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性欲の文化史 2 (講談社選書メチエ)

梅川 純代,申 昌浩,劉 建輝,原田 信男,平松 隆円,田中 貴子,松田 さおり/講談社




性欲の文化史[1]に続いて読んでみました。

[1]には納められていなかった、編者である井上章一氏の「桂離宮にエロスを読む」が収録されています。

2巻を通読して、全体の感想としては、分冊化しないで出来のいいものに限ってまとめた方が良かっただろうと思う。編集者も熱意がなく、来た原稿そのままノータッチで本にした、という感じ。

第1章は、学者にはめずらしく読者を意識した文章が書ける井上氏による、『桂離宮にエロスを読む』はとても興味深かったものの、第3章『韓国整形美人事情』(申 昌浩)や、第6章の『「ギャル男」のいる光景』(平松隆円)、第8章の『ホステスたちは、何を売る?』 (松田さおり)は、題材が、風俗としてよく知られたものにも関わらず、研究の到達点が低く、ごく普通レベルの学生論文としか読めなかった。

第7章『男から生まれた女』(田中貴子)は、現在、批判者がまったく見当たらない白洲正子氏への反論を試みた論考で、『両性具有の美』について主に論じているのですが、興味深い指摘が多く、新書などであらためて読んでみたいと思った。

編者の井上氏の、若い研究者にチャンスを与えたいという気持ちがこもった2冊だと思うのですけど、その気持ちに答えられていない研究者が目立ち、読者としてはツライ部分もある一冊。

【目次】
まえがき 性のなかに文化を読む(井上章一)
1.桂離宮にエロスを読む(井上章一)
2.神仙の証―中国古代房中術にみるセックスと飛翔(梅川純代)
3.韓国整形美人事情(申 昌浩)
4.摩登(モダン)上海にうかぶ女体の群れ(劉 建輝)
5.映画のなかの性―戦後映画史における性表現と性意識の変遷(原田信男)
6.「ギャル男」のいる光景(平松隆円)
7.男から生まれた女(田中貴子)
8.ホステスたちは、何を売る? (松田さおり)
あとがき(井上章一)
__________

【BOOKデータベース】パンチラに感謝するフランス人と、平気で見すごす中国人—何に性感を覚えるかは、時代により民族により異なる。人間の性欲とは、きわめて文化的な心の持ちようなのだ。桂離宮から渋谷センター街まで、射精抑圧から女体観察まで、感じて、そそられて、満たされる、秀逸の論究集。 講談社 (2008/11/11)

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by yomodalite | 2009-07-20 19:28 | 評論・インタヴュー | Trackback | Comments(0)

猛牛(ファンソ)と呼ばれた男―「東声会」町井久之の戦後史

城内 康伸/新潮社




元公安調査庁の菅沼光弘氏は、日本の裏社会の構成要素として「やくざ・同和・在日」の3つを挙げて、その経済力に関しても、トヨタ自動車の純益が1兆円だったのに対し、山口組は8000億円の収入と語られたとか。。。

町井久之(本名:鄭建永)は、在日のヤクザの大物として、戦後の昭和史に度々名前が登場する人物ですが、まとまった本としては、こちらが初めてのもののようです。

ただ、残念ながら、山口組や、保守(右翼)系人物との関係にしても、登場人物が少な過ぎて、南北朝鮮の政治家との交流に関しては、大統領にまで及んでいるにも関わらず、在日社会は、力道山や張本(巨人)などスポーツ界が主で、日本国内の財界や政界との交流に関しては、ほとんど書かれていません。

著者は、88歳の町井の未亡人 保予(やすよ)への面会から、取材を進めているのですが、夫人の話はどうも素直に納得できないというか、違和感を感じる点が多い。

p67で、傍聴席の最前列で見守っていた保予のことに触れ、弁護士が町井に「わたしに礼はいいから、奥さんに感謝しなさい」というくだりなど、どこか唐突で、著者が未亡人への感謝を表すことにページを使っているように感じました。

また、町井の親分のような存在であった児玉誉士夫と同じく、町井もアメリカが育てた人材であったことを示すエピソードとして、

(P57)
町井の事件を担当した検事(伊藤栄樹。後にロッキード事件など大事件を手がける)は、
他界する直前に朝日新聞に寄せた回想録「秋霜裂日」で次のように振り返っている。

