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崩れゆく世界 生き延びる知恵

副島 隆彦,佐藤 優/日本文芸社



今年の5月末に出版された本。

私は副島氏が出版した本はすべて読んでいますが、なかでもおふたりの共著は時事を扱っていながら、あとから読んでもためになる内容が多く、いつもは、その最高の知性を、人々にわかりやすく説明するために骨を折った書き方をされている副島氏ですが、佐藤氏という申し分のない会話者を得たことで、レベルの高い内容が、読者にとってはスルスル読めるというありがたさ。

内容に相応しい言い方ではないですが、めったに味わうことのできない知的興奮で読み出したら止まりません。

マジョリティというのは「真ん中」を選択するものです。
そして、多くの人々が支持するのは「穏健」なものです。

だから、マジョリティが安定することが、社会の「安定」に繋がる。と統治者が考えてくれればいいのですが、残念ながら現在の先進国のトップたちは、経済破綻を何よりも恐れて、戦争がそれを救ってくれる唯一の手段だという結論でまとまっているようです。

それだけは避けたいと思っている人の方が絶対に多いはずなのに、そうはならない。

民主主義は、既得権益者によって都合のいいシステムになっていて、それは選挙の不正だけでなく、世論の作り方においてもそう。

マスメディアの問題点を憂うブロガーは数多く存在しますが、ネット社会は、数を競う中で、ネットリテラシーをもたない人々に注目されることが重要で、今やそのレベルは、マスメディアよりも低く、マスメディアの方でも、その数に注目し、手を取り合って、低きに流れていく一方。。

それで、マジョリティが選択できる「真ん中」は、徐々に「穏健」ではなくなりつつある。

権力者の不正や間違いを、マスメディアに代わって報道しようと頑張ってくれている人々がいても、情報を拡散するだけで、私たちは結集することもできず、世論にすることもできない。今のサイレントマジョリティにもっとも拡がっている意識は「脱力感」ではないでしょうか。

私も、せいぜい読書をして、歴史を学び、これまでの自分の馬鹿さ加減をしっかり認識したいと思っているのですが、ますますその難しさを痛感するというか、、

副島氏は、本書の冒頭で、

「私は、佐藤さんが、今の日本で真ん中にいると思います。右(保守)か左(リベラル)か、ではなくて、右でもありかつ左でもある。このことが素晴らしいことだと思う。

と述べています。また「まえがき」で、佐藤氏は、

歴史は反復する。しかし、まったく同じ形で繰り返されることはない。こういうときに必要なのは、アナロジー(類比)を適用することだ。アナロジーとは、論理に即して物事を考察するということだ。

と述べられています。これは佐藤氏の近著である『世界史の極意』でも語られていることで、歴史本を読むうえで、私も肝に命じなければと思う点です。

(下記は、本書から省略・要約して引用)
第1章「安倍“暴走”内閣で窮地に立つ日本」より

佐藤 副島さんは尖閣諸島問題に関してどうお考えですか?

副島 尖閣諸島は、日清戦争のときに、正式に下関条約で、日本が中国(当時は清朝政府)から割譲させたものです。台湾とぼうこ諸島の海域に属している。だから正式に日本のものになりました。
 
戦争で勝ったほうは、戦勝国として無理やりでも何でも条約にして敗戦国と取り決める。きちんと当事者双方の署名がなされて成立する。その取り決め自体は国際法に照らして有効です。あとになってから「あの契約(条約)は無効だ」と騒いでも認められません。

佐藤 当時は帝国主義全盛期でした。

副島 それで、靖国があの領域を手放して、日本が台湾と遼東半島を取りました。遼東半島は三国干渉で返させられましたが。その後、第2次世界大戦中に、カイロ会談がありました。そこに蒋介石、トルーマン、スターリン、アイゼンハワー、チャーチルなどの首脳たちがいました。
 
その会議で日本の領土は大きな島4つだけとなり、それ以外のものは全部、連合諸国が取り決めることになりました。それを引き継いだヤルタ=ポツダム宣言を、敗戦国となった日本は承認し、サンフランシスコ講和条約で確定した。正式に日本のものになっていた尖閣諸島が、ヤルタ・ポツダム会談で日本から取り上げられた。それを日本は認めた。このことが重要です。

佐藤 マスコミは隠していますが、尖閣諸島の一部はまだアメリカの「領土」です。九場島、大正島は米軍の射爆撃場となっています。まだ日本に返還していないアメリカの「領土」です。尖閣諸島問題は、日本が必要もないのに国内的な事情から人為的に緊張をつくり出しているというのが国際社会の見方です。


第2章「世界革命を目指すイスラム国の脅威」より

佐藤 イスラム国というのは、今までのアルカイーダと違って、ちゃんとビジネスとして、誘拐や人殺しをやっているのです。あと、石油も採っている。これは非常に重要です。

副島 あの人たちは自立した経済をやっているのですね。

佐藤 今年いい本が出ました。ロレッタ・ナポリオーニというイタリア人ジャーナリストが書いた『イスラム国 テロリストが国家をつくる時』という本です。彼らは複式簿記とかを付けて、ビジネスとしてテロをやっていると書いています。

「イスラム国」がイラクからシリアにまたがる広い地域で国家建設に成功するなら、その事実がもたらす脅威は、単にこの二力国の政治体制を変えるという以上の意味を持つことになる。近代以降の歴史で初めて、武装組織がテロリズムの最終目的を実現することになるのだ。それは、既存国家の廃墟の中から自分たちの国をつくること、それも、たとえばイランがそうだったように革命によってではなく、昔ながらの征服戦争によって領土を獲得することである。ただし、その戦争で使われるのはテロ戦術だ。もしこれが実現するなら、「イスラム国」は正真正銘のテロリズム国家ということになる。(前掲書45ぺージ)
 
と、いうことです。いまのところ、これがうまくいっているのは、「アルカイーダは失敗だった」と総括していることです。あまり組織化をしていないといっても、やはりビンラディンや、ザワーヒリーの指示で動いている限り、アメリカは犯人を見つけ出して殺すことができた。だから第1世代のアルカイーダは壊滅しているわけです。

副島 ドローンで大幹部たちを暗殺されても耐えられる構造をつくったということですか?

佐藤 そうです。「グローバル・ジハード論」というのを西側諸国で展開して、それに耐えられる構造をつくったのです。


第3章「ウクライナ政変で見えてきた世界大戦の予兆」より

佐藤 ウクライナは結局、NATOに加盟することはできません。そうなると緩衝地帯ですよね。重要なのは、ウクライナの圧倒的大多数の人が民族という意識が未分化のままなので、戦闘が起きたところ以外の人たちは自分がロシア人なのか、ウクライナ人なのか意識が未分化です。これまでは、ウクライナかロシア人かということを曖昧にして暮らすことができたのですが、これからは、曖昧ではない形にしなくてはならない。それをお互いが決めるとなると、状況によっては殺し合いになるでしょう。

副島 ウクライナはまさしく西側との緩衝地帯、バッファです。回廊国家ですね。回廊国家というのは、2つの勢力の間で、廊下のように外国の軍隊に侵攻され、踏みにじられ、居座られる国家のことです。このような国家の分裂状態を繰り返してきた「回廊国家」が、ポーランドと朝鮮半島です。もしかしたら、私たちの日本も回廊国家になりつつあるのかもしれません。アメリカと中国というふたつの帝国の間で、ウクライナと同じような分裂国家になるかもしれない。


第4章「オバマとヒラリーの激闘から読む世界の明暗」

副島 オバマとバイデンたちは、第三次世界大戦になるような「大きな戦争」をしたくない。「低緊張紛争」で収めたいと考えています。小さな戦争が起きるのは仕方がない。地域内で、それぞれやらせて、両国の均衡の上にアメリカが仲裁者として立つ。これが「オフショア・バランシング」という理論です。私の弟子の古村治彦君が『アメリカ政治の秘密』という本で日本に紹介しました。これはCFR(外交問題評議会)派の論理です。このCFR派に対して、共和党ネオコン系と結びつくヒラリーは「人道主義的介入主義者」です。ヒラリーは、「人道と人権を守る」という理屈をつけて外国に介入し、独裁国への反対の旗を振って、他国に介入していきます。極めて偽善的な考えです。

佐藤 共和党はプレーヤーの外という感じなのでしょうか?

