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Happy Birthday Michael!!! 2011

こちらの記事は
コメントとそれに関する内容以外
下記に移動しました。



《おまけ》

☆多くのファンブログで紹介されていた「超CUTE・レーズンCM」。当ブログがこだわっている時代とは異なりますが、キュートでお茶目で、お笑い好きで、絶品顔芸の持主で、抜群の企画力と演技力と言ったあたりを完璧に証明している内容なので、こちらでも保管しておきます。


(1989年7月28日『マイケル・ジャクソン全記録』P200参照。動画はこのCM制作者のアニメーターに自分のアイデアを説明しているところ。


☆とてもとても素敵なブログ主さんが作ってくださった「モラッター」
◎MJから「愛のメッセージ」がもらえます!

ちなみに、私は本名の方で入力してみたら、

『相手のために心を尽くしてごらん』とか、
『一人で頑張っちゃだめだよ』とか、

『二十世紀梨を食べて元気出して』っていう感じのを期待してたら、
悉く、真面目なメッセージが。。(汗)

音楽を研究をされているmari-koさんのブログで紹介されていた動画もすごく楽しいっ!この動画で「マンミラ」が、今までより1.6倍好きになったって言ったら叱られるかな?


☆このページを最後まで観てくださった方へ。

コメント欄に一言頂けると嬉しいです。どんな一言でも感激なんですが、一応、“お題”を設けると「オリジナルアルバム収録曲外で好きな曲」はいかがでしょう?

人気投票ではないので、今日の気分でお気軽に!(未発表曲の紹介は嫌だという方のご意見も歓迎します!)


私が今日選んだのは「Slave to the Rhythm」



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by yomodalite | 2011-08-28 19:05 | MJ Birthday | Trackback | Comments(24)
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ルドルフ・ヴァレンティノ(Rudolph Valentino)



☆(36)のつづき

「スペードのKING」の行方の前に、そう言えば、最近「顔について」なのに、全然「顔」について語ってないような気がするので、これまでに挙げた人物以外に、もうひとり、この方を追加しておきたいと思います。



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MJの顔への違和感が大きくなっていったのは、彼の不自然な「白塗りメイク」が大きいと思うのですが、よく考えてみると、彼は肌の病気によって、白人よりも、もっと白い肌になっているので、むしろ「ナチュラルに見える」ときの方が、肌色ファンデで「顔色をカモフラージュ」しているはずなんですよね。

MJのメイクが、レディーガガのように「アート」には見えなかったのは、ガガが「顔」を自由なキャンバスとして捉え直しているのとは異なり、

この頃、MJは「不自然な白い肌色」を少し工夫して、そのまま見せる方が「アート」だと思ったからだと思うんです。



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彼が、白班症について積極的に語らなかったのは、病気として「ネガティブ」に捉えるのではなく、すべて「創造」の源泉になりうるという信念からと、

また、その病気が特に女性に多く、遺伝に関わっているということも関係があるかもしれません。ジャネットは、家族にはもうひとりその病気で悩んでいる人がいると発言していますが、公表されていませんし、

彼のような有名人がもっと積極的に公表すれば、同じ病気のひとに勇気を与えたのではと思うひとも多いと思いますが、女性に多いことと、遺伝が関係していることを考えると、そのメリットは「微妙」で、

特に、黒人が「白班症」になるのは、黄色人種や白人が白班症になるよりもずっと人種的なアイデンティティの崩壊にも繋がる大問題なので「肌の色なんか関係ない」というメッセージの方が、より大事だと考えたんじゃないでしょうか。



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HIStory期以降のメイク顔は、彼の好きなピエロや仮面の影響もあったとは思いますが、不自然な「白い肌」をそのまま活かそうとする発想も根底にあったんじゃないかと思うんです。

(15)で紹介した写真を見ても、MJが伝説的美男と言われた、ルドルフ・ヴァレンティノをかなり研究していたことは間違いないと思いますが、『You Rock My Would』では、冒頭の中華屋のシーンを除くと、MJがやっていたのは「美男の演技」だと思うんです。

ヴァレンティノは、サイレント映画時代のスターで、淀川長治氏の『活動大写真』でも、

このヴァレンティノのラブシーンが物すごい。彼は激情に達するや、相手の女をぐいと抱きしめ、サッと彼女から身を離し、ついで再びグイと引きよせ、力いっぱい抱きしめる。それで女はガバと彼の腕によりそうことになる。すると彼は女の肩を両手でワシづかみにする。やがて片手で女の肩から腕へとその手をなでおろし、その腕の肉をくいこむがごとく握りしめる。と、もう一方の手は、女の首にまわる。そして女の背中を二回なでまわしてから、熱き接吻をするのであった。(引用終了)



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と表現されていて、やっぱり、多くの女性が虜になったのは「顔」だけではなくて、その「表現」だったと思うんです。

MJが初めて「赤い口紅」を見せた『Blood On The Floor』では、彼はめずらしく女性と絡んで踊っていますが、ヴァレンティノは元々タンゴダンサーで、彼の代表作には『血と砂 Blood and Sand』(マタドール役)という作品も・・・

☆『THE FOUR HORSEMEN OF THE APOCALYPSE』 (1921) という映画の有名なタンゴダンスシーン
◎Rudolph Valentino - TANGO DANCING

☆この動画で見る、撮影外のヴァレンティノは、素敵なんだけど
◎Rudolph Valentino - Caught On Film

☆代表作とも言われている『血と砂』は、スペイン人を演じるのに
眉毛を繋げたせいなのか(笑)、今見るとそんなに魅力的に見えない?(3:29)

◎Rodolfo Valentino - movie "Blood and Sand" (1922)

MJは、これまで学んできた「サイレントムービー」のスターたちのドーラン白塗り+口紅といった顔(ここで選んでいるヴァレンティノの写真はナチュラルなものが多いですが)が、自分の「白い肌」に意外と合うかも...と考えて、

SF『Blood on the Dance Floor』に取入れているのかもしれませんね。



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◎Blood on the Dance Floor

☆こちらは、わたしの大好きなリミックスVer!!!
◎Blood on the Dance Floor (alt version and remix)

ホントMJは、驚異的に負けず嫌いで、そーゆー勝負はハッキリと片をつけたがる男ですからね....

で、見てのとおり、MJの方がダンス上手いですよね。

それと、全世界の女を失神させたっていう伝説も

とっくにクリアしちゃってますよね。



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白塗りメイクで、女とタンゴを踊って、ヴァレンティノ超えもはっきりさせちゃったし、もう後は、マーロン・ブランドよりスゴい役者としても認識されて、チャップリンのように面白くて、映画史上に遺る映画を創って、モハメッド・アリのように強い男としても、キング牧師や、ネルソン・マンデラのような不屈の男とも、勝負しなきゃならないので、

\(・_\)ちょっと「美男」は置いといて (/_・)/


しばらくの間「ガールは黙って見ていろ」もしくは、

But they say the sky's the limit
And to me that's really true
And my friends you have seen nothin'
Just wait 'til I get through...


人は可能性は無限大だと言う。
僕にとっては正にその通りさ。
でも、友よ、君にはそれが見えていない。
だから僕の言うことを理解するまで待つんだ。

という心境で『You Rock My Would』を創って、その後、本当にもうめちゃめちゃ待たされたけど、MJは、まさかと思うほど「ダンディな男」として、そして誰も想像もしていなかったほど「タフな男」として、帰って来たんじゃないかと・・・



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MJより23歳年上のアラン・ドロンは『ボルサリーノ』で、ヴァレンティノ風の美男ギャングを演じていて、ドロンは、この映画の後に、アメリカ進出をするのですが、彼自身は、古式然とした美男演技の人ではなかったものの、ニューシネマ時代に突入したハリウッドでは、ドロンの美貌も、ヨーロッパ臭さも、もうあまり必要とされませんでした。

ですから、MJと同時代の俳優は、エキゾチズムで人気を得たヴァレンティノに学ぶなんてことは、ほとんどなかったと思うんですが、MJだけは「美男の演技」を、役者以上に学んでいて、アラン・ドロンまで、わずかに残っていた、陰鬱な眼と、冷たい表情でありながら情熱的な態度という「美男」の伝統に、音楽やリズムも含めた「黒人センス」を加え、

また『You Rock My Would』では、MJはめずらしくスカーフで髪をまとめていますが、これは、ヴァレンティノ風と言われる、ポマードぺったりなヘアスタイルを、MJ風にアレンジして「サイレント時代の美男」を取入れているんじゃないでしょうか。



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陰鬱な眼と冷たい表情と情熱的な態度の美男を
アートとして再構成してみた顔w
一番上と比べて見てね。



彼はより良い表現のためには、ダンスや歌の練習だけでなく「演技」の勉強がすごく重要だと考え、美しく見せるために「美男」をすごく研究して身につけていたと思うのですが、それと同時に、彼のパフォーマンスではなく、カッコ良さばかりに惹き付けられてしまう大勢のガールや、

彼と同じ顔に整形したいという希望を反対されたことで自殺してしまったファンもいたことから「顔じゃない」というメッセージも重要だと考えていて、

その両方のせめぎ合いと、ミレニアムに向けた様々な「宣戦布告」が目一杯詰まって、あの顔になっているのではないでしょうか。



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映画『アラン・ドロンのゾロ』Alain Delon “Zorro”



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『マイケル・ジャクソンのゾロ』(笑)



◎ルドルフ・ヴァレンティノ(ウィキペディア)

☆ヴァレンティノの濃厚キスシーンがいっぱいの動画
◎Rudolph Valentino - Tango Kisses
◎Rudolph Valentino - Tango Kisses Ⅱ

☆淀川長治氏がヴァレンティノの声は「聴いた時ぞーっとする程下手で、声が悪かった」って言ってるのは、これかな?
◎Rudolph Valentino Sings Two Songs (1923)


☆(38)に続く


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by yomodalite | 2011-07-26 15:32 | マイケルの顔について | Trackback | Comments(1)
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☆(35)のつづき

[21]からの『Invincible』期の考察で、これまでとは異なる見方をしている『Unbrakable』のSF制作が出来なかった件も、所属レコード会社によるプロモーション妨害と、MJ側の反発である「ソニーウォーズ」の件も、まだ納得された方は少ないと思います。

これは、その後の『Living with MIchael Jackson』から、二度目の幼児虐待疑惑、裁判へという、一般的には、マイケル最大の受難の時期に対して、当時はまったくそう見えなかったけど、振返って見て「本当はこうだったんじゃないか」と思うようになった、わたしの「仮説」の一部で、

