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児玉清さんが、雑誌『すばる』に2002年〜2005年まで連載されていたエッセイ。2005年に出版されていて、文庫も出版されているのですが、写真は、児玉さんが描かれた絵が見やすい単行本の方にしました。私は、NHK「週刊ブックレヴュー」の児玉さんが好きでした。というか、それ以外の児玉さんのことは全然知らなくて、映画やTVドラマも知らないし、永年放送されていたクイズ番組も見たことがなかった。

それに「週刊ブックレヴュー」の児玉さんが好きだったと言っても、児玉さんが好きな作家や作品もそんなに読んでいないし「週刊ブックレヴュー」を見ていた頃、私は今ほど本も読んでいなかった。いい本がいっぱいあっても、そんなに読むなんて無理だと思っていたり、それは今もそう思うけど、ただ、今の方がちょっぴり「読まなきゃ」と思う気持ちが強くなってきたのだ。

本書には、本の話はほとんどなくて、児玉さんの映画デヴューから、下積み時代、様々な作品を通して出会った人々の思い出、そして最愛の娘さんのことが語られている。

下積み生活も、反抗的な態度も、児玉さんの上品なイメージからは想像できないようなエピソードが多くて「負ける」という言葉もなんだか相応しくないのだけど「あとがき」で、書名の由来をこう語られています。

僕の俳優の道は、いつももやもやとした敗北感といったものに包まれていた。勝った!!やったぁ!!という気持ちになったことがなく、終われば絶えず苦渋のみが残るばかりだ。(中略)そこで心に期するようになったのが「負けるのは、美しく」ということであった。どうせ勝利感を得られないのなら、また明確な勝利を望むべくもないのなら、いっそ、せめて美しく負けるのを心懸けたら、どうなのか、そう考えたとき、はじめて心に平和が訪れた思いがしたのだ。

東宝ニューフェイスに合格するような上品な二枚目でスマートな児玉さんだから「負けても美しい」のかもしれなくて、それは真似のしようがないのだけど、でも、わたしも自分が「負け続けてきた」と思ったとき、本を読もうと思いはじめて、そのせいで、ちょっぴり共通点があるように思えるのかもしれない。

本書に登場する人々は、名前も知らない人がほとんどでしたが、各エッセイの冒頭には、様々な本から、数行の英語が記されていました。下記に、児玉さんの「切り絵」作品と一緒にメモしておきます。

『ダヴィンチ・コード』以外、すべて未読だったけど、いつか「会える日」のために。

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母とパンツ

The fact is that we need the insights of the mystyc every bit as much as we need the insishts of the scientist. Mankind is diminished when either is missing.

Michael Crichton 「TRAVELS」


博多の雑魚

Strange how life often swings on small things.
             
Jack Hjggins「MIDNIGHT RUNNER」


雑魚と雑兵

Bad things come in threes.

Nelson DeMille「UP COUNTRY」


予言者は百万の味方

Astrology was simply one of the ways 9 coped with the fear 9 felt after
my husband almost died.

Nancy Reagan 「MY TURN」


ボーイ役とアウトロー新人

They were seduced …… by his extraordinary personal charm and humor.

Edmund Morris 「DUTCH : A Memoir of Ronald Reagan」


“でく”も“できる”も猫杓子

The most momentous thing in human life is the art winning the soul to good or evil. ---- Pythagoras

Tom Clancy 「RED RABBIT」


恥を乗り越えてこそ

What you see is what you see.

Tom Clancy「TRAVELS」


忘れられ◎過去

A place where ancient secrets rose to the surface.

Dan Brown 「THE DA VINCI CODE」

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一瞬がショウダウン

Courage is not the absence of fear or despair,
but the strength to conquer them.


Danielle Steel 「THE KISS」


くり出せなかったパンチ

Wayne was not born Wayne. He had to be invented.

Garry wills 「JOHN WAYNE'S AMERICA」


サムライロケは腰くだけ

Good looks are not what's gonna get you places.

Jackie Collins「DEADLY EMBRACE」


ドーラン恥ずかし、プールは欲しし

A man's character is his fate. --- Heraclitus
性格は運命だ ー ヘラクレイトス


刹那の仏心

She treated a job like a job……, I didn't treated it as a job.
I treated it like it was my life.


Michael Connelly 「CHASING THE DIME」


無邪気だけが残った

Unfortunately life being as uncertain as usual.

Jack Higgins 「BAD COMPANY」


是非なき孤独

Take care that old age does not wrinkle your spirit even more than your face.

Michael de Montaigne


三度あることは六度ある

The mountain itself is indifferent ---- an immutable fact that we would do well to learn from.

Jamling Tenzing Norgay with Broughton Coburn
「TOUCHING MY FATHER'S SOUL」


「まさか」のま、さかさま

You learned how to survive. Or you didn't.