副島 共和党の中心部はまったくやる気がない。共和党に潜り込んでいる、いわゆるネオコン派がヒラリー系の民主党と組んでいます。

佐藤 このポイントがわかっている日本人が少ないと思います。今のアメリカの人口は37%ぐらいが非白人です。2050年になったら、白人と非白人の割合が逆転するといわれています。そうなると、今の共和党の路線では絶対に票をとれるはずがありません。

副島 穏健なオバマ系民主党リベラルと、共和党内のリバータリアン及び茶会党がくっついている。彼らは「ハト派」で米軍を外国に出したくない。それに対し表面上は人道主義を掲げながら、外国に介入しようとする勢力がいます。それがヒラリーたちの凶暴なデモクラシーです。この凶暴なデモクラットたちと、共和党系の軍産複合体がくっついています。これが「タカ派」です。


第5章「行き詰まる日本経済ー余剰の時代の生き延び方」

副島 ピケティの『21世紀の資本』がものすごく売れています。私はピケティの本はスゴイ本だとわかりました。ただ、問題だと思う箇所があります。それはいちばん最後のほうのページ、結論のところに出ています。

佐藤 資本税という形で「資本に対して年次の累進課税」というのをやるべきだ。としている。ここがこのほんのいちばん怖いところですね。

副島 そうです。「これにより果てしない不公平スパイラルを避けつつ、一時蓄積のアタアrしい機会がつくられる」と言っています。

佐藤 だから、これは国家資本主義ということです。国家がイノベーションを起こしたいという国民がいたら「カネを出してやるからやってごらん」とカネを与えるという話です。これは、国家統制の極端な強化ということです。

副島 国家がやる気のある人には、資産家になるチャンスを与える、ということですね。実際には資本税をかけても平等には向かわない。有名になったピケティの不等式、r>gというのは、資本収益率の方が、国民経済の成長率より高いので格差が生まれるという主張ですが、、、、

☆この続きは本書で!




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by yomodalite | 2015-06-05 19:06 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

聖書を語る (文春文庫)

佐藤 優,中村 うさぎ/文藝春秋



同じ事実からでも、見る人によっては、まったく違って見えるということ。

今行われている、いくつかの裁判の感想を聞いていると、他人が自分と違うということを意識するようになってから、もう何年経っているのかわからないぐらいなのに、未だに驚いてしまいます。たぶん、わたしは、同じ事実でも見るひとによって違う。ということと、それを、とりあえず「驚く」という感情でまとめる。だけで、何十年も費やして、何冊読んだかわからないぐらい、いっぱい本を読んでると思う。

それでも、大勢のひとが引用している古典といわれるような本でも、読んでいない本がいっぱいあって、幸せだなぁと思う。ときどき、真実に絶望しそうになるのは、それを真実だと思うひとが浅いだけで、本当の真実はもっと「豊潤」なのだ。

面白いと思えない本でも、つまらないと思える映画でも、「報道」と言う名のゴミや、ウルサいだけの「取材」とか、暇つぶしにしてはまったく気が利かないTVの「おしゃべり」を聞いているよりは、遥かにマシだと思う。

だって、その方が、少しは気が利く「おしゃべり」が出来るようになるでしょう?

本書は、佐藤優、中村うさぎという、これまでに、たくさん本を売ってきた方による「対談集」。面白いおしゃべりの見本のような本で、読んでいると、参加したくなるし、こんな「芸」を身につけられたらいいなぁと思う。

佐藤優と、中村うさぎが対話するのも、聖書について語るのも意外な印象ですが、おふたりは共にキリスト教に縁が深い方なんですね。佐藤氏の信仰は有名ですが、中村うさぎさんに対して、佐藤氏はこう述べています。

うさぎさんの作品を読むうちに、この人はキリスト教、それもピューリタニズム(清い生活を重視するプロテスタンティズムの一潮流)の影響を強く受けていると直感した(この直感は正しかった)。それは、うさぎさんが遍歴したブランド品漁り、美容整形、ホストクラブ通い、デリヘル嬢体験などのすべてが、ピューリタニズムの倫理で厳しく禁止されている事柄だからだ。(中略)

人間としての存在基盤が根底から崩されてしまう危険性があるので、キリスト教がこれらからの誘惑からの人間を遠ざけようとする。しかし、うさぎさんはどのような経験をしても崩れない。

私の見立てでは、さまざまな経験を通じて、うさぎさんは人間の内側と外側を区別する輪郭を確認しようとしているのだ。この輪郭において、人間は神に触れることができるのである。


そんな風には思っていなかったけど、言われてみると、もうそうとしか思えなくなるぐらい、鮮やかな「中村うさぎ」評ですが、当然のごとく、うさぎさんは激しく否定されていますww

でも、実際、うさぎさんは、中学、高校とキリスト教系の女子校出身で、文学者だから、聖書への基礎理解はもちろん、売れっ子作家として、読者を意識した、絶妙なツッコミ、疑問、問題提起と、様々な武器を駆使して、聖書がよくわからない、わたしたちに語ってくれています。

震災を報道で知ることがすっかり嫌になり、「震災後の日本」というテーマで、本書を選んだんですが、

第一章「聖書」を語るは、見出しにもあるように文学部出身のうさぎさんと、神学部出身の佐藤氏、ともに同志社でほぼ同年代を過ごされた2人による「異種格闘技」で、

第二章「春樹とサリンジャー」は、村上氏の『1Q84』と、サリンジャーは『フラニーとゾーイ』を中心に『新世紀エヴァンゲリオン』を比較してとか、

もう、すっかり震災のことを忘れさせてくれるほどの面白い内容。(本書のほぼ半分を締める)

第三章からが、震災が契機になっていて、

《Ⅰ》「地震と原発」を読む ー チェルノブイリ、そして福島
《Ⅱ》「地震と原発」を読む ー 日本人を繋ぐものは?

《Ⅰ》佐藤氏は、チェルノブイリ原発事故のとき、外務省の職員として、あの当時の政治家の動きや発言をよく覚えていて、今回の地震に対して、非常に既視感があると言い、うさぎさんは、文学者として、都知事・石原慎太郎の発言に注目する....

《Ⅱ》うさぎさんが問いかける ー 宗教が日本人を繋ぐことが出来ると思いますか、これからの日本を? 佐藤優が震災直後に書いた「翼賛のすすめ」に対して疑問を投げかけ、佐藤氏は「共同主観性」を提示する。「翼賛のすすめ」とは真逆ともいえる、菅直人への主観や、意外ともいえる前原誠司への見方...「スピリチュアルと伝統芸能」「私の喪失」と「私の発見」....