確固たる証拠を挙げて説明することが困難なことと、何度か迷った部分が多いせいで、自分で読み返しても、さっぱり要領の得ない文章に呆れてはいますが、

ただただ一生懸命考えて、自分にとってできるだけ矛盾の少ない結論について考えているもので、真実を求める方は、私が匙を投げた部分なども、充分ご注意のうえ、是非また別の「解釈」を試みてくださいませ。



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では、SF『You Rock My Would』の一応の解説編なんですが、

このSFの内容に関して[31]から、色々と思いつく限りのことを探ってきましたが、残念ながら、すべてが解明できたとは言えない状況です。

ただ、このSFが、MJのこれまでの作品の集大成になっているだけでなく、マーロン・ブランドの歴史も重ね合わされているということを、少しでも感じてもらえたら、

ブランドが演じるギャングのボスの役を、当初はロバート・デ・ニーロに依頼したということが疑わしいことや、

ブランドと、MJのセリフも今後連作されていくはずだった物語がなくても、意味が通じるものであったことは、なんとなく、ご理解いただけたでしょうか。



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これまで、コンセプトやストーリーよりも、その曲のシングルヒットのポテンシャルにこだわって、アルバム収録曲を決定してきたように思えるMJですが、

アルバム『Invincible』は、最終的に収録されなかった曲と比較したとき、過去のどのアルバムより「無敵」というテーマと、ミレニアムを意識した、新たな自分の創造にこだわって選曲されていて、

わたしには、ここから、これまでのように、何曲もシングルヒットを目指すのではなく、むしろ、そういったレコード制作を一旦終了して、新たな別のスタートを切ったように思えるんです。

だから、彼はこれまで、“自分の世界を揺さぶったもの”(You Rock My Would)をシングルカットし、今までの集大成のようなSFにしたんじゃないかと思うんですね。

“You Rock My Would”の歌詞は、運命の女への愛を歌っているようなのですが、SFでは「運命の女」の意味は希薄ですし、マイケルが語っているような子供への愛とも無縁です。(「You Rock My Would」の歌詞の別の意味 →[26]参照)

SFでは、通りで見かけただけの、名前も知らない女によって、ギャングとの抗争にも巻き込まれますが、この女性はかつての『The Way You Make Me Feel』のような、女とは異なり、どこか救いを求めている不完全な大人(Dark Child)の象徴にも感じられ、



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もっと象徴的なのは、ステージと思われるような場所で、女性ダンサーの前を通り過ぎるところですね(このダンサーは、酒場に入っていくきっかけになった女性とのひとり二役)

これまで、共演者との「禁欲」姿勢を貫いてきたMJですが、この通りすぎ方には「一般的な男女の愛」と「ステージ」との、両方の意味を感じます。



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(MJは30周年記念コンサートの後「Dangerous」パフォーマンスを2回行ったのみで、その後はダンスパフォーマンスを封印した)

◎American Bandstand 50th Anniversary(Dangerous live 2002)
◎Every Vote Counts(Dangerous Live 2002)

このSFは、集大成でありながら、これまでの自分との「決別」もテーマになっていて、

これまで、街のワルたちに『Beat It』では逃げろと言い、『Bad』ではダンスで対抗し、ガンジーか、MJかというぐらい、暴力には「非暴力主義」で対抗してきたMJですが、ここでは「No FIGHTING」にグラスを投げつけ、ギャングたちと素手で戦います。



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もちろん、暴力を肯定する意味はないと思いますが、この映像の後半部は「戦う姿勢」や「男ぽさ」を、かつてないほど表現し、これまでの「ピーターパン」や「優等生」イメージとの決別を謀っているように見えます。

また、このSFには、何枚かトランプが登場しますが、トランプには、カードやマークによって、色々な意味があると言われていますよね。

◎ダイヤ:貨幣、財産(商人)
◎ハート:愛、感情(聖職者)
◎クラブ:仕事、知性(農民=一般人)
◎JOKER : 道化師、切り札



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テーブルの上にあった「ダイヤのKING」にお札を投げ、バーカウンターの壁の「クラブのKING」と「ハートのKING」にグラスを投げつけていますが、その上には「ジョーカー」があります。

「ジョーカー」には、ビル・ブレイや、姉のラトーヤが、MJのことをそう呼んでいたり、多くのファンが知っていた彼の真面目さとは、別に、親しい友人たちが証言している彼の面白さと、この後、大どんでん返しを実行した、彼のトリックスターとして「自己像」も関係しているのかもしれません。



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3枚のKINGを切ったのは「KING OF POP」への決別(一旦休止するという意味ですが)とも思えますし、常にNo.1を目指すという彼が見つけた、新たな標的への意思表示とも思えます。

『You Rock My Would』の歌詞のように、完璧を求めて、見つけられたのは「エンターティナー」や「レコーディングアーティスト」としての自分ですが、彼が、目標としていたのは「シンガー」や「ダンサー」だけではありませんでした。だから、そこで満足したくない彼は、それを一旦捨て去る必要があったのではないでしょうか。彼は、

Greatest Actor, Singer, Dancer of all time and Entertainer, The Best.

と書くような男ですから・・([34]参照)

「僕は、マーロン・ブランドより偉大な俳優になって、世界一のシンガーで、フレッド・アステアを越えるダンサーのうえに、お笑いも出来るようになって、そうでなければ、チャップリンを越えられないし、まだその先だって・・と、思っていたんじゃないでしょうか。



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MJが非常に優れたエンターティナーであることは、誰でもすぐに感じることですが、時代を創ったレジェンド級のダンサーやエンターティナー達にとって、真に驚異的に思えるのは、自分のスタイルを創りだしたほどのダンサーでありながら「自ら作曲もしている」という点が大きいと思います。

MJは、世界中でNo.1ヒットを記録した“Singer”として、誰も比べようがないのですが、一応、アステアも当時ヒットチャートを賑わせていますし、サミー・ディビス・Jrは、歌手としても超一流ですけど、アステアや、サミー以上に、個性的なスタイルを自らの力で創り上げられるようなエンターティナーが、作曲もこなしたというのはめったになく、それが後世に遺るようなレベルで出来たのは、MJとチャップリンだけです。

加えて、チャップリンは、映画史に遺るような映画に、主演・監督し、音楽も担当した、世界でたった1人のアーティスト。

わたしは、MJが最後まで「映画」にこだわっていたのは、それが一番の理由で、

数々の大きな目標を実現したMJにとって、新たに興味があったのは、Greatest Actorや、映画を創ることであって、『INVICIBLE』から後、新たなアルバムが創られなかった理由に、所属レコード会社との確執の影響は少ないと思っています。



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でも、MJが、マーロン・ブランドのことを偉大な俳優として尊敬しているのは、間違いないのですが、『You Rock My Would』にブランドが登場したのは、

『バンドワゴン』で、慣れないバレエ風の振付や、演技指導に不満を募らせたアステアが「ぼくはニジンスキーでもなけりゃ、マーロン・ブランドでもない」と言ったせいで、MJの「超負けず嫌い」がうづいた可能性もありますね。(←[35]参照)

『バンドワゴン』の中で(「Girl Hunt」)では、アステアは、ハンフリー・ボガートのパロディをやっていましたが、MJは『THIS IS IT』のライブ用に新たに創った「Smooth Criminal」のSFでは、ボガートも登場させています(笑)

しかも、またもや、不思議な顔で....(笑)

本当にどんだけ負けず嫌いで「お茶目」なのか。。

創る創ると言っていた『Unbrakable』のSFは「自分は何があっても負けない」という、ものすごく大真面目なメッセージで、世界中を巻き込んだゲームの始まりでもあったと思いますが、実は簡単に割れてしまうレコードのような「嘘」でもあって(←[35]参照)



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2000年以降の彼は、ときどき、なかなかの「悪党w」だったようにも感じられ、わたしには、MJが『Unbrakable』のSFを創るのに、メル・ギブソンと共演とか、絶対にジョークとしか思えないんですけど、、(←[24]参照)

そう思うのはわたしだけでしょうか?

また、ここまで、SFには3枚のKINGが登場していますが、まだ登場していない「スペードのKING」に関しては、

☆(37)につづく


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by yomodalite | 2011-07-18 18:05 | マイケルの顔について | Trackback | Comments(9)
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☆(34)のつづき

注:『VISION』の日本語字幕は(英語字幕は私がつけたもの)下記です。
私の訳とは、いずれもニュアンスが違うのでご注意くださいね。

Brando : You’re pretty cute in there.(久しぶりだな)
Michael:I know who you are.(あんたか)
Brando : Bing bang(そうとも)
Brando : Later(またな)



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また、『VISION』の西寺氏の解説には ー 壁に飾られた黒人ボクサーの写真が、マイケルの父親ジョーの若い頃の写真であることを考えると、マイケルに「お前が誰か知ってるぞ」と言われた、マーロン・ブランドの若き日のボクサー時代の写真が映るのは、どのような因縁を象徴しているのだろうか? ー と書かれていいますが、それは間違いです

探索の末、http://nikkidoku.exblog.jp/16291516/ ←こちらのコメントで、「エド・ルイス」というレスラー(白人)と、ジャック・ジョンソン(黒人)だという情報をいただきました。他の写真も確認してみましたが、ほぼ確定かと。)


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(エド・ルイス)



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こちらは、おそらくジャック・ジョンソンの若い頃。
彼の名は、MJのインタヴューにも登場しています)



そろそろ解説編に進みたいところですが、ボクサー探索をしているうちに溜った「妄想」について、もう少しだけ。。。

(31)から、SF『You Rock My Would』の解剖を始めたとき、わたしは、あの特徴的なダンスや、これまでの批評などから集大成的作品ではあるものの、(33)で紹介したレヴューと同様、やはり、一番近い作品は『Smooth Criminal』という印象をもっていたのですが、何度も観ているうちに『Billie Jean』との類似性の方が気になってきました。

(26)で、“You Rock My World”は、“Billie Jean”のアンサーソングだと言いましたが(今確認したらそんな風には言ってませんでした!言ってるつもりだったんだけど...)、SFでも、この両作品は似ていると思うんですね。



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SF『You Rock My World』が、SFの実質的最終作品で集大成だとすれば『Billie Jean』は、その青写真というか、計画案だったというか.....





