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大統領の政治(2)マイケル・ジャクソンと “ソフトパワー”

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Dancing With The Elephant からの和訳「大統領の政治(1)」の続き・・・

2016年の大統領選では、ほとんどの有名人が支持を表明したヒラリー候補が敗れるという結果になりましたが、今も人気が衰えない偉大なスター、エルヴィス・プレスリーと、ジュームズ・ブラウンは、どう政治に関わっていたのか?そして彼らと、マイケルとは何が違っていたのか・・・



Presidential Politics, Part 2: Michael Jackson and “Soft Power”

大統領の政治(2)マイケル・ジャクソンと “ソフトパワー”


ウィラ:私は、フレデリック・ダグラスを描いている「19世紀に最も写真を撮られた米国人の写真伝記」と呼ばれる魅力的な本を読んでいたんだけど、 ダグラスは解放された奴隷で、精力的な奴隷廃止運動家であり、さまざまな方法で政治目標を推進した人物なのね。

そのひとつは、アブラハム・リンカーンから始まり、その後7人の大統領との関係を継続したこと。 彼は1895年に亡くなるまで、リンカーンからハリソンまでの大統領全員に会っている。

もうひとつは、白人の黒人に対する認識に挑戦するような、彼の写真やパブリック・イメージの使い方。それまで多くの白人が奴隷を人間以下と見なすように訓練されてきていたから、これは、南北戦争のあとには特に重要なことだった。ダグラスは、他の人種も同じ人間だということを白人に気づかせ、新たな見方や、感じ方をするようにさせる力が写真にはあると信じていた。

例をあげると、アメリカ初の黒人上院議員、ハイラン・ローズ・レヴェルズの支持者だったダグラスは、レヴェルズの肖像画を見れば、「人々の偏見がどうであれ、この男が、ミシシッピ州の上院議員であることを認めなければならない」と述べた。私はフレデリック・ダグラスが、社会的変化をもたらすために、自分のパブリック・イメージをどのように使用したかについて、語ることができて嬉しく思っています。ここには、マイケルジャクソンに繋がる魅力的な話がいくつかあると思う。


リシャ:そうね! フレデリック・ダグラスを議論することは、マイケル・ジャクソンの仕事の重要性を説明するのに大いに役立つと思うわ。


ウィラ:特に自らの名声や、徐々に進化していったパブリック・イメージを、彼がどのように利用したか。ダグラスは、マイケル・ジャクソン、写真、パブリックイメージ、アメリカ大統領・・・について話を始めるのに便利な出発点になるんじゃない。


リシャ:フレデリック・ダグラスのように、マイケル・ジャクソンはイメージがもつ破壊的な力を理解していた。これは、彼が米国大統領とどのように交流したかを見れば、特に興味深く意義があると思う。


ウィラ: 例えば、ダグラスはリンカーンの就任式に出席しました。彼は、アメリカの大統領のゲストとして撮影された初めての黒人の中の1人だった。 これは、リンカーンの2回目の就任式のときの歴史的写真。



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リンカーンは表彰台に立っていて、赤い丸で囲んでいるのが、ダグラス。ダグラスはいつも非常に慎重で、落ち着いて堂々としたやりかたを公の場で通していた。この写真のように、遠景でまわりも混沌としている中でもそれがわかるわね。


リシャ:素晴らしい写真ね。 私はそういうものが存在していたかどうかも知らなかった。 今、1865年の写真に、マイケル・ジャクソンが、レーガン大統領と夫人と一緒にホワイトハウスの庭を歩こうとする、1984年の写真を並列させてみると・・




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ウィラ:興奮するわよね! こんな風に2枚の写真を比較できるなんてね。フレデリック・ダグラスが120年前に立っていた場所に、マイケル・ジャクソンが立った。 ホワイトハウスにいる、フレデリック・ダグラスと、南北戦争終結時のアブラハム・リンカーン。そして、アメリカで最も成功し、影響力のある男性の1人である、マイケル・ジャクソンと、ロナルド・レーガン。ホワイトハウスでは、120年の間に多くのことが変わった。

この2つの写真は、120年という長い時間の両端に存在するもので、ともに強力な文化的瞬間を記録している。マイケル・ジャクソンは、ダグラスと同じように威厳のある態度で、自分の役割を果たしきっている。実際のところ、彼は王族のような雰囲気さえ漂わせている。


リシャ:同感ね。 そして、この写真には情報があふれてる。一見すると軍の式典のような雰囲気で、ショービジネスの人らしい輝きや、トレードマークの白い手袋、そして誇り高く、若く、驚くほど裕福なアフリカ系アメリカ人である彼は、自由世界のリーダーよりも輝いて見える!この写真が撮られたとき、マイケル・ジャクソンは音楽業界の常識をひっくり返しただけでなく、同時代の多くのステレオタイプをも揺るがせていた。


ウィラ:いい表現ね。私は、マイケル・ジャクソンが真っすぐ前を見て、レーガンの方が、うやうやしく彼に接して歩いていたことにも心を打たれた。 彼らが一緒にいることで、予想以上の視覚的効果が表れている。 彼らを知らない人が見たら、おそらくマイケル・ジャクソンが政治的なリーダーで、レーガンを補佐官だと思うわよね!


リシャ:まさに。 大胆な力の表現だけど、間違いないわね。 レーガン大統領は、その日の異常な大観衆に対して、「私たち夫婦が、これほど多くの人々を見たのは中国を離れて以来だ! まあ、みんな私を見に来たんだろうね」と、冗談を言った。


ウィラ:それは面白いわ! でも、冗談はときに多くの真実を伝える・・・



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リシャ:マイケル・ジャクソンがすべての注目を集めていたのは確かで、大統領とファースト・レディにとってはかなり異例な経験だったでしょうね。ある記者は、「マイケル・ジャクソンが、その日のワシントンDCで受けたほどの注目や警備や興奮を、国家元首が受けたことはない」と述べた。


ウィラ:結局のところ、私たちの社会は、ますますセレブ文化になってきていて、そこでは、注目されることこそパワーなのよね。そしてその結果、伝統的に理解されているような政治的な領域から、文化/メディア/娯楽の領域へと、パワーが移行しつつある。 また同時に、政治に有名人が導入されている。 レーガン自身は、その変遷の中で重要な人物であり、有名人を一種の政治権力として再利用していた。 彼は元俳優であり、政治的な目的のためにカメラを使用することに非常に熟練していました。


リシャ:ええ、文化批評家の多くは、テレビ俳優から国家元首になったロナルド・レーガンが、私たちの社会にあるパワーの感情的な部分に、いかにアピールしたかについてコメントしている。


ウィラ:それは本当に起こっていることよね。 でも、レーガンの立場とカリスマ性をもってしても、マイケル・ジャクソンは彼を出し抜き、より重要に見える。


リシャ:確かに。レーガンの補佐官のひとりで、今は連邦最高裁判所長官のジョン・G・ロバーツは、あのとき、「ミスター・ジャクソンが来場することで、ホワイト・ハウス職員の一部がこびるような態度を見せること」に対して懸念を示した。彼は、大統領からマイケル・ジャクソンに手紙を送る案が出たときも、それを却下し、「大統領広報局は、マイケル・ジャクソンのPR会社の付属品じゃない」と警告した。ホワイト・ハウスの補佐官が、そういう内容のメモを出すなんて、よほど危険な状態だったに違いないわ。


ウィラ:将来の最高裁判所長官のロバーツが、アメリカの大統領を守るために書いたメモで言っていることだものね。大統領は大きな政治的力を持っている。でも、マイケル・ジャクソンなど、アーティスト、芸能人、有名人は、人々の意見や態度を変える能力を持っている。これは何度も言及したわよね。政治家は一般的に世論に従う必要があると感じている。そういう意味では、人気のあるアーティストが指導者を率いることもある。この時点でのマイケル・ジャクソンの「ソフトパワー」は凄かったし、そういう意味ではレーガンを上回っていたかもしれない。

ところで、マイケルとレーガンの会見について、前に話したところに戻りたいんだけど、これは、1990年のホワイトハウスで、マイケル・ジャクソンが、ジョージ・H・W・ブッシュに会った写真。




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マイケルは、またもや微動だにしないといった感じで、彼の側のいる政治家の方が敬虔な感じね。そして、このジャケットを見て! あなたが指摘した、一見すると軍の式典のような雰囲気は、レーガン、ブッシュと共にこの写真にも浸透している。 これらの写真は、ミュージシャンというよりは、英国王室からの訪問を記録しているみたい。


リシャ:これは、マイケルの写真の中でも大好きな1枚ね。 2012年に、この英国式のミリタリージャケットは、ロンドンのゲッティイメージズ・ギャラリーでも展示されていた。このジャケットは、デザイン、職人の技術、絶妙なディテールなど本当に劇的よね。 写真ではその本当の素晴らしさを表現できないぐらい。マイケル・ブッシュは、この衣装の製作を終えた後、マイケル・ジャクソンがそれを見て、左側に、何か追加したいと言ったことを指摘している。 具体的にいえば、ブッシュ大統領の側の胸に、派手なラインストーンのブローチを置いたこと。ミリタリージャケットでは、人がバッジを見るであろう右側に、バッジやメダルが相応しいと。




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ウィラ:それは興味深い話ね。


リシャ:私はそこに魅了されたの。なぜなら、ここで私たちがここで話していることを象徴するように私を襲ったから。それは、政府が何世紀も恐れてきた芸術による、政治のソフトパワーよね。 マイケル・ジャクソンは芸術家の権力と権威について、絶妙にして、強力なメッセージを作り出し、大衆に影響を与えた。


ウィラ:どう解釈するのか興味深いわ!どこか軍の式典のような雰囲気を醸し出すマイケル・ジャクソンの大きな事例だものね。こういった場合、名誉のメダルは、一般的に職業軍人の場合は左胸に表示されるけど、それを大きく変えるような微妙な変化を作っている。


リシャ:本当に賢いわよね。 歴史的に、軍事的なパフォーマンスは、権力の重要な構成要素で、英国人は特にそれに熟達している。たとえば、英国人がインドを占領したときも、彼らはそれを多く行った。強い力を認識させた精巧な軍のパフォーマンスと、戴冠式は、彼らの支配を維持する1つの方法でもあった。


これは1911年のデリー、ダルバールでの式典におけるジョージ5世と、メアリー女王の写真。



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ウィラ:すばらしい考察と、それを示す驚くべき写真。ここには、権力の象徴となるようなものが余すことなく表現されている。私の目を引いたのは、これだけのパワーや荘厳なショーの雰囲気を生み出すのに、どれほどの演劇的要素が盛り込まれているか、ということ。ここには、演出、舞台装置、手の込んだ衣装、振り付けされた行進、台本をもとにした言葉がある。






リシャ:これらは、素晴らしい舞台の要素をすべて含んでいる。


ウィラ:確かにね。 マイケル・ジャクソンのレーガンとブッシュとのホワイトハウス訪問と同じような舞台感覚。演劇としての演出を見ているようね。


リシャ:そして、これが壮大な舞台のように見えるのは、偶然ではない。 マイケル・ジャクソンは、レニ・リーフェンシュタールの「意思の勝利(Triumph of the Will)」のような映画を通して、軍事パレードや、舞台効果について研究していました。ヒストリー・ティーザーでの、アドルフ・ヒトラーのパフォーマンスの使用については、ここで記事にしたわよね。


それは素晴らしい内容だったけど、HIStoryアルバムのライナーノートに描かれた軍服のまた別の話として、これはロンドンで最も古い、最高のミリタリージャケットのテーラーの1人によって、マイケルのためにカスタマイズされたものなのよね。



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ギーブスとホークスの手によるテールコートは、世界で「ハンド&ロックハンド刺繍の最高品」の1つと言われている。 現存する最高級の英国の軍服のうちの1つが、イギリスの軍隊や王族に属していないというのは魅力的な話よね。それは、マイケル・ジャクソンのものなんだから。


ウィラ:それは結構な皮肉よね?


リシャ:ええ。 マイケル・ジャクソンが、芸術、映像、衣装、舞台を通じて、どのように力を行使できるか、とても慎重に考えていたことは間違いありません。


ウィラ:たしかに。私たちは、英国のロイヤルティとその芸術、イメージ、衣装、舞台芸術について、彼が勉強していたことを知っている。マイケル・ブッシュは、彼の本『キング・オブ・スタイル:衣装が語るマイケル・ジャクソンの世界』でこれについて繰り返し述べている。そして、マイケルは、政治権力によるこういった大きなパーティーにつながっているように見えました。たとえば、ブッシュの著書では、


「マイケルは、英国の伝統と軍事史に魅了されていて、マイケルのお気に入りの格言のひとつは予想もしない人物のものです。「人は、こんな安ピカなものに操られる生き物だ」。ナポレオンは自分の兵士たちに褒美として与える勲章の意義をそう説明していました。ヨーロッパ公演の最中、マイケルは必ず各国の城や古都を訪れて、博物館に展示されている王や王妃たちの肖像画をうっとりと眺めていました。バッキンガム宮殿でも、ロンドン塔でも、国会議事堂でも、マイケルは壁に掛けられた肖像画を熱心に鑑賞し、すべてを吸収していった。華やかさ、魅惑的な美しさ、勲章と名誉のしるし、王族や指揮官を実物より堂々と立派に描く手法・・・そういったもののすべてに、マイケルは強く惹きつけられていた。(P8)


リシャ:それは素晴らしい格言ね! 実際、トンプソン&ブッシュのデザインによる、マイケル・ジャクソンの最後の衣装は、それを非常によく示している。 私は本当にこのデザインが正しいと思う。それは、彼の人生をかけた仕事をどれほど美しくまとめていることか。



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ウィラ:そうね。特にこのジャケットは、ブッシュが、マイケル・ジャクソンのお気に入りと言っていたジャケットを元に作られているから。それは、あなたが以前言ったように、非常に「男性的」なミリタリースタイルと、「女性的」な真珠とブローチを組み合わせた、素晴らしい再解釈よね。 私は、ブッシュが葬儀の前に、このジャケットでマイケルをドレスアップしたことを読んで、とても心が動かされた。


リシャ:私も。マイケル・ジャクソンにとってこれ以上完璧なスーツを想像することはできない。そんな重要な話を中断するのはいやなんだけど、でも、パワーの表現として、身につけているものや勲章について、私が話したいのは、ジョン・レノンがプレス・インタビューで、おそらくは、ファッションの表現として、バスの運転手のバッジをつけたときのこと。それは勲章が本当に意味するものについて、すべての考えを検証しなくては、と考えさせられます。彼はそれについて尋ねられたとき、バスの運転手のバッジだと言っていて、実際に彼が「バスの運転をしていた」ことを意味していた! それは人々に、自分の力と、権威を表現する方法を見つけ出すうえで、芸術的な方法だと思う。また同じようにエルヴィスも、ファッションや、勲章や、権威の表示に魅了されていた。


ウィラ:ええ、それは聞いたことがあるわ。 彼が1970年12月に、リチャード・ニクソンとの会談を要請したのは、勲章を求めてのことだったと。


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リシャ:これは、そういった意味で魅力的な写真ね! マイケルジャクソンが着用したベルトのいくつかに、彼のベルトがどれほど似ているかがわかるわ。それにしても、これが、合衆国憲法を含む国立公文書館で、最もリクエストされているものだって信じられる?


ウィラ:本当? それは知らなかった。よく知られているように、この写真はエルヴィスが発表したくないという理由で、長い間隠されていた。 スミソニアン誌の記事によると、エルヴィスは(銃や違法なドラッグのようなものを持ち込もうとしたとき、税関を通り抜けることを阻止するための)麻薬および危険薬物局の勲章を求めて、この会談を行った。ただ、これはマイケル・ジャクソンのレーガンや、ブッシュとの象徴的な会合とはまったく違う権力への理解を示している。 エルヴィスは、大統領が自分が望む何かを与えることができる強力な人物として、ニクソンに会えるように頼んだ。 それは王座に近づき、王様から特別な品物を要求するような、伝統的な権力への見方よね。


リシャ:そのとおり。ニクソンは、エルヴィスが欲しがったので、BNDD(Bureau of Narcotics Dangerous Drugs)勲章をあげようとした、というのが私の理解。


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でも、マイケル・ジャクソンがレーガン大統領と会ったときは、あなたが示唆するように、力のダイナミックは、別の場所にあった。 マイケルが大統領との会見を求めるのではなく、彼と接触したかったのは、レーガン政権だったし、エリザベス・ドール運輸長官は、公聴会で「ビート・イット」を使用する許可を得たかった。






ランディ・タラボレッリによれば、当初マイケルは興味がなかったが、ホワイトハウスが彼の名誉授賞式を行うことに同意したことで、心変わりしたのだと。


ウィラ:そう、もしそれが本当であれば、あなたが以前に言及したように、インドの植民地時代に、英国王室が帝政尽くしのパフォーマンスをしたように、彼はこの瞬間の儀式的な側面について、かなり意図的に考えていたことを示唆しているわね。そして、まさに重要な点は、エルヴィスは、大統領との写真を公開することを嫌がったけど、マイケルは公開した。 実際、そういった視覚的なイメージを広めることが、彼にとって重要なポイントだったようね。 彼は、カメラにどうやって撮られるのか、これらの写真がどのように公開されるのかをよく知っていた。 彼は、特別大使のための勲章ではなく、力を表現するのは、そのイメージなのだと認識していた。


リシャ:それが正しいと思う。ホワイトハウスの式典は、それ自体がマイケル・ジャクソンに与えられた報酬だったけど、エルヴィスの場合はそうではなかった。大統領の日々のスケジュールを、細心の注意を払って撮影しているホワイトハウス専門の写真家がいなかったら、エルヴィス/ニクソンの写真は、保存されていない可能性もあった。大統領の瞬間が、いつ歴史的に重要になるかを事前に知ることは不可能なので、写真家は、ほぼすべてを記録している。 オバマ大統領は「ナショナルジオグラフィック」誌に、そういうことには慣れたと語っていたわね。事実、いつ何時でも、常に大統領は撮影されている。



National Geographic: The Obama White House Through The Lens [1/4]

(4:30~ ホワイトハウスの写真家ピート・スーザについての部分)






ウィラ:以前その映像を見て、オバマ大統領の言葉に衝撃を受けたわ。彼はこう言った。「絶え間なく観察されていることは、このオフィスを使用する誰にとっても、非常に難しいものがある」と。私はそれは本当のことだと思う。そして、「絶え間ない観察」は、マイケル・ジャクソンの成人期すべてで対処しなければならなかったもの。 しかし、レーガンやブッシュ大統領との会談のようなとき、彼は、伝えたいと思った劇的なイメージのために、何をすべきかを知っていた。


リシャ:私は、大統領が絶え間なく観察されていることは、マイケル・ジャクソンが社会へと踏み出す度に経験したことと非常によく似ていると思う。 ただ、私はマイケル・ジャクソンがこれを「gesamtkunstwerk」(*1)の一形態として、より大きな芸術作品となることを学んでいたと思うわ。


ウィラ:同感。彼が、有名人である自分を、新しいジャンルの芸術として考えていたことは間違いないと思う。 マイケル・ジャクソンが、ホワイトハウスを訪れたとき、あなたが以前に説明したような「一見すると軍の式典のような」舞台を意図的に設定していたこともね。だから、エルヴィスと、ニクソンの会談(特別任務の勲章を与えることで、力を示している)と、マイケルと、レーガン、ブッシュとの会談(マイケルの象徴的なイメージが世界に伝えられている)でのパワーの違いは興味深いわね。


大統領とミュージシャンの別の会合といえば・・・ニクソンがエルヴィスと会った2年後、彼はジェームズ・ブラウンとも会った。写真はエルヴィスの写真と非常によく似ている。 実際に、彼らは同じ場所に立って握手している。




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あらためて思うけど、パワーというものは、本当に面白いわよね。後々、レーガンの側近がマイケル・ジャクソンに連絡したのと同じように、ここでは、ニクソンの側近がジェームズ・ブラウンを捜して、彼に支持を求めている。






想像できることだけど、ジェームズ・ブラウンはこれによって厳しく批判された。でも、彼は、批判されればされるほどニクソンを支持するようになったのよね。


リシャ:エルヴィスのように、ジェームズ・ブラウンは本当にニクソンを尊敬し、彼にとっての重要な問題で、ニクソンの立場を高く評価した。 多くのアーティストがそうであるように、彼はニクソンの政治運動を助けるために、有名人としての文化的な影響力を使った。でも、それはマイケル・ジャクソンがやったこととは違う。


ウィラ:そう、マイケルが絶対にやらなかったことね。 彼は政治よりも芸術の方が強いと思っていて、複数の機会にそれを語り、彼は自分のアイデアや信念や感情を、自分の芸術を通して表現することを選んだ。


リシャ:そうね。それはかなり慎重だった。 それと、ジェームズ・ブラウンがこのインタビューで、党派性ではなく、同郷人を重視していたことも思い出された。 私は、彼がそれを表現しているところに好感をもったわ。


ウィラ:私も。


リシャ:私はまたもや、マイケル・ジャクソンが自分の哲学をどのように描いてきたかに感銘を受けた。 マイケルは、2回連続で共和党政権に表彰された後、次の民主党政権で再び重要な役割を果たし、ビル・クリントン大統領の就任演説ではパフォーマンスを行った。(*2)


ウィラ:そうね。それと、ジミー・カーターと会ったのは、彼が辞職した後だった。 事実、ジミー・カーターはネバーランドにも訪れている。 マイケル・ジャクソンとアメリカの大統領について、私たちは、次の記事でそれについてもっと話をします。


リシャ:まだ、続きます!


source : https://dancingwiththeelephant.wordpress.com/


訳者註__________


(*1)「理想的で普遍的な芸術作品や、包括的なアートワークを含む総合的な芸術形態に対して使われる美学用語。元はドイツ語だが、英語に受け入れられた。


(*2)1993年、クリントン大統領就任祝賀祭典でのパフォーマンス。マイケルはGone Too Soon」という歌の前に、血液製剤の輸血治療により13歳でエイズに感染し、学校から追放された後、エイズに関する広報活動に広く関わってきたライアン・ホワイトの死を悼み、エイズ患者への支援を訴えた。このときの動画は、次回のパート3で紹介します。



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by yomodalite | 2017-02-01 17:00 | ☆MJアカデミア | Trackback | Comments(0)

オリバー・ストーン監督の『スノーデン』を観にいった。

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日曜日、オリバー・ストーン監督の『スノーデン』を観にいった。


スノーデンの事件や、彼が告発したことについては知っていたけど、この映画では、リンゼイという彼女のことも描かれていて、事件後、彼女がスノーデンを追ってモスクワに渡っていたことに驚いた。


スノーデンは愛国者精神をもつ、ちょっと保守寄りなタイプ。でも、彼女のリンゼイはリベラルで、オバマ大統領誕生を喜び、写真やアートやダンスが大好き。共にアメリカを信じ、プーチンにも共産主義にも、シンパシーを感じることなどありえなかったふたりが、今はロシアで暮らしている。


アメリカでこの映画が公開になったのは、大統領選挙中。映画では、オバマ元大統領の責任についても触れられているけど、むしろ、オバマによって、ブッシュ時代よりもさらに大きくなってしまった大統領の権力をトランプに与えるなんて・・という不安が大きかったのだと思う。当時のストーン監督も反トランプだった。


それが、日本公開直前のインタビューで、「トランプ大統領もあながち悪くない」「トランプを良い方向にとらえよう」と語っているのは、トランプ大統領が、ここまでCIAの圧力に屈せず、就任後、その解体に着手している点がみられたからでしょう。


ストーン:「映画はスノーデン氏の証言に基づいてつくっています。彼が09年に横田基地内で勤務していた頃、スノーデン氏は、日本が米国の利益に背いて同盟国でなくなった場合に備えて、日本のインフラに悪意のあるソフトウェアを仕込んだ、とも述懐しています。これは戦争行為でしょう・・・

「ヒラリー・クリントン氏が勝っていれば危険だったと感じていました。彼女は本来の意味でのリベラルではないのです。米国による新世界秩序を欲し、そのためには他国の体制を変えるのがよいと信じていると思います。ロシアを敵視し、非常に攻撃的。彼女が大統領になっていたら世界中で戦争や爆撃が増え、軍事費の浪費に陥っていたでしょう。第3次大戦の可能性さえあったと考えます」

「そのリベラルと呼ばれてきた人たちが、ものすごい介入主義者と化しています。リベラルと言われるクリントン氏をみればわかります。民主党は中道右派となり、左派を真に代表していません」


→朝日新聞インタビュー


映画のスノーデンには、ストーン監督が考える「真のリベラル」の姿が投影されていると思う。そして、ちょっと意外なことに、これは、監督が考える「愛の映画」でもあるけど、ストーン監督が「本当のリベラル」ではないという、現在のリベラル女性に、果たしてこの「愛」が通じるだろうか。


スノーデンは自分が作ったシステムが、自分が想像もしなかったことに使われて疑問を感じ始めた。


日本で、民主的な選挙によって選ばれた民主党政権ができたと同時に、メディアから激しい批判にあい、叩き潰されたのが、2009年。スノーデンがスパイウェアを仕込んだ時期と、政権、メディア、大手企業がこれまでとは別次元で一体化した時期はちょうど重なっている。


原爆が生み出されたのは、ナチスの脅威だったはずなのに、すでに空爆で陥落寸前だった日本に落とされることになったように、テロリストと戦うために設計されたスパイソフトが、世界でもっともスムーズに使われているのも日本・・・ヨーロッパでは注目されたスノーデンの事件は、軍事を情報もすべてアメリカに牛耳られている日本では、特に話題になることもなく、過去3回廃案になった共謀罪も、もうすぐ制定されそうになっている。


彼らも、私たちも、「テロ防止のためならネット監視もやむを得ないのでは?」「悪いことしていないならネット監視されてもいいのでは?」という考えに強く反対をする理由はなく、米国では、主流派のリベラルが、私たちの味方である、オバマ大統領が、自分たちに不利になるような運用をするわけがない。という考えが上回った。


映画を観た当日、トランプ大統領が難民の受け入れを一時的に停止したことで、アメリカ各地の空港で大勢が入国を拒否され、反トランプの抗議活動が激しさを増したことがニュースになっていた。移民国家であるアメリカで、これに不安を感じている人が大勢いることが、とてもよくわかるニュースだった。


ストーン監督はどんな政権になろうとも変わることのない「軍産複合体」を敵だと感じているけど、現代のリベラルにとって、911から始まったイラク戦争への反省から支持を集めたヒラリーやオバマは、これまでの戦争とは違う、新たなリベラル十字軍であって、今までのものとは全く違う。ヒラリーや、オバマの失策を責めることは、ようやく退治した悪魔を蘇らせることになるのだと思っている。


