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レクイエムの名手 ー 菊地成孔追悼文集

レクイエムの名手 菊地成孔追悼文集

菊地 成孔/亜紀書房

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この本は発売直後2015年の11月に買ったのだけど、最後まで読むのに時間がかかって、読んだあとも、なかなかブログアップ出来なかった。例のごとく、あの人のことで手一杯だったwというのもあるのだけど、この本をどう感じたかとか、どこをピックアップするかとか、そういったことのすべてがむずかしくて、他にも、すごく面白かったのにブログに書いていない本が、菊地氏の場合は特に多い。


以前、山口瞳氏が書かれた『追悼』を読んだときも、まったく知らなかった人の話で泣いてしまうことが多くて、それで本書のことも、少し身構えるような感じでページをめくったのだけど、一番最初の追悼である、「二つの訃報」には、菊地氏の父親と、かつて演奏した経験のある店のマスターの死、そして、次の「というわけで、今週は当欄お休みします」というタイトルの内容は、菊地氏が忙しく(そして喪中のため)ブログの更新ができない、という内容で、その次の「今日で君とお別れ」は、eMacとの「別れ」・・・


若干、気が抜けたというか、追悼って色々あるのね・・なんて思ったのもつかの間、その後はやっぱり、どんどんと人が亡くなっていく。追悼集だから、あたりまえなんだけど・・・


菊地氏にとって、身近な存在だった人と、遠くから影響を受けた人、忙しい日々の中で、様々な人が亡くなって、それに心を動かされながら、今日を過ごしている菊地氏の「生」が生々しく感じられることも・・・


本書に登場したのは、


マイケル・ブレッカーアリス・コルトレーン/植木等/清水俊彦/カール・ゴッチ/ミケランジェロ・アントニオーニ/イングマール・ベルイマン/テオ・マセロ/蒼井紅茶/ウガンダ・トラ/マイルス・デイヴィス/飯島愛/エリオ・グレイシー/忌野清志郎/マイケル・ジャクソン/三沢光晴/平岡正明/武田和命/ジョージ・ラッセル/加藤和彦/クロード・レヴィ=ストロース/浅川マキ/アレキサンダー・マックィーン/今野雄二/谷啓/キャプテン・ビーフハート/エリザベス・テイラー/団鬼六/ギル・スコット=ヘロン山本房江(仮)/ジョン・コルトレーン/ビリー・ホリデイ/レイ・ハラカミ/エイミー・ワインハウス/柳ジョージ/立川談志/川勝正幸/伊藤エミ/桜井センリ/コーリー・モンテース/大瀧詠一/井原高忠菊地潔藤村保夫中山康樹DEV LARGE菊地雅章/相倉久人



山口氏の本と同様、菊地氏の本にも知らない名前がいっぱい登場する(太字が知らなかったひと)、と思ったのだけど、あらためて追悼されている人を書き出してみたら、思ったよりも知っている人の方が断然多かった。追悼の主役以外でも知らない人がたくさんいて、それでそういう印象をもったのかな。


知ってると思ってた人だって、亡くなってみたら、全然ちがう感じで、出会えた。ということを毎日のように経験しているからか、常に身近にいる人以外の「死」は、その人に出会えなくなったわけではなく、これから出会える人、ということもあるのだと思う。


有名人の死に対して「R.I.P」だなんて言ってるのをみると、そんなこと言わなくたって “安らかに眠っている” に決まってるって、思ってしまうのだけど、ここには、それとは真逆の〈追悼〉がある。


本書のどこかをピックアップしておきたくて、色々迷ったのだけど、「クロード・レヴィ=ストロース逝去」っていう文章にしました。理由は、読めばすぐわかります(笑)



