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世界陰謀全史/海野弘

先日、「陰謀論」をテーマにした本を何冊か読んだ。といった本のなかの一冊。

タイトルは陰謀全史ですが、世界におこった陰謀の歴史ではなく、陰謀論の主役になった集団を年代別に紹介してある。といった内容。

著者は、「陰謀論がなくならないのは、現代世界に霧がかかり、はっきり見えなくなっているからではないだろうか、私たちはそれをはっきり見たいと思い、そのための眼鏡を必要とする。その眼鏡のひとつが陰謀論なのである」とし、

「世界は謎である。世界は秘密と陰謀に満ちている。そのような世界を解読したい、はっきり見たいと思う時、陰謀論という〈アプリ〉が必要となる」と。

マーク・ブース(『世界の秘密史ー秘密結社に操られる』)は、小説はエゴイストに関するものだといっている。つまり個人としての視点から世界を眺めるのである。個人が世界を彼自身の視点から眺め、解釈すること、逆に言えば、世界を解釈しようとする個人がたくさん、すなわち大衆としてあらわれたことと、陰謀論の一般化とは関連している。一般の人が個人として、世界に対してそれぞれ意見を申し立てることができるようになったことが陰謀論の流行とつながっている。すなわち、権力、体制側の解釈としての「大説」に対する個人の抵抗としての「小説」なのである。

世界は複雑化し、部分化していくが、細部へのこだわりは全体を失わせ、世界はバラバラに見えてくる。そのばらばらの部分をつないだ統一的な理論が求められ、陰謀論は呼び出される。

陰謀論者は、さまざまな陰謀説を自在に呼び出すことができ、自在に組み合わせて自説をつくりだすことができる。第一の法則は、陰謀説は、あくまで、今、ここ、にかかわっていることを示し、その説が起源が何万年前のものであろうと、その血脈は受け継がれ、今、ここに生き続け、今なお有効であると考えられるのである。

どんなに古いものでも、すべてを今のこととして考える。今をどう説明するかが重要なのである。それが、「すべてのものは、今につながっている」という法則になる。

というのが、プロローグの要約で、

ここから、隠謀全史の本編となるのですが、それらはウィキペディアの文章にも似て、陰謀論がもつ「解読」の魅力には乏しく、またそれらの真実を覆そうという意図もなく、

21世紀の『秘密結社の手帳(澁澤龍彦)』のような、
夏の読書にふさわしい暑苦しさのない「陰謀論本」だと思いました。

個人的には、第2章の「W・B・イエイツのケルト薄明」、第3章の「ユング・カルト」に興味があったのですが、本書は、まずは妄想全史を俯瞰的にながめてみる。ための「アプリ」のようです。

《第一章》陰謀マトリックスの三つの軸
――フリーメイソン、テンプル騎士団、薔薇十字団
●陰謀論の三つの神話
●フリーメイソン――秘密結社の原型
●テンプル騎士団――秘密の戦士たち
●薔薇十字団――魔術と革命

《第二章》十九世紀末――オカルト・ルネサンス
●現代陰謀論の開幕――フリーメイソンとフランス革命
●十九世紀の心霊主義――フォックス姉妹、ブラヴァツキー夫人の神智学
●フランスの魔術ルネサンス
●黄金の夜明け団
●W・B・イエイツのケルト薄明
●アレイスター・クロウリー 大いなる野獣

《第三章》アーリア神話 大陰謀
――1900年から第二次世界大戦まで
●オカルティズムと戦争――世界征服の陰謀<ナチズム>
●ユング・カルト――陰謀史のユング
・フロイトとの訣別とユングフラウ
・大戦とユング
・ロックフェラーと<心理学クラブ>
・オットー・グロス
・古代異教カルト、そしてアメリカへ