ウーマンズ・マーチで、メディアで大きく取り上げられた人々と、イスラムの価値観はとてつもなく大きくかけ離れているし、イスラム教徒の国を破壊したアメリカが、イスラム教徒の権利を守るだなんて、本当に不思議な理論だけど、都市部を中心にした移民共同体にとって、Islam Ban(イスラム禁止)への反対は、強力なパワーをもつことでしょう。


「テロ防止のためならネット監視もやむを得ないのでは?」「悪いことしていないならネット監視されてもいいのでは?」という問いに反対することができなかったリベラルは、ストーン監督にとっては、「真のリベラル」ではなく、


ハリー・ポッターの作者で、トランプ批判を繰り返してきたJ.K.ローリングが言うような、


もしあなた方が単にその言動があなた方の気に障ったからというだけの理由で、あなた方の意見と反対の意見を持つ人の言論の自由を奪おうとするのなら、あなた方は既に全く同じ理由で他人を牢獄に入れ、拷問し殺すことを正当化するような専制的な暴君達と同じ側に立っているのです。・・・もし私の(トランプ氏の言動等によって生じた)不快感がトランプ氏の訪英を禁止にすることを正当化され得るのであれば、私にも(私の)フェミニズム、トランスジェンダーの人々の権利の為の戦いあるいは普通選挙によって不快な思いをしている人々に対して、あなた側は単に自分が不快な思いをしているというだけの理由でこれら(フェミニズムetc.)の主張を展開する運動家を抑圧してはなりませんと論ずる道徳的根拠は無いということになってしまいます。


という原則を重視する人がいない理由も、よくわかったような気がする。


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私には、メディア戦略によって、子供から、知識人やアーティストたちまで、ドイツを制圧したヒトラーと、巨大メディアから蛇蝎ように扱われているトランプが似ているようには思えず、どちらかといえば、カダフィや、アサドのような独裁者にみえるし、トランプ側にだけ、嘘ニュースがあったとも思わない。


選挙が終わっても、まだトランプ降ろしをあきらめず、トランプが失脚さえすれば、安泰だと思えるなんて、ユダヤ人がいなくなったら、ドイツ人はみんな幸せ。と同じじゃない?ナチだなんて「差別用語」を使うのは、すごくナチぽくない?って思ったけど、


そこには、スノーデンが悩んだ視点はまったく存在しない。


ヒラリーが言う「善」が負けたら、彼らが「ナチス」になってしまう。


負けた方が、「ナチス」になるのだ。


巨大メディアを味方にし、弱肉強食の世界で生き残った勝者たちに、声なき声を味方にしようとした独裁者が勝てるわけがないように思えてきた。


反トランプが勝利することで、世界の多様性も、日本文化が消えていく不安もより増したけど・・・






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by yomodalite | 2017-01-30 12:10 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(0)

ジョン・ピルジャー「問題はトランプではない。我々自身だ」

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[2.19追記修正]私の拙い和訳に、ご親切なアドバイスをくださった皆様に感謝します!
物理学者でありながら、文学、人種問題、政治といった様々な分野の著作をもつ藤永茂先生が、ジョン・ピルジャーが、2017年1月17日に発表した記事を紹介しておられました。


ジョン・ピルジャーは、1939年オーストラリア生まれ、ロンドン在住のジャーナリストで、ドキュメンタリー映画作家。50本以上のドキュメンタリーを制作し、戦争報道に対して英国でジャーナリストに贈られる最高の栄誉「ジャーナリスト・オブ・ザ・イヤー」を2度受賞、記録映画では、フランスの「国境なき記者団」賞、米国のエミー賞、英国のリチャード・ディンブルビー賞などを受賞。ベトナム、カンボジア、エジプト、インド、バングラデシュ、ビアフラなど世界各地の戦地に赴任し、過去記事は、デモクラシー・ナウやTUPなどのサイトにも多数掲載。2016年11月5日、エクアドル大使館で、ジュリアン・アサンジのインタビューも行っています。( John Pilger on twitter @johnpilger )

これは読まなくちゃと思って、あわてて訳してみたのですが、不備な点や、まちがいもあるかと思います。お気付きになった方は、どうか遠慮なくご指摘くださいませ。

THIS WEEK THE ISSUE IS NOT TRUMP. IT IS OURSELVES.
問題はトランプではない。我々自身だ

On the day President Trump is inaugurated, thousands of writers in the United States will express their indignation. "In order for us to heal and move forward...", say Writers Resist, "we wish to bypass direct political discourse, in favour of an inspired focus on the future, and how we, as writers, can be a unifying force for the protection of democracy."

トランプ大統領が就任する日、大勢の米国の作家たちが、彼らの義憤を表明するつもりだ。 「我々が傷を癒して、前進するためには…」と、「抵抗する作家(Writers Resist)」という団体は表明する。「我々は、直接的な政治的討論をするつもりではなく、未来に的確に焦点をあわせ、作家として民主主義を保護するために、ひとつのまとまった力になることを希望する。」

And: "We urge local organizers and speakers to avoid using the names of politicians or adopting 'anti' language as the focus for their Writers Resist event. It's important to ensure that nonprofit organizations, which are prohibited from political campaigning, will feel confident participating in and sponsoring these events."

そして、「イベントでは、地元の主催者や、スピーチを行う人間に政治家の名前を使用したり、『反』言語を採用することを避けるように訴える。非営利団体(政治的なキャンペーンを禁じられている)が、 これらのイベントに参加し、応援してもらえるようにすることが重要です」と。

Thus, real protest is to be avoided, for it is not tax exempt.

かくして、本当の抗議は回避される。それでは非課税にならないからだ。

Compare such drivel with the declarations of the Congress of American Writers, held at Carnegie Hall, New York, in 1935, and again two years later. They were electric events, with writers discussing how they could confront ominous events in Abyssinia, China and Spain. Telegrams from Thomas Mann, C Day Lewis, Upton Sinclair and Albert Einstein were read out, reflecting the fear that great power was now rampant and that it had become impossible to discuss art and literature without politics or, indeed, direct political action.

そのような戯言と、1935年に、ニューヨークのカーネギーホールで開催され、その2年後の1937年にも行われた、アメリカの作家たちの抗議運動とを比較する。それらの電撃的なイベントでは、作家たちは、アビシニア、中国、スペインの不吉な出来事にどう対処できるかが話し合われた。 トーマス・マン、セシル・デイ・ルイス、アプトン・シンクレア、アルバート・アインシュタインから届いた電報が読み上げられ、大きな力が蔓延している今、政治や政治的な行動をせずに、芸術や文学について議論することが不可能になったことが反映されていた。

"A writer," the journalist Martha Gellhorn told the second congress, "must be a man of action now... A man who has given a year of his life to steel strikes, or to the unemployed, or to the problems of racial prejudice, has not lost or wasted time. He is a man who has known where he belonged. If you should survive such action, what you have to say about it afterwards is the truth, is necessary and real, and it will last."

作家というものは、行動する人間であると、1908年生まれの戦争ジャーナリスト、マーサ・ゲルホーンは次のように語った。「今、作家は行動家でなければならない・・・人生の中の1年を、鉄工労働者のストライキや、失業者、人種問題に捧げても、失敗にはならない。自分の居場所を知り、そこでの経験から言わなければならないことがあるなら、それは、真実であり、必要であり、本物であり、持続するものなのです」

Her words echo across the unction and violence of the Obama era and the silence of those who colluded with his deceptions.

彼女の言葉は、オバマ時代の偽りの感動や暴力、彼の欺瞞に共謀した人々の沈黙に響き渡るものだ。

That the menace of rapacious power - rampant long before the rise of Trump - has been accepted by writers, many of them privileged and celebrated, and by those who guard the gates of literary criticism, and culture, including popular culture, is uncontroversial. Not for them the impossibility of writing and promoting literature bereft of politics. Not for them the responsibility to speak out, regardless of who occupies the White House.

そういった強欲な力の脅威は、トランプが誕生するずっと前から激烈だったが、多くは特権階級である高名な作家や、文芸批評の門番を称する人々によって受け入れられ、文化は、大衆文化も含め、喧々諤諤の議論の場所ではなくなった。彼らにとっては、政治を奪われた文学を書いたり、奨励することはできないことではないし、誰がホワイトハウスを占有しようとお構いなしで、公然と意見をのべる義務もない。

Today, false symbolism is all. "Identity" is all. In 2016, Hillary Clinton stigmatised millions of voters as "a basket of deplorables, racist, sexist, homophobic, xenophobic, Islamaphobic - you name it". Her abuse was handed out at an LGBT rally as part of her cynical campaign to win over minorities by abusing a white mostly working-class majority. Divide and rule, this is called; or identity politics in which race and gender conceal class, and allow the waging of class war. Trump understood this.

今日、ニセモノの象徴主義はすべてに及んでいる。「アイデンティティ」がすべてなのだ。 ヒラリー・クリントンは2016年に、何百万人もの有権者を、「嘆かわしい人々、人種差別主義者、女性蔑視、同性愛者嫌い、外国人恐怖症、イスラム恐怖症・・その他諸々」と言って貶めた。LGBT集会において、マイノリティの支持を得るための冷笑的なキャンペーンとして、主に労働者階級の白人マジョリティをこき下ろしたのだ。これは分割して支配する、と呼ばれる手法。人種とジェンダーが、社会の階級を隠し、階級間の戦争を誘発する「アイデンティティ政治」というものだ。トランプはこれを理解した。

"When the truth is replaced by silence," said the Soviet dissident poet Yevtushenko, "the silence is a lie."

「真実が沈黙に変わるとき、沈黙は嘘だ」ソ連の反体制派詩人エフトゥシェンコは言った。「沈黙は嘘だ」と。

This is not an American phenomenon. A few years ago, Terry Eagleton, then professor of English literature at Manchester University, reckoned that "for the first time in two centuries, there is no eminent British poet, playwright or novelist prepared to question the foundations of the western way of life".

これはアメリカだけの現象ではない。数年前、マンチェスター大学文学部教授であったテリー・イーグルトン氏は、「過去2世紀ではじめて、英国の著名な詩人、劇作家や小説家の誰一人として、西洋の生活様式の基盤に疑問を抱いていない」と。

No Shelley speaks for the poor, no Blake for utopian dreams, no Byron damns the corruption of the ruling class, no Thomas Carlyle and John Ruskin reveal the moral disaster of capitalism. William Morris, Oscar Wilde, HG Wells, George Bernard Shaw have no equivalents today. Harold Pinter was the last to raise his voice. Among today's insistent voices of consumer-feminism, none echoes Virginia Woolf, who described "the arts of dominating other people... of ruling, of killing, of acquiring land and capital".

貧しい人々のために語ったシェリーはいない。ユートピアの夢を語ったブレイクも、支配階級の腐敗を非難したバイロンも、資本主義のモラルのなさを明らかにしたトーマス・カーライルと、ジョン・ラスキンも、いない。今日、ウィリアム・モリス、オスカー・ワイルド、HGウェルズ、ジョージ・バーナード・ショウと同列に語れる者などどこにもなく、ハロルド・ピンターが声をあげたのが、その最後だった。 今日、“商業向けのフェミニズム” の執拗な声の中で、ヴァージニア・ウルフが書いた「他人を支配する芸術・・・支配し、殺し、土地やお金を獲得する」には何の反響もない。

There is something both venal and profoundly stupid about famous writers as they venture outside their cosseted world and embrace an "issue". Across the Review section of the Guardian on 10 December was a dreamy picture of Barack Obama looking up to the heavens and the words, "Amazing Grace" and "Farewell the Chief".

12月10日のガーディアン誌の批評コーナーには、バラク・オバマが、天を見上げるような写真に、「アメージング・グレイス」と「チーフよ、さようなら」という文章がまたがっていた。

The sycophancy ran like a polluted babbling brook through page after page. "He was a vulnerable figure in many ways ... But the grace. The all-encompassing grace: in manner and form, in argument and intellect, with humour and cool ... [He] is a blazing tribute to what has been, and what can be again ... He seems ready to keep fighting, and remains a formidable champion to have on our side ... ... The grace ... the almost surreal levels of grace ..."

そのへつらいは、汚染された小川のように後のページにも渡っていて、「彼は多くの点で脆弱な人だった・・が、人を惹きつける優雅さと、すべてを包み込むような愛嬌があった。(しぐさや方法、議論と知性、ユーモアがあり、クールで・・)彼がしてきたこと、そして、再びそういうことができるのだろうか・・彼は戦い続ける準備ができているように見え、私たちの側の王座は、まだ遺されているように見えます・・・その魅力は・・超現実的なレベルの恵み・・・」

I have conflated these quotes. There are others even more hagiographic and bereft of mitigation. The Guardian's chief apologist for Obama, Gary Younge, has always been careful to mitigate, to say that his hero "could have done more": oh, but there were the "calm, measured and consensual solutions..."

これは、いくつかの引用をまとめたものだが、それらは聖人伝以上に美化され、抑制を欠いたものだった。ガーディアン誌のオバマ擁護の代表格であるゲイリー・ヤングは、彼のヒーローを常に気遣い、慎重にこう言った、「もっと多くのことができたのだ」。ああ、しかしながら、そこには、「穏健で、熟慮の上の、合意に基づく解決が・・・」

None of them, however, could surpass the American writer, Ta-Nehisi Coates, the recipient of a "genius" grant worth $625,000 from a liberal foundation. In an interminable essay for The Atlanticentitled, "My President Was Black", Coates brought new meaning to prostration. The final "chapter", entitled "When You Left, You Took All of Me With You", a line from a Marvin Gaye song, describes seeing the Obamas "rising out of the limo, rising up from fear, smiling, waving, defying despair, defying history, defying gravity". The Ascension, no less.

しかし、彼らの誰も、アメリカのジャーナリスト、タネヒシ・コーツ(ピュリッツアー賞ノンフィクション部門ノミネート)を凌駕することはできない。彼は、リベラル財団から、625,000ドルの "天才”助成金を受け取って、「The Atlantic」誌に、「私の大統領は黒人だった」というエッセイを書いた。コーツが屈服したことは新たな意味をもたらした。マーヴィン・ゲイの曲の一行「あなたが去ったとき、私のすべてを連れていってしまった」と題された最終章では、「リムジンから降りたあなたは、恐れから立ち上がり、微笑み、手を振って、絶望に逆らい、歴史を乗り越え、重力に逆らう」まるで、キリストの昇天と同じレベルだ。

One of the persistent strands in American political life is a cultish extremism that approaches fascism. This was given expression and reinforced during the two terms of Barack Obama. "I believe in American exceptionalism with every fibre of my being," said Obama, who expanded America's favourite military pastime, bombing, and death squads ("special operations") as no other president has done since the Cold War.

アメリカの政治における永続的な鎖のひとつは、ファシズムに近づく宗教的過激主義だ。 これは表現することを与えられており、2期に渡るオバマ大統領時代に強化された。 「私は、自分の存在のすべてにおいて、アメリカの例外主義を信じている」とオバマは言い、冷戦後、他の大統領が行っていない、アメリカお気に入りの軍事的娯楽や、爆撃、暗殺部隊(「特殊作戦」)を実行した。

According to a Council on Foreign Relations survey, in 2016 alone Obama dropped 26,171 bombs. That is 72 bombs every day. He bombed the poorest people on earth, in Afghanistan, Libya, Yemen, Somalia, Syria, Iraq, Pakistan.

外交評議会の調査によれば、2016年だけで、オバマは26,171個の爆弾を落とした。 それは、毎日72個の爆弾が落とされたということだ。 彼は、アフガニスタン、リビア、イエメン、ソマリア、シリア、イラク、パキスタンといった、地球上で最も貧しい人々を爆撃した。

Every Tuesday - reported the New York Times - he personally selected those who would be murdered by mostly hellfire missiles fired from drones. Weddings, funerals, shepherds were attacked, along with those attempting to collect the body parts festooning the "terrorist target". A leading Republican senator, Lindsey Graham, estimated, approvingly, that Obama's drones killed 4,700 people. "Sometimes you hit innocent people and I hate that," he said, but we've taken out some very senior members of Al Qaeda."

ニューヨークタイムズ紙によれば、毎週火曜日、彼は、無人機に搭載されるミサイル「ヘルファイア」で殺される人々のほとんどを、自分で選んだ。 "テロリストの標的”とされる身体パーツを集めようとする人々とともに、結婚式や、お葬式に出かける人や、羊飼いも攻撃した。共和党の上院議員、リンゼイ・グラハムは、オバマが放った「ヘルファイア」は、4,700人を殺したと推定している。彼は、 「時には罪のない人を攻撃することになり、それは私もよくないと思う。だが、それでアルカイーダの上級メンバーをやっつけることもできた」と語った。

Like the fascism of the 1930s, big lies are delivered with the precision of a metronome: thanks to an omnipresent media whose description now fits that of the Nuremberg prosecutor: "Before each major aggression, with some few exceptions based on expediency, they initiated a press campaign calculated to weaken their victims and to prepare the German people psychologically... In the propaganda system... it was the daily press and the radio that were the most important weapons.

1930年代のファシズムのように、巨大な嘘はメトロノームの正確さで届けられる。今や世界中に、ニュルンベルク裁判の検察官の描写にぴったり当てはまるメディアがいるおかげだ。検察官はこう描写した。「それぞれの重大な攻撃の前、便宜上のわずかな例外を除けば、彼らは犠牲者を無力にし、ドイツ人を心理的に準備させるために計算された報道キャンペーンを開始した。…プロパガンダのもっとも重要な武器は、毎日の新聞と、ラジオだった」

Take the catastrophe in Libya. In 2011, Obama said Libyan president Muammar Gaddafi was planning "genocide" against his own people. "We knew... that if we waited one more day, Benghazi, a city the size of Charlotte, could suffer a massacre that would have reverberated across the region and stained the conscience of the world."

ここで、2011年のリビアの大惨事を取上げよう。オバマは、リビアのカダフィ大統領が、自らの民衆に対する「大虐殺」を計画していると述べた。「私たちが、あと一日待っていたら・・・ベンガジは、シャーロット(ノースカロライナ州の都市)ぐらいの大きさの都市ですが、中東地域を震撼させ、地球全体の良心が汚されるほどの大虐殺を被った」と。

This was the known lie of Islamist militias facing defeat by Libyan government forces. It became the media story; and Nato - led by Obama and Hillary Clinton - launched 9,700 "strike sorties" against Libya, of which more than a third were aimed at civilian targets. Uranium warheads were used; the cities of Misurata and Sirte were carpet-bombed. The Red Cross identified mass graves, and Unicef reported that "most [of the children killed] were under the age of ten".

これは、リビア政府軍による敗北に直面していたイスラム原理主義者の嘘だったが、メディアストーリーとなり、オバマとヒラリー・クリントンが率いるNATOは、リビアに対して、9,700回の「ピンポイント爆撃」を開始したが、そのうちの3分の1以上が民間の施設だった。劣化ウラン弾によって、ミスラタや、シルテの都市は絨毯爆撃され、赤十字は、そこに集団墓所があったことを特定し、ユニセフは「殺された子供たちのほとんどが10歳未満だった」と報告した。

Under Obama, the US has extended secret "special forces" operations to 138 countries, or 70 per cent of the world's population. The first African-American president launched what amounted to a full-scale invasion of Africa. Reminiscent of the Scramble for Africa in the late 19th century, the US African Command (Africom) has built a network of supplicants among collaborative African regimes eager for American bribes and armaments. Africom's "soldier to soldier" doctrine embeds US officers at every level of command from general to warrant officer. Only pith helmets are missing.

オバマ政権下の米国では、138カ国、すなわち世界人口の70%に秘密の「特殊部隊」作戦を展開している。 最初のアフリカ系アメリカ人の大統領は、アフリカの全面的な侵略に相当するものを発表した。 19世紀後半のアフリカ戦争を思い起こさせるアメリカのアフリカ司令部(アメリカアフリカ軍「Africom」)は、アフリカ共同体の中に、アメリカの賄賂と武器を熱望する嘆願者のネットワークを構築した。アメリカアフリカ軍の「兵士から兵士へ」という教条は、将軍から、各種専門家まで、あらゆるレベルの命令が、米国から下ることを示している。かつての「植民地軍」と違うのは、サファリ帽をかぶる者がいないぐらいだ。

It is as if Africa's proud history of liberation, from Patrice Lumumba to Nelson Mandela, is consigned to oblivion by a new master's black colonial elite whose "historic mission", warned Frantz Fanon half a century ago, is the promotion of "a capitalism rampant though camouflaged".

コンゴの独立指導者パトリス・ルムンバ大統領から、南アフリカのアパルトヘイト運動に身を投じたネルソン・マンデラ大統領にいたる、アフリカの誇るべき解放の歴史は、新たな支配者による黒人植民地のエリートたちによって忘れ去られたようだが、支配者たちの歴史的ミッションは、半世紀前、アルジェリア独立運動で指導的役割を果たした黒人思想家のフランツ・ファノンが警告したように、「カモフラージュされた激烈な資本主義」を推し進めることだ。

It was Obama who, in 2011, announced what became known as the "pivot to Asia", in which almost two-thirds of US naval forces would be transferred to the Asia-Pacific to "confront China", in the words of his Defence Secretary. There was no threat from China; the entire enterprise was unnecessary. It was an extreme provocation to keep the Pentagon and its demented brass happy.

2011年、オバマ大統領は、「アジアへの中心軸移動」を発表。米国海軍のほぼ3分の2をアジア太平洋に移動する。国防長官の言葉によれば、「中国と対決する」のだと。しかし、中国からの脅威はなく、計画全体が不必要なものだった。 それはペンタゴンとその狂った高級将校たちを喜ばせるためだけの、極端な挑発だったのだ。

In 2014, Obama's administration oversaw and paid for a fascist-led coup in Ukraine against the democratically-elected government, threatening Russia in the western borderland through which Hitler invaded the Soviet Union, with a loss of 27 million lives. It was Obama who placed missiles in Eastern Europe aimed at Russia, and it was the winner of the Nobel Peace Prize who increased spending on nuclear warheads to a level higher than that of any administration since the cold war - having promised, in an emotional speech in Prague, to "help rid the world of nuclear weapons".

2014年のオバマ政権は、ウクライナで民主的に選ばれた政権に対する、ファシスト主導のクーデターを監督し、資金を出したが、これは、ヒトラーが、2700万人の命を犠牲にしながらソ連を侵略しようとしたときと同じく、ロシアの西側の国境を脅かすやり方だ。東欧で、ミサイルをロシアに向けたのはオバマだったのだ。そしてこのノーベル平和賞の受賞者は、冷戦後のいかなる政権よりも核弾頭への支出を増加させ、プラハでは、「世界から、核兵器を取り除く」と、感動的な言葉で約束しながら、それを果たすことはなかった。

Obama, the constitutional lawyer, prosecuted more whistleblowers than any other president in history, even though the US constitution protects them. He declared Chelsea Manning guilty before the end of a trial that was a travesty. He has refused to pardon Manning who has suffered years of inhumane treatment which the UN says amounts to torture. He has pursued an entirely bogus case against Julian Assange. He promised to close the Guantanamo concentration camp and didn't.

オバマは憲法学者でもあるはずだが、米国憲法によって守られているはずの内部通報者を、過去のどの大統領よりも多く起訴している。 彼は、裁判の終了よりも早くチェルシー・マニングに有罪判決を言い渡し、何年も非人道的な扱いを受けているマニングを赦免することも拒否した。 彼はジュリアン・アサンジに対しても、完全に嘘の事件を追求し、グアンタナモ強制収容所を閉鎖すると約束したが、そうしなかった。

Following the public relations disaster of George W. Bush, Obama, the smooth operator from Chicago via Harvard, was enlisted to restore what he calls "leadership" throughout the world. The Nobel Prize committee's decision was part of this: the kind of cloying reverse racism that beatified the man for no reason other than he was attractive to liberal sensibilities and, of course, American power, if not to the children he kills in impoverished, mostly Muslim countries.

ひどいイメージ戦略を続けたブッシュ大統領のあと、ハーバードを卒業してシカゴを拠点に出てきた、口の上手いオバマは、彼が言うところの、世界に対する「リーダーシップ」を回復するべく任命された。ノーベル賞委員会の決定は、この筋書きの一部であり、うんざりするような人種差別の裏返しだが、オバマはこれによって美化された。理由は他でもない、彼がリベラルの感性にとって魅力的だったからであり、アメリカの権力にとっては言うまでもない。貧しく、ほとんどがイスラム教の国々で、彼に殺される子供たち以外には、魅力的だったのだ。

This is the Call of Obama. It is not unlike a dog whistle: inaudible to most, irresistible to the besotted and boneheaded, especially "liberal brains pickled in the formaldehyde of identity politics," as Luciana Bohne put it. "When Obama walks into a room," gushed George Clooney, "you want to follow him somewhere, anywhere."

オバマの魅力は、犬笛とたいして変わらない。ほとんどの人が聞くことができないけど、ぼーっとしているものと、マヌケなものには堪らない響きなのだ。特に、Luciana Bohneが言うところの「アイデンティティ政治のホルマリンにどっぷり浸かったリベラル頭」を持った人間にとっては。ジョージ・クルーニーはこう熱弁している。「オバマが部屋に入ってくるだろ。そうすると、彼についてどこへでも行きたくなるんだ」

William I. Robinson, professor at the University of California, and one of an uncontaminated group of American strategic thinkers who have retained their independence during the years of intellectual dog-whistling since 9/11, wrote this last week:

カリフォルニア大学のウィリアム・ロビンソン教授(9.11以来、学問的自立を維持してきた米国の戦略的思想家)は、先週、

"President Barack Obama... may have done more than anyone to assure [Donald] Trump's victory. While Trump's election has triggered a rapid expansion of fascist currents in US civil society, a fascist outcome for the political system is far from inevitable.... But that fight back requires clarity as to how we got to such a dangerous precipice. The seeds of 21st century fascism were planted, fertilized and watered by the Obama administration and the politically bankrupt liberal elite."

「オバマ大統領が、他の誰にも増して、トランプの勝利を確実にしたのかもしれない。トランプの当選は、米国市民社会にファシズムの流れを急拡大させたが、政治システムへのファシストの成果は、回避不能というにはほど遠い・・しかし、反撃するには、我々がどれほど危険な領域に立っていたかを明らかにする必要がある。21世紀のファシズムに種子をまき、受粉して、水やりしたのは、オバマ政権と政治的に無能なリベラル・エリートたちだ」と述べた。

Robinson points out that "whether in its 20th or its emerging 21st century variants, fascism is, above all, a response to deep structural crises of capitalism, such as that of the 1930s and the one that began with the financial meltdown in 2008... There is a near-straight line here from Obama to Trump... The liberal elite's refusal to challenge the rapaciousness of transnational capital and its brand of identity politics served to eclipse the language of the working and popular classes... pushing white workers into an 'identity' of white nationalism and helping the neo-fascists to organise them".