◎クロード・レヴィ=ストロース逝去


今、これを書いておりますのは16時55分。非常に美しいタ焼けが新宿を染めています。書いている間に、宵闇は夜へと変わるでしょう。ここ1週間ほどは、映画本の追い込みで、特に、最後に書いた「大日本人」と「しんぼる」への評に時間がかかり・・(中略)・・やっと書き終わったのが11月1日の早朝でした・・(中略)・・それからワタシは仮眠をとってからシャワーを浴び、「ああ。やっと終わったよ。終わった!」とロに出しながら街を歩き、先ず西武新宿の「PEPE」でミュグレーのエンジェルをまとめ買い、それから伊勢丹メンズ館に流れて、アレキサンダー・マックイーンのムートン襟のコートを注文し、靴を2足買い、・・(中略)・・そしてそのまま「映画本が書き終わったら、先ずこれをしよう」と決めていた事を実行しに、半ばフラフラしながらバルト9に向かいました。11時25分からのレイトショーでしたが、100人近い人々が集まっていました。

 

「THIS IS IT」についての詳しい感想は、次のトークショーで松尾さんと西寺さんと一緒に話しますが、とにかく冒頭から泣きっぱなしで崩落寸前になり、物凄い元気が出て笑い。という事を往復しながら、最後はどんどん落ち着いて来て、爽やかな中にもちょっとした重さが残る。といったコースでしたけれども、何れにせよ天才は重力を超える等当たり前(合気道の達人、修行を積んだヨーギ、西アフリカのヒーラーの如く、全く体重と、その移動を感じません)で、重力どころか、「時間」をもコントロール出来るのだと言う事を、嫌と言う程見せつけられました。登場する全員がインターロックし、トランスしているこの映画では、マイケル・ジャクソンが、時間を追い抜き、時間に追い技かせ、時には遡行さえし、常に時間を生み出し、いつでも自由に止められるという様が映し出され続け、ワタシが思ったのはむしろ「よく50まで生きたな」という事でした。ずっとチャーリー・パーカーを思い出していたからです。

 

我々ジャズメン全員が、個々人の程度差は兎も角、国語の様にしてパーカーのフレーズが血肉と化している、起きたら脳内にパーカーフレーズが鳴り、それが一日中続いている。という、パーカーの子等であるのと全く同様の事が、マイケルにも起こっています。パーカーもマイケルも、先生がいません。全く独学で(ジェームス・ブラウンやレスター・ヤングなど、素材はありましたが)全く新しい身体言語を生み出したのです。そして二人とも、派手に飛んだり、浮遊したりといった、ケバケバしいスペクタクルなしの、常に地に足がついている状態で、重力も時間も完全に超越している事を我々に知らせるのです。終了後には(小さく。ですが)拍手も起こっていました。この映画が最も素晴らしいのは、神域にあろうと、人間は人間だ。という当たり前の事を、雄弁に描いている事です。

 

 本を書き終え、目的も達成し、犬荷物と深い溜息を抱え、ワタシは部屋に帰って来ました。そしてレヴィ翁が亡くなった事を、フランスにいる友人からのメールによって知らされたのです。そのメールには「悲しいかな、京都のコンサートは良くなりそうだな」と書いてありました。ペペ・トルメント・アスカラールという楽団は、ワタシの幼少期に於ける「街と映画館」の記憶と、クロード・レヴィ=ストロースの著作から受けたイメージの集積とで出来ており、そして、その初期設定を更新したのが、最新作の『ニューヨーク・ヘルソニック・バレエ』なのです。ワタシが京都公演に「悲しき熱帯〈京都〉」というタイトルをつけたのは、初期設定の更新前と更新後の境界越えを京都で行おうという意図に依る物でした。

 

 アルチュセール、バルト、ドゥルーズ等の時とは全く別の感慨に囚われているのは、神域にある能楽師の舞いにも似た、MJの姿を観て帰って来た事も関係あるかもしれません。レヴィ翁を超える、長寿の知識人は今までもいませんでしたし、これからもいないでしょう。「天寿の全う」という言葉が、どんどん重みを増して行く昨今ですが、レヴィ翁の逝去ほど、この言葉が似つかかしい物はないでしょう。翁の魂はどの地域の、どの部族の空に向かって飛ぶのか。ワタシに出来る事は地に足をつけて演奏し、その魂の行方を心眼で追う事だけです。夜の帳が降りました。ごきげんよう。


