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天才 勝新太郎(文春文庫)/春日太一

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著者の本を読むのは初めてなんですが、これは渾身の力作!!! 本当に、スゴい人が現れたと感動しました!

勝新太郎に関しては、豪快伝説や、数々の魅力的な逸話は知っているものの、「作品」として、その凄さに、出会えたと思ったことはありませんでした。人気シリーズと言われる、『悪名』とか、『兵隊やくざ』とか、日本映画チャンネルで、ちらちら、見てみたものの、勝氏の個性は、今よりも、むしろ、そのときでさえ、時代とミスマッチな印象があって、

特に「悪名」では、人気コンビの片割れ、田宮次郎も、軽さと、スマートさを「チンピラ役」というキャラクターに、押し込められているようで、今の眼から見ると、魅力に乏しい作品としか、思えませんでした。

でも、田宮次郎は、その後、ヤクザ映画から逃れ、本来の個性どおりの「背広の時代」に、その個性を生かして、最終的に、そのキャラクターと心中したいと思うほどの、キャラクター(財前五郎)とめぐりあうことが出来たと思います。

また、兄の若山富三郎も、晩年まで、作品の中で、魅力を発揮できたことに比べると、勝氏の個性は、「異形の人、座頭市」でしか、表現できなかったのかなぁ。。と、

本当に、歯がゆいというか、残念に思うのは、役者としての勝氏は、ヤクザも背広も似合わないって、大して見てもいないのに、テキトーに結論づけていたんですが、さらに、残念なことに、その『座頭市』も、そうなんですが、日本の作家は、映画監督だけでなく、著作業も含めて、作品数が多過ぎると思うんです。

巨匠と言われる、黒澤(1910年3月23日 - 1998年9月6日)でさえ、多過ぎますね。

クロサワと言えば、撮影現場での、途方もない拘りで知られていますけど、そうでありながら、あれほどの数の映画を遺したというか、創ってしまったのは、どうなんだろう。。それは、きっと、日本にとって、イイことも、たくさんあったのだと思います。

そのイイことの、ひとつは、

なんだか、未だに、メディア的には「世界で評価された」なんて言って、喜んでいるふり(?)をしなくては、いけないみたいですけど、ハリウッド以外の世界が創ることを止めてしまった時代も、一定の水準以上の作品を、量産して来たのは「日本」だけでしょう。彼らの多作は、日本の平均レベルを上げることには、確実に繋がっていると思います。

ひとりの中に、さまざまな“天才”が同居しているような天才....

もし、勝新太郎が『座頭市』を、7作ほど完璧な作品として創ってくれていたら、

『座頭市』は、海外でも熱狂的にウケた作品だったから、その選択はあったはずです。でも、出来なかった。。。(本書では、勝新太郎とブルース・リーの出会いについてのエピソードも)

日本の作家には、今でも、そういう選択が出来ないように思います。日本では、「寡作」と言われていても、世界基準では、それで普通か、むしろ多いんですよね。

ゴダールが、影響を受けた監督を3人挙げてくれと言われて「ミゾグチ、ミゾグチ、ミゾグチ」と答えた逸話を知って、何度か、溝口健二(1898年5月16日 - 1956年8月24日)の作品にトライしてみたんですが、わたしには、未だに溝口作品がわかりません。40代のわたしが、わからないなら、今の20代には、もっと伝わらないんじゃないかと思う。

そんなわけで、よくはわかりませんが、溝口的な評価(ゴダールのそれとは違うかもしれないけど)のされかたというのは、文化的評価として、小津安二郎(1903年12月12日 - 1963年12月12日)より、もっと、一般的というか、継承しやすい才能だと思うんですけど、それを可能にするような旧制高校的な教養は日本では、ますます無くなりつつありますね。

勝新太郎は、決して才能を開花しきったとは言えない「天才」でしたが、

本書は、役者として、監督として、脚本家としての、勝新太郎を、詳細な現場取材を通して描き、映画隆盛期から斜陽期、テレビ時代、プロダクションの社長としての才能も、もがきも、新書の薄さからは、まったく想像できないぐらいのレベルで再現され、

最終章「神が降りてこない……」では、あの『影武者』降板騒動の真相に迫り、もうひとりの神、黒澤となぜ、折り合いがつけられなかったのかを、著者に、勝新太郎の魂が、乗り移ったとしか思えないほど肉薄して、語られています。

一代限りと思われた天才を、継承できる「歴史」としてとらえた傑作。

1977年生まれの著者が、これを書けたのは「奇跡」のような気がします。
今後も、春日氏には、めちゃめちゃ注目していきたい!!!

