タグ:アメリカ ( 59 ) タグの人気記事

ボーン・コレクター/ジェフリー・ディーヴァー

ボーン・コレクター

ジェフリー ディーヴァー/文藝春秋




久しぶりの海外ミステリー。最近同じシリーズの「ウォッチメイカー」も傑作との噂が高いジェフリー ディーヴァーの鉄板を読んでみました。中盤まで、四肢麻痺である元科学捜査官が口頭で指示するのみにもかかわらず、あまりにも素早い場面展開に感情移入しにくく、ハリウッド臭が強過ぎて、途中で投げ出しそうになったものの、2/3ぐらいからは著者のサービス精神一杯の展開に楽しい読書が体験できました。

絶世の美女の警察官、四肢麻痺で類いまれな頭脳をもつ科学捜査官、FBI、個性的な元同僚、担当医、安楽死協会。。。アクション満載にして、どんでんがえしの連続もあり、お腹一杯のエンターテイメントには違いない。「ウォッチメイカー」も読もうかな。
_______________

【内容「BOOK」データベースより】骨の折れる音に耳を澄ますボーン・コレクター。すぐには殺さない。受けてたつは元刑事ライム、四肢麻痺—首から下は左手の薬指一本しかうごかない。だが、彼の研ぎ澄まされた洞察力がハヤブサのごとく、ニューヨークの街へはばたき、ボーン・コレクターを追いつめる。今世紀最高の“鳥肌本”ついに登場!ユニヴァーサル映画化!「リンカーン・ライム」シリーズ第一弾。 文藝春秋 (1999/09)

[PR]
by yomodalite | 2008-02-11 11:01 | 文学 | Trackback | Comments(0)

ロックフェラー回顧録/デイヴィッド・ロックフェラー、楡井浩一 (訳)

ロックフェラー回顧録

デイヴィッド ロックフェラー/新潮社

undefined



本著は図書館レンタル期日あと一日になってようやく慌てて1日で読みました。ちなみに厚みが5センチほどもあるので1日で読むのは全くおすすめできません。世界皇帝に相応しいポートレイト写真とインテリアの邪魔にならない美しい装幀なんですが、購入を躊躇わせたのは、年表や、家系図など資料に乏しいところ。

この本によってD・ロックフェラーの印象が変わったという点はありませんが、収益追求と慈善事業や現代美術、妻の好みなどが双子座ぽいなぁと思ったぐらいでしょうか。そういえば、この本には同じ双子座であるキッシンジャー氏の話はほとんど出てきません。

[目 次]
祖父
父と母
子ども時代
旅行
ロックフェラー・センター
ハーヴァード大学
偉大な経済学者に学ぶ
論文、結婚、就職
戦争
チェース銀行への就職
第二の本職のはじまり
チュース・マンハッタン銀行の誕生
対立
困難な過渡期
グローバルな銀行を創る
舵取り
ソ連との関わり
竹のカーテンを越えて中国へ
中東の“バランス”を保つ使者
生き残るOPEC
仕事上の動乱
家庭内の悩み
兄弟間の対立
シャー
目標の履行
ニューヨーク、ニューヨーク
誇り高き国際主義者
国境の南
近代美術への情熱
帰ってきたロックフェラー・センター
パートナーシップ
_____________

【出版社/著者からの内容紹介】石油で巨万の富を築いた祖父、慈善家として有名な両親、副大統領で夢絶たれた兄、資本主義に反発する子供たち----「アメリカ史上最強の一族」によって初めて書かれた貴重な自叙伝。長年にわたってロックフェラー家の党首をつとめ、またチェース銀行の頭取として歴史を動かしてきた著者が、九十余年の人生を振り返った。米国でのベストセラー、待望の日本版発売。新潮社 (2007/10)

デイヴィッド・ロックフェラー/1915年6月12日、ニューヨークで六人兄弟の末っ子として生まれる。祖父はスタンダード・オイル社を設立したジョン・D・ロックフェラー、父はロックフェラー・センターを建てたジョンJr.。ハーヴァード大学を卒業後、同大大学院とロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで学び、シカゴ大学で経済学の博士号を取得。第2次世界大戦で従軍後、チェース・ナショナル(後にチェース・マンハッタン銀行)銀行に入行。1969~81年まで同銀行の頭取兼最高経営責任者を務めた。現在にいたるまで数多くの国家元首や指導者と交流し国際問題に関与するとともに、近代美術館やニューヨーク市の復興など、さまざまな事業や寄付活動を行っている。
[PR]
by yomodalite | 2008-01-23 14:28 | ビジネス・経済・金融 | Trackback | Comments(0)

日本人だけが知らないアメリカ「世界支配」の終わり/カレル・ヴァン・ウォルフレン (著) 井上実 (訳)

アメリカによるジャパン・バッシングの時代に書かれた『日本権力構造の謎』以来、久しぶりにウォルフレンの本を読みました。『日本権力〜』は、力作ではありますが、日本の謎に挑んだ数々の外国人による著作同様、鮮やかな解答が得られるものではなかったし、その後の「日本」本も一部のマゾヒズム傾向の反日受けを狙ったようなタイトルに興味を抱きませんでしたが、この本は「世界」のことなので、久しぶりに読んでみました。

