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中村俊輔の本はたくさん出版されていますが、本書は、08年に『THE ZEN OF NAKA The Journey of a Japanese Genius』というタイトルでイギリスで出版された翻訳本。

まずは、下記のyoutubeを見て下さい(絶叫放送の方は消去されてたので、少々落ちついた放送に差し替えましたが...)

◎Nakamura free-kick vs Manchester United

会場はセルティックパーク。アナウンサーのただならぬ絶叫は、チャンピオンズリーグ決勝トーナメント出場を決めた興奮を伝えている。本書の第1章、「世界中を駆け巡ったシュート」が、このゴールです。

◎Nakamura中村俊輔(celtic vs man utd) beautiful freekick

こちらは、会場はマンUのホームスタジアム「オールド・トラッドフォード」での第一戦。試合終了間際に同点に持ち込んだフリーキック。イングランドのアナウンサーは、アブソリュートリー・パーフェクト!と言ってしまった後、ショックのためか、しばらく言葉がでなくなっています。

チャンピオンズリーグという大舞台で、これほど鮮やかなフリーキックを2度も決められたら、相手チームにとっても、それは忘れられない選手になるのではないでしょうか。まして、相手は世界一ファンが多いと言われるマンチェスター・ユナイテッド(マンU)

日本人のプロスポーツ選手の功績で、これに匹敵するほど、世界中の人びとを興奮させたことがあったでしょうか。なぜならマンUのファンは、世界の人口の5%にあたる3億3,000万人以上であるとされていて、チャンピオンズリーグは、クラブファンにとって見逃すことの出来ない第1位のトーナメントだからです。

ドイツWCで、得点を上げながら褒められることなかった俊輔が、その数ヶ月後に、絶望から立ち上がってくれたことは、沈んでいた日本のサッカーファンにとっても、嬉しいニュースでした。


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この後、FIFAの公式サイトの「Who is the free-kick master?」という記事には4人のフリーキックの名手の写真が掲載されましたが、ベッカム、リケルメ、ジュニーニョと並んで俊輔が中央にいたことは驚きでした。

FIFAが全地域に気を使ったとはいえ、ピルロや、C・ロナウドなどのビッグスターを押さえてですから。でも、あの試合を見た大勢はきっと納得してくれるでしょう。本書は、この歴史に残るゴールに到るまで、中村俊輔が成し遂げたことのすべてを丹念に探っています。

著者は、スコットランド出身で、若手ジャーナリストに贈られる最高の賞であるジム・ロジャー記念賞も受賞した、The Herald紙の上級スポーツ記者。海外の一流記者による、日本のサッカー選手の伝記本というのは、これが初めてではないでしょうか。

俊輔が日本の宝であることは間違いのないことですが、外国でどのように評価されたのかという事実を知ることは、なかなか難しい。本著は外国人が見た俊輔の評価をめぐって様々な意見が取り上げられています。

日本では、スター選手の個人の記録ばかりを報道するところがあって、野球のイチローもそうですが、マリナーズがメジャーリーグでどの程度のチームだとか関係なく、WBCで2度も優勝しながら、メジャーのブランド力を未だに崇め奉ることにも、球場の観客数の少なさにも疑問を持たず、選手の年棒のみで、価値を決めるような報道は、野球界よりはマシなものの、サッカー界でも同様で、ブランド力のあるリーグなら、最下位のチームでも「底上げ」な報道になる。

日本のサッカーは、まだまだ海外の一流チームとの差は歴然とあるのだけど、英国プレミアリーグ、イタリアのセリエA、スペインのリーガ・エスパニョーラといった一流リーグでも、下位チームの実力となると、Jリーグの上位チームより上とは言えないどころか、明らかに下といっていい程のチームはゴマンとある。

中田が最初に移籍したペルージャや、俊輔が最初に移籍したレッジーナなどが正にそういったチームで、日本のサッカー選手は、どんな一流選手でも、日本での待遇を下回る条件で、言葉や文化の違いを乗り越え、世界中からチャンスを求めてそこに来た、ハングリーな選手たちとポジション争いをしなくてはいけない。