ロビンソン教授は、「20世紀、また21世紀の変形であるかどうかに関わらず、ファシズムは、資本主義の深い構造的危機(特に1930年代と、2008年の金融メルトダウンから始まった)への対応である。 それは、オバマからトランプまで、ほぼ一直線に・・。リベラル・エリートが、強欲な国際資本に反抗することを拒否したせいで、彼らのアイデンティティ政治は、労働者階級と大衆の言葉を失墜させ・・白人労働者を白人ナショナリズムという「アイデンティティ」に追いやり、ネオファシストたちが、彼らを組織化するのを助けた」と。

The seedbed is Obama's Weimar Republic, a landscape of endemic poverty, militarised police and barbaric prisons: the consequence of a "market" extremism which, under his presidency, prompted the transfer of $14 trillion in public money to criminal enterprises in Wall Street.

オバマのワイマール共和国こそが、ファシズムの温床なのだ。根強い貧困と、軍事警察や、野蛮な刑務所を生み出したのは、彼の在任中に、ウォール街の犯罪企業に14億ドルの公的資金を投入させることになった市場原理主義の結果なのだ。

Perhaps his greatest "legacy" is the co-option and disorientation of any real opposition. Bernie Sanders' specious "revolution" does not apply. Propaganda is his triumph.

おそらく、彼の最も大きな「遺産」は、あらゆる反論への方向感覚を喪失させ、乗っ取りに成功したことだろう。バーニー・サンダースの見かけ倒しの「革命」は、これにはあてはまらない。プロパガンダに勝利したのは、オバマなのだ。

The lies about Russia - in whose elections the US has openly intervened - have made the world's most self-important journalists laughing stocks. In the country with constitutionally the freest press in the world, free journalism now exists only in its honourable exceptions.

ロシアに関する嘘(米国は公然と選挙に介入している)では、世界で最も尊大なジャーナリストたちが物笑いの種になった。 合衆国憲法修正第一条(表現の自由)をもつ、世界でもっとも自由を許された報道機関を持っているはずの国で、自由なジャーナリズムは、その名誉ある例外としてのみ存在している。

The obsession with Trump is a cover for many of those calling themselves "left/liberal", as if to claim political decency. They are not "left", neither are they especially "liberal". Much of America's aggression towards the rest of humanity has come from so-called liberal Democratic administrations - such as Obama's. America's political spectrum extends from the mythical centre to the lunar right. The "left" are homeless renegades Martha Gellhorn described as "a rare and wholly admirable fraternity". She excluded those who confuse politics with a fixation on their navels.

政治的常識を要求するかのような、トランプへの強迫観念は、自分自身を「左派/自由主義的」と呼んでいる多くの人々のための口実だ。 彼らは「左派」でもなければ、とりわけ、「自由主義」というわけでもない。 残りの人類に対しての、アメリカの攻撃の多くは、いわゆるリベラルと呼ばれる、民主党政権からのものだ。例えば、オバマ時代のアメリカ政治のスペクトラムは、お花畑の中道路線から、狂信的な右翼まで様々だが、本当の「左派」とは、マーサ・ゲルホーン(20世紀最大の戦争特派員のひとり)が「ごく稀な、立派な同胞愛を持つ者たち」と評した、無宿の反逆者(政党に属さない者)たちのことだ。彼女は、自分のみに固執するようなことを政治と混同するような連中を「左派」とは考えないのだ。

While they "heal" and "move forward", will the Writers Resist campaigners and other anti-Trumpists reflect upon this? More to the point: when will a genuine movement of opposition arise? Angry, eloquent, all-for-one-and-one-for all. Until real politics return to people's lives, the enemy is not Trump, it is ourselves.

しかるに、癒しだの前進するだのとやっている、「抵抗する作家」の運動や、その他の反トランプ派は、こういったことを反省するだろうか? さらに重要な点、本当の異議申し立ての動きは、いつ起きるのか? 一人はみんなのために みんなは一人のために、という怒りと、雄弁に満ちた、人を動かす言葉は。本当の政治が、人々の生活に戻るまで、敵はトランプではない。それは自分自身なのだ。

(和訳は、随時修正する可能性があります。また、誤訳に気づかれた方はぜひお知らせください)



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by yomodalite | 2017-01-22 16:20 | 政治・外交 | Trackback | Comments(30)

トランプの勝利宣言を聞いてから、『淵に立つ』を観に行った。

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昨日は朝からCNNに釘付けの1日だった。できるだけ日本のニュースを避けている私も、このところCSで海外ニュースだけは結構見ていたんだけど、CNNをこんなに長い時間見たのは久しぶり。

そこでは毎日、トランプだけでなく、その支持者に対しても、本当に耳を塞ぎたくなるぐらい酷い差別的な会話がなされていて、そんな人々が、トランプ氏を超差別主義者だと言っていることに、ショックを通り越して怖くなり、CNNほどヒステリックでないBBCを見るようにして、トランプ支持者の情報はSNSで探すようにしていた。

でも、その日、事前予想とまったく異なる結果が次々に開票されていくCNNを見ているのは面白かった。きっと最終的にトランプに投票した人も、彼を支持しているというよりは、同じような気分の人が多かったと思う。トランプを嘘つきだという彼らの言葉にも嘘が多すぎたから。

情勢が判明する昼頃までって思ってたけど、トランプ当確が決まったら、今度は勝利宣言までどうしても見たくなって、午後の予定をキャンセルしてまでテレビを見ていた。

次期副大統領のペンス氏の奥さんの顔とか、午前3時頃に必死に眠気を抑えている、孫にしか見えないトランプ氏の息子の姿とか、全部ダーリンにも見せたかったので同時録画しながら、夜に観に行きたい映画があったので、早めに夕食の準備をした。

大阪の映画館では週末前に終わってしまうこの映画を、慌てて見に行ったのは、信頼するヴィヴィアン佐藤氏が絶賛している映画評を見たから。


最近の日本映画のような華やかな映像は全然なくて、平凡な家庭と、どこにでもあるような風景しか映らなくて、妻と子供がクリスチャンだということだけが少し違う・・

そんな風に思って地味な映像を見ていると、まったく予想の出来ない展開がエンディングまでずっと続く。でも、そのすべてが映画のストーリーのためではない、そんな映画。

今、もっとも見なければならないとは思わなかったし、見てよかったとも言えないけど、本当にオススメしたくない映画だとは思った。

こんな映画は今のアメリカにはないなぁとも思った。アメリカ映画で、田舎で暮らす普通の労働者を人間ドラマとして描かなくなったのはいつ頃からだろう。

トランプ勝利によって、反対派のデモが全国で拡大しているというニュースが大々的に報道されるのは、それが都会で行われているから。ここまでトランプの集会に大勢集まっていた人を無視していたのに、都会で行われていることはすぐに「全米」になる。

マイケルが子供に、誰も信じるな。良い考えだと思っても、自分で良く調べろ。というのを、私も一生懸命守ろうとしているんだけど、真実も、事実も、調べるのは本当に大変だと思う毎日・・・

アーティストが、自分と同じ言葉を政治家に求めることの愚かさよりは、相手によって言うことを変えられる人の方が、政治家として、大勢の人のためになるというか、公平感があるかもね。



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by yomodalite | 2016-11-10 14:45 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(4)

下品で卑猥な言葉で人は死なない

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1990年代以降、黒人スラム街から起こったギャングスタラップでは、「女はヤるだけの存在」といったような下品で猥褻な言葉があたりまえのように使われているけど、ヒップホップ産業がビッグビジネスに成長したのは、スラム街に住む黒人だけではなく、そこに自由や欲望のはけ口を感じた白人がいたから。


そうして、スラムからはたくさんの大スターが生まれたけど、それ以外の何人もの黒人が、社会秩序を守る警察官によって、言葉を発するよりも前に射殺されている。


多くのハリウッドスターが難民救済に声をあげ、何人もの子供を養子に迎えている人も少なくないけど、難民が生まれる原因を作る他国への政治介入や、空爆の実行には見て見ぬ振り。というか、彼らは、無垢の民を虐殺しているアサド政権から、アメリカに逃れられて良かったのだと本当に信じているのだろうか。


アサドが使用したという大量破壊兵器を攻撃するために、あれだけ多くの罪のない子供たちが犠牲になっても、生き残った人たちに、アメリカで暮らす方が素晴らしく、人権が守られている正しい社会なんだと教えられると思っているんだろうか。


上品で、善意に満ちた、人を傷つける言葉に敏感な人々が、どれだけ多くの人から仕事を奪い、大勢の命さえ奪っているか・・


わざわざ奥から引っ張り出して喚いたりせず、

下品で卑猥な言葉には、眉をひそめればいいのでは?

できたら笑いにもして欲しいけど、


それが出来なくたって、下品で卑猥な言葉で人は死なないと思う。




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by yomodalite | 2016-10-10 00:00 | 日常と写真 | Trackback | Comments(0)

ヒラリー・クリントン指名受諾演説(英語+日本語+動画)





10.14追加リンク:米同盟国の「カタールとサウジアラビアがひそかにISを支援している」と述べるヒラリー・クリントン氏のメールをウィキリークスが暴露! APがディベートの事実関係を意図的に「誤報」!?


前回の「トランプ氏の演説」に続いて、クリントン氏の演説も。

ビル・クリントン大統領時代に、女性初の国務大臣に就任した、マデリーン・オルブライトは、1996年、60 Minutesに出演し、レスリー・ストールから対イラク経済制裁について、

これまでに50万人の子どもが死んだと聞いている、ヒロシマより多いと言われる。犠牲を払う価値がある行為なのか?

と問われた際「大変難しい選択だと私は思いますが、でも、その代償、思うに、それだけの値打ちはあるのです」と答えました。

オルブライトのこの発言を腹に据えかねた国連の経済制裁担当要員の3名(デニス・ハリデイ、ハンス・フォン・スポネック、ジュッタ・バーガート)は辞任し、このうちハリデイ氏は「私はこれまで(対イラク経済制裁について)“ジェノサイド”という言葉を使ってきた。何故なら、これはイラクの人々を殺戮することを意識的に目指した政策だからだ。私にはこれ以外の見方が出来ないのだ」とコメントを残しています。( → Wikipedia「マデレーン・オルブライト」)

そして、そこから犠牲者は増える一方で、女性の権利を掲げ、女性初という名で、米国で力を得てきた女性たちが、オルブライトに続けとばかり、世界に対してはほぼ全員、「好戦的」で、「人種差別的」で、「宗教差別的」でありながら、自国において、黒人や移民など様々なマイノリティを支援する側であると受け止められているというのは皮肉なことです。

当時の大統領選挙でヒラリーと戦ったオバマ大統領も、オルブライトと考えを同じくする好戦的なヒラリーを批判し、勝利したものの、結局、副大統領に選ばざるを得なかったのは軍産複合体の圧力だったのでしょうか。

バイデンが出馬できなかったのも、ヒラリーがサンダースを副大統領に選ぶことなく、サンダーズがヒラリーと手を組んだのも、それと同じ理由のように思えるのですが、現在の大統領選でトランプがここまで勢いを失わずにいられるのも、大衆の支持だけでなく、ISISをコントロール出来なくなったグローバリスト陣営でさえ2つに割れているせいなのか。疲弊した考え方かもしれませんが、私が少しだけ希望を見出せるのはそれぐらいです。

でも、安倍政権で、次期首相の名に度々稲田朋美氏の名前が挙げられ、水面下で、小池氏の都知事出馬の準備が進められ、実際には人気のない蓮舫を野党の党首へと押し上げたのも、ヒラリー大統領を既定路線とする軍事産業と密接に関わっているジャパン・ハンドの力のように私には思えてならず、日本管理などという職についている彼らには、この遅れた国ではブッシュ時代と同じ戦略で十分だというように、日本政治のすべてが彼らの戦略のみで判断されてきましたが、それが、あらゆる面で日本の力を削ぐことになり、経済的にも軍事的にもパートナーとしての力を弱めている。

そんなことももはや多くの人の目に明らかでありながら、彼らが自分の責任を認めることはなく、オバマは彼らと距離をおきたいように見えましたが、ヒラリーは彼らを延命させるのではないでしょうか。

平和や環境破壊や障害など、あらゆるマイノリティを支援する側には、知的障害者に優しくするのと同じように、有権者や総理がバカだと言うことを禁じてほしいと、ずっと願っていますが、残念ながら、彼らが「ネトウヨ」だとバカにしている勢力と同じように、誰かをバカにすることの方が好きだとしか思えない人ばかり・・・

どんな素晴らしい考えであっても、異なる意見に耳を貸せないという「場」からは、知性も神も消え去っていくもののように思えてならないのですが、

とりあえず、英語の勉強のためにヒラリーの候補受諾演説をメモしておきます。


◎NHK News Web クリントン氏の受諾演説(日本語訳)


Thank you. Thank you so much. Thank you. Thank you all so much. Thank you. Thank you. Thank you all very, very much. Thank you for that amazing welcome. Thank you all for the great convention that we’ve had.

ありがとうございます。本当にありがとうございます。ありがとうございます。皆さん、本当にありがとうございます。ありがとうございます。ありがとうございます。本当に、本当にありがとうございます。すばらしい歓迎をありがとうございます。皆さん、こんなすばらしい党大会を開いてくださりありがとうございます。

And, Chelsea, thank you. I am so proud to be your mother and so proud of the woman you’ve become. Thank you for bringing Marc into our family and Charlotte and Aidan into the world.

そして、チェルシー、ありがとう。私はあなたの母親であること、そして、あなたがこんなにすばらしい女性に育ってくれたことを本当に誇りに思います。マークを私たちの家族に招き入れてくれて、そして、シャーロットとエイダンを生んでくれてありがとう。

And, Bill, that conversation we started in the law library 45 years ago, it is still going strong. You know, that conversation has lasted through good times that filled us with joy and hard times that tested us. And I’ve even gotten a few words in along the way. On Tuesday night, I was so happy to see that my explainer-in-chief is still on the job. I’m also grateful to the rest of my family and to the friends of a lifetime.

そして、ビル、45年前に法律図書館で私たちが始めたあの会話は、まだ元気に続いています。あの会話は私たちが喜びで包まれたよい時期も、私たちが試練にさらされたつらい時期も、ずっと続いてきました。私が途中で口を挟むこともありました。火曜日の夜には私の「最高責任説明者」の健在ぶりを見ることができて本当にうれしかったです。私は家族のほかのメンバーや生涯の友人たちにも感謝しています。

For all of you whose hard work brought us here tonight and to those of you who joined this campaign this week, thank you. What a remarkable week it’s been. We heard the man from Hope, Bill Clinton; and the man of hope, Barack Obama. America is stronger because of President Obama’s leadership, and I am better because of his friendship.

大変な努力をして、今夜、私たちがここに立つことを可能にしてくれた皆さん、そして、今週、この選挙戦に参加してくれた皆さん、ありがとうございます。なんてすばらしい1週間だったのでしょう。私たちは希望という場所から来た男、ビル・クリントンのスピーチを聞きました。そして、希望の男、バラク・オバマ大統領のスピーチを聞きました。アメリカはオバマ大統領のリーダーシップのおかげでさらに強くなり、私は彼の友情のおかげで成長することができました。

We heard from our terrific Vice President, the one and only Joe Biden. He spoke from his big heart about our party’s commitment to working people as only he can do.

ジョー・バイデンという唯一無二の最高の副大統領のスピーチもありました。彼は寛大な心で働く人々に対する党の責務について語りました。それは彼にしかできないことです。

And First Lady Michelle Obama reminded us – that our children are watching and the president we elect is going to be their president, too.

ミシェル・オバマ大統領夫人は、私たちの子どもが見ていること、そして、私たちが選ぶ大統領は彼らにとっての大統領にもなることを思い出させてくれました。

And for those of you out there who are just getting to know Tim Kaine, you – you will soon understand why the people of Virginia keep promoting him – from city council and mayor, to governor, and now Senator. And he will make our whole country proud as our vice president.

ティム・ケイン氏のことをこれから知ろうとしている人たちは、なぜバージニア州の人々が彼を市議会から市長へ、そして、知事へ、そして、今は上院議員へと推挙し続けているのかすぐに理解できるでしょう。彼は全国民が誇りを持てるような副大統領になるでしょう。

And I want to thank Bernie Sanders. Bernie – Bernie, your campaign inspired millions of Americans, particularly the young people who threw their hearts and souls into our primary. You put economic and social justice issues front and center, where they belong.

そして、私はバーニー・サンダース氏に感謝したいです。バーニー、バーニー、あなたの選挙戦は、多数の国民、特に予備選に心血を注いでくれた若者たちに元気を与えました。あなたは経済と社会正義の問題を中心に据えました。こうした問題は本来、中心に据えられるべき問題です。

And to all of your supporters here and around the country, I want you to know I have heard you. Your cause is our cause. Our country needs your ideas, energy, and passion. That is the only way we can turn our progressive platform into real change for America. We wrote it together. Now let’s go out and make it happen together.

そして、ここや全国にいるあなたの支持者の方に知っていだたきたいことがあります。私は皆さんの声を聞きました。皆さんの大義は私たちの大義でもあります。この国は皆さんのアイデア、エネルギー、情熱を必要としています。それがあって初めて、私たちは進歩的な綱領をアメリカの真の変革に変えることができるのです。私たちは一緒にそれを書きました。これからは外に出て、それを一緒に実現しましょう。

My friends, we’ve come to Philadelphia, the birthplace of our nation, because what happened in this city 240 years ago still has something to teach us today. We all know the story, but we usually focus on how it turned out, and not enough on how close that story came to never being written at all. When representatives from 13 unruly colonies met just down the road from here, some wanted to stick with the king, and some wanted to stick it to the king.

友人の皆さん、私たちはフィラデルフィアに来ました。この国の生誕地です。この町で240年前に起きたことは、今日の私たちにもいまだに教訓を与え続けています。私たちは皆、その物語を知っています。しかし、私たちは大抵、それがどのようにして起きたかに注目しますが、その物語が決して書かれないまま終わる一歩手前までいったことには十分に目を向けません。手に負えない13の植民地の代表がここから目と鼻の先の場所で会談したとき、一部には王への忠実を守りたいと望む者もいて、一部には王を刺し殺したいと望む者もいました。

The revolution hung in the balance. Then somehow they began listening to each other, compromising, finding common purpose. And by the time they left Philadelphia, they had begun to see themselves as one nation. That’s what made it possible to stand up to a king. That took courage. They had courage. Our founders embraced the enduring truth that we are stronger together.

革命はどちらに転ぶか分からない状況でした。そして、彼らはどうにかして互いの声に耳を傾け、妥協をし、共通の目的を見つけ始めました。彼らはフィラデルフィアを去るころには自分たちを1つの国として認識し始めていました。その認識が王に対して立ち上がることを可能にしたのです。彼らには勇気が必要でした。彼らは勇気を持っていました。この国の建国の父たちは、私たちは結束すれば強くなれるという不朽の真実を受け入れました。

Now America is once again at a moment of reckoning. Powerful forces are threatening to pull us apart. Bonds of trust and respect are fraying. And just as with our founders, there are no guarantees. It truly is up to us. We have to decide whether we will all work together so we can all rise together. Our country’s motto is e pluribus unum: out of many, we are one. Will we stay true to that motto?

アメリカは今、再び審判のときを迎えています。力強い勢力が私たちを分裂させようと脅威を与えています。信頼や尊敬による絆がほつれつつあります。そして、建国の父たちにとってとそうだったのと同じように、今回も保証書はありません。これは本当に私たちしだいなのです。私たちは、私たちが一緒に成功できるように力を合わせて頑張るのかどうか決めなければなりません。この国のモットーは「多数でできた1つ」です。私たちはそのモットーに忠実であるべきでしょうか?

Well, we heard Donald Trump’s answer last week at his convention. He wants to divide us from the rest of the world and from each other. He’s betting that the perils of today’s world will blind us to its unlimited promise. He’s taken the Republican Party a long way from ‘Morning in America’ to ‘Midnight in America.’ He wants us to fear the future and fear each other.

私たちは先週、ドナルド・トランプ氏の答えを党大会で聞きました。彼は私たちを外国から分断し、私たちどうしを分断することを望んでいます。彼は今日の世界の危機によって私たちがその無限の希望を見失ってしまうと確信しています。彼は共和党を「アメリカの夜明け」から「アメリカの真夜中」にまで陥れてしまいました。彼は私たちが未来を恐れ、お互いを恐れることを望んでいます。

Well, you know, a great Democratic President, Franklin Delano Roosevelt, came up with the perfect rebuke to Trump more than 80 years ago, during a much more perilous time: ‘The only thing we have to fear is fear itself.’

民主党の偉大な大統領、フランクリン・デラノ・ルーズベルトは80年以上前、今よりもはるかに危険な時期にトランプ氏に対する完璧で痛烈な非難のことばを述べていました。「私たちが唯一恐怖するべきものは、恐怖自体である」

Now we are clear-eyed about what our country is up against, but we are not afraid. We will rise to the challenge, just as we always have. We will not build a wall. Instead, we will build an economy where everyone who wants a good job can get one. And we’ll build a path to citizenship for millions of immigrants who are already contributing to our economy. We will not ban a religion. We will work with all Americans and our allies to fight and defeat terrorism.

私たちは今、この国が何と対じしているのかをはっきり認識できます。しかし、私たちは恐れてはいません。私たちはこれまでずっとそうしてきたように試練に立ち向かいます。私たちは壁は作りません。その代わり、よい仕事がほしいと望むすべての人がそれを手に入れられるような経済を作ります。そして、この国の経済にすでに貢献してくれている多数の移民の人々のために市民権への道筋を作ります。私たちは宗教を禁止しません。すべての国民や同盟国と協力して、テロと戦い、テロを打倒します。

Yet, we know there is a lot to do. Too many people haven’t had a pay raise since the crash. There’s too much inequality, too little social mobility, too much paralysis in Washington, too many threats at home and abroad.

しかし、私たちはやるべきことがたくさんあることを知っています。経済危機以来、昇給を果たしていない人があまりにたくさんいます。不平等が大きすぎます。社会的流動性も不足しています。ワシントンはあまりに麻ひしています。国内外での脅威があまりにたくさんあります。

But just look for a minute at the strengths we bring as Americans to meet these challenges. We have the most dynamic and diverse people in the world. We have the most tolerant and generous young people we’ve ever had. We have the most powerful military, the most innovative entrepreneurs, the most enduring values – freedom and equality, justice and opportunity. We should be so proud that those words are associated with us. I have to tell you, as your Secretary of State, I went to 112 countries. When people hear those words, they hear America.

しかし、これらの試練に立ち向かううえで、アメリカ人として私たちが持っている強みに一瞬でも目を向けてみてください。私たちは、世界で最も活力があり、多様性のある国民です。若者たちはかつてないほど寛容で寛大です。私たちには最強の軍があります。最も革新的な企業家たちがいます。自由と平等、正義、そして、機会という不朽の価値観があります。それらのことばが私たちと密接に結びついていることを私たちは誇りに思うべきです。私は国務長官として112か国に行きました。それらのことばを耳にすると、彼らはアメリカを思い浮かべます。

So don’t let anyone tell you that our country is weak. We’re not. Don’t let anyone tell you we don’t have what it takes. We do. And most of all, don’t believe anyone who says, ‘I alone can fix it.’ Yes. Those were actually Donald Trump’s words in Cleveland. And they should set off alarm bells for all of us. Really? ‘I alone can fix it? Isn’t he forgetting troops on the front lines, police officers and firefighters who run toward danger, doctors and nurses who care for us? Teachers who change lives, entrepreneurs who see possibilities in every problem, mothers who lost children to violence and are building a movement to keep other kids safe? He’s forgetting every last one of us. Americans don’t say, ‘I alone fix can it.’ We say, ‘We’ll fix it together.’

だから、私たちの国が弱いなどと誰にも言わせてはなりません。私たちは弱くありません。私たちは必要な資質を持っていないなどと誰にも言わせてはなりません。私たちはそれを持っています。そして何よりも、「私だけがこれを解決できる」などと言う人を信じてはなりません。そうです、それはドナルド・トランプ氏がクリーブランドで実際に述べたことばです。私たちはこのことばを警鐘として受け止めるべきです。本当でしょうか?自分だけが解決できる?彼は忘れているのではないでしょうか?前線の部隊を。危険に駆けつける警察官や消防士たちを。私たちの世話をしてくれる医師や看護師たちを。人の人生を変える教師たちを。あらゆる問題のなかに可能性を見出す企業家たちを。暴力のために子どもたちを失くし、ほかの子どもたちの安全を守るための運動を立ち上げている母親たちを。彼は私たち一人一人を忘れています。アメリカ人は「私だけがこれを解決できる」とは言いません。私たちは「一緒に解決しよう」と言うのです。

And remember. Remember. Our founders fought a revolution and wrote a Constitution so America would never be a nation where one person had all the power. 240 years later, we still put our faith in each other. Look at what happened in Dallas. After the assassinations of five brave police officers, Police Chief David Brown asked the community to support his force, maybe even join them. And do you know how the community responded? Nearly 500 people applied in just 12 days.

そして、思い出してください。建国の父たちは、革命のために戦い、憲法を書きました。それはアメリカを1人の人物がすべての権力を握るような国に決してしないためです。240年後の今、私たちは依然として互いを信じています。ダラスで起きたことを思い出してください。5人の勇敢な警察官が殺害されたあとに、デイビッド・ブラウン警察署長は、地域の人々に警察を支えるよう、そして、警察官になるようにとすら呼びかけました。地域の人々がどう反応したか知っていますか?わずか12日の間に500人近い人が応募したのです。

That’s how Americans answer when the call for help goes out. 20 years ago, I wrote a book called It Takes a Village. And a lot of people looked at the title and asked, what the heck do you mean by that? This is what I mean. None of us can raise a family, build a business, heal a community, or lift a country totally alone. America needs every one of us to lend our energy, our talents, our ambition to making our nation better and stronger. I believe that with all my heart. That’s why ‘Stronger Together’ is not just a lesson from our history, it’s not just a slogan for our campaign, it’s a guiding principle for the country we’ve always been, and the future we’re going to build.

