MICHAEL JACKSON : THE MAN, THE MUSIC AND HIS LEGACY[2]

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[1]と同じく、2009年の6月30日に書かれた記事の「HIS LEGACY」から、下記は、記事全体の編者でもある、Sam Chennault 氏によるもの。

引きつづき、日本語部分は、充分にご注意の上、気になる点や、間違いは、遠慮なくご指摘くださいませ。

His Legacy

There was always something about Michael Jackson that reminded me of the General of the Universe, the central character from Gabriel Garcia Marquez’s hallucinatory, stream-of-consciousness epic, Autumn of the Patriarch. The general is the dictator of an unnamed Caribbean country who was born to a bird woman and with a grossly enlarged testicle that hums songs.

ガブリエル・ガルシア・マルケスの “意識の流れ” による幻想小説『族長の秋』に、主役として登場する “大統領” のキャラクターは、いつも、私に、マイケル・ジャクソンを思い出させます。その “大統領” は、カリブ海の無名の国の独裁者で、小鳥売りの女から生まれ、歌を口ずさむ肥大した睾丸をもっています。

He lives to be between 107 and 232 years old, sires 5,000 children, orders time altered (after all, aside from the General of the Universe, he is also the undoer of dawn, the commander of time and repository of light), and sells off the Caribbean Sea to the United States (which then transplants the sea, along with “the reflection of our cities, our timid drowned people, our demented dragons," to barren Arizona).

彼は、107年から232年の間、生きていて、5000人の子供を産ませ、時間をも自由に変更でき(夜明けを取り消したり、時間や光を溜め込むことも“大統領”はその世界のすべてを決断することができる)、そして、カリブ海を、アメリカに売り払ってしまいます。(海も、私たちの、街の輝きも、小心で溺れてしまった人々も、気が触れたドラゴンもすべて一緒に、不毛なアリゾナに移動させた)

Toward the end of his life, he becomes overtaken by illusions, unable to distinguish reality from fiction. He becomes unduly paranoid and never appears in public anymore, preferring instead to deploy an army of body doubles. When one of the body doubles is killed, the General doesn’t clarify, and instead orchestrates his public resurrection three days later.

人生の終わり頃、彼は、現実とフィクションが区別できなくなり、幻想に追いつかれるようになります。過度に偏執狂になって、大勢の「身代わり」を使い、彼は、公に現れることがなくなりました。身代わりのうちの1人が亡くなっても、“大統領” なのかどうかもよくわからないまま、また、3日後には、別の身代わりが生まれるという仕組みです。

When his own death finally comes, the countrymen find him in a dilapidated mansion, a "rotting grandeur" of corpses. No one can process that the dead man lying before them, infected with parasites from the deepest depths of the sea, is the General of the Universe.

彼自身の最後がようやく訪れたとき、彼の同胞は、荒廃した大邸宅で、 “壮大に腐敗した” 死体となった “大統領” を発見します。“大統領” は、深い海の中で寄生虫に感染したため、遺体を前にした誰も、それを処理することができなかったのです。


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Of course, M.J. never killed 2,000 children and dumped them in the sea, as the General does, but he seemed touched by a similar sort of madness and magic. He built his own private Disneyland. He defied physics with the moonwalk. He married Elvis' daughter. He bought the Beatles. He planned to live to be 150. He cavorted with Ronald Reagan. When he visited Africa, he was greeted by 100,000 people.

もちろん、MJは、その “大統領” がしたように、2000人の子供たちを殺してもいませんし、海に投げ捨ててもいません。しかし、彼は、それらの狂気や幻想と、どこか似ているように見えました。彼は、プライヴェートなディズニーランドを造り、自然ではない月面歩行(ムーンウォーク)をし、エルヴィスの娘と結婚して、ビートルズを買い、150歳まで生きることを計画し、レーガン大統領とはしゃぎ、アフリカを訪問したときは、10万人に挨拶されました。

He performed for over a half million people in just seven nights in London. He sold 100 million copies of Thriller. He erected a giant statue of himself that floated down the river Thames. For years, he dressed like a cross between Liberace, a Martian general and an Egyptian pharaoh. He made a complete mesh of race, gender and sexuality.

彼は、ロンドンでの7日間の夜の公演で、50万人以上の人々のために、ショーを行おうとして、スリラーを1億万枚売り、テームズ川を下る、巨大な彫像を造り、何年も、リベラーチェ(派手なコスチュームで知られる米国のピアニスト)と、火星人と、エジプトのファラオをミックスさせたような服を着て、人種も、性別も、性的思考も、すべてを混合させました。

He befriended a pet chimpanzee called Bubbles, who shared his toilet and cleaned his bathroom. And these are just the confirmed facts -- never mind the rumors and accusations.

彼は、バブルスと呼ばれる、ペットのチンパンジーと友達になり、彼とトイレを共有し、バスルームの掃除もしました。これらは、実際に確認された事実で、噂や、言いがかりではありません。

All of which made it difficult for me to truly believe that he was dead. I spent Sunday halfway expecting that he would pop up on CNN, with a twisted angelic smile, and in a fey voice announce that he had conquered death. But it’s Monday. He’s still gone and the reality of his death is beginning to set in. -- Sam Chennault

それらのことから、私には、彼が本当に亡くなったと信じることがとても難しいのです。私は日曜日、半分期待して、CNNを観て過ごしました。拗ねた天使のような笑顔と、不思議な声で、彼が死を克服して、突然現れたというニュースが流れるんじゃないかと思って… でも、月曜日。彼は、まだ行ってしまったままで、彼が亡くなったという現実がスタートし始めました。----サム・シェノールト

source : http://blog.rhapsody.com/2009/06/michael-jackson


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マルケスの “大統領”は、肥大した睾丸と、数えきれないほどの愛のない “愛人” をもっているような「独裁者」で、それが、私たちの「マイケル・ジャクソン」と、どう似てるの?と、思われる方も多いと思うのですが、、

