タグ:ミステリ・サスペンス ( 26 ) タグの人気記事

仮想儀礼(上・下)/篠田節子

仮想儀礼〈上〉 (新潮文庫)

篠田 節子/新潮社



都庁の職員でありながら、ゲームのシナリオライターを副業にしていた“正彦”は、オリジナル作品の依頼をきっかけに、ゲーム作家を本業とすることを決意、公務員を退職し、理解のない妻とも別れたが、出版詐欺にあい、何もかも失ってしまう。また、正彦に仕事を依頼していた“矢口”も会社をクビになり、仕事を失っていた。年齢がネックとなり再就職が出来ない2人は、事業として「宗教」を営むことを思いつく。。。

昨年末に出版された本書により、初めて篠田氏の作品を読みました。

ゲームのシナリオとして考えられた“宗教”に、はまって行く人々に対して、最後まで冷静さを失わない“教祖”桐生慧海(正彦)や、次第に金儲けより、生き辛さをかかえた女たちに共感していく矢口、また成功しながらも、宗教を必要とする経営者たち、天才ともいえる文学的才能をもちながらも、破滅の道から抜け出せない、作家・萩尾敬。

家族の問題に引裂かれた女たちも、いずれも、人物がよく描かれていて、長編にもかかわらず、ぐいぐいと読ませられてしまう、著者の器の大きさに圧倒されました。

探偵や刑事ではなく、途中から重要なキャストとして、ルポライターの安藤が登場し、マスコミの問題点をも浮き彫りにしている。信者の女の家族である、政治家の兄など、男たちの社会的地位や、職種による性格の描き分け方が上手いうえに、女たちへも、女流作家ならではの鋭い目線で、間違いなく楽しめます。

★★★★(古くささがあまりない社会派サスペンス!)

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【BOOKデータベース】(上巻)信者が三十人いれば、食っていける。五百人いれば、ベンツに乗れる—作家になる夢破れ家族と職を失った正彦と、不倫の果てに相手に去られホームレス同然となった矢口は、9・11で、実業の象徴、ワールドトレードセンターが、宗教という虚業によって破壊されるのを目撃する。長引く不況の下で、大人は漠然とした不安と閉塞感に捕らえられ、若者は退屈しきっている。宗教ほど時代のニーズに合った事業はない。古いマンションの一室。借り物の教義と手作りの仏像で教団を立ち上げた二人の前に現れたのは…。二十一世紀の黙示録的長篇サスペンス。


(下巻)スキャンダルの末、教団は財産を失う。しかし、残った信者たちの抱える心の傷は、ビジネスの範疇をはるかに超えていた。家族から無視され続けた主婦、ホテルで飼われていた少女、実の父と兄から性的虐待を受ける女性…居場所を失った者たちが集う教団は、次第に狂気に蝕まれてゆく。「カルト」の烙印を押された聖泉真法会。さまよえる現代の方舟はどこへ向かうのか—真の救済の在り処を問う、著者の新たなる代表作。新潮社 (2008/12)



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by yomodalite | 2009-11-24 17:56 | 文学 | Trackback | Comments(0)

神々の乱心(上・下)/松本清張

神々の乱心〈上〉 (文春文庫)

松本 清張/文藝春秋




松本清張が82歳(1992年)で亡くなる直前まで週刊文春に連載、五年後に(1997年)上下刊で出版された絶筆。
まだまだ清張ビギナーの私にとって、早過ぎるとは思ったものの、『昭和史発掘』シリーズでの取材力を元に、皇室、宗教といったテーマを清張がどう描いたのか、どうしても早く知りたくて、手を付けてしまいました。

(ネタバレには気をつけておりますが、今回は色々微妙な点がありますのでご注意ください)

昭和8年、特別高等警察課第一係長 吉屋謙介は、マークしていた「月辰会研究所」の建物から出てきた女を尋問することになった。女は宮城坂下門通行証を持ち、風呂敷には、月辰会の「御例示」が大事に包まれていた。

