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崩れゆく世界 生き延びる知恵/副島隆彦、佐藤優

崩れゆく世界 生き延びる知恵

副島 隆彦,佐藤 優/日本文芸社



今年の5月末に出版された本。

私は副島氏が出版した本はすべて読んでいますが、なかでもおふたりの共著は時事を扱っていながら、あとから読んでもためになる内容が多く、いつもは、その最高の知性を、人々にわかりやすく説明するために骨を折った書き方をされている副島氏ですが、佐藤氏という申し分のない会話者を得たことで、レベルの高い内容が、読者にとってはスルスル読めるというありがたさ。

内容に相応しい言い方ではないですが、めったに味わうことのできない知的興奮で読み出したら止まりません。

マジョリティというのは「真ん中」を選択するものです。
そして、多くの人々が支持するのは「穏健」なものです。

だから、マジョリティが安定することが、社会の「安定」に繋がる。と統治者が考えてくれればいいのですが、残念ながら現在の先進国のトップたちは、経済破綻を何よりも恐れて、戦争がそれを救ってくれる唯一の手段だという結論でまとまっているようです。

それだけは避けたいと思っている人の方が絶対に多いはずなのに、そうはならない。

民主主義は、既得権益者によって都合のいいシステムになっていて、それは選挙の不正だけでなく、世論の作り方においてもそう。

マスメディアの問題点を憂うブロガーは数多く存在しますが、ネット社会は、数を競う中で、ネットリテラシーをもたない人々に注目されることが重要で、今やそのレベルは、マスメディアよりも低く、マスメディアの方でも、その数に注目し、手を取り合って、低きに流れていく一方。。

それで、マジョリティが選択できる「真ん中」は、徐々に「穏健」ではなくなりつつある。

権力者の不正や間違いを、マスメディアに代わって報道しようと頑張ってくれている人々がいても、情報を拡散するだけで、私たちは結集することもできず、世論にすることもできない。今のサイレントマジョリティにもっとも拡がっている意識は「脱力感」ではないでしょうか。

私も、せいぜい読書をして、歴史を学び、これまでの自分の馬鹿さ加減をしっかり認識したいと思っているのですが、ますますその難しさを痛感するというか、、

副島氏は、本書の冒頭で、

「私は、佐藤さんが、今の日本で真ん中にいると思います。右(保守)か左(リベラル)か、ではなくて、右でもありかつ左でもある。このことが素晴らしいことだと思う。

と述べています。また「まえがき」で、佐藤氏は、

歴史は反復する。しかし、まったく同じ形で繰り返されることはない。こういうときに必要なのは、アナロジー(類比)を適用することだ。アナロジーとは、論理に即して物事を考察するということだ。

と述べられています。これは佐藤氏の近著である『世界史の極意』でも語られていることで、歴史本を読むうえで、私も肝に命じなければと思う点です。

(下記は、本書から省略・要約して引用)
第1章「安倍“暴走”内閣で窮地に立つ日本」より

佐藤 副島さんは尖閣諸島問題に関してどうお考えですか?

副島 尖閣諸島は、日清戦争のときに、正式に下関条約で、日本が中国(当時は清朝政府)から割譲させたものです。台湾とぼうこ諸島の海域に属している。だから正式に日本のものになりました。
 
戦争で勝ったほうは、戦勝国として無理やりでも何でも条約にして敗戦国と取り決める。きちんと当事者双方の署名がなされて成立する。その取り決め自体は国際法に照らして有効です。あとになってから「あの契約(条約)は無効だ」と騒いでも認められません。

佐藤 当時は帝国主義全盛期でした。

副島 それで、靖国があの領域を手放して、日本が台湾と遼東半島を取りました。遼東半島は三国干渉で返させられましたが。その後、第2次世界大戦中に、カイロ会談がありました。そこに蒋介石、トルーマン、スターリン、アイゼンハワー、チャーチルなどの首脳たちがいました。
 
その会議で日本の領土は大きな島4つだけとなり、それ以外のものは全部、連合諸国が取り決めることになりました。それを引き継いだヤルタ=ポツダム宣言を、敗戦国となった日本は承認し、サンフランシスコ講和条約で確定した。正式に日本のものになっていた尖閣諸島が、ヤルタ・ポツダム会談で日本から取り上げられた。それを日本は認めた。このことが重要です。

佐藤 マスコミは隠していますが、尖閣諸島の一部はまだアメリカの「領土」です。九場島、大正島は米軍の射爆撃場となっています。まだ日本に返還していないアメリカの「領土」です。尖閣諸島問題は、日本が必要もないのに国内的な事情から人為的に緊張をつくり出しているというのが国際社会の見方です。


第2章「世界革命を目指すイスラム国の脅威」より

佐藤 イスラム国というのは、今までのアルカイーダと違って、ちゃんとビジネスとして、誘拐や人殺しをやっているのです。あと、石油も採っている。これは非常に重要です。

副島 あの人たちは自立した経済をやっているのですね。

佐藤 今年いい本が出ました。ロレッタ・ナポリオーニというイタリア人ジャーナリストが書いた『イスラム国 テロリストが国家をつくる時』という本です。彼らは複式簿記とかを付けて、ビジネスとしてテロをやっていると書いています。

「イスラム国」がイラクからシリアにまたがる広い地域で国家建設に成功するなら、その事実がもたらす脅威は、単にこの二力国の政治体制を変えるという以上の意味を持つことになる。近代以降の歴史で初めて、武装組織がテロリズムの最終目的を実現することになるのだ。それは、既存国家の廃墟の中から自分たちの国をつくること、それも、たとえばイランがそうだったように革命によってではなく、昔ながらの征服戦争によって領土を獲得することである。ただし、その戦争で使われるのはテロ戦術だ。もしこれが実現するなら、「イスラム国」は正真正銘のテロリズム国家ということになる。(前掲書45ぺージ)
 
と、いうことです。いまのところ、これがうまくいっているのは、「アルカイーダは失敗だった」と総括していることです。あまり組織化をしていないといっても、やはりビンラディンや、ザワーヒリーの指示で動いている限り、アメリカは犯人を見つけ出して殺すことができた。だから第1世代のアルカイーダは壊滅しているわけです。

副島 ドローンで大幹部たちを暗殺されても耐えられる構造をつくったということですか?

佐藤 そうです。「グローバル・ジハード論」というのを西側諸国で展開して、それに耐えられる構造をつくったのです。


第3章「ウクライナ政変で見えてきた世界大戦の予兆」より

佐藤 ウクライナは結局、NATOに加盟することはできません。そうなると緩衝地帯ですよね。重要なのは、ウクライナの圧倒的大多数の人が民族という意識が未分化のままなので、戦闘が起きたところ以外の人たちは自分がロシア人なのか、ウクライナ人なのか意識が未分化です。これまでは、ウクライナかロシア人かということを曖昧にして暮らすことができたのですが、これからは、曖昧ではない形にしなくてはならない。それをお互いが決めるとなると、状況によっては殺し合いになるでしょう。

副島 ウクライナはまさしく西側との緩衝地帯、バッファです。回廊国家ですね。回廊国家というのは、2つの勢力の間で、廊下のように外国の軍隊に侵攻され、踏みにじられ、居座られる国家のことです。このような国家の分裂状態を繰り返してきた「回廊国家」が、ポーランドと朝鮮半島です。もしかしたら、私たちの日本も回廊国家になりつつあるのかもしれません。アメリカと中国というふたつの帝国の間で、ウクライナと同じような分裂国家になるかもしれない。


第4章「オバマとヒラリーの激闘から読む世界の明暗」

副島 オバマとバイデンたちは、第三次世界大戦になるような「大きな戦争」をしたくない。「低緊張紛争」で収めたいと考えています。小さな戦争が起きるのは仕方がない。地域内で、それぞれやらせて、両国の均衡の上にアメリカが仲裁者として立つ。これが「オフショア・バランシング」という理論です。私の弟子の古村治彦君が『アメリカ政治の秘密』という本で日本に紹介しました。これはCFR(外交問題評議会)派の論理です。このCFR派に対して、共和党ネオコン系と結びつくヒラリーは「人道主義的介入主義者」です。ヒラリーは、「人道と人権を守る」という理屈をつけて外国に介入し、独裁国への反対の旗を振って、他国に介入していきます。極めて偽善的な考えです。

佐藤 共和党はプレーヤーの外という感じなのでしょうか?

副島 共和党の中心部はまったくやる気がない。共和党に潜り込んでいる、いわゆるネオコン派がヒラリー系の民主党と組んでいます。

佐藤 このポイントがわかっている日本人が少ないと思います。今のアメリカの人口は37%ぐらいが非白人です。2050年になったら、白人と非白人の割合が逆転するといわれています。そうなると、今の共和党の路線では絶対に票をとれるはずがありません。

副島 穏健なオバマ系民主党リベラルと、共和党内のリバータリアン及び茶会党がくっついている。彼らは「ハト派」で米軍を外国に出したくない。それに対し表面上は人道主義を掲げながら、外国に介入しようとする勢力がいます。それがヒラリーたちの凶暴なデモクラシーです。この凶暴なデモクラットたちと、共和党系の軍産複合体がくっついています。これが「タカ派」です。


第5章「行き詰まる日本経済ー余剰の時代の生き延び方」

副島 ピケティの『21世紀の資本』がものすごく売れています。私はピケティの本はスゴイ本だとわかりました。ただ、問題だと思う箇所があります。それはいちばん最後のほうのページ、結論のところに出ています。

佐藤 資本税という形で「資本に対して年次の累進課税」というのをやるべきだ。としている。ここがこのほんのいちばん怖いところですね。

副島 そうです。「これにより果てしない不公平スパイラルを避けつつ、一時蓄積のアタアrしい機会がつくられる」と言っています。

佐藤 だから、これは国家資本主義ということです。国家がイノベーションを起こしたいという国民がいたら「カネを出してやるからやってごらん」とカネを与えるという話です。これは、国家統制の極端な強化ということです。

副島 国家がやる気のある人には、資産家になるチャンスを与える、ということですね。実際には資本税をかけても平等には向かわない。有名になったピケティの不等式、r>gというのは、資本収益率の方が、国民経済の成長率より高いので格差が生まれるという主張ですが、、、、

☆この続きは本書で!




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by yomodalite | 2015-06-05 19:06 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

マイケルの意思を継ぐ行為「STOP FIGHTING! START LOVING!」

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先日紹介したパフォーマーの続報。
罪のない黒人青年が警官に殺されたことへの抗議が激化したボルティモアで、まさに、曲のメッセージどおりの「Beat It」をパフォーマンスし、ストリートで華麗なムーンウォークを見せ、暴動を沈めたディミトリー・リーブス(Dimitri Reeves)。

彼のことは、SNSによって拡がり、その後、地元紙ボルティモア・サンだけでなく、National Post、The Inquisitr、New York Daily News、UPI.com、Le Monde。。など数多くのメディアで取り上げられました。

ディミトリーへのTVインタヴュー
「僕はストリートに平和をもたらしかったんだ」















◎National Post(ディミトリーの動画あり)

今回の抗議行動は、発売当時の放送禁止の影響もあり、マイケルの曲の中では一般にあまり知られていなかった「They Don’t Care about Us」を有名にし、また愚かなメディアのせいで、これまであまり語られることのなかった、彼のシリアスなメッセージ性についても、再評価されるきっかけになったようです。
私はBLMや、黒人至上主義のような運動に、マイケルを感じることはありませんが、彼の笑顔やダンスには、彼の意思を感じました。


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by yomodalite | 2015-05-02 16:54 | マイケルジャクソン資料 | Trackback | Comments(0)

安倍首相による米議会演説全文(英語+日本語+動画)





2015年4月30日未明、米議会で行われた安倍首相のスピーチ。


英語は、Nikkei Asian Reviewから

日本語は、NHK・NEWSWebから、それぞれコピペしました。



The following is a full text of the speech delivered by Japanese Prime Minister Shinzo Abe at a joint meeting of the U.S. Congress on Wednesday.

The speech is titled, "Toward an Alliance of Hope."