Tom Clancy with General Carl Striner (Ret.) and Tony Koltz
「SHADOW WARRIORS」

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見エザル神ノ手

Who can see into the future? ---- 諺集より


はまらぬ役に、はまるツボ

All things return to the One. What does the One return to ? ----- Zen koan

Greg Iles 「THE FOOTPRINTS OF GOD」


コマ切れに困った

Do not feel absolutely certain of anything.

Bertrand Russel


ヘンシン、豪傑仮面!

Things never turn out the way you think they will.

Michael Crichton 「PREY」


宙を見ていた

That was the beauty and difficulty of the relationship.

Michael Connelly「THE NARROWS」


ラストスピリット

Never say you are walking on the last road.

---- Song of the Jewish Resistance World War Ⅱ


誰がために鐘は鳴る

All men have secrets. ---- The Smiths, “What Difference Does It Make ?”

Ian Rankin 「RESURRECTION MEN」


落下の沙汰も神次第

We should take care not to make the intellect our God. ---- Albert Einstein

Greg Iles 「THE FOOTPRINT OF GOD」


まるで月面宙返り

It's a very shout trip. While alive, Live.

Malcolm Forbes


封印した青春

My experience with the short story form goes back to the distant past.

Jeffery Deaver「TWISTED」


お帰りなさい、わが家へ

The theme of the Athens Olympics is “Welcome Home”


苦しいときの玉箒

Discover day-to-day excitement.

Charles Baudelaire

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千九百九十九年十二月二十四日

Unhappiness has a habit of being passed around ……

Margaret Atwood


パラシュートなしのサバイバル

A woman is like a teabag. You never know haw strong she is until she is in
hot water


Eleanor Roosevelt


天国(ハレクラニ)の館を前にして

Whoever saves one life, saves a world entire. ---- Talmud

Danielle Steel 「ECHOES」


すべて焼滅した

Believe those who are seeking the truth. Doubt those who find it.

Andre Gide


霊感と正義感

Close your eyes and you can still see the smile.

Harlan Coben 「THE FINAL DETAIL」


北酒場

There is no end of things in the heart.

Michael Connelly 「LOST LIGHT」


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[出版社 / 著者からの内容紹介]おだやかな微笑みのむこうに、このような人生が!俳優・児玉清が、母の死がきっかけで入った映画界、忘れ得ぬ監督や俳優たち、結婚、その後転身したテレビ界のこと、大好きな本、そして愛娘の闘病から死まで…。初の回想記。

[BOOKデータベース]就職活動の一環としてなりゆきで受けた東宝映画のニューフェイス試験で、遅刻した上に水着を忘れ、パンツ姿で面接したが見事合格したこと。生来の天邪鬼が顔を出し、天下の黒澤明監督にたてついてしまった新人のころ。大スター三船敏郎をはじめとする数々の名優との思い出。運命の出会いと結婚、そして36歳という若さで逝った最愛の娘。読む人の心を静かにそっと揺さぶる感動のエッセイ。



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by yomodalite | 2013-01-31 11:47 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

藝人春秋/水道橋博士

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水道橋博士に教えてもらったことはとても多い。勝新に興味をもった最初のきっかけも博士だったような気がするし、その他、TVではわからなかった様々なタレントの魅力についても。。

それらの内容だけでなく、博士の文章自体にも魅了されていたうえに、読む前に絶賛コメントを目にする機会も多かったので、本書にはとても期待していました。

☆続きを読む!!!
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by yomodalite | 2013-01-04 10:05 | エッセイ | Trackback(1) | Comments(0)

永遠の0 (講談社文庫)

百田 尚樹/講談社





震災ショックの影響からか、3〜5月は頻繁にTwiitterを見ていて、そのなかで、東野幸治さんが「号泣」されたというツイートを見て興味をもった本。

文庫本でも2009年(単行本は2006年)という古い出版にも関わらず、未だに図書館でも予約がいっぱいで、なかなか借りられませんでした。

アマゾンレヴューでも、295件という驚異的なレヴュー数で、星4つ半というような評判のいい本は、わたしの場合、通常読むことも少ないし、ブログに書くことは、もっとないのですけど(そんなに知られていない、イイ本を紹介するのがモチベーションなので)、

久しぶりの小説で、今まで読んだことのない著者ということもあって、めずらしく手にとってすぐに「解説」をのぞいたら、本を読む前に涙が・・・

「解説」 児玉清

わたしは、子どもの頃から、筋金入りの「熟男」好きなんですけど、児玉さんは、わたしの中で「日本一スーツが似合う男」の常にNo.1でした。

オシャレにスーツを着こなしている方は大勢いて、そのディティールに目を奪われることは多いのですが、児玉さんは、いつも素敵だったにも関わらず、後から思い出そうとしても、シャツの色も、ネクタイの柄も、スーツの色さえ思い出せないぐらい、あまりにも自然にスーツが似合う、本当に本当にステキな方でした。

