タグ:MJ系メモ ( 86 ) タグの人気記事

物理学者が整理したこと

f0134963_22432718.jpg


前書『物理学者が解き明かす重大事件の真相』は、誰もが知っている重大事件を通して、物理学の世界を垣間見られるという試みが新鮮で、とても面白い本だったのですが、

本書は、タイトルからはまったく想像のできない内容で・・・

第1章 なぜ日本人は哲学がわからないのか
「哲学」とはアリストテレス哲学のことである
・プラトンとアリストテレス
・哲学を信じて虐殺された女哲学者ヒュパティア
・哲学者とはアリストテレス哲学を信奉する人たちという意味である
・『薔薇の名前』にでてくるアリストテレス哲学
・現代につながるアリストテレスの哲学

第2章 星占いの科学
なぜ日本人は星占いが大好きなのか
・現代の星占い
・四神(朱雀、玄武、青竜、白虎)とは四方にある星座のことである
・西暦150年に完成していた中国天文学
・木星の動きからつくられた十二支
・北極星の移動に見る中国と日本の政治思想
・陰陽師が行っていた星占いとは何だったのか

第3章 歴史の謎を天文学から明らかにする
女王卑弥呼とは誰だったのか?
・日本に伝わる妙見信仰
・西播磨の大避神社が示す北斗七星と北極星
・昔の北極星の位置にある大倉山山頂
・歴史から大避神社が星の位置にある理由を探る
・二十四節気が明らかにする日本の古代史
・日本に入ってきた道教
・女王卑弥呼の正体
・道教国家・日本

第4章 金融工学とはどういう学問か
なぜ儲けることができるのか
・金融工学という錬金術
・金融工学の想定外、ファットテイル(fat tail)
・経済物理(econophysics)が予言した2014年1月の株式市場の暴落
・20世紀は数学が世界を席巻していた時代である

第5章 現代物理学は本当に正しいのか?
副島隆彦氏との対談
・物理学とはどのような分野に分かれるのか?
・現代物理学は正しいのか 
・エルンスト・マッハの科学哲学
・科学とは思考を節約するためにある
・文科系の人間は「一定の条件において」を認めない

第6章 STAP事件の真実
なぜ小保方晴子著『あの日』は陰謀論と呼ばれたか
・業績を奪われ激怒していたハーバード大学バカンティ教授
・STAP事件に関する異常な世論誘導
・再現実験での丹羽仁史副チームリーダーの実験データ
・STAP特許はまだ生きている
・STAP細胞関連でファンドを獲得しているバカンティ教授
・故笹井芳樹氏の見た夢

第7章 AIとは何か
経験は知恵に勝る
・プロ棋士と互角の戦いをする将棋プログラム『ボナンザ』
・将棋プログラムの強さは「特徴ベクトル」によって決まる
・プロ棋士の指手をまねる
・「特徴ベクトル」を自分で見つける最近のAI
・脳の機能に似ている深層学習

第8章 なぜ日本人は論理的な文章が書けないのか
論理とはことばとことばの連結である
・論理的な文章とはどういうものか
・パラグラフ・ライティング
・実際の文章例
・文章に必要な要素① flow(流れ)
・テーマの糸
・文章に必要な要素② clarity(明快さ)
・プレゼンテーション(パワーポイント)への応用
・現代日本語は英語の文章作法を基礎としている


厚さ12ミリほどのコンパクトな外観からは、これらすべてが納められているとはとても思えないのですが、どの章も、最近の新書ならそれぞれ1冊にできるような内容で、タイトルには「整理法」とありますが、読者に整理の仕方を教えてくれるというよりは、物理学者である著者の整理された脳内が垣間見れるという感じ。

第1章の哲学から、古代史や天文学、金融工学を経て、第5章の現代物理学までは、門外漢には、とっつきにくい内容ですが、

第6章の小保方晴子氏とSTAP細胞事件では、ニュースやメディアとどう付き合うべきなのか? AI(人工知能)は、教育をどう変えるのか? など、大学で、教養教育について議論する機会が多いという著者の話には、義務教育に携わる方々にも興味深いと思われる内容が多く、

第8章の「論理的な文章が書けない」という問題は、人工知能によって、高度な自動翻訳が可能になったとき、英語教育の充実よりももっと重要な問題のように感じられました。

そんな盛りだくさんの本書ですが、下記は夏休みに行ってみたい場所についてのメモ。

北極星、北斗七星を崇める民間の信仰は「妙見信仰」とよばれている。(…)妙見信仰と「聖徳太子」には、強い繋がりがあって、聖徳太子が持っていたとされる七星剣は、四天王寺にあり、妙見信仰のもっとも古い菩薩像は、よみうりランド内の妙見堂にあるが、この菩薩像は、聖徳太子の若いときの像ではないか。聖徳太子の時代は、北斗七星が崇拝されていて、吉野裕子という在野の民俗学者は、伊勢神宮の天皇の儀式である神嘗祭が執り行われる日付と時刻は、北斗七星の動きと関連していると、『隠された神々』という本の中で明らかにしている。

しかし、高松塚古墳が完成した天武、持統天皇の頃には、北斗七星よりも、天皇を表す北極星の方が重要になったと考えられる。

西播磨一帯には、大避神社という神社が点在し、赤穂浪士で有名な赤穂市から、上部町、相性市にかけて、8神社、その他名前が少し違う大酒神社や、地図に載ってない大避神社までいれると、20ぐらいが点在し、一番有名な神社が、赤穂市の坂越にある大避神社。ここには、生島という島があって、そこには聖徳太子のブレーンとして有名な秦河勝の墓がある。また、この神社は日本ユダヤ同祖論でも有名で、「大避」というのは、ダビデを意味している・・・