《第四章》アメリカ大陰謀時代――第二次世界大戦以降
●コンスピラシー・アメリカン
●カリフォルニア・コネクション
●アシッド・ドリーム
●カルト戦争

エピローグ
・二十一世紀の陰謀論





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by yomodalite | 2015-07-28 14:00 | 歴史・文化:美術 | Trackback | Comments(0)
最近、タイトルに「陰謀論」が入った本を何冊か読みました。そのきっかけは、『無神論』『ユダ ー 封印された負の符号の心性史』の竹下節子氏の著作ラインナップにこのキーワードを見つけたからで、氏が「陰謀論」をどのように扱われたかに興味があったんですね。


本書は2010年の出版なので、出版界での「陰謀論本」ブームも、まだ勢いがあった頃ではなかったかと思いますが、2015年の今、出版界のブームは去っていても、取材や裏取りを一切行わないネットニュースでは、人を惹きつける楽な手法として、いまだにフリーメーソンやイルミナティなどの古典的なネタが使われていますし、あらゆる情報を陰謀論的な「プロット」にあてはめることに夢中になる個人ブロガーは、今もあとを絶たない。


マネしやすいものは、ネットではより増幅するからですね。


竹下氏は、フランス在住で、東京大学大学院比較文学比較文化修士課程修了。同博士課程、パリ大学比較文学博士課程を経て、高等研究所でカトリック史、エゾテリズム史を修めておられる方。これまでに読んだ2冊の本も学者らしい内容で、精読するにはしんどい内容でしたが、そのなかで、私が理解できた数少ないことのひとつは、ヨーロッパの無神論はアンチ・カトリックから生まれている。ということ。


つまり、ヨーロッパでは宗教=権威で、そこから自由になることが「革命」であり、同時に、様々な「啓明思想」や、聖書を読み変える「神秘思想」も流行した。欧州では、民衆の思いと無神論が一体化していて、知識人以外の無神論の歴史がすごく長いわけです。


ところが、アメリカは、プロテスタンティズムによって創られた国ですから、人々が神の国の理想を追い求め、宗教自体が改革をし続けるため、無数の宗派が生まれることになった。そして、それらの宗派を信じる誰もが、なぜ理想の国へとたどり着けないのかという疑問をもち、その謎を解明したいと思う民衆の要求が、フリーメーソンなどの「啓明思想」や、古い魔術や「神秘思想」などを現代に蘇らせることに繋がった。


と、ここまでは、前書2冊を読んでいるときに思ったことなんですが、


下記は、本書の「プロローグ」から(省略して引用しています)、


陰謀論や終末論は逆説的な現象である。「謀略者」は時として、普通人の理解を拒む少数の強力なグループであったり、実在の巨大権力であったりする。陰謀を「暴く人々」も、少数エリートのグループとして「陰謀の真相」を守りながら、ヒーローのように戦ったり、逆に自分達だけの危機回避を図ったりするし、できるだけ多くの人と連携して「真相」を分け合う一種の布教活動に熱心であったりする。


私たちは自分がいつか死ぬことを「知っている」けれども死がいつどのようにやってくるのか分からない。その実存的な不安は、昔は宗教や民族や家族の大きな物語に組み込まれていた。けれども、今や分断され「自己実現」や「自立」を期待される個人の人生プランの中で、死は想定されていない。「私の死」が、「世界の終わり」に投影されているのだろうか。終末予言とは、自死のメガ・ヴァージョンなのかもしれない。


終末論において、死が生から切り離されて忌むべき「悪」のレッテルを貼られたように、陰謀論においては、無数の謀略や謀議に、常に過大で邪悪な意図が付与されている。


小さな子供たちの顔が輝くならば、それは「善」なのである。反対に、それがたとえジョークや悪ふざけであろうとゲームであろうと、小さな子供たちの顔を曇らせるような陰謀論や「神話」は「悪」なのであり、私たちはそれに加担するべきでない。


陰謀論の多くは、まるでそれ自体が陰謀であるかのように、そっと耳でささやかれ、世界の終わりが、「あなたの終わり」のようにささやかれるのに震えたり、陰謀論という仮想世界の見かけの整合性に感動したり、「謀略者」の悪意に共振したりする。