「彼(町井)には、連合国軍の庇護があて、それまで二度殺人などで逮捕されても、すぐに釈放され、起訴されても一度は無罪になり、一度は執行猶予となっていた。そこで、長い兼治生活の中で一度だけうそをつかせてもらった。すなわち、傷害にあたるものに、殺人未遂の罪名を、傷害・恐喝にあたるものに強盗傷人の罪名を与えるなど、本来の法律的評価よりも一段ずつ上の罪名にすることにより、連合国軍からの干渉を防ぐとともに、保釈を阻止しようとしたのである。」 朝日新聞 1988年5月11日朝刊

伊藤本人がいささか強引な手法を用いたことを認めているのだが、保予によれば、町井はこの記事が載った当時これを読んでおり、「他の作り事はいいとしても、私に連合国軍の庇護があったとは・・・・」と憤り半ばにあきれ果てていたという。

 
この町井の反応は、保予の真実の記憶だろうか。一度目の殺人は、保予にからんだ酔漢を蹴飛ばしたところ酔漢が転倒し頭を打って死亡した、というもので、二度目は差別的な発言を投げつけた人力車夫を勢い余って殴殺した、というもの。これで、無罪や執行猶予とは、庇護でなければ、生まれついての「在日特権」か、と言いたくなる内容。保予が日本人なら疑問をもたなかったとは考えにくい。

保予が1946年に、函館の実家を離れて、東京で予備校に通っていたというのも、比較的裕福な家庭を想像させるが、拉致誘拐のような形で、町井と結婚することになったエピソードなど、著者は「ストックホルム症候群」を思い出したと説明しているが、私には、よど号の妻たちの結婚エピソードが思い出された。ちなみによど号妻たちは、チュチェ思想研究会や統一協会であったが、保予は熱心は創価学会員である。

その他、町井の市井のイメージを覆すとして紹介しているエピソードも、在日社会の裏のヒーローとして君臨した人物のエピソードとしては、物語の厚みに欠ける。

生前、半世紀執筆の要請を何度受けても、町井は、「自分のやってきたことを決して、表に出すな」と在日社会に至上命令を出していたらしい。取材対象が難しいことは理解できるものの不満が残る内容。

__________

【BOOKデータベースより】“アンダーグラウンド”から照らし出す昭和史。復興著しい東京で、1500人の構成員を束ね夜の六本木を闊歩した鄭建永(チョン・コンヨン)=日本名・町田久之。右翼の大立者・児玉誉士夫と日韓を股に掛けて暗躍し、ヤクザでありながら政財界に根深く食い込んだその存在は、やがて「フィクサー」と畏れられるまでになった—。盟友・力道山との絆、芸能・スポーツ界でのタニマチぶり、ようやく語られた秘話の数々。急成長を遂げる日本と共に生き、そして消えていった男の人生を描く。 新潮社 (2009/02)




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by yomodalite | 2009-03-08 23:09 | 報道・ノンフィクション | Trackback | Comments(0)

8月の果て/柳美里

8月の果て

柳 美里/新潮社




「国民保導連盟事件」や従軍慰安婦、朝鮮分断。。。著者の血のルーツの闇を描いた本作は、見た目の厚み以上にずっしりと重く、数多く挿入された韓国語に日本語ルビも、盆百の読書家には歯応えを感じる文章で、最後まで読み通すのは決して楽ではありませんが、極稀にしか出会えないレベルの文学を堪能できます。

これまで積み残してきた世代からすべてを引き受けようとする柳氏の覚悟には、本当に凄まじいものがあり、並の読書好きには、感想を述べることすら躊躇われるほど。福田氏、高橋氏の寸評に深く共感。

◎「21st Novel 読書感想記録」
_______________

[MARCデータベース]祖父はなぜ、競技も国も家族も捨てて、独り日本へ逃れたか。幻の五輪マラソンランナーだった祖父の生涯を追いながら、戦前から現代に至る朝鮮半島と日本の葛藤をえぐりだす。『朝日新聞』夕刊および『新潮』連載を単行本化。新潮社 (2004/8/10)

文学に、少しでも心を寄せる者は、この作品にたいして、目も口も閉ざせないはずです。――福田和也氏(週刊新潮「闘う時評」)

42.195キロの彼方から私を呼ぶ声。
日本統治下の朝鮮・密陽に生を受け、マラソンでの五輪出場を目指した亡き祖父・李雨哲。そのうしろ姿を追い、路上を駆けることを決意した柳美里。ふたりの息づかいが時空を越えて重なる瞬間、日本と朝鮮半島のあわいに消えた無数の魂が封印を解かれ、歴史の破れ目から白い頁に甦る。偉丈夫の雨哲と美丈夫の弟・雨根。血族をめぐる、ふたつの真実の物語が、いま日本文学を未踏の高みへ押し上げる。(文庫版上巻用)