「第5章」から、前書に引き続き、ビッグバンを信じないマイケルのためにw。

副島:ヨーロッパの近代法学では、裁判官はまるで実験を実験室(法廷)でやるように、「真実を発見する」という理屈になっている。すべての主観や思い込みを排除していくんですよ。有罪であることの証明作業(証拠から真実を組み立てる)以外の可能性をすべて排除する。しかし、そのとき学問というのは恐ろしい学問犯罪というのを起こす可能性がいつもある。ただひたすら理論の美しさ(これが数学的証明)みたいなところを突き詰める人は、自分たちの欠点を見ようとはしない。そのことの恐ろしさが色々と現代にあらわれているという気がします。数学的に証明された。ゆえに実在している。ゆえに宇宙はこのように成り立っていて、ゆえにビッグバン理論は正しい、という逆の形の証明をこの人たちはしている。このとき、マッハが主張した、実在としての素朴な証明は行っていない、ということでいいですか。

下條:はい。

副島:(…)falsifiability、日本では反証可能性と訳しますが、これはトーマス・クーンという人が言い出したことで、クーンは、ユダヤ人の科学史学者で、ヨーロッパの理科系の学者をアメリカに招聘する係りで、クーンは、ある事実を覆そうとして行われたある実験によって、反対証明が行われなかったらば、その事実やあるいは理論はサイエンスとして正しいのだ、という考えをしたというふうに理解されている。しかし、falsifiabilityという検証のテストストーンはどうもおかしい。トーマス・クーンとカール・ポパーの「科学哲学」は調べなおさなくてはならない。理科系の学者は、自己限定を徹底的にやって、ある極めて限定された世界に予め逃げ込んで置いてから、そこでの証明作業で無矛盾であれば、それで証明されたという行動をとるが、すでに始めのところから、ずるいんじゃないかと私は考えているんです。

関連図書・・・


[PR]
by yomodalite | 2017-07-07 22:54 | 読書メモ | Trackback | Comments(0)
f0134963_00291699.jpg


ここ数ヶ月の間で読んだ「イイ本」について。

言語学者や物理学者によるチームが、宇宙から来た謎の知的生命体の真意を探ろうとする、映画『メッセージ』(原題:Arrival)。



ドゥニ・ビルヌーヴ監督の映像はすごく魅力的だったけど、ロシアや中国を悪者にしようとするハリウッド・ストーリーではない、原作本を読んでみたら・・

理解
ゼロで割る
あなたの人生の物語
72文字
人類科学の進化
地獄とは神の不在なり
顔の美醜について ー ドキュメンタリー

という8編の短編集で、どれも緻密で繊細で、何度でも読み返したくなる作品ばかり。



最愛の子ども

松浦 理英子/文藝春秋



主人公は、私立高校に通う女子高生3人で、「ファミリー」と呼ばれる、彼女たちの疑似家族的な関係では、パパ、ママ、王子様という配役があって、特に華やかでもなく、おとなしい薬井空穂が「王子様」役。
空穂が初めて注目を浴びたのは、学校帰りに行ったカラオケで、マイケル・ジャクソンが13歳のときのソロデビュー曲「ガット・トゥー・ビー・ゼア」を歌ったときだった・・・

という、松浦理英子氏の小説を久しぶりに読むことになったのは、今村夏子氏の新作が呼び水になったみたい。


星の子

今村夏子/朝日新聞出版



娘の虚弱体質をきっかけで、宗教にはまっていく家族・・

よくある話なんだけど、やっぱり今村氏の文章に惹きこまれてしまう。

そして、最後は、

毎日ニュースを見ている人の中には、もうその名前に飽きたっていう人も多そうな「トランプ」なんだけど、20冊以上は彼に関する本を読んでる私が、幅広い思想信条の人におすすめできるのは、

トランプ現象とアメリカ保守思想

会田 弘継/左右社



反知性主義―アメリカが生んだ「熱病」の正体―(新潮選書)

森本 あんり/新潮社



上記の2冊。これは、松岡正剛氏の受け売りなんだけど、反知性主義にしても、アメリカの保守主義についても、類書とは一線を画す、本物の学識をもった著者が書いたという内容でした。


[PR]
by yomodalite | 2017-07-04 08:00 | 読書メモ | Trackback | Comments(0)
f0134963_10405280.jpg



グランフロント大阪・北館で開催されているイベント「世界を変えたレコード展」に行きました。

金沢工業大学が所蔵する膨大な音楽資料を編集・構成した展覧会なんですが、デザイン性が高く、情報量も豊富な展示コーナーがたくさんあって、じっくり見たくなるものばかり。


f0134963_10413544.png

入り口はこんな感じ



f0134963_10422969.jpg



f0134963_10425165.jpg


色とりどりのレコードジャケットに目を奪われるだけでなく、短いながらもワカッテル感満載のコメントと共に、世界を変えた音楽の歴史が紹介されている年表を見ていくと・・



f0134963_10444567.jpg


マイケルに関しては、「アポロシアターのアマチュアナイトで優勝」(1968.8.13)など、レコード発売前の情報まで記載されていて、ウッドストックと同じ年(1969)にリリースされた『帰ってほしいの』は、1970年は、Billboard Hot 100とR&Bチャートの両方で1位になり、その年は、日本でも少年が歌う「黒ねこのタンゴ」がヒットし、藤圭子の「夢は夜ひらく」が流行っていて、

翌年は、ジム・モリソンが亡くなり、T・レックスの「ゲット・イット・オン」や、マーヴィン・ゲイの「ホワッツ・ゴーイン・オン」、ジョン・レノンの「イマジン」がリリースされ、世界初のロックチャリティコンサート「バングラデシュ難民救済コンサート」があった、スゴい年だったんだなぁとか、


f0134963_10455354.jpg


『オフ・ザ・ウォール』と、ピンク・フロイドの『ザ・ウォール』は同じく1979年で、1983年は、『スリラー』が37週ナンバー1というだけでなく、モータウンの記念番組でムーンウォーク披露なんていう記載も。

1988年の『バッド』リリースのコメントには、「同アルバムは史上初めて全米チャート5曲連続1位を送り出す快挙を成し遂げ、タイトルトラックでは映画監督マーティン・スコセッシを起用し、ストーリー性をもったショートフィルムが話題となる」とか、