「陰謀」という名の悪が外にあれば、私たちは相対的に自分を犠牲者として憐れむこともできるし、見えない世界の論理で、見える世界を説明する手際によって世界を理解したい気分になれるかもしれない。けれども、そんな「安心」を得ることで満足していてもいいのだろうか。


(引用終了)



私がここまでマイケルについて書いている理由の中には、そういった思考方法に流されたくないという思いが強くあったのですが、それとは逆に、自分が書いたものが、彼らへの養分になっている例を発見して、何度もブログをやめようと思ったり。。


「謎をとく」とか、「解明したい」というきもちは共感できますが、自分が発見したい内容を無理やり「隠されたメッセージ」だと言ってみたり、結論ありきで、情報をパズルのように組み立てて「謎が解けた」と思えるだなんて、私には、自分に酔っているか、本末転倒としか思えないのですが。。。



本書の「あとがき」より(省略して引用しています)


「陰謀論にダマされるな!」というのは、出来合いの答えに騙されるなということでもあるし、逃亡や攻撃に惹かれる自分自身の心に騙されるなということでもある。この本はその呼びかけの一つだ。現代の終末論や陰謀論のルーツがヨーロッパやアメリカにあることを明らかにしたが、それを肥大させてきたのは、日本を含むグローバルな現代社会に共通したエゴイズムだ。


私たちはみな、少しづつ加害者であるし、被害者でもある。でも、だからこそ、同じ「よりよい世界」を描くこともできると、信じたい。


(引用終了)



正直にいうと、本書で、個々の陰謀論に反証を試みている内容は、力のある論理だとは思いませんでした。様々な陰謀論への本当に有効な反証というのは、ほとんどの場合不可能なものですから。


でも、著者が「ダマされるな!」という姿勢には、なにかにつけて「隠されたメッセージ」を発見してしまう人とは比較にならないぐらい、真実への真摯な姿勢を感じました。


陰謀というか、共同謀議は、いつの時代の、どのグループにもあるもので、それを陰謀論という「筋」にすることで「真実」から遠ざかるということに、陰謀論者は、あまりに無自覚で、


自分の正義だけを信じ、人々から信じる力を奪っていることにまったく気づいていない。


今を読み解くためや、なにかわからないことを解明するために、科学のふりをした精神分析を用いたり、さまざまな過去のピースを集め、パズルのように組み立てるという思考方法は、日々書くネタを探してしまうブロガーには便利な方法です。


筋(プロット)があると、読者は「次はどうなるのだろう?」と思うことができる。とマイケルも言っていましたが(→2007年「EBONY」インタビュー)、「陰謀」や「隠されたメッセージ」という筋は、バラバラのピースをまとめるのに、もってこいなんですね。


その手法に目新しさはないのですが、書き手は、ミステリ小説の結末のように、謎が解明できたという快感で書かずにはいられないのでしょう。


本当にダマされてはいけないのは「陰謀論」ではなくて、「自分」になんですよね。


そう考えると、「自分」にダマされやすい人とは、


誰かを「バカ」や「悪」と断定しやすい人なのかもしれません。



◎[Amazon]陰謀論にダマされるな!





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by yomodalite | 2015-07-21 15:27 | 歴史・文化:美術 | Trackback | Comments(0)
7月になってから大分過ぎていますが、今年の上半期までに読んだ本の中で、
思想・宗教関連の本をまとめてメモ(つまらなかった本と古典はのぞく)。


フリーメイソン=ユニテリアン教会が明治日本を動かした/副島隆彦ほか

去年の7月から、エマソンを読み始め、それ以来「ユニテリアン」と「理神論」のことばかり考えてきたので(嘘)、この中では、出版前からもっとも期待値が高かった本。

副島氏の教育者としての姿勢に感動し、本著もそれぞれの執筆者への指導の賜物であり、『説得する文章力』のスゴさも感じておりますが、例えば「ズバリと書く」というような文章は、副島氏のパーソナリティあってこそのもので、副島隆彦の著作が分業体制になるのなら別ですが、個々の名前で発表するのに、その書き方はないのではないか(妙なところで笑いをとらないでくださいw)と思ったり、