「宮内省皇宮宮職」職員、北村幸子は、深町女官の代理として月辰会に訪れたようだったが、その数日後、職を辞して郷里に帰った直後に自殺した。

皇室、謎に包まれた女官の世界、謎の宗教。。。探偵役には、華族の次男ばかりを集めた「華次倶楽部」を主催する、深町女官の弟にして萩園子爵の弟でもある萩園泰之という、これまた魅力的なキャラも登場し、とても82歳とは思えぬほど、旺盛な執筆力には今更ながら驚かされるのだけど、その溢れんばかりの執筆力が凄すぎて、魅惑的な謎に惹き込まれつつも、連載そのままでの単行本化だからか、文章の重複や、中国の民族問題から、大連阿片事件、満州事変、国家主義運動などなど、昭和の歴史が壮大に関わり過ぎて、歯応えの固さは半端ではありません。

そのあまりの壮大さに、音を上げて、これほどの「魅惑的な謎」にも関わらず、上巻半ばで自らネタバレ情報を探ってしまったのですが、なんとそこには、「未完」の文字が!。読書前にできるだけ、情報を仕入れない主義なので知らなかったのですが、晩年の作とはいえ、やはり清張の作品としては、完成度に疑問を感じる読書だったので、「やっぱり」という感じも否めませんでした。

ただ、謎のすべてが解らずじまいというわけではなく、事件は最終章で一応解決していますし、未完後の内容には、編集部註によるまとめがついているので、クライマックスは想像できます。

小説としての完成度には残念な点が多いものの、挑戦する価値は大いにある特別な作品です。

☆判定不能

「MuBlog」
http://asajihara.air-nifty.com/mu/2007/08/1_ac33.html
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上巻【BOOKデータベース】昭和8年。東京近郊の梅広町にある「月辰会研究所」から出てきたところを尋問された若い女官が自殺した。特高課第一係長・吉屋謙介は、自責の念と不審から調査を開始する。同じころ、華族の次男坊・萩園泰之は女官の兄から、遺品の通行証を見せられ、月に北斗七星の紋章の謎に挑む。—昭和初期を雄渾に描く巨匠最後の小説。

下巻【BOOKデータベース】昭和8年の暮れ、渡良瀬遊水池から他殺体があがった。そして、もう一体。連続殺人事件と新興宗教「月辰会研究所」との関わりを追う特高係長・吉屋謙介と、信徒の高級女官を姉に持つ萩園泰之。「『く』の字文様の半月形の鏡」とは何か?背後に蠢く「大連阿片事件」関係者たちの思惑は?物語は大正時代の満洲へと遡る。未完の大作。

【帯情報】
<上>宮中に何事か画策する謎の新興宗教
昭和8年。東京近郊。梅広町の「月辰会研究所」から出てきたところを尋問された若い女官が自殺した。自責の念と不審から「月辰会研究所」をマークする特高課第一係長・吉屋謙介。やがて渡良瀬遊水池から、2つの死体が……
巨匠松本清張が渾身の力を揮った絶筆1700枚。

<下>満洲に暗躍していた教祖の野望とは
自殺した女官の兄から、月に北斗七星の紋章が入った通行証を見せられた華族の次男坊・萩園泰之。「『く』の字文様の半月形の鏡」とは何か? 事件の背後に見え隠れする十数年前の「大連阿片事件」の影。「月辰会研究所」の謎を追って、物語は大正時代の満洲へ遡る。



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by yomodalite | 2009-05-11 16:15 | 文学 | Trackback | Comments(0)

翼ある闇—メルカトル鮎最後の事件 (講談社文庫)/麻耶雄嵩

翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 (講談社文庫)

麻耶 雄嵩/講談社



今から18年前の「新本格第2世代」と言われた麻耶雄嵩のデビュー作。本格ミステリの巨匠である島田荘司氏の本に出会ったのが遅かったので、新本格の作家である綾辻行人や、法月綸太郎氏が人気作家になった頃には、まだ島田作品を一から読んでいて、島田作品がようやく現在に追いついた頃からは、鮎川哲也や高木彬光を読むようになりました。