ただ、獲得するチームにとって、日本人選手は、ピッチ内での活躍のみが求められるわけではない。アーセナルに移籍した稲本は、試合にほとんど出ない期間も、CMなど日本のTVから消えることはなかったし、中田に至っては、ペルージャでチームの柱として活躍し、ASローマのサブメンバーとして優勝経験した後は、2001年に高額な移籍金で、パルマと契約したがレギュラー定着せず、ボローニャにレンタル移籍後はセリエA残留には貢献したものの、その後完全移籍したフィオレンティーナでは、全く出場機会はなく、2005年は英国プレミアリーグのボルトンへレンタル移籍したが、このチームでもめったに出場機会はなかった。

そんな状態の中田でも、ジーコジャパンの4年間、代表の地位だけは守り通した。中盤として決定的な仕事をすることはなくなり、味方を殺すキラーパスを連発し、ロストボールを大量生産したにも関わらず、ドイツWCでの惨敗後、なぜかマスコミは「中田だけは頑張った」という、考えられない偽装報道を行ない、2001年以降、ピッチ上での活躍が全くない中田は、引退後も未だにマスコミでは大スターのような扱いを受けている。

移籍金の高騰は中田のサッカー力にだけよるものではない。その大半はジャパンマネーによるもので、中田はそのブランド力は死守したが、サッカー選手としての輝きは失っていった。中田周辺のマネージング力の凄さには驚嘆しますが、そういった周辺にうごめく輩によって、他にも数多くの優秀なサッカー選手たちが潰れていった。。。

中田の話が長くなってしまったけど、彼が俊輔よりも遥かに素晴らしい業績を残していると思っている人は未だに多い。中田を中傷したいのではなく、本当に素晴らしいサッカー選手の話がしたいのだ。

俊輔は、デヴュー当時から、スタジアムを湧かせたスターだったけど、彼には賛否両論が常にあり、トルシエ・ジャパンでも最後に代表メンバーから外れた。それについてはここでは書きませんが、とにかく、俊輔の初めての海外移籍は代表から外れた時から始まった。同世代のスター選手が、WCでの活躍により海外移籍したのと異なり、俊輔は、静かな闘志を胸に秘め、イタリア南部の小さな町に旅立った。

本書は、セルティックの現監督であるストラカン監督の賛辞から始まる。

「選手時代、監督になってから現在に至るまで、純粋に能力という点から見れば、中村は私が出会った中でナンバーワンである。。」

ストラカンは、選手時代はスコットランド代表として(俊輔と同じMF)、監督としては、英国のサウサンプトンを経て、2005年からセルティックの監督をしている。出会った選手として挙げている選手には、下記の超有名選手も含まれる。

・ブライアン・ロブソン(マンU、イングランド代表キャプテンで、ベッカムの少年時代のアイドル)

・エリック・カントナ(フランス生まれ。マンUで3度優勝経験。その中心メンバー。スター選手の多いマンUの中でも絶大な人気を誇った。

因みに、ストラカンは、ロブソン、カントナと一緒にプレーをし、カントナが在籍していたチームのキャプテンも努めていた。

ストラカンは、2005年のコンフェデレーション杯で俊輔を発見し、セルティック加入を積極的に薦めた人物だが、今年俊輔がチームを去るときまで、その評価は年々上がり続けた。彼が俊輔をナンバーワンだと言った理由は、冒頭の賛辞だけでなく、本書の隅々にまで散りばめられている。

著名スポーツジャーナリストの金子達仁は、俊輔のスコットランドでの活躍を、あたかも世界のトップリーグで活躍しているかのように伝える日本のメディアのあり方を、わたしはいいとは思わない。なぜ多くの日本人は海外でプレーする選手を神格化するのか。など、俊輔の活躍を疑問視する発言を何度かしている。

スコットランドリーグの下位チームがいかにレベルが低く、J2以下とまで評していることには大きな間違いはない。しかし数年前、Jリーグの中〜下位チームと同程度だったペルージャに在籍した中田をあれほど持ち上げていたではないか。

もちろん腐ってもセリエAのチームなら、ユベントスや、ACミランといった強豪チームとの試合もあり、そこでの実力を測りやすいという面はある。しかし、下位チームゆえ、最初からポジションを用意され、残留と日本マネーが第一義のチームでの活躍と、超一流リーグではないとはいえ、そこでトップ争いをしなくてはいけないチームでスタメンを獲得し、チームの歴史に残るプレーをするのは、果たしてどちらが容易だろうか。