この小説は、“大統領” を主人公とする「独裁者小説」でありながらも、語り手が〈われわれ〉だったり、複数の語り手が継ぎ目なしに入り込んで〈わし〉とか〈わたし〉とか、突然〈おふくろよ〉とか〈閣下〉とか呼びかけたりする、複雑な構成の小説で、

(引用開始)

彼はあらゆる老獪な手段を弄して、略奪にたいする全国的な抗議運動をまき起そうと努めた。しかし、誰ひとり関心を示す者はいませんでした。閣下。いくら説得しようとしても、あるいは強制しようとしても、街頭に出ようとする人間はいなかった。つまりわれわれは、それまでにも何度か同じことがあって、このたびの呼びかけも、権力にしがみついていたいという抑えがたい情熱を限度を越えてまでみたそうとする、彼の新しい作戦だと考えたのだ。われわれは心の中で思った、いっそ何か起こってくれればいい、海なんかくそ食らえだ、ドラゴンごと国全体を持っていけ。軍人たちのさまざまな誘惑の手をしりぞけながら、そんなふうに思っていたのだ。

彼らは民間人を装ってわれわれの家に現れた。略奪が行われるのを防ぐために街頭に出て、アメ公帰れ、とシュプレヒコールするように、祖国に代わって要求した。商店や外国人の別荘を略奪し焼き討ちにするようにそそのかした。民衆と連帯した軍隊の保護のもとに、侵略にたいして抗議すべく街頭に出るように、現ナマさえ握らせようとした。しかし、街頭に飛び出す者は1人もいませんでした、閣下。

そこでわしが、1人でこの重荷を背負わなきゃならなかった、1人で書類にサインしなきゃならなかった、1人で何もかも考えなきゃならなかった、おふくろよ、ペンディシオン・アルバラド(大統領の母)よ、海兵隊の上陸を許すぐらいなら、海を失ったほうがましだってことは、おふくろがいちばんよく知っているはずだ、思い出してくれ、わしにサインさせようとしている命令書の内容を考えたのは、やつらなんだ、

やつらは芸人たちをホモに変えおった、やつらは聖書と梅毒を持ち込んだ、生きるってことがたやすいことだと、なんでもお金で手に入ると、黒人たちは伝染性の病気をもっていると、民衆に信じ込ませたのも、じつはやつらなんだ、おふくろよ、やつらはわしの兵隊を説得して、国家は一種のビジネスで、名誉なんてものも、軍隊をただで戦わせるために政府がでっち上げた、うさん臭いしろものだと信じ込ませようとした、

やつらが勝手に、あるいは全人類の利益と国家間の平和に貢献すると考えるかたちで、わが国の領海を利用する権利を、わしがやつらに譲渡したのは、これ以上災難が繰り返されるのを避けるためだった。

(引用終了 p331~332 『族長の秋』ガルシア=マルケス


この “大統領” が、MJに似ているとは、あまり思えないものの、多くの独裁者が、暴力的に国民を支配してきたという、ラテン・アメリカ社会の「現実」を揶揄しつつ、それが、欧米側の「視点」でもあり、また “大統領” という独裁者をつくり出しているのも「民衆」であるという、この小説の世界と「キング・オブ・ポップ」を対比させているのは、面白いと思いました。

◎[動画]Michael Jackson - History soldiers


☆「They Don't About Us」撮影ドキュメント(4:06~)レポーターのMJインタヴュー
◎[動画]Michael Jackson no Brasil - Reportagem do Fantástico (1996)

☆トラヴィスによるフィリピン刑務所でのパフォーマンス
◎[動画]Philipine prison"2010'Dancing inmates'

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photo : ZURICH, Switzerland (AFP) - A giant statue of the" King of the Pop" Michael Jackson, who died on June 25th, was set up near Zurich on the occasion of an organized ceremony this weekend in tribute to the American singer, explained AFP the organizer of the event.

The statue of 12 metres height and four tons was set up the day before on the lawn in the village of Regensdorf , in the northwest of Zurich , representative Michael Jackson standing and with golden belts. "There are only 19 copies of this statue of grey plastic in the world and two of them in Europe ", told the organizer, Andreas Grassmann. The organizers, who expect about tens of thousand admirers of the idol, will sell candles and roses and they put a book of condolences at the public disposal. (Source:AFP)




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Commented by kuma at 2012-07-04 23:00 x
一カ所だけご提案。

All of which made it difficult for me to truly believe that he was dead.
これらのことがあるために、私には彼が本当に死んでしまったのだと信じるのがとても難しいのです。

いろんな人が、いろんな見方をする、いろんな見方をしたくなる。そしてそれを言いたくなる。それがMJの持っている魅力で磁力かな・・・記事を拝読してそんなこと考えました。
Commented by yomodalite at 2012-07-05 11:47
kumaさん、こちらもありがとうございます!

>いろんな人が、いろんな見方をする、いろんな見方をしたくなる。そしてそれを言いたくなる。

うん。ホントそう思う。メディアの「ネガティブ報道」の凄まじさの反動で、ファンはどうしても「MJ=被害者」という視点で考えてしまうけど、3年間、MJのことをひたすら追ってきて思うのだけど、色んな人が色んな見方をすることに、彼自身がすごく辛かったとしても、それに耐えることにも意味があると思っていて、自ら燃料を投下した部分もあると思う。

本当にMJは多面体で、今までの「天才」という枠に治まりきらないような「超天才」だったから。
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by yomodalite | 2012-06-25 11:02 | MJ考察系 | Trackback | Comments(2)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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