真摯で、頭の回転が速いおふたりの会話が、本になることで、より一層濃縮されて「面白い会話」に、読者を最後まで飽きさせません。

以下は、うさぎさんの「エピローグ」から

人間は「個」であると同時に「全体」である。「個」を失っては生きていけないし「個」であり続けるだけでも生きていけない。

だが、他者と繋がって集合体になろうとすると、必ず「個」と「個」のぶつかり合いが生じて、そこに苦しみや絶望が生まれる仕組みになっている。それでもやはり、心のどこかで「繋がり」を希求する想いは断ち難く、傷だらけになりながらも他者を求め、拒絶されては煩悶する。(中略)

アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」を例にひくまでもなく、この「私はどうやって他者と繋がれるのか?」という問いは、現代人が等しく抱えているテーマであろう。そして、そのひとつの解として、先ほど述べた「何か=サムシング」について考えるのは無駄ではあるまい。そう、それは佐藤氏が対談中に述べている「モナドとモナドを繋ぐ糸の先にあるもの」だ。

震災後の我々を繋ぐ細く頼りない糸の先には、はたして何があるのか? この本を読んだ後、あなたも一緒に考えてください。  2011年6月 中村うさぎ


(うさぎさんの「エピローグ」は、あえて、うさぎさんぽくないような文章部分をチョイスしてみましたが、本文の口調はいつもどうり)

うさぎさんは、今後も対談を続けて、今度は「創世記」を読みましょうと提案されたようです。また、第一章で、佐藤氏は新約聖書の「使徒言行録」を読みましょうと誘われています。どちらにしても、すごくワクワクしますっ!!!!

◎『聖書を語る』(アマゾン)
◎「読書メーター」
____________

[BOOKデータベース]クロノスとカイロス、キリスト教は元本保証型ファンド、「新世紀エヴァンゲリオン」の最終結論、『1Q84』は男のハーレクイン、日本は近代以前かポスト近代か、宗教に何が出来るのか…。共にキリスト教徒の二人が火花を散らす異色対談。文藝春秋 (2011/07)


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by yomodalite | 2011-10-07 12:48 | 文学 | Trackback | Comments(3)

外務省ハレンチ物語 (徳間文庫)

佐藤 優/徳間書店



本書は2009年の3月に出版された著者初めての小説。

外務省と言えば「伏魔殿」。でも「伏魔殿」なんて入ったことないし、日頃の会話でも使わないし、あまりイメージが湧かなかったんですが、これを読むと、どんなところなのか、すごくよくわかるうえに、外務省のラスプーチンと言われた著者による「官能小説」で、そりゃあ、もうエロいのなんのって(笑)

しかも、連載されていたのは『アサヒ芸能』という、これまた、女子には近づくことも出来ないような「下品な雑誌」(見たことないので、あくまでイメージです)なので「エロい」だけじゃなくて「下品」なんですけど、でも、「外務省とはいかなる組織か?」ということも、日本のエスタブリッシュの「エッチ」への傾向と対策のためにも、色んな意味で、女子にとって必要な「教養」でしょ?(外交官の奥様同士のマナーの話もあり)

アマゾンレヴューでは、5つ星と1つ星という極端な感想が見受けられますが、1つ星の「大衆迎合した下品な暴露」という意見(←外務省関係者?)には、わたしは同意できませんね。

外務省だろうが、芸能人だろうが、下半身事情の暴露はくだらないと思いますし、不倫も、性的志向も、当事者同士の問題であって、「公人」としての評価に影響を与えることには反対なんですけど、

ここで暴露されているのは、彼らの、放埒な「下半身事情」を、これでもかってぐらい贅沢に演出しているのが、すべて「税金によるという告発」です。

佐藤氏には、自分を逮捕させた勢力に対しての「仕返し」感情があったり、また、彼個人の政治的評価によって、貶められている方々もいるのかもしれません。

でも、それならば、マスコミは、この情報が真実かどうか、徹底的に調べるべきなんじゃないでしょうか?

公務員が「公費」として使うお金は「政治と金」の問題じゃないんですか?

大臣が、愛人との旅行に新幹線を無料で使ったとか、議員宿舎の問題とかで辞任になったときも、マスコミは大問題にしたはずですが、

ここで、描かれている、外務省のお金の使いっぷりは、そんなレベルを遥かに越えているわけですから、それこそ、マスコミの方々には綿密に取材して頂いて、国会招致、喚問のうえ、真実ならば、懲戒免職だけでなく、税金横領の罪で、何年も服役して頂きたいんですけど、

512日間も拘留されたうえに、有罪判決を受けたのは、著者の方だったり、、、外務省職員がやっていることを暴露する方が「下品」だと批判する人がいたり、、まったく不思議な世の中です。。

[目 次]
金田金造先生の夜のモスクワ大冒険
首席事務官はヘンタイです
家事補助員は見た
あとがき

[内容紹介]国益より己の欲望を優先。外務官僚および代議士が赴任先の国でしでかした下劣極まる下半身醜聞の数々を、実話に即して物語化。ハニートラップどころかロシア娼婦とのトラブルで現地マフィアと一触即発の事態を引き起こした代議士、上級職をかさに新人研修生への悪質セクハラを繰り返す首席事務官、在外公館で繰り広げられる破格の蓄財と性の宴――外交の最前線で起きている驚愕かつ下劣な実態を描く。最強外交官、初の小説!

[BOOKデータベース]ロシアマフィアを怒らせた代議士Kのド助平「海外政経事情調査」、「金髪ポルノビデオ」で美人研修生に英語講習する首席事務官M、在外公館・女性家事補助員が見た「公使Aの裏金とSEXの罠」、すべて揉み消された。個人名除いてほぼ実話!最強外交官、初の小説。

単行本/徳間書店 (2009/3/27) 
文庫版/徳間書店 (2011/3/4)


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by yomodalite | 2011-03-08 12:19 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

誰が日本を支配するのか!?検察と正義の巻

佐藤 優責任(編集),魚住 昭責任(編集)/マガジンハウス



先日読んだ『功利主義者の読書術』に続いて、こちらも、大変ワクワクして読みました。(ワクワク部分は、後述)本書は、佐藤氏と『沈黙のファイル』『野中広務 差別と権力』の魚住昭氏による共著ではなく、“責任編集”というスタイルで、

◎政治とメディア
◎沖縄と国家統合
◎検察と正義

という3部作の1冊。(他の2作は未読)

内容に関して、いつものように、目次をすべて書き出そうと思ったのですが、出版社のページで、目次内容がわかりますので、省略します。

☆目次はこちら(マガジンハウス“magazine would.jp”)

せっかく、立読みが出来るようになっているのですが、目次までで(本文少しだけでも入れるべきだよね)、冒頭の、わたしが一番ワクワクした部分は、読めませんね。

目次からは、第一章「日本の政治はどこに行くのか」、第二章「鳩山政権崩壊、菅内閣誕生の舞台裏」は、ともに「対談」となっていますが、どちらも、魚住氏は、インタヴュアーに徹しておられるという印象で、佐藤氏と、菅山氏(この名前は、匿名のジャーナリストの仮名。菅+鳩山という意味ですね)に、語らせているという感じ。

この第二章は、取材者、メディア内部からの情報による、数少ないもので、マスコミ不信を増大させている人(私もそうですが)にとって、興味深い内容。

また、第三章「政権交代でメディアは変ったのか」も、元共同通信記者で、『日本の公安警察』(未読)のベストセラー後、フリージャーナリストになられた、青木理氏が、現在のメディアを、リクルート事件取材の教訓から「検察リーク」問題を鋭く指摘した内容。

第四章は、菅政権が提唱する「最小不幸社会」を、小泉売国政権下の「検察」の横暴により、服役させられた、愛国経済評論家、植草一秀氏による経済評論。

全体を通して、昨今のメディア報道に、疑問や疑念を抱いている人には、興味深い内容ということは、目次からもわかると思いますが、目にして、違和感を感じるのは、第一章「日本の政治はどこへ行くのか?」の冒頭、「イエスは“ずるいおっさん”」だと思います。

冒頭で、わたしが「ワクワクした」と、感想を述べたのも、まさに、この部分なので、その「さわり」だけ、省略して、書き出しておきます。

これまでの、民主党による政権交代や、代表選挙の論評の中で「律令制」や「南洲」などのキーワードに、ピリピリ来た方や、『小沢革命政権で日本を救え』を読まれた方の中には、わたしが抱いたワクワク感に、共感される方もおられるのでは?