助けを求める声が上がったときに、アメリカはそのようにして答えるのです。20年前、私は「村中みんなで」という本を書きました。多くの人がその題を見て「いったいどんな意味なの?」と私に聞きました。説明しましょう。家族を養ったり、事業を起こしたり、地域社会を癒やしたり、国を高みに引き上げたりすることを完全に1人でできる人など誰もいません。アメリカはこの国をさらによい国に、強い国にするために、私たち一人一人がエネルギー、才能、野心を傾けることを必要としています。私は心の底からそう信じています。だから「結束すれば強くなる」というのは、ただの歴史の教訓ではないのです。ただの選挙戦のスローガンでもありません。これまで常にこの国の在り方の指針であり続けてきたもので、私たちが築く未来のための指針でもあります。

A country where the economy works for everyone, not just those at the top. Where you can get a good job and send your kids to a good school no matter what ZIP Code you live in. A country where all our children can dream, and those dreams are within reach. Where families are strong, communities are safe, and, yes, where love trumps hate. That’s the country we’re fighting for. That’s the future we’re working toward. And so, my friends, it is with humility, determination, and boundless confidence in America’s promise that I accept your nomination for president of the United States.

アメリカは最上位層の人々だけでなくすべての人々にとって経済が機能する国です。そして、どの地域に住んでいてもよい仕事を得られ、よい学校に子どもを通わせられるような国です。すべての子どもたちが夢を見られ、夢が手の届く所にある国です。家族が強く、地域社会が安全で、そして、そうです、愛が憎しみに勝利する国です。私たちはこういう国のために戦っています。私たちはそんな未来に向かって努力しています。だから友人の皆さん、私は謙虚さ、決意、そして、アメリカの希望に対するかぎりない自信を持って、アメリカ合衆国大統領候補の指名を受諾します。

Now, sometimes the people at this podium are new to the national stage. As you know, I’m not one of those people. I’ve been your first lady, served eight years as a senator from the great state of New York. Then I represented all of you as Secretary of State. But my job titles only tell you what I’ve done. They don’t tell you why. The truth is, through all these years of public service, the service part has always come easier to me than the public part. I get it that some people just don’t know what to make of me. So let me tell you.

この演壇に立つ人の中には全国の舞台が初めての人たちもいます。ご存知のとおり、私はそうではありません。私は皆さんにとっての大統領夫人でした。ニューヨークというすばらしい州の上院議員を8年間務めました。その後、私は国務長官として皆さん全員を代表しました。しかし、私の肩書は私が何をしてきたかしか伝えてくれません。なぜ私がそれをしてきたかを伝えてくれません。本当のところを言えば、公的役務に就いていたその数年間ずっと、「公的」な部分よりも「役務」の部分のほうが私には簡単でした。私をどう評価してよいのか分からない人もなかにはいることを私は理解しています。だからお教えします。

The family I’m from, well, no one had their name on big buildings. My families were builders of a different kind, builders in the way most American families are. They used whatever tools they had, whatever God gave them, and whatever life in America provided, and built better lives and better futures for their kids.

私は、家族の誰も大きなビルを所有していない、そんな家庭に生まれました。私の家族は違う意味の建築者でした。ほとんんどのアメリカの家族が建築者であるのと同じ意味で建築者でした。彼らは、自分たちが持っていた道具、すなわち、神に与えられたものとアメリカでの生活がくれたものをすべて使って子どもたちのためによりよい生活とよりよい未来を築きました。

My grandfather worked in the same Scranton lace mill for 50 years – because he believed that if he gave everything he had, his children would have a better life than he did. And he was right. My dad, Hugh, made it to college. He played football at Penn State – and enlisted in the Navy after Pearl Harbor. When the war was over he started his own small business, printing fabric for draperies. I remember watching him stand for hours over silkscreens. He wanted to give my brothers and me opportunities he never had, and he did.

私の祖父は50年間、スクラントンのレース工場で働きました。自分の持っているものをすべてささげれば、自分の子どもたちは自分よりもよい生活を送れることを彼が知っていたからです。そして、彼は正しかったのです。私の父のヒューは大学に進みました。彼はペンシルバニア州立大学でアメリカンフットボールをし、真珠湾攻撃のあとに海軍に入隊しました。戦争が終わると彼は服飾用の織物を印刷する小さな事業を始めました。私は彼が何時間もシルクスクリーンのそばに立っていたのを覚えています。彼は私の弟たちや私に自分が決して持てなかった機会を与えたかったのです。そして、彼はそれを実現しました。

My mother, Dorothy, was abandoned by her parents as a young girl. She ended up on her own at 14, working as a housemaid. She was saved by the kindness of others. Her first grade teacher saw she had nothing to eat at lunch, and brought extra food to share the entire year. The lesson she passed on to me years later stuck with me: No one gets through life alone. We have to look out for each other and lift each other up. And she made sure I learned the words from our Methodist faith: ‘Do all the good you can, for all the people you can, in all the ways you can, as long as ever you can.’

私の母ドロシーは、幼いころ、両親に見捨てられました。彼女は14歳で家政婦として自活することになりました。彼女はほかの人たちの親切さに救われました。小学校の1年生のとき、彼女が昼食時に何も食べるものを持っていないことに気づいた先生は、1年間ずっと余った食べ物を彼女に持ってきてくれました。その何年もあとに彼女が私に教えてくれた教訓を私は今でも覚えています。「誰も1人では生きていけない。私たちは互いの面倒を見て、互いを元気づけなければならない」彼女はメソジスト主義のことばを私に覚えさせました。「あなたができるだけ長く、あなたにできるすべての方法で、あなたにできるすべての善をあなたがそれをできるすべての人に対して行いなさい」

So I went to work for the Children’s Defense Fund, going door to door in New Bedford, Massachusetts – on behalf of children with disabilities who were denied the chance to go to school. I Remember meeting a young girl in a wheelchair on the small back porch of her house. She told me how badly she wanted to go to school. It just didn’t seem possible in those days. And I couldn’t stop thinking of my mother and what she’d gone through as a child. It became clear to me that simply caring is not enough. To drive real progress, you have to change both hearts and laws. You need both understanding and action.

そこで、私は児童養護基金で働くようになりました。マサチューセッツ州ニューベッドフォードで、学校に行く機会を奪われた障害のある子どもたちのために1軒1軒を回りました。私は車いすに乗った少女に彼女の家の小さな裏口で会ったのを覚えています。彼女は私にどれほど学校に行きたいかを語ってくれました。その当時、それは可能とは思えませんでした。私は自分の母のことや彼女が子どものころに経験したことを考えるのをやめることができませんでした。私は単に気遣っているだけでは十分ではないことをはっきりと悟りました。本当の進歩を推進するためには心と法律の両方を変えなければならないのです。理解と行動の両方が必要なのです。

So we gathered facts. We build a coalition. And our work helped convince Congress to ensure access to education for all students with disabilities. It’s a big idea, isn’t it? Every kid with a disability has the right to go to school. But how do you make an idea like that real? You do it step by step, year by year, sometimes even door by door. My heart just swelled when I saw Anastasia Somoza representing millions of young people on this stage – because we changed our law to make sure she got an education.

そこで私たちは事実関係を調べました。私たちは連合を作りました。私たちの活動は障害のあるすべての子どもに教育を受けさせるよう、議会を説得するうえで力になりました。これはすごいアイデアではないでしょうか?障害のあるすべての子どもが学校に通う権利があるということです。しかし、そんなアイデアをどうすれば実現できるでしょうか?それは着実に、1年1年、そして、ときには1軒1軒訪問して実現するのです。私はアナスタシア・ソモサさんが多くの若者を代表してこのステージに上がっているのを見て胸が高鳴りました。なぜなら彼女が教育を受けられるようにするために法律を変えたのは私たちだからです。

So it’s true. I sweat the details of policy, whether we’re talking about the exact level of lead in the drinking water in Flint, Michigan – the number of mental health facilities in Iowa, or the cost of your prescription drugs. Because it’s not just a detail if it’s your kid, if it’s your family. It’s a big deal. And it should be a big deal to your president, too.

ミシガン州フリントの飲用水に含まれる鉛の厳密な水準であれ、アイオワ州の精神療養施設の数であれ、皆さんの処方箋薬の料金であれ、私は政策の細部を事細かに突き詰めます。なぜなら、こうしたことが自分の子どもや自分の家族に関連することなら、単なる細部ではないからです。それは重要なことです。そして、皆さんの大統領にとっても重要なことであるべきです。

After the four days of this convention, you’ve seen some of the people who’ve inspired me, people who let me into their lives and became a part of mine, people like Ryan Moore and Lauren Manning. They told their stories Tuesday night. I first met Ryan as a 7-year-old. He was wearing a full body brace that must have weighed 40 pounds because I leaned over to lift him up. Children like Ryan kept me going when our plan for universal health care failed, and kept me working with leaders of both parties to help create the Children’s Health Insurance Program that covers eight million kids in our country. Lauren Manning, who stood here with such grace and power, was gravely injured on 9/11.

この4日間の党大会で、皆さんは私に刺激を与えてくれた何人かの人たちをご覧になったと思います。彼らは私を彼らの人生に招き入れ、私の人生の一部にもなってくれました。ライアン・ムーアさんやローレン・マニングさんがそうです。彼らは火曜日の夜に自分たちの体験談を語ってくれました。私が初めてライアンに会ったのは彼が7歳のときでした。彼は全身用支持器具を身に着けていました。彼の体を起こすのに身を乗り出さなければならなかったので、その器具はおそらく40ポンド(約18キログラム)はあったでしょう。ライアンのような子どもたちの存在は、私たちの国民皆保険制度の計画が失敗したときに私の心の支えになってくれました。そのおかげで私は、両党の指導者と協力して、この国の800万人の子どもたちを対象とする児童医療保険プログラムの作成を手伝うことができました。

It was the thought of her, and Debbie Stage. John who you saw in the movie, and John Dolan and Joe Sweeney and all the victims and survivors, that kept me working as hard as I could in the Senate on behalf of 9/11 families and our first responders who got sick from their time at Ground Zero. I was thinking of Lauren, Debbie, and all the others ten years later in the White House Situation Room, when President Obama made the courageous decision that finally brought Osama bin Laden to justice.

ここに優雅に力強く立っていたローレン・マニングさんは9.11のときに大けがをしました。彼女やデビー・ステージさん、そして、皆さんがその姿を映画で見たジョン、ジョン・ドーランさん、ジョー・スイーニーさん、そして、すべての犠牲者や生存者の存在を考えられたおかげで、私は9.11の遺族や爆心地での活動によって病気になった救急隊員たちのために、上院で自分にできるだけの努力をすることができたのです。10年後のホワイトハウスのシチュエーションルームで、ついにオサマ・ビン・ラディンに正義を下すことになった勇気ある決断をオバマ大統領がしたとき、私が考えていたのはローレン、デビー、そして、そのほかのすべての人たちのことでした。

And in this campaign I’ve met many more people who motivate me to keep fighting for change, and with your help, I will carry all of your voices and stories with me to the White House. And you heard from some Republicans and Independents who are supporting our campaign. Well, I will be a president for Democrats, Republicans, Independents, for the struggling, the striving, the successful, for all those who vote for me and for those who don’t. For all Americans together.

今回の選挙戦で、変革のために戦い続けるためのやる気を起こさせてくれる方々にさらにたくさんお会いしました。皆さんの助けによって、私は皆さんのすべての声と物語をホワイトハウスに持って行きます。そして、皆さんは私たちの選挙戦を支援してくれている共和党員や無所属の人たちの声を聞いたと思います。私は、民主党員、共和党員、無所属の人たち、苦労している人たち、努力している人たち、成功している人たち、そして、私に投票してくれる人と、そうでない人のすべての人のための、すべてのアメリカ国民のための大統領になります。

Tonight, we’ve reached a milestone in our nation’s march toward a more perfect union: the first time that a major party has nominated a woman for president. Standing here as my mother’s daughter, and my daughter’s mother, I’m so happy this day has come. I’m happy for grandmothers and little girls and everyone in between. I’m happy for boys and men – because when any barrier falls in America, it clears the way for everyone. After all, when there are no ceilings, the sky’s the limit.

今夜、私たちはより完璧な国に向かう国民の行進という意味で、大きな節目に到達しました。主要政党が初めて大統領候補に女性を指名したのです。私は自分の母の娘として、自分の娘の母としてここに立ち、この日が来たことを本当にうれしく思います。私は、孫を持つ女性や少女、そして、その間に入るすべての人のためにうれしく思います。少年や男性の皆さんのためにもうれしく思います。なぜなら、アメリカで障壁が取り払われるときには必ずすべての人にとっての道が開かれるからです。何しろ、天井がなければ可能性は無限なのです。

So let’s keep going until every one of the 161 million women and girls across America has the opportunity she deserves to have. But even more important than the history we make tonight is the history we will write together in the years ahead. Let’s begin with what we’re going to do to help working people in our country get ahead and stay ahead.

アメリカ中にいる1億6100万人の女性や少女全員が自分にふさわしい機会を持てるようになるまで、私たちは歩みを止めるべきではありません。しかし、今夜、私たちが作る歴史よりも重要なのは、これから私たちが一緒に作る歴史です。まずはこの国の働く人たちが成功し、成功し続けるための力になることから始めましょう。

Now, I don’t think President Obama and Vice President Biden get the credit they deserve for saving us from the worst economic crisis of our lifetimes. Our economy is so much stronger than when they took office. Nearly 15 million new private sector jobs. 20 million more Americans with health insurance. And an auto industry that just had its best year ever.

オバマ大統領とバイデン副大統領は、私たちの生涯で最悪の経済危機から私たちを救いましたが、その功績を十分認められていないと思います。この国の経済は、彼らが就任した当初よりもはるかに強くなりました。1500万人近い新たな雇用が民間部門で生まれました。健康保険を持つ国民の数は2000万人増えました。自動車業界は過去最高の年を経験したばかりです。

Now, that’s real progress. But none of us can be satisfied with the status quo. Not by a long shot. We’re still facing deep-seated problems that developed long before the recession and have stayed with us through the recovery. I’ve gone around the country talking to working families. And I’ve heard from many who feel like the economy sure isn’t working for them. Some of you are frustrated – even furious. And you know what? You’re right. It’s not yet working the way it should.

これは真の進歩です。しかし、私たちの誰一人、現状に満足することはできません。決して満足することはできません。私たちは依然として、不況のかなり前に生まれ、景気回復の間もずっと消えなかった根深い問題に直面しています。私は全国を回り、勤労世帯の話を聞きました。経済は自分たちのために機能していないと感じる多くの人の話を聞きました。皆さんの中には、いらだちを感じたり、激しい怒りすら感じている人もいます。実は皆さんは正しいのです。経済は本来機能すべき方法では機能していません。

Americans are willing to work – and work hard. But right now, an awful lot of people feel there is less and less respect for the work they do. And less respect for them, period. Democrats, we are the party of working people. But we haven’t done a good enough job showing we get what you’re going through, and we’re going to do something to help.

アメリカ人は仕事熱心です。しかし今、本当に多くの人たちが、自分のやる仕事に対して払われる敬意がどんどん減っていると感じています。そして、自分たちに対する敬意もです。私たち民主党は働く人々の党です。しかし、私たちは、皆さんの苦労を理解していることを示すという点では十分よい仕事をしてきたとは言えません。私たちは皆さんの力になるために行動を起こします。

So tonight I want to tell you how we will empower Americans to live better lives. My primary mission as president will be to create more opportunity and more good jobs with rising wages right here in the United States. From my first day in office to my last. Especially in places that for too long have been left out and left behind. From our inner cities to our small towns, from Indian country to coal country. From communities ravaged by addiction to regions hollowed out by plant closures.

今夜、国民がよりよい生活を送れるように私たちがどのようにして彼らに力を与えるのかを語りたいと思います。大統領としての私の主要な任務は、ここアメリカで賃金の上昇を伴うよい仕事や機会をもっと生み出すことです。私の就任初日から任期の最終日までそれは変わりません。特にあまりに長い間除外され取り残されてきた場所ではそうです。スラム街から小さな町まで、先住民の住む地域から石炭産業が盛んな地域まで。依存症に悩まされている地域から工場の閉鎖によって空洞化した地域までです。

And here’s what I believe. I believe America thrives when the middle class thrives. I believe our economy isn’t working the way it should because our democracy isn’t working the way it should. That’s why we need to appoint Supreme Court justices who will get money out of politics and expand voting rights, not restrict them. And if necessary, we will pass a constitutional amendment to overturn Citizens United.

私が確信していることをお話ししましょう。私はアメリカは中産階級が繁栄するときに繁栄すると確信しています。この国の経済は本来あるべき方法で機能していないと確信しています。それはこの国の民主主義が本来あるべき方法で機能していないからです。だから私たちは、政治からお金を排除し、投票権を制限するのではなく拡大する最高裁判事を任命する必要があるのです。そして、必要なら、私たちはシチズンズ・ユナイテッド裁判の判決を覆すための憲法修正案を通します。

I believe American corporations that have gotten so much from our country should be just as patriotic in return. Many of them are, but too many aren’t. It’s wrong to take tax breaks with one hand and give out pink slips with the other. And I believe Wall Street can never, ever be allowed to wreck Main Street again.

私は、この国から多くの恩恵を受けたアメリカの企業は、愛国心を持ってその恩返しをすべきだと確信しています。彼らの多くはそうしていますが、そうしていない企業が多すぎます。片方の手で税の優遇措置を受け取り、もう片方の手で解雇通知を手渡すのは間違っています。私はウォールストリートがメインストリートを破壊することは二度と許してはならないと確信しています。

And I believe in science. I believe that climate change is real and that we can save our planet while creating millions of good-paying clean energy jobs.

そして、私は科学を信じています。私は気候変動は真実であり、給料のよいクリーンエネルギーの仕事をたくさん生み出しつつ、この惑星を救うことができると確信しています。

I believe that when we have millions of hardworking immigrants contributing to our economy, it would be self-defeating and inhumane to try to kick them out. Comprehensive immigration reform will grow our economy and keep families together – and it’s the right thing to do.

私はこの国の経済に貢献してくれている多くの勤勉な移民の人たちを追い出そうとするのは自滅的で非人道的だと確信しています。包括的な移民制度改革はこの国の経済を成長させ、家族が一緒に住むことを可能にします。それがなすべき正しいことなのです。

So whatever party you belong to, or if you belong to no party at all, if you share these beliefs, this is your campaign. If you believe that companies should share profits, not pad executive bonuses, join us. If you believe the minimum wage should be a living wage, and no one working full-time should have to raise their children in poverty, join us. If you believe that every man, woman, and child in America has the right to affordable health care, join us! If you believe that we should say no to unfair trade deals; that we should stand up to China; that we should support our steelworkers and autoworkers and homegrown manufacturers, then join us. If you believe we should expand Social Security and protect a woman’s right to make her own heath care decisions, then join us. And yes, yes, if you believe that your working mother, wife, sister, or daughter deserves equal pay join us. That’s how we’re going to make sure this economy works for everyone, not just those at the top.

どの党に属していても、完全な無所属でも、こうした信念を共有する人は、この選挙戦に加わるべきです。企業は幹部手当を増やすのではなく利益を共有すべきと考える人は、私たちに加わってください。最低賃金は生活賃金と同じであるべきで、フルタイムで働く人は誰も、貧困の中で子どもを育てるのを余儀なくされることはあってはならないと考えている人は私たちに加わってください。アメリカのすべての男性、女性、子どもには、手ごろな料金の医療保険に入る権利があると考えている人は私たちに加わってください!不公平な貿易協定にはノーと言うべきで、私たちは中国に立ち向かうべきで、鉄鋼業界や自動車業界の労動者や国内で育った製造業者を支援すべきと考えている人は私たちに加わってください。社会保障を拡充し、女性が自分の医療に関する決断を下す権利を守るべきと考えている人は私たちに加わってください。そして、そうです、自分の働く母親、妻、姉妹、娘が平等な賃金を得るべきと考えている人は私たちに加わってください。私たちはこのようにして、この国の経済が最上位層の人々だけでなく全員にとって機能するようにします。

Now, you didn’t hear any of this, did you, from Donald Trump at his convention. He spoke for 70-odd minutes – and I do mean odd. And he offered zero solutions. But we already know he doesn’t believe these things. No wonder he doesn’t like talking about his plans. You might have noticed, I love talking about mine.

皆さんは、ドナルド・トランプ氏の口から党大会でこのようなことばを全く耳にしなかったでしょう。彼は70分余り話しました。それは異様なスピーチでした。そして、彼は解決策を一切提示しませんでした。しかし、私たちはすでに彼がこうしたことを信じていないことを知っています。彼が自分の計画について語るのが嫌いなのも無理はありません。すでにお気づきかもしれませんが、私は自分の計画について語るのは大好きです。

In my first 100 days, we will work with both parties to pass the biggest investment in new, good-paying jobs since World War II. Jobs in manufacturing, clean energy, technology and innovation, small business, and infrastructure. If we invest in infrastructure now, we’ll not only create jobs today, but lay the foundation for the jobs of the future.

私は任期の最初の100日間で、両党と協力して、給料のよい新しい仕事への、第二次世界大戦以来最大の投資法案を通します。それは製造業、クリーンエネルギー、テクノロジー、イノベーション、中小企業、インフラなどの仕事です。今、インフラに投資をすれば、今日の雇用を生み出せるだけでなく、将来の雇用の下地を作ることができます。

And we will also transform the way we prepare our young people for those jobs. Bernie Sanders and I will work together to make college tuition-free for the middle class and debt-free for all. We will also – we will also liberate millions of people who already have student debt. It’s just not right that Donald Trump can ignore his debts, and students and families can’t refinance their debts.

私たちは、若者をこうした仕事に備えさせる方法も変革します。バーニー・サンダース氏と私は協力して、中産階級のために大学の学費を無料化し、すべての人にとって借金がないようにします。私たちはすでに学生ローンを抱えている多くの人たちも解放します。ドナルド・トランプ氏が彼の借金を無視できて、学生や家族が借金の借り換えができないというのは正当ではありません。

And something we don’t say often enough: Sure, college is crucial, but a four-year degree should not be the only path to a good job. We will help more people learn a skill or practice a trade and make a good living doing it. We will give small businesses, like my dad’s, a boost, make it easier to get credit. Way too many dreams die in the parking lots of banks. In America, if you can dream it, you should be able to build it.

そして、私たちが十分な頻度で口にしていないことがあります。確かに大学はとても重要ですが、四年制の大学の学位がよい仕事への唯一の道であってはなりません。私たちは、もっと多くの人々がスキルを学んだり、仕事を覚えてたりして、よい生活を送れるように力になります。私の父のような中小企業を後押しして、融資を受けやすくします。あまりに多くの夢が銀行の駐車場で頓挫しています。アメリカでは、夢を見ることができるのなら、それを実現できてしかるべきです。

And we will help you balance family and work. And you know what, if fighting for affordable child care and paid family leave is playing the ‘woman card,’ then deal me in.

私たちは、皆さんが家庭と仕事を両立させるのを助けます。手ごろな料金の託児所や有給家族休暇のために戦うことが「女性のカード」を利用していることになるのなら、私もそこに加えてもらってけっこうです。

Now – now, here’s the other thing. Now, we’re not only going to make all of these investments. We’re going to pay for every single one of them. And here’s how. Wall Street, corporations, and the super-rich are going to start paying their fair share of taxes. This is – this is not because we resent success, but when more than 90 percent of the gains have gone to the top 1 percent, that’s where the money is. And we are going to follow the money. And if companies take tax breaks and then ship jobs overseas, we’ll make them pay us back. And we’ll put that money to work where it belongs: creating jobs here at home.

もう1つ申し上げることがあります。私たちはこれらの投資すべてを行なうだけではありません。私たちはそれらの1つ1つに対してお金を払います。その方法を説明しましょう。ウォール街、企業、超富裕層には、公平な税負担額を払ってもらいます。これは私たちが彼らの成功に腹を立てているからではなく、利益の90%以上が最上位の1%の手に渡っているかぎり、お金はそこにあるからです。そして、私たちはそのお金を追跡します。企業が税の優遇措置を受けていながら雇用を海外に移すのなら、私たちは彼らに返金させます。そして、そのお金を本来の目的に使います。つまり、国内で雇用を創出することです。

Now, I imagine that some of you are sitting at home thinking, well, that all sounds pretty good, but how are you going to get it done? How are you going to break through the gridlock in Washington? Well, look at my record. I’ve worked across the aisle to pass laws and treaties and to launch new programs that help millions of people. And if you give me the chance, that’s exactly what I’ll do as President.

皆さんの中には自宅にいて、「それはみんな聞こえはよいけど、どうやってそれを実現するのか?ワシントンのこう着状態をどうやって打破するのか?」と思っている人もいるでしょう。私の実績を見てください。私は共和党とも協力して法律や条約を可決し、多くの人たちを助ける新しいプログラムを立ち上げてきました。私にチャンスを与えてくれれば、私は大統領になってもそれと全く同じ仕事をします。

But then – but then I also imagine people are thinking out there, but Trump, he’s a businessman. He must know something about the economy. Well, let’s take a closer look, shall we? In Atlantic City, 60 miles from here, you will find contractors and small businesses who lost everything because Donald Trump refused to pay his bills. Now, remember what the President said last night. Don’t boo. Vote.

しかし、「トランプ氏は実業家だろう。彼は経済に詳しいはずだ」と考えている人もいるでしょう。それでは詳しく見てみましょう。ここから60マイル(約96キロメートル)のところにあるアトランティックシティでは、ドナルド・トランプ氏が請求書の支払いを拒否したせいですべてを失った請負業者や中小企業の姿が見られるでしょう。昨夜、大統領が言ったことを思い出してください。ブーイングではなく投票をしましょう。

But think of this. People who did the work and needed the money, not because he couldn’t pay them, but because he wouldn’t pay them, he just stiffed them. And you know that sales pitch he’s making to be president: put your faith in him, and you’ll win big? That’s the same sales pitch he made to all those small businesses. Then Trump walked away and left working people holding the bag.

ただ、これを考えてみてください。仕事をしてお金を必要としていた人たちは、彼がそのお金を彼らに払えなかったからではなく、彼らに払うつもりがないという理由によって、理不尽な目に遭わされたのです。彼が大統領になるために使っている宣伝文句を知っていますか?「彼を信じれば、大儲けできる」というやつです。それは、あのすべての中小企業に対して彼が使ったのと同じ宣伝文句です。しかし、トランプ氏は立ち去り、働く人々に貧乏くじを引かせたのです。

He also talks a big game about putting America first. Well, please explain what part of America First leads him to make Trump ties in China, not Colorado; Trump suits in Mexico, not Michigan; Trump furniture in Turkey, not Ohio; Trump picture frames in India, not Wisconsin.

