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[後半に追記あり]
1週間ぐらい前に見た、NHKのSWICHIインタヴュー「吉田鋼太郎×宮川彬良」で、『花子とアン』の嘉納伝助役が魅力的だった吉田さんと、マツケンサンバや、ヒットミュージカルの作曲家で、クラシック音楽を優しく紹介してくれるナビゲーターとしても魅力的な宮川さんの会話が、私の長年の「壁」を壊してくれるほど素敵だった。

(下記のセリフは省略・要約しています)

宮川:音楽劇「ハムレット」では、劇中歌を歌いまくってた。

吉田:歌を歌っていたというより、セリフをしゃべっていた」という感覚で覚えている。

宮川:大量のセリフがある役で、長い劇中歌のシーンを最後まで歌でやったのに、鋼太郎さんだけが、最後まで音を伸ばして、それでも「カッコよく終わりたいんじゃー!」みたいな、、「役者の歌ってこれだよね」という感じがした。

歌がすごく上手く、歌を聴いています。って感じにお客さんがなっちゃう歌い手と、芝居を見ているうちに、どんどん引き込んでくれる歌と、2種類あって、圧倒的に、吉田さんは後者。どうしてあんなにセリフが音楽的に言えるのか。オペラ歌手が音楽的にセリフが言えるのかといえば、そうはならない。吉田さんの基礎は何なんですか?

吉田:それはやっぱり「シェークスピア」かな。シェークスピアのセリフは韻文になってるから。

宮川氏:歌になっているわけだ。

吉田:日本語でもそうなってるけど、言語でも何度もやっていて、そこで「朗誦」というもの(歌うようにしゃべるということ)を叩き込まれた。イギリスでシェークスピアをやるときは、iambic pentameter(弱強五歩格。弱い音強い音を交互に5回繰り返して一行を作るシェークスピアが愛したリズム)を体得しなさいと。

宮川:なるほど。それがまさに音楽の、、、

吉田:「If music be the food of love, play on」(もし音楽が恋の糧であるなら続けてくれ)というセリフを、「If music be the food of love, play on!(セリフをリズムに乗せる実例を示される)お客さんにとって、あるリズムをもって語られるセリフは入ってきやすい。

宮川:それを聞いて、2つの質問が浮かんだ。朗誦すると蜷川幸雄さんには怒られるんじゃないかって。要するに「歌うなと、ただ言やいいんだよ!」って雰囲気が。。

吉田:ただ、シェークスピアの時は歌わなきゃいけない時もある。でも、そこにリアリティがなきゃだめ。

宮川:そこが、2つめに聞きたいところで、朗誦するときにリアリティがなくなっちゃう人が多いよね。かたや歌え、かたやリアリティって責められて、今の吉田鋼太郎の演技ができたのかな。

吉田:リアリティに関して言えば、そのことで誰かに注文付けられたとかってことはない。ただ、俳優として、ただ歌ってるだけじゃどうにも居心地が悪い。ちゃんと伝わってない、自分の気持ちが本当に出てないんじゃないかって。

宮川:両方をもっている人がいかに少ないか。。

吉田:朗誦は、諸刃の刃というところがあるね。

宮川:それを出来るようになるために、一番必要なことは何なんでしょうね?

吉田:やっぱ、人生経験。。(笑)

吉田:今まで毛嫌いしてたミュージカルを、なぜ自分がやっているんだろう。。ただやってみると、意外と楽しい、なんか楽しめてる

宮川:そうなんですよ。ミュージカルはいろんな人生引きずってきた人が集まる場所。お客さんも、作り手や演者はもっとそうですね。ミュージカル作ってる時は「集合」を感じる。才能とか、人生とか、みんなが持ち寄って、円が重なって真ん中の赤く塗るところ、あれがミュージカル。