☆☆☆☆☆(満点)

___________________________

[内容]
第一章/神が天上から降りてくる ー 映像作家・勝新太郎
第二章/負けてたまるか ー 映画スター・勝新太郎の誕生
第三章/勝プロダクションの設立
第四章/オレは座頭市だ ー 『新座頭市』
第五章/神が降りてこない……

[BOOKデータベース]
「座頭市」と豪快な勝新伝説で知られる勝新太郎。本書は映画製作者としての勝とその凄まじい現場をスタッフの証言を元に再現し、繊細すぎる実像を浮き彫りにする。純粋さが加速させる狂気のノンフィクション。

[著者略歴 「BOOK著者紹介情報」より]
春日太一/1977年東京都出身。時代劇を中心にした日本の映画・テレビドラマの研究家。日本大学大学院博士後期課程修了(芸術学博士。テーマは「一九七〇年代の京都撮影所における時代劇製作の諸相」)。失われつつある撮影所文化を後世に残すべく、当事者たちへの聞き書きをライフワークにしている。講演・著述を通して、製作現場の熱気や職人たちの美学をより多くの方に知ってもらおうと活動中。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)




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by yomodalite | 2010-11-12 16:45 | 報道・ノンフィクション | Trackback | Comments(0)

功利主義者の読書術/佐藤優

功利主義者の読書術(新潮文庫)

佐藤 優/新潮社




佐藤優氏の読書術と聞いて、ワクワクしてしまう読書好きはすごく多いでしょう。

まず、功利主義の読書とは?について「まえがき」では、こう書かれています。

(引用開始)読書には、大きな罠がある。特に、読書家といわれる人がその罠に落ちやすい。読書はいわば「他人の頭で考えること」である。(中略)本書が想定する読者は娯楽を目的とする人々ではない(中略)

本書の表題に「功利主義者の」というしばりをかけたのも、ビジネスパーソンや学生の「役に立つ」ということを第一義的に考えたからだ。(中略)

実用書やビジネス書は、はじめから「役に立つ」ようにつくられている。従って、このような本を功利主義的観点からどう読むかという解説をしても、読者にとって追加的利益はほとんどない。(中略)

役に立つとか、功利主義というと、何か軽薄な感じがするが、そうではない。われわれ近代以降の人間は、目に見えるものだけを現実と考える傾向が強い。しかし、目に見えるものの背後に、目に見えない現実があると私は信じている。(中略)

プラグマティズム(実用主義)や、功利主義の背後には目に見えない真理がある。読書を通じて、その真理をつかむことができる人が、目に見えるこの世界で、知識を活かして成功することができるのである。この真理を神と言い換えてもいい。功利主義の読書術とは神が人間に何を呼びかけているかを知るための技法なのである。(引用終了)

では、タイトルと「まえがき」だけで、すでに興奮MAXに達しそうな、そのラインナップは、、、

◎資本主義の本質とは何か
『資本論』カール・マルクス 向坂逸郎(訳)
『うずまき』伊藤潤二
『夢を与える』綿矢りさ
『資本論に学ぶ』宇野弘蔵

◎論戦に勝つテクニック
『山椒魚戦争』カレン・チャペック 栗栖継(訳)
『ふぞろいな秘密』石原真理子
『負け犬の遠吠え』酒井順子

◎実践的恋愛術を伝授してくれる本
『孤独の賭け』五味川純平
『我が心は石にあらず』高橋和己

◎「交渉の達人」になるための参考書
『北方領土交渉秘録 失われた五度の機会』東郷和彦
『カラマーゾフの兄弟』フュードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー 亀山郁夫(訳)
『カクテルパーティー』大城立裕

◎大不況時代を生き抜く智慧
『恐慌論』宇野弘蔵
『恐慌前夜 アメリカと心中する日本経済』副島隆彦
『経済学の国民的体系』フリードリッヒ・リスト 小林昇(訳)
「蟹工船・党生活者』小林多喜二

◎世直しの罠に嵌らないために
『邪宗門』高橋和己
「歌集 常しへの道』坂口弘
『レッド』山本直樹

◎人間の本性を見抜くテクニック
『長いお別れ』レイモンド・チャンドラー 清水俊二(訳)
『ロング・グッドバイ』レイモンド・チャンドラー 村上春樹(訳)
『死と生きる 獄中哲学対話』池田晶子 睦田真志

◎「沖縄問題」の本質を知るための参考書
『琉球王国』高良倉吉
『テンペスト』池上永一

◎再び超大国化を目論むロシアの行方
『ソビエト帝国の最後 “予定調和説”の恐るべき真実』小室直樹
『イワン・デニーソヴィチの1日』A・ソルジェニーツィン 木村浩(訳)
『他者の受容 多文化社会の政治理論に関する研究』ユルゲン・ハーパーマス 高野昌行(訳)