「ショートフィルム」という言葉を使うあたりも、この年表の制作者、絶対にMJファンに違いない。それで、ドキドキしながら1991年を見てみると・・・


f0134963_10475250.jpg


オアシス、ブラー、ウィーザーって・・・たしかに、オアシスのデヴューアルバムは、全世界で1000万枚以上らしいので、『Dangerous』より売れてるかもしれないけど、ブラーや、ウィーザーは大好きだけど、売上ベースで勝負になってないじゃん。でもって、信じられないことに『HIStory』の記載もなし。全米1位になってないマドンナの「レイ・オブ・ライト」はあるのに・・。

で、しばらく『Dangerous』や、『HIStory』が見当たらないことに、プンプンしていたんだけど、2000年以降は、「30周年記念コンサート」や、「Live In Bucharest : The Dangerous Tour」リリースが大きく表示されていて、ブカレストライブが実際のライブよりもずっと後に発売されたことを思い出したり(2005年)・・


f0134963_10485241.jpg


2009年は、「THIS IS ITツアー」チケット発売4時間で完売、そして、6月25日の記載は、マイケル・ジャクソンという名前の前に「King of Pop」と書かれていて、各国メディアでトップ扱いとなり、Googleでのアクセス数が跳ね上がって “Michael Jckson” という単語がスパム扱いされるという大混乱を引き起こしたことや、10月28日、ドキュメンタリー映画「THIS IS IT」公開。という文字も。



f0134963_10522288.jpg


1800年代から始まる年表の中で、レコード発売前の記載があったり、死去の記述にさえ「記録」が乗っかっているのは、マイケルだけで、年表制作者さんが、マイケルの記載に関しては、他の伝説的なアーティストとは違うレベルのことを取り上げてくれてたんだ(7× Platinumとか、MJにとってはどうってことないからね)、とわかって、ちょっと涙ぐむ。


f0134963_10595181.jpg

展示物に手を触れるのは禁止ですが、
伝説のアルバムに触れられたり、ヘッドフォンで聴けるコーナー、


f0134963_11134111.jpg

プリンスの顔の近くで写真が撮れる
顔出しパネルもありますw


監修者の立川直樹氏のギャラリーツアーがあったり、「全部見るには、何度か来ないとなぁ」と感じる人も多そう。写真撮影自由、入場無料のイベントなので、お近くの人はぜひ!


☆日は気にしない私ですが、『パープル・レイン DELUXE-EXPANDED EDITION』の封を開けるのは、明日まで我慢するつもりです。

[PR]
by yomodalite | 2017-06-25 11:58 | 現代文化・音楽・訳詞 | Trackback | Comments(0)
f0134963_23332687.jpg


[追記あり]
昨日、録画してあった、玉置浩二の「SONGS」を見てたら、

「KING OF Vocalist」というタイトルで(誰かと同じように、自分で言ったわけではないw)、これまでもどことなく衣装に、マイケルの影響は感じてはいたものお、今回も腕章ジャケットぽいのとか、


f0134963_01152720.jpg


アームカバーも何種類か登場して・・・


f0134963_01154321.jpg


そして、さらに、そのあと・・・



f0134963_23350011.jpg

過去映像を編集した場面だったからよくわからないけど、
放送ではサングラスはあっさり外してたw


f0134963_23354560.jpg



f0134963_23372123.jpg

これは、レプリカとして売ってるの、
そのまま着てるとしか思えないんですけどw


f0134963_23384819.jpg


f0134963_01165857.jpg

アームカバーも含めてセットで購入して
使ってるってことでいいかなw


ちなみに、この衣装の映像は、安全地帯“完全復活”コンサートツアー2010Special at 日本武道館〜Stars & Hits〜「またね・・。」に収録されている模様(というか表紙までこの衣装!)

このDVD観たいーーーー!!!
番組の最後に流れた「行かないで」という曲では、「アジアで最も愛され、20組以上がカバーしている」というナレーションのせいもあって、なぜか、羽生君がエキシビジョンで滑る姿が眼に浮かんできちゃった。。






それと、今頃になって読んでた『1Q84』はようやく読了。

最終巻Book3の最後の方で、タマルが牛河に、ユングのエピソードを言う場面が印象的で、ユングが塔に刻んだという『冷たくても、冷たくなくても、神はここにいる』という言葉の原文を調べてみたんだけど、案の定同じことを思った人は多かったようで・・


◎ユングと石 〜 村上春樹『1Q84』のユング


「これって、"Called"と"Cold"をかけたってことではあるまいか・・・」

うーーーーん、それって、英語圏でも日本語圏でも・・・???




[PR]
by yomodalite | 2017-05-29 07:00 | 現代文化・音楽・訳詞 | Trackback | Comments(2)

大阪の友人に会う

f0134963_14290524.jpg



久しぶりに、akimさんに会う。
「ネバーランドコレクション」が行われた場所から2分ぐらい歩いた場所にあるカフェで待ち合わせしたせいもあって、「もう7年も経ったんだよね」と、しみじみしてしまうふたり・・・

私は、当時は大阪にいなかったけど、引っ越してすぐ、akimさんに会ったとき、転居先のすぐ近くで、その展覧会が行われていたことを知って、この家を選んだことさえ、マイケルに導かれたのかと思ったことを思い出した。

そんなことも、こんなことも、とにかく、「なにもかも信じられない、もう7年前だなんて・・」

MJ本の翻訳メンバーの4人は、全員ひとりっ子で、既婚者で、子なし(childspirits先生除く)で、夫が長男・・という共通点があったんだけど、この日さらに、私とakimさんは、かなりの方向音痴で、数字に弱いこともわかったりしながら、話題は「大阪」についてのことへ。


f0134963_14315000.jpg
(数々の映画スターやミュージシャンの写真がいっぱい貼ってあって、マドンナ、プリンス、シンディ・ローパーなどの写真はあるけど、なぜかMJだけがいない、カフェのトイレ)


もうすぐ4月。5月を過ぎれば、私の大阪生活は5年目に突入しようとしているけど、大阪と関西生活の楽しさは薄れることなく、愛が募る一方だと私が言うと、akimさんはちょっぴり嬉しそうにしながらも、不思議そうな顔をする。