相変わらず「日本人だけが知らない〜」などの余計な一言や(苦笑)、身勝手な日本への期待で締めるという流れにはうんざりなんですが、第4章 貧困撲滅〜や、第6章のEUに関しては読みごたえあり。

日本が唯一成功した社会主義国家と言われていた時代には、世界はグローバリゼーションという超資本主義が蔓延し、日本は市場を開放しろと散々叩かれ、EUが社会主義に舵取りをしたころ、日本は益々アメリカに牛耳られ、逆方向へと歩み出しました。

ズレているのは承知ですが、ヨーロッパでも、米の顔色を伺うのに必死だった時代に、日本の当時のシステムを批判をしてきたウォルフレンが今さら何を?という気持ちが拭えません。ウォルフレンの略歴にはフィリピンや、東アジアでの報道により評価を得た記述がありますが、「オランダ」の政治、歴史にどうのような総括をしているのか、彼の著作を読むとその疑問が気になって仕方がありません。

___________

【書籍紹介】すでに世界はアメリカ抜きで動き始めた。日本はいつまでアメリカに縋りつくのか?アメリカの不在が露わにしつつある政治・経済の新しい現実を、綿密な取材と緻密な分析で明らかに。 徳間書店 (2007/7/20)

【目 次】
第1章 アメリカの覇権は終わった
第2章 テロリズムは脅威ではない
第3章 グローバリゼーションは崩壊した
第4章 貧困撲滅という虚構
第5章 地殻変動を起こす地球経済
第6章 新しい現実の中での欧州連合
第7章 中国は信頼できるか?
第8章 虚構にとって代わる真実





[PR]
by yomodalite | 2007-11-26 11:20 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策[2]/J.J. ミアシャイマー、S. ウォルト

世界的話題書の第2弾。〈イスラエル・ロビー〉が、イスラエルの為になっていないことを、これでもかと列挙した第Ⅱ部。異論を挟む余地のない鮮やかな著作です。副島氏による本著刊行後の米国本国での反響に関する、簡潔にして的確な訳者あとがきも◎

【目 次】
第2部 ロビーの実態
第7章/イスラエル・ロビー”対パレスチナ人
第8章/イラクと中東 体制転換の夢
第9章/シリアに狙いを定める
第10章/照準の中のイラン
第11章/〈イスラエル・ロビー〉と第二次レバノン戦争
終章/何がなされるべきか

◎[Amazon]『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策2』

☆第1弾はこちら
◎『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策[1]』  
____________

泥沼のイラク戦争は、誰が始めたのか? イスラエル・パレスチナ紛争、イラク侵攻、シリアやイランとの今なお続く衝突など、米国の外交政策において重要な役割を果たしている「イスラエル・ロビー」の姿に迫る。 講談社 (2007/10/17)





[PR]
by yomodalite | 2007-11-20 22:53 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

新帝国主義論―この繁栄はいつまで続くか/武者陵司

新帝国主義論―この繁栄はいつまで続くか

武者 陵司/東洋経済新報社

undefined



陰謀論手法ではない「ワンワールド理論」の解説書。

[目 次]
第1章/新しい経済的現実、言葉を失う経済学
第2章/21世紀初頭の経済革命、「地球帝国」の成立と恩恵
第3章/地球を覆う相互依存の分業体制
第4章/「地球帝国]循環の成立とドル体制
第5章/「地球帝国」の経済学
第6章/日本の危機を救った「地球帝国」の成立と利潤率の回復
第7章/「地球帝国」経済の展望とリスク

◎「ジャパン・ハンドラーズと国債金融情報」
◎池田信夫 blog(旧館)

___________

【内 容】先進国と中国・インドの間の圧倒的な賃金格差が、多国籍企業に超過利潤をもたらし、世界経済を未曾有の繁栄へと導いていく。著名エコノミストがそのメカニズムを解き明かす。 東洋経済新報社 (2007/04)


[PR]
by yomodalite | 2007-10-01 19:09 | ビジネス・経済・金融 | Trackback | Comments(0)

創造の狂気 ウォルト・ディズニー/ニール・ガブラー

創造の狂気 ウォルト・ディズニー

ニール・ガブラー/ダイヤモンド社



『ウォルトディズニー』 、『闇の王子ディズニー』など、興味を持ちつつ未読。もしかして、これが決定版という期待と、あとがきのホイチョイプロダクションに釣られてこちらを読了しましたが、やっぱり前記2作を読んだ方が良かったかな。

といっても厚さにめげず最後まで読まされる偉人伝にはまちがいありません。

文中、ウォルトのスタジオ内での評判の良さを描いた場面の数ページ後に、スタッフの裏切りや、ストライキ勃発など不可解な印象があり、ディズニー社や、親族取材の弊害かと思われたのですが、あとがきでのホイチョイ馬場氏の中に、その答えの一端がありました。