(引用開始。本文の冒頭)

佐藤 : イエスって、“ずるいおっさん”なんですよ。これは荒唐無稽な解釈ではなく、神学用語を使わずにごく簡単にイエス・キリストについて表現するとこうなります。付け加えておきますと、イエスは実在の人物であり、教育レベルは中の上程度、洞察力に優れ、自分が神の子だという認識は強く持っていたというのが、現在の神学での標準的な見解です。
魚住 : …… ずるい人間だったら、そこまでわかっていて、磔刑を受入れるものでしょうか。
佐藤 : だからこそ、ずるいんです。イエスは、イスカリオテのユダの密告によって逮捕され磔になりました。ユダはどうしてイエスを裏切ったのだと思いますか?
魚住 : ……
佐藤 : 当時、ユダヤ人はローマ帝国の支配下にあり、自分たちの国家を失っていました。(中略)イエスが決起すれば(中略)ユダヤ人の国家を建設し、天上の楽園に至る道を作れるはずだ。だから、密告により、イエスを極限まで追いつめればローマ帝国に対して決起すると考えたんでしょうね。イエスは革命を起こそうと思えば、いくらでも起こせたんです。(中略)
佐藤 : ……(イエスは)逮捕後、人を食ったような供述をしたほかは、口を閉ざしました。明らかに法廷を侮辱しています。そうしたら、わけのわからないうちに十字架に磔になって死刑にされてしまいました。ここにイエスの非常に冷徹な計算が見て取れます。

(引用終了)


佐藤氏は、カルヴァン派のキリスト教徒とのこと。

◎参考記事(2010年9月15日)
http://www.asyura2.com/10/senkyo95/msg/187.html

______________

[内容紹介]対談・佐藤優&魚住昭/佐藤の思想に対する構えや国家観、宗教観を、魚住が聞き出し、政権交代や参院選について語る。今回の「誰が日本を支配するか」編がどのような視点で貫かれようとしているのか、についての「まえがき」も兼ねる。
●鉢山政権崩壊と管政権誕生の裏
●政権交代でメディアは変わったのか?/記者クラブ解散、仕分け会場の開放など、多くのメディアに門戸を広げた新政権。それによって報道は変わったのか。またますます広報発表に頼ったか?
●「最小不幸社会」の経済学/植草一秀による執筆は、魚住の推薦。小泉構造改革に全盛期にひとり新自由主義を批判し、彼の主張していた方向になった。洞察力は衰えず
●鳩山政権の8か月年表

[BOOKデータベース]自民党から民主党への政権交代、鳩山政権の崩壊と菅内閣の誕生、7月11日に行われた参院選での民主党惨敗…。「迷走」を続ける日本の政治はどこへ向かうのか?そして、政権交代を機に加速し始めた、メディアやジャーナリズムの危機は救えるのか。

マガジンハウス (2010/8/12)


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by yomodalite | 2010-09-24 13:38 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

功利主義者の読書術(新潮文庫)

佐藤 優/新潮社




佐藤優氏の読書術と聞いて、ワクワクしてしまう読書好きはすごく多いでしょう。

まず、功利主義の読書とは?について「まえがき」では、こう書かれています。

(引用開始)読書には、大きな罠がある。特に、読書家といわれる人がその罠に落ちやすい。読書はいわば「他人の頭で考えること」である。(中略)本書が想定する読者は娯楽を目的とする人々ではない(中略)

本書の表題に「功利主義者の」というしばりをかけたのも、ビジネスパーソンや学生の「役に立つ」ということを第一義的に考えたからだ。(中略)

実用書やビジネス書は、はじめから「役に立つ」ようにつくられている。従って、このような本を功利主義的観点からどう読むかという解説をしても、読者にとって追加的利益はほとんどない。(中略)

役に立つとか、功利主義というと、何か軽薄な感じがするが、そうではない。われわれ近代以降の人間は、目に見えるものだけを現実と考える傾向が強い。しかし、目に見えるものの背後に、目に見えない現実があると私は信じている。(中略)

プラグマティズム(実用主義)や、功利主義の背後には目に見えない真理がある。読書を通じて、その真理をつかむことができる人が、目に見えるこの世界で、知識を活かして成功することができるのである。この真理を神と言い換えてもいい。功利主義の読書術とは神が人間に何を呼びかけているかを知るための技法なのである。(引用終了)

では、タイトルと「まえがき」だけで、すでに興奮MAXに達しそうな、そのラインナップは、、、

◎資本主義の本質とは何か
『資本論』カール・マルクス 向坂逸郎(訳)
『うずまき』伊藤潤二
『夢を与える』綿矢りさ
『資本論に学ぶ』宇野弘蔵

◎論戦に勝つテクニック
『山椒魚戦争』カレン・チャペック 栗栖継(訳)
『ふぞろいな秘密』石原真理子
『負け犬の遠吠え』酒井順子

◎実践的恋愛術を伝授してくれる本
『孤独の賭け』五味川純平
『我が心は石にあらず』高橋和己

◎「交渉の達人」になるための参考書
『北方領土交渉秘録 失われた五度の機会』東郷和彦
『カラマーゾフの兄弟』フュードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー 亀山郁夫(訳)
『カクテルパーティー』大城立裕

◎大不況時代を生き抜く智慧
『恐慌論』宇野弘蔵
『恐慌前夜 アメリカと心中する日本経済』副島隆彦
『経済学の国民的体系』フリードリッヒ・リスト 小林昇(訳)
「蟹工船・党生活者』小林多喜二

◎世直しの罠に嵌らないために
『邪宗門』高橋和己
「歌集 常しへの道』坂口弘
『レッド』山本直樹

◎人間の本性を見抜くテクニック
『長いお別れ』レイモンド・チャンドラー 清水俊二(訳)
『ロング・グッドバイ』レイモンド・チャンドラー 村上春樹(訳)
『死と生きる 獄中哲学対話』池田晶子 睦田真志

◎「沖縄問題」の本質を知るための参考書
『琉球王国』高良倉吉
『テンペスト』池上永一

◎再び超大国化を目論むロシアの行方
『ソビエト帝国の最後 “予定調和説”の恐るべき真実』小室直樹
『イワン・デニーソヴィチの1日』A・ソルジェニーツィン 木村浩(訳)
『他者の受容 多文化社会の政治理論に関する研究』ユルゲン・ハーパーマス 高野昌行(訳)

◎日本の閉塞状況を打破するための視点
『はじめての唯識』多川俊映
『公共性の構造転換 市民社会の1カテゴリーについての探求』ユルゲン・ハーバーマス 細谷貞雄/山田正行(訳)
『共同幻想論』吉本隆明
『新約聖書 新共同訳』

上記の27冊。(「長いお別れ」と「ロンググッドバイ」は、同一書の翻訳違いですが)

とりあえず、石原、酒井氏などの、いわゆる読書ブロガー向けのトラップ(笑)は避けて、佐藤氏ならではの、深い洞察が堪能できるのは、

まずは、ロシア関係で“IN”。先頃、お亡くなりになった、小室直樹氏。このブログでは、『韓国の悲劇ー誰もかかなかった真実』以外は、記録していないのだけど、それは、このブログが、2007年から始めたからで、それ以前に読んだ本は、極わずかだけ、気が向いたときに、保管してあるのだけど、『ソビエト帝国の最期』だけでなく、小室氏のカッパブックスのシリーズは、ものすごく頭がイイ人だからこそ書ける、読みやすくて、深い内容のものが、本当にたくさんありました。カッパブックスじゃないけど、今でも、簡単に手に入る、下記3冊とか、昭和天皇本とか、