(初出「PELISSE」2009年11月4日)


この本には、「マイケルの56回目の誕生日」に引用した記事も収録されていて、その記事のように、曲が手向けられている記事も多い。例えば、エイミー・ワインハウスには、レゲエヴァージョンのクリスマスアルバムから、ザ・シマロンズの「サイレント・ナイト」、ピーナッツの伊藤エミには、ニーナ・シモンの「アイ・ラブズ・ポーギー」が選曲されている。


それで、レヴィ=ストロースの死のBGMには、『THIS IS IT』の全体が流れていると思うと、レヴィ翁の本をもっとも読め、という啓示かも、と思ったり・・・。


でも、ミュージシャンが大勢登場するこの本の中で、曲名がタイトルになっているのは、「ビリー・ジーン」というマイケルだけなのだ。


ずっと不思議だった、あの日の記事のタイトルがどうして「ビリー・ジーン」だったのかは、この本を読了したあとも、やっぱりわからなかった。


◎[Amazon]レクイエムの名手/菊地成孔追悼文集




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by yomodalite | 2016-02-26 06:00 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

マイケルの56回目の誕生日を前に[1]Close to you

ここにあった記事は
下記に移動しました。


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by yomodalite | 2014-08-01 10:33 | MJ Birthday | Trackback | Comments(0)

歌舞伎町のミッドナイト・フットボール/菊地成孔

歌舞伎町のミッドナイト・フットボール - 世界の9年間と、新宿コマ劇場裏の6日間

菊地成孔



最近まで、何度か恩義に感じてはいたものの、氏のあまりにも素敵な感性にも教養にも、つよく影響受けてしまうのが怖い…

という乙女心からか、手に入れただけで何冊も「積ん読」状態だった、菊地成孔氏の本をついに読んだ。全速力で。ふぅーーーー予想どおり凄かった。

(おわり)

って感じで終わってもいいんだよね。ブログって(笑)

ていうか、その方が普通だよね?

大体、いつも長過ぎるんだって。

長過ぎたなぁっと思って、短く削るのにさらに時間使ったりして、いつも思うのだ。

アホかと。

いったい何をやっているのかと。

それで、この間にフラフープでも回していたら、何カロリー消費できたかとか、ちょっぴり考えるんだけど、やっぱり、菊地氏の本から少しメモしておくことにします。

素敵な本ばかりなので、どれにしようか迷って、最初『ユングのサウンドトラック』にしようと思ったのね。白いジャケットがおしゃれだから。。

でも、その本は個性が光る映画レヴューだから、記録しておきたくない(映画についての誰かの感想をできるだけ覚えておきたくないの)、『スペインの宇宙食』も、デヴュー作だし、おしゃれだし、白いしw、あと、東大の講義録の文庫は単行本に比べて表紙が...残念で、ヒョードルとかノゲイラのことも気になるし、白くていいなって思ったんだけど、

私の苦手な新宿「歌舞伎町」がタイトルの黒い本から、MJに関連した部分を少しだけ。。


「マイケル・ジャクソンの鼻」

(p201~204からつまみ食い)

「どんなに頑張っても、日本人と黒人はノリが違うよ」というのは、現在では80%は信仰で、真実は20%ぐらいじゃないかな。と思います。(中略)

結論を言えば、米製ブラック・ミュージックチャートゲッターは、エレクトロとテクノとの境界を大胆に壊しているのに対して、日本のそれは、全然そこまでいってません。でも、チャートゲッターでなければ、例えば、夜中にやってるクラブカルチャーを紹介する番組で流れてる、もうぼくには名前もわからないDJ達の音楽は、軽々とそれをやってます。

これは、日本のチャートの保守性。というより、米国のチャート、特にブラックミュージックの先鋭性。と考えた方が良いと思います。MIS - TEEQなんて、もうあれCGです。ビヨンセもジャネット・ジャクソンもCG。凄い素材をあらゆる人工化によって、完全に制御しています。極端に言うと、プロトゥールス(編集装置)。切り貼りが過ぎて音が汚いと思う側面すら有ります。(中略)