大阪の素晴らしさについて話しだすと、京都や神戸の人はすぐに自分の地域の自慢系に話をもって行こうとするけど、絶対に大阪の良さをアピールせず、悪い点ばかりを言うところも「大阪人」の特徴だ。私がどんなに大阪の素晴らしさを力説しても、「そやろ、大阪一番がでっしゃろ」なーんて納得する人は今まで一人も会ったことがない。

akimさんは、全国メディアでの大阪の扱われ方が不満みたいで、私も実際に大阪に来て、東京でイメージしてた大阪と違っていたことに驚いたんだけど、それを大阪のひとに説明するのもすごくむつかしい。なぜなら、大阪人が思い描いている「東京」も、メディアの中の東京だから。

そういえば、akimさんから「電通とか博報堂と仕事したことある?」って聞かれて、ハっとしたんだけど、大阪では、電通や博報堂がまったく感じられない。

ヒョウ柄とか、よくしゃべるおばちゃんばかりを優遇する大阪のテレビに、akimさんは偏見を感じているみたいで、確かに私もそう思う。東京のメディアは常に「上」を見せようとするけど、どんなにオシャレな場所や人がいても、大阪のメディアは常に「下」に照準を合わせてる。

私は常にロケに出て、実際に人々に接していたり、お客の前で芸を披露している芸人さんたちが、テレビを創っているから、大阪のテレビには嘘やヤラセがない。それで、私がどれほど癒されているか・・を説明したかったけど、大阪のひとは、そもそもそんなストレスを抱えた経験がない。

f0134963_14314003.jpg


大阪の素晴らしさは、結局「人」なんじゃないかと最近よく思う。大阪のひとは確実に正直だし、差別的な言葉は多いけど、それも「嘘がない」ことと繋がっていて、東京のように「見ないこと」にはしないというか、実際に「悪所」だとされているところに行ってみると、東京のそれと比べて殺伐とした雰囲気がまったくない。

みんなよく「怖い」とか、「危ない」なんて言うんだけど、じゃあ具体的にどんなことがあったの?って聞くと、誰も具体的なエピソードを持ってない。結局、誰ひとり危ない経験なんてしてないのに、大阪のひとは、ここが東京よりも怖い街だと信じてるみたい。こんなに平和で優しい街なのに・・・

大阪の人は、まるで東京にはヤ☆ザなんていないかのように語るけど、大阪市内中心部で4年足らずの経験と、20年以上の東京生活との比較でいえば、東京にはむしろそーゆー人がたくさんいて、大阪の人がヤ☆ザだって言ってるのは、もしかしたらヤ☆キーのことなんじゃないか、と疑いたくなることも多いw。

ただ、もう少し真面目に考えてみると、大阪は「恫喝」が通じやすい世界だとは思う。でもそれは裏を返せば、大した「権力」がないからなのだ。大阪では役人が強いという意識がないし、大阪の役人は官僚ではない。だから、役人や政治家と付き合うことの旨みや方法についても、東京とはちがっていて、それが、悪い人の認識にも繋がっているんだと思う。

大阪では、警察官を見かけることもすごく少ない(本当に危険だったらそれもありえないw)。前にデモを見学に行ったときもびっくりしたけど、数千人?ぐらい集まっていても、警察官が3人ぐらい目につかなかったし、街中で職務質問されたという人にも会ったことがない。

どこそこが「アブナイ」だなんて聞いて、実際に行ってみても、ただ、昼間から幸せそうに、お酒飲んでる人がいるだけだったり、もし、海外の人に、尼崎(大阪から数駅のところにある兵庫県の市)と世田谷区(成城以外)の住宅写真を見せて、どちらが高級住宅街だと思いますか?っていう質問をしてもきっとそんなに差はつかない。でも、ボロボロの空き家は世田谷の方が多いんじゃないかな。


f0134963_19325097.jpg


akimさんは、「最近、日本礼賛みたいな番組多くて気持ち悪いよね」とも言っていて、すごく共感したんだけど、それもこれも、今の東京に活力がないからだと思う。反米意識を利用したり、中国や韓国を貶めたりすることで日本が一番だと思わせ、また、大阪を悪者にすることで、日本の中で一番だと思わせる。若い人に影響(洗脳)を与える手段がそれぐらいしか思いつくことができないみたい。

吉本が大阪の「カラー」を創っていることに不満をもつ「大阪人」が少なくないことはわかるけど、私には、先進諸国でこれほど素晴らしい教育(洗脳)が行われているのは、吉本のおかげのようにも思える。エンターテイメント会社のお客を見る視線と、芸人さんたちのおかげで、さまざまな格差や不公平を意識することなく笑えることができるんだから。

もうひとつ、akimさんの言葉でハッとしたのは、大阪のひとは「東京人」というのがいると思っていること。

前にgingerさんも、ほんとの東京人って、どんな人たちなのだろう…ってコメントくれたけど、たしかに関西にいると、大阪人とか、京都人といった「アイデンティティ」があるように思う。東北にも、北海道にも、九州にも、そういった地方性というのがあるのかもしれない。でも、そういった意味でいえば、「東京人」というのはいないと思う。

よく勘違いされてるけど、東京で生まれて育つ人は特にオシャレでもない。

だって「東京デビュー」の機会がないから。


f0134963_19344592.jpg



これは、私が東京土着民と2回結婚して、彼らの幼なじみとか親戚などを観察した「自分調べ」の結果でしかないけど、「東京」は、メディアと政府が一体となってハンドリングし、10年ぐらいでどんどん変化する街で、東京の土着性というのがあるとすれば、常に欧米諸国を見習うべきとか、できるかぎり海外と歩調を合わせたいとか、世の中の変わり目を察知して、変化を受け入れることぐらいだと思う。