あのセリエAで優勝したASローマに中田は確かに存在したが、年間15試合に出場中フル出場は極わずかで得点数は2点。(ただし、そのうちの一点はシーズン終盤のユヴェントス戦でのもので、ローマが優勝を引き寄せるうえで非常に重要な得点だった)中田は、ASローマが18シーズンぶりの優勝に貢献したという点では、ファンに強い印象を与えている。

一方、俊輔のセルティックは常にスコットランドリーグの2強で、そのファンの多さと観客動員数は、世界の人気チームの中でも常に上位。1966-1967にはチャンピオンズカップ(現チャンピオンリーグ)でも優勝もしている。リーグ自体は英国プレミアリーグより地味とはいえ、俊輔が入る前の年は2位。俊輔加入後は3年連続優勝し、2006-07シーズンのUEFAチャンピオンズリーグで、クラブ史上初の決勝トーナメント進出も果たした。その決勝トーナメント出場を決めたのも、俊輔のフリーキック。(ちなみに、中田もローマ時代にチャンピオンズリーグに出場しているが最終予選で敗退。中田自身も目立った活躍はしていない)

日本人がチャンピオンズリーグで得点したのは、1970年代の奥寺康彦に続いて2人目。Jリーグ発足後初めての快挙で、決めた相手は世界一のクラブの称号をもつマンチェスター・ユナイデット(マンU)だった。

決して金子氏の批判をしたいのではない。金子氏の言うことはもっともで、俊輔がスペインではなく、セルティックに決まった時はファンとしても残念だった。セリエAの下位チームで結果を出した後の中田の決断と比べると、俊輔の判断は、キャリアとして遠回りのようにも感じた。

でもその決断が間違っていなかったことを、俊輔は常に非難されてきたその華奢な肉体で証明してみせた。そしてそれは彼の名誉だけでなく、チームを応援するファン、サッカービジネスに携わる人、日本のサッカーファン、そしてスコットランドと日本の外交使節としても、およそ考えつく限りのすべての人にとって、ハッピーな結果をもたらすことに成功したのだ。

ストラカン監督が「ナンバーワン」だと言った意味も、そして本書の原題『THE ZEN OF NAKA 〜』も決してナンチャッテ日本なタイトルではなく、それは、日本人が忘れかけている、日本精神を思い出させるほど、深く静かな精神性に基づいている。

本書は、サッカーをよく知っている人向けと思われているかもしれないけど、そんなことはありません。サッカーがわからない人にも、中村俊輔という生き方には心を揺さぶられるにちがいない。またサッカーを知っているという人にも、セルティックというチームの真実、スコットランド、海外で活躍するということの意味を深く知ることができます。

本物のサムライとは? その答えを知りたいすべての日本人に!
★★★★★

☆参考サイト
「ウエストコースト日日抄」

【同年代の選手の日本代表とチャンピオンズリーグでの成績】

中田英寿 (1977年1月22日 -)国際Aマッチ 77試合 11得点(1997-2006)2001-02UEFAチャンピオンズリーグ最終予選出場。

小野伸二(1979年9月27日 - )国際Aマッチ 56試合 6得点(1998-2008)2002-03UEFAチャンピオンズリーグ予備選で決勝ゴール。本戦出場。

中村俊輔(1978年6月24日 - )国際Aマッチ 87試合 23得点(2000年 - )2006-07シーズンのUEFAチャンピオンズリーグに出場。決勝トーナメント進出の「ベスト16」は日本人初。また欧州リーグ連覇を導いたことも日本人初の快挙。

________

【内容紹介】スコットランドのセルティックで大活躍する中村俊輔。その姿を、サッカーの母国・イギリスを代表する新聞「ザ・ヘラルド」の上級スポーツ記者であるマーティン・グレイグが描いた『中村俊輔 スコットランドからの喝采』(原題/THE ZEN OF NAKA)。俊輔に関する多くの記事を発表しているサッカーの本場の敏腕記者は、彼のことを「静かなる天才」と呼ぶ。その理由がここに。