ですから、米製ブラックミュージックのチャートゲッターに特化される物は「人工美」への徹底と、基礎リズム感であるアフリカ訛り。そしてどういうわけだかあの「宇宙臭さ」。ね?宇宙船と交信してるようなイントロダクションの多いこと多いこと。そしてこの2つは、明らかにマイケル・ジャクソンを発祥にしていると断言して良いでしょう。

野田努さんの名著『ブラック・マシン・ミュージック』は、黒人を筆頭とする、すべての被差別者の哀しみが、何故もう宇宙に向かうしかないのかを克明にルポしているのですが、まあ、マイケル・ジャクソンには触れていない(そういう本じゃないから)。しかし、徹底した人工美と宇宙。もっと言えば、地球の歴史を総て詰め込んだタイムカプセルとしての宇宙船に乗っている感じ。

米製ブラック・ミュージックのチャートゲッターの多くは、マイケルの引力の中にいる。フロイディアンとして言わせていただければ、マイケル・ジャクソンの自我の中にあるわけです。日本人はプリンスの真似は出来ても、マイケル・ジャクソンの真似は出来ません。そしてそれは日本人に限ったことではないんですね。

クレオパトラの「鼻があと1センチ低かったら」歴史は変わっていた。という、古い格言を想いだしました。

(引用終了)

「マイケル・ジャクソンの鼻が低いままだったら、歴史は変わらなかった」

氏の解説によれば、上記の文章は2003年、雑誌「スタジオ・ヴォイス」12月号が初出。私はそれよりずいぶんと気づくの遅かったけど、気づかないよりは「マシ」だったと思う。

[追記]あきらさんからとてもとても素敵な動画を紹介していただきました!


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by yomodalite | 2013-11-19 09:02 | 現代文化・音楽・訳詞 | Trackback | Comments(3)

雑誌BRUTUS「特集ラブソング」…

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街にクリスマスツリーも登場して、すっかり寒くなってしまったけど、

ハーゲンダッツ全品178円!っていうの、見たらどーする?ミニカップだけじゃなくて、クランチもクリスピーも全部178円て書いてあったら、、

アイスクリームはケーキやクッキーに比べれば炭水化物が含まれてないから、血糖値の上昇が穏やかで...とかなんとかの怪しげなダイエット情報を頭の中で総動員しまくって、

全種類「買う」よね。(決めつけw)

で、そんなこんなで、季節限定「紫いも」味を食べつつ、
私が知らない名曲に期待して、雑誌BRUTUSの「特集ラブソング」を読んでみた。

最初の方は、著名人が1曲のラブソングをとりあげて語っていて、西寺郷太氏が「She's Out Of My Life」をとりあげてたりするんだけど、MJの恋話に興味がもてないせいかグッと来なかったり(なんでだろう?… 嫉妬かなw)、

そのあと、各界の有名人が自分の好きなラブソングを3曲選んでる部分は、自分が知らない名曲が発見できたり、あのひとの意外な一面が… みたいな興味で見ていたんだけど、個性にも、才能にも溢れた方々が選んだ3曲なのに、なんか意外とみなさん普通で....

切なくて胸を打つ、ラブソングのフレーズ集。って表紙にあるんだけど、

取り上げられてる言葉や思いが紙面から立ちのぼって来ないような...