『Billie Jean』には、MJに常につきまとうカメラや、「アニマル柄の布」を探偵が拾う(MJが靴を磨いた布)という『バンドワゴン」(「Girl Hunt」)と同様のシーン、コイン投げ、HOTEL、探偵、ハードボイルドという『Smooth Criminal』との類似もあるのですが、白い猫がゴミ箱を通り過ぎると茶猫になったり、布から本物の虎になったり...(『Black Or White』)、

ホテルの階段のところの壁は、SFに何度も出てくる「レンガの壁」「落書き」...息を潜めて階段を昇り、ベッドを見つめているシーンでは、「彼は誰と(男?女?子供?)ベッドで寝ているのか?」という彼につきまとった疑惑さえも先取りし、、、数多くの伝説的天才が目を見張った、MJの驚くほどの「天才性」に、あらためて気づかされるような気がします。(ここでは警察に捕まるのはパパラッチですが....)

そういえば『ゴッドファーザー』のような看板も登場しますね(0:58〜)


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また、アステアのように女と一緒に踊ることはありませんが、MJが踊る場面は、2人の女の看板が出てくる路上。そこで、彼はまさに「マイケル・ジャクソン」というべきダンスを決めます。



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この2人の女の看板には「Louisa」と書かれていますが、『バンド・ワゴン』で歌われている曲にも"I Love Louisa''という曲があります。




この曲は『バンド・ワゴン』のウィキペディアによれば、「イギリス人はウィスキー、フランス人はワイン。でもドイツ人はビールが好き、そしてルイーザが好き」という歌詞で(←この記述は日本版ウィキのみ。『バンド・ワゴン』のDVDをお持ちの方で、ここの歌詞全部わかる方います?)コメディタッチの曲なんですが、“Louisa”は、登場人物の名前ではありませんし、MJが、SF『Billie Jean』で、看板に入れた意味も不明。

☆mari-koさんが日本語歌詞を教えてくださいました!(コメント欄参照)


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私がミュージカル嫌いで、他のアステア作品に詳しくないせいなのかもしれませんが、MJはアステアに関しては『バンド・ワゴン』にばかり集中してこだわっているような.....
(『バンド・ワゴン』自体が集大成的作品だからかなぁ...)

その他にも『バンド・ワゴン』には「UNBREAKABLE」と書かれたレコードも登場しますよね。(“壊れない”と書かれているにも関わらず、すぐに割れてしまう)



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「Girl Hunt」に登場するブロンドの女のドレスには(シド・チャリシーが、不吉なブルネットの女 "She came at me in sections. More curves than a scenic railway''と、脅えるブロンドの女 "scared as a turkey in November'' の二役を演じている)「Butterflies」の刺繍もあったりして.....



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とにかく、MJの『バンド・ワゴン』へのこだわりは尋常ではないというか、全面的にフレッド・アステアへ捧げられている印象の『Smooth Criminal』より以前の、MJショート・フィルムの実質的な第一作目である「Billie Jean」から、最後のスタジオアルバム『INVINCIBLE』にまで、執拗な引用がされているようにも見えるのですが、

『You Rock My Would』を何度も観て、マーロン・ブランドのことを考えているうちに、MJは『バンド・ワゴン』だけでなく、ブランドのこともずっと意識してきたような気もしてきたんですね。

それは単にわたしが、ブランドにハマっているせいかもしれませんし、ブランドの映画を観ていないひとには、わかりにくい内容とは思いますが、何かの機会にご覧になることがあれば、MJのSFとあわせて、こんな想像もありかなという感じでお願いします。



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MJは『Bad』で、ブランドの初期の傑作「欲望という名の電車」と「波止場」のエリア・カザン監督の直系とも言える、マーティン・スコセッシを監督に選んでいますし、『Billie Jean』も、それが、MGM作品の全般にいえる特徴なのかもしれませんが、ストリートの雰囲気が「野郎どもと女たち (Guys and Dolls)」(MGM制作)に似ているようにも見えます。

ブランドの息子、ミコ・ブランドは、ショートフィルムの実質的な3作目にあたる『Thriller』や、映画「ムーンウォーク」内の『Speed Demon』に出演し『You Rock My Would』にも親子で出演していますが、MJのSFに最多出演しているのは...もしかして... まさか『Speed Demon』は『乱暴者 The Wild One』だったりして(病気かもw)


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他にも“HOTEL”から『欲望という名の電車』や、また「Louisa」と書かれた2人の女の看板ですが、MJは1999年のMTVのインタヴューで『Billie Jean』のSFに対し、

あの作品で僕が口を出したのは、ちょっとばかり踊れる場面が欲しい、ということだけ。ダンス場面はなし、と彼は言っていてね。僕は、ほんのちょっとでいいから、って。だから、あの長い道路の、女の子が2人写ってる看板が出てくる場面──片方がビリー・ジーンなんだけど──あそこで僕は踊ってるんだよ。僕が貢献したのはそこだけだね」(11 December 1999, MTV)(→引用元)

◎MTV complete interview 1999 1of2
◎MTV complete interview 1999 2of2(←上記のインタヴューは3:00〜)

と、謎の発言をしていて、ずっと意味がわからなかったのですが、もしかしたら、ブランドが主演・監督した『片目のジャック One-Eyed Jacks』に登場し、リオ(ブランド)の子を宿してしまう女(Louisa)が関係しているのかも。

主人公リオ(ブランド)は銀行強盗を生業にするような無宿の男で、宿場宿場に女をつくってしまうような男なのですが、Louisaは純真な女で、2人は互いに結ばれるので『Billie Jean』のように騙したわけではなく、また、子供が出来たことも、リオ(ブランド)になかなか告げることが出来ない。

だから、MJが言うように、2人の女の1人が「Billie Jean」で、そうでない1人が「Louisa」なら『バンド・ワゴン』の「I Love Louisa」より意味が通じる気もします。


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MTVのインタヴューは、テキスト起こしが見つからず、わたしにははっきりと聴き取れないのですが、こちらのとてもとても素敵なブログでは

この長いストリートと2人の女の子のビルボード、ビリージーンたちの1人と僕が踊ってる、あのセクション全体──僕が考えたのはそのパートだけだよ。

という訳になっています。どちらがより近いのか、わたしには判断できませんが、

覚えの無い子供への責任だけでなく、責任がとれない子供が生まれてしまう可能性にも『Billie Jean』当時のMJの、女にかかわっている暇はないんだと言わんばかりのストイックさを表現しているのかもしれません。

☆Meeさんが、テキスト起こしをしてくださいました!(コメント欄参照)

また、これも「こじつけ」だと思って聞いてもらいたいのですが、このときのストイックさと『You Rock My Would』で、ダンサーの前を通り過ぎるMJは、類似しているように見えますし、(→[31]参照)



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さらに妄想を膨らませれば『片目のジャック』という意味は、トランプのハートとスペードのジャックの顔が片面しか見えないように、人間には見えない裏の面があるということで、それが2つ揃って、映画のストーリーでは、更なるドラマが生まれているんですが、

MJもそれに倣って2人にこだわったような気もしますし、女の2つの顔と考えれば『Who Is It』が思い出されたり....

更なる妄想.....「片目のジャック」と言えば『ツイン・ピークス』に登場するカジノ&バー。ネヴァーランドとシカモアツリー、『マルホランド・ドライブ』と“Hollywood Tonight”の話などは.....当分しないから安心して(笑)

「Smooth Criminal」も、映画『ムーンウォーカー』の一編で、廃墟と化していた30年代のクラブが、MJが入場すると突然息を吹き返し、それまでの子供向けファンタジーの雰囲気に退廃的なムードが漂い、さらにそこから一歩外に出ると、今度はSFの世界に突入するといった、目まぐるしいものでしたが、

「Beat It」「Bad」「The Way You Make Me Feel」は共に「ウエストサイド・ストーリー」の影響が強い作品ですが、「Beat It」は、ストリートギャングの抗争が、MJの出現とダンスだけで治まったり、「Bad」は、社会派リアルドラマが、突如として「ミュージカル」になったり、

「The Way You Make Me Feel」も、最初は仲間の中で地味な存在だったのが、年老いた男の大したことのない助言だけで、急に積極的になって、無理目の女の唇を奪ったり、

同じく長編の「Thriller」「Ghosts」も、ホラー映画とダンスムービーの合体、「Black Or White」も、ファミリー向けコメディに挑発的で暴力的な影像を組み合わせるという、MJのSFには、シュールな「合体技」が多いですよね。

『Billie Jean』以降は、MJは、人がもっている見えない別の面を「奇跡」や「エンターテイメント」として見せたかったように思いますが、『Billie Jean』でのMJの表情は、1人でいるときのものというか、思索しているときの感じで、このときの表情に近い作品は『You Rock My Would』同様、他にはないような気がします。



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また(33)で、ジーン・ケリーが断ったために、ブランドが抜擢されたことや、ケリーの「フレッド・アステアがダンス界のケーリー・グラントだとしたら、私はマーロン・ブランドだ」という発言も紹介しましたが、

『バンド・ワゴン』には、慣れないバレエ風の振付や演技指導に不満を募らせた、トニー(アステア)の、「ぼくはニジンスキーでもなけりゃ、マーロン・ブランドでもない。」というセリフもあります。

(「ぼくは、ニジンスキーであり、フレッド・アステアで、マーロン・ブランドでもあり、チャップリンでもある」と、MJは言いたいんじゃないかな。)

そんなわけで(どんなわけだよ)、ボクサーの正体がわかっても、わからなくても、今度こそ、一応の解説編へ(たぶん....)