<緒言>セルティック監督の俊輔賛辞
<世界中を駆け巡ったシュート>1967年のヨーロッパ杯以来のメモリアルゴール。
俊輔のこの一撃でマンUに勝利し、クラブは初めてチャンピオンズ・リーグの決勝トーナメントに進出
<中村俊輔とは何者なのか?>アジア市場を視野に入れてクラブは俊輔を獲得。
彼はあたりの強いリーグにもかかわらず即戦力で活躍する
<俊輔は天才か?>マラドーナやC・ロナウドと比べて
<グラスゴーの五人組>俊輔担当記者のユニークな前歴と俊輔評
<スコットランドと日本の架け橋になる>俊輔の子供好きな人柄と現地での人気
<セリエA下位チームでの苦難>下位チームで苦労したイタリア時代
<「ナカムラ」ブランドの威力>俊輔の経済効果
<エピローグ>07-08シーズンの戦評
集英社 (2009/3/26)


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by yomodalite | 2009-07-02 00:13 | スポーツ | Trackback | Comments(0)
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今まで観た中でも最悪といっていい審判。予想を遥かに上回るアウェイ試合を、日本代表は本当に粘り強く耐え抜いて勝利を手にしました。選手たち一人一人にありがとうを言いたい。

オシムが倒れて、後任に岡田監督が選ばれたときは最悪な気分だった。ワンポイントリリーフであって欲しいと真剣に祈った。ジーコジャパンの後で、もうあんな消化不良のような思いはしたくない。どうか希望のもてる監督に変えて欲しいと、ずっとずっと願ってきた。

実質的にチームの首脳で、ピッチでも人一倍献身的プレイをするようになった俊輔、同じく冷静な遠藤が居て、なんとか形になっているものの、本当に最後まで岡田監督でいいのか、と最近まで思っていたけど、キリンカップで中村憲剛システムを試したとき、もしかしたら、という予感はした。でも本戦のメンバーを観るまではまだ信用できなかった。

今日のウズベキスタン戦メンバーは、内田の思わぬ体調不良がありつつも理想的でした。
ハーフタイムでは、審判への注意を含め、選手への的確な指示が与えられていると感じたし、途中交代も、すべて納得のいくもので、試合終了間近の退場も、クレバーなものでした。(もちろん退場処分になった長谷部も冷静だった)

岡田監督は最高の監督ではないけれど、今の代表にとって最適かもしれない。(なんというか、首相を変えても変わらない自公政権のようなものですね。問題はサッカー協会です。)
ここまで本当にご苦労さまでした。試合後、岡田ジャパンにとって、本当に嬉しい成長を遂げた岡崎が、ベスト4を目指して、まだまだやることがたくさんある。と本当に輝いた顔で言っていて、チームの良い雰囲気がよく伝わりました。とにかく俊輔、遠藤、憲剛が、岡田監督にジャマされていないようなら続投OK。

岡田監督本当にありがとう〜!!!!本戦も楽しめそうです。

(ウッチーは大丈夫なのかな〜?)


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by yomodalite | 2009-06-07 02:02 | スポーツ | Trackback | Comments(0)

ボールのないところで勝負は決まる―サッカーQ&A

湯浅 健二/出版芸術社

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著者の湯浅健二氏は07年の新書『日本人はなぜシュートを打たないのか』のヒット作の著者でありながら、いつも、いち早く試合の感想を長文でブログアップしてくださっている奇特な方。(「湯浅健二のサッカーホームページ」)

今の代表の性格やオシムイズムの解説者としても第一人者だと思いますが、本書は新書風のタイトルですが、中身は初心者向けサッカーQ&A。

第1章から第3章までは、totoとか、ホペイロとか、サッカーネーションとか、冒頭の話題かな〜という疑問もあるのですけど、第4章「ゲームってどう見るの?」第5章「攻撃ってどうやるの?」第6章「守備ってどこが面白いの?」は、説明イラストもわかりやすく、最終章の『監督の仕事って何?」は、ビジネスマンにもためになりそう。流石は8年前から何度も刷版を重ねているだけの「名著」。南アフリカWC前に読んでおけば、サッカーが10倍楽しくなるかも。