下記は、本書『創造の狂気』ではなく、ボブ・トマス著『ウォルト・ディズニー』と、マーク・エリオット著『闇の王子ディズニー』の参考記事。

「副島隆彦の学問道場」
http://www.snsi-j.jp/boyaki/diary.cgi?no=1&past=92

(前文略)〜「プロパガンダ」と聞いて私が思い浮かんだのは、世耕弘成(せこうひろしげ)議員でも、ナチス宣伝相ゲッベルスでもない。ウォルト・ディズニーである。そう、あのディズニーアニメーションの製作者、ディズニーランドの創設者である、ウォルト・ディズニーである。ウォルト・ディズニーといえば、大抵のひとは平和な子供の夢の世界しか思い浮かばないだろう。企業経営者などの現実的な方々であれば、大企業ディズニー社を創始した経営者という捉え方をするかもしれない。

しかし、実際のディズニー氏はそれよりもっと「政治的」なのである。具体的には、政府の意を汲んで戦時プロパガンダに進んで参画し、労働組合運動を弾圧しようとした反共主義者であり、ハリウッドの赤狩りに協力し、FBI長官フーヴァーのもとでスパイとして働いたという経歴をもっている人物である。

そして、だからこそ今日のディズニー社のような巨大メディア帝国を築き上げることが出来たのである。ただ子供のような夢を追い続けているだけでは社会的に成功できるはずはないのだ。この事実は、ディズニーの評価を上げることはあっても下げることはないだろう。

ディズニーの伝記
ウォルト・ディズニーの伝記で代表的なものはボブ・トマス著『ウォルト・ディズニー』である。原題は『WALT DISNEY: An American Original』であり、1976年に刊行された。講談社より1995年に翻訳が出ている。

この伝記は非常に「正統的」な伝記である。貧しい生まれのディズニーが苦労して映画会社を立ち上げ、せっかくの成功も詐欺にあって苦労が続き、そして最後には成功するという、いかにも典型的なサクセスストーリーに包まれた伝記である。子供の夢の世界の製作者としてディズニーを見るひとならば(それが世間一般の大多数なのだが)、この伝記は十分にその需要に答えてくれるだろう。そのためか、翻訳版には「日本図書館協会選定図書」の指定がある。
一方で、その裏版ともいうべき、ディズニーの負の側面を暴いた伝記も存在する。マーク・エリオット著『闇の王子ディズニー』である。原題は『WALT DISNEY Hollywood's Dark Prince』であり、1993年に刊行された。草思社より1994年に翻訳が上下巻構成で出ている。

この『闇の王子』、ダーク・プリンスというタイトルの伝記は、著者まえがきにあるように、正伝であるボブ・トマス『ウォルト・ディズニー』に挑戦することを意図して書かれている。正伝の『ウォルト』が取りあげなかった箇所を中心にして書かれた伝記である。20世紀映画史の裏面史としても資料的価値のある文献である。

以上の2冊を読み比べてみて、はじめてウォルト・ディズニーという人物の本当の姿が浮かびあがってくるのである。以下で引用する際には正伝ボブ・トマス著『ウォルト・ディズニー』を『ウォルト』、異伝マーク・エリオット著『闇の王子ディズニー』を『闇の王子』と省略して記載する。

ストライキと南米旅行
ディズニーの「裏側」ともいえる活動を、政府側で手引きをした人物こそがFBI長官のエドガー・フーヴァーである。さらに、フーヴァーの背後にいる人物こそ、ネルソン・ロックフェラーなのである。

このことが露見するのは、ディズニー社がとりあえず軌道に乗ったあとの、従業員のストライキ騒動の場面からである。『ウォルト・デイズニー』より引用する。

(引用開始)
1941年のストライキは、ウォルトに大きな影響を与えた。それは、政治とか従業員に対する彼の姿勢に影を落とすことになり、ウォルトをますます保守、反共へと追いやった。また、ディズニー・スタジオを従業員の楽園にしようという計画にも彼は幻滅を感じた。従業員は出勤時と退社時にタイムカードを押さなければならなくなり、昔、スタジオの初期に制作スタッフが経験したような、自由で親密なウォルトとの交流は、もう永久に戻ってこなかった。(p. 192)
(引用終了)

トマスの『ウォルト・ディズニー』に記載されているこのような文章を読むと、なぜウォルトに対して従業員が歯向かったのか理解できない。正伝ではつねにウォルトは善玉だからだ。しかし、従業員がやむに已まれずストライキに突入したのはよほどの理由があるだろう。

単純に考えれば、ディズニー社での労働環境が悪かったのだろう。今でも変わらないらしいが、アニメーターという職業は「労働集約的」な職業である。絵を書くというのは機械化、自動化しずらい作業であり、手作業である。そのため、人海戦術が必要となる。利益を上げるためには、人件費を抑えなければならない。

しかし、ここで述べたいのは労働環境のことではない。悪化するストライキの状況から逃れるため、ウォルトは「親善と映画制作を兼ねた」南米旅行に出かけるのである。『ウォルト・デイズニー』より引用する。

(引用開始)
ところで、南米旅行の話をもってきたのは、国務省米州局の調整役ネルソン・ロックフェラーの下で働く映画部の部長ジョン・ホイットニーであった。彼は、ディズニーがスタッフとともに南米を訪れ、アメリカ文化の芸術的側面を紹介してくれれば、中南米諸国に対する政府の善隣政策が功を奏すると説明した。そしてそれは緊急を要する、とホイットニーは言った。南米にはドイツ系やイタリア系の移民が多く、枢軸国に同調する空気がかなり濃厚であった。1941年半ばの時点においてアメリカ合衆国はまだ参戦こそしていなかったが、連合国を支持しており、ナチやファシズムの影響が西欧諸国に広がることを恐れていた。(p. 193)
(引用終了)