◎日本の閉塞状況を打破するための視点
『はじめての唯識』多川俊映
『公共性の構造転換 市民社会の1カテゴリーについての探求』ユルゲン・ハーバーマス 細谷貞雄/山田正行(訳)
『共同幻想論』吉本隆明
『新約聖書 新共同訳』

上記の27冊。(「長いお別れ」と「ロンググッドバイ」は、同一書の翻訳違いですが)

とりあえず、石原、酒井氏などの、いわゆる読書ブロガー向けのトラップ(笑)は避けて、佐藤氏ならではの、深い洞察が堪能できるのは、

まずは、ロシア関係で“IN”。先頃、お亡くなりになった、小室直樹氏。このブログでは、『韓国の悲劇ー誰もかかなかった真実』以外は、記録していないのだけど、それは、このブログが、2007年から始めたからで、それ以前に読んだ本は、極わずかだけ、気が向いたときに、保管してあるのだけど、『ソビエト帝国の最期』だけでなく、小室氏のカッパブックスのシリーズは、ものすごく頭がイイ人だからこそ書ける、読みやすくて、深い内容のものが、本当にたくさんありました。カッパブックスじゃないけど、今でも、簡単に手に入る、下記3冊とか、昭和天皇本とか、

◎日本人のための宗教原論
◎小室直樹の中国原論
◎日本人のためのイスラム原論

もう本当に読んで良かった!と、心の底から、思えた本ばかり。小室直樹氏に出会えなかったら、その弟子の副島隆彦氏にも出会えなかった。本当に頭のイイ人に出会えないと、それ以外のそんなに頭が良くないのに、イイと勘違いしている人から、影響受けちゃって、読書によって、ますます、バカになってしまうってことが、よくわかりました。

それから、個人的に、グッドタイミングだった、『カラマーゾフの兄弟』と『新約聖書』

仕事を辞めて、とにかく読書生活したい!と思ってから、何度も、『カラマーゾフ』を読み直さなきゃって、思ってたんだけど、その前に、大書『マイケル・ジャクソン』に出会っちゃって、どっちが先?と何度も考えて、やっぱり、マイケル?って思いつつも、いつも、気になっていたんだけど、新訳が出版されてたんですね!タイミングが来たら、絶対、亀山郁夫訳で読もうっと♡

『新約聖書』も、どれを、種本にすれば、いいのか、わからなかったんだけど、『新約聖書 新共同訳』にします!

とにかく、他にも、チャンドラーの村上春樹訳の話とか、ハーバーマスの話も深過ぎるし、大城立裕って誰?とか、池上永一氏にも、注目していなかったけど、とにかく、佐藤氏の読み解き方が、面白い!

また、『はじめての唯識』では、以前、別の学問について、やっぱり、その道の大家みたいな人に、その学び方を聞いたら、まずは、「ヘブライ語」からだって、言われて、速攻諦めた、英語も出来ない、わたしのような人にとって、ドイツ語、ロシア語、サンスクリット語や、ギリシャ語、ラテン語、ヘブライ語まで、学ばれた、佐藤氏に、難解なことを「簡単な言葉で解説」した本を、紹介していただけるなんて、もう、幸せ過ぎるぅ〜〜!!!この本を読んで、三島の『暁の寺ー豊饒の海』も、再読せねば!


実際に読むと、さらに、期待以上の面白さ!!! 読書好きには、必読の書。

☆☆☆☆☆(満点)
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[出版社/著者からの内容紹介]タレント本からビジネス書、世界文学の名作、哲学書、宗教書まで──。
今まで気づかなかった智慧が見えてくる。
「役に立てる」という観点から本を読み直せ!
佐藤優が教える画期的読書術。 新潮社 (2009/07)


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by yomodalite | 2010-09-15 12:33 | 文学 | Trackback(1) | Comments(7)

日本辺境論/内田樹

日本辺境論 (新潮新書)

内田 樹/新潮社



去年出版されていて、2010年の新書大賞も受賞している本。

内田氏の、キャシャーンがやらねば、誰がやる!的な「まえがき」に、強く納得。氏が言われるように、本書の内容は、目新しくはないけど、さっぱり浸透していない、日本論の典型。

久しぶりに、最後まで、赤線を引っ張って、読了しました。本書には、有名ブロガーや、著名人による書評も多くあるのだけど、心から共感する書評は、まだ見当たらない。といっても自分で書くのは大変すぎる内容。ただ、本書が、意外と評判高くないのは、エセ愛国者のような方にとって、都合が悪いからだと思う。

「まえがき」より

……ですから、最初にお断りしておきますけど、本書のコンテンツにはあまり(というかほとんど)新味はありません

でも、新味があろうとなかろうと、繰り返し確認しておくことが必要な命題というのはあります。

私たちはどういう固有の文化をもち、どのような思考や公道上の「民族誌的奇習」をもち、それが私たちの眼に映じる世界像にどのようなバイアスをかけているのか。それを確認する仕事に「もう、これで十分」ということはありえません。