雑誌にも、マガジンハウスにも力がなくなっただけじゃなく、

もう10年間ぐらい「恋愛」が流行ってないんだなぁ。

ということがよくわかった。という感じ。

唯一、ちょっぴり目を惹いた企画は、菊地成孔氏が

「ラブソングの歌詞」と言われて、最近日本で何か特異点となるようなものがあったとしたら、ここ10年くらいでは、圧倒的に中村さんが手がけた少女時代の日本語詞、特に「Gee」と「GENIE」の詞だろうと。

と、言っている、中村彼方氏と菊地氏の対談。

こちらのLouieさんの 「コメント」 によれば、菊池氏は、マイケルが亡くなった日のブログに「号泣している。何もする気がおきない」と書かれていたそうですし、

追記:Louieさんから、実際の日記をお知らせいただきました(感謝)!
◎菊地成孔公式ウェブサイト "6月26日ビリージーン"

坂口恭平氏も「Gee」をカバーしてたし、自分が好きな曲を、好きなアーティストも評価してたってわかって嬉しいだけなんだけどぉ。。

♪やっぱ メッチャ! メッチャ!気ニナル Oh Oh Oh Oh Oh!の記事
♫やめちゃえいっそ、ヤなことなんて、全速力回避せよ。の記事

他には、私は一度も見てないんだけど『ビッグダディ』で人気らしい美奈子さんが、

・ティーナ・カリーナ「あんた」
・AI「ママへ」
・AAA「恋音と雨空」

の3曲を選んでて、美奈子さんという人にはやっぱり「タレント性」があるらしいことがわかったり、

子役タレントの春名風花ちゃんは下記の3曲で、

・中川翔子「純 混沌」
・ALI PROJECT「聖少女領域」
・鐘音レン「ツンデ恋歌」



上記の歌詞部分(youtubeのページに付随)を読むと、

歌詞の最初の文字を縦に読んでも「ぼくはきみのことがだいすきですきみといるとすごくしあわせですだいすきです」になるみたい。流石、風花ちゃん!

あと、ヌケメっていうファッション・デザイナーがKOJI -1200(今田耕司)の「ナウ・ロマンティック」を選んでて、久しぶりにその曲を思い出した。





さて、「紫いも味」もいただいたことだし、、

特集には出て来なかったけど、がっつり踊れる曲を最後に!

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by yomodalite | 2013-11-14 08:53 | 日常と写真 | Trackback | Comments(8)

サブカル・スーパースター鬱伝/吉田豪

サブカル・スーパースター鬱伝 (徳間文庫カレッジ)

吉田 豪/徳間書店



みうらじゅん、リリー・フランキー、松尾スズキ、川勝正幸、大槻ケンヂ … サブカル界のスターたちの「鬱」に、プロ・インタヴュアーの吉田豪が挑む!

インタヴュー当時、40歳を目前にしていた吉田氏は、師弟関係ともいえるような接し方をしてきたリリー・フランキーが、売れると同時に、メンタルな状況が悪化するという経験を目の当たりにし、「サブカル文系男子は40歳くらいになると鬱になる」ということに気づかれたようです。

私も、その説は「真実」だと思います。

サブカルには、なんの関係のないという方でも、30~40代では、ガンになるより、鬱をこじらせる確率の方が遥かに高いと思われますので、まだ経験していないという方は、男女を問わず、本書を読んでおかれるといいのではないでしょうか。

リリー・フランキー氏は「鬱は大人のたしなみ」と言い、大槻ケンヂ 氏は「体でものごとを覚えてこなかったからじゃないか」と言い(しかしレスラーには鬱が多いとも言う)、川勝正幸氏は、藤原ヒロシ鬱にかかり、そういえば『丘の上のパンク』を読まないとと思ったり、吉田豪氏による追悼文にも泣かされたり、

杉作J太郎氏は『ガンダムSEED』のモノマネをしてたら元気になって、菊地成孔氏は『珈琲貴族』での全裸エピソードを語り、みうらじゅん氏は「弱みをみせるな」と説き、ECD氏は車谷長吉の「人生相談」(朝日新聞)を紹介し、松尾スズキ氏は「普通じゃない人は、この世界には入ってくんな」とアドヴァイスし、

枡野浩一氏は「町山さん、厳しすぎる」という意見があると思っていて、唐沢俊一氏は、母親との半同居により「常識的社会人に戻る時間がマズかった」と分析し、女優Oとの関係も、、