安倍総理大臣は日本時間の30日未明、アメリカ議会上下両院の合同会議で、日本の総理大臣として初めて演説しました。演説の全文です。

* * *

Mr. Speaker, Mr. Vice President, distinguished members of the Senate and the House, distinguished guests, ladies and gentlemen, Back in June, 1957, Nobusuke Kishi, my grandfather, standing right here, as Prime Minister of Japan, began his address, by saying, and I quote,

議長、副大統領、上院議員、下院議員の皆様、ゲストと、すべての皆様、1957年6月、日本の総理大臣としてこの演台に立った私の祖父、岸信介は、次のように述べて演説を始めました。

"It is because of our strong belief in democratic principles and ideals that Japan associates her self with the free nations of the world." 58 years have passed. Today, I am honored to stand here as the first Japanese Prime Minister ever to address your joint meeting. I extend my heartfelt gratitude to you for inviting me.

「日本が、世界の自由主義国と提携しているのも、民主主義の原則と理想を確信しているからであります」。以来58年、このたびは上下両院合同会議に日本国総理として初めてお話する機会を与えられましたことを、光栄に存じます。お招きに、感謝申し上げます。

I have lots of things to tell you. But I am here with no ability, nor the intention, ... to filibuster. As I stand in front of you today, the names of your distinguished colleagues that Japan welcomed as your ambassadors come back to me: the honorable Mike Mansfield, Walter Mondale, Tom Foley, and Howard Baker. On behalf of the Japanese people, thank you so very much for sending us such shining champions of democracy. Ambassador Caroline Kennedy also embodies the tradition of American democracy. Thank you so much, Ambassador Kennedy, for all the dynamic work you have done for all of us. We all miss Senator Daniel Inouye, who symbolized the honor and achievements of Japanese-Americans.

申し上げたいことはたくさんあります。でも、「フィリバスター」をする意図、能力ともに、ありません。皆様を前にして胸中を去来しますのは、日本が大使としてお迎えした偉大な議会人のお名前です。マイク・マンスフィールド、ウォルター・モンデール、トム・フォーリー、そしてハワード・ベイカー。民主主義の輝くチャンピオンを大使として送ってくださいましたことを、日本国民を代表して、感謝申し上げます。キャロライン・ケネディ大使も、米国民主主義の伝統を体現する方です。大使の活躍に、感謝申し上げます。私ども、残念に思いますのは、ダニエル・イノウエ上院議員がこの場においでにならないことです。日系アメリカ人の栄誉とその達成を、一身に象徴された方でした。

America and I
Ladies and gentlemen, my first encounter with America goes back to my days as a student, when I spent a spell in California. A lady named Catherine Del Francia let me live in her house. She was a widow, and always spoke of her late husband saying, "You know, he was much more handsome than Gary Cooper." She meant it. She really did.

私個人とアメリカとの出会いは、カリフォルニアで過ごした学生時代にさかのぼります。家に住まわせてくれたのは、キャサリン・デル・フランシア夫人、寡婦でした。亡くした夫のことを、いつもこう言いました、「ゲイリー・クーパーより男前だったのよ」と。心から信じていたようです。

In the gallery, you see, my wife, Akie, is there. I don't dare ask what she says about me. Mrs. Del Francia's Italian cooking was simply out of this world. She was cheerful, and so kind, as to let lots and lots of people stop by at her house. They were so diverse. I was amazed and said to myself, "America is an awesome country." Later, I took a job at a steelmaker, and I was given the chance to work in New York. Here in the U.S. rank and hierarchy are neither here nor there. People advance based on merit. When you discuss things you don't pay much attention to who is junior or senior. You just choose the best idea, no matter who the idea was from. This culture intoxicated me. So much so, after I got elected as a member of the House, some of the old guard in my party would say, "hey, you're so cheeky, Abe."

ギャラリーに、私の妻、昭恵がいます。彼女が日頃、私のことをどう言っているのかはあえて聞かないことにします。デル・フランシア夫人のイタリア料理は、世界一。彼女の明るさと親切は、たくさんの人をひきつけました。その人たちがなんと多様なこと。「アメリカは、すごい国だ」。驚いたものです。のち、鉄鋼メーカーに就職した私は、ニューヨーク勤務の機会を与えられました。上下関係にとらわれない実力主義。地位や長幼の差に関わりなく意見を戦わせ、正しい見方なら躊躇なく採用する。――この文化に毒されたのか、やがて政治家になったら、先輩大物議員たちに、アベは生意気だとずいぶん言われました。

American Democracy and Japan
As for my family name, it is not "Eighb." Some Americans do call me that every now and then, but I don't take offense. That's because, ladies and gentlemen, the Japanese, ever since they started modernization, have seen the very foundation for democracy in that famous line in the Gettysburg Address.
The son of a farmer-carpenter can become the President... The fact that such a country existed woke up the Japanese of the late 19th century to democracy. For Japan, our encounter with America was also our encounter with democracy. And that was more than 150 years ago, giving us a mature history together.

私の名字ですが、「エイブ」ではありません。アメリカの方に時たまそう呼ばれると、悪い気はしません。民主主義の基礎を、日本人は、近代化を始めてこのかた、ゲティスバーグ演説の有名な一節に求めてきたからです。農民大工の息子が大統領になれる――、そういう国があることは、19世紀後半の日本を、民主主義に開眼させました。日本にとって、アメリカとの出会いとは、すなわち民主主義との遭遇でした。出会いは150年以上前にさかのぼり、年季を経ています。

World War II Memorial
Before coming over here, I was at the World War II Memorial. It was a place of peace and calm that struck me as a sanctuary. The air was filled with the sound of water breaking in the fountains. In one corner stands the Freedom Wall. More than 4,000 gold stars shine on the wall. I gasped with surprise to hear that each star represents the lives of 100 fallen soldiers. I believe those gold stars are a proud symbol of the sacrifices in defending freedom. But in those gold stars, we also find the pain, sorrow, and love for family of young Americans who otherwise would have lived happy lives. Pearl Harbor, Bataan Corregidor, Coral Sea.... The battles engraved at the Memorial crossed my mind, and I reflected upon the lost dreams and lost futures of those young Americans.

先刻私は、第二次大戦メモリアルを訪れました。神殿を思わせる、静謐な場所でした。耳朶を打つのは、噴水の、水の砕ける音ばかり。一角にフリーダム・ウォールというものがあって、壁面には金色の、4000個を超す星が埋め込まれている。その星の一つ、ひとつが、倒れた兵士100人分の命を表すと聞いたときに、私を戦慄が襲いました。金色(こんじき)の星は、自由を守った代償として、誇りのシンボルに違いありません。しかしそこには、さもなければ幸福な人生を送っただろうアメリカの若者の、痛み、悲しみが宿っている。家族への愛も。真珠湾、バターン・コレヒドール、珊瑚海…、メモリアルに刻まれた戦場の名が心をよぎり、私はアメリカの若者の、失われた夢、未来を思いました。歴史とは実に取り返しのつかない、苛烈なものです。

History is harsh. What is done cannot be undone. With deep repentance in my heart, I stood there in silent prayers for some time. My dear friends, on behalf of Japan and the Japanese people, I offer with profound respect my eternal condolences to the souls of all American people that were lost during World War II.

私は深い悔悟を胸に、しばしその場に立って、黙祷を捧げました。親愛なる、友人の皆さん、日本国と、日本国民を代表し、先の戦争に斃れた米国の人々の魂に、深い一礼を捧げます。とこしえの、哀悼を捧げます。

Late Enemy, Present Friend
Ladies and gentlemen, in the gallery today is Lt. Gen. Lawrence Snowden.
Seventy years ago in February, he landed on Ioto, or the island of Iwo Jima, as a captain in command of a company. In recent years, General Snowden has often participated in the memorial services held jointly by Japan and the U.S. on Ioto. He said, and I quote, "We didn't and don't go to Iwo Jima to celebrate victory, but for the solemn purpose to pay tribute to and honor those who lost their lives on both sides."

みなさま、いまギャラリーに、ローレンス・スノーデン海兵隊中将がお座りです。70年前の2月、23歳の海兵隊大尉として中隊を率い、硫黄島に上陸した方です。近年、中将は、硫黄島で開く日米合同の慰霊祭にしばしば参加してこられました。こう、仰っています。「硫黄島には、勝利を祝うため行ったのではない、行っているのでもない。その厳かなる目的は、双方の戦死者を追悼し、栄誉を称えることだ」。

Next to General Snowden sits Diet Member Yoshitaka Shindo, who is a former member of my Cabinet. His grandfather, General Tadamichi Kuribayashi, whose valor we remember even today, was the commander of the Japanese garrison during the Battle of Iwo Jima. What should we call this, if not a miracle of history? Enemies that had fought each other so fiercely have become friends bonded in spirit. To General Snowden, I say that I pay tribute to your efforts for reconciliation. Thank you so very much.

もうおひとかた、中将の隣にいるのは、新藤義孝国会議員。かつて私の内閣で閣僚を務めた方ですが、この方のお祖父さんこそ、勇猛がいまに伝わる栗林忠道大将・硫黄島守備隊司令官でした。これを歴史の奇跡と呼ばずして、何をそう呼ぶべきでしょう。熾烈に戦い合った敵は、心の紐帯が結ぶ友になりました。スノーデン中将、和解の努力を尊く思います。本当に、ありがとうございました。

America and Post-War Japan
Post war, we started out on our path bearing in mind feelings of deep remorse over the war. Our actions brought suffering to the peoples in Asian countries. We must not avert our eyes from that. I will uphold the views expressed by the previous prime ministers in this regard. We must all the more contribute in every respect to the development of Asia. We must spare no effort in working for the peace and prosperity of the region. Reminding ourselves of all that, we have come all this way. I am proud of this path we have taken.

戦後の日本は、先の大戦に対する痛切な反省を胸に、歩みを刻みました。みずからの行いが、アジア諸国民に苦しみを与えた事実から目をそむけてはならない。これらの点についての思いは、歴代総理と全く変わるものではありません。アジアの発展にどこまでも寄与し、地域の平和と、繁栄のため、力を惜しんではならない。みずからに言い聞かせ、歩んできました。この歩みを、私は、誇りに思います。

70 years ago, Japan had been reduced to ashes. Then came each and every month from the citizens of the United States gifts to Japan like milk for our children and warm sweaters, and even goats. Yes, from America, 2,036 goats came to Japan. And it was Japan that received the biggest benefit from the very beginning by the post-war economic system that the U.S. had fostered by opening up its own market and calling for a liberal world economy.
Later on, from the 1980's, we saw the rise of the Republic of Korea, Taiwan, the ASEAN countries, and before long, China as well. This time, Japan too devotedly poured in capital and technologies to support their growths.
Meanwhile in the U.S., Japan created more employment than any other foreign nation but one, coming second only to the U.K.

焦土と化した日本に、子どもたちの飲むミルク、身につけるセーターが、毎月毎月、米国の市民から届きました。山羊も、2036頭、やってきました。米国がみずからの市場を開け放ち、世界経済に自由を求めて育てた戦後経済システムによって、最も早くから、最大の便益を得たのは、日本です。下って1980年代以降、韓国が、台湾が、ASEAN諸国が、やがて中国が勃興します。今度は日本も、資本と、技術を献身的に注ぎ、彼らの成長を支えました。一方米国で、日本は外国勢として2位、英国に次ぐ数の雇用を作り出しました。

TPP
In this way, prosperity was fostered first by the U.S., and second by Japan. And prosperity is nothing less than the seedbed for peace. Involving countries in Asia-Pacific whose backgrounds vary, the U.S. and Japan must take the lead. We must take the lead to build a market that is fair, dynamic, sustainable, and is also free from the arbitrary intentions of any nation. In the Pacific market, we cannot overlook sweat shops or burdens on the environment. Nor can we simply allow free riders on intellectual property. No. Instead, we can spread our shared values around the world and have them take root: the rule of law, democracy, and freedom.
That is exactly what the TPP is all about.