そんなわけで「新本格」に関しては、島田氏の論客としての姿しか印象に残っていないし、もうそれでいいかと思っていたのですけど、 新新本格と言われる舞城も読んだことですし、清涼院流水も読もうかと思っている今日このごろ、麻耶雄嵩を飛ばしていいのかと、ふと思い直し、『文学賞メッタ斬り!』でも絶賛されていた『夏と冬の奏鳴曲』を読む前にやっぱりデビュー作を読むべきでしょ、というわけで永年の宿題にようやく手を付けるような気持ちで読んでみました。

結論から言えば第8章ぐらいまで辛くて何度もくじけそうになったのだけど、「メルカトル」の最後までは、と必死に気持ちを奮い立たせ、なんとか最終章〜エピローグの怒濤のどんでん返しを楽しむことができました。

私が読んだのは初版単行本で島田荘司氏による推薦文が巻末に付いていて、まあ今更、島田御大の新本格擁護批判もないんですけど、綾辻行人への批判は、致し方ないけど、麻耶雄嵩をどれほどもち上げてもその種の批判は受けないだろうっつー擁護の仕方は、どうなのかな〜。

文章力や、成熟度はまだまだだけど、発想の素晴らしさや、本格ミステリの著者としての類いまれな才能をかって欲しいってことなら納得なんだけど。

島田氏の、どこからでも日本と日本人への批判をすることができる個性を御大の病気と考えている人は結構多いと思うのだけど、日本人にありがちな「日本に生まれて良かった」という感覚からは、ミステリを書き続ける「知性」への飽くなき欲求は生まれないんでしょう。御手洗が、自分より遥かにお莫迦な相方とよりを戻すことはないのは寂しいけど。

しばらく休養してから、『夏と冬の奏鳴曲』にも挑む予定。

「ミステリーの憂鬱」
http://clinamen.ff.tku.ac.jp/Mystery/Maya/Maya_1.html
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【出版社/著者からの内容紹介】首なし死体、密室、蘇る死者、見立て殺人……。京都近郊に建つヨーロッパ中世の古城と見粉うばかりの館・蒼鴉城を「私」が訪れた時、惨劇はすでに始まっていた。2人の名探偵の火花散る対決の行方は。そして迎える壮絶な結末。島田荘司、綾辻行人、法月綸太郎、三氏の圧倒的賛辞を受けた著者のデビュー作。

【BOOKデータベース】魅力的な謎、破天荒なトリック、緻密な論理、奇矯な人物、衒学趣味、毒に満ちたユーモア、意外な解決…。およそ思い付く限りの本格ミステリのエッセンスが、この小説には濃密に詰め込まれている。講談社 (1996/07)



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by yomodalite | 2009-03-12 23:31 | 文学 | Trackback | Comments(0)

煙か土か食い物(講談社文庫)/舞城王太郎

煙か土か食い物 (講談社文庫)

舞城 王太郎/講談社



ずいぶん前から噂には聞いていた舞城王太郎の2001年のデヴュー作をついに読了。

町田康に似ているとか、文体に関しての意見をよく耳にしていたのですけど、私は割合オーソドックスだと思いました(←褒め言葉です)
町田康に関しては、「INU」や詩人(町田町蔵)時代の言葉のセンスは大好きだったのですけど、作家になってからの作品はどうもピンとこないんですが、、舞城氏は、もっと変なやつだと思って会ったら意外とカワイイ奴だった、という感じ。

「新本格」(とまとめて評してしまうのもなんですが、、)の作家より、結構文学的素養がある感じがします。

本著はエンターテイメントですが、純文学に活動の幅を拡げたらしい三島賞受賞の『阿修羅ガール』や、芥川賞候補になった『好き好き大好き超愛してる』や、「奈津川サーガ」の続編『暗闇の中で子供』も読んでみたい。
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【出版社 / 著者からの内容紹介】これが噂のMaijoだ!小説界を席巻する「圧倒的文圧」を体感せよ!腕利きの救命外科医・奈津川四郎に凶報が届く。連続主婦殴打生き埋め事件の被害者におふくろが? ヘイヘイヘイ、復讐は俺に任せろマザファッカー! 故郷に戻った四郎を待つ血と暴力に彩られた凄絶なドラマ。破格の物語世界とスピード感あふれる文体で著者が衝撃デビューを飾った第19回メフィスト賞受賞作。 講談社 (2004/12、単行本2001/03)