朝起きたら顔を洗って歯を磨くようなものです。一昨日洗ったからもういいよというわけにはゆきません。……

[内 容]

◎日本人は辺境人である
「大きな物語」が消えてしまった/日本人はきょろきょろする/オバマ演説を日本人ができない理由 /他国との比較でしか自国を語れない/「お前の気持ちがわかる」空気で戦争 /ロジックはいつも「被害者意識」/「辺境人」のメンタリティ /明治人にとって「日本は中華」だった/日本人が日本人でなくなるとき / とことん辺境で行こう

◎辺境人の「学び」は効率がいい
「アメリカの司馬遼太郎」/ 君が代と日の丸の根拠 / 虎の威を借る狐の意見/ 起源からの遅れ/『武士道』を読む/無防備に開放する日本人 /便所掃除がなぜ修業なのか/学びの極意/『水戸黄門』のドラマツルギー

◎「機」の思想
どこか遠くにあるはずの叡智/ 極楽でも地獄でもよい/「機」と「辺境人の時間」 /武道的な「天下無敵」の意味 /敵を作らない「私」とは / 肌理細かく身体を使う/「ありもの」の「使い回し」/「学ぶ力」の劣化 /わからないけれど、わかる/「世界の中心にいない」という前提

◎辺境人は日本語と共に
「ぼく」がなぜこの本を書けなかったのか/「もしもし」が伝わること/ 不自然なほどに態度の大きな人間/日本語の特殊性はどこにあるか/日本語がマンガ脳を育んだ /「真名」と「仮名」の使い分け /日本人の召命

◎終わりに
________

[BOOKデータベース]日本人とは辺境人である―「日本人とは何ものか」という大きな問いに、著者は正面から答える。常にどこかに「世界の中心」を必要とする辺境の民、それが日本人なのだ、と。日露戦争から太平洋戦争までは、辺境人が自らの特性を忘れた特異な時期だった。丸山眞男、澤庵、武士道から水戸黄門、養老孟司、マンガまで、多様なテーマを自在に扱いつつ日本を論じる。読み出したら止らない、日本論の金字塔、ここに誕生。「新書大賞2010」受賞。(中央公論新社主催)新潮社 (2009/11)



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by yomodalite | 2010-03-27 14:12 | 評論・インタヴュー | Trackback | Comments(0)

世界権力者人物図鑑/副島隆彦

世界権力者 人物図鑑 世界と日本を動かす本当の支配者たち

副島 隆彦/日本文芸社



金融本以外の、副島本を読んでいる人には、文章部分は特に目新しい点はないのだけど、日頃、愚民化政策として、テレビ、雑誌などのメディアを指示している方々を、逆に、週刊誌的切り口で取り上げた、画期的なオールカラー人物図鑑。世界の権力者が53人掲載されています。

主要人物は、見開き2ページで紹介。

世間が誰もオバマを知らなかった頃から、次期大統領予想をピタリと当てた、副島氏は、現在はオバマの失脚時期と、次にヒラリーが出てくることも予言されていますが、そのヒラリーに関しては、こんな感じ↓


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これも↓(旦那より遥かにブサイクな愛人の写真も)
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あと、小沢一郎逮捕を画策したのは、この人で
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愛国者の中川昭一を、失脚させ、死に追いやったのは、この人。
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田中眞紀子が外相時代、会わないといったのは、“麻薬王”のこの人で、
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子分の売国奴の日本人も実名で掲載されてます。

ちょっぴり懐かしいライス↓
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黒人のライスが、ブッシュの愛人というのは、意外に思う日本人は多いと思うけど、お金持ちの家の子供の保育は、ナニーと呼ばれる乳母(黒人女性が多い)に任せられていることから、金持ち家庭のボンボンには、よくありがちの性癖らしい。。(とまでは、本書には書かれてないけど)

