2009年 10月 27日
モンガイカンの美術館(朝日文庫)/南伸坊 |
久しぶりに行った実家にあった本。「お父さん、こんな本読んでいたんだぁ」と、娘気分でパラパラとページをめくっていたんですが、ぐんぐん惹き込まれて、3センチ近くある分厚い文庫ですが、あっという間に読了してしました。
図版が多いところも本書の魅力のひとつなんですが、その図版の多さがネックで、なかなか文庫化できなかったと、あとがきに書かれています。雑誌掲載のときは、宣伝になるので「快く」図版の貸与が行なわれるのに、単行本となると「話が違う」ということのようです。
図版の貸与の権利は、その作品を購入した美術館にあるんでしょうか。単行本、文庫と、その度に、その権利を主張する、ということのようですね。
アーティストには色々な人がいて、様々なアートがありますが、どんな「権利」でも、それを握っているのは、同じ人たちというか、本当に、うんざりする話です。
「私がこの本で、始終一つ覚えのように言ってたのは、オレはどこかのエライさんのいいなりに何かを見たり考えたりはヤダ、ヘタでもクソでも、自分で見たり考えたりしたい。ということでした」
美術展の入口近くにある、あいさつとか、解説を混雑して並んでみるより、自分で考えてみた方が、やっぱり楽しいと思います。
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【BOOKデータベース】「自分にとって面白いモノとは?」という観点に立って、門外漢の立場から「ゲージュツ」の「ゲージュツ」たるゆえんを、「南伸坊コトバ」で説く異色の美術エッセイ。古今東西の名画・名作から、著者の手による名作まで図版多数収録。冗談かと思うと哲学、哲学かと思うと冗談の不思議な一冊。朝日新聞社 (1997/04)
by yomodalite
| 2009-10-27 13:20
| 現代文化・音楽・訳詞
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