こうして米国が、次いで日本が育てたものは、繁栄です。そして繁栄こそは、平和の苗床です。日本と米国がリードし、生い立ちの異なるアジア太平洋諸国に、いかなる国の恣意的な思惑にも左右されない、フェアで、ダイナミックで、持続可能な市場をつくりあげなければなりません。太平洋の市場では、知的財産がフリーライドされてはなりません。過酷な労働や、環境への負荷も見逃すわけにはいかない。許さずしてこそ、自由、民主主義、法の支配、私たちが奉じる共通の価値を、世界に広め、根づかせていくことができます。その営為こそが、TPPにほかなりません。

Furthermore, the TPP goes far beyond just economic benefits. It is also about our security. Long-term, its strategic value is awesome. We should never forget that. The TPP covers an area that accounts for 40 per cent of the world economy, and one third of global trade. We must turn the area into a region for lasting peace and prosperity. That is for the sake of our children and our children's children. As for U.S.-Japan negotiations, the goal is near. Let us bring the TPP to a successful conclusion through our joint leadership.Reforms for a Stronger Japan

しかもTPPには、単なる経済的利益を超えた、長期的な、安全保障上の大きな意義があることを、忘れてはなりません。経済規模で、世界の4割、貿易額で、世界の3分の1を占める一円に、私たちの子や、孫のために、永続的な「平和と繁栄の地域」をつくりあげていかなければなりません。日米間の交渉は、出口がすぐそこに見えています。米国と、日本のリーダーシップで、TPPを一緒に成し遂げましょう。

As a matter of fact, I have something I can tell you now. It was about 20 years ago. The GATT negotiations for agriculture were going on. I was much younger, and like a ball of fire, and opposed to opening Japan's agricultural market. I even joined farmers' representatives in a rally in front of the Parliament. However, Japan's agriculture has gone into decline over these last 20 years. The average age of our farmers has gone up by 10 years and is now more than 66 years old. Japan's agriculture is at a crossroads. In order for it to survive, it has to change now.

実は、いまだから言えることがあります。20年以上前、GATT農業分野交渉の頃です。血気盛んな若手議員だった私は、農業の開放に反対の立場をとり、農家の代表と一緒に、国会前で抗議活動をしました。ところがこの20年、日本の農業は衰えました。農民の平均年齢は10歳上がり、いまや66歳を超えました。日本の農業は、岐路にある。生き残るには、いま、変わらなければなりません。私たちは、長年続いた農業政策の大改革に立ち向かっています。

We are bringing great reforms toward the agriculture policy that's been in place for decades. We are also bringing sweeping reforms to our agricultural cooperatives that have not changed in 60 long years. Corporate governance in Japan is now fully in line with global standards, because we made it stronger. Rock-solid regulations are being broken in such sectors as medicine and energy. And I am the spearhead. To turn around our depopulation, I am determined to do whatever it takes. We are changing some of our old habits to empower women so they can get more actively engaged in all walks of life.
In short, Japan is right in the middle of a quantum leap.

60年も変わらずにきた農業協同組合の仕組みを、抜本的に改めます。世界標準に則って、コーポレート・ガバナンスを強めました。医療・エネルギーなどの分野で、岩盤のように固い規制を、私自身が槍の穂先となりこじあけてきました。人口減少を反転させるには、何でもやるつもりです。女性に力をつけ、もっと活躍してもらうため、古くからの慣習を改めようとしています。日本はいま、「クォンタム・リープ(量子的飛躍)」のさなかにあります。

My dear members of the Congress, please do come and see the new Japan, where we have regained our spirit of reform and our sense of speed. Japan will not run away from any reforms. We keep our eyes only on the road ahead and push forward with structural reforms.

親愛なる、上院、下院議員の皆様、どうぞ、日本へ来て、改革の精神と速度を取り戻した新しい日本を見てください。日本は、どんな改革からも逃げません。ただ前だけを見て構造改革を進める。この道のほか、道なし。確信しています。

That's TINA: There Is No Alternative. And there is no doubt about it whatsoever. Post War Peace and Japan's Choice My dear colleagues, the peace and security of the post-war world was not possible without American leadership. Looking back, it makes me happy all the time that Japan of years past made the right decision. As I told you at the outset, citing my grandfather, that decision was to choose a path. That's the path for Japan to ally itself with the U.S., and to go forward as a member of the Western world. In the end, together with the U.S. and other like-minded democracies, we won the Cold War. That's the path that made Japan grow and prosper. And even today, there is no alternative.

親愛なる、同僚の皆様、戦後世界の平和と安全は、アメリカのリーダーシップなくして、ありえませんでした。省みて私が心からよかったと思うのは、かつての日本が、明確な道を選んだことです。その道こそは、冒頭、祖父のことばにあったとおり、米国と組み、西側世界の一員となる選択にほかなりませんでした。日本は、米国、そして志を共にする民主主義諸国とともに、最後には冷戦に勝利しました。この道が、日本を成長させ、繁栄させました。そして今も、この道しかありません。

The Alliance: its Mission for the Region
My dear colleagues, we support the "rebalancing" by the U.S. in order to enhance the peace and security of the Asia-Pacific region. And I will state clearly. We will support the U.S. effort first, last, and throughout. Japan has deepened its strategic relations with Australia and India. We are enhancing our cooperation across many fields with the countries of ASEAN and the Republic of Korea. Adding those partners to the central pillar that is the U.S.-Japan alliance, our region will get stable remarkably more. Now, Japan will provide up to 2.8 billion dollars in assistance to help improve U.S. bases in Guam, which will gain strategic significance even more in the future.

私たちは、アジア太平洋地域の平和と安全のため、米国の「リバランス」を支持します。徹頭徹尾支持するということを、ここに明言します。日本はオーストラリア、インドと、戦略的な関係を深めました。ASEANの国々や韓国と、多面にわたる協力を深めていきます。日米同盟を基軸とし、これらの仲間が加わると、私たちの地域は各段に安定します。日本は、将来における戦略的拠点の一つとして期待されるグアム基地整備事業に、28億ドルまで資金協力を実施します。

As regards the state of Asian waters, let me underscore here my three principles. First, states shall make their claims based on international law. Second, they shall not use force or coercion to drive their claims. And third, to settle disputes, any disputes, they shall do so by peaceful means. We must make the vast seas stretching from the Pacific to the Indian Oceans seas of peace and freedom, where all follow the rule of law. For that very reason we must fortify the U.S.-Japan alliance. That is our responsibility.
Now, let me tell you. In Japan we are working hard to enhance the legislative foundations for our security. Once in place, Japan will be much more able to provide a seamless response for all levels of crisis. These enhanced legislative foundations should make the cooperation between the U.S. military and Japan's Self Defense Forces even stronger, and the alliance still more solid, providing credible deterrence for the peace in the region. This reform is the first of its kind and a sweeping one in our post-war history. We will achieve this by this coming summer.

アジアの海について、私がいう3つの原則をここで強調させてください。第一に、国家が何か主張をするときは、国際法にもとづいてなすこと。第二に、武力や威嚇は、自己の主張のため用いないこと。そして第三に、紛争の解決は、あくまで平和的手段によること。太平洋から、インド洋にかけての広い海を、自由で、法の支配が貫徹する平和の海にしなければなりません。そのためにこそ、日米同盟を強くしなくてはなりません。私たちには、その責任があります。日本はいま、安保法制の充実に取り組んでいます。実現のあかつき、日本は、危機の程度に応じ、切れ目のない対応が、はるかによくできるようになります。この法整備によって、自衛隊と米軍の協力関係は強化され、日米同盟は、より一層堅固になります。それは地域の平和のため、確かな抑止力をもたらすでしょう。戦後、初めての大改革です。この夏までに、成就させます。

Now, I have something to share with you. The day before yesterday Secretaries Kerry and Carter met our Foreign Minister Kishida and Defense Minister Nakatani for consultations. As a result, we now have a new framework. A framework to better put together the forces of the U.S. and Japan. A framework that is in line with the legislative attempts going on in Japan. That is what's necessary to build peace, more reliable peace in the region. And that is namely the new Defense Cooperation Guidelines. Yesterday, President Obama and I fully agreed on the significance of these Guidelines. Ladies and gentlemen, we agreed on a document that is historic.

ここで皆様にご報告したいことがあります。一昨日、ケリー国務長官、カーター国防長官は、私たちの岸田外務大臣、中谷防衛大臣と会って、協議をしました。いま申し上げた法整備を前提として、日米がそのもてる力をよく合わせられるようにする仕組みができました。一層確実な平和を築くのに必要な枠組みです。それこそが、日米防衛協力の新しいガイドラインにほかなりません。きのう、オバマ大統領と私は、その意義について、互いに認め合いました。皆様、私たちは、真に歴史的な文書に合意をしたのです。

Japan's New Banner
In the early 1990s, in the Persian Gulf Japan's Self-Defense Forces swept away sea mines. For 10 years in the Indian Ocean, Japanese Self-Defense Forces supported your operation to stop the flow of terrorists and arms. Meanwhile in Cambodia, the Golan Heights, Iraq, Haiti, and South Sudan, members of our Self-Defense Forces provided humanitarian support and peace keeping operations. Their number amounts to 50,000. Based on this track record, we are resolved to take yet more responsibility for the peace and stability in the world. It is for that purpose we are determined to enact all necessary bills by this coming summer. And we will do exactly that. We must make sure human security will be preserved in addition to national security. That's our belief, firm and solid. We must do our best so that every individual gets education, medical support, and an opportunity to rise to be self-reliant.

1990年代初め、日本の自衛隊は、ペルシャ湾で機雷の掃海に当たりました。後、インド洋では、テロリストや武器の流れを断つ洋上作戦を、10年にわたって支援しました。その間、5万人にのぼる自衛隊員が、人道支援や平和維持活動に従事しました。カンボジア、ゴラン高原、イラク、ハイチや南スーダンといった国や、地域においてです。これら実績をもとに、日本は、世界の平和と安定のため、これまで以上に責任を果たしていく。そう決意しています。そのために必要な法案の成立を、この夏までに、必ず実現します。国家安全保障に加え、人間の安全保障を確かにしなくてはならないというのが、日本の不動の信念です。人間一人一人に、教育の機会を保障し、医療を提供し、自立する機会を与えなければなりません。

Armed conflicts have always made women suffer the most. In our age, we must realize the kind of world where finally women are free from human rights abuses. Our servicemen and women have made substantial accomplishments. So have our aid workers who have worked so steadily. Their combined sum has given us a new self-identity. That's why we now hold up high a new banner that is "proactive contribution to peace based on the principle of international cooperation." Let me repeat. "Proactive contribution to peace based on the principle of international cooperation" should lead Japan along its road for the future. Problems we face include terrorism, infectious diseases, natural disasters and climate change. The time has come for the U.S.-Japan alliance to face up to and jointly tackle those challenges that are new. After all our alliance has lasted more than a quarter of the entire history of the United States. It is an alliance that is sturdy, bound in trust and friendship, deep between us. No new concept should ever be necessary for the alliance that connects us, the biggest and the second biggest democratic powers in the free world, in working together. Always, it is an alliance that cherishes our shared values of the rule of law, respect for human rights and freedom.

紛争下、常に傷ついたのは、女性でした。私たちの時代にこそ、女性の人権が侵されない世の中を実現しなくてはいけません。自衛隊員が積み重ねてきた実績と、援助関係者たちがたゆまず続けた努力と、その両方の蓄積は、いまや私たちに、新しい自己像を与えてくれました。いまや私たちが掲げるバナーは、「国際協調主義にもとづく、積極的平和主義」という旗です。繰り返しましょう、「国際協調主義にもとづく、積極的平和主義」こそは、日本の将来を導く旗印となります。テロリズム、感染症、自然災害や、気候変動――。日米同盟は、これら新たな問題に対し、ともに立ち向かう時代を迎えました。日米同盟は、米国史全体の、4分の1以上に及ぶ期間続いた堅牢さを備え、深い信頼と友情に結ばれた同盟です。自由世界第一、第二の民主主義大国を結ぶ同盟に、この先とも、新たな理由付けは全く無用です。それは常に、法の支配、人権、そして自由を尊ぶ、価値観を共にする結びつきです。

Hope for the future
When I was young in high school and listened to the radio, there was a song that flew out and shook my heart. It was a song by Carol King.

"When you're down and troubled, ...close your eyes and think of me, and I'll be there to brighten up even your darkest night."