彼はアメリカを最優先することについても大それたことを言っています。アメリカ最優先のどの部分が理由で、彼はコロラドではなく中国でトランプブランドのネクタイを作り、ミシガンではなくメキシコでトランプスーツを作り、オハイオではなくトルコでトランプ家具を作り、ウィスコンシンではなくインドでトランプ額縁を作っているのか説明してほしいです。

Donald Trump says he wants to make America great again. Well, he could start by actually making things in America again.

ドナルド・トランプ氏はアメリカを再び偉大な国にしたいと言っています。彼はまず、実際に再びアメリカでものを作ることから始めるべきです。

Now, the choice we face in this election is just as stark when it comes to our national security. Anyone – anyone reading the news can see the threats and turbulence we face. From Baghdad and Kabul, to Nice and Paris and Brussels, from San Bernardino to Orlando, we’re dealing with determined enemies that must be defeated. So it’s no wonder that people are anxious and looking for reassurance, looking for steady leadership, wanting a leader who understands we are stronger when we work with our allies around the world and care for our veterans here at home. Keeping our nation safe and honoring the people who do that work will be my highest priority.

この選挙で私たちに突きつけられた選択肢は、国家安全保障という点でも同じように対照的です。ニュースを読んでいる人なら誰でも、私たちが直面している脅威や混乱を認識できます。バグダッドやカブールからニースやパリやブリュッセルまで、サンバーナーディーノからオーランドまで、私たちは打倒しなければならない決意の固い敵に対処しています。当然、人々は心配になり、安心させてくれることばや揺るぎないリーダーシップを求め、「私たちは世界中の同盟国と協力し、国内の退役軍人を大事にするときのほうが強くなれる」ということを理解する指導者を求めます。この国の安全を守ること、そして、その仕事をする人たちに栄誉を授けることは私の最優先事項です。

I’m proud that we put a lid on Iran’s nuclear program without firing a single shot. Now we have to enforce it, and we must keep supporting Israel’s security. I’m proud that we shaped a global climate agreement. Now we have to hold every country accountable to their commitments, including ourselves. And I’m proud to stand by our allies in NATO against any threat they face, including from Russia.

私は、私たちが1発の発砲もせずに、イランの核開発プログラムにふたをしたことを誇りに思います。私たちはこれからそれを施行しなければなりません。そして、イランの安全保障を支援し続けなければなりません。私は、私たちが気候に関する世界的な合意を形成できたことを誇りに思います。これから、私たち自身も含めてすべての国にその確約に対する説明責任を取らせなければなりません。そして、私は、ロシアの脅威を含め、NATOの同盟国が直面しているあらゆる脅威に対して、彼らの味方でいられたことを誇りに思います。

I’ve laid out my strategy for defeating ISIS. We will strike their sanctuaries from the air and support local forces taking them out on the ground. We will surge our intelligence so we detect and prevent attacks before they happen. We will disrupt their efforts online to reach and radicalize young people in our country. It won’t be easy or quick, but make no mistake we will prevail.

私はISISを打倒するための戦略を提示しました。私たちは彼らの避難場所を空から攻撃し、地上で彼らを掃討する現地の部隊を支援します。私たちは、攻撃が起きる前にそれを検知して防げるように情報活動を強化します。この国で若者に触手を伸ばし、過激な思想に染めようとする彼らのインターネット上の活動を阻止します。これは簡単でも、すぐにできることでもありませんが、私たちは間違いなく勝利します。

Now Donald Trump – Donald Trump says, and this is a quote, ‘I know more about ISIS than the generals do.’ No, Donald, you don’t.

ドナルド・トランプ氏は言います。これは彼の実際のことばです。「私は将軍たちよりもISISについてよく知っている」いいやドナルド、それはありえません。

He thinks – he thinks he knows more than our military because he claimed our armed forces are ‘a disaster.’ Well, I’ve had the privilege to work closely with our troops and our veterans for many years, including as a Senator on the Armed Services Committee. And I know how wrong he is. Our military is a national treasure. We entrust our commander-in-chief to make the hardest decisions our nation faces: decisions about war and peace, life and death. A president should respect the men and women who risk their lives to serve our country, including – including Captain Khan and the sons of Tim Kaine and Mike Pence, both Marines. So just ask yourself: Do you really think Donald Trump has the temperament to be commander-in-chief? Donald Trump can’t even handle the rough-and-tumble of a presidential campaign. He loses his cool at the slightest provocation – when he’s gotten a tough question from a reporter, when he’s challenged in a debate, when he sees a protestor at a rally. Imagine, if you dare imagine, imagine him in the Oval Office facing a real crisis. A man you can bait with a tweet is not a man we can trust with nuclear weapons.

彼は私たちの軍よりも多くのことを知っていると自分では思っています。なぜなら彼の主張によれば、私たちの軍は「ひどい状態」だからです。私は上院議員として軍事委員会に所属していたときを含めて何年もの間、軍や退役軍人の方たちと緊密に協力する機会に恵まれました。だから私は彼がどれだけ的外れかを知っています。私たちの軍は国の宝です。私たちはこの国が直面する最も困難な決断を最高司令官に委ねます。それは戦争や平和、生死に関わる決断です。大統領は命をかけてこの国に尽くしている人たちに敬意を払うべきです。その中には、カーン大尉やティム・ケイン氏やマイク・ペンス氏の息子たちも含まれます。彼らは2人とも海兵隊員です。自分に問いかけてみてください。ドナルド・トランプ氏には最高司令官になるための気質があると本当に思いますか?ドナルド・トランプ氏は荒っぽい大統領選の選挙運動をうまくこなすことすらできません。彼はほんの少し挑発されただけで冷静さを失います。記者から厳しい質問を受けたとき、討論会で異議を唱えられたとき、集会で抗議をする人を見たときもそうです。彼が大統領執務室で本当の危機に直面している姿をあえて想像してみてください。ツイートで釣れるような人に核兵器を委ねることはできません。

I can’t put it any better than Jackie Kennedy did after the Cuban Missile Crisis. She said that what worried President Kennedy during that very dangerous time was that a war might be started – not by big men with self-control and restraint, but by little men, the ones moved by fear and pride. America’s strength doesn’t come from lashing out. It relies on smarts, judgment, cool resolve, and the precise and strategic application of power. And that’s the kind of commander-in-chief I pledge to be.

キューバ危機のあとのジャッキー・ケネディ夫人の発言ほど、それをうまく言い表したことばはないでしょう。彼女はこう言いました。ケネディ大統領がとても危険な時期に心配していたのは自制心や抑制の効く大きな男ではなく、恐怖やプライドで動く小さな男によって戦争が始まる可能性だったと。アメリカの強さは暴言を吐くことから来るのではありません。その強さは、賢さ、分別、冷静な決意、そして、正確に戦略的に力を行使することで成り立っているのです。私はそのような最高司令官になることを約束します。

And if we’re serious about keeping our country safe, we also can’t afford to have a president who’s in the pocket of the gun lobby. I’m not here to repeal the Second Amendment. I’m not here to take away your guns. I just don’t want you to be shot by someone who shouldn’t have a gun in the first place. We will work tirelessly with responsible gun owners to pass common-sense reforms and keep guns out of the hands of criminals, terrorists, and all others who would do us harm.

真剣に国の安全を守ることを考えるなら、銃関連のロビー団体からお金を受け取っている人を大統領にすることはできません。私はここで憲法修正第2条の撤廃を主張するつもりはありません。皆さんの銃を取り上げるつもりもありません。ただ、そもそも銃を持つべきではない人間に皆さんが撃たれるようなことはあってほしくないのです。私たちは責任ある銃所有者と精力的に協力して常識的な改革案を可決し、犯罪者、テロリスト、そして、私たちを傷つけようとするその他のすべての者の手に銃が渡らないようにします。

You know, for decades, people have said this issue was too hard to solve and the politics too hot to touch. But I ask you: How can we just stand by and do nothing? You heard, you saw, family members of people killed by gun violence on this stage. You heard, you saw family members of police officers killed in the line of duty because they were outgunned by criminals. I refuse to believe we can’t find common ground here. We have to heal the divides in our country, not just on guns but on race, immigration, and more.

何十年もの間、人々はこの問題は解決するのが難しすぎるし、それに関わるのは政治的に危険すぎると言ってきました。しかし、皆さんにお聞きします。ただ傍観していることなどできますか?このステージで皆さんは銃の暴力によって肉親を殺された遺族の姿を見て、その声を聞いたはずです。自分たちよりも多くの武器を持つ犯罪者によって職務中に殺された警察官の遺族の姿を見て、その声を聞いたはずです。私はこの問題に関しては合意点は見つけられないという考えは拒否します。 私たちは、銃だけでなく、人種、移民やその他の問題におけるこの国の亀裂を癒やす必要があります。

And that starts with listening, listening to each other, trying as best we can to walk in each other’s shoes. So let’s put ourselves in the shoes of young black and Latino men and women who face the effects of systemic racism and are made to feel like their lives are disposable. Let’s put ourselves in the shoes of police officers, kissing their kids and spouses goodbye every day and heading off to do a dangerous and necessary job. We will reform our criminal justice system from end to end, and rebuild trust between law enforcement and the communities they serve. And we will defend – we will defend all our rights: civil rights, human rights, and voting rights; women’s rights and workers’ rights; LGBT rights and the rights of people with disabilities. And we will stand up against mean and divisive rhetoric wherever it comes from.

それは、お互いの声に耳を傾け、できるだけお互いの立場に立とうとすることから始まります。だから、組織的な人種差別の影響に直面し、自分の命が使い捨てであるかのように感じさせられている黒人やヒスパニック系の若者の立場に立ってみましょう。自分の子どもや配偶者に毎日「行ってきます」のキスをして、危険ではあるけれども必要な仕事に向かう警察官の立場に立ってみましょう。私たちは刑事司法制度を隅々まで改革し、警察と彼らが奉仕する地域社会との間の信頼を築き直します。そして、私たちは私たち全員の権利を守ります。それは、公民権、人権、投票権、女性の権利、労動者の権利、LGBTと呼ばれる性的マイノリティーの人たちの権利、障害のある人たちの権利です。そして、私たちは、卑劣で対立をあおるようなことばには、それが誰から発せられたものであっても立ち向かいます。

You know, for the past year, many people made the mistake of laughing off Donald Trump’s comments, excusing him as an entertainer just putting on a show. They thought he couldn’t possibly mean all the horrible things he says, like when he called women ‘pigs’ or said that an American judge couldn’t be fair because of his Mexican heritage, or when he mocks and mimics a reporter with a disability, or insults prisoners of war – like John McCain, a hero and a patriot who deserves our respect.

この1年、多くの人が、ドナルド・トランプ氏の発言を笑い飛ばし、彼のことをショーを催しているエンターテイナーとして許してしまうという間違いを犯してきました。彼らは彼が本気であのようなさまざまな恐ろしい発言をしているわけがないと考えていたのです。例えば、彼は女性を「豚」と呼んだり、アメリカ人の判事を「メキシコ系の出自だから公平な裁きができない」と言ったり、障害のある記者をばかにしてまねしたり、ジョン・マケイン氏のような戦争捕虜を侮辱したりしてきました。マケイン氏は尊敬されるべき英雄で愛国者です。

Now, at first, I admit, I couldn’t believe he meant it, either. It was just too hard to fathom, that someone who wants to lead our nation could say those things, could be like that. But here’s the sad truth: There is no other Donald Trump. This is it. And in the end, it comes down to what Donald Trump doesn’t get: America is great because America is good.

私も認めます。最初は私も彼が本気でそのようなことを言っているとは信じられませんでした。この国を率いたいと考えている人があのようなことを言って、あのような態度をとるなんて理解しがたかったのです。しかし、悲しい真実があります。ドナルド・トランプはほかにはいません。これが彼なのです。結局のところ、大事なのは彼が「何を理解していないか」です。それは「アメリカが偉大な国であるのは、アメリカが善良であるからだ」という事実です。

So enough with the bigotry and the bombast. Donald Trump’s not offering real change. He’s offering empty promises. And what are we offering? A bold agenda to improve the lives of people across our country – to keep you safe, to get you good jobs, to give your kids the opportunities they deserve.

偏見や大言壮語はもうたくさんです。ドナルド・トランプ氏は真の変革を提示していません。彼が提示しているのは空約束です。私たちは何を提示しているでしょうか?国中の人々の生活を改善し、皆さんの安全を守り、よい仕事に就いてもらい、皆さんの子どもたちに彼らにふさわしい機会を与えるための大胆な政策です。

The choice is clear, my friends. Every generation of Americans has come together to make our country freer, fairer, and stronger. None of us ever have or can do it alone. I know that at a time when so much seems to be pulling us apart, it can be hard to imagine how we’ll ever pull together. But I’m here to tell you tonight – progress is possible. I know. I know because I’ve seen it in the lives of people across America who get knocked down and get right back up.

友人の皆さん、これは明らかな選択です。すべての世代のアメリカ人はこの国をより自由に、より公平に、より強くするために結束してきました。私たちの誰も、それを1人でやった人はいないし、1人でできる人はいません。私たちを分裂させる要因がとてもたくさんあるように見える今、私たちがどうやって協力できるのか想像するのが難しいかもしれないことは私も理解しています。しかし、今夜ここで申し上げたいのは、進歩は可能であるということです。私には分かります。なぜなら、私は全国で打ちのめされてもすぐに立ち直る人々の人生の中にそれを見てきたからです。

And I know it from my own life. More than a few times, I’ve had to pick myself up and get back in the game. Like so much else in my life, I got this from my mother too. She never let me back down from any challenge. When I tried to hide from a neighborhood bully, she literally blocked the door. ‘Go back out there,’ she said. And she was right. You have to stand up to bullies. You have to keep working to make things better, even when the odds are long and the opposition is fierce.

そして、私は自分自身の人生の経験からもそれを知っています。 みずからを奮い立たせて仕事に戻らなければならなかったことは数回ではありません。私の人生におけるほかの多くの教訓と同じように、このことも私は母から学びました。彼女はどんな試練からも逃げることを許してくれませんでした。私が近所のいじめっ子から隠れようとすると、彼女は家のドアを閉めて「外に戻りなさい」と言いました。彼女の言うとおりでした。いじめっ子には立ち向かわなければなりません。勝つ確率が低く獰猛(どうもう)な敵が相手でも、状況をよくするために頑張り続けなければなりません。

We lost our mother a few years ago, but I miss her every day. And I still hear her voice urging me to keep working, keep fighting for right, no matter what. That’s what we need to do together as a nation. And though ‘we may not live to see the glory,’ as the song from the musical Hamilton goes, ‘let us gladly join the fight.’ Let our legacy be about ‘planting seeds in a garden you never get to see.’

母が亡くなってから数年になりますが、私は毎日、母がいないことを寂しく思っています。そして、私には今でも、たとえ何があろうと正しいことのために努力を続け、戦い続けるよう私を促す母の声が聞こえます。それこそ私たちが国として結束してすべきことです。ミュージカル「ハミルトン」の歌にあるように、「私たちは栄光を目にするまでは生きられないかもしれないけど、戦いに喜んで参加しましょう」「実がなるのを自分では決して見られないような種を庭に植えた」という遺産を残しましょう。

That’s why we’re here, not just in this hall, but on this Earth. The Founders showed us that, and so have many others since. They were drawn together by love of country, and the selfless passion to build something better for all who follow. That is the story of America. And we begin a new chapter tonight.

だからこそ私たちは、このホールにいるだけでなく、この地球にいるのです。建国の父たちが、そして、それ以来多くの人が私たちにそれを示してくれました。彼らは国への愛によって、そして、あとに続くすべての世代のために、よりよい何かを築こうとする無私無欲の情熱によって結束しました。それがアメリカの物語です。そして、私たちは今夜、新たな一章を始めます。

Yes, the world is watching what we do. Yes, America’s destiny is ours to choose. So let’s be stronger together, my fellow Americans. Let’s look to the future with courage and confidence. Let’s build a better tomorrow for our beloved children and our beloved country. And when we do, America will be greater than ever.

そうです、世界は私たちのすることに注目しています。そうです、アメリカの運命は私たちが選ぶべきものです。だから国民の皆さん、結束して強くなりましょう。勇気と自信を持って未来に目を向けましょう。私たちの愛する子どもや愛する国のためによりよいあしたを築きましょう。私たちがそれをすれば、アメリカはこれまで以上に偉大な国になります。

Thank you and may God bless you and the United States of America.”

ありがとうございます。皆さんとアメリカに神のご加護がありますように。

追記:




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by yomodalite | 2016-08-02 13:29 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

ドナルド・トランプ指名受諾演説(英語+日本語+動画)





私は日々の「ニュース」から、極力距離を置くようにしています。ネットでは今だにマスメディアはこういった事実を取り上げないとか、洗脳といった意見をよく目にしますが、マスメディアの製作者たちよりも、さらに自己洗脳されている人が書いているか、もしくは、より熱心な工作が目につくことも多く、出来る限り、異なる意見に触れたいと思ってネットを徘徊しても疲れを感じるばかり。

そして、一番辛い気持ちになるのは、どちらの側にも、相手を説得しようという気持ちがなく、嘲笑したり、攻撃するような言葉ばかりが溢れていること。

大統領選のニュースは日本でも大きく取り上げられ、トランプ氏への批判はずいぶんと耳にしました。他所の国の事情を理解することは、とても難しいことなので、どちらが・・なんてことは言いたくありませんが、トランプのことを、「人々の間に壁を築こうとする」人間だと思っている人は多く、マスメディアではヒラリーに対しての批判を目にすることはほとんどありませんでした。信じられないことです。

ヒラリーが異なる宗教や価値観を持つ国々を破壊するために、どれだけ多くの移民と貧しい国民を兵隊にし、米国国民の税金だけでなく、日本をATMにして戦闘を続けたか。そしてテロとの戦いという言葉で多くの人々の国を破壊し、豊かさや異文化を求めてやって来た移民たちとは出自の違う難民を増やして、世界を大混乱させたか。そして、その証拠となるはずだった私的メールや、ベンガジ問題の調査も金と権力によってうやむやに・・・

私にはヒラリーが大統領になるよりは・・と思えてならないのですが、そんな風に思う人間は知的レベルが低い人間だと思われるようです。(私に限っては事実ですけどw)

ビル・クリントン大統領の女性問題といい、ブッシュ時代のマイケル裁判といい、どうでもいい問題ばかりですべてのメディアが右往左往する時代に日本も突入しましたが、とりあえず、英語の勉強のためにトランプが共和党の代表になったときの演説全文(英文+日本語)をメモしておきます。




Friends, delegates and fellow Americans: I humbly and gratefully accept your nomination for the presidency of the United States.

友人の皆さん、代議員の皆さん、そして、同胞であるアメリカ国民の皆さん。私は、謹んで感謝の念とともに、アメリカ大統領への指名を受諾致します。

Who would have believed that when we started this journey on June 16th of last year we – and I say “we” because we are a team – would have received almost 14 million votes, the most in the history of the Republican Party, and that the Republican Party would get 60 percent more votes than it received eight years ago. Who would have believed this? Who would have believed this? The Democrats, on the other hand, received 20 percent fewer votes than they got four years ago. Not so good. Not so good.

私たちが、去年の6月16日にこの旅を始めたとき、私が、私たちと申し上げているのは、私たちがチームだからですが、私たちが、共和党の歴史において、最も多くの得票数となったおよそ1400万票を獲得するとは、誰が信じていたでしょうか? そして、共和党は8年前よりも60%も多い票を獲得したのです。誰がそれを信じていたでしょうか? その一方で、民主党の得票数は4年前を20%下回っていました。これはよいことではありません。

Together, we will lead our party back to the White House, and we will lead our country back to safety, prosperity, and peace. We will be a country of generosity and warmth. But we will also be a country of law and order.

私たちは、一緒になって私たちの党を再びホワイトハウスに導き、安全や繁栄、そして、平和をわが国に取り戻します。私たちの国は寛大で温かい国になるでしょう。しかし、私たちは、法と秩序の国にもなるでしょう。

Our Convention occurs at a moment of crisis for our nation. The attacks on our police, and the terrorism in our cities, threaten our very way of life. Any politician who does not grasp this danger is not fit to lead our country.

私たちの党大会は、わが国にとって危機のときに開催されています。私たちの警察が攻撃され、都市ではテロが発生して、私たちの生活そのものを脅かしています。この危険を把握できない政治家は、どのような人であっても、わが国を導くのにふさわしくありません。

Americans watching this address tonight have seen the recent images of violence in our streets and the chaos in our communities. Many have witnessed this violence personally; some have even been its victims.

今夜、この演説を聞いているアメリカ人は、私たちの身近で起きた最近の暴力や、地域社会での混乱を目にしています。多くの人は、こうした暴力を個人的に目撃しています。中には、その犠牲となった人達さえもいます。

I have a message for all of you: the crime and violence that today afflicts our nation will soon – and I mean very soon- come to an end. Beginning on January 20th 2017, safety will be restored.

私は、皆さんにメッセージを送ります。現在、わが国を苦しめている犯罪や暴力はすぐに―、本当にすぐに終わりになるでしょう。2017年1月20日からは、安全が回復されるでしょう。

The most basic duty of government is to defend the lives of its own citizens. Any government that fails to do so is a government unworthy to lead.

政府の最も基本的な義務は、市民の生命を守ることです。それができない政府は、どのような政府であれ、率いるに値しない政府です。

It is finally time for a straightforward assessment of the state of our nation.
I will present the facts plainly and honestly. We cannot afford to be so politically correct anymore.

ついに、私たちが、国の現状を率直に評価するときがきたのです。私は、明白に、そして、正直に事実をお伝えします。私たちには、もはや政治的な正しさだけを言っている余裕はありません。

So if you want to hear the corporate spin, the carefully-crafted lies, and the media myths the Democrats are holding their convention next week. Go there.

ですから、もしも皆さんが、企業の片寄った見解や念入りに仕組まれたウソ、そして、メディアの神話を聞きたいと思うのであれば―、民主党が来週党大会を開催しますから、そこへ行きなさい。

But here, at our convention, there will be no lies. We will honor the American people with the truth, and nothing else.

しかし、私たちの党大会ではウソはありません。私たちは、真実を伝えて、アメリカ国民に敬意を表します。それ以外のものは何もありません。

These are the facts:

これらが事実です。

Decades of progress made in bringing down crime are now being reversed by this Administration’s rollback of criminal enforcement.

何十年もかけて犯罪を減らしてきましたが、現政権が警察を減らしたため、状況が逆戻りしています。

Homicides last year increased by 17% in America’s fifty largest cities. That’s the largest increase in 25 years. In our nation’s capital, killings have risen by 50 percent. They are up nearly 60% in nearby Baltimore.

アメリカの50の大都市における去年の殺人件数は17%増加しました。この25年で最大の増加です。わが国の首都では殺人が50%増加しています。首都近郊のボルチモアでは60%近くも増えています。

In the President’s hometown of Chicago, more than 2,000 people have been the victims of shootings this year alone. And almost 4,000 have been killed in the Chicago area since he took office.

大統領の出身地であるシカゴでは、ことしだけでも2000人以上が銃の発砲によって犠牲になっています。そして、シカゴ地区では、オバマ大統領が就任して以来、およそ4000人以上が殺害されています。

The number of police officers killed in the line of duty has risen by almost 50% compared to this point last year. Nearly 180,000 illegal immigrants with criminal records, ordered deported from our country, are tonight roaming free to threaten peaceful citizens.

職務中に殺害された警察官の数は、去年の同じ時期に比べておよそ50%も増加しています。犯罪歴があり、わが国から追放を命じられた18万人近くの不法移民が、今夜も自由にうろついて、平和な市民たちを脅かしています。

The number of new illegal immigrant families who have crossed the border so far this year already exceeds the entire total from 2015. They are being released by the tens of thousands into our communities with no regard for the impact on public safety or resources.

ことしに入ってこれまでに国境を越えた新たな不法移民の数は、すでに2015年の年間の人数を超えています。公共の安全や資源に与える影響などお構いなしに、何万人もの不法移民が私たちの地域社会に放たれているのです。

One such border-crosser was released and made his way to Nebraska. There, he ended the life of an innocent young girl named Sarah Root. She was 21 years-old, and was killed the day after graduating from college with a 4.0 Grade Point Average, number one in her class. Her killer was then released a second time, and he is now a fugitive from the law.

このようにして国境を越えて入ってきた1人の男が自由の身となって、ネブラスカに行きました。そこで、彼は、サラ・ルートさんという名前の無実の若い女性の命を奪ったのです。彼女は21歳で、優秀な成績で大学を卒業した翌日に殺害されました。クラスでいちばんの成績をおさめていたのです。彼女を殺害した男は、当時、2度も釈放されており、現在は法の網の目をくぐり抜けて逃亡者になっています。

I’ve met Sarah’s beautiful family. But to this Administration, their amazing daughter was just one more American life that wasn’t worth protecting. No more. One more child to sacrifice on the altar of open borders.

私は、サラさんの美しい家族にお会いしました。しかし、今の政権にとっては、彼らの美しい娘は、保護する価値のない、1人のアメリカ人の命に過ぎませんでした。これ以上、子どもが、開かれた国境の犠牲になるようなことがあってはなりません。

What about our economy?

私たちの経済はどうでしょうか?

Again, I will tell you the plain facts that have been edited out of your nightly news and your morning newspaper: Nearly Four in 10 African-American children are living in poverty, while 58% of African-American youth are now not employed. 2 million more Latinos are in poverty today than when President Obama took his oath of office less than eight years ago. Another 14 million people have left the workforce entirely.

皆さんが目にする夜のニュースや朝刊に載っている明白な事実をお伝えしましょう。アフリカ系アメリカ人の子どもたちの10人に4人近くが貧困生活を送っており、アフリカ系アメリカ人の若者の58%が雇用されていません。オバマ大統領が8年前に大統領に就任したときに比べて、現在、ヒスパニック系アメリカ人で貧困に苦しんでいる人たちは200万人も増えています。更に1400万人が労働人口から完全に外れています。

Household incomes are down more than 4 thousand dollars since the year 2000. That’s 16 years ago. Our trade deficit in goods reached nearly - think of this, think of this - our trade deficit is 800 billion dollars - think of that -, 800 billion dollars last year alone. We’re going to fix that.

世帯収入は、16年前の2000年以降、4000ドル以上も下がっています。私たちのモノの貿易赤字は去年だけでおよそ8000億円に達しました。私たちは、それを直します。

The budget is no better. President Obama has almost doubled our national debt to more than 19 trillion dollars, and growing. And yet, what do we have to show for it? Our roads and bridges are falling apart, our airports are in Third World condition, and forty-three million Americans are on food stamps.