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by yomodalite | 2009-02-27 18:05 | 文学 | Trackback | Comments(2)

Dの複合(新潮文庫)/松本清張

Dの複合 (新潮文庫)

松本 清張/新潮社



『黒い画集』のあとに何を読もうか迷いましたが、夥しい量のTVドラマなどで、なるべくネタに見覚えがなさそうな作品ということで本著を選びました。タイトルの意味はちょうど半分ほど読み進むと登場します。北緯35度、東経135度の英訳 North Latitude 35 degrees East Longitude135 degrees 4つの「d」が重なり合っているから「Dの複合」(中略)それに緯度・経度は地球をたてとよこにそれぞれ2つに割っているから、そのかたちからしてもD形の組み合わせになっている

と、作中の作家によって説明されるのですが、北緯35度、東経135度でなくても「D」は4つ。重なり合っているというのも(?)なんですが、ストーリーには様々な「複合」があり清張作品の中では特に謎解きの面白さが味わえる作品ではないでしょうか。

島田荘司のデビューが、松本清張の流行により衰退していた「本格ミステリ」の復興の先駆けになったという知識などから(私はお二人ともリアルタイムに読んでいませんが)清張には「ミステリ」の印象があまりなく両者は対極の存在と思っていたのですけど、「Dの複合」には、島田作品の手触りとかなり近い感触があって、宮部みゆきだけでなく、松本清張の影響の大きさというか巨人ぶりをあらためて実感。

本著の検索をしていて不思議だったのですけど、清張ファンの人はネタばれに関して気にしない方が多いようなので、未読の方はお気をつけくださいませ。

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【BOOKデータベース】作家の伊瀬忠隆は雑誌の依頼を受けて「僻地に伝説をさぐる旅」の連載を始めた。第一回浦島伝説の取材地丹後半島いらい、彼の赴くところ常に不可解な謎や奇怪な事件が絶えない。そして突然の連載打切り。この企画の背後に潜む隠された意図の存在に気づいたとき、伊瀬は既に事件の渦中に巻き込まれていた。古代史、民俗説話と現代の事件を結ぶ雄大な構想から生れた本格的長編推理小説。新潮社:改版版 (1973年、光文社1968/12初版)



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by yomodalite | 2009-01-29 12:34 | 文学 | Trackback | Comments(0)

黒い画集 (新潮文庫)/松本清張

黒い画集 (新潮文庫)

松本 清張/新潮社



大みそかに、久しぶりに「紅白」を観ました。下品な番組という感想はもう何年も変わらないのだけど、『天城越え』の石川さゆりが素晴らしくて、これはやはり「紅白」という「舞台」がもつ格が相応しいとも思えるのだけど、番組全体としては、なるべく下品に演出するようにと、NHKは毎年「闇の勢力」から、脅されているんでしょうかww

『天城越え』はもう十年以上前から名曲だったはずだけど、年末に観たそれは、名曲として以上に「古典」として完成されていてさらに大輪の華を咲かせたようだった。イチローが、現在これを使用したのも、この完璧さが気に入ったのだろうと思う。

そんなことを思いつつ、私が録画した『天城越え』を何度も観ていたら、ダーリンから「清張に『天城越え』という作品があるんだよね」と、めずらしく(!)有意義な一言。

久しぶりに松本清張の作品を読んでみました。

本著は『天城越え』を含む7編による短編集。「天城越え」はその中では短い方なのだけど、どの作品も、描写がすばらしく、著者も書込むことにより筆が乗って来るという感じで惹き込まれるだけに、長い作品ほど満足度が高くなるので、読了後もっと続きが読みたいと思ってしまう。また、あらためて驚いたのは、全作品が自分が生まれる前に書かれたものだったこと。昭和33〜34年に書かれたものなのに、この現代性は驚嘆するしかありません。まだ東京オリンピックも始まっておらず、新幹線ひかりも走っていないなんて。