[映画情報]

これから、若い頃のブランドの映画を観てみようと思われた方には、『欲望という名の電車』をお薦めします。



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モノクロですけど、ヴィヴィアン・リーと、ブランドは共に、この作品を舞台で評判を得た後、映画に参加していて、原作で脚本も担当したテネシー・ウィリアムスは、ブランドの演技を観たときのことを、家族に手紙で遺していて、

......ブランドは、まさに神の恵みとしか言いようがない。(中略)この役を若い俳優に演じさせることに、これほど素晴らしい効果があるとは思いもしなかった。(中略)不道徳な中年男ではなく、若さゆえの獣性や非常さをもった人物が生まれるのだ。私は『欲望という名の電車』を罪悪感に焦点をあてた芝居にする気はないし、特定の人物に比を負わせたくない。(中略)彼はすでにして深みのある人物に成長しているようだ。いわば、若き復員兵にみられるたぐいの深みである。(中略)ブランドの契約が決まれば、『欲望という名の電車』には非のうちどころのない4人のスタアが顔をそろえることになる。これ以上の顔ぶれは望むべくもないし、今までの苦労が報われるというものだ。



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と書いています。脚本、俳優、監督、すべてが完璧。これが面白くなかったら(明るい結末ではないですが)、あとは観ない方がいいかも。人生には、好き嫌いもタイミングも重要ですから。。




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by yomodalite | 2011-07-08 18:47 | マイケルの顔について | Trackback | Comments(6)
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☆(32)のつづき


わたしは「神は細部に宿る」という感覚が好きです。

そのせいなのか、謎が多いうえに、集大成だったりもする「You Rock My World」を徹底的に解剖したい欲求が(24)を書きはじめた時点より大きくなってしまいました。SFのどこってわけじゃないけど、関係がありそうという部分も、出来るだけまとめておきたいと思います。

引き続き、情報、ご意見、ご感想、ご指摘など、ぜひお寄せくださいませ♡





(32)で、もう少し考えてみると言っていた

Brando(大げさなアクションでサングラスを取る)
Brando : You’re pretty cute in there.(坊主、やるじゃないか)
Michael:I know who you are.(あんたのことは知ってるよ)
Brando : Bing bang (←4:20)
Brando : Later(またな)

なんですが、、色々悩んでいるうちに、こんな歌が見つかりました。

「Lazy Town」は、Nickelodeon(こどもチャンネル)の「番組」。2005年のリベラのインタヴュー(http://moonwalker.jp/ → Interviews → At Large with Geraldo Rivera 2005)で、子供に、ニコロデオンとディズニーチャンネルのどちらを見せるかなんていう話題もありましたよね。(「You Rock My Would」撮影時は、長男4歳、長女3歳ぐらい)でも、残念ながら、この番組は2004年から始まって、CDリリースは2006年なので、この可能性はなし。

この本は、The 150-plus poems and drawings collected in Douglas Florian's Bing Bang Boing speak to children's great fascinations....みたいな内容。





こちらは、イギリスのコメディアン、サシャ・バロン・コーエンによる、ボラットという架空のキャラクター(カザフスタン人のジャーナリスト)が歌った有名な曲。これが歌われたのは、英米でヒットした、Da Ali G Show で、2000年のシーズン1は英国のチャンネル4、2003年の第2、第3シーズンは米国のHBOで放映。コーエンは1998年にエミー賞にもノミネートされ、2001年にマドンナの「MUSIC」のPVにも出演してるんだけど・・・

◎BING BANG BOOM
SF発表前の1991年発売では、こんな曲もありましたが、やっぱり歌詞が理解出来ないせいか、ピンと来ません。

いずれにしても、どうして「Bing bang」なのかが納得できるほどの「決定打」は、残念ながらありませんでした。(ここでは、ピンポン!というよーな意味でいいのかなぁ)

ただ、MJとの対面場面から、突然、それまでのイメージを覆すような演技に変化していることの「ネタ」というか、意図は少しだけわかりました。

このSFを見て、ここまでのブランドの演技に『ゴッドファーザー』を感じていたひとが、ほとんどだと思うのですが、


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それは、このとき初めて見せた全身ファッションによって覆されていて、燃え上がる炎の中、登場したブランドが演じていたのは、1950年初演のブロードウェイで最も陽気なミュージカル作品『Guys and Dolls』の「スカイ・マスタースン」という役です。


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(4:03)の登場シーンと、このファッションをよく見比べて見てください。なんで、こんなネクタイしてるのかなぁとは、前々から思ってはいたものの、このネタ元に関しては、数日前まで気がつきませんでした。

(31)の動画(5:45)で、もてあそんでいた帽子も『ゴッドファーザー』だけではなくて



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こっちの意味もあったんですよね!(右側はフランク・シナトラ)


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『Guys and Dolls』は、1955年にマーロン・ブランド、フランク・シナトラ共演で映画化されていて、振付けは、あの「バンド・ワゴン」と同様マイケル・キッド!しかも、この映画、最初はNYが舞台なんですが、途中からキューバ(ハバナ)に行きます。

「You Rock My Would」の舞台がキューバなのは、当時、映画と音楽の両方でヒットした『ブエナ・ビスタ・ソシアルクラブ』の影響なのかなぁとか、ぼんやり考えていましたが、この映画が要因なのかもしれません。

こちらのとてもとても素敵なサイトによれば、ジーン・ケリーが断ったために、ブランドが抜擢されたとか。(そういえば、ジーン・ケリーには「フレッド・アステアがダンス界のケーリー・グラントだとしたら、私はマーロン・ブランドだ」という発言もありましたが、、こんな代役アリ?)

それで、まさかとは思うけど、マイケル・キッドの振付けで、ブランドが踊っているのかも?という興味から観てみたところ、ほんのちょっぴりだけ踊ってました。


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リハーサル中のマイケル・キッドとブランド



わたしはMJ研究のために、泣く泣く古い映画や、ミュージカルを観たりしている方なので、この映画の面白さは、あまりわかりませんでしたが、

宝塚など、日本でも舞台で人気の『Guys and Dolls』なんですが、たぶん、舞台版にあるような、躍動感や陽気さが、映画版には少し欠けていて、当然のことかもしれませんが、ブランドが華麗なダンスで魅せるという場面がないので、ダンスシーンに、ジーン・ケリーのような「主役」がいないんですね。

ミュージカルが人気の映画形式だった時代には、主役は、歌って踊れなくても良くて、ダンスは、背景扱いであることも多く、アステアや、ジーン・ケリーのように、ダンサーが「主役」というのは、むしろ数が少ないのかもしれません。

でも、これは意外だったんですが、ブランドの歌は悪くないです。

この映画では、もちろんフランク・シナトラが歌うシーンもあるのですが、わたしには、ブランドが歌っているシーンの方が遥かに魅力的でした。シナトラのウィキペディアによれば、この頃は低迷期で、1953年に転機が訪れ、その後の奇跡的な復活のエピソードが『ゴッドファーザー』の中で語られている。)

◎Marlon Brando & Jean Simmons - Woman In Love
◎Lyrics - A Woman In Love

ブランドの歌は1:10〜。冒頭のシーンで「Billy Jean」のSFを思い出したり、共演の女優の名前が、Jean Simmonsだったりすることに「ン?」と思うのは、私だけでしょうか?

◎Frank Sinatra - Sue Me (私を訴えてください)


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あの「お尻タッチ」の師匠も、ブランドだったの?!

SF「You Rock My Would」の当時の批評。

エール・デイリー・ニュースのCatherine Halabyは、曲については、肯定的なレビューを書いたが、ビデオについては「The Way You Make me Feel」の“ニュアンス”がある「Smooth Criminal」の“直系」と描写した。Halabyは、Marlon Brandoや、Michael Madsenの出演は「どうでもいいこと」であって、マイケル・ジャクソンに、私たちが衝撃を受けることはほとんどないとコメントした。(「You Rock My Would」ウィキペディア英語版より)とか、

◎Not So Smooth(「You Rock My Would」レヴュー)

(上記要点の省略引用)マイケルの最新ヴィデオに敬意を表するかどうか迷っています。彼は他の人皆がしていることをすることによって新世紀に入っているように見えます。 もちろん、他の人皆はマイケルが以前したことをしているのですが、、1988年の「Smooth Criminal」との類似は「You Rock My Would」の基本概念ですが、今回はそれが痛々しく見えます。

椅子に座るマーロン・ブランドへの“カット”は「女」が自分のものであり、手下にはマイケルを痛めつける用意ができていることを感じさせる。これまでのマイケルのヴィデオのように、有名人が出演しているものの、ブランドも、クリス・タッカーにも目新しさはなく、マイケル・マドセンも、ビリー・ドラゴも、暴漢として普通の演技をしているだけ。

また、旬を過ぎたスターのカメオ出演(the worn-out movie star cameo)よりやっかいなのは「You Rock My World」のダンスが、1995年のMTV Video Music Awardsの反復であること。6年前、それは彼のキャリアの最上級のものでしたが、彼がビデオ革新者であるだけに、ここでの焼き直しは失望です。

マイケルとタッカーは「波止場」でエンディングを迎えますが、炎も、ガラスを壊すのも、1991年の "Black or White"の後半のシーンの方がいいですし、最後のキスシーンも1988年の「The Way You Make Me Feel」と同じシルエットで、冒頭のシーンも、そのSFに類似しています。ただ、唯一ちがうのは、そこでの、マイケルも女たちも絶えず微笑んでいて、魅力的でしたが、このSFでは、、、そうではない。


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これらのすべての反復にもかかわらず、プロデューサーのRodney Jerkinsは「You Rock My World」のヴィデオは、マイケルの「新生面」の扉を開けていると主張します。Jerkinsは、一体いつの時代のことを言っているんでしょうか? マイケル・ジャクソンの最も魅力的な特色の1つは、自分を笑うことができる能力です。

Thrillerもそうでしたが、ユーモアは彼の短編映画の多くに見られました。 "Jam"ではムーンウォークをマイケル・ジョーダンに教え、"Black or White"の冒頭でも、"Say Say Say"でも、ポール・マッカートニーと共に、ビング・クロスビーとボブ・ホープのトリヴュートを行いました。

Jerkinsは、"You Rock My World"が、がユーモラスであると言いますが、マイケルはシリアスに見え過ぎます。こういった過去の作品の導入は、監督のポール・ハンターの考えだったのか、私にはわかりませんが、「Blood On The Dance Floor」と1997年の「Ghosts」以来、待ち続けたファンにとっては、そこに新たな発見はありませんでした。

John Singleton, Martin Scorsese, David Lynch, David Fincher, Spike Lee, と John Landisらは、マイケルと共に新しく輝かしいイメージを作り上げましたが、この作品がそうではないことは明らかです。

それでも、マイケルが、クラブの床を歩き、そこを横切るとき、彼はいつも素晴らしい。私が「You Rock My World」のヴィデオ製作者を許すことが出来るのは、それが理由です。4年間すでに待ったのですから、私には、確実にもっと長い間だって、待つことが出来るでしょう。(引用終了)


省略したと言っても、長く引用してしまいましたが、

一般的なものから、MJを崇拝しているレヴュワーまで、古くさいミュージカルも、とっくに旬を過ぎた映画スターも、MJ自身の作品も、すべてが郷愁に満ちていて、新鮮でもなければ、面白くもないし、重要な意味があるとも思えない上に、MJの顔も妙にシリアス.....マーロン・ブランドのパロディなんて、誰も気づかないし、気づいたところで「だから、何?」って感じですよね。

いずれにしても、マーロン・ブランドの出演は効果を上げるどころか「こんな古くさいスターをどうして?」という扱いで、このSF当時、やはり彼は「ゴッドファーザー」でのみ印象づけられていたようです。


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「欲望という名の電車」A Streetcar Named Desire


