公開されなければならないのかと、胸が張り裂ける思いがしたひとは、私だけではないと思う。

私はそのときは見られなかったし、一生見ることはないと思ったのだけど、

つい最近、そうではなくなった。

そこには、女神も聖母もいなかったけど、必要ともしていないように見えた。

☆『ロンダニーニのピエタ』(Pietà Rondanini)に関する参考記事 
http://www.geocities.co.jp/kaztan0929/italy-92.html
http://www.asahi-net.or.jp/~mf4n-nmr/yorokobikanasimi.html


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by yomodalite | 2012-11-04 08:41 | マイケルと神について | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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