最後に登場する、唯一の女性執筆者、香山リカ氏は、自分の鬱を語っているのではなく、書籍化にあたって、これまでの連載分への感想などを書いていて、

「率直にいって、こういう感性のありかたがすごく懐かしい感じがしましたね、これが本来のミュージシャン、あるいはアーティストといわれている人たちの心のありかただよねっていう感じです」

と語っておられるのですが、TACOに参加されていた頃を知っている私としては、現在の香山氏は、ご自身でも言っておられるように「見る人が見たら詐欺」のようで、「村上隆や茂木健一郎のような器用さが、逆に不思議なんですけど、、」などと、言われることの方が不思議でした。

お酒も飲まない私としては、「嗜んだ」と言えるのは、鬱と薬だけのような気もしますし、スターの方々の「たしなみ方」も、垣間みてみたいと思って、気軽に読みはじめたんですが、

「感想まとめリンク」にある、心構えが出来るとか、40歳になるのが怖いようで、楽しみ、、というような感想も理解できなくはないほど、スターの方々は病みっぷりも華麗で、個性的で、男気を感じたり、、

医者が出してくれる「お薬」や、色々と心配してくれそうな「お悩み相談」よりも、副作用がなくて、、、と言いたいところなんだけど、

具体的な症状とか書かれているのを見ると、苦しかったときのこととか、リアルに思い出してしまうし、、

「参考書評リンク」の最後にある吉田豪さんでさえ、収入が減っているとは … 出版不況は本当に深刻なんだなあ … には、出版業界じゃなくても「フリーランス」で、今も仕事をしているすべての友人を思い出してしまうし、、

本書の中で、大槻ケンヂ氏が

豪ちゃんは、鬱は大丈夫だと思うよ。なぜかと言うと、やっぱり偉人伝をたくさん読んでるから。

ーータレント本で人の人生を学んでますからね。

それが、リンカーンじゃなくて、山城新伍とかだっていうところが、また問題ではあると思うんだけど(笑)。笑っちゃうけど、鬱になったときって偉人のいい言葉みたいな感じの本を買うんだよ。で、ドストエフスキーの「絶望の中にも焼け付くような強烈な快感がある」って発言とか、そういうのを読むとガーン!となるんですよ。

だから、破天荒な人生を生きた人の言葉をたくさん知っている人は強いと思う。豪ちゃんは、そのオーソリティじゃないですか。大変なときも真木蔵人の言葉を思い出したりしてさ。

ーー「忍者スタイルで逃げろ」とか(笑)でも、そういう偉人の代表だった山城新伍さんがいま老人ホームにいるわけだから(雑誌掲載後、2009年8月12日死去)、そういうのを思うと…。

そこも勉強になるじゃない。たぶん豪ちゃんは、自分の作ってきた本に助けられると思うよ。その中の偉人の言葉に。それも、何かちょっと微妙な人の言葉に助けられたら面白いよね。ABブラザーズの人とかさ。(引用終了)


(大槻氏の「マイケルだよ、俺」には、、「全然ちがうわ」とツッコミましたが...)


と語られていて、確かにそうなんだけど、

人は、自分が作ってきたものに助けられるんだけど、
一方でものすごく苦しめられるでしょう?

でも、ジョンの本を読んでて思ってたんだけど、吉田豪と同じ乙女座で「自分が一歩を踏み出す前に、それまでの歴史を逐一知っておかなくては気が済まない」と言っていたあの人も、やっぱり、常に歴史上一番のパイオニアについて、よく読んでいたことが良かったんじゃないかとか、

そーゆー自分の想像が及ばないような天才のことを想像するというのも、あまりにも自分と次元が違っていてどーなの?と思うことも多いのだけど、自分ではたどり着けないような「地点」にまで、引き込める人が「偉大な先生」であって、そーゆー人を見つけられた方が、危険なんだけど、やっぱり運がいいんじゃないかなぁとか、

基本的に「読書」は、危険なもので、

「知る」とか「学ぶ」ということは、全部危険に満ち満ちていて、

そもそも、生きているというのは、常に死にそうになるぐらい、すごく「危険」で

だから、長生きするとか、役に立つとか、成功するとか、間違いないとか、、
もう全部「詐欺」だと、最近は結論しているので(笑)、

偉人伝でもあり、ときどき笑えるところもありつつ、
すごく危険で「死」に近いところもいっぱいある本書は、
やっぱりすごく素敵な本だと思いました。


☆上記に挙げた執筆者以外にも、糸井重里氏、いとうせいこう氏などのエピソードや、
あとがきには、町山智浩氏による意味深い発言も!