たしかに、当時のブランドの弛みきった体型には好感が持てなかったし、今、これがパロディだとわかったところで笑えるほど面白くもない。むしろ彼がかつて、とてつもなく魅力的だっただけに、老いた姿が余計に哀しくも見え、そういった“老いたスター”にこだわっているMJも爛れた感じがしました。


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by yomodalite | 2011-06-27 07:51 | マイケルの顔について | Trackback | Comments(0)
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☆(31)のつづき


引き続き、いろいろ見落としている部分があると思うので、気づいた方は、ぜひ教えてくださいませ♡






上の階にいるボスに騒動を告げに行く男(Miko Brando)。

ボス(Brando)椅子に座ったまま振り返る(口笛)

「Now?」

MJが再度ステージへ向かうと、天井から(!)3人のダンサーが現れる。

こーゆー感じで、突然現れるっていうのは、『ムーンウォーカー』のロボットだけじゃなく、MJの場合よくありますよね。あの『Captain EO』でも、




4:55〜倒れたMJの肩にバナナと目玉焼きが乗ってますよね。バナナはまだしも、この「目玉焼き」はいったいどこに置いてあったんだ!みたいなね(笑)

☆類似作品:Dangerous ステージ MTV 1995(天井からロープでダンサーが現れる)


レジスターのところにいた男が煙草をもみ消し、MJダンサーに合流。

☆類似作品:煙草を足でもみ消す男は『Billie Jean』にも登場。
さっき、天井から現れたダンサーもそうですが、事前に計画があって、天井に隠れていたのではなく、MJの勇気によって、その場に仲間が出現したんですよね!(←そんな説明入らない?ww)


一緒に闘うのは、最初にいた仲間ではなく、途中で現れるというのは『Bad』などにも共通していますが、こーゆー、一見「アホか」と思うような演出を何度もやっているのは、それだけ彼に「大真面目」なメッセージがあるからで、それは、

「真に勇気をもって、一歩を踏み出せば、必ず仲間は出現する」

というメッセージだと思います(たぶん.... 因みに『波止場』という映画もそんな感じの映画です。←こんな説明でいいんだろうか?)



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Is that all you got?

That ain't nothin'! You ain't nothin....

Show me what you got(Billy Drago)

これは、SF「Bad」(1987)で、MJがウェズリー・スナイプスに言うセリフからでしょうか。ここから、ダンスが始まるという展開も「Bad」と似てますね。

「VISION」の日本語字幕では「さあ、かかってこいよ。どうした イキがってるだけか?ほら、かかってこい。本気を出して」で「You ain't nothin」は「たいしたことないな」になっていますが、「Bad」の日本語字幕は「お前こそワルじゃない」のあと「You ain't nothin」は「(お前なんか)何者でもない」。この場面は「Bad」で、MJが言ったセリフを逆に受けることで、

MJが「お前は何者なんだ?」(たいしたことないという意味での)という問いかけを受けているのだと思います。


客席の男の葉巻に火がつき、蛇口の水滴、モップの男、靴磨き、女のヒール....次々とリズムが刻まれ、MJたちのダンスが始まり、

若い頃のマーヴィン・ゲイ似の男の指パッチンで、ますます、カッコいいダンスが始まる

MJ、椅子を壁に投げつける


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「You rock my would ーーー!!! 」

ナイフで襲いかかる男の腕を取り、くわえ煙草を捨てて、手首をつかんで床に転がす。
(ステージで見てるときは、振付けにしか見えなかったけど、この影像では、ホントに強そう♡)

類似作品:「Smoose Criminal」「Dangerous」ステージ

ホントに強そうに見えるなって思ってから、何度も観てて、ふと思ったんですが、、、確か、ジャッキー・チェンの映画で、日常の何気ない動作が、身を守る防御となり、攻撃の姿勢にもなってたみたいな映画のように

「You Rock My Would」のダンスで「Dangerous」や「Smoose Criminal」にはなかった部分には、素手で戦うときの様々な動きがミックスされていて、武道系ですよね。

これは、これまでのダンスにも言えることかもしれませが、MJと、他のアーティストの振付けが違うのは、ひとつひとつの動作が、武道の「型」のように、研ぎすまされていて、力の方向に無駄がないからで、実際に本当に強いんじゃないか?って思いました。(そういえば、MJは空手名誉五段!手首返しは合気道技だけど...)



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中国でのMJ人気や、集団ダンスに「スリラー」じゃなく「デンジャラス」がすごく人気があって、どうして、小学生が毎朝ラジオ体操がわりに「Dangerous」?って不思議だったんですけど、子供たちが、集団で少林拳法の型をやっているのと、同様の感覚で、MJのダンスに対する姿勢も、東洋の宗教修行と近い感覚で捉えられているのかもしれませんね。


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MJの強烈パンチが、Billy Dragoに炸裂。倒れた衝撃でランプが壊れ、アルコールに火がつく。燃え上がる火を見て、クリスを呼ぶMJ。クリスもMJの元に駆けつける。


MJ、襲いかかる男にヒザ蹴り。


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火はカウンターを走り去るように一瞬で燃え上がる。

(壁にかかっていたボクサーの写真のクローズアップ)

女は逃げ出そうとし、入口で止められるのを振り切って、外に出る。

MJ、またもや、男に強烈パンチ



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燃え上がる炎の中、奥からブランドが登場する。MJと対面。

Brando、大げさなアクションでサングラスを取る(コント赤信号かっ!古)

Brando : You’re pretty cute in there.(坊主、やるじゃないか)

ここは『VISION』の日本語字幕では「久しぶりだな」になっていますが(英文字幕なし)知りあいののネイティブに英語を確認したところ、以前に会っているという意味は特にないので、上記の訳にしました。

別のボクサーの絵がクローズアップされる(コメント欄参照→追記:このあとの記事で判明しました)



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MJ:I know who you are.(あんたのことは知ってるよ)

Brando : Bing bang

Brando : Later(またな)

この「bing bang」、どういう意味だかわかります?
とりあえず、知りあいの知りあい...のネイティブに意見を求めたところ、

Not sure, but maybe because Michael knows who he is.
Marlon Brando is going to have to shoot (kill) him.


という解答を得ました。

でも、そーゆー意味なら「Bang bang」の方がいいと思いますし、その方がギャングぽいと思うんですよね。

◎Sammy Davis Jr - Bang Bang(←顔について27参照)

20世紀No.1俳優と称され、1分「1億円」と言われたブランドのセリフですし、時代を何度も作ってきた伝説的俳優と、MJとの「神々の会話」だと思うので、ここは、もう少し、しつこく考えてみることにします。

☆(33)につづく
___________

出演者情報/キシャヤ・ダドリー(Kishaya Dudley)は、この後、グェイン・ステファニーなどの振付で、2005年のMTV Video Music Awardsで「Best Choreography賞」を受賞しているようです。また、このSFの「ダンサ−の女」も、彼女が演じていることから、「一人二役」という意味も重要だと思います。

◎Kishaya Dudley Choreography Reel
◎2005 MTV Video Music Awards for Best Choreography

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by yomodalite | 2011-06-19 18:03 | マイケルの顔について | Trackback | Comments(12)
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☆(30)のつづき


SF「You Rock My World」の内容を、過去の作品の影響とか、共通点をまとめて、私なりの「解説」を、ちょっぴりしたいと思います。

「セリフ」に、MJの曲名とか詩が多く使用されているのですが、見落としている部分に気づいた方は、ぜひ教えてくださいませ♡






MJ : The idea just kind of happened. In Cuba. Hot summer night.
A club run by these hoods.


偶然思いついたんだ。舞台は暑い夏の夜のキューバで、その手の面々が経営しているようなクラブでね....(2001年TVガイドインタビューより)

オープニング「The WATER FRONT HOTEL」の看板。

この看板は、物語が『On The Waterfront』(邦題「波止場」主演マーロン・ブランド)+『Smooth Criminal』であることを象徴していると思います。

「Smooth Criminal」のステージパフォーマンスが始まる前の“言葉”は、元々「Heartbreak Hotel」(This Place Hotel)の冒頭で使われていました。(あのシルエットにも「HOTEL」の文字がありますよね)

追記:「Smooth Criminalの直系」という巷の評判に釣られて、そう書いていまいましたが「HOTEL」は『Billie Jean』でも重要なキーワードですし『Black or White』も『Who Is It』もそうかな...

(下記は、あのパフォーマンスが始まる前の言葉。わたしの意訳なのでご注意ください)

My footsteps broke the silence of the pre-dawn hours, As I drifted down Bleaker St.
私の足音は、Bleaker通りを漂い、夜明け前の沈黙を破る。

Past shop windows, Barred against the perils of the night. Up ahead, A neon sign emerged from the fog.
ショー・ウィンドウを通り過ぎた頃、見上げると、霧の中から、真夜中の危険を警告するネオンサインが現れ、

The letters glowed red hot In that way I knew so well, Branding a message into my mind, A single word, Hotel.
赤く点滅する、ありふれた看板の、その文字に惹き付けられてしまった。 ー「HOTEL」

◎「Smooth Criminal」(“The Girl Hunt Ballet”の影響) → (27)参照
◎「On The Waterfront」 → (30)参照



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MJ & Chris Tucker、最初の顔アップ。MJは明らかに「異形の男」になっていますが、影像内では、ふたりの若い男の冴えない日常を演じている。


「女」が登場する(Kishaya Dudley)“Girl Hunt”の始まり。男たちは興奮気味ですが、彼女は、絶対に落とせない「夢の女」という雰囲気ではないように見えます。


2人の会話「Pretty Young Thing (P.Y.T.)」「The Girl Is Mine」

女の肩の後ろの“タトゥー”(不明)→「33」参照

☆類似作品:「The Way You Make Me Feel」


「The WATER FRONT HOTEL」と書かれた建物に入って行く「女」を追って、2人の男は、支払いも済まさず、中華屋を出て、後を追う。入口には「ボクサーの写真」

(追記:ボクサー探しはこのあとの記事でもずっとわからなかったのですが、http://nikkidoku.exblog.jp/16291516/ ←このコメント欄で、白人の方はエド・ルイスという「レスラー」だと判明。また黒人のボクサーは、おそらく、MJがインタヴューでも言及していたジャック・ジョンソンの若い頃の写真だと思います。どうして西寺さんは『VISION』の解説で、ブランドの若き日のなんて訳のわからないことを言っているんでしょうね?)