周囲の空気を読んで「勝ち馬」に乗ろうとすることが、「東京人」でいられるコツなのだ。

だからいつでも使い捨てられる若年僧向けの視聴者洗脳モデルとしての「読者モデル」とか「女子高生」とか「TVコメンター」(テリー伊藤とか、本業としては仕事のない芸能人とか、取材なんてまるでしない元ジャーナリストとか)などという、それぞれバブル世代向けとか、団塊世代とか、主婦向けだと想定しているような「視聴者の意見を作るための特殊な専門職」が、東京でのみ、たくさん成り立っていて、彼らは関西の芸人とは違って、メディアの中の空気を外に知らしめようとするけど、その逆のことはまるでしない。

茂木健一郎が、日本のお笑い芸人が権力批判できないっていう批判をしてたけど、アメリカのコメディ番組は、権力批判ばっかりするようになって、自分を笑うことをすっかり忘れてしまってると思う。トランプやバノンを悪者にするなんて、本当の権力に「忖度」してる・・・だなんて、もうコメディアン自身も自覚できないぐらい、自分の周囲以外の人々のことがわからなくなってて、都会に住んでるひとの「全国」目線や、「世界」目線なんて、とことん「的外れ」になってるような気がする。

私には、大阪から「人好きな」お笑い感覚が失われたら、日本全体が「オワコン」だと思えてならないんだけどな・・・




akimさんとふたりでやって、しばらく前に終わった「バーニー先生(本名William Van Valin II)の本」の最後、17歳の息子メイソンが、「天国で会おうね、アップルヘッド」ってコメントで言ってる曲を探したかったんだけど、上の動画は、「サンタ・イネス・バレー」がロケ場所の、Mason Van Valin という人の動画。




同じくMason Van Valinの「Ghost Love」って曲。

メイソン、いい感じの大人になってるみたいだよね。



そういえば、大阪のファッションが派手で、原色やヒョウ柄が好きっていうイメージも間違ってると思う。原色の看板は東京の方が多いし、ファッションで目立とうと思っている人も大阪には少ない気がするし、パンチパーマでヒョウ柄みたいなオバちゃんに出会える確率は、東京と変わらないんじゃない、と思っていたらやっぱりね・・・


[PR]
by yomodalite | 2017-03-27 15:40 | 日常と写真 | Trackback | Comments(2)
f0134963_22110315.jpg


芦屋マダム御用達のスーパーとして知られる「いかりスーパー」。
大阪駅にあるお店は、駅ナカにある「成城石井」と似た感じのお店なんだけど、米国のセレブに人気だという概ね半年以内にブームが去るようなマズい食材や、ヴィーガン系のものは少ない感じ。

先日そこでおやつを物色していたとき、輸入系のお菓子の狭間でこちらを発見!

4袋が繋がっている初めて見るパッケージに惹きつけられて見ると、4袋とも表情が違うキャラクターを、あの、やなせたかし先生が書いてて、4つで228円という安さも魅力で買ってみたところ、500円玉大のハードタイプのビスケットなんだけど、なんだかクセになってしまう味で、

調べてみると愛知と高知ではよく知られたお菓子で、特に高知県ではソウルフードになっていて、やなせ先生がキャラクターを描いたのも、高知との縁だったとか・・

で、、そんなビスケットを食べながら読んだのが、こちら。

新 荒唐無稽音楽事典

高木 壮太/平凡社



自費出版で発売され、以前はタワレコや、ヴィレッジバンガードなどで販売されていた『荒唐無稽音楽辞典』が、加筆修正され、今回は平凡社からなので、より「辞典」ぽくなって再登場!

音楽にまつわる言葉辞典なんだけど、知らないことばかりが書いてある。

例えば・・

【モータウン】このレーベルのレコードのタンバリンの音が大きかった頃は全米最大の黒人経営企業だったが、タンバリンの音が小さくなるにつれて資本関係は複雑になった。

【加藤茶】西城秀樹との白熱のドラムバトルで知られる、ザ・ドリフターズのドラマー。

【マドンナ】カバラの秘法でレディー・ガガ暗殺を目論む元人気女性歌手。

とか、

【マイケル・ジャクソン】世界一有名なチンパンジー「バブルス」の飼育係。月面を歩き「一人の人間にとっては小さな一歩だが人類にとってはロボットダンスと同じぐらい難しいことだ」と言った。

だって。「マイケルの言葉」に追加しとかなきゃw。

それと、ショッキングなお知らせ・・

【ムーン・ウォーク】トリックに騙されてはいけない。あれは床のほうが動いているのである。あんなこと物理的にできるわけない。

・・・騙されてたw

その他、有史以前から始まる「音楽史年表」とか、オバマやハイヒールモモコも登場する「音域表」などの付録も付いてます!


[PR]
by yomodalite | 2017-03-12 07:00 | 現代文化・音楽・訳詞 | Trackback | Comments(0)
f0134963_16510205.jpg

これまで、韓国映画、ドキュメンタリー、青春映画、絶望シネマといったテーマで発刊されている「観ずに死ねるか ! 」シリーズの第5弾。

観ずに死ねるか! 傑作音楽シネマ88

宇多丸、尾崎世界観、オダギリジョー、能町みね子・・



音楽スピリッツに溢れた映画を、ライムスター宇多丸、尾崎世界観、オダギリジョー、能町みね子、湯川れい子、鮎川誠、近田春夫、みうらじゅん、大槻ケンヂ、九龍ジョー氏等、総勢70人が、それぞれの視点で語り尽くし、良質な紙質に印刷された全256ページのほとんどがカラーで、たったの2000円ポッキリ!