ここで、ネルソン・ロックフェラーが登場する。そして、政治的理由によりウォルトにミッションが課されたことが読み取れる。善隣政策とは、今でいえば宣伝を多用したいわゆる軍事力(ハード・パワー)に対抗する意味での「ソフト・パワー」による外交であろう。第一次大戦と第二次対戦の戦間期に、南米においてこのような植民地の駆け引きがあったことはあまり知られていない。『闇の王子(下)』にはさらに詳述されている。

ネルソン・ロックフェラーは戦時中、ローズヴェルト大統領のアシスタントを務めた
1935年から1972年までの長きにわたりFBI長官として君臨したエドガー・フーバー

(引用開始)
南アメリカへの「親善」旅行を考えついたのは、一般には国務省米州調整局の映画部長ジョン・ジェイ・ホイットニーだということになっているが、じつはロイ(引用者注:ウォルトの兄、ディズニー社の財務担当)の発案によるもので、彼がJ・エドガー・フーヴァーに、その実現に手を貸してくれるよう頼んだのである。

ローズヴェルト大統領は南アメリカでのナチス・ドイツの影響力増大に対する懸念から、国務省に新設された米州調整局のポストにネルソン・ロックフェラーを任命した。ロックフェラーは以前、ダリル・F・ザナックとオーソン・ウェルズの映画プロジェクトのスポンサーとなったこともあり、ロイの要請を受けたフーヴァーはローズヴェルトに、ディズニーもプログラムに参加させるべきだと提案した。ローズヴェルトはこの提案をロックフェラーに伝え、彼がディズニーに南米へ旅行に行かないかともちかけた。(p. 32)
(引用終了)

この南米への「プロパガンダ旅行」は、ロックフェラーの、そしてフーヴァーFBI長官によるウォルトへの指図であった。ウォルトとフーヴァーはこの時点ですでに顔見知りであったのである。では、このまったく生まれも業界も異なるふたりはどのように知り合っていたのだろうか。

ディズニーとフーヴァー
伝記作者マーク・エリオットは以下のように述べている。ディズニーがFBIのスパイであったというのは今でもスキャンダルであろう。『闇の王子(上)』より引用する。

(引用開始)
あまり知られていないことだが、ウォルト・ディズニーは1940年、39歳のときに、アメリカ政府の国内諜報部員になったのである。彼の任務は、FBI(米連邦捜査局)から政治的破壊活動をもくろんでいると疑いをもたれたハリウッドの俳優、作家、プロデューサー、監督、技術者、労組活動家の動向について報告することだった。ディズニーはFBIエージェントという自分の任務を、愛国的義務であるばかりか、気高い道徳的務めと見なしていた。彼はスパイ活動にも、かつての映画づくりと同じように、異常なまでに真剣に打ち込んだ。(p. 15)
(引用終了)

ウォルトとフーヴァーの関係は、互いに利用しあう関係である。フーヴァーはウォルトが第一次大戦でフランスへ従軍した際に、徴兵書類を偽造したのを知っていた。ウォルトは、自分の両親は実は本当の両親ではないのではないかと疑っており、その調査をフーヴァーに依頼していた。『闇の王子(上)』より引用する。

(引用開始)
フーヴァーは、彼に対して無条件に忠誠心を表す兵士として、一番小さくて力も弱かった独立系スタジオの盟主、ウォルト・ディズニーをあえて選んだ。それも当然と言えば当然だった。フーヴァーは、まだFBIの下っ端だった1918年に、第一次大戦の徴兵忌避者の追及作業に加わっている。同じころ、17歳のウォルト・ディズニーは、初めてFBIの目にとまっている。徴兵を逃れようとしたからではない。ディズニーがまだ未成年であるにもかかわらず陸軍に入ろうとして、両親の同意を得たかのように書類に署名を偽造し、見破られたためである。(p. 18)

フーヴァーはディズニーに、アメリカの将来を安泰にするのに手を貸してくれれば、FBIはその見返りに、彼の過去をいくらでも追跡調査しようともちかけたのだ。それはディズニーにとって断りきれない申し出だった。(p. 19) (引用終了)

こうしてディズニーはフーヴァーと関係するのである。また、このときのストライキに対処するため、ディズニーはマフィアとも手を組んでいた。マーロン・ブランド主演の名画「波止場」(ウォーターフロント Waterfront)は組合運動を描いた映画である。当時の政府は反共防止活動として、労働者のストライキを弾圧した。その尖兵となったのがマフィアである。つまり政府とマフィアは癒着していたのだ。

戦争プロパガンダ映画
第二次大戦に向けてアメリカの参戦が決定的となると、国家は戦争一色となる。ディズニー社も例外ではなかった。『ウォルト』より引用する。

(引用開始)
アメリカが参戦に踏みきると、連邦政府からも映画制作の注文がどっと流れ込んだ。海軍からは『航空母艦の着艦信号』を、農務省からは『食糧が戦争を勝利に導く』を、そして陸軍からは航空機識別官を対象とする教材映画を依頼された。さらにディズニー・スタジオは、ナチスに動員される若者を描いた『死への教育』、免疫注射を呼びかける『侵略に備える防衛対策』なども制作した。(p. 196)
(引用終了)