感想か。そんな言葉、この小説にふさわしくないな。ものすごく感動したんだ。ほんとに。――高橋源一郎氏(朝日新聞書評)

読書人がこぞって絶賛! 小説家・柳美里が、もてる全てを注いだ代表作。

1940年、東京オリンピックは幻と消えた。失意の日々、肌の温みを求める女たちを捨て、雨哲は故郷を去り、一方、娘たちを夢中にする美しい容貌と、兄譲りの健脚に恵まれた弟・雨根は、いつしか左翼活動に深く傾倒した……小説家柳美里が、国・言葉・肉親、すべてを奪われた無名の人々の声に耳をすまし、自身の生につらなる日本と朝鮮半島の百年の歴史を、実存の全てを注ぎ描きあげた傑作。(文庫版下巻用)




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by yomodalite | 2008-06-25 22:54 | 文学 | Trackback | Comments(0)
「アジア女性基金」の理事であった著者による「慰安婦問題」の総括本。
NGOや、メディアは、国家補償だけが唯一無二の被害者の意志であり、それなくして、「慰安婦問題」の解決はありえないとし、韓国の被害者支援団体は、被害者が基金の補償金を受け取ることを拒否するよう指導し、解決を遅らせた。

「慰安婦問題」は、元慰安婦への補償問題ではなくなり、高度な政治問題となる。

アジア女性基金の失敗を論じたメディアは多かったが、理事であった著者の苦闘の歴史は現実的で、いわゆる「左派」とは異なり、批判されることに慣れず、独善的になりやすいNGOの弱点をよく理解している。

◎下記は、呉 智英氏による「日刊新書レヴュー」より

慰安婦についての議論は、いくつもの論点といくつもの立場が錯綜している。

論点は、まず第一に、慰安婦の実態はどのようなものであったかであり、第二に、その慰安婦であった女性を我々はどう扱うかであり、最後に、海外からの慰安婦関連の日本批判にどう対応するかである。そして、論点ごとに論者の立場がちがっており、意見がちがっている。

本書は、元慰安婦への“償い金”であるアジア女性基金の理事を務めた政治学者による、その苦闘の記録である。当然、第2の論点が中心になり、立場としては元慰安婦救済ということになる。私とは考えが近いものもあり、ちがうものもあるが、報道などではわかりにくいこの種の活動、任務の困難さが細部にわたって記録され、非常に興味深い一冊となった。

私自身は慰安婦について、次のように考えている。
特別な存在ではない。しかし、救済するのは当然だ

慰安婦は基本的に娼婦である。本質において、現在のいわゆるフーゾク嬢などと変わらない。交戦国、敵国であった支那(「支那」は世界共通語であって差別語ではない。日本人に限って「支那」を禁ずることこそが差別である)やオランダ他の女性は別として、選挙権・被選挙権も順次認められていった同じ大日本帝国臣民たる朝鮮人の女性を性奴隷として強制連行するなどということは考えにくい。事実、そのような証拠は何一つない。

とはいうものの、現代とは圧倒的にちがう貧困と不十分な教育、そして同一国内における格差(内地と朝鮮地域)の上に、甘言や瞞着を以って娼婦を集めたのだから、昨今のコギャルや出会い系の援助交際とは同一視できない。

現在、健康上も経済的にも困っている元慰安婦が多いからには、これに救済の手を差し伸べるべきだろう。ただし、これを“償い”とするのには異論がないわけではないが。

ともあれ、現実的に困っている人がいれば、元娼婦であろうと病人であろうと失業者であろうと、救済に尽力して悪いはずがない。
最近、アメリカを含む外国からの理不尽な日本批判が出ている。マイク・ホンダ下院議員らが中心になって、日本に謝罪要求する決議が可決された。事実認識が誤っているだけでなく、背後に謀略的な動きもあるようだ。こういうものに対しては、元慰安婦救済とは別に、断固として反論すべきである。

こう考える私は、結果的に著者の行動に共感するところが多い。

著者は、本書でくり返し述べている。元慰安婦は高齢になり、病院にも満足に通えず、支えてくれる家族もなく、経済的にも困窮している。政治的イデオロギー論争は措いておいて、まず実際に、とりわけ金銭的に、彼女たちを救わなければならない、と。

原理主義者 対 現実主義者
ところが、民間からの醵金(きょきん)で始められたアジア女性基金は、日本の保守勢力よりも、イデオロギストの活動家たちに翻弄される。韓国内では、公式の国家賠償でなければ金を受け取るべきではないとする人たちが現に困窮している元慰安婦に圧力をかけ、日本国内でも、同様の人たちや一部のフェミニストたちが基金を欺瞞だと批判した。

