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不逞老人/鶴見俊輔、黒川創

不逞老人

鶴見 俊輔,黒川 創/河出書房新社

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上坂冬子氏との対談本である『対論・異色昭和史』があまりにも面白かったので、また鶴見俊輔氏の本が読みたくなりました。

本書は2008年9月〜12月までに行われた4回のインタヴューから、NHK「ETV特集・鶴見俊輔ー戦後日本 人民の記録」では削られた部分を追加し編集されています。

これまで鶴見氏の本をあまり読んでいないので知らなかったのですが、対談者である黒川氏は幼少時からの知合いで、これまでにも何度か鶴見氏との対談をしているらしく、息のあった様子が伺えます。

ただ、結果から言えば、本書は最後まで読み通すことが出来ませんでした。現在87歳にして、親への恨みを語る鶴見氏の少年っぷりは芸の領域なので、同じ話の繰り返しも、山本夏彦氏曰く「よせては返す波の音」。つまらないとは言えないのですが、きっと私の軽い体調不良のためでしょう。他の本へ目移りしてしまって読み通すことが出来ませんでした。再度挑戦する機会もあるかと思いますが、『対論・異色昭和史』の再読の方が可能性高いかな。

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【目次】
序章 ぼんやりしたまま、消えるだろう
・自分の中に永遠がある
・人生の目的地
・他人を偉大と感じる快楽
・まだ、子どもとして生きている

1:敗戦からの未来へ
・敗戦のラジオと向き合って
・原爆を知りはじめたとき
・「もてあそばれた」場所からのまなざし
・「科学」が人間を通り越した時代に
・「くに」は日本か;取り違えられた客観性
・丸山眞男の被爆という経験
・経験と語りのあいだに

2:不良少年として立ちたかった
・悪人として生きてきた
・正義から逃げる
・父には勝てなかった
・時には、裏切ることも必要
・エロスに捕らえられて
・姉、和子と私;学問の後背地

3:民話をつらねる
・共同研究という方法
・アナキズムの国家論
・人民の記憶
・ハンセン病に向き合って
・敵に敬意をもてるか
・活動を続けさせたもの
・家族から外へと根をはるもの

おわりに:黒川創
鶴見俊輔・略年譜
人名索引

【内容紹介】
鶴見俊輔自らが、不良少年時代の生活、ハンセン病患者との関係、社会活動を支えた人々についてなど、ほとんど語ってこなかった足跡を今ふりかえる。NHK好評特集「鶴見俊輔~戦後日本人民の記憶~」を再構成。 河出書房新社 (2009/7/17)



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by yomodalite | 2009-10-04 12:43 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

対論・異色昭和史 (PHP新書)/鶴見俊輔、上坂冬子

対論・異色昭和史 (PHP新書)

鶴見 俊輔 上坂 冬子/PHP研究所




上坂冬子氏が亡くなったというニュースを数日前に知り、読むべき著作を探していたら、鶴見俊輔氏との対談本が出版されたばかりだという。過日、姉である鶴見和子氏のきもの本に出会い、鶴見俊輔氏のことも思い出していたところだったこともあり、お二人の対談集には惹き付けられました。

異色とありますが、後藤新平の孫で、米内内閣の閣僚を父にもつ鶴見氏は、戦中、戦後の重大事件の内部情報を肌で知っている上に、上坂氏の率直な質問や物言いも加わり、他では聞けない内容が、二人の息のあった対話で進んでいくのが、気持ちいいほど面白い。

87歳の鶴見氏が、今でも天才少年のような若々しい知性を保っているのも驚くのだけど、79歳の上坂氏も少女のような率直さで、先輩の鶴見氏に切り込んでいて、まさか、この対談後まもなく亡くなったとは本当に信じられない。本書で、死後のことを語っている箇所もあるのだけど、まさに遺言どおりに清々しく、そして後に残るものへ、素晴らしい本を残されたことは、立派としか言いようがないです。

「戦時体制には爽やかさがあった」

思想信条が異なると思われていた二人はこのことを共感しあい、戦前真っ暗史観とは異なる昭和史を語り合う。数のうえで言えば「異論」かもしれませんが、戦後アノミーによって病に陥った大半の知識人の中で、健康な知性を持ち続けられたのが、ごく僅かだったというだけ。

上坂氏は“右”鶴見氏は“左”という枠組で語られるお二人ですが、最近のネトウヨ的勘違い保守や、子どもじみたヒステリーサヨクとは一線を画す内容で、めったにない大人どうしのさわやかで濃い内容の対談。

参考サイト↓
極東ブログ[書評]対論・異色昭和史
極東ブログ[書評]対論・異色昭和史 その2
鶴見俊輔の母
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【内容紹介】雑誌『思想の科学』への投稿がきっかけで交流が始まった二人。半世紀ぶりに再会し、語り合った昭和の記憶とは?
鶴見氏は、昭和三年の張作霖爆殺事件の号外を覚えているという。八歳年下の上坂氏が、戦前から戦後の体験談について、根堀り葉掘り質問をぶつける。「米国から帰国したのは愛国心かしら?」と問う上坂氏に、「断じて違う!」と烈火のごとく否定する鶴見氏。
一方で、「戦時体制にも爽やかさがあった」と吐露する上坂氏に対して、「私もそう感じた」と応える鶴見氏。やがて議論は、六〇年安保、べ平連、三島事件、靖国問題へ。六〇年安保のデモ行進に誘われた上坂氏は「後にも先にもデモに参加したのはあれが初めて」と。その後、ノンフィクション作家として自立してゆく。上坂氏の原点に、鶴見氏らとの交流があったというのは興味深い。
現在では護憲派、改憲派という立場を異にする二人だが、いまだからこそ訊ける、話せる逸話が尽きない。圧巻の一六五歳対論! PHP研究所 (2009/4/15)

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by yomodalite | 2009-04-26 22:40 | 歴史・文化:美術 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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