これだけならば、戦時下の映画会社としては致しかたないのだろう。事実、他の映画会社もまた同じような戦時協力映画を制作している。しかし、ディズニー映画がプロパガンダたるゆえんは次の箇所である。ここでは『闇の王子』よりも正伝である『ウォルト』の方がかえって率直に描いてしまっている。

(引用開始)
1942年12月、ウォルトのもとに、財務省の役人であるジョン・サリバンから電話があった。財務長官のヘンリー・モーゲンソーが緊急の特別プロジェクトの件で相談があるという。(中略)この仕事は戦時公債の販売キャンペーンだろうと、ウォルトは予想をたてていた。が、モーゲンソーのオフィスに着いてみると、その予想は見事にはずれた。

「実は、所得税の納税義務を国民に売り込む仕事に、君の力を貸してほしいのだ」
モーゲンソーは、こうきりだしたのである。ウォルトは当惑した。

「ちょっと待ってくださいよ。こちらは財務省でしょう。合衆国の政府でしょう。国民に納税義務を売りこむですって?税を払わなければ、監獄にでもぶち込むまでのことじゃありませんか」
そばにいた国税庁長官のガイ・ヘルバリングが口を開いた。

「そこが私の困っている点なんですよ。新しい税法でいくと、来年は1500万人の新規納税者が出てくる。だが彼らが納税義務を怠ったからといって、1500万人を起訴するなんて、とてもじゃないができるわけがない。そこでだ。税とは何であるか、戦争に勝つために税金がどんな役割を果たすのか、彼らにわからせなくちゃならないんですよ」(中略)

「国民の気持ちとして、公債を買えば、それが戦争の資金になると考える。ところが、公債はどうやって返済するのか ― 税金によってじゃないですか。税金不払いの国民を起訴するというのが我々の目的ではない。納税が愛国的な行為だということをわかってもらって、国民に積極的になってもらいたいんですよ」(p. 199)
(引用終了)

財務省の要請を受けて、ディズニーは自社の人気キャラクターであるドナルドダックを使って、分かりやすくて面白い納税を説明する『新しい精神』(The Spirit of 43 )という映画を作った。その結果は大成功であった。(実際の映画は、 こちら から観ることが出来る)この映画では、「Taxes to bury the Axis(税金(タックシズ)を払って枢軸国(アクイシズ)のやつらをを葬り去る)」というスローガンを掲げた。さらに、『闇の王子』から引用する。

(引用開始)
財務省の統計によれば、この映画は結局、6000万人の国民の目に触れ、一方、ギャラップ世論調査は、納税対象者のうちの実に37パーセントが、『新しい精神』を見て税を納める決心をしたと発表した。(p. 201)
(引用終了)

このように、ディズニーは政府の納税プロパガンダに全面的に協力して成果を収めた。さらに、戦後はハリウッドの「赤狩り」に対して協力をしている。晩年のディズニーの成功は、戦時および戦後の政府への協力が陰に陽に作用していると推測することはあながち間違いではないだろう。

メディアとプロパガンダ
ディズニーはこのあと、テレビに大々的に進出して大成功を収めることになる。晩年には遊園地、「ディズニーランド」の建設が行なわれ、ディズニー社の重要な収入源となった。

ディズニーの死後、一族による内紛があった後に、モルガンやラザール・フレールなどの投資会社、あのウォーレン・バフェットなどの投資家が現われて、経営を一族から取り上げたあとに、投資家の利益を代弁する経営者が現われる。それがパラマウントから招かれた当時30代のマイケル・アイズナー(Michael Eisner)であり、20年以上に渡ってディズニー社を支配した(2005年に辞任、現在のCEOであるのは、ネットワークテレビ局のABCとディズニーの合併を実現させた、ABC出身のボブ・アイガーという人物)。ディズニー死後のディズニー社の遍歴については、早稲田大学教授の有馬哲夫の『ディズニー千年王国の始まり』(NTT出版)が詳しい。

ディズニーの元CEO、マイケル・アイズナー
ディズニーはメディアにおいて常に新しい可能性を引き出し、それを娯楽として利益を上げる一方で、政府機関に仕えてきた。メディアというのは手段あるいは道具であるから、娯楽として使用できるとともに、プロパガンダとしても使用できてしまうということが、ディズニーの生涯を見ると分かるのである。

とくにキャラクターを使用したプロパガンダについては、アニメが全盛の現在の日本においては他人事ではないだろう。娯楽として楽しんでいるアニメがいつのまにか政府機関のプロパガンダになっているかもしれないのだ。すべてのメディアには気をつけないといけない。

以上
吉田(Y2J)筆
_____________

【作品紹介】 【ロサンゼルス・タイムズ出版賞・伝記部門大賞(2006年度)】創造の天才か、闇の王子か−。ディズニー社の全面協力を得ながら、同社の検閲を受けずに出版されたウォルト・ディズニー伝の決定版。過度に美化や否定をせず、ディズニーの業績の偉大さと人間としての弱さを冷静に描く。