◎[Amazon]サブカル・スーパースター鬱伝
____________

[内容紹介]「サブカル男は40歳を超えると鬱になる、って本当!?」プロインタビュアー吉田豪が、そんなテーマに沿って、リリー・フランキーをはじめ、大槻ケンヂ、みうらじゅん、松尾スズキなどのメンバー(ほか、川勝正幸、杉作J太郎、菊地成孔、ECD、枡野浩一、唐沢俊一)に全力インタビュー! クイック・ジャパン誌上で『不惑のサブカルロード』 と題 して連載されたものに、精神科医にしてサブカル者である香山リカへの新規インタビューや、吉田豪自身の補稿もくわえての書籍化。イラストは、『プロレススーパースター列伝』『男の星座』の原田久仁信。

[BOOKデータベース]昭和平成世紀末、ゼロ年代にIT世代、戦後団塊高度成長、バブル崩壊経済低迷、日本中のあれこれが変革するなか、若者文化の一翼をになったサブカルチャー。しかしそんなサブカルものも不惑を境になぜか心の落とし穴にハマるという…はたしてそれは真実か、ならばその実体は?現在各方面で八面六臂の活躍を繰り広げる吉田豪が11人の当事者たちに迫る。 徳間書店 (2012/7/21)



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by yomodalite | 2012-10-16 09:20 | 評論・インタヴュー | Trackback | Comments(0)

つぶやき(2012.4.16)「峰不二子という女」、ビヨンセの言葉、嵐が丘

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予告編のPVですでにシビレたけど、実際のオープニング・テーマ「新・嵐が丘」は、菊地成孔さん自身による歌詞も素敵だったので、思わず「聞き書き」してしまいました。

◎[動画]「LUPIN the Third 峰不二子という女」オープニング・テーマ

『新・嵐が丘』(作詞・作曲 菊地成孔)

さあ、すべての事を止め、胸だけをときめかせながら
私のことを見つめて

盗むこと
それは壊すことでもあり、奪うことでもある
特別に甘い悪徳。
秘密と、重罪と、悪戯と、恐怖のアマルガム

『嵐ヶ丘』のヒースクリフのように
盗み続けることは、人生を賭けた最高の官能
永遠に出られない、セクシーな牢獄
心理的根拠は、不明

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誰が奴隷なのか、誰が主人なのか
神が見ているのか、神に見捨てられているのか
盗むことだけが全てを忘れさせ、微かに思い出させる

喋らないで逃げて、逃げないで隠して
見つけたら罰して、罰したら殺して
私を救って

でも柔な坊や
貴方からもう盗むものはないの
貴方はとっくに、もぬけの殻
この私と同じ様に

だから、私のことを見つめたいなら
すべての事を止め
心臓だけを動かしながらにしなさい

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☆注意:歌詞は正確ではないかもしれません

今回のシリーズは、キャラクター・デザインよりも、背景とかインテリアといった「美術」が素敵で魅せられてます。

◎『嵐が丘』エミリー・ブロンテ、鴻巣友季子[訳]
☆賛否両論の翻訳ですが、これが1番面白いと思う


☆昔から『嵐が丘』に弱いのかも。。
◎『Wuthering Heights』Kate Bush
◎『嵐が丘』主演:田中裕子(監督:吉田喜重)

☆1986年のNew Vocalに、1992年のピーター・コズミンスキー監督の映画『嵐が丘』の映像が使われているもの。(実際の映画音楽は坂本龍一)
◎Wuthering Heights - Kate Bush (1992 clips)