ニュースを読むのにたいへん役に立つので、一家に一冊は必要。
副島氏は出版にあたり、何が起こってもいいという覚悟をされているようですので、ご購入はお早めに。


2010年3月5日(金)TBSラジオ「ペラ☆ペラ」の、水道橋博士の紹介が面白いので、ポッドキャストが聞ける方は、そちらもご参考に♡

☆シリーズ第2弾!『ヨーロッパ超富豪権力者図鑑』
___________

[内容紹介] 副島隆彦 アメリカ研究30年の成果を凝縮! 世界帝国アメリカの没落、新興国の台頭、そして日本の民主党政権転覆の謀略――。激しく変化する世界の裏側で、いったい誰が暗躍しているのか?
ベストセラー連発、オバマ大統領の誕生、リーマン・ショックなど、数々の予言を的中させてきた副島隆彦が、世界の政治・経済・金融を支配する最重要人物76人をカラーの顔写真とともに解説。
世界覇権をめぐるロックフェラー家とロスチャイルド家の歴史、次の超大国を中国動かす人々、ドル崩壊に直面する米金融・財界人たち、迫り来るオバマ大統領の辞任と次の大統領ヒラリー、激しく対立するアメリカのグローバリストとポピュリスト、アメリカ処分案を検討する新興大国BRICsと欧州の指導者たち、属国・日本に総攻撃を仕掛ける日本操り班(ジャパン・ハンドラーズ)の正体――。権力者たちの動きがわかれば、世界が見える!
政治・経済ニュースの裏側がわかる!

「この本で、今のアメリカ政財界(最高支配者たち)と世界の動きが大きくわかる。そうすれば私たちの日本国の運命もわかる。(中略)私のアメリカ研究30年の成果をあえてこの一冊の写真集(グラビア)に表した」――副島隆彦(はじめにより) 日本文芸社 (2010/2/25)

[収録人物] バラク・オバマ、ヒラリー・クリントン、デイヴィッド・ロックフェラー、ジェイ・ロックフェラー、ズビクニュー・ブレジンスキー、ビル・クリントン、ミシェル・オバマ、コンドリーザ・ライス、ジョージ・W・ブッシュ、ティモシー・ガイトナー、ポール・ボルカー、ラーム・エマニュエル、ベンジャミン・バーナンキ、アラン・グリーンスパン、ロバート・ルービン、ラリー・サマーズ、ポール・クルーグマン、ジョゼフ・E・スティグリッツ、ウォーレン・バフェット、ビル・ゲイツ、レオ・メラメッド、ミルトン・フリードマン、ジョージ・ソロス、サンフォード・ワイル、ジェイコブ・ロスチャイルド、ナット・ロスチャイルド、イブリン・ロスチャイルド、ダヴィド・ロスチャイルド、アル・ゴア、ヘンリー・ポールソン、ルパート・マードック、胡錦濤、温家宝、江沢民、曽慶紅、習近平、李克強、ウラジミール・プーチン、ドミトリー・メドヴェージェフ、マンモハン・シン、ルーラ・ダ・シルバ、ニコラ・サルコジ、ゴードン・ブラウン、ロン・ポール、ディック・チェイニー、ドナルド・ラムズフェルド、ジョゼフ・ナイ、リチャード・アーミテージ、マイケル・グリーン ほか 計76人



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by yomodalite | 2010-03-15 18:16 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

映画『インビクタス 負けざる者たち』 監督:クリント・イーストウッド

インビクタス / 負けざる者たち [DVD]

モーガン・フリーマン,マット・デイモン,レレティ・クマロ,マット・スターン/ワーナー・ホーム・ビデオ



本日『インビクタス 負けざる者たち』 を観て来ました。タイトルの「Invictus」は、ラテン語で不屈と言う意味ですが、不屈の男が27年後に祖国を希望に導いた精神とは...

『許されざる者』(Unforgiven)で、アカデミー作品・監督賞を受けたイーストウッドは近作『父親たちの星条旗』『硫黄島からの手紙』『グラン・トリノ』で、それと同様の精神を扱っていますが、もっとも希望にあふれているのが本作。『グラン・トリノ』より更に必見の映画です!

観に行く映画に関しては、あまり情報を得ないようにしていて、事前に知っていたのは、マンデラ、南アフリカ、ラグビーの3つのキーワードだけだったんですが、イーストウッド作品としては、めずらしく、開始すぐに、テーマがはっきりと見え、もうそこからは、ずっと泣きっぱなし...(喜びの涙...)

今回は、とにかく直球勝負。『グラン・トリノ』のより『チェンジリング』の方が断然好きな私ですけど、ストレートの豪速球をど真ん中に、ズシン、ズシンと投げられることがこんなに快感だったとは...

この映画の魅力は、モーガン・フリードマンが演じる“マンデラ”ではなくて、実際のマンデラの笑顔を思い出させられるところだと思います


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日本でも、長い間負けなかった男が戦いに勝って、日本のサッカー代表にこんな風に声をかけてくれて、みんなで精一杯応援できる日が来ますように!

[以下メモ]

・アパルトヘイトの象徴とも言われたラグビーチームの名前はSpringbok
・映画タイトルは、W.E. Henleyの詩より。マンデラが27年間の投獄中に励まされた詩。 

W. E. Henley

“Invictus”

OUT of the night that covers me,
Black as the pit from pole to pole,
I thank whatever gods may be
For my unconquerable soul.
In the fell clutch of circumstance

I have not winced nor cried aloud.