予算もよくありません。オバマ大統領は、国家の債務をおよそ19兆ドル以上に倍増させ、今も増え続けています。しかし、それにもかかわらず、私たちの道路や橋はばらばらに壊れ、空港は第三世界の様相を呈し、4300万人のアメリカ人が食糧切符で暮らしています。

Now let us consider the state of affairs abroad.

海外での状況について考えてみましょう。

Not only have our citizens endured domestic disaster, but they have lived through one international humiliation after another. One after another. We all remember the images of our sailors being forced to their knees by their Iranian captors at gunpoint.

私たちは、国内の災難に耐えてきただけでなく、相次ぐ国際的な屈辱にも耐えてきました。私たちは、アメリカ人の水兵たちがイラン人に捕らえられ、銃口を突きつけられて跪かされていた映像を覚えています。

This was just prior to the signing of the Iran deal, which gave back to Iran 150 billion dollars and gave us absolutely nothing – it will go down in history as one of the worst deals ever negotiated. Another humiliation came when president Obama drew a red line in Syria – and the whole world knew it meant absolutely nothing.

これは、イランに1500億ドルも払い、私たちには全く何も与えられなかったイランとの核合意に署名する直前のことでした。このことは、これまで交渉されたなかで、最悪の取引きの1つとして歴史に刻まれることでしょう。もう1つの屈辱は、オバマ大統領が、シリアで超えてはならない一線を引いたときです。世界中が、それが全く意味のないものであることを知っていました。

In Libya, our consulate – the symbol of American prestige around the globe – was brought down in flames. America is far less safe – and the world is far less stable – than when Obama made the decision to put Hillary Clinton in charge of America’s foreign policy.

リビアでは、アメリカの威信の象徴である領事館が炎に包まれて燃え落ちました。オバマ大統領がヒラリー・クリントン氏をアメリカの外交政策の責任者にすることを決定したときよりも、アメリカははるかに安全ではなく、世界もはるかに不安定なものになっています。

Let’s defeat her in November.

11月にはクリントン氏を打ち負かしましょう。

I am certain that it was a decision that President Obama truly regrets. Her bad instincts and her bad judgement – something pointed out by Bernie Sanders – are what caused so many of the disasters unfolding today.

クリントン氏の国務長官就任は、オバマ大統領が心から後悔している決定だと私は思います。クリントン氏のお粗末な本能とまずい判断が―それは、バーニー・サンダース氏も指摘していたことですが―現在も続いている惨事の多くを引き起こしたのです。

Let’s review the record.

過去を振り返ってみましょう。

In 2009, pre-Hillary, ISIS was not even on the map. Libya was stable. Egypt was peaceful. Iraq was seeing a big big reduction in violence. Iran was being choked by sanctions. Syria was somewhat under control.

クリントン氏がアメリカ外交の責任者に就任する前の2009年、過激派組織IS=イスラミック・ステートは地図にさえ載っていませんでした。リビアは安定していました。エジプトは平和でした。イラクでは暴力が大幅に減っていました。イランは制裁で窒息させられていました。シリアはなんとか統制が取れていました。

After four years of Hillary Clinton, what do we have?

ヒラリー・クリントン時代から4年後、私たちには何があるのでしょうか?

ISIS has spread across the region, and the entire world. Libya is in ruins, and our Ambassador and his staff were left helpless to die at the hands of savage killers. Egypt was turned over to the radical Muslim brotherhood, forcing the military to retake control.

ISは地域全体、そして、全世界へと拡散しています。リビアは破壊され、アメリカ大使とその職員は、野蛮な殺人者の手によって助けもないまま死亡しました。エジプトは過激なムスリム同胞団に引き渡され、軍による権力の掌握を余儀なくさせています。

Iraq is in chaos. Iran is on the path to nuclear weapons. Syria is engulfed in a civil war and a refugee crisis that now threatens the West. After fifteen years of wars in the Middle East, after trillions of dollars spent and thousands of lives lost, the situation is worse than it has ever been before.

イラクは混乱の中にあります。イランは核兵器開発の途上にあります。シリアは内戦に巻き込まれ、難民危機が西側諸国を脅かしています。中東での15年間の戦争で何兆ドルもの資金が投じられ、何千という命が失われたあと、状況はかつてないほど悪化しています。

This is the legacy of Hillary Clinton: death, destruction, terrorism and weakness.

これは、ヒラリー・クリントン氏が残した遺産です。死、破壊、テロリズム、そして弱さです。

But Hillary Clinton’s legacy does not have to be America’s legacy. The problems we face now – poverty and violence at home, war and destruction abroad – will last only as long as we continue relying on the same politicians who created them in the first place. A change in leadership is required to produce a change in outcomes.

しかし、ヒラリー・クリントン氏の遺産はアメリカの遺産である必要はありません。私たちが直面している問題、つまり、国内では貧困や暴力、海外では戦争や破壊は、そもそも最初にこうした事態を生み出したのと同じ政治家に私たちが依存し続けるかぎり、続いていくことでしょう。結果に変化を生み出すためには、リーダーシップの変化が必要とされているのです。

Tonight, I will share with you my plan of action for America.

今夜、私は、アメリカのための行動計画を皆さんと共有します。

The most important difference between our plan and that of our opponents, is that our plan will put America First. Americanism, not globalism, will be our credo. As long as we are led by politicians who will not put America First, then we can be assured that other nations will not treat America with respect, the respect that we deserve.

私たちの計画と私たちの対立候補との最も重要な違いは、私たちの計画がアメリカ第一であるということです。グローバリズムではなく、アメリカニズムが私たちの信条になるでしょう。私たちがアメリカを第一に据えない政治家によって導かれるかぎり、ほかの国々が私たちが当然値する尊敬の念を持ってアメリカに対応しないことは確かです。

The American People will come first once again. My plan will begin with safety at home – which means safe neighborhoods, secure borders, and protection from terrorism. There can be no prosperity without law and order.

アメリカ国民が、再び最優先されるでしょう。私の計画は、国内の安全から始まります。それは、安全な地域社会、安全な国境、そして、テロからの保護です。法と秩序なくしては、繁栄はありえません。

On the economy, I will outline reforms to add millions of new jobs and trillions in new wealth that can be used to rebuild America.

経済に関して、私は、アメリカの再建のため、何百万という新規の雇用と数兆ドルもの新たな富を生み出す改革の概略を述べます。

A number of these reforms that I will outline tonight will be opposed by some of our nation’s most powerful special interests. That is because these interests have rigged our political and economic system for their exclusive benefit. Believe me. It’s for their benefit.

今夜、私が示すこれらの改革の多くは、わが国の最も強力な特別利益団体のいくつかによって反対されることでしょう。なぜなら、彼らは自分たちの利益のために、私たちの政治的、経済的なシステムを不正に操作しているからです。私を信じて下さい。それは彼らの利益のためなのです。

Big business, elite media and major donors are lining up behind the campaign of my opponent because they know she will keep our rigged system in place. They are throwing money at her because they have total control over every single thing she does. She is their puppet, and they pull the strings.

大企業や大手メディア、大口の献金者は、私の対立候補の選挙運動を支援しています。なぜなら、彼女なら私たちの不正に操作されたシステムをそのままにしておくことを、彼らは知っているからです。彼らは、彼女が行うすべてのことをコントロールできるので、彼女にお金を投じているのです。彼女は彼らのあやつり人形で、彼らが糸を操っているのです。

That is why Hillary Clinton’s message is that things will never change – never ever. My message is that things have to change – and they have to change right now. Every day I wake up determined to deliver a better life for the people all across this nation that have been ignored, neglected and abandoned.

このため、ヒラリー・クリントン氏のメッセージは決して変わらないのです。私のメッセージは、物事は変わらなければならないというものです。そして、物事は今すぐに変わらなければなりません。私は毎日、この国の至る所で出会った、ないがしろにされ、無視され、見捨てられた人々のために、変化をもたらそうとの決意で目を覚まします。

I have visited the laid-off factory workers, and the communities crushed by our horrible and unfair trade deals. These are the forgotten men and women of our country, and they are forgotten, but they are not going to be forgotten long. These are people who work hard but no longer have a voice.

私は、一時解雇された工場労働者や、私たちのひどく不公平な貿易取引によって壊滅に至った地域社会を訪れています。こうした地域にいるのは、忘れ去られた、わが国の男性や女性たちです。懸命に働いているものの、もはや声を持たない人たちなのです。

I AM YOUR VOICE.

私はあなた方の代弁者です。

I have embraced crying mothers who have lost their children because our politicians put their personal agendas before the national good. I have no patience for injustice, no tolerance for government incompetence, no sympathy for leaders who fail their citizens.

私は、わが国の政治家たちが国家の利益よりも自分たちの課題を優先させたために、子どもを失って泣いている母親を擁護しています。私は、不正を我慢したり、政府の無能を容認したりはしませんし、自分たちの市民を見捨てる指導者に共感したりもしません。

When innocent people suffer, because our political system lacks the will, or the courage, or the basic decency to enforce our laws – or still worse, has sold out to some corporate lobbyist for cash – I am not able to look the other way. And I won’t look the other way.

私たちの政治制度が、意志や勇気、あるいは、法律を施行しようという基本的な品位に欠けているために、罪のない人々が苦しむとき―、あるいは、なお悪いことに、現金と引き換えに企業のロビイストにそれらを売り渡しているとき、私は、反対の方向を見ることはできません。私は見て見ぬふりはしないでしょう。

And when a Secretary of State illegally stores her emails on a private server, deletes 33,000 of them so the authorities can’t see her crime, puts our country at risk, lies about it in every different form and faces no consequence – I know that corruption has reached a level like never ever before in our country.

前国務長官が、私用サーバーにメールを違法に蓄積し、当局に犯罪を見抜かれないように33000件のメールを削除して、わが国を危険にさらし、あれこれウソを並べ立てても責任をとらない。私は、こうした腐敗がわが国でかつてないレベルにまで進んでいることを知っています。

When the FBI Director says that the Secretary of State was “extremely careless” and “negligent,” in handling our classified secrets, I also know that these terms are minor compared to what she actually did. They were just used to save her from facing justice for her terrible terrible crimes.

FBI長官は、前国務長官の機密の取り扱いについて、“極度に不注意”で“怠慢”だったと述べていますが、彼女が実際にしたことに比べ、これらのことばが軽いことも私には分かっています。彼らは、酷い犯罪に対して裁きが下されることから彼女を救うことが常なのです。

In fact, her single greatest accomplishment may be committing such an egregious crime and getting away with it – especially when others, who have done far less, have paid so dearly. When that same Secretary of State rakes in millions and millions of dollars trading access and favors to special interests and foreign powers I know the time for action has come.

実際のところ、彼女のただ1つの最大の業績は、言語道断な罪を犯して、それから逃れていることかもしれません。特に、はるかに軽い罪を犯したほかの人たちが大きな代償を支払っていることを考えれば―。その国務長官が、通商へのアクセスで特別な利益団体や海外の有力者に便宜を図るのと引き換えに何百万ドルもの金をかき集めているとき、私には行動のときが来たことが分かりました。

I have joined the political arena so that the powerful can no longer beat up on people who cannot defend themselves. Nobody knows the system better than me, which is why I alone can fix it. I have seen firsthand how the system is rigged against our citizens, just like it was rigged against Bernie Sanders – he never had a chance. Never had a chance.

私は、力のある人たちが、自分たちを守ることができない人々を叩きのめしたりできないようにするために政界の仲間入りをしました。私よりこのシステムをよく知っている人は誰もいません。だからこそ、私は1人で、それを正すことができるのです。私は、いかにシステムが私たちの市民に対して不正操作されているかをじかに目にしていますし、それは、バーニー・サンダース氏に対する不正操作にも言えます。サンダース氏には決してチャンスはありませんでした。

But his supporters will join our movement, because we will fix his biggest single issue: trade deals that strip our country of its jobs and strip us of our wealth as a country. Millions of Democrats will join our movement because we are going to fix the system so it works fairly, and justly, for each and every American.

しかし、彼の支援者たちは私たちの運動に加わることでしょう。なぜなら、私たちが、彼の最大かつ唯一の課題、つまり、わが国から雇用や富を奪っている貿易の取り決めについて正すからです。何百万という民主党員が私たちの活動に加わることでしょう。なぜなら、すべてのアメリカ人にとって公平に正しく機能するように、私たちがこのシステムを正すからです。

In this cause, I am proud to have at my side the next Vice President of the United States: Governor Mike Pence of Indiana.We will bring the same economic success to America that Mike brought to Indiana which is amazing. He is a man of character and accomplishment. He is the man for the job.The first task for our new Administration will be to liberate our citizens from the crime and terrorism and lawlessness that threatens our communities.

この運動において、私は、次期副大統領としてインディアナ州のマイク・ペンス知事を伴走者として迎えることを誇りに思います。私たちは、ペンス氏がインディアナ州にもたらした驚くべき経済的成功と同じものをアメリカにももたらすでしょう。彼は人格者であり、業績を打ち立てた人物です。彼は仕事に取り組める人です。私たちの新政権の初仕事は、地域社会を脅かしている犯罪やテロ、そして、無法状態から私たちの市民を解放することです。

America was shocked to its core when our police officers in Dallas were so brutally executed. Immediately after Dallas, we have seen continued threats and violence against our law enforcement officials. Law officers have been shot or killed in recent days in Georgia, Missouri, Wisconsin, Kansas, Michigan and Tennessee.

ダラスの警察官が極めて残忍な手口で処刑されたとき、アメリカは心の底から衝撃を受けました。ダラス事件の直後に、警察官への脅迫や暴力が続くのを私たちは見ました。ここ最近だけで、ジョージア、ミズーリ、ウィスコンシン、カンザス、ミシガン、テネシーで警察官が銃撃されたり殺害されたりしています。

On Sunday, more police were gunned down in Baton Rouge, Louisiana. Three were killed, and three were very very badly injured. An attack on law enforcement is an attack on all Americans. I have a message to every last person threatening the peace on our streets and the safety of our police: when I take the oath of office next year, I will restore law and order to our country. Believe me. Believe me.

日曜日には、ルイジアナ州バトンルージュで新たに複数の警察官が銃撃されました。3人が死亡し、3人がひどい重傷を負いました。警察官への攻撃はすべてのアメリカ人への攻撃です。私は、街の平穏や警察官の安全を脅かすようなことを決してしない、すべての人に伝えたい。来年、就任の宣誓をしたら、私は法と秩序をこの国に取り戻します。私を信じてください。信じてください。

I will work with, and appoint, the best and brightest prosecutors and law enforcement officials to get the job properly done. In this race for the White House, I am the Law And Order candidate. The irresponsible rhetoric of our President, who has used the pulpit of the presidency to divide us by race and color, has made America a more dangerous environment than frankly, I have ever seen and anybody in this room has ever watched or seen.

私は全米で最も優れた検察官および警察官を任命し、適切に職務が実行されるよう彼らと協力します。ホワイトハウスを目指すこのレースにおいて、私は法と秩序の候補です。大統領職の演壇を利用して私たちを人種や肌の色で分断した大統領は、その無責任な発言により、率直に言って、私をはじめこの部屋にいる誰もがこれまで見たこともないほど危険な環境にアメリカを陥れました。

This Administration has failed America’s inner cities. Remember. It has failed America’s inner cities. It’s failed them on education. It’s failed them on jobs. It’s failed them on crime. It’s failed them in every way and on every single level.

この政権はアメリカのインナーシティー(貧困層の多い都心部)を裏切りました。忘れないでください。彼らはアメリカのインナーシティーを裏切ったのです。教育や雇用において裏切り、犯罪に関して失望させ、あらゆる方法、あらゆるレベルで彼らを裏切ったのです。

When I am President, I will work to ensure that all of our kids are treated equally, and protected equally.

私が大統領になったら、間違いなくすべての子どもたちが平等に扱われ、平等に守られるようにします。

Every action I take, I will ask myself: does this make better for young Americans in Baltimore, Chicago, Detroit, Ferguson who have really in every way, folks, the same right to live out their dreams as any other child in America? Any other child...

行動を起こすたびに私は自分に問いかけます。これはボルチモア、シカゴ、デトロイト、ファーガソンの若者たちの生活をよくするだろうかと。彼らにはあらゆる点で、ほかのアメリカのどの子どもと変わらずに夢をかなえる権利があります。ほかのどの子供とも変わらずに。

To make life safe for all our citizens, we must also address the growing threats we face from outside the country: we are going to defeat the barbarians of ISIS and we’re going to defeat them fast. Once again, France is the victim of brutal Islamic terrorism.

アメリカのすべての市民の暮らしを安全にするために、私たちは、アメリカが直面し、増大する国外の脅威にも取り組まなくてはなりません。私たちはISの野蛮人を打倒します。しかも、迅速に打倒します。フランスは再び野蛮なイスラム過激主義の被害者になりました。

Men, women and children viciously mowed down. Lives ruined. Families ripped apart. A nation in mourning.

男性、女性、子供たちが凶暴な手段で無差別に殺害されました。人生を台無しにされ、家族が引き裂かれました。国民は嘆き悲しんでいます。

The damage and devastation that can be inflicted by Islamic radicals has been proven over and over – at the World Trade Center, at an office party in San Bernardino, at the Boston Marathon, at a military recruiting center in Chattanooga, and many many other locations.

イスラム過激派が損害や破壊を生じさせえることは何度となく実証されています。世界貿易センターで、サンバーナーディーノの職場のパーティーで、ボストンマラソンで、テネシー州チャタヌーガの軍の新兵募集所で、その他、多くの場所で。

Only weeks ago, in Orlando, Florida, 49 wonderful Americans were savagely murdered by an Islamic terrorist. This time, the terrorist targeted our LGBTQ community.

ほんの数週間前にも、フロリダ州オーランドで49人のすばらしいアメリカ人がイスラム主義のテロリストにより無残にも殺害されました。このとき、テロリストの標的になったのはLGBTQ(性的マイノリティー)のコミュニティーでした。

No good. We are going to stop it.

ひどい話であり、私たちはこういうことをやめさせます。

As your President, I will do everything in my power to protect our LGBTQ citizens from the violence and oppression of a hateful foreign ideology. Believe me. I have to say as a republican it is so nice to hear your cheering about what I just said. To protect us from terrorism, we need to focus on three things.

皆さんの大統領として、私は、憎しみに満ちた外国のイデオロギーの暴力や抑圧から、アメリカのLGBTQの市民を守るために全力を尽くします。私を信じてください。共和党員として言わせてもらえば、今の私の発言に対する皆さんの歓声を聞いて本当に嬉しいです。ありがとう。アメリカをテロから守るために、私たちは3つのことに焦点を当てなくてはなりません。

We must have the best, absolutely the best gathering of intelligence anywhere in the world. The best. We must abandon the failed policy of nation-building and regime change that Hillary Clinton pushed in Iraq, Libya, Egypt and Syria.

私たちは世界のあらゆる所で絶対的に優れた情報収集力を持たなくてはなりません。最も優れた力をです。ヒラリー・クリントンが、イラクやリビア、エジプト、シリアで推し進めて失敗に終わった国家建設や体制変革の政策を捨てなくてはなりません。

Instead, we must work with all of our allies who share our goal of destroying ISIS and stamping out Islamic terrorism and doing it now and doing it quickly. We’re going to win and we’re going to win fast. This includes working with our greatest ally in the region, the State of Israel.

代わりに、ISの殲滅とイスラム過激主義の根絶という私たちの目標を共有する同盟国と力を合わせて行動しなくてはなりません。そして、それを今すぐに、迅速に行うことにより、私たちは勝利し、しかも、速やかに勝利するのです。それには、あの地域における私たちの最大の同盟国であるイスラエル国との協力が含まれます。

Recently I have said that NATO was obsolete, because it did not properly cover terror, and also, that many of the member countries were not paying their fair share. As usual, the United States has been picking up the cost. Shortly thereafter, it was announced that NATO will be setting up a new program in order to combat terrorism -- a true step in the right direction.

先日、私は、NATO=北大西洋条約機構はテロに適切に対応しておらず、加盟国の多くが相応の負担を支払っていないため、時代遅れだと言いました。いつものように、アメリカがその「つけ」を支払っています。私の発言のすぐあとに、NATOはテロと戦う新しいプログラムを策定すると発表しました。正しい方向への真の一歩です。

Lastly, and very importantly, we must immediately suspend immigration from any nation that has been compromised by terrorism until such time as proven vetting mechanisms have been put in place. We don’t want them in our country.

最後に、そして、これは非常に重要なことですが、確かな審査方法が実施されるまで、私たちはテロに屈したあらゆる国からの移民受け入れを即刻、一時停止しなくてはなりません。私たちは彼らを国に入れたくないのです。

My opponent has called for a radical 550% increase in Syrian, think of this, think of this, this is not believable but this is what’s happening, a 550% increase in Syrian refugees on top of the existing massive refugee flows coming into our country already under the leadership of President Obama. She proposes this despite the fact that there’s no way to screen these refugees in order to find out who they are or where they come from. I only want to admit individuals into our country who will support our values and love our people.

私の対立候補は、シリア人(の受け入れ)をなんと550%増やそうと呼びかけています。考えてみてください。信じられませんが、実際に起きていることです。オバマ大統領の指揮のもとですでに行われている既存の大量移民流入に加えて、シリアからの難民を550%も増やそうとしているのです。これらの難民がどういう人で、どこの出身かを知るための審査方法がないにもかかわらず、彼女はこれを提案しているのです。私は、アメリカの価値観を支持し、アメリカ国民を愛する人にしかこの国に入ってほしくありません。

Anyone who endorses violence, hatred or oppression is not welcome in our country and never ever will be.

暴力や憎しみ、あるいは抑圧を是認するような人間はこの国には歓迎されません。未来永劫です。

Decades of record immigration have produced lower wages and higher unemployment for our citizens, especially for African-American and Latino workers. We are going to have an immigration system that works, but one that works for the American people. On Monday, we heard from three parents whose children were killed by illegal immigrants—Mary Ann Mendoza, Sabine Durden, and my friend Jamiel Shaw. They are just three brave representatives of many thousands who have suffered so gravely.

記録的な入国者が数十年続いた結果、私たちの市民、とりわけアフリカ系アメリカ人とヒスパニック系アメリカ人は賃金の低下と失業率の上昇にさらされました。私たちは機能する移民制度、ただし、アメリカ国民のために機能する移民制度を打ち出します。

Of all my travels in this country, nothing has affected me more, nothing even close I have to tell you, than the time I have spent with the mothers and fathers who have lost their children to violence spilling across our borders, which we can solve, we have to solve them.

月曜日に、私たちは不法移民に子どもを殺された3人の親、メアリーアン・メンドーザ、サビーン・ダーデン、そして、私の友人、ジャミール・ショウから話を聞きました。彼らは深い苦しみを背負った何千、何万という人たちを代表する勇気ある3人です。これまで全米を旅していて、私の心を何よりも深く、はっきり言ってほかに比べるものがないほど深く動かしたのは、国境を超えて入ってくる暴力によって子どもを失った母親や父親と過ごした時間でした。私たちはこの問題を解決できるし、解決しなくてはなりません。

These families have no special interests to represent them. There are no demonstrators to protect them, and certainly none to protest on their behalf. My opponent will never meet with them, or share in their pain. Believe me. Instead, my opponent wants Sanctuary Cities.

こうした家族には、代弁してくれる特別な利益団体もありません。彼らに代わって抗議デモをしてくれる人たちはもとより、彼らを守ってくれる人たちもいません。私の対立候補は彼らに会うことも、彼らと痛みを分かち合うことも決してありません。本当です。代わりに、私の対立候補は「聖域都市(移民に優しい街)」を望んでいます。

But where was the sanctuary for Kate Steinle? Where was the Sanctuary for the children of Mary Ann, Sabine and Jamiel? Where was the Sanctuary for all the other Americans who have been so brutally murdered, and who have suffered so so horribly?

しかし、ケイト・スタインリー(不法移民に射殺されたとされる若い白人女性)の聖域はどこにあったのでしょう? メアリーアン、サビーン、そして、ジャミールの子どもたちの聖域はどこにあったのでしょうか?残忍な方法で殺害されたり、ひどい苦しみを被ったりした、ほかのすべてのアメリカ人の聖域はどこだったのでしょうか?

These wounded American families have been alone. But they are not alone any longer. Tonight, this candidate and the whole nation stand in their corner to support them, to send them our love, and to pledge in their honor that we will save countless more families from suffering and the same awful fate.

これらの傷ついたアメリカ人家族は孤独でした。しかし、彼らはもう孤独ではありません。今夜、この候補者とアメリカ国民は彼らに寄り添い、支え、彼らに愛を送り、そして、さらに多くの家族が同じような恐ろしい運命の苦しみを味わうことのないよう助けることを彼らに敬意を払って誓います。

We are going to build a great border wall to stop illegal immigration, to stop the gangs and the violence, and to stop the drugs from pouring into our communities. I have been honored to receive the endorsement of America’s Border Patrol Agents, and will work directly with them to protect the integrity of our lawful immigration system.

私たちは不法入国を阻止するため、ギャングや暴力を食止めるため、そして、私たちのコミュニティーに麻薬が流れ込むのを防ぐために巨大な国境の壁を築きます。私は光栄なことにアメリカの国境警備隊員の支持を受けています。法的な入国管理システムの完全な状態を守るために彼らと直接、協力していきます。

By ending catch-and-release on the border, we will end the cycle of human smuggling and violence. Illegal border crossings will go down. We will stop it, it won’t be happening any more. Believe me. Peace will be restored. By enforcing the rules for the millions who overstay their visas, our laws will finally receive the respect that they deserve.

国境でのキャッチ・アンド・リリースを終わらせることにより、密入国斡旋と暴力の連鎖に終止符を打ちます。私たちは終わらせます。こうしたことはもう二度と起きません。私を信じてください。平穏が取り戻されます。ビザが切れて不法滞在している数百万人に対して規則を施行することにより、私たちの法律に相応の敬意がついに払われることになるのです。

Tonight, I want every American whose demands for immigration security have been denied – and every politician who has denied them – to listen very very closely to the words I am about to say.

今夜、私は国境のセキュリティーの要求を否定されてきたすべてのアメリカ人、そして、これらを否定したすべての政治家に、私がこれから言うことばをよく聞いてほしいと思います。

On January 20th of 2017, the day I take the oath of office, Americans will finally wake up in a country where the laws of the United States are enforced. We are going to be considerate and compassionate to everyone.

2017年1月20日、私が就任の宣誓を行う日に、アメリカ人は、合衆国の法律が施行される国で、ついに朝を迎えることになります。私たちはすべての人に対して思いやりと温情を持ちます。しかし、私の最大の思いやりは苦境にあるアメリカに向けられます。

But my greatest compassion will be for our own struggling citizens. My plan is the exact opposite of the radical and dangerous immigration policy of Hillary Clinton. Americans want relief from uncontrolled immigration which is what we have now. Communities want relief.