[PR]
by yomodalite | 2007-09-19 20:07 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(0)

イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策[1]/J.J. ミアシャイマー , スティーヴン・ウォルト

国際政治学の2トップによる、世界的な話題書。

反ユダヤではないことを、これでもかと強調し、イスラエル・ロビーの圧力の実例が示されている。ユダヤ陰謀本とは、まったく異なるアプローチ。第二部の刊行はまだですが、これから世界にどんな影響があるか興味深いところ。

下記、「JANJAN」より引用

露見したイスラエル・ロビー 2007/09/16
ワシントンIPS=コーディ・アハビ、9月6日

ハーバード大学のジョン・J・ミアシャイマーとシカゴ大学のステファン・ウォルトがロンドン・レビュー・オブ・ブックス2006年3月号に発表した論文「イスラエル・ロビー」は、学術書としては珍しい大反響を呼んだ。しかし、ネオコン、ユダヤ教徒、反対派学者、評論家、そしてアメリカ・イスラエル共同問題委員会(AIPAC)といったワシントンのロビイスト団体が、米国の中東政策を形作り、ワシントンにおける公開討議を妨げているとの主張が、厳しい批判/攻撃の的となった。

自らも同問題に関与しているコラムニストのクリストファー・ヒチェンズは、同論文の信憑性を批判。また、名誉棄損防止同盟は、ユダヤの力/支配というデマを取り上げ、反ユダヤ分析を行う古典的陰謀と批判。猛烈な反対キャンペーンが展開された。

ミアシャイマー/ウォルト両氏は、その後同論文を基に「イスラエルのロビー活動と米外交政策」と題された355ページの本を出版。米国のイスラエル支援には、外交的にも軍事的にも戦略的意味、モラル的理由も存在しないと主張している。

両氏はまた、イスラエル・ロビー団体の強い影響力により、米国の政治議論は、自国の長期的安全保障を損なわせる方向に向かっていると批判。更に、ロビー団体の活動は、時にイスラエル政府の政策/利益に反する自己本位なもので、イスラエルの右派リクード党に近い個人、組織で構成されていると主張している。

ロビー団体の境界線は曖昧で、両氏によれば、学者、シンクタンク、政治活動委員会、ネオコン、ユダヤキリスト教団体などもイデオロギー的にこれら団体を支えているという。

ロビー団体とその支援者は、イスラエル批判を抑えるため所謂「いじめ戦略」を取っており、2人の著者も、反ユダヤの汚名を着せられた。ロビー団体はまた、カーター大統領の「パレスチナ:アパルトヘイトではなく平和を」という著作に対しても反ユダヤのレッテルを貼り、同氏をナチ親派と糾弾している。(引用終了)

第1部 : アメリカ、イスラエル、そしてロビー

第一章/アメリカという大恩人
イスラエルへの経済援助/際立つ軍事支援/外交面からの擁護と戦時の支援/結論

第二章/イスラエルは戦略上の資産?か負債?か?
ソ連という熊を封じる手助けをする/冷戦から9・11へ/テロとの戦いのパートナー?という新しい論拠/ならず者国家?に立ち向かう/疑わしい同盟国/結論

第三章/道義的根拠も消えてゆく
弱きを助ける/民主国家の同朋を援助する/過去の犯罪に対する償い/善玉イスラエル?対悪玉アラブ?/キャンプ・デービッドの神話/イスラエル支援は神の御意志に適う/米国民は何を求めているか?/結論

第四章/〈イスラエル・ロビー〉とは何か?
〈イスラエル・ロビー〉を定義する/米国のユダヤ人社会の役割/多様な組織と異議へのきまりごと/右傾化する〈イスラエル・ロビー〉/ネオコン派の役割/キリスト教シオニスト/〈イスラエル・ロビー〉の力の源/大きくはない石油ロビーの影響力/二重の忠誠心?という問題/結論

第五章/政策形成を誘導する
アメリカ合衆国議会を牛耳る/親イスラエルの合衆国大統領を誕生させる/政権を〈イスラエル・ロビー〉側に引き止める/結論

第六章/社会的風潮を支配する
メディアは一つのメッセージしか発信しない/一方向からしか考えないシンクタンク/学界、教育界を見張る〈イスラエル・ロビー〉/不快な戦術/新しい反ユダヤ主義/大きな消音装置/結論


【目 次】 〈イスラエル・ロビー〉と米国の中東政策/〈イスラエル・ロビー〉の手口/なぜ〈イスラエル・ロビー〉を語ることがこれほど大変なのか/私たちはどのように主張を展開するか/この研究に使用した文献について/情報源について/結論

◎[Amazon]『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策1』

☆続編も出版されました!
◎『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策[2]』 
  
______________

【内容】『文明の衝突』のS・ハンチントンに並ぶ、世界最高の知性がタブーに挑む。ユダヤ陰謀説を超える議論の提起!!なぜアメリカはイラク戦争を始めたのか?、なぜ中東はいつまでも不安定なのか?、アメリカの外交政策を歪めてきたのは誰か?、タブーはどのようにしてつくられたのか?