女は、地元の顔役といった風情の男(Michael Madsen)に呼ばれて来た様子。

入口のバウンサーの男の静止を振り切って、2人は中に潜入。


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ヤバそうな男が付いていることにビビるクリス、その静止を振り切って女の元に行くMJ。クリスのセリフは「Bad」「Beat It」「Dangerous」「シャモーン」(チョモーン)など、MJの曲にちなんだ言葉を使っている。

奥の事務所。背中越しの男(Marlon Brando)。口笛&折り鶴

強引にスクリーンを降ろし、MJが「シルエットの男」として登場。


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My life will never be the same
Cause girl you came and changed
The way I walk, the way I talk
I cannot explain......


☆類似作品:「Smooth Criminal」ステージ
『有頂天時代(Swing Time)』(“Bojangles Of Harlem”) → (27)参照


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スクリーンからMJが現れ、移動しながら、女と絡むように歌う

My life will never be the same
Cause girl you came and changed
The way I walk, the way I talk
I cannot explain
These things I feel for you
But girl you know it's true
Stay with me, fulfill my dreams
And I'll be all you need
Ooh it feels so right, girl
I've searched for the perfect love all my life
All My Life
Ooh feels like
I have finally found a perfect love this time
I have finally found, Come on girl


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画面向かって左、MJと女の様子を撮るカメラマン(パパラッチ?)

☆類似作品:カメラは『Billie Jean』『You Are Not Alone』にも登場。

MJのお約束「お尻タッチ」♡

女は、まだMJを観察している様子。
不信そうに見つめる女を置いて、MJは別のフロアへ。

クリスは隅の方で、ダンスを楽しんでいる。

女は徐々にMJに興味を持ちはじめ、挑発するようにダンスをし始める。

MJ、クリスに、Please「Leave Me Alone」

女は(もらった)金をMJに投げ、MJは、それをポーカーテーブルに捨てる。
お金が捨てられたのは「ダイヤのKING」の上

女が投げたお金の方向がわかりにくいので、同じお金ではないのかもしれません。お互いに自分を賭けあったとか、男と女が、それぞれ「カード」を切ったというぐらいの意味かもしれませんが、それでは女のお金が行方不明で、また、MJも自分で勝負しないテーブルなので...女→MJ→「捨てた」と解釈しました。みなさんはどう思いますか?


奥の部屋:ボス(ブランド)が、帽子をもてあそぶ。

MJ、女の前を通りすぎて(アステアと同様の動きで)地下へ。


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☆類似作品「Smooth Criminal」
『The Band Wagon』(“The Girl Hunt Ballet”) → (27)参照


You rocked my world, you know you did
And everything I own I give
The rarest love, who'd think I'd find
Someone like you to call mine



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この地下に行く感じは、映画「ムーンウォーカー」の「CLUB 30's」の入口〜「Come Together」が始まる前にも少し似ていますね

You rocked my world, you know you did
And everything I own I give
The rarest love, who'd think I'd find
Someone like you to call mine



暗転したステージにダンサーの女。MJはこの女性ダンサーも、奇妙なステップで通りすぎて、再び女の元へ戻る(この女性ダンサーは、Kishaya Dudleyの1人2役のようです)


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女はMJに擦り寄り、彼の姿を追うような雰囲気に....

And girl, I know that this is love
I feel the magic all in the air
And girl, I'll never get enough
That's why I always have to have you here
Hoooh!



MJ、バーカウンターの上の空のボトルを、マドセンに。

MJ、バーカウンターの上でダンス。


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MJ、グラスを投げつける。投げつけた先には「NO FIGHTING」の文字と、
「クラブとハートのKING(上部に少し見えているのはジョーカー?)」

☆類似作品「Black Or White」後半
『七人の愚連隊(Robin And The 7 Hoods)』(“Bang Bang”)→(27)参照


マドセンが空のボトルをカウンターに叩き付けると、それが合図であるかのように、屈強な男たちが現れる。

_________

出演者情報/マイケル・マドセンは、サディスト的な殺人者の役柄で、クエンティン・タランティーノの『レザボアドッグス』や『KILLBILL』でお馴染みですが、MJの「Childhood」が使用された映画『Free Willy』に家庭的な父親役としても出演していて、妹のヴァージニア・マドセンも『Liberian Girl』に出演していました。

また、これまでに何冊も詩集を出版していて、それらの集大成らしき本も。
◎The Complete Poetic Works Of Michael Madsen: 1995-2005

ケルアックに影響を受けているらしく、デニス・ホッパー(勝新の親友)の感性にも近いのかも。

◎Michael Madsen/ Thelma & Louise (1991), Reservoir Dogs (1992), Free Willy (1993) Free Willy 2 : The Adventure Home (1995), Kill Bill : Vol. 1 (2003) and Kill Bill Vol. 2 : The Love Story (2004)

☆(32)につづく


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by yomodalite | 2011-06-16 00:49 | マイケルの顔について | Trackback | Comments(17)
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Marlon Brando(映画『波止場』より)



☆(29)のつづき


(27)(28)(29)は、アステアとサミー・ディヴィス・Jr などのクローズアップで、少しだけミケランジェロという内容になってしまいましたが、SF「You Rock My Would」は、マーロン・ブランドに捧げられているという説があります。

また、MJのこれまでの集大成でもあり、セルフパロディという見方をされる方もおられるようです。ここまでの、わたしが書いたことは、それとあまり関係ないかもしれませんが、とても重要ポイントだと認識していて、マーロン・ブランドについて、わたしたちのブランドに対するイメージも考え直す必要があると思います。

MJの「教養」に追いつくのも、彼のあきれるぐらいの「真剣」さに、ほんの少し近づくことも大変ですが、とりあえず「宝」のありかのヒントだけでも....と思っているんですけど・・・。


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You Rock My Wouldの「完璧な愛」とは、芸術への愛であり、この場合の「完璧」や「見つけた」は、エンターティナーとしての自分への言葉でありながらも、そこに満足感や充足を感じるのではなく、さらに「すべての、こどもを救わなくては」という決意の表れになっていて、それゆえ、エンターティナーとして完成した自分(「集大成」)に、一旦決別するという構成になっているんじゃないかと思うんです。

このSFや、30周年コンサートで、MJの魅力的だった「表情」が失われたのは、もう、それでは救えないこどもが大勢いると思ったからで、

バッド期は、ステージでは激しい表情が多かったけど、普段はやさしい「笑顔」が全開だったり、個人的な怒りをぶちまけたと言われた、アルバム「HIStory」のツアーでは、メイクはダンサーまで含めて怖いにも関わらず、ステージでは「笑顔」と「セクシー」が一杯だったりするのがMJですから、変顔MAXで、コメディ映画にも積極的に出ようとしているなんてときに、「怒り」がMAXだったとしても不思議ではないんですよね。


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で、そんなMJの怒りが、どの程度で、どれだけ真剣だったのかが少し伝わるのが、主演:マーロン・ブランド、監督:エリア・カザンの『波止場』(原題:On The Waterfront)だと思います。

わたしは、そんなに映画ファンでもないうえに、こーゆー古い映画って苦手なんですが、

ブランドが、このあと、その真逆の役柄である『ゴッド・ファーザー』で復活して、その後の『地獄の黙示録』のカーツ大佐とか、さらには、コッポラの苦悩なども想像すると、MJがついに映画を創ることができなかったことも、ほんの少しわかってきたり・・・

エリア・カザンは、「アカデミー名誉賞」を受けるほどの名監督で、しかも「アクターズ・スタジオ」を設立して、大勢の名俳優を育てるなど、素晴らし過ぎる監督なのに、若い頃に共産党員でありながら「赤狩り」で同胞を売ったと言われるような行動から「名誉賞」授与のときでさえ、激しい非難を浴びたり、

◎エリア・カザン(ウィキペディア)
◎エリア・カザンのやったこと

それが、左翼政治家である、現在の菅首相とどんな関係があって、彼を支える江田五月や仙石直人らが、どうして、あんなに凶悪な顔つきになったのかとか、小泉元首相(横須賀出身)は、“波止場”の政治家なんだなぁとか、なぜ、小沢一郎は、常に「負けない戦術」で生き延びるしかないのかとか、

MJは「We Are The Would」の作曲者で、そのメッセージの発信者なのに、その後、そのメンバーとのチャリティコンサートには参加しなかったり、「Heal The Would」などの団体の設立がうまく行かなかったなどの理由も、ぼんやりと見えて来て、やっぱり、西寺氏の「マイケル・ジャクソン=小沢一郎」は深いと、あらためて感動したり・・


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「THIS IS IT」のリハーサル開始後、同時に制作してた「クラシック・アルバム」で、MJが創ろうとしていた音楽がどんなものだったのかとか、『波止場』の作曲者であるバーンスタインまでもが、MJにメロメロだった理由とか、

十字架とか、、、

とにかく、レジェンドな天才になればなるほど、MJに魅了される理由が、だんだん、わかってきて、もう、今以上に「虜」になってしまってもいいって覚悟があって、まだ『波止場』を観てなかった人は、

絶対、観た方がいいと思う。

それと「You Rock My Would」での、ブランドの最後のセリフ

「Later....」(またな)

などから、このSFが連作だったという見方があるのだと思いますが(西寺さんの連作案を否定したいわけではないです)、



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この撮影の際のエピソードに関して第一次情報を探ったわけではなく、まったくの憶測なんですが、果たして、あの、マーロン・ブランドに対して、演技やセリフが「台本」としてあったのかという疑問があるんですね。

だって、あの「マーロン・ブランド」に、ポール・ハンターぐらいの監督が、演技だの、台詞だのと言えるがわけないと思うんです。。

また、当初、このSFには、ロバート・デニーロへのオファーがされていたけど、デニーロのスケジュールが合わず、ブランドが抜擢されたとか、制作費のほとんどはブランドのギャラだという報道もされていますが、それも「真実」かどうかは、微妙ですね。

というのも、『ゴッドファーザーⅡ』には、ブランドがギャラを高くしすぎたために脚本を大幅に変更して、彼の出演がなくなったという「伝説」があって、これは、そのときの「ブランドが蹴った作品に出演したデニーロ」への「意趣返し」という気がするんですね。

共に『ゴッドファーザー』のドン・ヴィト・コルレオーネを演じた2人に関しては「ネタ」になりやすいですし、このネタは、タブロイドではなく、MJサイドの方で積極的に流した可能性があると思います。

いずれにしろ、完成した「You Rock My Would」は、完全にブランドありきの作品だとは思います。「You Rock My Would」は、MJのセルフパロディという部分もあるけど、ブランドのセルフパロディと思える部分もあるんですね。

というか、そっちの方が「メイン」かも・・・

このセリフは、ブランドの「アドリブ」か、もしくは、ブランドはMJよりかなり年上で、20世紀No.1と言われるほどの伝説的名優だけど、ふたりは相当親しい関係なので、話し合って「台詞」を考えたかのどちらかではないかと。