こうした非現実的な批判を反批判しつつ、著者は多忙な本務の時間を割いて元慰安婦救済に奔走する。いわば、究極の理念のみを判断の基準にする原理主義者と対決しつつ、実(じつ)のある運動を進めようとする現実主義者が著者なのである。

NGO、NPOというと善玉と受け取ってしまう人たちや、単純な図式で一見わかりやすい世論を作りたがるマスコミへの批判も随所に見られる。これもまた実践を踏まえた見識である。 (文/呉 智英、企画・編集/須藤輝&連結社)

[目次]
第1章 「慰安婦」問題の衝撃
Ⅰ. メディア、NGO、日本政府
Ⅱ. 村山内閣とアジア女性基金の設立
第2章 アジア女性基金とメディア、NGOの反応
Ⅰ.  アジア女性基金の発足
Ⅱ. 5つの国・地域での償い
第3章 被害者の視点、被害者の利益
Ⅰ.  「慰安婦」問題の評価
Ⅱ.  被害者の願いとそれへの対応
第4章 アジア女性基金と日本政府の問題性
Ⅰ.  アジア女性基金の失敗
Ⅱ.  日本政府の対応と政策
第5章 償いとは何か―「失敗」を糧として
Ⅰ.  何が「失敗」をもたらしたのか 
Ⅱ.  法的責任論の誤謬
Ⅲ. 道義的責任のはたし方
Ⅳ. 総理のお詫びの手紙
Ⅴ.新しい公共性の担い手とは
終章 二一世紀の日本社会のあり方
Ⅰ.  中国、韓国とのつきあい方
Ⅱ. 日本社会の可能性
あとがき
「慰安婦」問題関連年表

《参考サイト》
◎「愛・読書博」
_________________________

[BOOKデータベースより]一九九〇年代以降「慰安婦」問題は、「歴史認識」の最大の争点となっている。政府は軍の関与を認め謝罪。市民と政府により被害者への償いを行う「アジア女性基金」がつくられた。だが、国家関与を否定する右派、国家賠償を要求する左派、メディアによる問題の政治化で償いは難航した。本書は、この問題に深く関わった当事者による「失敗」と「達成」の記録であり、その過程から考える新たな歴史構築の試みである。 中公新書 (2007/06)





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by yomodalite | 2007-08-26 22:07 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

在日の耐えられない軽さ (中公新書)

鄭 大均/中央公論新社




在日をテーマにした本の2冊目。

著者は言う。「日本人は『世襲の日本人』に甘えていないか」と。

著者の名前、帰化、故郷に帰った父との関係、日本人の母、同じ血を引くが考えの違う妹、エスニック・アイデンティティに関わるさまざまな事例が紹介され、自叙伝の形をとったエスニック研究になっている。

『私は被害者意識に人生の根拠や動機を見いだすような生き方を強く批判してきたというのに、妹は自らを抑圧や差別の被害者と規定し、その生き証人として生きようとしている。』(p.153)
____________

【BOOKデータベース】父は一九二〇年代に来日した、日本語小説を書いた最初の朝鮮人で、のちに皇道思想家。戦後は心の病に冒され、六〇年にひとり帰国した—。父や母の歴史と子供たちの人生との間にはどのようにつながりがあるのか。本書は、ひとつの「在日」家族の誕生から終焉まで、そして、そのひとりひとりの生き方を、戦前から現在にいたる日本と韓国の関係と重ね合わせて描くことによって、新たな認識と洞察を読者にもたらす。

■鄭 大均/1948年(昭和23年)、岩手県に生まれる。立教大学とUCLAで学ぶ。81年に渡韓、啓明大学校外国学大学副教授等を経て95年に帰国。首都大学東京・人文科学研究科教授。ナショナル・アイデンティティ、エスニック研究専攻

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by yomodalite | 2007-04-08 18:25 | 報道・ノンフィクション | Trackback | Comments(0)

古代天皇家と日本正史―現人神と万世一系の超秘密

中丸 薫/徳間書店



【目 次】
聖徳太子は仏教ではなく「ペルシャ・ゾロアスター教」の人
万世一系の歴史—それは洪水神話の地タリムより始まる!
シュメールから騎馬遊牧民「スキタイ」に引き継がれた万世一系
日本を成立させたのは伽耶の王族である
縄文・弥生の常識は完全にくつがえされている
ついに倭国の謎を解明する時が来た!
「伽耶・新羅・高句麗」の政治・文化事情
ペルシャかつシュメールの精神「十七条憲法」
闇の権力者の「紀記」による壮大な国仕掛け
正史をくつがえす「大化改新」の真相
闇の権力者は誰だったのか—『日本書紀』の「永遠の謎」が解かれる
日本とは何か、天皇家とは何か—それはペルシャ・シュメールへの回帰なのか