サッカー観戦のこつが知りたい大人から、今サッカーをやっているお子さんまでオススメの一冊。
__________

【BOOKデータベース】なぜ、世界中がサッカーに熱狂するのか?ルール、ポジションにはじまり、攻守の戦術のメカニズム、さらには監督の仕事まで、プロコーチがサッカーの面白さをわかりやすく解説。サッカーの「なぜそうなるの?」「なぜそうするの?」がわかる1冊。 出版芸術社; 最新改訂版版 (2008/09 初版2001/05)


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by yomodalite | 2009-06-05 12:13 | スポーツ | Trackback | Comments(0)
f0134963_13375134.jpg「慣れていないこと」
・フォワードが得点。
・失点「0」。
・決定的シュートが外れなかった。
・守備意識の高さ。
・長谷部が良過ぎる
・田中が良過ぎる
・大久保が冷静。
・闘莉王が上がらない。
・内田(右サイド)に穴がなかった
・岡ちゃんの指笛
・完勝!!

「疑問」
・俊輔フル出場
・憲剛なぜ出さない?
・松井は時間稼ぎ以外なぜ出来ない?

大久保、長友がシリア戦と同じ左サイドで、いつもより守備意識が高く慣れてきた俊輔、内田の右サイドよりは、こじ開けられていたとはいえ結構上手くいっていた(驚)
しかし、残念ながら解任の心配がなくなった岡ちゃんが、W杯までに俊輔をつぶしちゃうんじゃないかという不安は更に増大。プレーだけでなく精神的支柱でもある俊輔を何がなんでも外さないというのは、加茂監督のカズ、ジーコの中田と同じ間違い。岡ちゃんには、今更なんの期待もしていないが、とにかく俊輔がW杯をベストコンディションで挑めるよう無理させないで欲しいと願うだけ。

『2010 南アフリカW杯 準備室』
http://kaneko19column.blog105.fc2.com/blog-entry-56.html

↓★画像引用
まおうの勘違い評論
http://darkstard.blog58.fc2.com/blog-entry-1073.html
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by yomodalite | 2008-11-20 13:38 | スポーツ | Trackback | Comments(0)

察知力 (幻冬舎新書)

中村 俊輔/幻冬舎



中村俊輔はデヴュー直後からとても魅力的な選手だった。当時マリノス戦を観に行って俊輔に目を奪われない客は、応援に忙しい相手チームのサポーター以外にいただろうか。サッカーあまりを知らない人ですら彼の華麗なプレイには目を惹き付けられた。

シドニー五輪でも、02W杯予選でも活躍し、JリーグのMVPにも選ばれた。本戦には呼ばれなかったけど、セリエAに挑戦し、スコットランドリーグのセルティックに移籍してからは、ホームでの毎回の大観客の前でもっとも期待される選手になり、リーグのMVPに選ばれ、チャンピンズリーグ本戦で日本人として初めて得点した。

フィジカルが弱い、走れないと言われてきたが、セルティックでも、代表でも積極的な守備を見せるようになり、セルティックでもっとも走行距離の長いプレーヤーにもなった。黄金世代と言われた選手の中でも、これほど困難を乗り越え挑戦することで、更に輝きを増すという年月を現在まで続けられた選手はいない。試合後のコメント、インタヴューも的確で、相手チームやゲームの分析には、将来指導者としても期待がもてる。

もちろんまだまだ現役を続けて欲しいけど、最後に指導者への夢を語ってくれたことは嬉しかった。魅力的な選手は大勢いるけど、将来の日本代表監督にまで期待できそうな選手は、俊輔しかいない。

なぜなら俊輔は足技だけでなく「言葉」も磨いてきたからだ。この本はそのことを再確認させてくれる。同世代のサッカー選手の中でルックス的には地味な存在だった俊輔だけど、最近すごくかっこ良くなった。努力は男を美しくする最高のものだね。