Under the bludgeonings of chance

My head is bloody, but unbow'd.

Beyond this place of wrath and tears

Looms but the Horror of the shade,

And yet the menace of the years

Finds and shall find me unafraid.

It matters not how strait the gate,

How charged with punishments the scroll,
I am the master of my fate:

I am the captain of my soul. 

☆参考サイト↓
Anne's English Cafe(英語教師の出直し英会話)

☆46664のサイト(46664はマンデラの囚人番号)
www.46664.com



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by yomodalite | 2010-02-10 23:51 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(6)

悪魔の用語辞典/副島隆彦・SNSI副島国家戦略研究所

本日から2010年のブログ始め。

昨年のブログ始めは、林真理子氏の『文学少女』だったのですが、私の中では、2008年は、副島隆彦氏の『中国 赤い資本主義は平和な大国を目指す』に始まり、2009年は、08年の年末に出版された、副島隆彦、佐藤優両氏の『暴走する国家 恐慌化する世界』で始まったと記憶しています。

2009年は、6月25日にマイケル・ジャクソンが亡くなるという衝撃を受け止めるのに本当に永い時間を必要とした1年でしたが、彼が亡くなるまで抱いていた疑問を解くうえでも、また作品や人柄への正統な評価も、副島氏の本を永年読んできたことが非常に役に立ったと思ってます。

それで、昨年末に出版された本書の紹介を、西寺郷太氏の“小沢一郎・マイケル・ジャクソン同一人物説”を見習って、副島隆彦・マイケル・ジャクソン同一人物説として展開したかったのですけど・・・(ちなみに、副島氏は小沢一郎の最大にして最良の擁護者でもあり、この説はまったく突拍子もない説ではなく、むしろ、小沢一郎より「作品」がある分、似ている部分が多いのですが、時間がかかるので今回は省略)

とにかく、タイトルや、ジャケットからは想像しにくいとは思いますが、

「Thriller」というタイトルのアルバム収録曲が、Baby be Mineや、The Girl is Mineとか、The Lady in Lifeだったり、「Dangerous」に、Heal The Worldが収録されていることを知っているMJファンにはお分かりとは思いますが、

また、小沢一郎、MJ、副島隆彦という3人が、自分が学んできたこと全てを惜しみなく与え、弟子を教育してきたことや、

マスコミにおいて、常に激しい攻撃されてきたことなどの(副島氏の場合は無視されてきた)共通点を考えれば、ダンスと音楽の天才で愛と平和の人であるMJが、非常に知的で、ビジネスマンとしても超優秀だったことと同じく、

ベストセラーの経済本の著者であり、政治学者の副島氏が、実は「愛の人」であることも、もう隠しようがないように思います。

では、ここから内容です!

巻頭から、ビアスの『悪魔の辞典』の紹介と、それにインスパイアされた本書を出版する理由に関して、60ページほどの文章が続き、悪魔とは何か、神秘とは何か、愛の思想とは何か、、、たった60ページほどの文章ですが、日本人がそれらを理解するための一番の近道が示唆されています。

副島氏の示唆を受けずに、グノーシスや、カバラーについて、何冊読んでも、魔術を興味をもって、ヘブライ語を勉強したところで、私たち凡人には真実に辿り着くことなど出来ないでしょう。人生は短く老いは早いですから。

本文の用語辞典には、下記の21項目があり、最初の「正義」を副島氏が執筆し、後はお弟子の方が担当されています。

・正義 ー 副島隆彦
・官僚組織 ー 廣瀬哲雄
・税金 ー 廣瀬哲雄
・陰謀 ー 中田安彦
・エリート ー 中田安彦
・社会工学 ー 古村治彦
・正しい/間違い ー 吉田佑二
・良いこと/悪いこと ー 吉田佑二
・自然 ー 下條竜夫
・自然法 ー 中谷央介
・啓蒙 ー 下條竜夫
・政治 ー 佐々木貴浩
・資本主義 ー 石井利明
・価格 ー 根尾知史
・スピリチュアリズム ー 原岡弘行
・マインド ー 崎谷博征
・愛 ー 足助友子
・ポリティカル・コレクトネス ー 石井利明
・フェミニズム ー 藤森かよこ
・分析 ー 高野淳
・預言者 ー 高野淳

続編、続々編と続いていけば、益々有意義な大辞典になりそうな内容。
2010年は、この本から始めましょう!!!