◎日本人のための宗教原論
◎小室直樹の中国原論
◎日本人のためのイスラム原論

もう本当に読んで良かった!と、心の底から、思えた本ばかり。小室直樹氏に出会えなかったら、その弟子の副島隆彦氏にも出会えなかった。本当に頭のイイ人に出会えないと、それ以外のそんなに頭が良くないのに、イイと勘違いしている人から、影響受けちゃって、読書によって、ますます、バカになってしまうってことが、よくわかりました。

それから、個人的に、グッドタイミングだった、『カラマーゾフの兄弟』と『新約聖書』

仕事を辞めて、とにかく読書生活したい!と思ってから、何度も、『カラマーゾフ』を読み直さなきゃって、思ってたんだけど、その前に、大書『マイケル・ジャクソン』に出会っちゃって、どっちが先?と何度も考えて、やっぱり、マイケル?って思いつつも、いつも、気になっていたんだけど、新訳が出版されてたんですね!タイミングが来たら、絶対、亀山郁夫訳で読もうっと♡

『新約聖書』も、どれを、種本にすれば、いいのか、わからなかったんだけど、『新約聖書 新共同訳』にします!

とにかく、他にも、チャンドラーの村上春樹訳の話とか、ハーバーマスの話も深過ぎるし、大城立裕って誰?とか、池上永一氏にも、注目していなかったけど、とにかく、佐藤氏の読み解き方が、面白い!

また、『はじめての唯識』では、以前、別の学問について、やっぱり、その道の大家みたいな人に、その学び方を聞いたら、まずは、「ヘブライ語」からだって、言われて、速攻諦めた、英語も出来ない、わたしのような人にとって、ドイツ語、ロシア語、サンスクリット語や、ギリシャ語、ラテン語、ヘブライ語まで、学ばれた、佐藤氏に、難解なことを「簡単な言葉で解説」した本を、紹介していただけるなんて、もう、幸せ過ぎるぅ〜〜!!!この本を読んで、三島の『暁の寺ー豊饒の海』も、再読せねば!


実際に読むと、さらに、期待以上の面白さ!!! 読書好きには、必読の書。

☆☆☆☆☆(満点)
_______________

[出版社/著者からの内容紹介]タレント本からビジネス書、世界文学の名作、哲学書、宗教書まで──。
今まで気づかなかった智慧が見えてくる。
「役に立てる」という観点から本を読み直せ!
佐藤優が教える画期的読書術。 新潮社 (2009/07)


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by yomodalite | 2010-09-15 12:33 | 文学 | Trackback(1) | Comments(7)

小沢革命政権で日本を救え

副島 隆彦,佐藤 優/日本文芸社



現代日本の最高峰の知の巨人、お2人による対談は、2008年の年末に出版された『暴走する国家 恐慌化する世界―迫り来る新統制経済体制(ネオ・コーポラティズム)の罠』以来。

『暴走する〜』では、世界経済だけでなく、日本では、めずらしい本格的なクリスチャンで、外交官でもあった佐藤氏と、日本最高の国際政治学者である、副島氏による、秘密結社と宗教の話が、深く語られていて、その部分だけでも、他の本10冊分以上を軽くショートカットできるほど、レベルが高く集約された内容でしたが、

本書は、2009年12月〜2010年3月17日まで、4回にわたって行われた対論を主体にしながらも、2010年6月2日に起きた鳩山辞任の真相をもっとも早く、また的確に予想し、また、今後の日本の将来について、真摯な提言がなされている、重要な本。(本書の原稿が、著者の手を離れたのは、菅直人新政権が発足する直前の6月6日。10日足らずで書店に並んでいます。)

☆amazon.co.jp(批判コメントは低レベルな感情論ばかり)

キンドルや、iPadなど、巷では、電子書籍の話題で賑わっていますが、書籍でありながらこれほど「緊急出版」という名にふさわしい内容は稀ですので、読書ブロガーとしても、できるだけ緊急にメモを取りたいと思いましたが、わたしのつまらない感想よりも、内容が瞬時にわかる「目次」を、第一章から、すべて書き出すことにしました。

下記は、佐藤氏がライブドアニュース「BLOGOS」に2010年5月31日に書いた記事の省略引用になります。本書の序章と同じタイトルですが、内容は異なります。

「BLOGOS」小沢一郎が『平成の悪党』になる日
http://news.livedoor.com/article/detail/4799091/


(引用開始)近日中に民主党の小沢一郎幹事長が「平成の悪党」になるような予感がする。ここで筆者が言う「悪党」とは、犯罪者という意味でない。南北朝時代の南朝の忠臣・楠木正成が「悪党」と呼ばれたことを念頭に置いている。(中略)「悪党」とは、既成権力に対抗する強い武士の集団のことだ。(中略)

5月28日、鳩山由紀夫総理は、沖縄の米普天間飛行場の移設先を名護市・辺野古周辺とすることを明記した閣議了解を行った。(中略)鳩山総理は、移設先について「最低でも(沖縄)県外」としていた約束を反故にした。(中略)

筆者は、社民党が沖縄のためだけに行動したとは思っていない。もし、社民党が沖縄の負担軽減を真剣に考えているならば、福島氏や辻元清美国土交通副大臣(衆議院議員)らの社民党議員が、普天間の移設先を探すために、死ぬ気で努力したはずだからだ。その形跡は認められない。(中略)社民党は、沖縄のためでなく、自分のために目的合理的に行動しているだけのことだ。(中略)

本5月31日から政局が流動化する。この原因を社民党の連立離脱に求めては、事態の本質を見失う。今回、なぜこのようなことになってしまったのか? 筆者の見立てでは、起きている国家権力内部の権力闘争で、鳩山総理が官僚に譲歩しすぎたからだ。(中略)

官僚は、国民を無知蒙昧な有象無象と考えている。有象無象によって選ばれた国会議員は無知蒙昧のエキスのようなものと官僚は見下している。(中略)官僚は、現在、2つの戦線を開いている。第1戦線は、検察庁による小沢一郎潰しだ。第2戦線は外務官僚と防衛官僚による普天間問題の強行着陸だ。(中略)

鳩山総理は、現状の力のバランスでは、官僚勢力に譲歩するしかないと判断し、辺野古案に回帰した。(中略)しかし、この状況を官僚は「国家の主導権を官僚に取り戻した象徴的事案」と受けとめている。(中略)しかし、この象徴的事案は、官僚勢力に対する敗北になり、民主党連立政権が政治生命を喪失する地獄への道を整える危険をはらんでいる。筆者は、小沢幹事長がそのような認識をもっているのではないかと推定している。

小沢幹事長が「鳩山総理が平成の新田義貞になった」という認識をもつならば、自らが悪党になり、政局をつくりだそうとする。小沢氏が直接政権を握ろうとするか、自らの影響下にある政治家を総理に据えようとするかは本質的問題ではない。小沢一郎氏が「平成の悪党」になるという決意を固めることが重要だ。小沢氏が「平成の悪党」になる決意を固めれば、官僚に対する決戦が始まる。参議院選挙はその露払いに過ぎない。今後、天下が大いに乱れる。(2010年5月31日脱稿)(引用終了)


本書の同タイトルの序章は、上記「BLOGOS」の内容より、官僚の問題点を中心に「霞ヶ関」が勝利した場合に訪れる「ファシズム国家」への危機から、小沢一郎に対し、まずは悪党を組織化することの重要性と、今ここで戦うことは、現代の北朝=霞ヶ関官僚の術策にはまるだけであることを主張している。