5つの章に分かれている各章の内容を一言で言うと、

第1章の「ヤァ!ヤァ!ヤァ!」は名作音楽映画が多く、第2章の「Songs」は、曲が映画のテーマになっていて、第3章の「Legend」は音楽界の偉人たちの映画、第4章「Music Life」は文字通り音楽と人生がテーマになっていて、第5章「Passion」は、音楽系熱血青春モノといったところでしょうか。

書いている人と映画の組み合わせは、湯川れい子の『エルビス・オン・ステージ』や、ROLLYの『ロッキー・ホラー・ショー』のように意外性のないものはむしろ少なく・・・聞いたこともない映画や、耳にしたことのない音楽を、何やっている人だっけ?という方々が熱く語られていることが思った以上に多くて、死ぬまでにクリアできるか不安になってしまいましたw

とにかく、この本を見なかったら、興味を持つことがなかった映画や音楽のメモがいっぱい溜まってしまう本です。

ちなみに、マイケルの映画は第3章「Legend」に収録!

f0134963_16535044.jpg

第1章 ヤァ!ヤァ!ヤァ!
「ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!」告井延隆/ギタリスト
「エレキの若大将」 松崎まこと/映画活動家、放送作家
「星くず兄弟の伝説」白石晃士/映画監督
「私たちのハァハァ」大谷ノブ彦/芸人
「ブルース・ブラザース」鮎川誠/ミュージシャン
「レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ」三留まゆみ/映画イラストライター
「リンダ リンダ リンダ」板谷由夏/女優
「サタデー・ナイト・フィーバー」内田春菊/漫画家 、小説家
「青春デンデケデケデケ」モルモット吉田/映画評論家、ライター
「パイレーツ・ロック」ピーター・バラカン/ラジオDJ他
「WE ARE Perfume」掟ポルシェ/音楽家、アイドル評論家
「映画 けいおん!」サンキュータツオ/芸人)
「こまどり姉妹がやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!」三留まゆみ/映画イラストライター

第2章 Songs
「歌行燈」入江悠/映画監督
「晴れ姿 伊豆の佐太郎」根岸洋之/映画プロデューサー
「東京ナイト」高橋洋二/放送作家
「豊田道倫 映像集」 岩淵弘樹/映画監督
「恋のゆくえ ファビュラス・ベイカー・ボーイズ」松崎健夫/映画評論家
「ちびまる子ちゃん」松江哲明/ドキュメンタリー映画監督
「愛と誠」篠崎真紀/イラストレーター、ライター
「ライブテープ」「トーキョードリフター」「フラッシュバックメモリーズ 3D」成海璃子/女優
「ONCE ダブリンの街角で」大根仁/映像ディレクター
「フェーム」花くまゆうさく/漫画家
「ナッシュビル」高木壮太/ミュージシャン、戯作者
「はじまりのうた」松江哲明/ドキュメンタリー映画監督
「ロッキー・ホラー・ショー」ROLLY/エンターテイナー
「センチメンタル・アドベンチャー」根岸洋之/映画プロデューサー
「ナビィの恋」 佐々木俊尚/作家、ジャーナリスト
「バングラデシュのコンサート」みうらじゅん/イラストレーターなど

第3章 Legend
「5つの銅貨」立川志らく/落語家、映画監督
「処女ゲバゲバ」「ゆけゆけ二度目の処女」他 渚ようこ/歌手
「ラ★バンバ」森直人/映画ライター
「エルビス・オン・ステージ」湯川れい子/音楽評論家、作詞家
「永遠のモータウン」岩崎太整/作曲家
「タカダワタル的」「タカダワタル的ゼロ」佐野史郎/俳優
「Ray(レイ)」古泉智浩/漫画家
「ウッドストック 愛と平和と音楽の三日間」山本直樹/マンガ家
「ジャージー・ボーイズ」川本三郎/評論家
「シュガーマン 奇跡に愛された男」清水節/編集者、映画評論家
「バード」冨永昌敬/映画監督
「ワイルド・スタイル」宇多丸/ラッパー、ラジオパーソナリティ
「ムーンウォーカー」佐々木誠/映像ディレクター、映画監督
「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト」辛酸なめ子/漫画家、コラムニスト
「アトムの足音が聞こえる」佐々木敦/批評家

第4章 Music Life
「右側に気をつけろ」樋口泰人/「爆音映画祭」主催人
「メタリカ:真実の瞬間」深町秋生/ミステリー作家
「あの頃ペニー・レインと」九龍ジョー/編集者、ライター
「光にふれる」中井圭/映画解説者
「色即ぜねれいしょん」内田春菊/漫画家、小説家
「あがた森魚 ややデラックス」森達也/作家、映画監督、明治大学特任教授
「DENKI GROOVE THE MOVIE?」塙宣之/芸人
「オーバー・ザ・ブルースカイ」真魚八重子/映画著述業
「ギター弾きの恋」佐々木誠/映像ディレクター、映画監督
「テネイシャスD」アサダアツシ/放送作家 、脚本家
「ドキュメント 灰野敬二」能町みね子/自称漫画家
「ワイルド・マン・ブルース」ケラリーノ・サンドロヴィッチ/劇作家、演出家、音楽家、映画監督
「ドリームガールズ」金子修介/映画監督
「嗚呼!おんなたち猥歌」樋口毅宏/作家
「祭爆 SAIBAKU」森世一/新宿ゴールデン街「談SINGシネマ」店主
「ラストコンサート」清水節/編集者、映画評論家
「ハイ・フィデリティ」伊賀大介/スタイリスト

第5章 Passion
「セッション」オダギリジョー/俳優
「ストレイト・アウタ・コンプトン」長谷川町蔵/ライター
「劇場版 どついたるねんライブ」九龍ジョー/編集者 、ライター
「ドラムライン」ファーストサマーウイカ/アーティスト
「THIS IS ENGLAND」鮫肌文殊/放送作家
「グミ・チョコレート・パイン」大槻ケンヂ/ロックミュージシャン、作家
「ファントム・オブ・パラダイス」近田春夫/ロックンローラー
「アメリカン・グラフィティ」渡辺大知/ミュージシャン
「SRサイタマノラッパー」シリーズ、「TOKYO TRIBE」磯部涼/音楽ライター
「ザ・コミットメンツ」山下敦弘/映画監督
「さらば青春の光」カンパニー松尾/AV監督
「タレンタイム」森岡龍/俳優、映画監督
「スクール・オブ・ロック」長谷川町蔵/ライター
「自分の事ばかりで情けなくなるよ」尾崎世界観/ミュージシャン
「自由と壁とヒップホップ」森達也/作家、映画監督 、明治大学特任教授
「ウォールフラワー」中井圭/映画解説者