【目 次】
第1章/成功へ向かうとき、必要なものが「察知力」だ
第2章/僕はこうして「察知力」を磨いてきた
・サッカーノートが僕を作った
・フリーキックを徹底追求して見えたもの
・自分の“引き出し”の数が、未来の可能性になる
・僕を育てた「壁」
・海外へ移籍した理由
・イタリアからグラスゴー、海外での壁に向かった
・すべての監督から、学びがある
・チームメイトから察知できる学び
・妥協しない姿勢
第3章/「察知力」を活かして未来へ進む
・僕にとっての日本代表
・ベテランの価値
・指導者として歩む夢

☆☆☆☆(中村俊輔が大好きなもので。。。)
____________

【BOOKデータベースより】自分より身体能力の高い選手と戦うには、相手よりも先に動き出すこと。そのときに必須なのが、瞬時に状況判断をして正解を導く力だ。それを、中村俊輔は「察知力」と呼ぶ。サッカーでは一瞬の判断が勝敗を決する。彼は、毎日の反復練習と情報収集、こまめな目標設定と自己反省を、特にノートに「書き付ける」ことで、自分を客観視し、この力を磨いてきた。世界から注目される名選手の心身鍛練術は“シンプルなことの継続”だった。幻冬舎 (2008/05)



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by yomodalite | 2008-10-01 14:15 | スポーツ | Trackback | Comments(0)

12年目の真実 マイアミの奇跡を演出した男

前園 真聖,戸塚 啓/ぴあ




28年ぶりにオリンピック出場し、本戦でW杯優勝メンバーのアウダイール、ベベートに加え、リバウド、ロナウド、ロベルト・カルロス、サビオ、ジュニーニョ・パウリスタ、キャプテンはセレソンキャプテンでもあるマリオ・ザガロといった本気度の高いブラジルに勝利し「マイアミの奇跡」と言われたチームの主将にして、切れ味鋭いドリブルで、サッカーファンのみならず日本中を魅了した「前園真聖」に起こった悲劇が順を追って語られる。

12年経った今でも、前園の辿った道を想うと瞼が熱くなってしかたないのは、その悲劇が今の若い選手にも続いているからだ。

確かにゾノ時代に比べれば、日本人の海外移籍は簡単になった。それでも年収も環境も圧倒的に悪い「海外」へ、強くなりたい一心で挑んでいる選手たちに比べ、協会は、ファルカン、トルシエら外国人との交渉の難しさに飽きて、自らが楽な「監督」ばかりを選手にあてがっている。

海外で必死で研鑽を積んで来た選手たちの上に立つ資格がある日本人監督など、今いるわけがない。

プロローグ
第1章/史上最強のオリンピック代表
第2章/マイアミの奇跡の裏側
第3章/サッカー少年の夢
第4章/スペイン移籍消滅、ヴェルディ入団
第5章/憧れの地、ブラジルへ
第6章/流浪の果てに
第7章/たったひとりの引退
第8章/運命を変えた“選択”
エピローグ
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【内容紹介】オリンピックで奇跡を起こした男の“天国と地獄”

サッカー日本代表が28年ぶりに出場、ブラジル代表を下した“マイアミの奇跡”が起こったアトランタ五輪から12年。
前園真聖、中田英寿、城彰二・・・・・・その日本代表として活躍した当時のメンバーの多くはピッチを去りました。
日本サッカー界を変えた男たちが「あの瞬間」を振り返り、当事者しか知ることのできない「あの瞬間」を起点に、解説者として活躍する前園の視点で日本サッカー界の未来を探ります! 果たして日本サッカー界が進むべき道は、いったい何処なのか——!? ぴあ (2008/8/9)

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by yomodalite | 2008-09-01 18:33 | スポーツ | Trackback | Comments(0)
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読書以外の件はできるだけ書かないはずのブログなのだけど、男子サッカーへのもやもやを吹き飛ばしてくれた「なでしこジャパン」があまりにも素晴らしかったので。こんなに楽しくて、巧くて、爽快な日本のサッカーを観たのは久しぶり、というか初めてだったかもしれない。


★続きを読む!!
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by yomodalite | 2008-08-16 14:45 | スポーツ | Trackback | Comments(0)

偏見

f0134963_22161717.jpg【推理】
新潟のJ1昇進、観客数増員というJリーグへの貢献のご褒美で、五輪監督ゲット!