はじめにー小沢一郎が「平成の悪党」になる日/佐藤優

第1章◎国家の主人は誰かー日本の国体と官僚支配の真相
小沢一郎を抹殺したがる勢力=検察と国家官僚の反撃

「小沢革命」を妨げる検察官僚と大メディア
・国民の真の敵は、官僚トップと法務省の官僚とマスコミの支配者たち
・民主党政権が官僚たちと「誰が国家の主人か」の闘いをしている
・「国家の主人」は、選挙によって選ばれた政治家であるべき
「国家の主人は誰か」という闘争が始まった
・検察は小沢一郎を叩き潰すことを国益と信じている
・難しい国家試験を合格したエリートを「国家の主人」と思い込む官僚
「小沢一郎」対「検察」の権力闘争の真相
・「政治資金規正法違反疑惑」による小沢不起訴は検察に対する国民の勝利
・地方のお年寄りパワーに支えられた小沢一郎
小沢一郎不起訴の陰で働いた見えざる勢力
・石川知裕議員本人から聞いた拘留中の真相
・三権分立の原則を越えた検察の取り調べ「小沢一郎不起訴」に働いた郵貯資金取引の謎
日本の官僚制の原点としての「律令制」とデモクラシー
・日本は王国でありながら、デモクラシーがある国家
・日本は律令制になって、社しょく(祭政)でなく、初めて国家になった
国会の議院制度の見直しが始まった
・小沢一郎の「内閣法制局長官の国会での答弁禁止」の真意
・日本国家が生き残るためには、政党を強化することが肝要

第2章◎アメリカと対峙する民主党政権の読み方
民主党政権は、なぜ日米関係を見直そうとしたのか

普天間基地移設、事業仕分けで見えた民主党内閣の力
・典型的な官僚タイプの岡田克也では普天間基地移設問題は解決できない
・小沢一郎のシナリオに逆らった議員は困難なポストに置かれる
最終的にどうなる?「普天間基地移設」の決着
・小沢一郎が「辺野古沖移設」に反対する本当の理由
・沖縄県宮古島の下地島への移設は可能か
日本の安全保障政策を操るアメリカの政府高官
・普天間基地移設を妨害するアメリカの2人の政府高官
・前原誠司や長島昭久はマイケル・グリーンの忠実な子分
国益を無視する外務省の密約隠○問題
・核の「密約文書」破棄で浮かび上がる元外務事務次官の責任
・外務省の最大派閥は、斎藤邦彦元外務事務次官の人脈の流れ
日米核密約を陰○する外務省の犯罪体質を弾劾せよ
・「日米核密約問題」を「神学論争」にしようとしている外務省
・外務省の「外交文書破棄」は国民と歴史に対する犯罪行為
官僚と闘う3人ー法務省の元検事、厚生労働省の局長と技官の勇気
・今、官僚トップが畏怖している局長と技官たち
・豚インフルエンザ騒動は「官製パニック」だった
・外務省の雑誌『外交フォーラム』の外務省買い上げが残した波紋
メディアと官僚の馴れ合いが日本を潰す
・政権党である民主党に襲いかかるメディアの劣化
「小沢潰しの突撃隊、決死隊」となった「産經新聞」

第3章◎民主党政権は何を起こしたのか
マスコミが明かさない小沢一郎、鳩山由紀夫、亀井静香の実力

宇宙人・鳩山由紀夫の頭脳と「友愛思想」
・鳩山由紀夫の「友愛思想」は、クーデンホーフ・カレルギー伯爵の思想に由来する
・マッカーサーは、もっとも下層の「軍人、軍隊用のフリーメーソン・ロッジ」に入会した
・石工の団体といわれるフリーメーソンは為替制度をつくった
「不均等な変化」を解く鳩山由紀夫の偏微分的発想
・鳩山由紀夫は、学生時代は「決断」の専門家だった
・マルコフ理論の影響を強く受けた鳩山由紀夫の政治哲学
オペレーションズ・リサーチの発想が日本を救う
・鳩山由紀夫の政治を解くカギは「多変数解析」にある
・16種類に分けられる「多変数解析」
・「多変数解析」の世界が理解できない日本のメディア
小沢一郎は、なぜ「日本の国王」なのか
・イエズス会の背後にある「日本占領計画」を見破った織田信長
・日本国の国体の要点をわかっていた織田信長と小沢一郎
・『日本改造計画』の原著者は誰か
日本の国王代理である亀井静香の実力
・1年だけ、日本の国王代理、実質的な最高指導者になった亀井静香
・1800億円の献金能力がある土建屋団体を掌握した政治家が国王に君臨する
・日本財務省には75兆円の埋蔵金が今でも眠っている
日本郵政会社社長に元次官を抜擢した恐るべき真相
・斎藤次郎・元事務次官の抜擢は最高の人事ドラマ
・金属疲労した霞ヶ関を解体する「二段階革命」
・斎藤次郎と気脈を通じている小沢一郎
・日本を大掃除する事務次官制の廃止

第4章◎民主党政権は日本を救えるか
民主党政権のマニュアルに潜む盲点を検証する

習近平(シー・チンピン)国家副主席訪日と天皇会見問題の真相
・羽毛田信吾宮内庁長官の発言のほうが天皇の政治利用
・羽毛田発言は意図的な「共謀理論」に近い
どこまで進む?「天皇の官吏」化
・今の宮内庁の官僚は「天皇機関説」論考に匹敵する
・今、正しい人間と間違っている人間の逆転現象が起こっている
・官僚が暴走して実質的に権力を握ることが、官僚制の最大の弊害
永住外国人の地方参政権付与の可否について
・永住外国人の地方参政権もワールド・ヴァリューズで考えるべきー副島
・帰化要件を緩和することで問題を解決すべきー佐藤
・中途半端な形で権利を認めると、在日韓国人・朝鮮人の中で不満も強まる
「高校の無償化」で朝鮮学校を除外する政策は間違っている
・日本は寛容の精神に立ち、朝鮮高校の「高校無償化」を行うべき
・多元性のある社会を強化するためにも少数派を弾圧するな
天皇の「男系による皇位継承」と女性天皇の可能性
・男性天皇の皇位継承の根拠ー「XY染色体」論議は根拠が薄い
・皇室の世界内部で解決させる「宮家の復活」が最良の策
民主党政権で靖国神社合祀問題はどうなる
・靖国参拝問題は「千鳥が淵戦没者墓苑」拡充案が望ましいー副島
・信教の自由を認め、靖国神社の合祀には賛成ー佐藤
トヨタの「大規模リコール問題」はなぜ起こったのか
・アメリカの「集合的無意識」が噴き出した「トヨタのリコール問題」
・トヨタの「大規模リコール」を仕組んだのはエクソン・モービルか
世界は「植民地なき帝国主義」の時代に移行する
・日本は「代替エネルギー」の開発と「化石燃料」を確保せよ
・イデオロギーの時代が終焉し、王様の取り合いになる

第5章◎迫り来るアメリカ経済の崩壊とオバマ政権の命運
「海の時代」が終わり、「ユーロ・アジアの時代」に転換する

アメリカはもはや内需の高揚で生き残るしかない
・新たなアメリカの金融・財政政策の規模は80兆円
・アメリカは創造的な製造業に携わるしか道はない
・アメリカは日本の新幹線技術をほしがっている
ドルの崩壊を待望するECとBRICs
・仮面が剥がれつつある地球の変動と環境問題
「東アジア共同体構想」が抱える今後の課題
・鳩山由紀夫の「東アジア共同体構想」は偏微分的な発想
・APECとASEANの関係が綱引き状態になってくる
日本のアフガン問題をこのように解決せよ
・日本はアフガン貢献問題にはタジク系の勢力の教育化がポイント
・日本はアフガニスタンに大量の食料製造工場を造れ
竹島と北方四島ー巧みに領土の返還交渉を行なう方
・領土問題というのは、最終的には「神話」の解決に似ている
・北方領土の解決には、島々に、まず人を送ることが先決
・前ブッシュ政権高官の発言ばかりを過剰に報道するマスコミ