★★★★★(最高にDangerousで、Invincibleな副島氏に今年も目が離せません)

[出版社/著者からの内容紹介]騙されるな! すべてを疑え! そして暴け!
アンブローズ・ビアスの『悪魔の辞典』の精神にならい、体制側が押し付けてくるあらゆる知識を疑い、その裏に隠されている真実を暴く。騙されない日本人になるための本。
本編に入る前に、副島隆彦による「悪魔主義・神秘主義」の歴史を俯瞰し、その正体を解き明かす圧巻の巻頭文を掲載。「強欲・拝金」の思想がいかにして誕生したか、そして、「悪魔」と悪罵を投げつけられる側にこそ、真実の生き方が隠されていたことが示される。
稀代の予言者にして百学の思索家、副島隆彦と高弟が暴く「誰も語らないこの世の真実」!
【収録見出し語】正義、官僚組織、税金、陰謀、エリート、社会工学、正しい/間違い、良いこと/悪いこと、自然、自然法、啓蒙、政治、資本主義、価格、スピリチュアリズム、マインド、愛、ポリティカル・コレクトネス、フェミニズム、分析、預言者

[BOOKデータベース]“悪魔”こそが正しい。―たとえ、洗脳された社会に「悪魔」と罵られようと、この潔癖で毅然とした真実の生き方を捨て去ってはいけない。我ら、日本の真の読書人階級が選び取るべき生き方がここにある。稀代の予言者にして百学の思索家、副島隆彦と高弟が暴く「誰も語らないこの世の真実」!アンブローズ・ビアス『悪魔の辞典』の現代的復活。KKベストセラーズ (2009/12/16)

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by yomodalite | 2010-01-04 19:17 | 宗教・哲学・思想 | Trackback | Comments(0)

正座と日本人/丁 宗鐵(てい むねてつ)

正座と日本人 (The New Fifties)

丁 宗鐵/講談社



週末は、タイガー・ウッズの不倫報道をNHKも取り上げたことに驚きました。ていうか、もう驚いたというよりは呆れました。要するにオバマ攻撃へのゴングが鳴ったということなんでしょう。これから一体どうなることやら...

まあ、よその国のことよりも、これからは日本回帰だ!と思っても、うっかり間違った“大和心”を育んでしまうことも多いので要注意なんですが、そんなトラップに引っ掛からないために、一番カンタンなのは、

落語に行くこと。(ただし、こぶ平以外♡)

笑えるうえに、“正座”しなくてもイイですから。

間違った“大和心”を避けるには、正座に関しての感覚をまず見ることが重要だと思うんです。正座にまったく疑問をもっていないところは、理不尽な修行や決まりばかりで、官僚か会社員か兵隊か、いずれにしても奴隷か、その管理者として教育されるだけです。

このブログで“正座”に関して書いたのは、こちら↓

浮世絵のきもの(1)/「ボストン美術館 浮世絵名品展」

浮世絵には、“現在の生活”と“今のアニメの世界”ぐらいの表現の違い(ファッションや体型etc..)を考慮する必要はありますが、残された衣類を見る限り、やっぱり間違いありませんね。

では、なぜ今の茶道が、あんなことになったか?という答えは、第2章に。その他、縄文時代の座り方とか、福助人形とか、日本薬科大学、東京女子大学の教授で、歴史好きで武道、茶道を嗜むという、本書のテーマには願ってもない著者による、“正座”の話がてんこもり!

そうに違いないと思っていたことから、まだはっきりとは言えないなぁと思っていたことまで、本当に私のために書いてくれたかと思うぐらい、至れり尽くせりの内容に感動しました。

きもの女子および、グローバル時代に誇り高く生きたい日本人にオススメの教養書!!!

特に、長唄も三味線も和裁など、“道”がつかずに、合理的に技術を学ぶべきところなどは、床座りは、お互いのために止めませんか? 
師匠!お願いですから、イス用意してください。

☆参考サイト
◎松岡正剛・千夜千冊『正座と日本人』

【目次】
第1章 座り方の意味
第2章 茶道と正座
第3章 武士から庶民へ
第4章 畳と正座
第5章 着付けと正座
第6章 明治の時代背景と正座
第7章 歴史に見る正座
第8章 正座よもやま話 今の常識、再点検
第9章 正座の解剖
第10章 正座の応用
____________

【内容紹介】素朴な疑問、日本人はなぜ正座をするのか? 漢方医学の大家が、古今東西の資料を渉猟し、日本人と正座の関係を紐解く。端緒は著者のクリニックにやってくる「膝が悪い」という患者さんの増加にあった・・。講談社 (2009/4/22)



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by yomodalite | 2009-12-07 16:38 | 歴史・文化:美術 | Trackback | Comments(0)

福田君を殺して何になる/増田美智子

福田君を殺して何になる

増田 美智子/インシデンツ



◎[2012.2.21追加]元少年に死刑判決 - 死刑の是非の前に問いたい是非

初めての育児に一生懸命だった若い妻と、幼い子供の両方を奪われた夫、本村洋氏の怒りは、裁判の経過中、死刑判決を望む旨を強く表明し続け、一審での無期懲役の判決には「司法に絶望した、加害者を社会に早く出してもらいたい、そうすれば私が殺す」など、激しいものでしたが、守れなかった家族への責任感の強さから発せられる、本村さんの言葉には、これまでの刑罰論に一石を投じるような論理があり、今まで顧みられなかった被害者遺族の人権にも注目を集め、多くの人を感動させました。