明治を創った人々が、メーソンに影響を受けていることを疑う理由はないのですが、個々の人々がメーソンだった。という証拠は弱いので、その部分への断定口調はいらなかったのではないかとか、

細かい部分に気になる点はあるものの、近代日本を創造した明治の人々が、西欧に何を学び、何に抵抗しようとしたのかについて、現代の日本人は真剣に振り返るべきであり、取り上げられている明治の偉人たちの物語は、日本の未来のために重要な内容だと思いました。





フリーメーソン/吉村正和(写真は旧装釘)

フリーメーソンについて書かれたシンプルでレベルの高い新書。1989年初版(上記の副島本で引用されていた新書は、荒俣宏氏の角川新書「フリーメーソン」でしたが、私はこちらの方が良書だと思いました)。





秘密結社イルミナティ入会講座《初級編》

フリーメーソンより、今は「イルミナティ」でしょ?という方へ。なぜ「イルミナティ」が注目されるようになったかと言えば、「フリーメーソン」が長い歴史の中で実態が明らかにされていて、ネタが尽きたから。実体として現在存在しているかどうかわからない「イルミナティ」には、いくらでも「ファンタジックな味付け」ができるからです。フリーメーソンの起源は、16世紀後半から17世紀初頭と言われていますが、イルミナティの創始者と言われるアダム・ヴァイスハウプトは1748年から1830年を生きた人。本書はヴァイスハウプトによる著作の初訳で、ドイツ語の原典からの翻訳のため(まともな英語翻訳がないからでしょう)、固い文章ではあるものの、「啓明思想」を立ち上げた人のただならぬ知性と熱気が伝わります。





タルムードの中のイエス/ペーター・シェーファー(著)上村静、三浦望(訳)

ユダヤ教の教典である「タルムード」で、イエスはどのように描かれているのか。について、ヘブライ大学、フライブルグ大学で、神学、哲学、ユダヤ学、新約聖書学を学び、1998年からは、ユダヤ学の教授として、プリンストン大学のユダヤ学・宗教学教授を務めるペーター・シェーファー教授が2007年に書いた本。

私は『MJ Tapes』の予習として読んだのですが(笑)それはさておき、

本書から、タルムードには、実際にイエスに関して侮蔑的な表現が多くある。ということが証明されたと息巻いている反ユダヤ主義の方もいるようですが、そういった方は、キリスト教の聖書に、どれだけユダヤを侮蔑する表現があるかをご存じなく、常に自分にとって都合のいい部分だけを「証拠」として発見してしまう癖があるのでしょう。

ユダヤ教では、ユダヤ人以外を侮蔑している。という表現も多く見られますが、著者は、これ以上は無理と思えるほど公平に、ユダヤ教とキリスト教、それぞれの視点から語っていて、アカデミックな学者が書いた本になっています。また、著者は、多くのラビが語って来なかったタルムードの内容の発掘にも努めておられるようで、いわゆる聖書物語には見られないような歴史に対しての記述にも、とても興味深い点がありました。

◎[Amazon]タルムードの中のイエス



聖書を読む/中村うさぎ、佐藤優

前著「聖書を語る」の続編。今回おふたりが読んだのは、創世記、使徒言行録とヨハネの黙示録。

佐藤氏は、本書を日本語で読むことができる神学的な思考方法を知るための最良の手引きだと書かれています。確かに、神学的な思考方法は、西欧思想の基盤なので、ここを通過しないで「哲学」とか言っても日本以外では通じないというか、通じたとしても、それは「思想」ではない。残念ながら…

そんなわけで、本書の半分以上をしめる「創世記」に、長いなぁと何度も感じるものの、信仰としてではなく「聖書」に興味をもっている者としては、矛盾が多いこの神話を読み解くことを何世紀も続けているという点が興味深い部分でもあり、ガマンして読み進めると、気鋭の作家おふたりによる会話に、共感できる部分も多々あり、それぞれ魅力的なおふたりについても、よくわかるうえに、幕間には、岡崎京子の『へルタースケルター』、巻末には『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を読むという対談も収録されていて、