永年放送されていた、クイズ番組の方は見たことがなかったのですが、児玉さんが出演される『週刊ブックレヴュー』が大好きでした。児玉さんがいない『週刊ブックレヴュー』なんて、タモリがいない『タモリ倶楽部』よりありえなくて、わたしは、未だに、児玉さんがいない世界に慣れることができません。

以下は、児玉清さんの、13ページにわたる「解説」から、ほんの少しだけ。

心を洗われるような感動的な出来事や素晴らしい人間と出逢いたいと、常に心の底から望んでいても、現実の世界、日常生活の中ではめったに出逢えるものではない。しかし確実に出逢える場所がこの世にある。その場所とは、本の世界、つまり読書の世界だ。もっと場所を小さく限定すれば、小説の世界と言っていい。

作者がそれぞれの思いや願いをこめて、様々なテーマで、人物や舞台や時代を設定して物語を紡ぎだす小説。そこには当然のことながら、好むと好まざるとにかかわらず、作者の全人格が投影される。従って、常に読む者の心を清々しく洗うことのできる小説を書ける作家、素晴らしき感動をもたらす小説を書ける作者というのは自ずと限定されてくる。

今回、紹介することになった作家、百田尚樹氏は、まさにそうした範疇に入る作家の一人で、デビュー作である本書『永遠の0(ゼロ)』と出逢えたときの喜びは筆舌に尽くし難い。それこそ嬉しいを何回重ねても足りないほど、清々しい感動で魂を浄化してくれる稀有な作家との出逢いに天を仰いで感謝の気持ちを表したものだ。

さて、『永遠の0』とは、いったい何なのだろう? とタイトルの意味を計りかねて、本書を手にした方も沢山いるのではないか、と思うのだが、どうだろう。実を言えば、僕もその1人であった。ところが、読みはじめて暫くして零戦パイロットにまつわる話だと徐々にわかってきたとき、僕の胸は破裂するほどの興奮にとらわれた。零戦という戦闘機に戦争中の子どもの頃から憧れを抱いてきたこともあるが(このことは後述するが)、現代と戦争中を交錯する物語の面白さにぐいぐいと引き込まれ夢中になってしまったのだ。

しかも途中何度も心の底からこみあげてくる感動の嵐に胸は溢れ、突如うるうると涙し、本を閉じたときには、なにやらハンマーで一撃を喰らったような衝撃とともに、人間として究極とも思える尊厳と愛を貫いた男の生き様に深々と頭を垂れ、心の中を颯と吹き抜けた清々しい一陣の風とともにうるわしい人間の存在に思いっきり心を洗われたのだ。(中略)

戦争のことも、零戦のことも知らない若者たちが読んでも素晴らしい感動が彼らの心を包むであろうことは間違いないことをここで強調しておきたい。いや、むしろそういう若者たちにこそ、ぜひ本書を読んでもらいたいと痛切に思っている1人だ。作者の意図もそこにあったと思う。

事実、本書の中では、太平洋戦争とはどんな戦争で、どのような経過を辿ったのか。また、この戦争に巻き込まれた我々日本人は、軍人は、国民は、その間に、どのように戦い、どのように生きたのか。国を護るために戦わなくてはならなかった若者たちの心とは、命とは。彼ら若者たちを戦場に送り出したエリート将校たちの心は、といったことを作者はものの見事にわかりやすく物語の中にちりばめているからだ。

なまじの歴史本などより、はるかに面白く戦争の経緯とその実態を教えてくれる点でも実に秀逸な物語だと思うのは僕だけであろうか。(引用終了)


零戦にも、戦争にも、興味がない、少女から老女までと、すべての日本人に!
☆☆☆☆☆(満点)

◎『永遠の0』講談社文庫(アマゾン)
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[BOOKデータベース]日本軍敗色濃厚ななか、生への執着を臆面もなく口にし、仲間から「卑怯者」とさげすまれたゼロ戦パイロットがいた…。人生の目標を失いかけていた青年・佐伯健太郎とフリーライターの姉・慶子は、太平洋戦争で戦死した祖父・宮部久蔵のことを調べ始める。祖父の話は特攻で死んだこと以外何も残されていなかった。元戦友たちの証言から浮かび上がってきた宮部久蔵の姿は健太郎たちの予想もしないものだった。凄腕を持ちながら、同時に異常なまでに死を恐れ、生に執着する戦闘機乗り―それが祖父だった。「生きて帰る」という妻との約束にこだわり続けた男は、なぜ特攻を志願したのか?健太郎と慶子はついに六十年の長きにわたって封印されていた驚愕の事実にたどりつく。はるかなる時を超えて結実した過酷にして清冽なる愛の物語。 単行本:太田出版 (2006/8/24) 文庫版:講談社 (2009/7/15)

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by yomodalite | 2011-07-21 11:42 | 文学 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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