◉特集
ボクが痺れたストーンズCINEMA …しゅりんぷ小林/漫画家
ボリウッドを観ずに死ねるか! …サラーム海上/音楽評論家、DJ、中東料理研究家
映画の中のボブ・ディラン …湯浅学/音楽評論家
今どきアイドル映画は<ドキュメンタリー的>な文脈で語られる …松崎健夫/映画評論家


[PR]
by yomodalite | 2017-03-10 06:00 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(0)

心をさらけだす・・・

f0134963_15570837.jpg


平松洋子氏の『食べる私』に登場して、興味を持ってしまった宇能鴻一郎氏の2014年の純文学作品『夢十夜』をちびちびと読んでみた。


谷崎、三島は雲のかなたにそびえる高嶺だった。しかし、その高みに登る足がかりもなければ、ひきずりおろす手がかりもなかった。ダンテの『神曲・地獄編』で解決した。二人を地獄に放り込んでしまえば、どんな高嶺も眼の下だ。・・・80歳にもなれば、完全に勝手気ままに書きまくれる。エッチ描写が衰えたとみられるか、ますます盛んだと思われるか。いや、いい気分だった。

と、宇能氏はあとがきに書いているのだけど、

谷崎、三島をメインの材料にして、さまざまな著名人を地獄鍋にぶち込込んで、毒々しく煮込んで、かき回したような内容で、たしかに、パラ読みした程度でもエッチ描写はかなりエグい印象。でも、谷崎と三島がお互いのナルシズムについて、地獄で架空対談をしているという「設定」は、宇能氏が巨匠を批判したいがゆえのもので、80歳になっても、自分をさらけだすって出来ないものなんだなぁとか、谷崎や三島や太宰が一流なのは、やっぱりそこなんだよね。と改めて思ってしまう。

昨日読んだ「恥ずかしくて、ほとんど人にしたことがない話」には、「私の嫌いな人」というエッセイが紹介されていた。


それは、ほぼ日塾の課題として書かれた文章で、同じ会社で働く女性ふたりが、お互い相手を嫌いになった理由を語ることによって、自分を見つめ直すことにもなっていて、「自分をさらけ出す」という最初の訓練にもなっているみたい。

心をさらけだしても失うものなんて何もない。何もないのに、何かがあるふりをして行動しないで、本当に大切な何かを手に入れられない。まずは「さらけだす」ことから始まる。僕はほとんどのことを諦めない男だけど、小説家になるという夢は諦めた。そして、そのことへの後悔がないから、今の僕がある。でも、諦めたということはさらけだせていなかった。一体、僕は何を守っていたのだろう。(佐渡島庸平)

自分をさらけ出して書くって、本当にすごくむずかしいことだと思う。自分を率直だと思っている人は、ほとんどの場合、自分にしか興味がなく、そーゆー人は文章を書くことも読むこともしないし・・

ブログでもSNSでも、結局は自分を主張したいという欲求で書かれているはずなんだけど、ネット上の文章のほとんどは匿名にも関わらず、自分が嫌いなことについて書く「嫌流」か、好きなことについて書く「好流」のどちらかになる。

でも、「好き」なことも、「嫌い」なことも、自分自身の内面に関わっているようで、実は、自分が見ている外側の世界のことで、自分を置き去りにしていることには変わりない。

プリンス名言WordsOfPrince
@Princewords1999
カッコよさとは、誰かの尻を追っかけ廻すことじゃない。カッコよさとは、他人全てが愛するようになるまで、自分を愛し抜くこと。"Stlye"より。

Michael Jackson bot ‏
@Michael59273844
「僕を批判したり僕の事をひどく言う人がいるけどそれは仕方ない事だと思うんだ。僕を好きな人がいるなら僕を嫌いな人もいる。もし僕を嫌いな人がいたとしてもその人に対して嫌いとかそう言う感情は持ってほしくない。それは僕の事を悪くいったりするゴシップと同じになってしまうからね」

ふたりを見ていると、自分を愛しているから、人を愛することもできて、だから、自分をさらけ出すこともできる、ような気がするのだけど。



(最高画質1080p60で見てね)


[PR]
by yomodalite | 2016-12-08 16:31 | 日常と写真 | Trackback | Comments(0)
f0134963_08511139.jpg


数日前にアップされた、Soul Train Awards のテディ・ライリーのショー、ご覧になりました?

MJメドレーはもちろん、こちらも最近ますます元気なティト兄のギター参加もあって、とにかくテディが今でもすっごくカッコよくて、なんか元気出ちゃったんですけどぉ・・


この頃の黒人音楽には言葉の壁を感じなくてイイよね。

ヒップホップ時代は、メロディよりラップが重要視されるようになって、世代間の差とか、地域差も激しくなり、歌の中に暴力とドラッグが蔓延して、実際に亡くなったラッパーも・・・

それなのに、どうして、これまでの音楽ジャンル以上のビッグビジネスになったのか?

そんな疑問を解いてくれる本になかなか出会えなかったのだけど、この本は、ヒップホップの歴史が丹念に描かれていて、色々と参考になりました。


なじみのないカタカナ用語が多い上に、厚みが5センチぐらいある大書なので、想像以上に時間がかかって、なかなか読み終わらなかったんですが、ようやく、「ミリオン・マン・マーチ構想」が登場する(P643)頃から興味深い記述が増えてきて面白くなってきたんですが、


それにしても、全756ページ(注釈をのぞく)もある本を、643ページまで読んで、ようやく「ミリオン・マン・マーチ」(1995年)って!、ジェイ・Zや、ノトーリアス・B.I.G.が出てくる前に、ヒップホップの歴史ってそんなに長くあったっけって思いません?