まだ高校生だったとき、ラジオから流れてきたキャロル・キングの曲に、私は心を揺さぶられました。「落ち込んだ時、困った時、目を閉じて、私を思って。私は行く。あなたのもとに。たとえそれが、あなたにとっていちばん暗い、そんな夜でも、明るくするために」。

And that day, March 11, 2011, a big quake, a tsunami, and a nuclear accident hit the northeastern part of Japan. The darkest night fell upon Japan. But it was then we saw the U.S. armed forces rushing to Japan to the rescue at a scale never seen or heard before. Lots and lots of people from all corners of the U.S. extended the hand of assistance to the children in the disaster areas. Yes, we've got a friend in you. Together with the victims you shed tears. You gave us something, something very, very precious. That was hope, hope for the future.

2011年3月11日、日本に、いちばん暗い夜がきました。日本の東北地方を、地震と津波、原発の事故が襲ったのです。そして、そのときでした。米軍は、未曾有の規模で救難作戦を展開してくれました。本当にたくさんの米国人の皆さんが、東北の子どもたちに、支援の手を差し伸べてくれました。私たちには、トモダチがいました。被災した人々と、一緒に涙を流してくれた。そしてなにものにもかえられない、大切なものを与えてくれました。――希望、です。米国が世界に与える最良の資産、それは、昔も、今も、将来も、希望であった、希望である、希望でなくてはなりません。

Ladies and gentlemen, the finest asset the U.S. has to give to the world was hope, is hope, will be, and must always be hope. Distinguished representatives of the citizens of the United States, let us call the U.S.-Japan alliance, an alliance of hope. Let the two of us, America and Japan, join our hands together and do our best to make the world a better, a much better, place to live. Alliance of hope .... Together, we can make a difference. Thank you so much.

米国国民を代表する皆様。私たちの同盟を、「希望の同盟」と呼びましょう。アメリカと日本、力を合わせ、世界をもっとはるかによい場所にしていこうではありませんか。希望の同盟。。一緒でなら、きっとできます。ありがとうございました。






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by yomodalite | 2015-04-30 20:10 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

読書メモ《ノンフィクション》プロット・アゲンスト・アメリカ 他

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今日こそは、読書日記を書こうと思ったのだけど、、
もはや、どうやって書いていいのかすら... w
とりあえず、ここ3ヶ月ぐらいの
歴史・政治・ノンフィクション本の読書の中から、
記憶しておきたい本をメモっておきます!


☆ ☆ ☆


『プロット・アゲンスト・アメリカ』フィリップ・ロス

こちらは、ノンフィクションではなく、歴史シュミレーション小説なんですが、ユダヤ人であるフィリップ・ロスが、自身の家族をモデルに、もしも第二次大戦時に、元飛行士で反ユダヤ主義者のリンドバーグが大統領になっていたら・・・。という内容。

7歳の少年の目線で差別にさらされる恐怖と家族・民族・国家を描き、ロス最高傑作との評され、「アメリカの若者を国益と関係ない戦争で無益に死なせることはない」という政治的スローガン「アイソレーショニズム」を推進してきた人々が、平和主義の美名の影で、ナチスの戦争犯罪にどう加担したかという実態が描かれています。

現代日本人にとっても人ごとではない内容、また、ユダヤ陰謀論の「陰謀」はどこから来たか? に興味がある人も是非! 




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リアリティのダンス/アレハンドロ・ホドロフスキー

『ホドロフスキーのDUNE』で、すっかりホドロフスキーにハマって、『リアリティのダンス』は公開まで待ちきれないぐらいだったのだけど、映画鑑賞後は、同名の本も読んでみた。分厚い本だけど、映画には入りきらなかった濃ゆーーーいエピソードが満載で、アート好きな人にとっては有名人も多数登場。彼の長い長い魂の旅を、チビチビと舐めるように読むのも楽しい傑作自伝。




物語 ユダヤ人の歴史

レイモンド・P. シェインドリン/中央公論新社



数千年に及ぶユダヤ人の歴史が簡潔にまとめられている教科書のような本。私が読んだのは単行本ですが、文庫や、Kindleでも買えます!

◎[Amazon]ユダヤ人の歴史(河出文庫・Kindle)

ここまでがおすすめ「ユダヤ本」w




リスクにあなたは騙される (数理を愉しむ)

ダン・ガードナー/早川書房

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◎参考書評「恐れのみを恐れよ」
◎参考書評「あぶすとらくつ」



クレイジー・ライク・アメリカ: 心の病はいかに輸出されたか

イーサン ウォッターズ/紀伊國屋書店



日本でうつ病が「心の風邪」だと言われるようになったのは、製薬会社のキャンペーンだった!

フリーランスから、会社員の嫁になってびっくりしたんですが、今の企業って社員のメンタルヘルスまで充実していて、病気になったら終わりのフリー生活から考えると、最初は夢のように思えたんですが、大量のワクチンやカウンセリングまで、会社が…ていうのは、どうなんでしょうねぇ。私のうつ病経験から言うと、薬が毒だとは言えませんが、、早期の精神科・神経科診療は、百害あって一利なしで、向精神薬を風邪薬のように服用すると、症状が悪化する可能性が高いです。

製薬会社のキャンペーンは、うつ病にかぎらず、情報番組、ニュース、ボランティア、NGOビジネスとか、なんとかリボンとか、とにかく花盛り。科学を装い、恐怖を操り、、、

◎参考書評[精神医療の真実 聞かせてください、あなたの体験]


日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか

矢部 宏治/集英社インターナショナル



孫崎享氏の『戦後史の正体』の仕掛人でもある著者がわかりやすく解説し、出版前から話題になった本。こちらで「立ち読み」出来ます!

http://www.shueisha-int.co.jp/pdfdata/0236/nihonhanaze.pdf

◎参考書評「すべての日本人が政治的な立ち位置の違いを問わず、知っておくべき内容」



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by yomodalite | 2014-12-03 20:00 | 報道・ノンフィクション | Trackback | Comments(0)

さあ、気ちがいになりなさい/フレドリック・ブラウン、星新一 (訳)

さあ、気ちがいになりなさい (異色作家短編集)

フレドリック・ブラウン/早川書房

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さあ、気ちがいになりなさい 

♪~ (^_^)/ はぁーーーーーい

久しぶりに「あのひと」のことを忘れて小説を読むのだ。( ̄ε ̄;)

古典なんかじゃなく、とにかく面白いやつで、読み終わったあと英語原文でも確認してみようとか、そんなめんどくさいこと一切考えなくてもよくて、

ちょっぴり「んっ?」と思うようなタイトルだけど、コンパクトサイズのこじゃれた装幀だから、カバーなしで読んでいると、オシャレ系メガネ男子から「面白そうだね」なんて言われたりなんかしてw

これ一冊だけじゃなく「異色作家短編集」シリーズ第1作のロアルド・ダール、第3作のスタージョンなんかも一緒に本棚に並べてみると、カバーの色がグラデーションになっててキレイなので、いっそのこと全部コンプリートしたくなって、

中でもフレドリック・ブラウンは、

翻訳・星新一だし、

あーー面白かった。で、終われるようなフィクションで、

しかも、寝る前にサクッと読めるショートストーリー!

そんないいことしか思いつかない本書のタイトルにもなっている「さあ、気ちがいになりなさい」(Come and Go Mad)から、

目についた言葉を適当に引用。


なんのためにだ。

真実を知るためだ

おまえはだれだ

わたしはおまえの内部とも外部ともつかぬ所にいる。名前はもたない

では、おまえはどんな存在なんだ

『明るく輝けるもの』の使者だ

『明るく輝けるもの』とは、この地球そのもののことだ。この惑星の知性のことだ。太陽系の3つの知性のひとつ、宇宙の多くの知性のひとつだ。地球はそれなのだ。それが『明るく輝けるもの』と呼ばれている

わからない

いまにわかる。用意はできたか… 



(引用終了)


うーーーん、面白いっ!

でも、なんか、不思議と「あのひと」のことを思い出してしまうなぁ…ww

まっいいか(笑)

☆解説はブラウンが好き過ぎて全文暗記した作品もあるというマンガ家の坂田靖子氏!
◎[Amazon]さあ、気ちがいになりなさい

◎目 次
・みどりの星へ
・ぶっそうなやつら
・おそるべき坊や
・雷獣ヴァヴェリ
・ノック
・ユーディの原理
・シリウス・ゼロ
・町を求む
・帽子の手品
・沈黙と叫び
・さあ,気ちがいになりなさい


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by yomodalite | 2013-09-04 08:41 | 文学 | Trackback | Comments(4)

エドガー・アラン・ポー(4)おすすめ文庫2冊!

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これから初めてポーを読んでみよう。
もしくは、以前に有名な短編を読んでみたけどピンと来なかったという人に!

八木敏雄氏との共著もあり(未読)、現在日本ポー学会会長もされている、
巽孝之氏による一番新しい新潮文庫版は未読なんですが...

それ以外の、現在手に入る文庫本を比べて、ベスト文庫を2冊セレクト!

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短編ではなく「ショート・ストーリー」と言いたくなる、
ポーの現代性が、訳者のリズム感のいいスマートな訳でスムーズに味わえます!


◎訳者による解説(ほんのちょっぴりだけ紹介)

ポーは自分がどういう書き方をするのか、はっきり表明した人だった。自作への解説や、同時代のホーソンに対する書評などの中で、さかんに創作法を論じている。一口に言えば、理詰めの芸術派なのだ。目標ははっきりしている。ある効果に的を絞って、読者の心を強烈に打つ。

そうであれば作品として出来が良い。その効率が高いのは「恐怖」である。もし「美」を扱うなら、詩の方が韻律があるだけ有利だから、散文では「恐怖」の効果を期待する。また、読み出したら1回で読み切れる長さでなければ、効果は薄れる。(引用終了)

◎訳者あとがき「ポーとコーソン」(めちゃめちゃ大幅に省略してメモ)

19世紀のアメリカ小説をご存知の読者は、右の標題を見て「ポーとホーソン」の間違いではないかとお考えかもしれない。でも誤植ではない。「コーソン」である。ポーが作品を書いていたのは、日本式に言えば江戸時代の後期、ほぼ天保から弘化にかけての時代だった。(中略)

やや脱線した話として、じつはポーを訳しながら、話の運びが落語調だと思うこともあった。枕が長くて怪談物の得意な噺家とでも言おうか、まず一般論、抽象論として、世間の通例を話してから、ようやく本題に入っていく。この枕の部分が訳しにくい。(中略)

明治26年、篁村の向こうを張って、より原文を尊重した『黒猫』は出た。訳者は内田魯庵。この人も下谷の生まれだが、下訳は使っていない。1人で読んで訳したという意味では、これが一匹目の猫である。篁村では「私」だった語り手が、魯庵では「余」になって、まるで漢文を読み下したようなリズム感で書いている。

誤訳がないわけではないが、篁村訳よりは恐怖が内面化して感じられる。ほぼ独学だったという魯庵の英語は、相当のレベルにあったのだろう。いや、慶応が明治になる前に生まれたのだから、訳した当時は二十代半ばではないか。これはすごい。

この魯庵はもちろん、篁村の下訳者にしても、かなりの読解力があったことは間違いない。どんな辞書を使ったのだろう。ろくな資料もない時代に、よくぞここまで、と思っただけで、もう私には明治人の誤訳をあげつらう気持ちはなくなる。

この人たちの系譜に連なる仕事を自分でもしたのか、今度の猫は21世紀の一匹目ではないのか、と思うと泣きたくなるほどうれしい。にゃーお。(引用終了)

・黒猫
・本能VS.理性----黒い猫について
・アモンティリャードの樽
・告げ口心臓
・邪鬼
・ウィリアム・ウィルソン
・早すぎた埋葬
・モルグ街の殺人

◎[Amazon]黒猫/モルグ街の殺人[光文社古典新訳文庫]小川高義(翻訳)


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『アッシャー家の崩壊』『黄金虫』『リジーア』… などのベスト!