中丸氏の本には必ずパクり元があるはず。と検索したところ、小林恵子氏のパクリと評判らしいです。小林氏の本のボリュームに圧倒されて、こちらを読んでみようかという不純な動機により通読したものの、中丸氏の不純な動機とバッティングした模様。やっぱりダメです。以下のサイトが参考になりました。

☆(判定不能)

↓「探求三昧」http://d.hatena.ne.jp/nmomose/20060129

本の帯には「他の歴史書では決して読めない目からウロコの衝撃事実と情報満載!!」とある。 この本を読むと、古代の日本では、百済や高句麗の権力者たちが入れ替わり立ち代りして渡来して 王朝を乗っ取り、天皇となったと主張しています。

たしかに「目からウロコ」でしょう。 もし、その内容が真実であったとしたら、です。 この著者といえば、闇の権力といった内容の本を多く出していますね。 そういえば、以前の本には「明治天皇の孫」ということを大々的に売り物にしていたようだけど、この本にはそのフレーズが見えないのはどういうわけだろう? そうではないことがわかってしまったのか…。 この本を読んで、「この著者にはタネ本があるに違いない」と思いました。 それで、ちょっと ネットで調べてみたところ、やっぱりありました。 小林惠子さんです。

小林惠子(こばやしやすこ)ーこの女流古代史研究家は、「聖徳太子は西突厥の王(可汗)だった」という説でよく知られています。 それで、さっそくこの人の『興亡古代史』(小林惠子(こばやしやすこ)著、(文藝春秋)という本を取り寄せて読んでみました。 今までは、上記の聖徳太子に関する本(『聖徳太子の正体―英雄は海を渡ってやってきた』)だけは読んでいました。 その本を、ちょうど昨日読み終わりました。 これがまた、トンデモナクとんでもない本なんですね。

『興亡古代史―東アジアの覇権争奪1000年』/小林惠子(文藝春秋1998/10)

突厥というのはTurukの漢訳語で、要するに トルコ系の遊牧民族です。 その西突厥の達頭可汗(タルドゥ・カガン)が日本に渡ってきて聖徳太子となったというのです。 聖徳太子が本当にそのタルドゥ(Tardu)だったかどうかはともかくとして、たしかに トルコとかペルシャとか西域的な要素が太子の行動や逸話に見られるんですね。 それから、この本によると、卑弥呼は江南のシャーマン許氏だったとか。 応神天皇は五胡十六国の秦の一族である苻洛(ふらく)だったとか。 仁徳天皇は高句麗の英主、広開土王(こうかいどおう)だったとか。 そして、古代の日本では伽耶、百済、高句麗、新羅、中国などから続々と国の指導者クラスの人々が渡ってきて、天皇になった。 つまり何度も 王朝交代があったというのです。 この本に書かれたスッ飛んだ内容は、容易にすべてを受け入れられるものではないでしょう。 たしかにこの人は学者でないのが信じられないくらいに博識であり、幅広い知識を駆使してこそ初めて書けただろうという本です。

ただし、論旨に強引なところが多々見られ、「なんでそうなるの?」と、ついていけなくなるところも度々あります。 しかし、そのような度重なる王朝交代があったとしても、不思議はないだろうとは思います。 この本の内容を鵜呑みにするのではなく、ここを出発点として、自分なりに検証をしていきたいものです。 つまり、それだけ捨て置けない部分があるということです。 そして、「もしこれが本当だったら大変なことになる」という内容が。 この『興亡古代史』は、 小林惠子さんがそれまでに書いた10冊ばかりの本をまとめて、日本とその周辺の国々の1000年の興亡の様を綴った大作です。

この本を通勤電車の中で読み始めて、読み終えるのに1週間ぐらいかかってしまいました。 (中略)それにしても、『古代天皇家と日本正史-現人神と万世一系の超秘密』の著者はひどいもんです。 何がひどいかというと、あれだけ 小林惠子さんの主張を取り入れておきながら、あたかも自分の発見であるかのように書いていることが、です。

巻末に参考文献リストもないという、ひどいものです。 (中略)しかし、その本の内容はというと、必ずしもすべてが小林惠子さんの本のパクリであるとはいえず、それ以外にもいろいろと書かれています。 (中略)