佐藤氏が言われるように、やはり「最良」の書だと思います。




完全教祖マニュアル/架神恭介、辰巳一世

『仁義なきキリスト教史』が面白かったので、こちらも読んでみました。

キミも教祖になろう!という序章では、教祖生活の素晴らしさが語られ、本文では、ホントに信者はできるの?という不安への答えから、第一部、思想編では、神の生み出し方、既存の宗教をどう焼き直し、高度な哲学を備えるにはどうすればいいのか?そして獲得した信者をどう保持するか、など。

第二部、実践編では、不況の仕方や、甘い汁の吸い方、後世への名の残し方まで!至れり尽くせりの内容で、その他、豊富なコラムで、日本や世界の既存の宗教についての知識も深まります。著者のまとめ方の上手さで、レベルの高い新書になっています。




世界がわかる宗教社会学入門(ちくま文庫)/橋爪大三郎

各宗教に関して手堅くコンパクトにまとめられているのですが、『不思議なキリスト教』の方が面白く、師匠である小室直樹氏の『日本人のための宗教原論』より見た目も内容も薄い。






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by yomodalite | 2014-07-09 22:36 | 宗教・哲学・思想 | Trackback | Comments(0)
陰謀論とか、アメリカのことも、越智道雄氏の本を読めば、カンタンにわかるような気がして(ずっとそんな気はしていたものの、未読だったので)ざっくり2冊読んでみました。

まずは「秘密結社」の方から。

古い翻訳本ばかり読んでると、なかなかわからないことが多いせいか、自分が途方もなくアホなような気がしてくるんですけど、新書って1、2時間ですぐに読めて、内容が凝縮されているせいか、すぐに頭が良くなれそうな気がしてしまいます。

また、B選書と言っても、B層向けというわけではなくw、ビジネス社という素敵な出版社の「選書」で、確かに見た目は安っぽいのですが(失礼)、一見上品そうな装幀でありながら、詐欺まがいのタイトルで売ろうとする、どこかの有名出版社の新書とは真逆で、B選書には、山本七平氏の「日本の歴史」「旧約聖書物語」「日本資本主義の精神」などの素晴らしいラインナップがあり、

また、単行本としては、本書のあとがきで、越智氏も触れられていますが、アメリカで20世紀末、一般読者が選んだ百冊の第一位に選ばれているにも関わらず、日本では、これまでまったく無視されてきた、アイン・ランドの「水源」「肩をすくめるアトラス」という小説を2冊も出版し、そのうえ「利己主義という気概」というランドの政治思想エッセイ集まで出版されるという、本気で素晴らしい出版社だったりするので、

もう、すっかり読む前から「陰謀論」とか「秘密結社」など、もっと詳しく知りたい方にオススメーー!!! なんて、ブログに書く気満々で読みはじめました。

下記は、本書の目次。

[序章]今日のアメリカ秘密結社の機能と日本
アジアでの自国の相対化を先読みできる日本版CFRは?
「アジア新三国志」は日中印? 米中印?
現代人は「市民」で同時に「結社員」?

[第1章]アメリカ建国とフリーメースン
ーなぜ「野党型秘密結社」を必要としたのか?

・大英帝国への反逆の核になったフリーメースン
・海賊になった十字軍、陸にあがった海賊
・合衆国を「巨大ロッジ」として建国したメースンたち
・ワシントンの就任式、合衆国建国?メースン建国?
・首都に浮かび上がる「悪魔の五芒星形」
・「議事堂フクロウ」と「トリプル・タウ」
・なぜ多数のメースンがアメリカ建国に関わったのか?
・奴隷取引で蓄財した今日の銀行群
・阿片の富が流れ込んだアイヴィリーグ
・メースンの使命終了と新たな結社の登場

