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紅葉を見に行った帰りに、書店に駆け込んで本を買う

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日曜のこと。天気も良くてあたたかくて、紅葉を見にドライブするのがぴったりな気がして、外でも使えるカセットコンロと、ちっちゃなプライパンと、バドミントンセットだけ車に詰め込んで出発した。

ダーリンが「紅葉見にいこーーうよ」って、ソコだけ何度も歌うので、一旦マイケルストップして、youtubeで全曲リプレイ。私も負けじと大声で「土日は千円高速走らせて、いこーーよ」って歌う(バカ夫婦)。





久しぶりに車の屋根を開けて、気持ち良い風に吹かれながら、市内から1時間以内で行ける川遊びや、バーベキューが楽しめる場所に到着。来る途中のコンビニで買ったウィンナーとか、卵とか、ししゃもとか、全然BBQとは言えないようなショボさなんだけど、それでもすごく美味しくて、

赤や黄色に美しく色づいた山を眺めて、川で遊ぶ子供の歓声を聞きながら、超絶ヘタなバドミントンでちょっぴり汗を流したりして、精一杯カラフルコミュニケーション(50TA)して、すごくリフレッシュできた・・・

はずなんだけど、なぜかそうはならなかった。

3時を過ぎて、空が少し暗くなると、気持ちも暗くなってきて・・・朝からずっとゾワゾワとした不安が、こんな清々しい場所でのんびり過ごしても改善されなかった焦りも加わって、もうこのままの気分で家に戻れない・・・それで、私だけ駅前で車を降り、急いで書店に向かった。

とにかく、日本の小説が読みたい。

今の自分の不安とは全然ちがう世界に浸っていたい。少し息苦しいような気持ちでメモしてあった本を片っぱしから探して、手に取っては棚に返すことを繰り返した。

一番最初に探したのは、『こちらあみ子』を読んでから、次作が待ち遠しくて仕方なかった今村夏子氏の『あひる』。


単行本化まで待つつもりだったんだけど、どうしても今日読みたくなって、検索機で掲載されている文学誌(「たべるのがおそい vol.1」)の在庫を調べたら・・ない。

大げさじゃなく、本当に崩れおちそうな気分だったのだけど、なんとか気持ちを鎮めようと、先日の「アメトーク」の読書芸人に初めて登場したカズレーザーおすすめの本を何冊か立ち読みして回っているうちに、この書店にもその番組の特設コーナーがあることに気づいた。


人気作家ばかりだし、元々読もうとおもっていた作品も多いのだけど、いい感じとは逆に胸がドキドキする状態だったせいか、どれも最後まで読めそうになくて、もう立っているのも限界になってきたところで、コーナーの隅っこに「たべるのがおそい」が1冊だけ置いてあることを発見し、あわててその一冊を掴み、西加奈子氏の『まく子』と2冊を抱えて、座って読める場所へ移動して、ドキドキしながら、『あひる』のページを開いた。

『あひる』は、ほんの数十ページの短編。普段なら聞き入ってしまうこともある、書店内で流れている著者による本の宣伝放送も、この日はじゃまにしか感じられず、冒頭の数行で、もうこの場所では読みたくないという気持ちになってしまった。

それで、「たべるのがおそい」に関しては、『あひる』以外のページを長く見ていた。今村氏以外にも、穂村弘氏が冒頭のあいさつ、円城塔氏の短編があり、投稿作品もレベルが高そうで、ちょっと素敵な現代短歌も多く納められていて、編集者によるおすすめ本のコラムも面白そう。



それでも、単行本まであと数日待つかどうか決められない(出版元は同じく書肆侃侃房)。


だんだん悩んでいることに苦しくなって、今度は『まく子』を開いてみる。

まくことが好きなのは、男だけだと思っていた。
1位になったF1レーサー、優勝した野球チーム、土俵入りするお相撲さん、いつだって何かをまいているのは、男だ。例えば節分の日、神社の刑ないで豆をまく人たちだって、女より男の方がはしゃいでいるし、ぼくのクラスメイトでも、水をぶうっと吹いて遊ぶのや、砂場の砂を投げつけてくるのは、いつだって男子だ。

11歳の男の子がそう語っていて、今日読むのは、これしかないと思った。


書店から家までの20分ほどの間、早く家に帰って、ベッドに潜り込んで、この本を読み耽っていたいという一心で、早歩きしていたんだけど、家が近づいてくると、帰ってすぐやらなくてはならないのは、夕食作りだと気付いた。

そういえば、結婚してた。みたいな感じで、少し愕然としたんだけど(今さら?)明るく「ただいまーーー!」っていうところまでは回復できた。

アメリカにも韓国にも、西加奈子がいればいいのに。。


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by yomodalite | 2016-11-15 13:55 | 文学 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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