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ただ、ブランドに言った

MJ:「I know who you are」(あんたのことは知ってるよ)

は、これまで、ブランドが演じた様々な役柄や、彼の人生をも知っているという意味ではないかと思います。

他にも「You Rock My Would」には、『波止場』(On The Waterfront)や、マーロン・ブランドの歴史を押さえておかないと、わからないポイントがいっぱいあると思いました。

また、わたしは、2005年の裁判時の写真を見ているうちに、「あっ」と思って、そこから溯ったのですが、、、

2000年以降の、MJの行動プランは、SF「You Rock My Would」からあったように思えてならないんですね。

「Later....」(またな)

は、ブランド自身のメッセージでもありながら、

MJにとっても、これは、今までの自分に対しての集大成でもあり、決別でもある。

最後まで、こども時代の歌を捨てなかった男の「変化」は、常に足し算で、変化し続けたように見えたMJは、結局振り返ってみると、こども時代からなにも変わっていなかった。「Invincble」だと言い切ったマイケルは、

「Later....」(また後で)

と言ったあと、ずっとある瞬間を待っていたのだと思います。

そして、それが「THIS IS IT」だったのではないかと・・・

☆(31)につづく


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by yomodalite | 2011-06-13 22:37 | マイケルの顔について | Trackback | Comments(0)
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☆(28)のつづき

「You Rock My World」のショートフィルムは、MJが、整形によって、自分で、自分の顔をめちゃめちゃにしてしまった。という印象を多くのひとに与えた作品だったと思います。それまで、メディアによる印象操作や、タブロイド情報をくだらないと思っていたファンにとってさえも。。

こちらのコメント欄での、モスクワさんの意見のように、さらに、この後、頬骨を高くして、体重が増え顔が丸くなったため、頬をこけさせ、不自然にこけた頬と盛り上がった頬骨のせいで、人相が変わってしまい、それをカバーするために、エラと顎と鼻の無限ループに陥って行った....

『THIS IS IT』後でさえ、そういった印象が拭えず、決定的な事実と感じている方は依然として多いようです。

わたしもある時期までは、そんな風に思っていました。でも、インヴィンシブル期から『THIS IS IT』までのMJを知りたくなって、年月順にしつこく見ていったところ、そうでないことはあっさりわかりました。

あっさりわかる写真に関しては、これまでも「カテゴリ」の「マイケルジャクソン裁判」(2005年)や「MJの顔について」で、豊富に「証拠」を揃えたつもりなので、ここでは、「You Rock My World」から1年後の動画を1点だけ紹介しておきます。


2002年12月1日
ディズニーランドでのプライヴェート動画 




「整形」だけではなく、MJには、こどもの頃から大人の世界にいたために、成長後、こどもの世界に逃避するようになったという、強固に信じられた「イメージ」もありました。

わたしは、インヴィンシブル期からのMJに興味をもってから、どうして、彼が、何度もミケランジェロのことを言っていたのか、少しだけわかるようになったのですが、

こどもにも、そして、こどもの感性をもった大人でも、システィナ礼拝堂の天井画を見て、感動する「心」はあるかもしれませんが、それを描く技術も、また、技術があったとしても、あの過酷な作業に耐えることはできないと思いませんか?


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天井から、滴り落ちる絵の具を顔に受け、本当に無理な姿勢による肉体的苦痛に耐え、途方もない時間をかけ、天井に絵を描くという行為は、心の底からの激しい怒りと、また、その怒りが、自分にとってだけでなく「人類にとって正当なものである」という確信がなければ、絶対に出来ないレベルのものです。

ミケランジェロは、それまでの教会に激しい怒りを抱きつつも、その教会に自ら絵を描くことで、教会を正し、本来の「神」を復興しようとした。わたしは、ルネサンスの「人間復興」を、教会の民衆への不誠実と反知性に対して起こったものと理解していますが、ミケランジェロの絵も彫刻も、どうして、あれほどまでに「筋肉」にこだわったのか、最近までよくわからなかったし、

筋肉を感じさせない、反マッチョイズムのダンサーだったMJが、どうして、ラファエロや、ボッティチェッリでなく、あんなにもミケランジェロを尊敬していたのかも、なんだか不思議だったのですが、ミレニアムからのMJのことを考えているうちに、ようやく、少しだけ腑に落ちてきました。


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MJは、こどものように、ミケランジェロの作品に感動しただけではなく、歴史をよく学んだうえで、その「怒り」を手本にし、常に、それを自分のものにしようとして、作品を創ってきたんだと思います。

アステアが、MJに電話をかけたときの言葉をもう一度、思い出してください。

「君は怒れるダンサーだ。私とおんなじだよ。」

そして、サミー・ディヴィス・ジュニアが言った、

「パンが人類の食卓に載った時以来のすごいやつになる」

MJの「怒りの激しさ」は、常にサーヴィス精神に溢れ、心優しく妖精のような身の軽さを備えた2人のレジェンドには、すぐにわかったみたいですが、ただの音楽ファンである私にはものすごく時間がかかりました。でも、次元上昇とか、宇宙エネルギーなどのスピリチュアル風味で、MJのことを「神」や「メッセンジャー」だと感じたところで、もうすでに歴史上起こったルネサンスのような「変化」でさえ訪れないと思うんです。

MJは、変革というものが、どれほど困難かを歴史を通してよく学んでいたから、何度も同じメッセージを繰り返すことを厭わず、長い間のメディアの攻撃に耐えられたのであって、それは、こどものような精神ともキレイごとばかりのボランティア精神とも異なるものだと思います。だからこそ彼は、自分のこどもに大人になるための教育も出来たのだと思います。

アーティストが、こどもの感性を大事にするのは極普通ですが、彼らとMJが決定的に異なるのは、深い叡智と、変革に対しての「本気度」の差ではないでしょうか。


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再度、下記のとてもとても素敵なサイトからの引用。
◎『STRONGER THAN PARADISE』マイケルの最強ショート・フィルム【第9位】

どんどん人種不詳化するルックス、曖昧さを増すセクシュアリティ、年齢不詳化するメンタリティ、その他、様々に報じられる奇行などによって、マイケルは我々の前で、ひとりの黒人男性から、人間離れしたミッキー・マウス(あるいはモンスター、すなわちファンタジー)へと変貌を遂げていった。

脱・人間を標榜する「Thriller」を自分の表現の頂点としてしまったことは、マイケルにとってあらゆる意味で不幸なことだったと思う。マイケルが「Thriller」を克服する唯一の方法は、人間ミッキー・マウスと化す前の普通の黒人男性に戻ることだったと思うが、それは残念ながら、肉体的にも精神的にも不可能なことだったように思える。(中略)

ほぼ無味無臭に近い、空虚とも言える平面的な男性像。だからダメだ、というわけではない。それをどう享受するかは、もちろん観る人次第なのだが、肉体のミッキー・マウス化を完遂していったその後のマイケルに関して言えば、パフォーマーとしての唯一無比の凄みに圧倒される一方、何か言いようのない寂しさと物足りなさを感じる、というのが、いちマイケル・ファンとしての私の正直なところだ。

執拗に変身を繰り返すマイケルを見ていると、彼は本気でマンガになってしまいたかったのかもしれないとも思う。

一体何がそこまでマイケルを変身に駆り立てていたのかという問題には、ここでは踏み込まない。かつてひとりの黒人青年が放っていた肉体の神々しい官能こそを私はこよなく愛する、とだけ書いて、その点は留保したいと思う(私はこの文章を飽くまでミュージカル映画ファンとして書きたい)。(引用終了)



「You Rock My Would」のSFを、初めて見たときの感情を代弁してくれた言葉だと思いましたが、それを残念だと思っていた頃は、彼が「世の中の子供を助けるため、という望みがなかったら、生きてこられなかっただろう」という気持ちも理解できなかったし、

もうすっかりこどもではなくなっていた、わたしのことを救ってくれるとは、もっと思っていませんでした。



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TVG : I found it jarring to read a recent quote in which you said that if it weren’t for your desire to help the children of the world, you would throw in the to well and kill yourself. Do you really feel that way?

あなたが「世の中の子供を助けるため、という望みがなかったら、頑張って生きてこられなかっただろう」と言ったのを読んで違和感を覚えたんですが、本当にそんな風に感じているんでしょうか?

MJ : I always have, ’cause I would feel I have nothing to live for.

いつもそんな気持ちでした。そういう望みがなかったら、何のために生きていけるだろうと言う風に感じるんです。

TVG : Not even for yourself and your own creativity?

自分自身とか、自分の創造性のためという動機ではだめなんですか?

MJ : I wouldn’t care. Everything I create is inspired by that kind of innocence. And nature, it’s everything. It has to be. I mean, that’s it.

そういうことはどうでもいいんです。僕が創り出すものは、純粋さや自然からインスピレーションを受けて生み出されるんです。それがすべて。(創造とは)そういうものから生み出されるもので、そうでなければならないし、それ以外はありえないんです。(1999年「TVガイド」インタビューより)

☆(30)につづく



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by yomodalite | 2011-06-11 00:36 | マイケルの顔について | Trackback | Comments(2)
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☆(27)のつづき

MJに大きな影響を与えたとされているフレッド・アステアは、1987年に亡くなっていて、アステアの影響が強い、SF「Smooth Criminal」(映画「ムーンウォーカー」)はその翌年の1988年に公開され、同年の自伝『ムーンウォーク』もフレッド・アステアに捧げられています。

そこには、モータウン25周年記念コンサートで「Billie Jean」を歌い、初めて「ムーンウォーク」を披露したMJに、

「ホントよく動くな。昨日の晩、みんな腰抜かしとったぞ」「君は怒れるダンサーだ。私とおんなじだよ。私もステッキを使っておんなじことをやったものさ」「昨日、私はあの特番を観たんだ。録画しておいて、今朝、またもう一回観てしまったよ。君はとんでもないダンサーだな!」と、翌日電話をかけてきたアステアが言った通りの言葉が記されています。


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わたしは、過去のダンスレジェンドや、映画にも詳しくないんですが、下記のとてもとても素敵なブログから、わたしが「You Rock My World」に関連すると思った部分を引用し、動画を添えてまとめました。
尚、具体的なダンス・スタイルの類似に話を絞れば、マイケルのアステア流儀は、明らかに後続のボブ・フォッシー(アステア信奉者)を介して引き継がれている。ダンサーとしてのマイケルのキャリアに革命をもたらした「Billie Jean」のパフォーマンスも、タネを明かせば、マイケルなりのフォッシー解釈の所産と言えないこともない。『星の王子さま(The Little Prince)』の「A Snake In The Grass」を見れば、'80年代以降のマイケルのダンスがいかにフォッシー美学に多くを負っているかが分かるだろう。