【王朝交代】
少なくともいえることは、古代の日本では、いろんなところからやってきた人々が戦いの果てに王朝を乗っ取り、何度も王朝交代があったのだろうということです。 それを取り繕って、日本は「萬世一系の天皇家」のもとに形作られていったという偽装をしているのが『日本書紀』ですから、その内容はハチャメチャで矛盾だらけであっても不思議ではない。

日本の歴史学者などは、『古事記』とか『日本書紀』の内容は鵜呑みにしてはならないと言いながら、やはりあてにならないことを信用してしまっている部分が少なくないと思うんですね。 「萬世一系」の幻想から離れられないというか。
そして、自分たちの考えていることに矛盾することが書かれた昔の本はみんな「偽書」と決め付けてしまっている。 もちろん、世の中には内容が明らかに怪しい偽書もあるんですが、それとこれとをゴッチャにしてはいけないところがあって、そこでこそ「見識」が問われる部分でしょう。
__________

【BOOKデータベース】国際陰謀と血みどろの王権争奪。
真実を踏みにじった古代皇室と日本歴史にまつわる闇のすべてをここに吹き払う…他の歴史書では決して読めない目からウロコの衝撃事実と情報満載。

【MARCデータベース】朝鮮半島の王族が天皇として即位していた! 半島との連結の歴史は抹殺された! 半島と列島の支配者のルーツは共に騎馬民族スキタイだった! 真実を踏みにじった古代皇室と日本歴史にまつわる闇のすべてを吹き払う。(徳間書店2004.10)

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by yomodalite | 2007-03-28 11:42 | 天皇・皇室 | Trackback | Comments(3)

福沢諭吉の真実/平山洋

福沢諭吉の真実 (文春新書)

平山 洋/文藝春秋

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『福沢諭吉全集』の中に諭吉以外の人物が書いた文章が入っている、という重大な主張が本書の趣旨。福沢は「脱亜入欧」を主張していない?!体裁は地味だが内容は大変刺激的な著書。これをを徹底的に批判している安川寿之助『福沢諭吉の戦争論と天皇制論』が上梓されたらしい。

____________

【BOOKデータベースより】日本の文明開化を先導した偉大な思想家福沢諭吉は、アジアを蔑視し中国大陸への侵略を肯定する文章をたくさん残している。それを理由に福沢を全否定しようとする動きも絶えない。確かに現在も刊行されている福沢の全集にはその種の文章が多数収録されている。しかし、それを書いたのは本当に福沢本人なのか。もし、誰かが福沢の作品ではないものを福沢の真筆と偽って全集にもぐりこませていたとしたら…。この巧妙な思想犯罪の犯人は一体誰なのか。

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by yomodalite | 2007-03-26 22:18 | 報道・ノンフィクション | Trackback | Comments(0)

韓国の悲劇―誰も書かなかった真実 (カッパ・ビジネス)

小室 直樹/光文社

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85年の初版から10年以上再販されていた名著。

現在も読んでも価値がある本です。

【目次】
1/獲物は勝利者に属する—国際政治のダイナミズム
・逆流する日韓二千年史
・すべての不信と誤解は「ごめんなさい」からはじまる
・やさしい帝国主義国、日本がなぜ恨まれるのか
・八月十五日以降も朝鮮には日章旗がひるがえっていた
・韓国の解放は日米の共同統治ではじまった
・朝鮮半島分裂の責任は日本だけにあるのではない
・独立運動二人のリーダーの大喧嘩の罪
・日本はアメリカ軍に韓国をひきわたした

2/二つの「日本・朝鮮同祖論」—古代史が落とす影
・日本の比ではなかったイギリスの帝国主義
・韓国人はなぜ、親米、反日なのか?
・日本に対してだけ感情的になってしまう韓国
・何でも韓国が本家で日本が分家という論理
・無礼というだけで軍事行動を起こした日本の異様さ
・二つの「日本・朝鮮同祖論」の意味
・文化的忘恩こそ対日反感の淵源
・なぜ韓国に天智天皇の銅像がないのか

3/日本人の「うそ」と「善意」—差別と安重根
・かみ合わない日韓の用語意識
・「朝鮮征伐」か「倭乱」か
・日本人は李退渓を通じて朱子学を学んだ
・なぜに日本に宗教がないのか
・結婚する日本の僧侶を見てあきれた韓国人
・日本人が韓国人を理解できない理由
・韓国社会の中で正面衝突する儒教とキリスト教
・日本人の「うそ」が小さな差別を大きくした