私の計画はヒラリー・クリントンの急進的かつ危険は移民政策とは真逆です。アメリカ人は現状のような制御されていない入国管理からの解放を望んでいます。社会は安心感を求めているのです。

Yet Hillary Clinton is proposing mass amnesty, mass immigration, and mass lawlessness. Her plan will overwhelm your schools and hospitals, further reduce your jobs and wages, and make it harder for recent immigrants to escape the tremendous cycle of poverty that they are going through right now and make it almost impossible for them to join the middle class.

しかし、ヒラリー・クリントンは大量の恩赦、大量の移民、そして、大々的な無法状態を提案しています。彼女の計画はわが国の学校や病院を混乱させ、皆さんの雇用や賃金をさらに減らし、近年の移民たちが、今起きている貧困の恐ろしい連鎖から脱出するのをさらに難しくし、そして、中産階級に入るのをほぼ不可能にするものです。

I have a different vision for our workers. It begins with a new, fair trade policy that protects our jobs and stands up to countries that cheat of which there many. It’s been a signature message of my campaign from day one, and it will be a signature feature of my presidency from the moment I take the oath of office.

わが国の労働者のために、私には異なるビジョンがあります。その手始めは、私たちの雇用を守り、不正なことをする国に立ち向かう新しい公正な通商政策です。それは私の選挙運動の1日目からの代表的なメッセージでした。正式に就任したその瞬間から私の大統領職の象徴的な特徴となるでしょう。

I have made billions of dollars in business making deals – now I’m going to make our country rich again. Using the greatest business people in the world which our country has, I am going to turn our bad trade agreements into great trade agreements. America has lost nearly one-third of its manufacturing jobs since 1997, following the enactment of disastrous trade deals supported by Bill and Hillary Clinton.

私はビジネスで巨額の儲けをあげてきました。これからはこの国を再び裕福にします。私たちの国に大勢いる世界で最も偉大な実業家たちを活用して、私は悪い通商協定を良い通商協定に変えます。アメリカは1997年以降、ビル・クリントンとヒラリー・クリントンが支持した破壊的な貿易協定の執行に伴って、3分の1近い製造業の雇用を失ってきました。

Remember, it was Bill Clinton who signed NAFTA, one of the worst economic deals ever made by our country or frankly, any other country. Never ever again.

思い出してください。NAFTAに署名したのはビル・クリントンです。あれはわが国、あるいは率直に言ってあらゆる国がこれまでに締結した最も悪しき経済協定の1つです。二度とあってはなりません。

I am going to bring back our jobs to Ohio, and Pennsylvania, and New York, and Michigan and to all of America – and I am not going to let companies move to other countries, firing their employees along the way, without consequence. Not going to happen any more.

私はオハイオやペンシルベニア、ニューヨーク、ミシガン、そして、アメリカ全土に雇用を取り戻します。そして、企業が従業員を解雇し、何の代償も払わされることなくほかの国へ移るのを許しません。そういうことは二度とさせません。

My opponent, on the other hand, has supported virtually every trade agreement that has been destroying our middle class. She supported NAFTA, and she supported China’s entrance into the World Trade Organization – another one of her husband’s colossal mistakes and disasters.

一方、私の対立候補は、わが国の中産階級を破壊してきたほぼすべての通商協定を支持してきました。彼女はNAFTAを支持し、中国のWTO=世界貿易機関への加入―、 これも彼女の夫が引き起こした大間違い、大惨事の1つですが―、これを支持しました。

She supported the job-killing trade deal with South Korea. She has supported the Trans-Pacific Partnership – which will not only destroy our manufacturing, but it will make America subject to the rulings of foreign governments. And it’s not going to happen. I pledge to never sign any trade agreement that hurts our workers, or that diminishes our freedom and independence. We will never ever sign bad trade deals. America first again. America first. Instead, I will make individual deals with individual countries.

彼女は雇用を失わせる韓国との通商協定を支持しました。彼女が支持したTPP=環太平洋パートナーシップ協定は、わが国の製造業を破壊するだけでなく、アメリカを外国政府の決定に従わせるものです。こういうことは二度と起こさせません。私はいかなるものであれ、我が国の労働者に害を及ぼす、あるいは我々の自由や独立を損なう悪い貿易協定には決して署名しないことを誓います。私たちは悪い通商協定には決して署名しません。再びアメリカ第一です。アメリカが第一です。その代わりに、私は個々の国と個々の協定を結びます。

No longer will we enter into these massive transactions, with many countries, that are thousands of pages long – and which no one from our country even reads or understands. We are going to enforce all trade violations against any country that cheats.

私は膨大な数の国との何千ページにもおよぶこれらの大々的な協定―、わが国の人間が誰1人読みもしなければ、理解もしない協定はもう締結しません。不正なことをする国に対しては、私たちは税や関税の適用を含む手段によって、通商のあらゆる違反措置(trade violation)を行います。

This includes stopping China’s outrageous theft of intellectual property, along with their illegal product dumping, and their devastating currency manipulation. They are the greatest that ever came about. They are the greatest currency manipulators ever. Our horrible trade agreements with China, and many others, will be totally renegotiated. That includes renegotiating NAFTA to get a much better deal for America – and we’ll walk away if we don’t get that kind of deal. Our country is going to start building and making things again.

これには、中国の不法な製品ダンピングや破壊的な為替操作に加え、中国による知的財産のあきれた窃盗行為が含まれます。彼らは史上最も巧みな為替操作者です。中国をはじめ多くの国々との恐ろしい通商協定については全面的に再交渉を行います。それには、アメリカにとって今よりはるかに有利な取り決めを行うためのNAFTAの再交渉も含まれます。もし、そのような取り決めが得られなければ、私たちは脱退します。わが国は再び、物を作り、建設するようになるのです。

Next comes the reform of our tax laws, regulations and energy rules. While Hillary Clinton plans a massive tax increase, I have proposed the largest tax reduction of any candidate who has run for president this year – Democrat or Republican. Middle-income Americans and businesses will experience profound relief, and taxes will be greatly simplified for everyone. I mean everyone.

次に起きるのは、税の法律、規制、そしてエネルギーの改革です。ヒラリー・クリントンは大幅な、本当に大幅な増税を計画していますが、私はことし、大統領選挙に名乗りをあげた民主・共和両党のどの候補者の案よりも大規模な減税策を提案しました。中間所得層のアメリカ人および企業は大規模な負担減を実感します。すべての人にとって税制は簡素化されます。すべての人にとってです。

America is one of the highest-taxed nations in the world. Reducing taxes will cause new companies and new jobs to come roaring back into our country. Believe me. It will happen and it will happen fast. Then we are going to deal with the issue of regulation, one of the greatest job-killers of them all. Excessive regulation is costing our country as much as 2 trillion dollars a year, and we will end it very very quickly.

アメリカは世界で最も税金の高い国の1つです。減税により、わが国で新しい企業や新しい雇用が勢いよく戻ってきます。私を信じてください。これはすぐに起きます。そして、私たちは雇用を奪う最大の原因の1つである規制の問題に取り組みます。過剰な規制はわが国に年間2兆ドルの損失を与えており、私たちはこれを極めて迅速に終わらせます。

We are going to lift the restrictions on the production of American energy. This will produce more than 20 trillion dollars in job-creating economic activity over the next four decades.

私たちはアメリカのエネルギー生産に課されている規制を取り払います。これにより、向こう40年間にわたり、雇用を創出する経済活動において200兆ドル以上を生み出します。

My opponent, on the other hand, wants to put the great miners and the great steel workers of our country out of work and out of business. That will never happen when Donald J Trump is President. Our steel workers and our miners are going back to work again. With these new economic policies, trillions of trillions of dollars will start flowing into our country.

これに対して、私の対立候補は、わが国の偉大な鉱山労働者や鉄鋼産業労働者から職を奪い、失業させたいと思っています。ドナルド・トランプが大統領になったら、そのようなことは決して起きません。わが国の鉄鋼産業労働者や鉱山労働者は再びあの職場で働くのです。

This new wealth will improve the quality of life for all Americans. We will build the roads, highways, bridges, tunnels, airports, and the railways of tomorrow. This, in turn, will create millions of more jobs. We will rescue kids from failing schools by helping their parents send them to a safe school of their choice.

これらの新しい経済政策により、莫大な資金がわが国に流れ込み始めます。この新しい富はすべてのアメリカ人の生活の質を向上させます。私たちは道路、ハイウェイ、橋、トンネル、空港、そして、未来の鉄道を建設します。これにより、膨大な数の雇用が創出されます。私たちは、親がみずから選択する安全な学校へ子どもを通わせるのを支援することにより、学校での落ちこぼれから子どもを救います。

My opponent would rather protect bureaucrats than serve American children. That’s what she’s doing and that’s what she’s done. We will repeal and replace disastrous Obamacare. You will be able to choose your own doctor again. And we will fix TSA at the airports which is a total disaster.

私の対立候補は、アメリカの子どもたちのために働くよりも、むしろ、教育官僚を守ります。彼女はそうするつもりですし、これまでそうしてきました。私たちは破滅的なオバマケアを撤廃し、別の制度に替えます。皆さんは再び医師を自分で選ぶことができるようになります。そして、最悪の状態にある空港の運輸安全局を私たちは正常な状態に戻します。

We going to work with all of our students who are drowning in debt to take the pressure off these young people just starting out their adult lives. Tremendous problem. We will completely rebuild our depleted military, and the countries that we are protecting, at a massive cost to us, will be asked to pay their fair share.

私たちは借金に押しつぶされそうなすべての学生たちと力を合わせ、これら若者が(借金の)プレッシャーから解放されて社会人生活を始めることができるように努めます。これは途方もなく重大な問題です。私たちは衰退した軍を完全に立て直します。私たちが大きな犠牲を払いながら守っている国々は各自の相応な負担を支払うよう求められるでしょう。

We will take care of our great Veterans like they have never been taken care of before. My just-released Ten Point Plan has received tremendous veteran support. We will guarantee those who serve this country will be able to visit the doctor or hospital of their choice without waiting five days in a line and dying.

私たちは偉大な退役軍人をかつてないほど手厚く世話します。つい最近発表した私の10項目の計画は退役軍人から大変な支持を受けました。私たちはこの国に奉仕した人たちが自分の選ぶ医師や病院にかかることができるよう保証し、受診を5日も待たされて死んでしまうなどということは絶対に起こさせません。

My opponent dismissed the VA scandal – one more sign of how out of touch she really is. We are going to ask every Department Head in government to provide a list of wasteful spending on projects that we can eliminate in my first 100 days. The politicians have talked about this for years, and I’m going to do it. We are going to appoint justices to the United States Supreme Court who will uphold our laws and our Constitution.

私の対立候補は、退役軍人局のスキャンダルを蔓延した問題ではないとして無視しました。彼女が実態をいかに把握していないか示すもう1つの証拠です。私たちはすべての省庁のトップに対し、廃止可能なプロジェクトへの無駄な支出のリストを、私の就任から最初の100日以内に提出するよう命じます。政治家たちはこれについて長年論じてきましたが、私は実行に移します。

The replacement of our beloved Justice Scalia will be a person of similar views, principles, and judicial philosophies. This will be one of the most important issues decided by this election. My opponent wants to essentially abolish the 2nd amendment. I, on the other hand, received the early and strong endorsement of the National Rifle Association and will protect the right of all Americans to keep their families safe.

私たちはまた、わが国の法律と憲法を守る連邦最高裁の判事を選任します。私たちが愛したスカリア判事の後任者は、彼と同じような考えおよび原則、そして、司法哲学を持つ人物になるでしょう。これはこの選挙により決まる最も重要な問題の1つです。私の対立候補は基本的に憲法修正第2条(個人の銃器保有・保持の権利を保障する条項)を廃棄しようとしています。これに対して、私は、早々と全米ライフル協会から強力な支持を得ており、家族の安全を守るすべてのアメリカ人の権利を保護します。

At this moment, I would like to thank the evangelical and religious community because, I tell you what, the support they have given me — and I'm not sure I totally deserve it — has been so amazing. And has been such a big reason for me being here tonight. They have much to contribute to our politics, yet our laws prevent you from speaking your minds from your own pulpits.

この場で、私はキリスト教福音主義のコミュニティーに感謝を表明したいと思います。と言うのも、彼らは私を熱心に支持してくれています。私にその資格が十分にあるかどうか自信ないのですが。彼らの支持は信じられないほどすばらしく、今夜、私がここにいる大きな理由の1つでもあります。彼らはわが国の政治に極めて大きな貢献をしているにもかかわらず、わが国の法律は、皆さんが自分たちの説教壇から自分の考えを述べるのを阻止しています。

An amendment, pushed by Lyndon Johnson, many years ago, threatens religious institutions with a loss of their tax-exempt status if they openly advocate their political views. Their voice is taken away.I am going to work very hard to repeal that language and protect free speech for all Americans.

何十年も前にリンドン・ジョンソンが推し進めた憲法修正は、宗教法人が公に政治的な考えを唱えると非課税の立場を剥奪すると脅しています。彼らは発言権を奪われたのです。私はその文言を削除し、すべてのアメリカ人の言論の自由を守ります。

We can accomplish these great things, and so much more – all we need to do is start believing in ourselves and in our country again. Start believing. It is time to show the whole world that America Is Back – bigger, and better and stronger than ever before.

私たちはこれらのすばらしいことを達成できます。そして、何よりも、私たちが手始めにやらなくてはいけないのは、自分自身と自分の国を再び信じることです。信じることを始めましょう。今こそ、世界中に向けて、アメリカがこれまでに増して大きく、よりよく、そして、より強くなって復活することを示すときです。

In this journey, I'm so lucky to have at my side my wife Melania and my wonderful children, Don, Ivanka, Eric, Tiffany, and Barron: you will always be my greatest source of pride and joy. And by the way, Melania and Ivanka, did they do a job? My Dad, Fred Trump, was the smartest and hardest working man I ever knew. I wonder sometimes what he’d say if he were here to see this and to see me tonight.

この旅で、私はそばに妻のメラニアとすばらしい子どもたち、ドン、イヴァンカ、エリック、ティファニー、バロンがいてくれることをとても幸運に思っています。あなた方は常に私の誇りと喜びのいちばんの源泉です。ところで、メラニアとイヴァンカはそれぞれの役割を果たしましたよね?私の父のフレッド・トランプは私が知るかぎりで最も賢く、最も勤勉な人間でした。父が今ここにいて、これを、そして、今夜の私を見ていたら何と言うだろうかと考えます。

It’s because of him that I learned, from my youngest age, to respect the dignity of work and the dignity of working people. He was a guy most comfortable in the company of bricklayers, carpenters, and electricians and I have a lot of that in me also. I love those people.

というのも、私が労働の尊さや働く人々の尊厳を尊重することを幼い頃から学んだのは父のお陰だからです。父はレンガ職人や大工、電気技師などと一緒にいるといちばんホッとするという人でした。私にもそういうところが大いにあります。私はそういう人たちが大好きです。

Then there’s my mother, Mary. She was strong, but also warm and fairminded. She was a truly great mother. She was also one of the most honest and charitable people that I have ever known, and a great judge of character.

そして、私の母のメアリーですが、彼女は強く、しかし、温かく公平な人でした。本当に偉大な母でした。彼女はまた、私の知るかぎりで最も正直で寛容な人の1人であり、人を見る目に非常に長けていました。どこにいても見つけ出すのです。

To my sisters Mary Anne and Elizabeth, my brother Robert and my late brother Fred, I will always give you my love—you are most special to me. I have had a truly great life in business.

私の女兄弟、メアリーアンとエリザベス、男の兄弟のロバートと今は亡きフレッド。いつもあなた方を愛している。あなた方は私にとって本当に特別です。私は実業家としてすばらしい人生を送ってきました。

But now, my sole and exclusive mission is to go to work for our country – to go to work for you. It’s time to deliver a victory for the American people. We don’t win any more, but we are going to start winning again.

しかし、これからは私の唯一の使命は国のために働くこと、皆さんすべてのために働くことです。今こそ、アメリカ国民に勝利を届けるときです。私たちは単に勝利するのではなく、勝利し続けるのです。

But to do that, we must break free from the petty politics of the past. America is a nation of believers, dreamers, and strivers that is being led by a group of censors, critics and cynics.

しかし、それをするためには、次元の低い過去の政治と決別しなくてはなりません。アメリカは信じる者、夢を持つ人たち、そして、検閲者や批評家、皮肉屋の集団に導かれた努力家たちの国です。

Remember: all of the people telling you that you can’t have the country you want, are the same people that wouldn’t stand, I mean they said Trump does not have a chance of being here tonight, not a chance, the same people. We love defeating those people, don't we? Love it.

忘れないでください。自分の望むとおりの国などありえないと言う人たちは、トランプが今夜、ここに立つことなどありえないと言ってきた人たちです。勝ち目はないと言っていた人たちです。そう言っていた人たちを打ち負かしたいではありませんか?

No longer can we rely on those same people in the media, and politics, who will say anything to keep our rigged system in place. Instead, we must choose to believe In America. History is watching us now. We don’t have much time, but history is watching.

不正に操作された制度を維持するためなら何でも言うメディアや政界のエリートたちを私たちはもはや信じることはできません。代わりに、私たちはアメリカを信じる道を選ばなくてはなりません。歴史は今、私たちを見ています。

It’s waiting to see if we will rise to the occasion, and if we will show the whole world that America is still free and independent and strong. I'm asking for your support tonight so that I can be your champion in the White House. And I will be your champion.

もう時間はあまりありません。私たちがここ一番で力を発揮するかどうか、そして、私たちが世界中に、アメリカは今も自由で自立し、強力だと証明してみせるかどうかを歴史は見ています。私がホワイトハウスで皆さんの擁護者になることができるよう、今夜、私は皆さんの支援をお願いします。私は皆さんの擁護者になります。皆さんの擁護者です。

My opponent asks her supporters to recite a three-word loyalty pledge. It reads: “I’m With Her”. I choose to recite a different pledge.

私の対立候補は自身の支持者に3つの単語からなる忠誠の誓いを唱えるよう求めています。「私は彼女と共にある」と。

My pledge reads: “I’M WITH YOU – THE AMERICAN PEOPLE.”

私が選ぶ誓いのことばは異なります。私の誓いのことばは「私はアメリカ国民と共にある」です。

I am your voice.

私は皆さんの声です。

So to every parent who dreams for their child, and every child who dreams for their future, I say these words to you tonight: I am with you, I will fight for you, and I will win for you.

子どもの将来を夢見るすべての親、自分の将来を夢見るすべての子供たちに向かって、私は今夜、このことばを言います。私は皆さんと共にいます。そして、皆さんのために戦い、皆さんのために勝利します。

To all Americans tonight, in all of our cities and in all of our towns, I make this promise: We Will Make America Strong Again. We Will Make America Proud Again. We Will Make America Safe Again. And We Will Make America Great Again.

今夜、すべての都市、すべての町のすべてのアメリカ国民に私はこう約束します。私たちはアメリカを再び強くします。アメリカの誇りを取り戻します。アメリカを再び安全にします。そして、アメリカを再び偉大にします。

God bless You And Good Night. I love you.

皆さんに神のご加護を。おやすみなさい。皆さんを愛しています。




☆追記:



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by yomodalite | 2016-07-26 13:50 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

オバマ大統領広島訪問の声明全文(英語+日本語+動画)

(スピーチは2:40~)





[読売新聞訳に一部抜けがあったので修正しました]

2016年05月27日、オバマ大統領が広島市の平和記念公園で行った演説の全文(英語+日本語)です。



Seventy-one years ago, on a bright cloudless morning, death fell from the sky and the world was changed. A flash of light and a wall of fire destroyed a city and demonstrated that mankind possessed the means to destroy itself.


71年前の快晴の朝、空から死が降ってきて、世界は変わってしまった。閃光(せんこう)と火の塊が街を破壊し、人類が自らを滅ぼす手段を手にしたことを見せつけた。


Why do we come to this place, to Hiroshima? We come to ponder a terrible force unleashed in the not so distant past. We come to mourn the dead, including over 100,000 Japanese men, women and children, thousands of Koreans and a dozen Americans held prisoner.


我々はなぜこの地、広島に来たのか。それほど遠くない過去に解き放たれた恐ろしい力について思いをはせるためであり、10万人を超える日本の男性、女性、子どもたち、多くの朝鮮半島出身者、捕虜になっていた米国人を含めた犠牲者を追悼するために来た。


Their souls speak to us. They ask us to look inward, to take stock of who we are and what we might become.


彼らの魂は私たちに語りかけている。もっと内面を見て、我々が何者か、我々がどうあるべきかを振り返るように、と。


It is not the fact of war that sets Hiroshima apart. Artifacts tell us that violent conflict appeared with the very first man. Our early ancestors, having learned to make blades from flint and spears from wood, used these tools not just for hunting but against their own kind.


戦争は広島だけに特別なものではない。多くの遺跡は、人類が初期の頃から、暴力的な紛争を行っていたことを示している。私たちの遠い祖先たちは、石から作った刃物や木から作ったヤリを狩猟の道具としてだけでなく、同じ人類に対して使うことを学んだ。


On every continent the history of civilization is filled with war, whether driven by scarcity of grain or hunger for gold, compelled by nationalist fervor or religious zeal. Empires have risen and fallen, peoples have been subjugated and liberated, and at each juncture innocents have suffered -- a countless toll, their names forgotten by time.


どの大陸の文明の歴史も戦争で満ちあふれている。食糧の欠乏や金に飢えて行われたり、国家主義の熱や宗教的な情熱で戦争に駆り立てられたりしたこともあった。帝国が台頭し、衰退した。人々は奴隷になり、そして解放された。それぞれの節目で、多くの無辜(むこ)の人々が苦しんだが、数え切れない犠牲者の名前は、時とともに忘れられた。


The World War that reached its brutal end in Hiroshima and Nagasaki was fought among the wealthiest and most powerful of nations. Their civilizations had given the world great cities and magnificent art. Their thinkers had advanced ideas of justice and harmony and truth, and yet the war grew out of the same base instinct for domination or conquest that had caused conflicts among the simplest tribes, an old pattern amplified by new capabilities and without new constraints.


広島と長崎に残酷な結末をもたらした世界大戦は、世界の中で最も裕福で力のある国々の間で争われた。こうした国々の文明は世界の偉大な都市や素晴らしい芸術を生み出した。思想家は正義と調和と真実という思想を発展させた。だが戦争は、原始の時代と同様、紛争をもたらす支配欲や征服欲から生まれてきた。古くからのこのパターンが、制約を受けることなく新たな能力によって増幅された。


In the span of a few years some 60 million people would die: men, women, children -- no different than us, shot, beaten, marched, bombed, jailed, starved, gassed to death.


ほんの数年の間に、私たちと何ら変わりない6000万人もの男女や子どもたちが、撃たれ、殴られ、行進させられ、爆撃され、捕らわれ、飢えさせられ、毒ガスで殺された。


There are many sites around the world that chronicle this war -- memorials that tell stories of courage and heroism, graves and empty camps that echo of unspeakable depravity.


世界中にこの戦争を記録した場所がたくさんある。慰霊碑は勇気や英雄的な物語を伝え、墓標と空っぽの収容所は、言語に絶する悪行をこだまさせる。


Yet in the image of a mushroom cloud that rose into these skies, we are most starkly reminded of humanity's core contradiction -- how the very spark that marks us as a species, our thoughts, our imagination, our language, our tool making, our ability to set ourselves apart from nature and bend it to our will -- those very things also give us the capacity for unmatched destruction.


しかし、この空に広がったキノコ雲の姿は、我々にはっきりと人間性の中にある矛盾を想起させる。我々の考えや創造力、言語、道具を作る力といった、人類が自然とは違うことを示してくれる能力が、我々に不相応な破壊力も与えている。


How often does material advancement or social innovation blind us to this truth? How easily do we learn to justify violence in the name of some higher cause?


物質的な進歩や社会的な向上が、こうした事実を見失わせたのか。我々はどれだけたやすく大義の為だと暴力を正当化してしまうのか?(後半部が読売訳にはなかったので、この2行は私訳)


Every great religion promises a pathway to love and peace and righteousness. And yet no religion has been spared from believers who have claimed their faith has a license to kill.


すべての偉大な宗教は愛と平和と正義への道を約束する。それでも、どんな宗教にも、信仰ゆえに人を殺すことが許されると主張する信者がいる。


Nations arise telling a story that binds people together in sacrifice and cooperation, allowing for remarkable feats, but those same stories have so often been used to oppress and dehumanize those who are different. Science allows us to communicate across the seas, fly above the clouds, to cure disease and understand the cosmos. But those same discoveries can be turned into ever more efficient killing machines.


国家は、犠牲と協力のもとに国民を結束させる話をしながら勃興し、注目に値する功績を成し遂げることもあるが、これらはしばしば、自分たちと異なる人々に対する抑圧や人間性を奪うものとしても使われる。科学によって我々は、海を越えて交流し、雲の上を飛び、病気を治し、宇宙を理解することができる。しかし、こうした同じ発見が、より効率的な殺人マシンに変わってしまうこともある。


The wars of the modern age teach us this truth. Hiroshima teaches this truth. Technological progress without an equivalent progress in human institutions can doom us. The scientific revolution that led to the splitting of an atom requires a moral revolution as well.


現代の戦争は、我々にこの真実を伝える。広島がこの真実を伝えている。人間社会の進歩を伴わない科学技術の発展は我々の破滅をもたらしかねない。原子の分裂に導いた科学の革命は、道徳的な革命も求めている。


That is why we come to this place. We stand here in the middle of this city and force ourselves to imagine the moment the bomb fell. We force ourselves to feel the dread of children confused by what they see.


それこそが我々がここに来た理由だ。我々はこの街の中心に立ち、爆弾が落ちてきた瞬間に思いをはせずにはいられない。我々は、目にしたもので混乱していた子供たちの恐怖を感じずにはいられない。


We listen to a silent cry. We remember all the innocents killed across the arc of that terrible war, and the wars that came before, and the wars that would follow.


我々は静かな泣き声に耳を傾けている。我々は、あの悲惨な戦争、それ以前に起きた戦争、今後起こりうる戦争で命を落とした全ての無辜の人々に思いをはせる。


Mere words cannot give voice to such suffering. But we have a shared responsibility to look directly into the eye of history and ask what we must do differently to curb such suffering again.


そうした苦しみを言葉で言い表すことは出来ないが、我々は、歴史を直視し、こうした苦しみが再び起きないように自問する責任を共有している。


Some day the voices of the Hibakusha will no longer be with us to bear witness. But the memory of the morning of August 6, 1945 must never fade. That memory allows us to fight complacency. It fuels our moral imagination, it allows us to change.