吉田:ストリートプレイじゃないから、どうしても割愛しなきゃいけない部分がある。そこを歌で埋める。でも割愛はできない、歌にいかに説得力なり、その人の人間がでるとか、なにか重さのようなもの、リアリティがないと、、そこが難しい。

宮川:それが、吉田鋼太郎にはたっぷりある。だからミュージカルに出ていい。私が許可しましょう(笑)


*  *  *


音楽好きな私は、これまでミュージカルの歌を、純粋に音楽として素晴らしいとは、どうしても思えず、セリフを歌にしなくてはならないという切実な理由がわからなくて、マイケル関連であれこれ観るようになってからも、イマイチ、その素晴らしさがわからなかったのですが、

番組ではこのあと、昭和の時代を彩ったヒット曲の数々とともに物語が展開していく、宮川氏の代表的ミュージカル「ザ・ヒットパレード」の映像が流れ、ミュージカルというのは、人生を走馬灯のように振り返ってみることに近いのかなぁと思っているうちに、

私の中の分身Aが、マイケルが自分が創るミュージカルが「画期的」だという理由、いったい、何が「画期的」だったのかについて、これまでより具体的に想像できたような気がして、『マイケルが創りたかったミュージカル』という記事を勢いで書いたんだけど、

アップする寸前になって、私の中の分身Bが、なんだか「私の言い方じゃない」と言いだしたので、言葉遣いを変えてみようと見直しているうちに、Aは、スタイルの問題ではないのかも。と思い出す。Bは「言い方」だけ変えれば、それでいいんだけどなぁ。と思ったものの、Aは悩みだすと、とにかく長くて、そんなとき、分身Cは「MJ関連の和訳でもすれば?」というのが習慣化しているのだけど、

今日、ついに分身Mが現れて、「ミュージカル」を見に行こう。と言う。

それで、映画情報を見ていたら『イントゥ・ザ・ウッズ』というタイトルに、Aも、Bも、Cも「これだ!」という。

いわゆるディズニーミュージカルを期待しているとイマイチだとか、感想は真っ二つに割れていて、総合評価としてかなり低めに抑えられていたことが、むしろ「私に向いている」気がして、それで、4人で(?)行ってみた。

映画では、冒頭から、セリフのほとんどが歌われていて、全編通しても、90%ぐらいのセリフが歌になっていたのだけど、私にはものすごく腑に落ちたストーリーで、出演者の歌も曲も素晴らしかった。

すべての曲を創ったソンドハイムという人がめちゃくちゃ偉大な人だということもわかって、それまで気になったことがなかった監督ロブ・マーシャルのことが好きになって、

森に行って歌をうたうことが、人生でいいと、4人は納得した。

人生は「ミュージカル」で、

ハッピーエンドとは意志の問題なのだ。と

END


追記

番組で紹介されていた井上ひさし氏の言葉

むずかしいことをやさしく、
やさしいことをふかく
ふかいことをゆかいに

そうなって初めて、世界で共通言語になる。
それが井上ひさしであり、音楽の力でもあると。。。


☆オペラの作曲について。。。

宮川:泳いでも泳いでも、海。。3時間のことを考えながら、1秒2秒のことを考える。。。たぶん、シェイクスピアの文字なんかもそうなんじゃないですか。

吉田:うんうん、そうだと思う。だから、ときどき手を抜くセリフがある。ちょっとぐらい聞こえなくてもいいや。みたいな、、

宮川:ああ、、役者としてね。。

吉田:でもね、お客さんもそうなの、そんなに聞かされてもおなかいっぱいになっちゃう。

宮川:さあ、、オードブル、、、ちょっと箸休めしたら、気が付いたら中華料理になってたよ。。北京ダック美味しかったね。。ダックといえば。鴨南蛮でしょう。。みたいな、上手に世界各国の料理をね、、だって、もう日本食だけじゃ間に合わない。3時間ずっと食べるんだから。。




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by yomodalite | 2015-04-23 09:58 | MJ系ひとりごと | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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