◎坂本龍一の『嵐が丘』メインテーマ

桜庭一樹 ‏ @sakurabakazuki
『嵐が丘』は中世のイタリア喜劇に材を得た、ってほんと…?(資料読み中)


ふむぅーーーー。悲劇と、喜劇は紙一重だからなぁ、、、わたしは Kate のこの世じゃない感じの「嵐が丘」や、菊地成孔さんの「悲劇と喜劇は裏表」みたいな世界が好き。

『嵐が丘』の荒涼とした大自然を、一旦「水につけた」(←日本人は大体「水」に絡ませないと気が済まないからw)のが三島由紀夫の『豊穣の海』で、コッポラが『地獄の黙示録』を製作中に『豊穣の海』を読んでたりというのも、原作(『闇の奥』)にはない「ジメジメ感」や「ぬかるみに足をすくわれる」というような、アフリカにはない、アジアの湿気(ベトナム戦争がテーマだから)を表現しようとしてたような気がする。。

同じく、黒澤明の大ファンである、ユダヤ系のスピルバーグや、イングランド系のルーカスからは、黒澤の「ジメジメ感」や「水気」が感じられないのだけど、イタリア出身のコッポラは、彼らと違って「水」にこだわっているんだと思う…



◎2012年4月12日放送
『世界は言葉でできている』

ビヨンセが、2009年6月25日にマイケルに送った言葉が問題になっていました。

Life is not about how many breaths you take, but about how many moments in life that take your breath away.

人生とは、何回呼吸をするかではなく、
何度息をのむほどの瞬間があるかどうかだと思う。



下記は「人生とは、・・・・・・・・と思う」に、コトバスターたちが出した答えから。

谷中敦「人生とは、美しいアルバムではなく、撮られなかった写真だと思う」

設楽統「人生とは、語るものではなく、語られるものだと思う」

☆下記は、ビヨンセの言葉全文
日本語部分は、yomodalite訳なので充分ご注意くださいませ。


◎A Meeage From Beyonce

“This is such a tragic loss and a terrible day. The incomparable Michael Jackson has made a bigger impact on music than any other artist in the history of music. He was magic. He was what we all strive to be. He will always be the king of pop!

それは、痛ましい損失感に見舞われた辛い日でした。マイケル・ジャクソンは比類なき存在で、音楽の歴史において、彼以上の大きな衝撃を与えたアーティストはいません。彼は魔法そのもので、私たちの誰もが、そうなりたいと努力するような存在だった。彼はこれからもずっと永遠にキング・オブ・ポップです!

Life is not about how many breaths you take, but about how many moments in life that take your breath away. For anyone who has ever seen, felt, or heard his art, we are all honored to have been alive in this generation to experience the magic of Michael Jackson. I love you Michael.” - Beyonce

人は、何回呼吸をしたかではなく、何度息をのむほどの瞬間があったかだと思う。彼のアートを見たり、感じたり、聴いたことがある人は誰でも、マイケル・ジャクソンの魔法を経験できる時代に生まれることができて、光栄だと思うでしょう。
愛してるわ、マイケル ー ビヨンセ



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by yomodalite | 2012-04-16 12:06 | 日常と写真 | Trackback | Comments(0)

つぶやき(2012.4.1)西寺郷太さんの『キラ☆キラ』

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◎LUPIN the Third 峰不二子という女 PV(菊地成孔音楽担当)

保坂展人 ‏ @hosakanobuto
おはようございます。昨日の嵐は大変でした。台風なみの突風で傘もさせませんでした。そして、おだやかな朝となりました。今日は、エイプリルフールですが、「嘘のような真実」が「真実のような嘘」をうわまわるこの頃のように感じます。私はいつもと変わらずツイートします。

同感。

☆続きを読む!!!
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by yomodalite | 2012-04-01 12:53 | 日常と写真 | Trackback | Comments(4)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


by yomodalite