八木敏雄氏による滑らかな翻訳だけでなく、各作品の冒頭の解説も訳注も、
日本一のポー研究家ならでは!
扉絵には、当時のイラストも使用されています。

(上記の光文社古典新訳文庫と重複する作品は「アモンティラードの酒樽」のみ)

・メッツェンガーシュタイン
・ボン=ボン
・息の紛失
・『ブラックウッド』誌流の作品の書き方ある苦境
・リジーア
・アッシャー家の崩壊
・群集の人
・赤死病の仮面
・陥穽と振子
・黄金虫
・アモンティラードの酒樽

◎[Amazon]黄金虫・アッシャー家の崩壊 他九篇 (岩波文庫)
____________

下記は、八木敏雄氏の著作の個人的メモ。

・破壊と創造 エドガー・アラン・ポオ論(南雲堂 1968)
・ポー グロテスクとアラベスク(冬樹社 1978)
・アメリカの文学 志村正雄共著(南雲堂 1983)
・アメリカン・ゴシックの水脈(研究社出版 1992)

(編著)
・アメリカ! 幻想と現実(編)(研究社 2001)
・エドガ-・アラン・ポーの世紀 ― 生誕200周年記念必携 巽孝之共編(研究社 2009)
・マニエリスムのアメリカ(南雲堂 2011)

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by yomodalite | 2013-08-09 09:28 | 文学 | Trackback | Comments(0)

エドガー・アラン・ポー(3)「破壊と創造」

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☆Edgar Allan Poe(2)“For Annie”の続き

つい最近になって、エマソンを読み始めたら(MJ研究のためにねw)、彼がポーを散々な言葉で批判しているのを発見して、それでエマソンよりも、ポーの方に夢中になってしまって、これまで、私がイメージしていた人とは別の「ポー」が現れはじめました。

それは、またしてもイメージだけが膨らんでいくようなものだったのですが、ラッキーなことに「私のポー」を、適確に著してくれた日本一のポー研究者・八木敏雄氏の本に出会うことができ、ポーにハマったとほぼ同時に、八木敏雄氏に夢中になってしまったので、八木氏の著作の中から、『エドガー・アラン・ポオ研究 ー 破壊と創造』を紹介します。


◎1964年から『成城文芸』に連載された論文をまとめ、1968年初版....
[Amazon]エドガー・アラン・ポオ研究 破壊と創造


下記は、本書の「序にかえて ー ポオの評価をめぐって」を全文引用。

(下線は著者による傍点。太字は私のアンダーライン)



序にかえて ー ポオの評価をめぐって


その死後百有余年をへた今日、いまだにエドガー・ポオの評価は定まりかねているようである。それが定まりかねているのは、ポオが論じられることのすくなく、攻究されることの稀な作家であったからではない。彼がスフィンクスの如く巨大で謎めいた人物であったからでも、またむろん、彼が評価にあたいしない文学者であったからでもない。

事情はむしろ逆で、ポオに関しては、あらゆる種類の評価や好悪の意見は出つくし、その技法態度を蘇活すると否とにかかわる後世の意図は十分以上に果たされてしまった観がある。伝記的研究は旅役者であったポオの父母のレパートリーの研究からポオ自身の借金の額の詮索にまで及び、二巻よりなる書箇集は刊行をみ、彼の作品の精神分析学的研究はポオについてのいちばん部厚い本を生んでいるありさまで、普通なら、いまではこの作家について言いふるされていないようなことは言えぬのではないかと絶望するなり、安心するなりしてよいはずであるのに、事実はそうではない。

ポオがシェイクスピアの如き汲めどもつきせぬ偉大な作家で、各時代、各世代があらたな発見をしつづけてゆくであろうような作家であるなら、この事情に不思議はないのだが、ポオが偉大な作家ではないということ、彼の文学技法上の使命は終ったということには定説があり、しかもそれはどうやら動かしがたいようにみえる。

ポオの評価をめぐるこのような逆説的事態は、ポオがその生国アメリカでは永らく顧みられず、しかしフランスでは、ボオドレールやマラルメやヴァレリーなどの世界第一級の詩人たちによって高く評価され、そればかりか、彼らの創作の大いなる糧となり、したがって世界の近代詩のみならず、近代の文学全体に大きな影響をあたえた人物であったという文学史上の逆説によく象徴されている。 

むろん、かかる事態を招いた責任の一半はポオ白身にもあった。ヴァレリーの理解ある言葉を皆りれば、ポオが「自分自身の発見について、それが有する弱点を知悉していながら、その美点のすべてを強調したり、特長の一つ一つを宣伝したり、欠陥を隠したりし、いかなる代償を払ってもそれを彼が欲するものに似せようとして自分の発見に取り組む」たぐいの人間でもあったからだ。

「しかし、ポオの思想はその根本においてやはリ深遠で、偉大なのである」ともヴァレリーは保証する。知性の悲喜劇の愛好者にとって、ポオは依然として魅力ある人物たるを失わないであろう。が、いましばらくは直接にポオを対象にしないで、ポオの評価をめぐる後世の事態を観察してみたい。それがかえってこの作家の本質を解く鍵を提供してくれるかもしれないからだ。
 
ところで米国においては、ポオの評価はその百年忌にあたる1949年頃には、比較的低いところで定まりかけていたのである。そして、ポオを見なおし考えなおそうという風潮が起ってきたのも、この百年忌を境とする。手はじめに、1949年前後にポオについてなされた、目だった論者の発言を拾ってみよう。百年祭を記念して、ポオの詩と散文のアンソロジーを編んだモンタギュー・スレイターは、そのはしがきの枕に、「その死後百年になるが、ポオの作家としての位置を決定するのは容易なことではない」と書く。

V・S・プリチェットは『ポオ百年祭』というエッセーで、やはり開ロー番、「その死後百年になるが、いったいわれわれはポオをどう理解すればよいのか? われわれはこの作家から模糊として曖昧なものを読みとるだけだ。しかしこの作家から数々の文学上の重要な事柄が摂取されてきた。二流の作家、だがしかし示唆に富んだ発言者。ポオの天分は気まぐれで狭隘であったが、影響するところ甚大」と述べ、当惑を示す。

偉大なアメリカ文学の再編成者F・O・マシーセンでさえ、1948年という時点では、「ポオの最終的評価は、彼の作品がその原動力となった多くの文学的伝統を別にしては下しえないであろう」という目算を述べるにとどめた。T・S・エリオットの『ポオからヴァレリーヘ』は米国でのポオ再評価のきっかけのIつとなった論文だが、その冒頭の一節でエリオットは次のように述べる。
 
私がここでこころみようとしていることはエドガー・アラン・ポオの裁断的評価ではない。彼の詩人としての位置を定め、彼の本質的独創性を抽出してみようとは思ってはいない。まさしくポオは批評家にとって蹟き石である。彼の作品を詳細に検討してみると、ずさんな筆運び、広範な読書と深い学識に支えられていない未熟な思考、主として経済的な逼迫のせいだろうが、細部にまでわたる完璧性に欠けた、さまざまなジャンルでの気まぐれな実験といったものしか見出せないようにみえる。

が、これでは公正を欠くだろう。ポオの作品を個々別々に見ないで、全体として遠望するなら、たえず目をそこにやらずにはおれぬような、特異な姿と印象的な大きさを有する全体として、われわれの目にうつる。ポオの影響という問題もまた、われわれをとまどわせる……。
 
ここでエリオットは、ポオを「全体として」、つまり『大鴉』の詩人、『アッシャー館の崩壊』の短篇作家、『アーサー・ゴードン・ピムの物語』の長篇作家、『詩作の哲学』の詩論家、『ユリイカ』の宇宙思想家などと個別的に見ないで、それらが微妙に絡みあって構成されているポオを全体として眺めることを提案している。が、エリオットがここで示している当惑も単なる修辞的ポーズではなかろう。

たとえば、同じ論文で、エリオットは「ポオに欠けているものは頭脳力ではなく、人間全体としての成熟をまってはじめてもたらされるところの知性の成熟であり、彼のさまざまな情緒の成長と調整なのである」と指摘することを忘れない。そして注意していただきたいことは、これが米国におけるポオ再評価のきっかけとなった論文の口調だということである。
 
それ以前の米国におけるポオ評価はどうであったか。ヘンリー・ジェイムズ(「ポオを熟愛できるということは幼稚な思考の段階にあることのあきらかな証拠である」)からポール・エルマー・モーア(「ポオは未熟な少年と不健全な大人のための詩人」)をへて、今日のアイヴァー・ウィンクーズ(「ポオは、彼の讃美考たちの主張するところによれば、理論と実際とをみごとに合致させたそうだが、その理論も実際も、ともにお話にならぬほどひどいものである)に至るまで、アメリカの各世代の代表的作家、批評家がポオを高く評価したためしはなかった。
 
しかし真摯なポオ讃美者の群がフランスに見出せる。ポオを発見しポオをあがめたボオドレール、ポオとボオドレールを尊敬したマラルメ、ポオとボオドレールとマラルメを尊重したヴァレリーなどの面々。このポオ崇拝の系譜がそのままフランス象徴主義の系譜を形成していることは、すでに何事かでなくてはならぬと思わせる。

たとえばボオドレールは、はじめてポオの作品を読んだとき、そこに「私が順に思い描いていた主題ばかりか、私が考え抜いていた文章さえも見出した」と告白している。この告白に嘘がなかったことは、ボオドレールはポオの『詩の原理』をほとんどそっくりそのままフランス語に移しかえ、それを自分の詩論尚として発表していることからもうかがえる―「われにもあらず自分によって作られたと思ってしまうほど、ぴったりと自分のために作られていると思えるものは、これを自分のものとせざるを得ません」とはボオドレールに対するヴァレリーの美しい弁護だが、同類にのみ許される剽窃の事例というわけか。

だがボオドレールがいかにポオに傾例していたかの傍証としてなら、『悪の華』という詩集を一冊出しただけの彼が、またけっして着実な性格の持ち主ではなかった彼が、ポオの散文作品ばかりは生涯休みなく仏訳しつづけたという事実に如くものはあるまい。クレペ編のボオドレール作品集12巻(書簡その他を含めて全19巻)のうち、じつに5巻がポオの翻訳によって占められている。これをボオドレールの詩才のために借しむのは勝手だが、彼にとってポオの散文作品の翻訳が畢生の事業の一つであったことをこれは物語る。
 
若き日のマラルメは「もっとよくポオを読めるようになりたくて」英語を勉強した、とある手紙にしたためている。そしてマラルメのポオ崇拝の念は生涯変ることがなかった。詩(“L’Azur”)をカザリスに献じたさいに添えた手紙に、マラルメは「この方向に進んでゆけばゆくほど、私はわが偉大なる師エドガー・ポオの示した厳格な理念に忠実になってゆくでありましょう」と書いている。またポオの詩をはじめてフランス語に訳したのはマラルメであった ー おそらく、ある畏敬の念からでもあろうが、韻文訳をあきらめ、散文に移すにとどめたけれども。
 
完璧という病いにとりつかれていて、誤謬を犯すことがなによりも似つかわしくなかったポール・ヴァレリーは、「ポオは唯一の完璧な作家である。彼は誤ちを犯したことはなかった」とまで断言する。またヴァレリーは、英米にあってはまったく顧みられることがなかった『ユリイカ』について美しいエッセーを書いた。それがヴァレリーの批評に堪えたということが、すでに何事かであることをわれわれにしのばせる。ヴァレリーはまた独立のポオ論を書いているけれども、『ボオドレールの位置』というエッセーはボオドレール論であると同時にポオ論でなければならなかったほど、彼はポオに深い関心を寄せていた。ここでしばらくヴァレリーの雄弁に耳を傾けてみるのも無駄ではあるまい。
 
明晰の魔・分析の天才、また、理論と想像、神秘性と計算のもっとも樹齢でもっとも心を惹く総合の発明者、例外の心理家、芸術のあらゆる資源を極め利用する文学技師、これらはエドガア・ポオの姿をとってボオドレールの前に現われ、彼を驚歎させます。これほど多くの独創的見解と非常な約束とは技を魅了します。彼の才能はこれによって変容され、彼の運命は華々しく一変されます。(佐藤正彰訳)
 
これらフランスの詩人たちのポオを語る語り口と英米人のそれとを較べてみるがよい。その違いようは怪しむにたる。だがボオドレール、マラルメ、ヴァレリーなどが高い知性と鋭敏な感受性の持ち主であり、すぐれた批評家であったことは紛う方なき事実なので、彼らのポオ讃美が、ヘンリー・ジェイムズの言うように、彼らが「幼稚な思考段階にあることのあきらかな証拠」とはならぬことはたしかである。