[第2章]スカル&ボーンズ
ー野党型から与党型への変遷の背景

・なぜ他愛もない学生クラブがアメリカ秘密結社の代表なのか?
・「人肉を喰らう」とは「弁証法的手口」?
・ボーンズマンは敵味方の境界を越えて一枚岩か?
・表の世界と裏の世界の価値観を入れ換える儀式
・ボーンズマンが陰謀史観論者らにネタを提供するシニシズム
・ブッシュ息子が政権に登用したボーンズマンは十一名
・7人の大統領に仕え、反日を説いた「日本の宿敵」
・「スティムスンの幼稚園」と「園児」たちの中核
・「後期スティムスン・グループ」と「ヴェトナム瓦解」
・「与党型秘密結社」が見切った現下のアメリカの宿命

[第3章]世界統治面での「均衡保持型秘密結社」の原型
―「セシル・ローズの秘密結社」と「ミルナー・グループ」

・古今未曾有の「大英帝国連邦」妄想に取り憑かれた男
・「セシル・ローズの秘密結社」の存在理由
・アルフレッド・ミルナーと彼の「幼稚園児たち」
・国際連盟を舞台に帝国連邦が米ソの均衡をとる野望
・「フォーニー・ウォー」がなぜ起きたのか?
・与党型秘密結社から均衡保持型秘密結社への移行

[第4章]今日の均衡保持型秘密結社
―「国際関係審議会(CFR)」「ビルダバーグ(BB)」「日米欧委員会(TC)」

・米行政独自の「政治任命職」は陰謀史観の温床?
・CFRの成立とその生みの親ハウス大佐
・情報ゼロの政権に驚嘆すべき巨資的展望を提供
・CFR案(米中復交)を横取りしたニクスンたち
・ニクスンの疎外感と陰謀史観論者らの疎外感
・EUやNATO関係諸国と合衆国を連結するビルダーバーグ
・BB創設者レティンガーと「ヨーロッパ合衆国」
・「国家群の経済的越境」とTC誕生の背景
・TC三角形の日=欧を結ぶ辺の糞詰まり
・レーガン政権に噛み付いた均衡保持型結社としてのTC
・同一シンクタンク・メンバー同士が現実政治の場に立つと
・何がカーターに火中の栗を拾わせたか
・「強化合宿型折衝」、稲妻と雷雨のうちに終了

[第5章]陰謀史観論的結社としてのキリスト教右翼
―パット・ロバートスンの場合

・「頭脳」のネオコン、「手足」のキリスト教右翼
・「新世界秩序」、ブッシュ版とロバートスン版
・「大淫婦」と「再臨のキリスト」、湾岸戦争
・諸問題の現実的解決の不在につけこむ幻想的解決
・最低線のキリスト教徒を政治家した「支配神学」

[終章]「9.11」
―日常化された「秘密結社衝動」再度の非日常化

・秘密結社衝動の日常化と「新世界国家」
・今日のフリーメースンと「9.11」で震撼した結社衝動


上記の目次からも、秘密結社をどろどろとした「悪の組織」として描くのではなく、「現実的な世界戦略を立てるエリート層の組織」と定義づけ、9.11まで、現実の政権にどのように関わって来たかを端的に説明された内容ではあるのですが、、、

わたしは「陰謀論」「陰謀史観」と呼ばれるものは、現在の報道に疑問をもつという意味では、非常に大きな力があると思いますが、それ以上の現実的な「力」となると、その方向性に、かなり疑問を感じるところがあり、

もう少し正確に「敵」を知ることが必要なのではないかと思ってみたり、また、日本でのそれらの扇動者は、いい加減な輸入知識を応用しただけで、怠慢な商売をしている人が多いなぁとも感じていました。

著者は、序章で、

私たち日本人は「日本が中心にいないアジアの近未来」を想定できる視点をもっているだろうか?と疑問を投げかけ、「CFR(国際関係審議会)」の機関誌、編集長の予測を紹介し、こういう想定を精緻にさぐる機関が日本にあるだろうか?と問い、中国にはあるはずだ。インドにも生まれつつあるだろう。

しかし、日本人に代わって、日本がアジアにおける「新三国志的状況」を真剣に考えてくれているのは「CFR」だけで、それこそが「安保ただ乗り」で、先読みすらアメリカ任せなのだ。