【著者略歴】
ジョン・J.ミアシャイマー/1947年生まれ。シカゴ大学ウェンデル・ハリソン記念講座政治学教授(国際関係論)。米中衝突を予言し、「オフェンシヴ・リアリズム」理論を提唱。米国のイラク侵攻を非難して、ネオコン学者と対立する。

スティーヴン・M・ウォルト/1955年生まれ。ハーヴァード大学ジョン・F・ケネディ行政学大学院教授(国際関係論)。「脅威の均衡」理論を提唱。ミアシャイマーとともに、米国のイラク侵攻を非難して、ネオコン学者と対立する





[PR]
by yomodalite | 2007-09-17 14:17 | 政治・外交 | Trackback | Comments(1)

ドル覇権の崩壊—静かに恐慌化する世界/副島隆彦

まえがきの予言者宣言をうさんくさく感じるか、頼もしく感じるかは、各読者の読書経験に依りますが、永く読んでいればいるほど、信頼されている経済本の読者がいる方は少ないと思います。

以下、主内容とメモφ( ̄— ̄ )

・「三角合併」は見せかけ
・中国は10年で500基ほどの原発をつくる(原発はエネルギーの鍵)
・円高ドル安への急転換
・資産防衛策として「金・ユーロ・人民元に資産を移せ」
・ロン・ポール米下院議員による演説論文『ドル覇権の終焉』の訳文掲載
・アメリカに強奪された郵貯350兆円の意外な行方
・日本は実は原油高に強い
・I-Sバランス(日本の個人貯蓄=米財政赤字)

【目 次】
第1章 2008年末からドルが大暴落しアメリカ帝国は衰退する
・2008年末にかけての為替、株の動向を予言する
・円キャリートレードは金融博打である
・いまのうちに黙って人民元を買え!
・ジェイ・ロックフェラーはアメリカのバブルを延命させて最後には奈落に突き落とす
・財政と金融の2つの政策をごっちゃにしてきた日本
・すでに金融統制経済は始まっている
・ドルは2008年末頃に暴落を始めやがて1ドル80円台の超円高が出現する
・ユーロの台頭でドル離れがますます進む
・アメリカの国力衰退に依って円安の日米秘密合意も壊れていく
・アメリカ住宅バブル崩壊が世界恐慌の引き金を引く
・バーナンキは米ドル紙幣を刷り散らして大不況突入を阻止する
・原油価格がさらに高騰すると米国内では非常に危険な状況に
・原油高騰は日本にとってはチャンスの到来
・これからのエネルギーの鍵を握るのは何と原子力発電
第2章 世界はこうしてドルに騙された
・ロン・ポール下院議員が予言する「ドル覇権の終演」
・「ドルによる世界支配」はやがて終焉する
・非兌換紙幣であるドルの刷り散らかしはアメリカのマネーの偽造
・“ドル外交”を“ドル覇権”へと変質させたアメリカ
・IMF体制は密かにロックフェラー石油通貨体制にすりかえられた
・金キャリー・トレードで痛めつけられたゴールド
・金取引に関するワシントン協定がゴールドにとどめを刺した
・あらゆる帝国は4代120年で衰退に向かう
第3章 かくてドル覇権は崩壊していく
・不換紙幣であるドルへの不満が世界に蔓延している
・36年続いた「修正IMF体制」はもうもたない
・ドルの没落を阻止するためならアメリカは何でもやる
・世界各地から湧き起こるドル信任を掘り崩す動き
・ネオコンによる「世界革命」は完全に失敗した
・国家通貨体制のいかさまをもう世界は我慢しない
・アメリカは強大な軍事力で脅してドルの価値を維持してきた
・アメリカはもうイスラエルを見放すつもり
・日本がアメリカに貢いだお金の半分はもう戻らない
第4章 日本はどこまでアメリカに毟られるのか
・アメリカの経済は日本から毎年30兆を徴収して維持されてきた
・日米間に金利をつけてアメリカに資金を還流させてきた
・日本の財政破綻で円安になるという大嘘
・ドルを支えてきたオイル・マネーとジャパンマネー
・日本の外貨建て資金への投資が今のドル高を支えるという矛盾
・日本の国債相場が急落すれば米国債相場は必然的に暴落する
・ダウは3年後に1万ドルを割り、その後8000ドル台にまで下がっていく
・ドルを売り払いたいアメリカ財界人たちの本音
第5章 アメリカが衰退し、中国が次の超大国になる
・アメリカは中国に北朝鮮問題を丸投げして、アジアから逃げ出した
・アメリカは東アジアへのへジェモニーを中国に引き渡す
・アメリカは次世代の中国指導者まで決めている
・人民元に投資せよ

【本の内容】
目先の円安と低金利に騙されるな。やがてドルは暴落し、円は1ドル=80円へ。そして、金融恐慌が世界を襲う。いまこそ資産を金・ユーロ・人民元に移せ。 徳間書店 (2007/8/3)



[PR]
by yomodalite | 2007-08-30 18:55 | ビジネス・経済・金融 | Trackback | Comments(0)

民間が所有する中央銀行−主権を奪われた国家アメリカの悲劇/ユースタス・マリンズ著・林伍平訳

民間が所有する中央銀行―主権を奪われた国家アメリカの悲劇

ユースタス マリンズ/秀麗社



以前から気になっていた本ですが、想像以上に読みにくさを感じたのは、サッカー脳になっていたからでしょうか?