【疑問】
予選の結果内容からほとんどのサッカーファンより見放されるも解任なし。選手には給料も少ない海外での経験を奨励するも、監督は短期コーチ留学でもあればもう充分という協会の認識。

★続きを読む!!
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by yomodalite | 2008-08-14 21:47 | スポーツ | Trackback | Comments(0)

サッカー番長 0号―ヨイショ記事にはもう飽き飽きだ。

杉山 茂樹/飛鳥新社




同時期に出版された『4‐2‐3‐1』とは手法を変えた岡田監督批判本。戦術とか興味がない人も楽しく読めるので、落ち着いて岡田監督への不安を募らせよう!そして協会が今から新監督の人選に着手せざるを得ないような世論を盛り上げよう!

川淵氏は、代表試合の観客数減少を気にしているが、クラブ観客数の増加と考えあわせれば、代表にファンの気持ちが届かないことに不満があるのは明らかで、反町、岡田で代表試合が盛り上がるわけない。

最近は電通との連携でもイイところがない。スポークスマンとしてのパワーや眼力がないゆえ、平山をU21の顔にして失敗し(あたりまえ)、次世代のスターを創る気が全く感じられず、バーレーン戦での不甲斐なさも選手のせいにするなど、老害ばかりが目立つ。

杉山氏は欧州サッカーというイメージが強いが、松木、原、宮本、岡野、日本サッカー界の異なるキャラクターへのインタビューは話の引き出し方が巧く、各人のイイ話が楽しめる。

特に岡野のインタヴューは爆笑必須なので読み逃さないように!!
番長が会長だったらな〜。

※[日本も日本サッカーも変わらない](文:苅部謙一)では、『広告批評2006年11月号』で橋本治氏が、「オシムへのバッシングは起きないのかな?」という文章を書いていたのを初めて知った。

【特集】ちょっとまってよ、岡田ジャパン!
・なぜそんなに急ぐのか?日本協会の迷走人事
・岡田武史の監督としての実績
・識者5人に聞く!2010年の岡田ジャパンの姿を大胆予想!
・欠落した世界基準 岡田監督の危うい未来
・[スギヤマ司令塔の突撃指令]岡田監督の支持率を探れ!
・[新聞記者覆面座談会]紙面では絶対に書けない 日本サッカー界の裏事情
【コラム】日本も日本サッカーも変わらない
【特別対談】岡野雅行/ロン毛の"野人"が振り返る一風変わったサッカー人生とは!?」
【インタヴュー】 
・松木安太郎/松木バカヤローって人と良いって人と半々でいい
・原博美(FC東京前監督)/監督像に正解はないと思う。真似したってボロが出る。
・宮本恒靖/日本は世界基準と別の道を歩んでいる
・岡野雅行/岡野ってバカがいたねって、そう思われると嬉しいですね
【コラム】スギヤマ先生が疑問にお答え! 「日本サッカー協会はなぜお金持ちなの?」
【居酒屋サッカー放談】荒井義行記者(70歳)がサッカー界とメディアに喝
【巻末スペシャル対談】 
高木豊(野球解説者)×杉山茂樹 「アジアの枠で考えないと野球もサッカーも危ない」
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【内容紹介】サッカー本の異端児登場!ヨイショ記事と記事広告あふれる既存のメディアに対して一石!本音と笑いのちょい辛蹴球読本、発刊!  飛鳥新社 (2008/2/29)

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by yomodalite | 2008-07-22 20:45 | スポーツ | Trackback | Comments(0)

4‐2‐3‐1―サッカーを戦術から理解する (光文社新書)

杉山 茂樹/光文社




・やっぱりトルシエ・ジャパンが日本には合ってた。
・ドイツWCで一番がんばったのは中田。
・最近の日本代表は弱くなった。
・サッカー談話で守護神、司令塔などの単語を使用している。
・フォワードの決定力不足だ!。

そんな人は今すぐこの本を読んでほしい。

オフト〜加茂〜岡田〜トルシエ〜ジーコ〜オシム〜岡田 ε-(ーдー)ハァ

文化的には、反グローバル、鎖国上等!の日本好きな私でも、サッカーだけは絶対×。だって戦争なんですから。オシムが病気で倒れた時以来、ブログ紹介に「オシム」写真を使用しているが、別にオシム信者なわけではない。高齢にもかかわらず、歴代代表監督の中ではもっとも今の世界のサッカー界を知ろうとしていた戦略家のオシム氏に対して、ぜひとも回復してほしいという願いをこめてのもの。