もうひとつ言えば、日本ではこういうことを日々考察している組織は、毎日陰謀を企てているようなもので、今日の日本人にはかなり不気味な存在であり、民衆の間にアメリカ以上に「陰謀史観」をあおりたててしまうのではないか。(中略)もしそういう組織があれば、秘密結社的に活動するしかなくなるだろう。

本書で扱う「アメリカの秘密結社」の機能の根本はここにある。つまり、アメリカが世界戦略をどれくらい秘密結社に頼って来たか、その歴史を概観することによって、迫り来るアジアにおける新三国志的状況への日本人の自覚の覚醒に役立てて頂きたいのだ。


と書いておられるのですが、実際のところ、どう役立てていいのかわからないというか、(私が、フツーの主婦であることを脇においてもw)、ところどころで、陰謀論に傾倒せざるをえない民衆に対して、侮蔑感が感じられたり、

それとは逆に、著者がこれまで熱心に研究されて来たWASPに対しての親近感が、著者の意図とは逆に作用しているように感じられる点など、結局、これでは、現状維持で変化を望まないだけの「体制派」を応援しているというか、陰謀論の効果的な面を無力化するに留まっているように感じられました。

陰謀論への傾倒を、侮蔑されているように感じられる点さえ我慢すれば、著者は、真面目にその背景を研究されている、日本では他には見当たらないような研究者なので、その知識を学ぶことで、陰謀論者も、そこから啓示を受けた方も、一層、それらを深めていくことが出来ると思うのですが、、、

越智氏ほどの知識がある方なら、もう少し異なるまとめ方をすることで、もっと広汎な読者にウケたのではと、ちょっぴり残念な思いを抱きつつ、

その4年後の2009年に出版された『オバマ・ショック』に続きます。

◎「秘密結社」越智道雄(アマゾン)

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[BOOKデータベース]アメリカを悩ませてきた頭脳(結社)と手足(陰謀史観派)の相克を初めて解決できた政権こそブッシュ政権。頭脳に結社(ネオコン)、陰謀史観派(キリスト教右翼)を手足、米系多国籍企業を心臓と胴体、腕力を軍産複合としている。ビジネス社 (2005/06)





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by yomodalite | 2011-12-11 15:08 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

民間が所有する中央銀行―主権を奪われた国家アメリカの悲劇

ユースタス マリンズ/秀麗社



以前から気になっていた本ですが、想像以上に読みにくさを感じたのは、サッカー脳になっていたからでしょうか?

【目 次】
第1章 ジキル島の秘密会合
第2章 オールドリッチ作戦
第3章 連邦準備法
第4章 連邦諮問評議会
第5章 ロスチャイルド家
第6章 ロンドン・コネクション
第7章 ヒットラー・コネクション
第8章 第一次世界大戦
第9章 農業不況
第10章 通貨創造者
第11章 モンタギュー・ノーマン卿
第12章 大恐慌
第13章 1930年代
第14章 議会の暴露
終章 補遺

↓http://art.asablo.jp/blog/2005/09/03/62030

米国の中央銀行である連邦準備制度(FRB)は、民間が所有する銀行である。
1910年12月、ジキル島で秘密の会合があった。このジキル島会議に出席したのは、ネルソン・W・オルドリッチ上院議員(ネルソン・ロックフェラーの母方の祖父)、彼の秘書のシェルトン、財務次官補であり全国金融委員会の特別補佐官でもあったA・ピアット・アンドリュー、ナショナル・シティ・バンク・オブ・ニューヨークの頭取フランク・ヴァンダーリップ、J・P・モルガン商会のヘンリー・P・デーヴィソン、ファースト・ナショナル・バンク(モルガン)のチャールズ・D・ノートン、J・P・モルガンの上級代理でありバンカーズ・トラストの頭取ベンジャミン・ストロング、そしてクーン・ローブ商会のポール・ウォーバーグというメンバー。