また近日中に、清張作品を読まずにはいられないと思う。


【目 次】
「遭難」
同じ会社の3人が鹿島槍の登山をするが、遭難して一人が死んでしまう。。。
「証言」
エリート銀行員は保身の為、殺人事件の偽証をする。。。
「天城越え」
少年は家出の途中、色っぽい女に出会い。。。
「寒流」
銀行支店長が上司である常務に愛人を奪われてしまう。。。
「凶器」
容疑者の家から凶器は発見できなかった。刑事は後日、凶器が何であったか気づいた。。
「紐」
島の神主が川べりで死体で発見された。被害者はある事業計画のため多額の借金を抱えていたが。。。
「坂道の家」
雑貨屋の店主が若いキャバレーの女性に手玉に取られてゆく。。。

【本の内容】
身の安全と出世を願う男の生活にさす暗い影。絶対に知られてはならない女関係。平凡な日常生活にひそむ深淵の恐ろしさを描く7編。新潮社: 改版版 (1971/10)



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by yomodalite | 2009-01-21 13:53 | 文学 | Trackback | Comments(0)

バイバイ、エンジェル (創元推理文庫)/笠井潔

バイバイ、エンジェル (創元推理文庫)

笠井 潔/東京創元社




『国家民営化論』『本格ミステリの現在』や島田荘司氏との共著『日本型悪平等起源論』など理論家としての笠井潔氏の著作は読んだことがあったのだけど、ミステリ本は順番も無視して『哲学者の密室』『天啓の器』をジャケ買いしたものの長らく放置状態のまま、今に至るまで未読でしたが、とうとう決意を固め、矢吹駆シリーズ第一作をようやく読んでみました。

本格ミステリに目覚めたのは遅くて今から10年程前だったので、なんとなく『バイバイ、エンジェル』とか『サマー・アポカリプス』などのカタカナタイトルが「ニューミュージック(笑)」のようで、しかも革命とか現象学も「マジ」な感じだったのが、むしろ娯楽本の方に手が出なかった理由。で、結論から言えば大変楽しめました。特に、

「(略)事件の進行過程では具体的な質問に一切答えないつもりだ。だから犯人が誰かというようなことを尋ねても無駄だよ。僕の関心はひとつの犯罪が現象としてどのように生成していくのかを、始めから終わりまではっきりと見届けることにのみある。そのためには知りえた事実を全部語るわけにはいかないのだ。もしもそんなことをすれば、現象の固有のあり方が外部から恣意的に歪められてしまう危険性が生じる。そうなっては、犯罪の現象学的考察は不可能になるからね」


という箇所。名探偵が連続殺人事件に当初から関わっていながら、その後の殺人を食い止めることができず、最大限の被害者を出した後、事件の真相を語りだすという、パターンへの解答に現象学とは。。。(* ̄ ̄ー ̄ ̄)。

それと『バイバイ、エンジェル』のエンジェルの意味も(* ̄ ̄ ̄ー ̄ ̄ ̄)ニヤリ。。ですね。

三つ星レストランに行って、評価に相応しい極上の味が想像以上であったような感じ。
_________________

【出版社/著者からの内容紹介】アパルトマンの一室で、外出用の服を身に着け、血の池の中央にうつぶせに横たわっていた女の死体には、あるべき場所に首がなかった! ラルース家を巡り連続して起こる殺人事件。警視モガールの娘ナディアは、現象学を駆使する奇妙な日本人矢吹駆とともに事件の謎を追う。日本の推理文壇に新しい一頁を書き加えた笠井潔のデビュー長編。東京創元社 (1995/05)


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by yomodalite | 2008-08-30 23:17 | 文学 | Trackback | Comments(0)

変身 (講談社文庫) /東野圭吾

変身 (講談社文庫)

東野 圭吾/講談社



同一人物に宿るふたつの魂という意味では『秘密』が思い出されるが、私はこちらの作品の方が好きです。

だいぶ以前に読んで、今回ひさしぶりの再読なんですけど、、、実は、、講談社文庫版p366

「女だよ。女が教えてくれたんだ」「おんな?」「あんたの仲間さ。だけどよ、あの女はあんたを裏切ってるぜ」
が未だにわかんないんです。。。どなたか、教えてくださいませ。m(__)m
___________