第6章◎これから民主党政権はどうあるべきか
民主党政権がネオ・コーポラティズム(統制経済体制)に陥らない最後の方法

民主党連立政権は「共同戦線党」に脱皮せよ
・反国家主義を掲げる公明党と民主党の連立には意義がある
・今後の民主党政権に「共同戦線党」の生き方を期待する
・鳩山由紀夫を守ることは民主主義を守ることーゴルバチョフ元大統領の忠告
民主党政権で「アメリカからの部分的な独立」は可能か
・小沢一郎が敗れれば国民の大半が這い上がれなくなる
・日本の政府がアメリカの要請に従わなかったのは史上初めての試み
これから民主党はどうなるか
・既得権益を握りしめた官僚組織が今後も「反政権運動」を行う
・民主党政権の前途に立ち塞がる「ヒラリー政権」の誕生

おわりに◎国民民主革命を妨げる官僚とアメリカに抗して/副島隆彦

佐藤氏が書くごとく、2010年6月2日に起きた鳩山辞任は、まさしく「霞ヶ関(中央官庁)官僚による“静かなるクーデター”が行われたことが問題の本質」である(中略)
菅直人新首相は「G20会議」出席のとき、アメリカに寝返った。。


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by yomodalite | 2010-07-02 20:08 | 政治・外交 | Trackback | Comments(12)

テロリズムの罠 右巻 忍び寄るファシズムの魅力 (角川oneテーマ21)

佐藤 優/角川学芸出版




『テロリズムの罠 左巻』に続き、『テロリズムの罠 右巻ー忍び寄るファシズムの魅力』は、2008年のロシア・グルジア戦争は、国家間の懸案を武力で解決するという傾向を強め、リーマンブラザーズの破綻による世界不況で、各国政府は保護主義政策に傾いているなか、オバマ米大統領が国民を糾合し、国家体制を強化しようとしている姿勢に、危険な要素を感じるところから始まる。

イタリアのムッソリーニによるファシズムと、ナチズムを区別することが重要で、自由主義的な資本主義によって生じる格差拡大、貧困問題、失業問題などを国家の介入によって是正するというかなり知的に高度な操作を必要とするのが、「ファシズム」。

「ファシズムは、欧米の良質な知的伝統を継承した運動なのである。」

しかし結論を先取りしていうとファシズムの処方箋は好ましくない。

著者は、「はじめに」で、ファシズムの美点を紹介し、序章からは、その戦争への危険性を論じるという内容になっている。

序章では、「思想戦」、第1部「血と帝国の思想戦」では、ロシア、中国など社会主義国家の過去と現在を、著者の専門領域ともいえる分析力で読ませられるのですが、第2部「甦るファシズム」では、著者が強い影響を受けている宇野弘蔵のマルクス論を、さらに経済哲学的に考察した滝沢克己が引用されると、私には全くついていけなかった。ちなみに、滝沢克己氏の不安と恐慌の関係についての文章とは、

<じっさい、私のこれまで考えたところでは、右に述べた一点においては、「恐慌」は少しも「不安」と異ならない。相違は、「不安」が客体的主体としての人間の、絶対主体そのものに対する直接の関係のある特定の仕方に伴って避けがたく人間の世界に起こってくる現象であるのに反して、「恐慌」ないし一般に経済的・社会的な不安定は、同じ客体的主体としての限界の内部で、人間以外の個々の客体に対して関係せざるをえないその関係のある特定の仕方に伴って、必然的に人間の世界に起こってくる現象だという点だけなのである。>

この文章は、『「現代」への哲学的思惟ーマルクス哲学と経済学』という著書からの引用。上記でもたった7行の文章に、4回も「人間」とことわっているが、他の文章も、異常に「人間」率の高い文章で、滝沢氏が人間であることを疑わせるほど(笑)。

第2部は、第8章の雨宮処凛、あるいは「希望」の変奏まで、上記のような呑み込み難い文章が続きますが、その後は、厚生事務次官の殺傷事件や、田茂神論文などコンテンポラリーな話題から「あとがき」ー人種主義の足音へと順調にまとめられていますが、読了後は手を付けなければ良かったという印象。佐藤氏には、もうそろそろ、作家としてよりも、日本の優秀な外務省職員として職場復帰してもらいたいと思います。
________________

【BOOKデータベース】ロシア・グルジア戦争、リーマン・ブラザーズの破綻…。新自由主義イデオロギーが駆動するグローバル資本主義のもとで帝国主義化するアメリカ、ロシア、中国など、大国各国の政権と国体の変動を詳細に検証。資本主義の恐慌と過剰な搾取が生み出す社会不安と閉塞感が排外主義・ファシズムへと吸収される、現下の世界情勢の危機を警告する。 角川学芸出版 (2009/2/10)


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by yomodalite | 2009-04-28 15:24 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

テロリズムの罠 左巻 新自由主義社会の行方 (角川oneテーマ21)

佐藤 優/角川学芸出版



本書は、角川学芸出版のウェブマガジン『WEB国家』に連載されていた「国家への提言」に加筆修正したもの。左巻、右巻と2冊同時出版されていて、それぞれ、左派・右派向けかと思いきや、そうではなくて、左巻は新自由主義、右巻はファシズムをテーマにしている。

左巻きは嫌いだから、右巻だけ読もうと思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、両巻読んだ感想で言えば、左巻から読んだ方がわかりやすい内容になっていて、リーマンブラザーズの破綻を契機に起きた世界不況が、新自由主義に基づくグローバル資本主義の終焉を招くであろうという予測から、新自由主義の見直しの必要性を説いた内容になっている。

佐藤氏は、新自由主義は、国家と社会がもつ暴力性を加速する傾向にある。という。

新自由主義は、生活における貨幣の比重を高めてしまう。貨幣は本性として暴力的であることを認識し、新自由主義が市場による競争で合理的で公正な配分ができるというのは嘘で、市場において、豊かな者と貧しい者では、初期段階でもっている道具や情報に格段に差があることを指摘。宇野弘蔵のマルクス経済学に沿って、新自由主義の行方について語られている。

『テロリズムの罠』というタイトルは、わかりにくいのだけど、

秋葉原無差別殺傷事件は、国家を直接の標的にしていないが、「社会」を標的にしたテロである。テロは社会を弱体化し、国家が収奪する対象である社会が弱体化し基礎体力が衰えると、国家は弱体化する。秋葉原無差別殺傷事件が他のポトスに向けられたときの危険を認識したため、政府は迅速に対応し、派遣労働者に対する法整備を急速に進めた。テロにおびえ、あわてて対症療法するのは弱い国家であり、日本国家の弱体化は、国民の目に明らかになった。格差から生じる不満を政治はどのように理解するべきかを、元官僚であった佐藤氏が考察すると、『国家の罠』を逆さにしたタイトルになった、ということか。

各章により、インテリジェンス、旧ソ連、ロシアについての内容は興味深い点が多いものの、これを『テロリズムの罠』というひとつのパッケージの納め方には、居心地が悪かったり、風呂敷を広げ過ぎた感もあるような。。。

第2章の『蟹工船』異論では、小林多喜二がプロレタリアートの実態を知らずに書いた部分を、雨宮処凛氏との対談などを通して指摘し、第5章の内閣崩壊では、安倍〜福田の内閣の性格とその崩壊を解いている。