これらのフランス詩人たちの「過大な」ポオ評価を彼らの英語力の不足のせいにする意見はなかなか有力である。英語を母国語とする者ならすぐそれと気づくポオの詩の未熟な語法や不正確な韻律に、彼らは気がつかなかったとする意見だ。それはありえたことである。しかし彼らの栄光は英米の読者がポオに見落していたものを見出したことにあった。
 
それでは、比較的低い評価しかあたえなかった英米の評家たちが完全に間違っていたのであろうか? すでに引用した英米の評家もいずれ劣らぬ一流の作家、詩人、批評家たちであってみれば、そういうことはありそうにない。彼らのポオに対する不満は、詮ずるにポオが成熟することを知らぬ文学者であったところに向けられていたのだ。「未熟な少年と不健全な大人のための詩人」というモーアの評は彼らのポオに対する最大公約数的な意見であったと言ってもよい。
 
「成熟する」とは、簡単に言って、この世の現実とかかわりあいながら人生観を形成することであろうが、ポオは現実を、そこに身を置き、生き、かつ人格を形成する場とは見なさず、ただ観察し、分析し、自己の知力によって綜合する対象としてしか考えていなかった、と英米の文学者たちに感じられているのである。一方、フランスの詩人たちは、ポオの観察し、分析し、綜合する意識的な態度に感心したのであった。所詮、両者の目のつけどころが違っていたのであるから、感心の仕方も違ってくるわけである。
 
教養ある英米の人士にとって、ポオの詩や短篇のいくつかは、少年の日にはある感興を覚えながら読んだことがあるけれども、長じて自然な欲求に駆られて再読してみたいとは思わぬていの読みものであるに相違なく、そのことがまたポオの未熟さを裏づけているように思いなされるのも自然なことでなくはない。たしかにポオの作品は、一度読めば生涯忘れえぬほどの印象を、われわれの意識下の記憶に刻みつけるけれども、そしてこれはポオが凡庸な作者ではなかったことの有力な証拠ではあるけれども、一方、一度読めば足リるということがあるのも事実である。

もし世界第一級の文学作品たるの資格が、まず再読に堪えること、読むごとにあらたな発見を読者に強いずにはおかぬこと、われわれを心底から震撼し、その震撼がある種の普遍的な質に到追していることなどであるとするならば、ポオの作品の多くがそのような資格に欠けていることを認めないわけにはいかない。
 
もっとも、われわれはそうしようと思えば、ポオの詩を幾度でも読むことができる ー 耳に快いから、野暮でないから。彼の短篇小説を再度たのしむことができる ーー ありうべからざることが現に眼前に展開されているかに錯覚させる短篇の技巧にすぐれているから、そうと知っていながらそのように進行してゆく筋や、そのように反応していく自分の精神の動きを確認するのにはある種の愉悦があるから。

しかしポオの詩は、それが一個の純粋な芸術作品でありながら、同時に人生や世界の不条理をしのぼせ、人間実存の姿を垣間見せるという世界第一級の詩が持たねばならぬ逆説的構造を有するまでには至っていないと感じさせる。

短篇小説の場合なら、たとえば『アッシャー館の崩壊』でのように、嵐の晩にいったん死んだはずのマデラインが生身で生きかえってくるような話に、もはやわれわれは心から驚かされることはない。要するにポオの諸作品はすでにわれわれを心から痛ましめず、傷つけず、人間性についてのあらたな発見を強いることもないように思える。

が、それにしても ーー とわれわれは思うわけだが、それというのも、純粋に芸術作品でありながら人生の多様性をはらみうるような短篇小説の原型を後世に示したのがポオであり、いまではすでに異常ですらなくなってしまったほどに「異常心理」の普及に力をかしたのがポオであり、サンボリストたちの仕事によって実証されたように、厳密と精緻の度を加えるに堪え、しかも世界の不条理を盛りこむに堪えるほどの詩の理論を最初に編み出したのがポオであったからである。

普通でないことを始めた当時には、それが普通でないという理由からうとまれ、それが普通になってしまう頃までには、それが普通でなかった当時の状態や発明者の独創は忘れ去られており、しかもそれにつきものの弱点や欠陥は出つくしてしまっている ーー という破目になるのが発明者や創始者の辛い運命なのかもしれない。が、議論を前に戻せば、決して後世によって凌駕されない仕事を残す文学者が存在する ーー たとえばシェイクスピアの如き。
 
だがアングロ・サクソン世界で、比較的低い評価しかあたえられなかったのはポオの詩や小説ばかりではなかった。いや、英米でいちばんうとんじられているのは、フランスの詩人たちに珍重され、彼らの財宝とまで見なされた『詩の原理』や『詩作の哲学』や『マージナリア』の断章に含まれていたポオの詩論のたぐいだった。

英米人には、ポオの詩論の有効性が彼自身の詩作によって実証されていないと感じられているからであろう。『詩作の哲学』が自作の詩『大鴉』を材料にポオが自己の詩作の態度と意図を開陳してみせた文章であることは周知のことであるが、これが英米ではことさらに評判が悪い。

詩の長さに対する考察、詩の純粋性の主張、詩作にあたっての意識的な分析と計算と綜合の必要性の強調、やがてサンボリストたちの合言葉とすらなった「音楽」の観念 ーー それらはすべてこの論文に見出せるわけだが、たとえば「この詩(『大福』)のいかなる些細な一点といえども偶然や直観のおかげを蒙ってはおらず、作業は数学の問題を解くときのような正確さと厳密さをもって、一歩一歩完成されていった」という作者の言明をその実作が裏切っていると見えるらしい。いかなる点がそれを裏切っているかを、エリオットは『大鵬』の次の一行をあげて指摘する。
  
In there stepped a stately Raven of the saintly days of yore.

不吉な福は、その逆ではないにしても、いささかも “stately”(気高い)なところはないはずなので、なぜこの鴉が “saintly days of yore”(気高いむかし)に属するのかわかりかねる、とエリオットは言う。また、“stately”(堂々たる)とここで形容されている鴉が幾行か先では “ungainly fowl”(見苦しい鳥)と呼ばれているが、これなど矛盾でしかない、とも。

この詩は主人公の意識の変化をたどる詩なので、その鴉の容姿も主人公の意識の変化とともに変化してもおかしくないと思えるけれども、この現代の代表的詩人の指摘はそれなりにわれわれを納得させるにたる。しかしポオが一篇の詩を書き、かてて加えて、その詩の意図から技術問題にまでわたる解説文を書いたことで、英米ではうとんじられる結果になり、フランスでは重んじられることになったのは、なお怪しむにたる。
 
要するに、英米の批判者たちの見たポオがポオのすべてでもなく、フランスの詩人たちが見た彼がポオのすべてでもなかったのである。ポオはそれらのすべてだった。この簡単な事実に気づかれるまでに、ポオはその死後百年を待たねばならなかったようである。

(引用終了)

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『破壊と創造 エドガー・アラン・ポオ論』の一部は、こちらで読めます。

http://www.seijo.ac.jp/pdf/falit/043/043-04.pdf

ここの49ページ「養父ジョン・アランと養子エドガー・ポオとの関係は、しばしばポオに好意的な伝記作者たちによって加害者と被害者との関係として述べられている……」「アランとポオとの関係が加害者と被害者のそれであったとするならば、ポオには、その関係の温存をはかっていたと思えるふしがある……」「“子” の客観性のかなりの部分は “父” によって与えられるものであるから “子” は自分の自分の客観性に対してそれほど責任を持たなくてよい …… 

と続く文章にも、MJを描こうとする凡庸な伝記作者に飽きた。と思う方なら「ビビビッ」と来ませんか?(この文章は、このあと「アニー」も登場します)

☆エドガー・アラン・ポー(4)おすすめ文庫2冊!

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by yomodalite | 2013-08-07 09:30 | 文学 | Trackback | Comments(2)

99%対1% アメリカ格差ウォーズ/町山智浩(Man of War訳詞)

2012年の12月は、本を読むより、自分を読む方にずっと時間がかかってしまう。。
と思った最大の1冊は、実は本書かも。。

著者のこれまでのアメリカ政治本シリーズは、『底抜け合衆国ーアメリカが最もバカだった4年間』『USAカニバケツ』『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』『キャプテン・アメリカはなぜ死んだか』また、アメリカ政治研究者である越智道雄氏との共著『オバマ・ショック』も、読んでいるけど、本書の内容は、これまでで一番辛いものでした。

このシリーズの最初から、米国衰亡史として読んでいましたが、米国に起こったことは、10年後には日本に起こるということもあり、この流れから、日本が逃れられるように。と願ってきたけれど、残念ながら、今後の日本の行く末もそのセオリーのままに進んでいく。ということが、もうどうしようもないほど明らかになってきた矢先でしたし、

辛かったのは、その流れから日本が逃れられないというだけでなく、あらためて、民主主義や、平和や、格差のことについて、深く考えさせられ、そういった思いを「深く考えさせられた」と書くだけではもうどうしようもないほど、突き刺さった刺が大きかった。

そんなわけで、本書は素晴らしい本なのですが、お奨めしたいとか、著者に感謝したいとか、内容を記録しておきたい。という、いつもの動機ではなく、刺のように突き刺さった部分を少しだけ、個人的にぐだぐだと書いておくことにします。


(引用開始)省略・要約して引用しています。


第1章 医療保険改革とティーパーティーの誕生

「医療保険改革もそうだが、成功した人から多くの税金を取って、貧しい人に施すというのは、努力した人に不利だし、努力しない人を甘やかすことになる。君はアイン・ランドの『肩をすくめるアトラス』という小説を読んだかね?あの本に我々、ティーパーティーの思想が書かれているよ」

第4章「ティーパーティーの女神」アイン・ランドが金融崩壊を招いた

ティーパーティーには、アイン・ランドという女神がいる。1982年に亡くなった彼女が書いた小説『肩をすくめるアトラス』はティーパーティーの聖書と呼ばれている。「私が政治家になろうとした理由がアイン・ランドです」ティーパーティー派のポール・ライアン下院議員は、05年、アイン・ランドの生誕100年記念パーティーでそうスピーチした。

ライアンは、財政赤字解消のため、ソーシャル・セキュリティ(社会保障)、メディケア(高齢者・障害者向け医療保険)、フード・スタンプ(貧困層向け食費補助)などの福祉削減を主張した。その一方で、彼はブッシュ政権が行なった富裕層の遺産相続免税に賛成した。ライアンは富める者から税金を取って貧しい者たちに与える「富の再分配」を激しく憎んだアイン・ランドに影響されている。

ティーパーティーの先駆者の異名をとるベテラン、ロン・ポール下院議員も同じだ。

(中略)

アラン・グリーンスパンは50年代からランドの弟子であり、74年にフォード大統領の経済諮問委員会の議長に就任した際の宣誓式でも、横に付き添っていたのはランドだった。ランドの思想に従ってグリーンスパンは19年間にわたって自由市場を放任し続け、レーガンからブッシュ・ジュニアまで、政府は富裕層への減税を続け、アイン・ランドが「寄生虫」と呼んだ庶民はどんどん貧しくなった。その結果暴走した金融業界は、貧しい人々に無理矢理住宅ローンを押しつける詐欺まで行なって、それが08年の金融崩壊を引き起こし、20年におよぶ富裕層への減税は莫大な財政赤字を生み出した。アイン・ランド的社会は失敗に終わったのだ。

(引用終了)


この後も、激しいランド批判が続くのですが、これでは、あまりにもランドが可哀想だと思う。思想が単純化されて、政治に利用されることはしばしばあることで、ランドがティーパーティに利用されたのは、ニーチェが、ナチスに利用されたのと同様ではないか。ティーパーティの先駆者と言われてしまっているロン・ポールや、リバータリアンや、小さな政府ですが、ロン・ポールは国内第一主義で、アメリカの対外政策を批判している。

ネオコンの源流がトロツキズムで、その元祖ネオコンのフランシス・フクヤマが『歴史の終わり』を書いたときだって、現在のアメリカの姿を予想できておらず、その後『アメリカの終わり』を書いて転向を表明した。ランドの弟子だったグリーンスパンも、1990年代から、株式市場の熱狂に危惧を表明していたけど、住宅バブルは止められなかった。

