工藤美代子『悪名の棺 笹川良一伝』

わたしがこどもの頃、このひとのCMを見ない日はなかったかもしれない。

笹川良一氏は、「黒幕」「フィクサー」といった表現で、メディアでの良い扱いを見たことがない方なのですが、本書は、笹川氏の「悪名」の裏側にあった素顔を掘り起こした力作。

昭和の傑物の素顔は、今の時代にあっては、その世界的なスケールの大きさに惹き付けられ、身近な人間への考えられないほどのケチぶりにも驚かされる。

ただ、すでに、これまでの笹川氏への悪評のほとんどが、非常に「小柄」であったと感じているものにとっては、この物語では、ちょっぴりもの足りなさも感じました。

競艇事業を始める前の笹川氏の莫大な収入に対して、相場や先物取引という表現だけだったり、巣鴨プリズンに入るきっかけや出るきっかけ、『田中清玄自伝』が面白かっただけに、田中氏との関係に関して、ほとんど触れられていないのところや、児玉誉士夫氏との関係も。。

「悪名」という名の汚名返上に力が入りすぎていて「悪の魅力」に乏しいところが、ちょっと残念というか、昭和の傑物を平成テイストで扱ってしまった感じ。

◎作家・工藤美代子氏が『悪名の棺』で明かした日本の黒幕・笹川良一「艶福家の私生活」

[BOOKデータベース]メザシを愛し、風呂の湯は桶の半分まで。贅沢を厭い、徹底した実利思考と天賦の才で財を成すも、福祉事業に邁進し残した財産は借金ばかり。家庭を顧みず、天下国家、世のために奔走。腹心の裏切り行為は素知らぬ顔でやり過ごし、悪くは“有名税”と笑って済ませた。仏壇には、関係した女の名が記された短冊を70以上並べ、終生、色恋に執心した。日本の首領の知られざる素顔。書き下ろしノンフィクション。幻冬舎 (2010/10)





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by yomodalite | 2011-08-15 08:37 | 報道・ノンフィクション | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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