12の連邦準備銀行の本源はニューヨーク連邦準備銀行である。
ベンジャミン・ストロングがニューヨーク連邦準備銀行の初代総裁に就任している。

● 制度全体の真の支配者はニューヨーク連邦準備銀行の株主

12地区の連邦準備銀行の株式は、それぞれ地区の国法銀行が購入した。ニューヨーク連邦準備銀行が金利を設定し公開市場操作を指揮することによって合衆国の通貨の日々の供給と価格をコントロールしたので、制度全体の真の支配者はニューヨーク連邦準備銀行の株主である。

ニューヨーク連邦準備銀行は20万3053株を発行し、大手のニューヨーク市の銀行が発行株式の過半数を取得した。

ロックフェラーとクーン・ローブが支配するナショナル・シティ・バンクは3万株で、他の銀行と比較して最大の株数を取得した。さらにJ・P・モルガンのファースト・ナショナル・バンクは1万5000株を取得した。この2つの銀行が1955年に合併したとき、単独でニューヨーク連邦準備銀行の4分の1近くを所有し、制度全体をコントロールした。そしてこのことにより、連邦準備制度理事会の議長には、ポール・ヴォルカーであろうとだれであろうと、彼らが適すると思う者を指名することができるようになった。

チェース・ナショナル・バンクは6000株を取得した。のちのマリーン・ミッドランド・バンクであるマリーン・ナショナル・バンク・オブ・バッファローは6000株を取得した。ニューヨーク市のナショナル・バンク・オブ・コマースは2万1000株を取得した。

ニューヨーク連邦準備銀行の株式を所有するこれらの銀行の株主たちは、1914年以来われわれの政治的および経済的運命をコントロールしてきた人びとであり、彼らは、ヨーロッパのロスチャイルド家、ラザール・フレール、クーン・ローブ商会、ウォーバーグ商会、リーマン・ブラザーズ、ゴールドマンサックス、ロックフェラー一族、そしてJ・P・モルガン財閥であった。

これらの同業者連は近年になって合併したり統合したので、コントロールはさらに集中している。

その他の11の連邦準備地区では、同一の株主がこれらの銀行の株式を間接的に所有するか、もしくは支配している。その他の株式はそれらの地区の主要産業を所有または支配している主要一族によって所有されている。
___________

【内容「MARC」データベース】合衆国の中央銀行の陰謀に包まれた起源を明らかにし、同時に、それは世界的なシオニスト帝国主義とテロリズムの基本的な道具であるという事実を公開する。秘密にされた強力な連邦準備制度について記した唯一の歴史書。 秀麗社 (1997/10)


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by yomodalite | 2007-07-30 13:27 | ビジネス・経済・金融 | Trackback | Comments(0)

レンヌ=ル=シャトーの謎―イエスの血脈と聖杯伝説 (叢書ラウルス)

マイケル ベイジェント,ヘンリー リンカーン,リチャード リー/柏書房




読書好きならば、読まずにはいられない刺激的な著。アマゾン評では読みづらいと言うレビューが多いようですが、この固さだから、より刺激的なのでは?

◎[参考サイト]悪魔には問題があるが、神についても疑問はある

___________

[BOOKデータベース]今世紀最後の「神」の謎解き!「神の謎」をめぐる一連のベストセラーの始祖、ファン待望の大著。南フランスの一寒村はなぜ有名な「ミステリースポット」となったのか。巨万の財宝、プッサンの絵の謎、メロヴィング王朝の正当血脈とは。

[MARCデータベース]
フランス南部の小村レンヌ・ル・シャトー。19世紀末この村にいた司祭が残した財宝物語の暗号文の謎とは? ヨーロッパ暗黒史でうごめく秘密結社もからめた、大ベストセラー待望の邦訳。


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by yomodalite | 2007-04-02 20:06 | 宗教・哲学・思想 | Trackback | Comments(0)
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TVドラマの脚本家として、
昭和のTV界で脚光を浴びた著者の略歴に惹かれて読みました。


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by yomodalite | 2007-03-23 18:22 | 評論・インタヴュー | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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