貧しい人も借りられるというサブプライム・ローンは、ランドの思想とは真逆だし、金融崩壊のあと、国民の税金で、破綻した企業のCEOにボーナスまで支払われたのも、ランドとは無関係で、富裕層の減税、増税という選択より、企業がそこで働く人々よりも、株主のためにある。という徹底した株式市場主義は、グリーンスパン1人の手綱さばきでどうにもならないほど膨れ上がり、その膨張を支えたのは「富裕層」だけでなく「富裕層」を夢見た人々でしょう。

国内では、ニーチェのいたこを気取る適菜収氏が、B層というキーワードで同じように煽りだした。彼もティーパーティでのアイン・ランドの使われ方と同様にニーチェを使っている。ネトウヨやB層もポピュリズムという言葉も、国民分断のために利用させられてる。ホントに未だにポピュリズムなんて言葉で、何かを批判したつもりになっている人は、自分が大衆ではないと思っているのだろうか。権力者でもないのに。

町山氏は、

FOXニュースのコメンテイターが『肩をすくめるアトラス』を振りかざして「規制と福祉ばかりの国をオバマは実現しようとしているんです!」と叫んだことを、それは話が逆で、アイン・ランドの理想の方が先に実現したのだ。80年代レーガン政権移行の新自由主義によるアメリカとして。

と言う。そうかもしれない。

でも、企業献金ではなく、国民からの小額募金によって誕生したオバマ政権によって、選挙資金はますます高騰し、メディアの選挙運動は酷くなる一方。その中で勝利したオバマが、結局なんの公約も実現できずに、超格差社会を温存し、世界中で民主主義政策という名の武力行使を行なうことも止められず、

ヒラリーが、女性の地位向上で勝ちとったものは、より多くの女性が、AIGの幹部社員に税金という形で、お金を貢げる権利だったり、多くの女性がヒラリーや、ライスのような気分で軍隊を使うか、もしくは軍隊に行くかという選択を迫られるようになり…

誤解されたくないけど、FOX-TVが言ってるようなことを支持する気持ちなんてないし、ティーパーティに関しては、数年前に、片山さつきが日本に紹介しようとしていたときから嫌な予感がバリバリとしていて、その後、彼女が生保に噛み付いたときも、案の定という気がした。

ただ、もうそういった「選挙」のための二分化も、
自分が二分化のどちらかの「極」に立つことも、嫌だ。

たかだか、政府の仕事のあれこれについて考えることで、無駄な競争を煽り、
国民の意識を分断しているだけじゃないか。(本当の目的はそっちか。。)

性的嗜好も、思想・宗教といったものも、本来すべて「あやふや」なもので、人種ですら、それを決める基準をはっきりすることができないのに、少年期から選挙に異常なまでの興味を抱かせ、常に自分を分類して「自己の確立」を強化していくような現在の社会では、もう世界の平和には至らない。。

私の個人史の中では、今ほど、国民すべてに「一票を無駄にするな」とか「選挙には必ず行くべき」いうメッセージが虚しく響いたことはないけど、

それでも、何度銃弾に倒れてもという経験も、米国の方がずっとタフに経験してきているので、今後、日本社会の方がダメージを受ける人が多いだろうなぁという自分の予測にもうんざりした。

でも、どこまでも暗くなりそうな気分に、意外にも役にたったのは、ローマ帝国史本で、
全然面白くなかったけど、本書と併読して読むことで、多少は心が癒された。


ローマ人の「パンとサーカス」とか、富の分配とか、
その時代の奴隷制と比較して、、とかね(泣)

もうひとつ癒されたのは、12月に行ったジャクソンズのコンサートでも歌われ、
マーロンのツイートに、今もよく書いてある
Study PEACEという言葉が登場する「Man of War」という曲。




大雑把な和訳ですが。。。

Man of War

You think your way is the best way for all
You don't know everything so you don't know it all
You got respect a man for the way that he feels
And you can't make people do things against their will

あなたは、自分の方法が正しいのだと思っているけど
あなたはすべてを知らないし、何もわかっていない
人の感情を尊重し、人々の意志に反することをしてはいけない


Man of war, don't go to war no more
Why don't you, why don't you study peace?
Man of war, don't go to war no more
Study peace 'cause peace is what we need

戦争をする人々、もう戦争をするのはやめにして
なぜ、平和を学ぶことをしないんだ
戦争をする人々、もう戦争をするのはやめて
平和を学ぼう。ぼくたちが望んでいるのは平和なんだから


Just because your army gives you strength, gives you might
Truth is gonna win, wrong will never conquer right
Every man has the right to think and be free
You're like a spoiled brat, you want everything, you see

軍隊をもって、強さと力を得られても
真実はいずれ勝利する。間違った権利を主張しても正義は得られない
どんな人にも自由に、自分で考えるという権利がある
君たち(戦争をする人々)は甘やかされ過ぎて、
見えるものは何でも欲しがってるみたいだ


Man of war, don't go to war no more
Why don't you, why don't you study peace?
Man of war, don't go to war no more
Study peace 'cause peace is what we need

戦争をする人々、もう戦争をするのはやめにして
なぜ、平和を学ぶことをしないんだ
戦争をする人々、もう戦争をするのはやめて
平和を学ぼう。ぼくたちが望んでいるのは平和なんだから


You think your bombs guns, and planes make you a big man
When you attack and invade on another man's land
Tryin' to make him be what you want him be
Make him do what you want him to
Make him say what you want him to say
It wasn't meant to be that way

爆弾とか銃とか、飛行機をもっていたら、強い男になれるなんて
他の奴の土地を攻撃して、侵略したいのさ
人を自分の思いどおりに動かして、
自分の言うとおりにしたいんだろう
そんなことに、どんな意味があるんだ


You think your way is the best way for all
You don't know everything so you don't know it all
You got respect a man for the way that he feels
You can't make people do things against their will

あなたは、自分の方法が正しいのだと思っているけど
あなたはすべてを知らないし、何もわかっていない
人の感情を尊重し、彼らの意志に反することをしてはいけない


Man of war, don't go to war no more
Why don't you, why don't you study peace
Man of war, don't go to war no more
Study peace 'cause peace is what we need

戦争をする人々、もう戦争をするのはやめにして
なぜ、平和を学ぶことをしないんだ
戦争をする人々、もう戦争をするのはやめて
平和を学ぼう。ぼくたちが望んでいるのは平和なんだから


◎歌詞参照 http://www.metrolyrics.com/


適当な知識で意見をいうより、学べ!自分。

そんなわけなので、
この虚しさをバネに、ミケランジェロを読もうと思う。

あきらめるな、自分!

☆巨大資本に操られるインチキ政治運動、デマだらけの中傷CMをぶつけ合う選挙戦、暴走する過激メディアまで日本人が知らない「アメリカの内戦」を徹底レポート。


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by yomodalite | 2013-01-08 08:00 | 現代文化・音楽・訳詞 | Trackback(1) | Comments(5)

アメリカが作り上げた素晴らしき今の世界/ロバート・ケーガン、古村治彦(翻訳)

アメリカが作り上げた“素晴らしき"今の世界

ロバート・ケーガン/ビジネス社



著者は、ネオコンと分類されるアメリカの政治・外交評論家で、ブルッキングス研究所の上級研究員にして「ワシントン・ポスト」のコラムニストとしても活躍している。2008年の共和党大統領候補マケイン上院議員の外交顧問を務め、現在は、2012年の共和党大統領候補として名前が挙がっているロムニーの外交顧問で、さらに重要なのは、

現在、ヒラリー・クリントン国務長官の外交政策委員会の委員であるということ。

ネオコンは、オバマ大統領の前、ブッシュ政権時に外交・安全保障政策で脚光をあびた政治思想ですが、オバマになっても、また次の選挙でオバマが敗れても、そのブレーンには何の変化もないのでしょうか?

本書で、ケーガンは「アメリカが衰退している」という主張に反論し、経済、軍事、ソフトパワーの面でも力を失っていないと主張、オバマ大統領もケーガンの「アメリアは衰退していないし、これからも世界に対して影響力を持ち続けるべきだ」という主張に賛同し、今年(2012年)の「一般教書演説」でも、彼の主張に言及し、メディアの注目を集めました。

☆下記は、監修者である副島隆彦氏による序文から

(大幅に省略して引用しています)

本書は、アメリカのネオコン派の論客ロバート・ケーガンの最新刊の翻訳書である。ネオコン派は、ユダヤ系の凶暴な政治知識人の集団である。彼らは若い学生の頃は「ソビエト打倒、世界同時革命」を唱えた過激な左翼活動家だった者たちだ。学歴としても超秀才の頭脳たちである。彼らが成長して、アメリカの対外政策、軍事路線を動かす政策集団になった。

ネオコン派は、ブッシュ政権の終焉と共に消え去った、はずだったのだ。ところが、そうではなかった。ネオコン派は、オバマ政権の中にも密かに潜り込み、他の政治集団の思想、行動にまで影響を与えていたのである。この本は、そのネオコン派の主要人物で代表格の1人であるケーガンによって書かれたものだ。

しかも、大統領選挙の年であるこの2012年に入って、決意も新たに、世に問うたものだ。

本書の原題は「The Would America Made」である。「現在の世界体制はアメリカが作り上げたものなのだから、これからもアメリカが支配する権利と義務を負っている」という考えを正直かつ露骨に表明している。だから本書は、アメリカの軍事・外交政策への包み隠しのない最新の野心的提言の書となっている。

ブッシュ政権はのっけから911事件(2001)を合図にして、アフガニスタンとイラクに侵攻した。「戦争で経済を刺激する」という、まさしく戦争経済 War Economy の戦略図のとおりである。ディック・チェイニーとポール・ウォルフォビッツを筆頭にして、これらの強烈な政策を実行した。ケーガンは、ブッシュ政権に閣僚として入らず、ネオコン派の論客として政権を外側から支えた。

ところが、彼らの計画は狂った。アメリカはアフガニスタン戦争(2001〜)と、イラク戦争(2003〜)という泥沼に足を取られることになった。ネオコン派に対する批判が国内で大きくなり、「バグダット(イラン)ーカブール(アフガニスタン)枢軸」でアラブ・イスラム世界に巨大な楔を打ち込んで、イスラム世界に歴史的な大打撃を与えようとした世界戦略は、ここで一敗地にまみれた。

現在でも、アメリカ国内におけるネオコンに対する警戒心は強い。共和党のロムニー候補の外交政策アドバイザーまで、ネオコンと関係が深い人物が多いので心配だという論調が見られる。軍事力で世界を管理しつくせる、などまさしく幻想だった。ネオコン思想は現実の前に敗北した。ところがそれでも「ネオコン」は生きている。

ケーガンが上級研究員であるブルッキングス研究所(純然たる民主党系のシンクタンク)の所長は、ストローブ・タルボット(Storobe Talbott 1946〜)。タルボットは、ビル・クリントン元大統領がローズ奨学生としてオックスフォード大学に留学したときのご学友で、クリントンの側近中の側近である。クリントン政権時代は、8年間にわたし国務副長官を務め、政権を支えた。

ビル・クリントンの側近と言えば、現在オバマ政権の国防長官をしているレオン・パネッタ(Leon Panetta 1938〜)も忘れてはならない。彼は今でもオバマ政権で国防予算の削減に血だらけの大ナタを振るっている。

オバマ政権のこの4年間の外交を見てみると、初期の現実主義的な姿勢(CFR=米外交問題評議会的リアリズム)から、ヒラリーを中心とする人道主義的強硬介入派に肩入れし、諸外国への介入の度合いを強め、

とりわけ「アラブの春」を画策している。

外国への介入主義という点で、ヒラリー派とかつてのネオコン派は同じことをやろうとしているのである。

『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策1・2』の著者の1人、スティーブン・ウォルト(Stephan Walt)ハーバード大学教授は、オバマ政権のこの外交姿勢の変化を指摘して「オバマは、ジョージ・W・オバマになった」と評している。また、本書の訳者の最新作『アメリカ政治の秘密』でも、オバマ外交の変質が精密に取り合げられている。日本では最重要論文である。

現在のアメリカは、景気が後退し「中国に追い抜かれてしまうのではないか」という重苦しい雰囲気に包まれている。こうした中で、アメリカの衰亡を否定し「アメリカはこれからも強力であり、世界を支配し続ける」という宣言をケーガンは本書ではっきり行なっている。その主張をオバマ大統領が賞賛している。これが今のアメリカの「ぶれない決意」なのである。

共和党と民主党の双方を中間点で取り結んでいる(ネオコンのまま)というケーガンのこの特異な政策立案者としての顔が、今のアメリカ政治の生態を観察する上で、私たち日本人に重要な多くの示唆を与える。これからの数年のアメリカ外交がどのように行なわれるかをさぐり当てることができる。読者諸氏の慧眼とご高配を賜りたい。

2012年7月 副島隆彦拝

(引用終了)

国際社会の安定のために、常にアメリカはやってきたんだと、被害者意識にくわえ、孤独感をもにじませて語る著者には「いや、もう結構ですから」とか「よく言うよ」とか「まだ、やる気?」など、うんざり以外の感想を抱くことがむずかしく、

恩を忘れたのか?と言われても「返しましたけど、まだ何か?」と言いたくなり、アジアから出てってやる。には「どうぞ。どうぞ」としか思わないのですが、

ヒラリーが、活発に、海外に出かけるたびに、どうしてそんな仕事に、そこまで夢中になれるの?と不思議で仕方ない人にも、少しはその気持ちが理解できる部分も、、ないこともないので、、知りたい方はぜひ!