「Dangerous」の雛型として特筆しておきたいのが、アステア信奉者でもあるボブ・フォッシーが振付を手掛けた『The Pajama Game』のナンバー「Steam Heat」






アステアの『Royal Wedding』の有名な “天井ダンス” も、長編ヴィデオ『Ghosts』の中でしっかり取り上げられている。

(天井ダンスは2:40ぐらい〜)





「Smooth Criminal」は、フレッド・アステア主演『The Band Wagon』の終盤に登場するプロダクション・ナンバー「The Girl Hunt Ballet」の影響を強く受けている。「Girl Hunt」の中で最もマイケル度が高い瞬間は、事件の手掛かりを求めて探偵役のアステアがナイトクラブに入店する場面だろう。「You Rock My World」で実際これと全く同じ動きを見せている。






「Smooth Criminal」では、ステージに巨大なスクリーンが掛かり、そこに巨大な踊るシルエットが投影されるという演出が見られた。これは『有頂天時代(Swing Time)』に登場するアステアのソロ・ナンバー「Bojangles Of Harlem」からの引用である。(シルエットのシーンは5:00〜)





これは上でアステアがトリビュートしている
ボージャングルと、
MJが終生好きだったシャーリー・テンプルの共演




「Dangerous」の演出は『Top Hat』におけるアステアのソロ・ナンバー「Top Hat, White Tie And Tails」を連想させる。「Dangerous」とより具体的な類似が見られるのは、ジュディ・ガーランド、ジーン・ケリー主演『Summer Stock』に登場する「Get Happy」(ジュディはライザ・ミネリのママ)





「Dangerous」という曲は、ダンスの演出とはまた違った部分でアステアから大きな影響を受けている。Aメロが始まる前にマイケルがブツブツ喋っている語り(ラップ)部分に注目。目の前に現れた眩惑的な女のことが、以下のように表現されている。元ネタはまたしても「Girl Hunt」。これはシド・チャリースに関するアステアの以下のモノローグからの引用である。
 
“She came at me in sections, more curves than a scenic railway. She was bad. She was dangerous. I wouldn't trust her any farther than I could throw her.

女が来た。悩ましい曲線美だ。危ない。近寄るな。信用できる代物じゃない。

“She was bad”以下は、「Girl Hunt」劇中で繰り返し登場する印象的なフレーズ。“She came at me in sections〜”という表現も、「Dangerous」2コーラス目の冒頭でそのまま使われている(“She came at me in sections with the eyes of desire”)。

もともと歌詞の時点で「Girl Hunt」を引用していたこの曲のステージ・パフォーマンスが「Smooth Criminal」に続いてギャングものになったのは、半ば必然と言えるかもしれない。「Girl Hunt」がなければ『DANGEROUS』というアルバムのタイトルもなかったのだろうから、その影響は莫大である。(以上『STRONGER THAN PARADISE』より)


MJは70年代後半に放映されたジャクソンズ時代のTVシリーズ番組でも、「Girl Hunt」をネタにし、「Get Happy」も歌っていました。でも、1983年のモータウン25周年記念コンサートの「Billie Jean」には、そんなにアステアの影響は感じられないと思うんですね。

MJの歴史的瞬間として、有名なシーンですが、その後のMJの「Billie Jean」を見すぎているからでしょうか。今から見ると、このときのムーンウォークは、距離も短いし、帽子もないし、MJの並々ならぬ決意というか、オーラはスゴいのですけど・・ダンス部分では、特に「アステアの後継者」という称号が相応しいかと言えば、そうでもないように、わたしには見えます。

実際、当時の記事でも、このときのMJのことを、現代のシナトラとか、エルヴィスと言った表現が多かったようですし、アステアと言えば、ハリウッド一のお洒落で粋と言われたひとで、MJも「Smooth Criminal」「The Way You Make Me Feel 」のSFでは、アステアと同じファッションをしていますが、彼はそういった賞賛とは無縁でした。


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ムーンウォークの起源も古いものですし(「ムーンウォークの起源」参照 )エレガントなダンスだけでなく、黒人系のダンスもよく研究していたアステアにとっても、決してめずらしいものではなかったはずですが、どうして彼はこのときのMJを、それほどまでに「とんでもない」と思ったんでしょうか?

また、アステアは亡くなる前「自分の後継者が誰か知らないままこの世を去りたくなかった。ありがとう、マイケル」と語っていたとも言われていますが、

アステア流のミュージカル映画が造られなくなってからも、ミュージカルや、ダンス分野で、永遠に「教科書」として遺るような、確固とした「伝説」を遺しているアステアが、後継者に託したものって、何でしょう?



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サミー・ディヴィス・Jrは、12歳のMJを見て「パンが人類の食卓に載った時以来のすごいやつになる」と賞賛したことが有名ですよね。でも、サミー・ディヴィス・Jrは、MJには経験したことがないような、過酷な人種差別があった時代に、3歳から舞台に立って、アメリカ中を巡業するような生活から、成功をつかみ、片方を失明する等の困難にもめげず、晩年に至るまで世界中で愛され尊敬された、本当にスゴいエンターティナーで、

また、一見してわかるように、アステアもサミー・ディヴィス・Jrも、190センチぐらいで普通に見えるようなアメリカ社会にあって、小柄で、痩せていて、ハンサムでもありません。彼らは、そのコンプレックスを乗りこえて、スターになったと思うんですが、MJのように、10歳でスターになり「家の前にファンの女の子がいなかった記憶はない」というような若者のことを、そこまで賞賛するのは、ちょっと不思議な気がしませんか?



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MJは、例えば、Ne-yoには、マイケル・ジャクソンぽい雰囲気があるとか、アッシャーや、ジャスティン・ティンバーレイクのことも褒めていますけど、このときのアステアに似たような感情を抱いたことはないように思うんですね。(88歳で亡くなったアステアと比較するのは無理がありますが...)

わたしは、晩年まで、世界から尊敬を失うことなく、88歳まで生きたアステアの方が、MJよりも、辿り着けなかった「夢」があったからだと思うんです。そして、その「夢」が、MJには伝わったのではないでしょうか。

わたしには、彼らが、ただ、MJのことを先輩として褒めているだけでなく、12歳のときも25歳のときのMJにも、自分たちが出来なかった「夢」を感じているような気がするんです


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SF「Smooth Criminal」を見ることなく亡くなったアステアですが、その13年後に、もう一度、アステアへの思いを込めた、SF「You Rock My World」には、彼らだけではなく、いろいろな思いや、影響を感じますし、わからないものも、たくさんあるとは思いますが、

何度か見ているうちに、わたしには、アステアとサミー・デイヴィス・Jr への思いが強く感じられるようになりました。

『クインシージョーンズ自叙伝』では、彼がMJとアルバムを創っていた頃「彼はジェイムズ・ブラウン、サミー・デイヴィス・ジュニア、フレッド・アステア、ジーン・ケリーを崇拝し、研究していた。」という記述がありますし、様々なインタヴューで、MJはその名前を出していましたが、

2003年のブレット・ラトナーのインタヴューでは、師匠として影響を受けたのは、


BR : Do you have a. mentor or someone who inspired you?

MJ : Yeah, I do: Berry Gordy, Diana Ross, Thomas Edison, Walt Disney, James Brown, Jackie Wilson.



と答えていて、アステアと、サミー・ディヴィス・Jrの名前が消えています。彼らへの想いは、すべてやり尽くしたという心境なんじゃないかと感じてしまうのは、わたしが「MJには意味のないことは1ミリもない派」だからでしょうか。



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下記のとてもとても素敵なサイトから、再度引用します。

◎『STRONGER THAN PARADISE』マイケルの最強ショート・フィルム【第9位】
http://strongerthanparadise.blog122.fc2.com/category18-1.html#no66

「Smooth Criminal」はもちろん「Girl Hunt」と多くの点で異なるが、決定的な相違点を挙げるなら、ずばり、このシド・チャリースの不在に尽きる。

そのままコンセプトを拝借していながら「Smooth Criminal」の場合、もっぱら「Girl Hunt」のシュールでマンガ的な側面が強調され、何かセクシュアリティが欠落した、去勢されたようなミュージカル場面になっているところにマイケルらしさが強く感じられる。

およそ男性的とは言えないマイケルが、アメリカ的マッチョイズムの権化のようなタフガイ像を演じることにはもともと無理があって(中略)同様の問題は、実は元ネタである「Girl Hunt」のアステアも抱えているのだが、「Girl Hunt」の場合、そうしたマッチョイズム自体をパロディ化することで、その問題点が巧みに回避されていた。アステアが演じるタフガイ像は、一種のギャグなのである。マイケルの場合、これを大真面目にやっているから、どうしても違和感や歪さが生じる。

その無性的なスター性からしても、マイケルは間違いなくアステアの正統な後継者だったと思う。しかし、アステアよりも更に無性度が高いマイケルの映像作品においては、もはや女性すら出てこない。(中略)「Smooth Criminal」で展開されるのは、まさにそうした、すべてがマンガ/アニメ化されたような世界なのである。(引用終了)


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こういった意見は、この方だけのものではなくて、MJのエンターティナーとしてのスゴさを充分に知ったうえで、徐々に歯がゆい思いをされるひとが多くなっていったのは、ミスター無重力、人間ミッキーマウスと言われた、アステアと比べても、MJの「超人間像」というか、人間離れの仕方は、大人のファンから見ると、子どもっぽく、どこか、軽んじたくなるような要素に満ちていたからだと思います。

・アステアの「Girl Hunt」が、マッチョイズムのパロディ化であること。
・無性的なスター性からしても、マイケルは間違いなくアステアの正統な後継者だった。
・「Smooth Criminal」で展開されるのは、すべてがマンガ/アニメ化されたような世界なのである。


上記の3点にほぼ同意しますが、「マイケルは大真面目にやっているから、違和感や歪さが生じる」という点に関しては、当時は、確かにそんな風に見えましたが、

今は、アステアが「パロディ」としか受取られなかったことを、大真面目にやるような「男」だったからこそ、MJは、この大いなるレジェンドの2人から、これほどまでの賞賛と羨望を持って愛され、その大真面目さは「Smooth Criminal」よりも、さらに倍増して「You Rock My World」に表現されているような気がしています。

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by yomodalite | 2011-06-09 08:33 | マイケルの顔について | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


by yomodalite