4/韓国は日本に迫りつつあるか—躍進経済の手品の種
・韓国の爆発的エネルギーは本物か
・インフレが韓国経済の救世主という矛盾
・韓国を苦しめるべらぼうなウラ金融
・見栄っぱり韓国の経営
・ウォンと円の格差が日韓の経済の差
・名家の美女・韓国と喧嘩だけが強い粗野な男・日本
・日韓の「垂直分業」の実態
・紛争が存在すること自体が必要な日韓関係

5/韓国資本主義の弱点—両班の残滓とハングリー経済
・系図を買えば、名門の子孫になれる日本
・キムチとタクアンほども違う、日本と韓国同族経営の意味
・なぜ韓国の企業で人材が育たないのか
・韓国は両班が特権を教授する階級社会
・韓国人が憧れる働かずして食う生活
・韓国人の労働のエトスはなぜ付焼き刃なのか
・資本主義から遠く隔たった韓国人の意識
・ハングリーでなくなったとき、韓国はどうなるか


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by yomodalite | 2007-03-23 20:02 | 歴史・文化:美術 | Trackback | Comments(0)

愚かな韓国人に鉄槌を

イ・ジョンシク/ぶんか社



在日をテーマにした本を集中的に読もうと思い立ち、最初に読んだ本。単純な反韓本のようなタイトルですが、在日韓国人の著者による真摯な内容に、在日日本人も大いに考えさせられる。

著者の略歴からは波乱に満ちた印象をうけますが、この年代の在日の人にとってはめずらしくはない経歴ではないかと思う。それだけに在日の複雑さ、困難さが伝わる。

新井将敬自殺の真相への仮説に心が打たれた。本物の日本人たらんとして、割腹自殺を遂げた新井氏に対して、日本人を世襲できた事をありがたく思う。
____________

【MARCデータベースより】元在日工作部員であった著者が、憤怒の感情で韓国の「悪」を白日のもとにさらす! 韓国人の病理や韓国史の弱点を露にし、日韓問題や北朝鮮拉致問題についても論じていく。呑気な日本人にも鉄槌を下す一冊。

■著者略歴/李 鍾植
仮名。国籍:朝鮮民主主義人民共和国→大韓民国→現在は帰化して日本国籍。都内某私立大学在学中の1980年代初頭に、韓国国家安全企画部から接触を受け、「大韓民国及び同盟国に不利益な団体と人物の監視」を依頼される。これをきっかけに大学内の左翼グループや右翼学生の内偵に従事。工作部員としての活動を始める。ある日、北朝鮮工作員からも接触を受け協力を依頼されたが、事実を韓国当局に報告したところダブル(二重スパイ)になることを強要されたため、身の危険を感じて関係を解消する。

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by yomodalite | 2007-03-19 18:21 | 報道・ノンフィクション | Trackback | Comments(0)
今日からブログ初め。(3月、4月の記録が異常に多いのは、それ以前に読んだものを記憶により保管したため)

記念すべき第一冊にふさわしい本書は、昭和の偉人伝とも言える内容。

空手、極真いずれにもあまり興味はありませんが、昭和史の一面としてたいへん興味深い内容でした。著者2人による2部校正は、時系列ではなく、各々の取材により倍達の人生を描いていて、真実の補完がされています。それだけに重複する内容も多いのですが、二人とも気迫のこもった文章で読ませ、倍達伝説の検証を細かくやっている点も文句なく、各々一冊でも出版できる内容。

歴史好きとしては、1部の塚本佳子氏の感情を抑えた文章が格調高く堪能できますが、2部の小島一志氏は、極真有段者にして、空手バカ一代の影響をど真ん中で受けた世代であり倍達の悲願であった「空手全科」の編集をまかされていたなど、晩年の倍達の生の姿や、格闘技好きな人にはお馴染みの話題の多くに、リアルタイムで接しています。

梶山一騎による一連の作品だけでなく、多くの脚色に満ちていると思っていた倍達伝説ですが、意外と真実が多いことに驚かされました。

韓国籍を隠し、日本人としての歴史を作るための嘘はあったが、格闘家大山倍達は、虚像ではなかった。

★★★★☆

◎[参考サイト]アングルのバイオリン

波 2006年8月号より
著者インタビュー『大山倍達正伝』刊行にあたって「昭和の闇に封印された真実」

小島一志・塚本佳子『大山倍達正伝』

――624頁という超大作の執筆、お疲れさまでした。
小島 いえ、どうも。大山倍達という一人の人間の生涯を追うのは、言ってみれば富士の樹海に入り込むようなものです。大変な恐怖を感じましたが、まあ死ぬことはないだろうから、と(笑)。