◎Amazon『アメリカが作り上げた素晴らしき今の世界』

_________

[内容]

副島隆彦による序文

はじめに

アメリカが世界を現在の形に作り上げた
世界秩序は永続しない

アメリカの衰退は世界に何をもたらすのか?

第1章 アメリカの存在しない世界はどうだったろうか

各時代の最強国が世界秩序を作り出してきた

戦争を正当な外交政策と考えるアメリカ人

アメリカ人は民主政治以外の体制が許せない 

アメリカは嫌々ながら他国に干渉している

アメリカの行動が世界に対する不安定要因となっているという矛盾

首尾一貫した外交ができない国が作った世界秩序

第2章 アメリカが作り上げた世界

ヨーロッパが嫌がるアメリカを引き込んだ

アジアから戦争をなくすことはできなかった
人間は脆弱な民主政治よりファシズムを求めた

第二次大戦は民主政治の勝利ではなかった 

20世紀末に突然、巻き起こった民主化の第三の波 

首尾一貫しなかったアメリカの方向転換 

カーター、レーガン、ブッシュ政権の積極的な関与 

ソ連の崩壊と東欧・中欧で起こった民主化の津波 

19世紀半ば、仏英は他国の自由主義者たちを見捨てた 

追い落とした独裁者たちの後に民主主義政権が成立するとは限らない 
覇権国が望まなければ国際秩序は強化されない 

19世紀、イギリスが作り上げた世界 

アメリカが覇権を握り、世界に史上最高の繁栄をもたらした 

自由市場経済は強国のためのシステム 

大国間の戦争は今後起こりうるか? 

国家指導者たちは野心と恐怖心から非合理的な行動をする 

アメリカが大国間の平和を維持してきた 

軍事力行使は世界秩序維持のための奉仕活動 

アメリカの軍事力行使を止められる国はない  

同盟国や国連の反対などアメリカは意に介さない 

世界各国がアメリカの軍事力を受け入れる理由 

アメリカによる中国包囲網 

紛争の火種は世界各地に存在している 

現在、戦争は現実的な選択肢ではない  

第3章 アメリカ中心の世界秩序の次には何が来るのか?

アメリカ衰退後、世界は多極化するのか?  

民主化の波を阻む大国、ロシアと中国 

新興大国は自由経済を守れるのか? 

次の超大国・中国の問題点 

中国は世界秩序の維持という重責を担うのか? 

多極化した世界が安定する保証はない 

中国とロシアは脅威となるのか? 

超大国へと急成長する国が戦争を引き起こす 

民主主義国家と独裁体制の大国の協調できるのか? 

結局、国際ルールで縛れるのは弱小国だけ 

覇権国の軍事力によって維持されてきたリベラルな秩序 

行の国際ルールは覇権国の衰退とともに崩壊する 

国連が直面する「ゆっくりと起こっている危機」 

第4章 結局のところ、アメリカは衰退に向かっているのか? 

大国の衰退はゆっくりと進行する 

経済力、軍事力ともにまだアメリカが優位を保っている 

友好的な新興国の急成長はアメリカに利する 

覇権国が常に世界をコントロースできたわけではない 

力を誇示するアメリカは憎悪の対象となった 

冷戦下の世界で反アメリカ主義が世界を席巻した 

アメリカは中東をコントロールできなかった 

70年代の失速と90年代の勝利 

二極化、多極化した世界こそ不自由な世界という皮肉 

中国が覇権国となるには、アメリカとの競争に勝たねばならない 

覇権国の地位を維持するコストと利益 

アメリカの最大の懸念は財政危機

それでも世界はアメリカのリーダシップと関与を必要としている 

第5章 素晴らしき哉、世界秩序!

衰退という選択と覇権の移譲に対する条件 

アメリカのハード・パワーとソフト・パワー  

アメリカ国民にとって現在の世界秩序は必要か? 



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by yomodalite | 2012-10-22 11:41 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

[読書メモ]帝国解体、誰がオバマを大統領に選んだのか

個人的な読書メモです。

◎帝国解体 ー アメリカ最後の選択/チャルマーズ・ジョンソン、雨宮和子(翻訳)

著者は、1982年に『通産省と日本の奇跡』で、戦後日本の高度経済成長が通商産業省主導による産業政策を通して達成された点を指摘し、リヴィジョニズム(日本異質論)の主唱者だった方。

☆[参考サイト]80年代リヴィジョニズム

2001年アメリカ同時多発テロの予言書として話題になった『Blowback』(『アメリカ帝国への報復』)や、ブローバック(「911」が米国がこれまで世界で行ったことへの報復であるという意味)三部作と呼ばれる『The Sorrows of Empire』(『アメリカ帝国の悲劇』)『Nemesis』(『帝国アメリカと日本武力依存の構造』)の出版以降、ロサンジェルス・タイムズ紙に執筆されたもの。2010年に79歳で死去した著者の遺作。

ブローバック三部作と同様、アメリカが自滅の道を歩んでいるのは、全世界に張り巡らせている基地の存在であり、基地を解体し、帝国主義による支配構造を終わらせなければ、アメリカは自滅するというもの。

第3部「基地の世界」浪費する基地帝国から、省略して引用。

57年以上も自国に駐屯している米軍に、高額な出費をしている日本はどうか。最近になって、日本政府はアメリカ政府と、アメリカ海兵隊の一部を沖縄にある基地からアメリカ領のグアム島に移設するという合意に達した。しかし、その過程で、日本は海兵隊移設費用のみならず、グアム島の基地建設費用まで分担させられることになったのだ。

この場面で日本もキルギスタン政府を見習って、アメリカに対し、あなたたちの負担で出て行けと言ってみたらどうだろう。いや少なくとも、日本女性を(毎月2件の割合で)レイプしたり、沖縄に38もある米軍基地周辺に住む地元民に迷惑をかける米兵に助成金などはもう出さないと言ってみたらどうだろう。

こういう要求こそ、アメリカが1945年にやって来て以来、沖縄住民がずっと望んできたことだ。自分の国に存在する米軍にうんざりしている国々に提案したい。手遅れにならないよう、今のうちに基地からお金を取っておきなさい、と。もっと金を出すか、でなければ出て行けとアメリカにいうべきだ、と。私がそう進めるのは、アメリカの基地帝国は近いうちにアメリカを破産させるからだ。(中略)

もちろん、これはアメリカの債務に融資している中国やその他の国がすでに気づいていることだ。彼らは、ただ自分たちが米ドルをたっぷり持っているあいだは米ドルが暴落しないように、あわてず騒がずそっと金に換えているだけだ。しかし、惑わされてはいけない。出血はドクドクなのか、それともジワジワなのか、いずれにしてもアメリカが基地帝国とそれに付随する軍事基地に固執すれば、いまわれわれが知っているアメリカという国が終焉を迎えることは間違いない。(引用終了)

第5部 解体事始め「帝国解体」から、省略して引用。

われわれが帝国を解体しなければ、帝国がわれわれを解体するはめになる。そうなる理由を3つここにあげよう。

1:支えきれない拡張政策
バラク・オバマは新内閣の数人の閣僚を発表する演説の中で「われわれは地球上で最強の軍隊を維持しなければならない」と当然のことのように述べた。

アメリカは自分の破産問題を本気で考えていないのだ。破産はもちろんのこと、節約さえしたがらないアメリカは、現実を見つめられないことを露呈している。ティモシー・ガイトナーは財務長官として初めて公式に中国に訪問した際、北京大学の学生の前で講演したが、そこでアメリカに投資した「中国の資産は大変に安全だ」と保証した。新聞報道によると、そのとき学生たちは大笑いしたそうだ。当たり前だ。

(中国の学生はまともだなぁ。。米国の大学教授から「正義の話」を聞こうとする日本の大学のことも、大笑いされてなきゃいいけど。無理かも。)

2:アメリカを破産に追い込むアフガニスタン戦争
アフガニスタンでの戦略でアメリカがおかした深刻な大失敗の1つは、イギリスとソ連がアフガニスタンの人々を抑えつけようとして悲惨な失敗に終わった過去とおなじことを自らがしていることに気がつかなかったことだ。イギリスもパキスタンも、結局この地域を支配下に置くことはできなかった。著名な歴史家類ス・デュプレーがその著書『アフガニスタン』で述べたように「パシュトゥーン部族は何世紀にもわたってよそ者に抵抗し、よそ者がいないときは仲間同士で闘いあってきた。彼らは生まれつきのゲリラ戦熟練者であり、大英帝国を苦しめた」

3:基地帝国の隠された恥
2009年3月のニューヨーク・タイムズ紙で論説コラムニストのボブ・ハーバートは「レイプを始めとする女性に対する性暴力は米軍の大きな恥であり、このおぞましい問題は目に見えないところで隠されたままにされており、減っているという証拠はどこにもない」と述べた。『孤独な兵士』の著者へレン・ベネディクトは、軍隊内の性暴力に関するペンタゴンの2009年の報告の中にある数字を引用している。つまり軍隊内のレイプの90パーセントはまったく通報されず、されたとしても、加害者が罰せられることはごくわずかなのだ。(引用終了)


[参考サイト・日本政治研究の学者たち]
☆チャルマーズ・ジョンソンとジェラルド・カーティス(1)古村治彦
☆チャルマーズ・ジョンソンとジェラルド・カーティス(2)古村治彦


内容紹介/逼迫した経済状況にもかかわらず、軍備拡大を続けるオバマ政権下のアメリカ。著者は、長年にわたって、沖縄の米軍基地やイラク、アフガニスタンへの軍事侵攻、自らも内情にくわしいCIAのありかた、さらには民間企業の軍事への参入などを厳しく批判してきた。この本は、歯切れのいい文体と膨大な文献などとともに、いま、アメリカがなすべきことを説く、渾身の遺著である。最晩年にロサンジェルス・タイムズ紙に執筆した、普天間への思いを綴った論文、そして人生のパートナー、シーラ・ジョンソン夫人による、日本版への書き下ろしも収める。岩波書店 (2012/1/28)




◎誰がオバマを大統領に選んだのか/越智道雄

内容紹介/2008年のアメリカ大統領選挙ほど、アメリカの抱える人種・地域・女性・宗教・階層をめぐる文化的価値観の対立と分裂を明らかにしたものはない。この対立と分裂の先に見えるのは、20世紀の覇権国アメリカの衰退の兆しなのか? WASPは黒人大統領に国家の「未来」を託した。二〇〇八年アメリカ大統領選挙で繰り広げられた「文化戦争」の帰結が意味することとは。NTT出版 (2008/12/19)

☆[参考サイト]新世界読書放浪
☆[参考サイト]ありがとうを百万回





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by yomodalite | 2012-04-07 18:57 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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