【作品Outline】職場では「お利口さん」という渾名をもらう少し気弱な好青年、成瀬純一が、狙撃事件に巻き込まれて瀕死の重傷を負った。幼女を助けようとして、自らが被害に遭ったものである。善意の青年を救うために、最先端医療が施された。脳移植手術である。純一の体力は順調に回復し、職場復帰も果たすのだが—。純一は、深い愛情を寄せていた恋人、葉村恵を疎んじ始めている自分に気付き、愕然とする。画家になる日を夢見た頃もあったのに、今は絵筆を握る事にも大きな苦痛を覚える。変わっていく自分に恐れを抱いた純一は、その原因を探るための行動を起こした。
そこで彼は、巧妙に隠蔽されていた、恐るべき真実に辿り着く。自己崩壊がもたらす苦悩を、緻密な構成と丁寧な情景描写で綴った長編サスペンス。
(http://from1985.pekori.to/keigotaku/review/henshin.html より。講談社ノベルス(1993/06)文庫(1994/06)

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by yomodalite | 2008-07-16 10:37 | 文学 | Trackback | Comments(0)

溺れる人魚/島田荘司

溺れる人魚 (文春文庫)

島田 荘司/文藝春秋



『溺れる人魚』『人魚兵器』『耳の光る児』『海と毒薬』の4編の短編集。島田作品はこれまでほぼ全作読んでいましたが、2006年の本格回帰出版ラッシュ作品以降は見送っていました。

表題作以外はすべてミタライが登場するのですが、あの激しい躁鬱でユーモアたっぷりだった御手洗ではなく、歴史も最新科学も万能の学者としての登場し、ハインリッヒより頭がイイように描かれている以外に、この2人のパーソナリティーの違いはあまり見られないのは、相変わらず残念でなりません。

しかし、すべての作品が人魚の悲劇的な物語にどこか通じるものがあり、上質なミステリ短編集として洒落ている点、表題作以外は既読でしたが、再読に耐える作品であるのはやはり流石としかいいようがないです。

『溺れる人魚』
ミュンヘンオリンピックで大活躍しポルトガルの至宝と言われた美貌の水泳選手アディーノ・シルバは、先天性のニンフォマニアと診断され、ロボトミー手術されてしまう。手術後は一人で食事も排泄もできなくなり、癲癇の発作も起こすようになった。数年後、手術を担当したコスタ教授の出演番組を観た後、アディーノはピストル自殺し、そのアパートから2キロ余離れた場所でコスタ教授も射殺死体として発見される。コスタ教授宅に残された1発の弾丸は、アディーノが自殺した同じ銃から発射されたものだった。。

『人魚兵器』
フェルディナンド・ポルシェを崇拝するハインリッヒはポルシェ356でドイツを出発し、コペンハーゲンへ。有名な人魚像がなぜ災難に遭い続けるのか。「友人」のキヨシ・ミタライは私に言った。「君は『ベルリン地下協会』について聞いたころがあるかい?」
以前にキヨシがいたストックホルム大に長崎で購入したという「人魚のミイラ」が持ち込まれ鑑定を依頼された。。。2005年8月『名車交友録』所収。

『耳の光る児』
「ハインリッヒ、この『Cayenne』という車名、奇妙だと思わないか?」
「実はぼくは、中央アジアに行ってきたんだ」
彼が不思議な話を始めた。ロシアやアジア各地で耳の光る赤児が4人生まれたというのだ。紫外線を当てると、耳たぶの全体が薄ぼんやりを緑の蛍光色に光って見えるという。発現はユーラシア大陸各地に散らばっていて、母親は人種も言葉も異なるが、平凡な主婦で特殊な職業にはついていない。
ミタライは、母親たちの共通項が東方からの侵入異民であることを重要視し、東洋史にヒントが隠されていると感じ、タタルスタンやロシアの歴史資料を片端から読んだ。草原で平和な遊牧民族であったモンゴル人から、なぜ突如としてチンギスハーンによる世界最強の騎馬軍団が出現したのか、ハーン以前も以降もたった一度の奇跡はなぜ起こったのか。モンゴル帝国の西方遠征と耳の光る赤児たちとの関連とは?。。。2005年8月『名車交友録』所収。