あとがきでは、テロとクーデターを避けるためには、日本を愛する人々が、暴力によって「世直し」を試みると、その結果、国家が暴力性を高める。この認識を共有することがテロやクーデターの歯止めになる。そのために思想がもつ力をいまここで発揮しなくてはならない。としているのだけど、どこからも援助されることのない、純粋に「日本を愛する人々」による暴力的な世直し、というものが想像できないし、国家の暴力性には様々な形体(軍隊・警察権力の強化〜税金の収奪、格差の定着)があるが、愛国者の抵抗(テロ・クーデター)は、幅がせまくなる一方であるなら、歯止めが「国家」の弱体化に繋がるかどうか。。。

『国家』本が飽和状態であると出版社側は判断したのだと思うけど、やっぱり本書は『国家への提言』のほうが、すっきりした内容になったと思う。
★★★☆

【目 次】
序章ーなぜいま国家について語らなくてはならないのか
・国民の災厄に備える
・国家権力の本質
・「不可能の可能性」に挑む

第1部ー滞留する殺意 暴力化する国家と社会の論理
 
第1章 国家と社会の殺人
・「社会」へのテロリズム
・「物神」と殺人

第2章 『蟹工船』異論
・「蟹工船」という問題
・葉山嘉樹『海に生くる人々』を読む

第3章 控訴棄却
・鈴木宗男疑惑の本質
・「欲望」する検察

第4章 農本主義の思想
・思想としての「土」
・「農本主義」を再考せよ

第2部ー沈みゆく国家 新自由主義と保守主義の相克

第5章 内閣自壊
・安倍内閣「自壊」の内在的論理
・新自由主義による日本国家・日本国民の簒奪
・ファッショの危機

第6章 情報漏洩
・国家とインテリジェンス
・インテリジェンス戦争

第7章 支持率2パーセントでも政権は維持できる
・求心力なき国家
・信任なき政権、崩壊せず

第8章 北方領土と竹島
・メドベージェフの“シグナル”
・領土問題の交渉術

あとがき テロとクーデターを避けるために
________________

【BOOKデータベース】秋原原無差別殺傷事件、うち続く政権崩壊…。二〇〇七年から「最悪の年」二〇〇八年にかけて起きた国内の数々の事件・出来事、そして一大ブームとなった『蟹工船』の犀利な読解・分析を通じ、日本国家を弱体化すると共に暴力化し、日本社会の中に絶対的貧困とテロリズムへの期待を生み出した新自由主義の内在論理を徹底的に解読する。 角川学芸出版 (2009/2/10)



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by yomodalite | 2009-04-27 15:45 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

暴走する国家 恐慌化する世界―迫り来る新統制経済体制(ネオ・コーポラティズム)の罠

副島 隆彦,佐藤 優/日本文芸社



奥付では平成20年12月30日第1刷発行とあり、まさに年末スペシャル企画ともいえる夢の最強タッグによる対談本。このお二人による対談にワクワクされた方には期待を裏切らない内容です。

序章、第1章までは、副島氏の熱心な読者には重複内容が多いものの、第2章は、ユダヤ教の本質がラチオとリーズンであるという副島氏の主張に、豊富な宗教知識をもつ佐藤氏が広汎な宗教・哲学論議へと展開されていて、このあたりの論議は、今まで副島氏の水準に適う対談相手がいなかっただけに、これまでになく深い内容になっています。

第3章、第4章は、佐藤氏のロシアへの深いインテリジェンスが、副島氏によって、欧州、中国との関連を交えた世界情勢の話として理解できる内容に。

そして、最終章は、日本の外交の問題点について。

【目 次】
序章 アメリカ大統領選に隠された真実
●ユダヤ・ロビーを無視して国際情勢は認識出来ない
・奇跡を肯定するキリスト教西欧文明の虚偽
・ニューヨーク・金融財界人に操られるアメリカ大統領
・アメリカ政治の二大原理ーリバータリア二ズムとポピュリズム
・世界を動かすユダヤ・ロビーの実力

第1章 アメリカ・ドル覇権の崩壊で「恐慌化」する世界
●1929年の「世界大恐慌」を凌ぐアメリカ発の金融危機の正体
・世界中で今、アメリカ外しの動きが始まっている。
・今回の恐慌には従来の経済学理論は通用しない
・アメリカ政府はAIG保険会社をなぜ救出したか
・カジノ経済を操る金融万のインチキは崩壊した
・これから大打撃を受ける日本の金融機関
・世界銀行・IMF体制は一旦崩壊する

第2章 秘密結社の実像ー西欧を動かす民族思想と宗教
●キリスト教に反旗を翻した集団の思想的系譜
・陰謀の分析なしに国際情勢は読めない
・神学者アダム・ヴァイスハウプトの思想
・ロシアで今、影響を与えている2人の思想家
・キリスト教会(カトリック僧侶階級)に反抗する宗教思想
・ロシア人に嫌われるイエズス会の実像
・神との「契約」から「摂理」重視になった近代キリスト教
・神学(セオロジー)と神聖政治(テオクラシー)

第3章 ロシアの野望と裏で操る二大勢力
●実力者プーチンとユダヤ・ロビー、アルメニア・ロビーの暗躍
・ロシアは2020年までに帝国主義大国をめざす
・備蓄しているものをお互いに融通しあうロシア社会の伝統
・ロシアを動かす二つの目に見えない同盟
・ユダヤ人とは何者か?アシュケナージとスファラディー

第4章 グルジアで発火したロシアとアメリカの「熱き戦争」
●大三次世界大戦への発火点となるか?グルジア軍事衝突の実像
・グルジア戦争は大三次世界大戦の発火点になるか
・グルジア経由、カスピ海・黒海の原油をめぐる争奪戦
・やがて中国はロシアと組み、アメリカと衝突する
・ロシアとアメリカは「熱い戦争」を繰り広げる
・「熱い戦い」になると中東で核兵器が使われる

第5章 劣化し、暴走を始めた日本の行方
●アメリカと官僚に乗っ取られた日本国は「新統制経済国家」へと転落する
・属国・日本の外交にインテリジェンスはない
・日本の政治を堕落させた官僚制度の弊害
・日米同盟にロシアを加える「地政学主義」こそ正しい日本の選択
・このままでは、政権交代で日本は何も変わらない
・全世界の国家が今、暴走を始めている
_____________

【内容説明】アメリカ発の金融恐慌で国家は暴走し、世界は新統制経済体制に突入する! 世界帝国アメリカの凋落と勃興するロシア。ドル亡き後の世界で、国家、そして民族はどのように変貌するのか? 言論界の両雄が語りつくす衝撃の対論。日本文芸社 (2008/12)


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by yomodalite | 2008-12-25 22:36 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

闇権力の執行人 (講談社+α文庫)

鈴木 宗男/講談社




佐藤優氏の「国家の罠」だけで充分かなと思い放置していたが今になってようやく読んでみた。陰謀論本のようなタイトルだが、外務省以外の存在には一切触れていない。

重厚なロシア文学の香り漂う佐藤氏の本とは違い、外務省職員の週刊誌的スキャンダルが、これでもかと顔写真入りで紹介されている。

鈴木氏はこの逮捕により、逆に好感度が上昇し、外務省の評判は地に落ちた。2008年02月、2審でも実刑判決を受けた鈴木氏だが、小泉、福田はいずれも反宗男。最高裁判決が小沢氏政権奪取後ならどうなるのだろうか。

◎「あたまにスッと入るあらすじ」
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【MARC」データベース】権力の中枢にいた者にしか、この本は書けない! 日本の中枢に巣くう暗黒集団の実態-「政治家」「検察」「官僚」「民間人」の邪悪なリンクによる闇の世界を、見聞した事実に基づき明らかにする。命を賭した初めての告白。講談社 (2005/12)


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by yomodalite | 2008-08-12 12:55 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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