【目 次】
第1章 ジキル島の秘密会合
第2章 オールドリッチ作戦
第3章 連邦準備法
第4章 連邦諮問評議会
第5章 ロスチャイルド家
第6章 ロンドン・コネクション
第7章 ヒットラー・コネクション
第8章 第一次世界大戦
第9章 農業不況
第10章 通貨創造者
第11章 モンタギュー・ノーマン卿
第12章 大恐慌
第13章 1930年代
第14章 議会の暴露
終章 補遺

↓http://art.asablo.jp/blog/2005/09/03/62030

米国の中央銀行である連邦準備制度(FRB)は、民間が所有する銀行である。
1910年12月、ジキル島で秘密の会合があった。このジキル島会議に出席したのは、ネルソン・W・オルドリッチ上院議員(ネルソン・ロックフェラーの母方の祖父)、彼の秘書のシェルトン、財務次官補であり全国金融委員会の特別補佐官でもあったA・ピアット・アンドリュー、ナショナル・シティ・バンク・オブ・ニューヨークの頭取フランク・ヴァンダーリップ、J・P・モルガン商会のヘンリー・P・デーヴィソン、ファースト・ナショナル・バンク(モルガン)のチャールズ・D・ノートン、J・P・モルガンの上級代理でありバンカーズ・トラストの頭取ベンジャミン・ストロング、そしてクーン・ローブ商会のポール・ウォーバーグというメンバー。

12の連邦準備銀行の本源はニューヨーク連邦準備銀行である。
ベンジャミン・ストロングがニューヨーク連邦準備銀行の初代総裁に就任している。

● 制度全体の真の支配者はニューヨーク連邦準備銀行の株主

12地区の連邦準備銀行の株式は、それぞれ地区の国法銀行が購入した。ニューヨーク連邦準備銀行が金利を設定し公開市場操作を指揮することによって合衆国の通貨の日々の供給と価格をコントロールしたので、制度全体の真の支配者はニューヨーク連邦準備銀行の株主である。

ニューヨーク連邦準備銀行は20万3053株を発行し、大手のニューヨーク市の銀行が発行株式の過半数を取得した。

ロックフェラーとクーン・ローブが支配するナショナル・シティ・バンクは3万株で、他の銀行と比較して最大の株数を取得した。さらにJ・P・モルガンのファースト・ナショナル・バンクは1万5000株を取得した。この2つの銀行が1955年に合併したとき、単独でニューヨーク連邦準備銀行の4分の1近くを所有し、制度全体をコントロールした。そしてこのことにより、連邦準備制度理事会の議長には、ポール・ヴォルカーであろうとだれであろうと、彼らが適すると思う者を指名することができるようになった。

チェース・ナショナル・バンクは6000株を取得した。のちのマリーン・ミッドランド・バンクであるマリーン・ナショナル・バンク・オブ・バッファローは6000株を取得した。ニューヨーク市のナショナル・バンク・オブ・コマースは2万1000株を取得した。

ニューヨーク連邦準備銀行の株式を所有するこれらの銀行の株主たちは、1914年以来われわれの政治的および経済的運命をコントロールしてきた人びとであり、彼らは、ヨーロッパのロスチャイルド家、ラザール・フレール、クーン・ローブ商会、ウォーバーグ商会、リーマン・ブラザーズ、ゴールドマンサックス、ロックフェラー一族、そしてJ・P・モルガン財閥であった。

これらの同業者連は近年になって合併したり統合したので、コントロールはさらに集中している。

その他の11の連邦準備地区では、同一の株主がこれらの銀行の株式を間接的に所有するか、もしくは支配している。その他の株式はそれらの地区の主要産業を所有または支配している主要一族によって所有されている。
___________

【内容「MARC」データベース】合衆国の中央銀行の陰謀に包まれた起源を明らかにし、同時に、それは世界的なシオニスト帝国主義とテロリズムの基本的な道具であるという事実を公開する。秘密にされた強力な連邦準備制度について記した唯一の歴史書。 秀麗社 (1997/10)


[PR]
by yomodalite | 2007-07-30 13:27 | ビジネス・経済・金融 | Trackback | Comments(0)

外交敗戦—130億ドルは砂に消えた/手嶋龍一

1993年に発売された『1991年日本の敗北』の文庫化。大蔵省、外務省の二元外交の弊を実際の証言者への緻密な取材により描かれています。登場人物がよく描かれていて、橋本元首相と、ブレイディ、育ちの良い二人の会談など、どのような雰囲気だったのかよく理解出来ます。この後、大蔵省は解体され、現在自衛隊はイラクに派遣され、憲法は改正されようとしている。

___________

【内容紹介】それは、大蔵省、外務省の暗闘が招いた結果に他ならなかった—。湾岸戦争終結後、クウェート政府が発表した感謝国リストに“JAPAN”は存在しなかった。130億ドルもの国家予算を投じ多国籍軍を支援しながら、ニッポンを迎えたのは、世界の冷笑だった。戦略なき経済大国の「外交敗戦」を、『ウルトラ・ダラー』の著者が圧倒的な情報力で描ききる。

[PR]
by yomodalite | 2007-05-23 12:51 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


by yomodalite