記憶の中では腑に落ちなかったものの、スパイク・リー監督の出世作『ドゥ・ザ・ライト・シング』は1989年で、映画では、それまで同じ地区の住民という関係だった韓国系やユダヤ系と黒人たちが分離していく状況を描いていて、その後さらに黒人とユダヤ人の連携関係が崩壊したことがヒップホップ文化の発展にとっては重要なポイントになったことや、

MTVで初めてかかった黒人音楽がマイケルとプリンスだった、というのは有名ですが、そのときMTVや、流行の仕掛け人たちが嫌っていたのは、黒人だけでなく「都会」だった。という話も、なんだか納得するものがありました。

マイケルのヴィデオを初めて見たとき、それを都会的だとは感じなかったけど、当時の他のアメリカンアーティストたちはもっと「カントリー」な感じの人が多くて、「ライブエイド」はロックアーティストたちが仕切った若者のイベントという印象だったけど、「ウィ・アー・ザ・ワールド」は、紅白歌合戦みたいで、なんか古臭い・・・と当時の私は思っていたのですが・・

そんな風に思えた時代のアメリカは、今のようには「分断」しておらず、ヒップホップの仕掛け人たちによる、MTVでラップを流す計画は、マイケルがMTVに登場した数年後にはあって、マイケル以降、それまで消費社会の中心にあったカントリーミュージックは消え、都会中心になっていったんですね。

とにかく取り上げたくなるポイントが多すぎてピックアップするのも大変な大書なんですが、押野素子氏の翻訳がスムーズで読みやすく、ヒップホップの資料という以上に、アメリカの歴史に迫った本だと思いました。


そして、私がヒップホップに四苦八苦しているとき、ダーリンがときどき笑いながら読んでいたのがこちら。

空手バカのダーリンは、読む本の6割以上が「格闘技関係」なんだけど、この分野には、いろいろと変わった方が多くて、この本の著者の保江邦夫氏も数理物理学・量子力学の教授で、少林寺拳法や、大東流合気武術などさまざまな武術を学んだだけでなく、イエス・キリストが直接使用した(!)活人術まで伝授されて、『人を見たら神様と思え』なんていう本も書いておられたり、

比例代表で、日本のこころを大切にする党から立候補されて、落選されていたり、とにかくてんこ盛りな人生を歩まれている方なんですけど、

物理学用語をテキトーに利用して、宇宙の真理を語ってしまうスピリチュアル本は多いですが、理論物理学者の著者が書いたこの本では、受験生時代からここまで、自分の人生がいかにツイていて、スゴい奇跡にいっぱい遭遇してきた、という話が満載の・・・ナンダカンダ笑える本でした。


[PR]
by yomodalite | 2016-12-03 07:00 | 読書メモ | Trackback | Comments(0)

誰が音楽をタダにした? 巨大産業をぶっ潰した男たち (早川書房)

スティーヴン ウィット/早川書房

undefined



最近では、ついにSpotifyも日本上陸。本当に様々な音楽配信サービスが登場して選択肢に迷うほどですが、音楽をタダにしたというと、昔ナップスターってあったなぁなんてことを思い出す人も多いですよね。結局そのサービスは日本では見られなかったので、当時の米国の実態はよくわからなかったのですが、この本は、そのナップスターを立ち上げた男の話だけではなく、ナップスターが立ち上がる前からネット上にあった音楽ファイルは、そもそもどうやって?という歴史と謎に迫ったもの。

翻訳がとてもスムーズで読みやすく、

・音楽圧縮技術であるmp3の生みの親
・ビッグ3と言われるレコード会社を次々に経営し成功を収めた音楽エグゼクティブ
・音楽をリークするグループで市場最強と言われた男たち

上記の3人を軸として、ナップスター全盛時代に大学生活を送り、パソコンに聴けないぐらい大量の音楽ファイルを溜め込んでいたという著者の軽妙な語り口で、リーク軍団が群雄割拠した時代が描かれています。

すでに販売されている音楽や映画の海賊版が販売されているというのは、販売する人の利益になるので理解出来るのですが、CDの発売前にリークされるということがどうして起こるのか? しかも無料で? ということがずっと不思議だったのですが、この本ではその謎の一端が明かされているだけでなく、マイケルファンにとっては、『インヴィンシブル』以降の音楽シーンを振り返る意味でも興味深い事柄が満載。

とりあえず、マイケルの名前が登場した、本書の主人公の一人である音楽エグゼクティブ、ダグ・モリスの言葉をメモしておくと、
・・モリスは音楽泥棒を牢屋にぶち込むことに大賛成だった。しかし、彼は違法テープ売買の時代からまったく違う教訓を学んでいた。警察を呼んでも問題は解決しない。解決策は「スリラー」を世に出すことだ。モリスから見ると、本当に音楽業界を救ったのは、マイケル・ジャクソンの1982年の大ヒット曲だった。足りないのは法律じゃなくてヒット曲だ。・・・モリスは「スリラー」に関わっていなかったが、ほかの音楽エグゼクティブと同じく、スリラーを特別な1曲として絶賛していた。このアルバムは企業努力の成果を表すもので、歴史に永遠に名を刻む名曲だった。
音楽著作権の危機が、音楽ビジネスを破壊するという認識があったのですが、意外にもレコード会社の重役達はしぶとく生き残り、アーティストには不利益がのしかかる。リークするグループの目的はいったいなんなのか? 業界全体の大混乱を経て、最終的に勝利したのは?

私は、『THIS IS IT』を見た日の帰り道と同じように、またもや、マイケルの完全勝利を感じましたが、そんな結末だったのかどうかは、各自確認してくださいw

1章 mp3が殺される
2章 CD工場に就職する
3章 ヒットを量産する
4章 mp3を世に出す
5章 海賊に出会う
6章 ヒット曲で海賊を蹴散らす
7章 海賊に惚れ込まれる
8章 「シーン」に入る
9章 法廷でmp3と戦う
10章 市場を制す
11章 音楽を盗む
12章 海賊を追う
13章 ビットトレント登場
14章 リークを競い合う
15章 ビジネスモデルを転換する
16章 ハリポタを敵に回す
17章 「シーン」に別れを告げる
18章 金脈を掘り当てる
19章 海賊は正義か
20章 法廷で裁かれる



[PR]
by yomodalite | 2016-10-19 06:00 | 現代文化・音楽・訳詞 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


by yomodalite