『海と毒薬』
石岡の元に届いた一通の手紙。『異邦の騎士』に救われたと書く女性の手紙。。。元住吉「ランプハウス」。紅茶が運ばれてくると、女性はバッグから硫酸Dの小瓶を砂糖壷と並べて置いた。。。『島田荘司「異邦の扉」に還る時』
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【内容「BOOK」データベース】聖アントニオの奇跡!泳ぐことさえできなくなった元天才水泳選手が自殺しその「原因」を作った医師が殺害された。しかし不可解なことに、離れた場所であったにもかかわらず、同じ時間に同じ拳銃が使われたというのだ—。 原書房 (2006/06)



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by yomodalite | 2008-06-20 00:41 | 文学 | Trackback | Comments(0)

地を這う虫 (文春文庫) /高村薫

地を這う虫 (文春文庫)

高村 薫/文藝春秋




元警察官を主役にした4編の短編集。ICU仏文科卒、専門商社を経て作家になった女流作家に、どうしてこのような境遇の男たちの物語がここまでリアルに綴られるのでしょうか。

『愁訴の花』/田岡は、警察を定年退職後小さな警備会社で警備員をしている。元同僚の須永は人生最後の時を迎えつつあり、7年前に妻殺しの罪で逮捕・実刑判決を受けた小谷は、懲役を終えた。小谷からの突然の電話に古い記憶が甦るー若き夫婦に釣り合わない建て売り住宅、看護婦だった妻の不可解な行動。。。須永の入院する病院で娘から渡された事務封筒、そこには小谷が妻を殺した日付から始まる手紙が入っていた。

『巡り逢う人びと』/元警察官の岡田俊郎は消費者金融で働いていたが、仕事先へ行く途中、かつての同僚に暴対法にからむ忠告を受ける。取り立て先の工場には警察時代にケンカでパクられた若者がいた。若者は親子丼を奢ってもらったことや、俊郎のカバンを覚えていた。帰りの電車では、同郷の高校時代の同級生植村に20年余ぶりに出会う。

『父が来た道』/政治家佐多幸吉のお抱え運転手になって3年。元刑事の慎一郎は20歳余も年上のおでん屋の女将と暮らしている。父信雄は地元で建設会社を営む一方、佐多の後援会会長を長年務めていたが4年前の総選挙の際、選挙違反を問われ逮捕実刑判決を受けた。慎一郎は父の世界に馴染めず警視庁へ入ったが、父の有罪確定で依願退職、その後地元の後援会に頭を下げられ、不本意ながら佐多に仕える身となっていた。慎一郎が警察と内通していることを逆に利用してきたと語る佐多の話は、父が痛恨の思いで服役したと信じてきた家族の思いを覆すものだった。

『地を這う虫』/元警察官の沢田省三は、倉庫会社と、夜間は薬品会社の警備員もかけもちしている。倉庫から薬品会社まで一ヶ月単位で一つの道順を選び、夜は倉庫から薬品会社へ、翌朝はその逆順で同じ道を通る。前に一度通った道は通らないという条件をつけて9通りのコースを設定し、9ヶ月かけてすべての道を50回づつ歩き、10ヶ月目からは新たな変化をもたせたコースを設定し同じように50回ずつ歩くということを続けて5年になっていた。規則正しい生活、同じ道を歩く生活の中で、手帳に目についた事柄を自動的に書き付けることも書かさない。省三は、300メートルを一辺とする正方形の「シマ」の中で起こった変化を見逃さずことができず、孤独な捜査に徐々にのめり込んでいった。
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【内容「BOOK」データベースより】「人生の大きさは悔しさの大きさで計るんだ」。拍手は遠い。喝采とも無縁だ。めざすは密やかな達成感。克明な観察メモから連続空き巣事件の真相に迫る守衛の奮戦をたどる表題作ほか、代議士のお抱え運転手、サラ金の取り立て屋など、日陰にありながら矜持を保ち続ける男たちの、敗れざる物語です。深い余韻をご堪能ください。 文藝春秋 (1993/11 文庫版1999/05)


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by yomodalite | 2008-03-03 12:10 | 文学 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


by yomodalite