いつの日か、証言する「ヒバクシャ」の声は失われていくことだろう。しかし、1945年8月6日のあの朝の記憶は、決して消えることはない。その記憶により、我々は現状に満足してしまうことに対して戦うことが出来る。我々の道徳的な想像力をかき立てる。変化をもたらす。


And since that fateful day we have made choices that give us hope. The United States and Japan forged not only an alliance, but a friendship that has won far more for our people that we can ever claim through war.


そして、その運命的な日から、我々は希望を与える選択を行ってきた。米国と日本は同盟というだけでなく、友情を築いてきた。我々は戦争で得られるものより、はるかに多くのものを勝ち取った。


The nations of Europe built a union that replaced battlefields with bonds of commerce and democracy. Oppressed peoples and nations won liberation. An international community established institutions and treaties that worked to avoid war and aspired to restrict and roll back and ultimately eliminate the existence of nuclear weapons.


欧州の国々は連合を築き、戦場を貿易と民主主義の同盟に変えた。抑圧されていた人々や国々は、解放を勝ち取った。国際社会は戦争を回避し、核兵器を制限し、減らし、廃絶する制度や条約を創設した。


Still, every act of aggression between nations, every act of terror and corruption and cruelty and oppression that we see around the world shows our work is never done. We may not be able to eliminate man's capacity to do evil, so nations and the alliances that we formed must possess the means to defend ourselves.


依然、国家間の侵略行為やテロ行為、政治的腐敗、残虐行為や圧政はこの世界に存在しており、我々の仕事が決して終わっていないことを示している。我々は、悪を働く人間の能力をなくすことは出来ないかもしれないので、国家や同盟は自らを守る手段を持つべきだ。


Among those nations like my own that hold nuclear stockpiles, we must have the courage to escape the logic of fear and pursue a world without them. We may not realize this goal in my lifetime, but persistent effort can roll back the possibility of catastrophe.


だが、我々のように核の備蓄を持つ国々の間で、核兵器が完全に廃絶される世界を求め、恐怖の論理から脱却する勇気を持たなければならない。我々は、私が生きている間にこの目標を実現させることはできないかもしれない。


We can chart a course that leads to the destruction of these stockpiles, we can stop the spread to new nations, and secure deadly materials from fanatics. And yet that is not enough, for we see around the world today how even the crudest rifles and barrel bombs can serve up violence on a terrible scale.


根気強い努力は破局の可能性を減らすことができる。我々は(核兵器の)備蓄の破棄につながる道筋を描くことが出来る。我々は、新たな拡散を止め、死をもたらす物質が狂信者の手にわたらないようにすることができる。それでも、まだ、十分ではない。私たちが住む今日のこの世界では、粗末なライフルやたる爆弾が、暴力をさらにひどい規模にしかねない。


We must change our mindset about war itself -- to prevent conflicts through diplomacy and strive to end conflicts after they've begun; to see our growing interdependence as a cause for peaceful cooperation and not violent competition; to define our nations not by our capacity to destroy but by what we build. And perhaps above all we must reimagine our connection to one another as members of one human race -- for this too is what makes our species unique.


我々は、外交を通じて紛争を防ぐため、始まってしまった紛争を終わらせるため、戦争そのものに対する考え方を変えなければならない。暴力的な競争ではなく平和的な協力によって我々の相互依存を深化させる。破壊能力ではなく、我々が築いてきたものによって我々の国を位置づける。おそらく何より、我々は人類の一員としての互いのつながりを考え直さなければならない。これが、我々の(人間としての)種をほかにないものにしている。


We're not bound by genetic code to repeat the mistakes of the past. We can learn. We can choose. We can tell our children a different story, one that describes a common humanity, one that makes war less likely and cruelty less easily accepted.


我々は過去の誤りを繰り返すように遺伝子に組み込まれているわけではない。我々は学ぶことができる。我々は選択することができる。我々は子供たちに異なる物語を伝えることができる。共通の人間性を語り、戦争が起きる可能性を低減し、残酷な行いを容易に受け入れないという物語だ。


We see these stories in the Hibakusha: the woman who forgave a pilot who flew the plane that dropped the atomic bomb because she recognized what she really hated was war itself; the man who sought out families of Americans killed here because he believed their loss was equal to his own.


我々はそれらの物語を「ヒバクシャ」に見ている。ある女性は原爆を落とした飛行機のパイロットを許した。彼女は本当に憎んでいるのは戦争そのものだと気づいたからだ。ある男性は、ここで犠牲となった米国人の家族を捜し出した。彼にとって、米国の犠牲も日本の犠牲も同じだと信じていたからだ。


My own nation's story began with simple words: "All men are created equal, and endowed by our Creator with certain unalienable rights, including life, liberty and the pursuit of happiness."


私の国の物語は、シンプルな言葉で始まった。「全ての人間は生まれながらにして平等であり、創造主によって、生命、自由と幸福の追求を含む不可侵の権利を与えられている」(米独立宣言)。


Realizing that ideal has never been easy, even within our own borders, even among our own citizens. But staying true to that story is worth the effort. It is an ideal to be strived for, an ideal that extends across continents and across oceans.


その理想の実現は、米国の中でも、米国民の間でも容易だったことはない。しかし、その物語に対して正直であろうと努力する価値がある。それは、懸命に努力するための理想だ。大陸や海を越えて広がる理想だ。


The irreducible worth of every person, the insistence that every life is precious, the radical and necessary notion that we are part of a single human family: that is the story that we all must tell.


全ての人に不可欠の価値だ。全ての命は貴重であるという主張だ。我々は人類という一つの家族を構成しているという根源的で不可欠な考え方だ。それが、我々が伝えなくてはならない物語だ。


That is why we come to Hiroshima, so that we might think of people we love, the first smile from our children in the morning, the gentle touch from a spouse over the kitchen table, the comforting embrace of a parent.


これが、我々が広島を訪れる理由だ。 だから、愛する人のことを考えることができるだろう。朝に我々の子供が見せる最初の笑顔。キッチンテーブル越しの配偶者の優しいふれ合い。親からの優しい抱擁。


We can think of those things and know that those same precious moments took place here 71 years ago. Those who died, they are like us.


我々はそうしたことを考えることができ、71年前の広島で、同様の貴重な時間が営まれていたと知っている。


Ordinary people understand this, I think. They do not want more war. They would rather that the wonders of science be focused on improving life and not eliminating it.


亡くなった人々は、私たちと同じような人々だった。ふつうの人はこうした考えが理解できると思う。彼らはもう戦争は望んでいない。科学の奇跡を、命を奪うためではなく、暮らしをよりよいものとするために使ってほしいと考えている。


When the choices made by nations, when the choices made by leaders reflect this simple wisdom, then the lesson of Hiroshima is done.


国家の選択や、指導者の選択が、この単純な英知を反映した時、広島の教訓が生かされたということだ。


The world was forever changed here, but today the children of this city will go through their day in peace. What a precious thing that is. It is worth protecting and then extending to every child.


世界はここ(広島)で一変した。しかし今日、この街の子供たちは、平和な日々を歩むだろう。それはなんと貴重なことか。それは守るに値することで、全ての子供たちへ広げていく価値がある。


That is a future we can choose, a future in which Hiroshima and Nagasaki are known not as the dawn of atomic warfare, but as the start of our own moral awakening.


それは我々が選択できる未来だ。広島と長崎は、核戦争の夜明けとしてではなく、我々の道義的な目覚めの始まりとして知られなければならない。



◎日本語(読売新聞)

◎英語(日経新聞)


※日本語訳は、ハフィントンポスト、NHK、読売の3種類を見比べて選びました。読売新聞訳の抜けは、NHKにはなかったのですが、自分には書けない感じの日本語文体が参考になると思い、読売を選びました。



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by yomodalite | 2016-05-28 11:56 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

マリファナも銃もバカもOKの国(言霊USA 2015)/町山智浩

マリファナも銃もバカもOKの国 言霊USA2015

町山 智浩/文藝春秋



記録しておきたいと思う良本が溜まる一方なんですが、町山氏の米国カルチャー本は、かの国の歴史をふりかえるときの資料としても欠かせないので、個人的に興味がある部分のみ、ちょっぴりメモ。。

色々と驚いたことの中で、もっとも気軽なきもちでいられたのは、あの「イート・イット」のアル・ヤンコビックが2014年にビルボードで1位になってたことかなw

◎まえがき

「ガンズ&ウィーズ(銃と大麻)自由への道」というドキュメンタリー。

プロ・ガン(銃所持の権利擁護派)は、プロ・ライフ(人工中絶反対派)と共に、保守的で、右翼的で、キリスト教への信仰心が強く、南部や中西部の田舎、共和党支持者が多い「赤い州」に住み、白人のブルーカラーが多い。同性愛者同士の結婚に反対し、進化論を学校で教えることに反対するキリスト教保守と重なる。イメージとしては拳銃をぶらさげたカウボーイ。

マリファナ擁護派は逆で、平和主義でリベラル。同性婚や人工中絶には寛容。東部や西海岸の都会、民主党支持者が多い「青い州」に住む。マイノリティやゲイ、インテリが多い。イメージとしてはピースフルなヒッピー。
この左右の対立は激化している。。。

◎12 O’clock (バイクをウィリーさせて、ほとんど垂直に立たせたまま走ること)

12 O’clock Boysとはモトクロス暴走族のこと。人工に対する殺人率で、シカゴ、デトロイトに次ぐ第3位の危険地帯メリーランド州ボルチモアで問題化している。作家ポーが亡くなった場所で、現在は立派な墓も立てられている。そこから歩いて20分ぐらいの場所が「ウエスト・ボルチモア」というギャング抗争の激しい場所で、2000年代の傑作TVドラマで、オバマ大統領も大好きな『ザ・ワイアー』(彼はオマール・リトルのファン)の舞台だった。

◎Groundhog Day(春の到来を意味する欧米の「啓蟄」のこと)

ゴーストバスターズの主演俳優、ハロルド・ライスミスが監督した映画『Groundhog Day(邦題:恋はデジャブ、ビル・マーレイ主演)』。ラブコメでありながら、カフカ的な不条理ドラマ。ニーチェの永劫回帰にヒントを得て、未来のために現在があるのではなく、今日のために今を生きる。というテーマ。カミュの『シーシュポスの神話』。。。

◎Act of Killing(殺人の演技、殺人という行為)

『アクト・オブ・キリング』は、1965年9月30日から1〜2年の間にインドネシアで100万人が虐殺された出来事を、半世紀後の今、虐殺者自身が演じてみせるドキュメンタリー。当時の大統領スカルノは、宗主国オランダと戦って独立を勝ち取った建国の父だったが、50年代の冷戦下で、米国に追従しない独自路線を取り始め、中国とつながるインドネシア共産党の指示を得るようになった。スカルノが貧しい農民から人気のある共産党を味方につけたのは、大統領と拮抗する勢力である軍部と対抗するためだったが、9・30事件が起こり、スハルトは、スカルノを軟禁して実験を握る。

監督は、虐殺された遺族とは接触できなかったものの、虐殺の実行者たちは、得意気にその経験を語り、虐殺に積極的に加担したインドネシアの新聞経営者は「敵に対する憎しみを煽るのがマスコミの役目だ」と誇らしげに語った。

◎Washington Redskins original Americans Foundation(ワシントン・レッドスキンズ・アメリカ先住民基金)

アメフトのチーム名レッドスキンズは、そのチーム名がずっと問題視されてきた。レッドスキンズとは、インディアンの差別的蔑称だから。改名を拒否してきたオーナーは、抗議運動を交わす目的で「ワシントン・レッドスキンズ・アメリカ先住民基金」を作り、またもや世間は首をかしげた。コメディアンで、「コルベア・レポート」のキャスター、スティーブン・コルベアの対応は、、、

◎Normcore(ノームコア=ノーマル+ハードコア。過激に普通。ファッションの最新トレンド)

オレゴン州ポートランドについて、映画『ベルベット・ゴールドマイン』や『エデンより彼方に』の監督ヘインズは、「僕みたいにニューヨークやハリウッドから引っ越してきたアーティストや作家は多いよ、チャク・パラニュークとか、ガス・バン・サントとか、、」と言う。ポートランドはゲイだけでなく、ヒップスターと呼ばれるアートや音楽が大好きで資本主義と暴力を嫌い、エコロジーやフェミニズムに関心の強い自由人が集まる街。

2011年に始まった『ポートランディア』というコント番組はヒップスターが主役。「あの街には90年代の夢がなだ残っているんだ。覚えているかい?地球を救う歌を歌っていた時代を、ブッシュ政権なんかなくて、かわいい女の子はみんなメガネっ子。。」

彼らは、レストランで野菜の産地や、飼育方法を聞き、ゴミ箱に大量廃棄されている食物に抗議し。。。

◎Backfire Effect(バックファイア〈逆発〉効果/自分が信じるものを否定する証拠を突きつけられると、それを拒絶し、さらに信じるようになる心理)

税金で嫌でイギリスから独立したアメリカでは、国に何か取られるのも国からもらうのも嫌われる。国民健康保険をはじめあらゆるものが「共産主義的」と罵倒される。水道水のフッ素陰謀論、ワクチン陰謀論、今盛り上がっている陰謀論は「アジェンダ21」国連がエコロジーの名のもとに世界国家をつくるための共産党宣言だと騒がれ始めた。

◎Meninism(メニニズム、アンチ・フェミニズム運動)

◎Orange Is The New Black(オレンジ色は新しい黒)

『Orange Is The New Black』は、ネット映像配信サイトがはじめたオリジナル・ドラマ。オレンジは囚人服の色で、黒はファッションの基本という意味で、女子刑務所を舞台にした実録コメディ。レズビアンシーンが多く性転換者をリアルに描いている。

◎China is like Hollywood in the 1920s(中国はまるで1920年代のハリウッドだ。元コロンビア映画会長)

2014年、コメディ映画が消えた。アメリカ人が笑いを求めなくなったのではなく、中国が原因。中国ではシネコンが次々に建設され、スクリーン数で米国を抜いて世界一になるのは確実で、ハリウッドのSFX満載のアクション大作に人気が集中している。コメディは、風刺やゴシップ、時事ネタがわからないと笑えないからウケない。

◎Word Crimes(言葉の犯罪)

あの『今夜はイート・イット』のアル・ヤンコビックのアルバムが2014年の7月、ビルボードNo.1に輝いた!一曲目はHappyの替え歌『Tacky(ダサい)』♪俺は靴下はいてサンダル履く、だってダサいから。デートの勘定でクーポンを出す、だってダサいから、葬式でツイートして、死人とツーショットで写メする、だってダサいから…




ロビン・シックのメガヒット「ブラードライン」の替え歌で『Word Crimes』

間違った英語を使うと「言葉の犯罪だ!」と小うるさい奴の怒りを代弁する「Itの所有格で It'sとアポストロフィをつけるな。それは It is の略だろ」Literally(文字通り)をただの強調につかう奴にもご立腹。「LITERALLY couldn't get out of bed(文字通りベッドから出られなかった)」なんて言う奴の顔を文字通りバールでこじ開けてやりたいよ。バールのようなものじゃなく(笑)。




『ミッション・ステイトメント(企業の経営理念)』の歌詞は、

「常に効率良く企業戦術を機能化させねばなりません。国際規模のテクノロジーに投資し、核となる人材能力にレヴァレッジをかけるのです。並外れたシナジーを全体的に管理するために」歌っているアルも意味がわからないらしく、馬鹿げたダブルスピークやバズワードを歌にしたらしい。




『ファースト・ワールド・プロブレムス』は

「メイドが風呂を掃除しているからシャワーが使えない。満腹でティラミスが入らない。食料品を買いすぎて冷蔵庫に入らない。家が広すぎて無線LANが届かない。Amazonの送料を無料にするために欲しくないものを買わなきゃ。





◎Fappening(ファプニング=ハリウッド女優たちの女優自撮りヌード流出事件)

◎Narco Corrido(ナルコ・コリード=メキシコの麻薬カルテルを賛美する歌謡曲)

腕にはAK-47ライフル、
肩にはバズーカ背負って、
お前らの首を切り落とす
俺は殺しが大好きだぜ

こんな歌をナルコ・コリードと呼ぶ。コリードはスペイン語でバラード、ナルコは麻薬、残虐な現実とかけ離れた陽気な音楽

◎Fresh Off The Boat(船から降ろしたての活きのいい魚。アジア亭移民への蔑称)



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by yomodalite | 2015-06-27 20:00 | 現代文化・音楽・訳詞 | Trackback | Comments(0)

崩れゆく世界 生き延びる知恵/副島隆彦、佐藤優

崩れゆく世界 生き延びる知恵

副島 隆彦,佐藤 優/日本文芸社



今年の5月末に出版された本。

私は副島氏が出版した本はすべて読んでいますが、なかでもおふたりの共著は時事を扱っていながら、あとから読んでもためになる内容が多く、いつもは、その最高の知性を、人々にわかりやすく説明するために骨を折った書き方をされている副島氏ですが、佐藤氏という申し分のない会話者を得たことで、レベルの高い内容が、読者にとってはスルスル読めるというありがたさ。

内容に相応しい言い方ではないですが、めったに味わうことのできない知的興奮で読み出したら止まりません。

マジョリティというのは「真ん中」を選択するものです。
そして、多くの人々が支持するのは「穏健」なものです。

だから、マジョリティが安定することが、社会の「安定」に繋がる。と統治者が考えてくれればいいのですが、残念ながら現在の先進国のトップたちは、経済破綻を何よりも恐れて、戦争がそれを救ってくれる唯一の手段だという結論でまとまっているようです。

それだけは避けたいと思っている人の方が絶対に多いはずなのに、そうはならない。

民主主義は、既得権益者によって都合のいいシステムになっていて、それは選挙の不正だけでなく、世論の作り方においてもそう。

マスメディアの問題点を憂うブロガーは数多く存在しますが、ネット社会は、数を競う中で、ネットリテラシーをもたない人々に注目されることが重要で、今やそのレベルは、マスメディアよりも低く、マスメディアの方でも、その数に注目し、手を取り合って、低きに流れていく一方。。

それで、マジョリティが選択できる「真ん中」は、徐々に「穏健」ではなくなりつつある。

権力者の不正や間違いを、マスメディアに代わって報道しようと頑張ってくれている人々がいても、情報を拡散するだけで、私たちは結集することもできず、世論にすることもできない。今のサイレントマジョリティにもっとも拡がっている意識は「脱力感」ではないでしょうか。

私も、せいぜい読書をして、歴史を学び、これまでの自分の馬鹿さ加減をしっかり認識したいと思っているのですが、ますますその難しさを痛感するというか、、

副島氏は、本書の冒頭で、

「私は、佐藤さんが、今の日本で真ん中にいると思います。右(保守)か左(リベラル)か、ではなくて、右でもありかつ左でもある。このことが素晴らしいことだと思う。

と述べています。また「まえがき」で、佐藤氏は、

歴史は反復する。しかし、まったく同じ形で繰り返されることはない。こういうときに必要なのは、アナロジー(類比)を適用することだ。アナロジーとは、論理に即して物事を考察するということだ。

と述べられています。これは佐藤氏の近著である『世界史の極意』でも語られていることで、歴史本を読むうえで、私も肝に命じなければと思う点です。

(下記は、本書から省略・要約して引用)
第1章「安倍“暴走”内閣で窮地に立つ日本」より

佐藤 副島さんは尖閣諸島問題に関してどうお考えですか?

副島 尖閣諸島は、日清戦争のときに、正式に下関条約で、日本が中国(当時は清朝政府)から割譲させたものです。台湾とぼうこ諸島の海域に属している。だから正式に日本のものになりました。
 
戦争で勝ったほうは、戦勝国として無理やりでも何でも条約にして敗戦国と取り決める。きちんと当事者双方の署名がなされて成立する。その取り決め自体は国際法に照らして有効です。あとになってから「あの契約(条約)は無効だ」と騒いでも認められません。

佐藤 当時は帝国主義全盛期でした。

副島 それで、靖国があの領域を手放して、日本が台湾と遼東半島を取りました。遼東半島は三国干渉で返させられましたが。その後、第2次世界大戦中に、カイロ会談がありました。そこに蒋介石、トルーマン、スターリン、アイゼンハワー、チャーチルなどの首脳たちがいました。
 
その会議で日本の領土は大きな島4つだけとなり、それ以外のものは全部、連合諸国が取り決めることになりました。それを引き継いだヤルタ=ポツダム宣言を、敗戦国となった日本は承認し、サンフランシスコ講和条約で確定した。正式に日本のものになっていた尖閣諸島が、ヤルタ・ポツダム会談で日本から取り上げられた。それを日本は認めた。このことが重要です。

佐藤 マスコミは隠していますが、尖閣諸島の一部はまだアメリカの「領土」です。九場島、大正島は米軍の射爆撃場となっています。まだ日本に返還していないアメリカの「領土」です。尖閣諸島問題は、日本が必要もないのに国内的な事情から人為的に緊張をつくり出しているというのが国際社会の見方です。


第2章「世界革命を目指すイスラム国の脅威」より

佐藤 イスラム国というのは、今までのアルカイーダと違って、ちゃんとビジネスとして、誘拐や人殺しをやっているのです。あと、石油も採っている。これは非常に重要です。

副島 あの人たちは自立した経済をやっているのですね。

佐藤 今年いい本が出ました。ロレッタ・ナポリオーニというイタリア人ジャーナリストが書いた『イスラム国 テロリストが国家をつくる時』という本です。彼らは複式簿記とかを付けて、ビジネスとしてテロをやっていると書いています。

「イスラム国」がイラクからシリアにまたがる広い地域で国家建設に成功するなら、その事実がもたらす脅威は、単にこの二力国の政治体制を変えるという以上の意味を持つことになる。近代以降の歴史で初めて、武装組織がテロリズムの最終目的を実現することになるのだ。それは、既存国家の廃墟の中から自分たちの国をつくること、それも、たとえばイランがそうだったように革命によってではなく、昔ながらの征服戦争によって領土を獲得することである。ただし、その戦争で使われるのはテロ戦術だ。もしこれが実現するなら、「イスラム国」は正真正銘のテロリズム国家ということになる。(前掲書45ぺージ)
 
と、いうことです。いまのところ、これがうまくいっているのは、「アルカイーダは失敗だった」と総括していることです。あまり組織化をしていないといっても、やはりビンラディンや、ザワーヒリーの指示で動いている限り、アメリカは犯人を見つけ出して殺すことができた。だから第1世代のアルカイーダは壊滅しているわけです。

副島 ドローンで大幹部たちを暗殺されても耐えられる構造をつくったということですか?

佐藤 そうです。「グローバル・ジハード論」というのを西側諸国で展開して、それに耐えられる構造をつくったのです。


第3章「ウクライナ政変で見えてきた世界大戦の予兆」より

佐藤 ウクライナは結局、NATOに加盟することはできません。そうなると緩衝地帯ですよね。重要なのは、ウクライナの圧倒的大多数の人が民族という意識が未分化のままなので、戦闘が起きたところ以外の人たちは自分がロシア人なのか、ウクライナ人なのか意識が未分化です。これまでは、ウクライナかロシア人かということを曖昧にして暮らすことができたのですが、これからは、曖昧ではない形にしなくてはならない。それをお互いが決めるとなると、状況によっては殺し合いになるでしょう。

副島 ウクライナはまさしく西側との緩衝地帯、バッファです。回廊国家ですね。回廊国家というのは、2つの勢力の間で、廊下のように外国の軍隊に侵攻され、踏みにじられ、居座られる国家のことです。このような国家の分裂状態を繰り返してきた「回廊国家」が、ポーランドと朝鮮半島です。もしかしたら、私たちの日本も回廊国家になりつつあるのかもしれません。アメリカと中国というふたつの帝国の間で、ウクライナと同じような分裂国家になるかもしれない。


第4章「オバマとヒラリーの激闘から読む世界の明暗」

副島 オバマとバイデンたちは、第三次世界大戦になるような「大きな戦争」をしたくない。「低緊張紛争」で収めたいと考えています。小さな戦争が起きるのは仕方がない。地域内で、それぞれやらせて、両国の均衡の上にアメリカが仲裁者として立つ。これが「オフショア・バランシング」という理論です。私の弟子の古村治彦君が『アメリカ政治の秘密』という本で日本に紹介しました。これはCFR(外交問題評議会)派の論理です。このCFR派に対して、共和党ネオコン系と結びつくヒラリーは「人道主義的介入主義者」です。ヒラリーは、「人道と人権を守る」という理屈をつけて外国に介入し、独裁国への反対の旗を振って、他国に介入していきます。極めて偽善的な考えです。

佐藤 共和党はプレーヤーの外という感じなのでしょうか?

副島 共和党の中心部はまったくやる気がない。共和党に潜り込んでいる、いわゆるネオコン派がヒラリー系の民主党と組んでいます。

佐藤 このポイントがわかっている日本人が少ないと思います。今のアメリカの人口は37%ぐらいが非白人です。2050年になったら、白人と非白人の割合が逆転するといわれています。そうなると、今の共和党の路線では絶対に票をとれるはずがありません。

副島 穏健なオバマ系民主党リベラルと、共和党内のリバータリアン及び茶会党がくっついている。彼らは「ハト派」で米軍を外国に出したくない。それに対し表面上は人道主義を掲げながら、外国に介入しようとする勢力がいます。それがヒラリーたちの凶暴なデモクラシーです。この凶暴なデモクラットたちと、共和党系の軍産複合体がくっついています。これが「タカ派」です。


第5章「行き詰まる日本経済ー余剰の時代の生き延び方」

副島 ピケティの『21世紀の資本』がものすごく売れています。私はピケティの本はスゴイ本だとわかりました。ただ、問題だと思う箇所があります。それはいちばん最後のほうのページ、結論のところに出ています。

佐藤 資本税という形で「資本に対して年次の累進課税」というのをやるべきだ。としている。ここがこのほんのいちばん怖いところですね。

副島 そうです。「これにより果てしない不公平スパイラルを避けつつ、一時蓄積のアタアrしい機会がつくられる」と言っています。

佐藤 だから、これは国家資本主義ということです。国家がイノベーションを起こしたいという国民がいたら「カネを出してやるからやってごらん」とカネを与えるという話です。これは、国家統制の極端な強化ということです。

副島 国家がやる気のある人には、資産家になるチャンスを与える、ということですね。実際には資本税をかけても平等には向かわない。有名になったピケティの不等式、r>gというのは、資本収益率の方が、国民経済の成長率より高いので格差が生まれるという主張ですが、、、、

☆この続きは本書で!




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by yomodalite | 2015-06-05 19:06 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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