――本書は、塚本さんが「第一部」で人間・崔永宜(大山倍達の韓国名)の生涯を描き、小島さんが「第二部」で格闘家としての大山倍達を検証する、という構成になっていますね。

小島 はい。僕は大学で極真空手を学びはじめ、その後、空手雑誌の編集者を経て、大山総裁のライフワーク『空手百科事典』の編集のため、総裁と親しくお付き合いさせていただきました。それに対して、塚本は私が作った編集制作会社の社員第一号で……。

塚本 95年から極真空手の雑誌の編集に携わりはじめましたが、私は大山総裁を直接は知らないんです。

小島 大山総裁を知らないからこそ書けること、知っているから書けること、それを二人で書き分けられるだろうと考えたんです。

――大山倍達という不世出の空手家の生涯、その実態はこれまで誰もはっきりと把握することができませんでした。それを500点余りの資料、300人近くに及ぶ膨大な証言から浮かび上がらせていくのは、気の遠くなるような作業だったでしょう。

小島 はい。僕は段ボールを6個用意して、資料にすべて通し番号を付けて、時代ごとに分けて入れていったんです。でも、一つの資料を引っ張り出すのに30分もかかったりして……(笑)。

――その結果、大山倍達の伝説が次々と覆っていく衝撃的な本に仕上がりました。そんな中でも、戦後、在日朝鮮人たちの民族運動に彼が深く関わっていたというのは驚愕の事実でした。戦後の在日社会の実態は、昭和史の闇とも言える部分でしたし……。

塚本 民団(在日本大韓民国民団)や総連(在日本朝鮮人総連合会)に関する書籍を読んでいて、たまたま総裁の本名を見つけたんです。それから民団関連の機関紙や韓国系の新聞などを集めていきました。すると、そこには総裁の名前だけではなく、写真も載っていたんです。そして当時の関係者の方々の証言をこつこつと集めていきました。戦後、在日朝鮮人たちは、南側の民族派と北側の共産主義者に別れて、激しい抗争を繰り広げていたんです。

――その戦闘の最前線に、実は大山倍達がいた、と。

塚本 はい、常に意気揚々と戦いに参加していたんです。

――彼が最も多くの実戦を重ねていたのが、この時期だった……。

小島 当時のことを知る人たちは、全員が口を揃えて、「大山倍達は強かった」と語っています。

塚本 その頃の写真を見ても一目瞭然なのですが、本当に凄い肉体をしているんですよね。食糧事情の悪かった中、肉体だけを見ても、彼は「超人」であったと言っていいでしょう。

――また、小島さんの「第二部」では、これまでずっと謎とされてきたアメリカ遠征の全貌が明らかになります。

小島 もともとは、アメリカでプロレスラーと戦ったなどという武勇伝はまったくのデタラメだろうと思っていました(笑)。ところが、そうではなかった。この章を書くにあたっては、流智美や小泉悦次などプロレス研究家の協力を得ました。今はネット社会ですから、世界中にマニアのネットワークが出来ているんです。たとえば1952年5月から7月までのミネアポリスでのグレート東郷(大山倍達と一緒にアメリカを転戦したプロレスラー)の試合の記録はないか、とアメリカのマニアに問いかけてもらったり……。さらに、当時総裁がアメリカから妻の智弥子さんや日本のメディアに送った手紙などを、僕自身、総裁から見せていただいていましたから、それらを一つずつ照合していきました。その結果、すべてがきれいに一本の線でつながったんです。

――大山倍達は祖国を捨て、日本で「世界一の空手家」の名声を手にして長年の夢を叶えるわけですが、その一方で、晩年には祖国への思いを募らせていく姿が本書では描かれていますね。

塚本 韓国での取材で、お兄さんや息子さん(大山倍達は韓国にも妻がいて、もう一つ家庭を持っていた)などに貴重な話を伺うことができました。日本での総裁は、常に公の人であり続けなければいけなかった。しかし、韓国の家族の話からは、すごく人間くさい晩年の総裁の姿が浮かび上がってきました。等身大の人間・崔永宜の居場所が、実は祖国・韓国に存在していたんですね。

(こじま・かずし つかもと・よしこ)

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【BOOKデータベース】
資料五〇〇点、証言者三〇〇人余、渾身の取材で驚愕の新事実続出!同胞同士の抗争に明れ暮れた戦後、アメリカ遠征激闘の真実、祖国のもうひとつの家庭に求めた最後の安息…。伝説の空手家の真の人生が、いま初めて明らかになる。あまりにも衝撃的なノンフィクション超大作。




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by yomodalite | 2007-03-12 15:29 | 報道・ノンフィクション | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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