幸いなことに、オシム氏の明晰な頭脳には影響なかったようで嬉しい限りなのだが、まさか、この期に及んで岡田氏が出てくることになるとは。。。あの時は急なことだったので仕方がないが、たぶん今現在も水面下での次期監督選びは活発でないだろう。

日本サッカー協会は、Jリーグのフロントよりも格段に無能で内弁慶であることは、監督の人選を見れば歴然だ。とにかくまず向こうから日本の領土に来てもらわないと話をつけることができないのだ。若い選手も含めて、日本のサッカー選手は進歩しているのに。。

ジーコジャパン時代、最後まで不安でしょうがなかった経験を、どうしてまた岡田で経験しなくてはいけないのだろう。最終予選が不安でならない。ジュニーニョが帰化したって、岡田では本戦では勝てない。予選でも苦戦する姿が見えてしかたがない。

著者の杉山氏は、4−2−3−1の有利を説く代表的論者で、本作ではヨーロッパサッカーでの4−2−3−1へ向かう歴史紹介なので、Jリーグのサポーターには、納得しかねる点があると思う。著者も何度も言っているようにサッカーは布陣でするものではない。ただ日本での4−2−3−1には、サイドへの対策が見られないことが多いのだ。攻略も、防御もサイドが弱い。

この点には4−2−3−1反対者にもある程度納得ではないだろうか。ここまでの監督は、いずれも(オシムを除く)サイド対策において、無策か、無謀か、どちらかだったと思う。

もちろん日本のサッカーの一番の問題をメンタリティと考えるなら、それぞれの監督の苦悩や指導の仕方もわからないではない。「日本人」のメンタリティは世界では確かにおとなし過ぎる。それは、代表フォワードが双子座ばかりで、もっとも世界で活躍したのが(非常に短い期間だったけど)水瓶座の中田であることにもよく現れている。

【目 次】
・サッカーは布陣でするものか、否か
・番狂わせは、弱者の工夫なしには生まれない
・4列表記の誕生
・アリゴ・サッキの「プレッシングフットボール」
・ブラジルがドイツワールドカップで負けた理由
・攻撃サッカーのルーツ、オランダ
・ファンタジスタは布陣を嫌う
・サッカーは布陣でするもの、ではない?
・そのとき、ジダンは後悔したか?
・4‐2‐3‐1か、3‐4‐1‐2か
・トルシエはなにがしたかったのか?
・ヒディンクコリア
・日本代表、空白の8年間
・布陣が選手を育てる
・敗戦からなにを学ぶべきか
・ジャイアントキリング
・負けるべくして負けたジーコジャパン
・オシムが目指したサッカー

◎「ウエストコースト日日抄」
http://westcoast.exblog.jp/8615237/
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【本の内容】監督目線のサッカーファンへ。ついに日本初“布陣の教科書”
オシム以後——日本サッカーの進むべき道は、ジャイアントキリング(番狂わせ)にあり。これは、ピッチ上に描かれる“デザイン”についての本だ。つまり、サッカーゲームの進め方の話であり、戦術の話であり、布陣の話である。「やっぱり、4バックより3バックのほうがいいよね」「オレは4‐3‐3が最強だと思うけど」といったサッカー談義をよく耳にするが、いくら熱っぽく、理屈っぽく、監督目線・評論家目線でその理由を語ったところで、ベースとなる戦術や布陣に対する知識がなければ、まるで説得力はない。しかし残念なことにその知識は、欧州では日常的に語られていても、いまの日本では満足に語られるものではない。いや、むしろすっぽり抜け落ちていると言ってもいい。けっしてまだ、「常識」ではないのだ。——本書では攻撃サッカーを象徴する現在流行の4‐2‐3‐1をはじめ、サッカーの代表的な布陣を戦術的な観点から分かりやすく解説していく。光文社 (2008/03)


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by yomodalite | 2008-07-15 12:48 | スポーツ | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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