私も、このときの本村さんに、たいへん感動した1人です。

でも、本書のタイトルや、そして著者がまだ20代の女性であることを知って「もしかしたら。。。」という期待と共に読了し、それは、ほぼ期待どおり、満足のいく内容でした。

「殺して何になる」という問いに、

・被害者遺族が満足する。
・殺人に対して、死刑という刑罰がくだされるのは当然。
・なぜ凶悪犯罪者の命を救おうとするのかわからない。

上記のような考えの方は、是非一読されることをオススメします。

本書の帯には、3人の文章の抜粋があります。

ひとりは、本事件の弁護士を途中解任され、『なぜ僕は「悪魔」と呼ばれた少年を助けようとしたのか』を出版された、今枝仁弁護士。

被告である福田君。

そして、もう1人は、被害者遺族である本村洋さん。

本村さんの文章は、本書への直接の推薦文ではありませんが、彼の今の心境がよく著わされています。死刑執行でスッキリした気持ちになれるのは、被害者遺族ではなく、まったく関係のない私たちのような野次馬だけだということが。。。。

本村氏の真摯な“聖戦”に対して、警察発表の忠実な犬にして、常に事件後の傍若無人な加害者であるマスコミ報道を鵜呑みにした世論により、「死刑」が執行されることは、本当にも相応しいことなんでしょうか。

著者の取材方法、取材者への態度や気配りなどに、批判的な人も多いですが、私は、それ以上に、批判を承知したうえでの著者の行動力と、真に重要な問題提起に感動しました。

というか、信頼していた著述家の中にも、この取材方法への批判を真っ先に挙げる人がいたことにはショックを通り越して絶望すら感じました。彼女の取材に気配りがされていないなら、マスコミはどうなんですか?

死刑に興味をもって、見聞きした数少ない経験を通してわかったのは、死刑の廃止と存続には、それぞれの既得権益者による、不毛な議論しかないということです。

本書が明らかにした主内容は、

・少年の悪印象を決定づけた“不謹慎な手紙”の真相
・少年の実像
・少年が死刑になった“真の理由”

上記3点なのですが、中でも、死刑判決が下されることになった最大の責任は、弁護団にあることを明らかにした点です。(批判されている弁護団は、世論を味方にすることが困難な裁判を何度も戦ってきて、司法の判断を知り尽くしていることが、逆に戦略ミスを招いたという側面もあるような気もするのですが....)

少年への匿名報道は、将来の社会復帰を考えてこそのはずですが、少年法を逸脱した死刑を課せられようとしている“少年”の匿名には、一体どんな意味があるのでしょうか?

事件の報道や本書への評判も、1度リセットして、本書を読んでみれば、匿名での死刑判決という、明らかな人権侵害を問題にせず、少年の実名明記のみを問題にして、本書が語られる“本当の理由”が、朧げながら見えてくるはずです。

本書の発売にあたっては、光市母子殺人事件の被告の名前を明らかにしたことで、実名報道の是非をめぐって賛否両論が大きく報じられ、また、弁護側は本書に対し、出版禁止の仮処分を広島地裁に申し立てた。

被告の死刑に異議を唱えた内容にも関わらず、なぜ被告弁護人から出版禁止を申し立てられたのでしょうか? その真相を知りたいひとへ。

☆今のところ、本書の意義を伝えている唯一の書評。
「404 Blog Not Found」

☆追加
鬼蜘蛛おばさんの疑問箱
___________

【内容説明】現在、光市母子殺害事件の被告人は、どのような心境で毎日を過ごしているのか。被告人と同じ年の著者が、マスコミ情報に頼らず、自分の足で取材し、事件関係者らの「生の言葉」から、この事件の意味を問い直す。



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by yomodalite | 2009-11-27 15:44 | 裁判・法律・犯罪 | Trackback | Comments(0)

それでも、日本人は「戦争」を選んだ/加藤陽子

それでも、日本人は「戦争」を選んだ (新潮文庫)

加藤 陽子/新潮社



本書は、東京大学大学院教授である著者が、2007年末に、栄光学園・歴史研究部の中高生17人を前に行なった5日間の講義をまとめたもの。序章では、9.11テロや南北戦争など、他国の例を用いながら、古代から順に日本史を学ぶことで、暗記ばかりに重点がおかれている日本の歴史教育から、近現代史を中心に、過去と未来を見ることの重要性を説き、その後、日清〜日露〜第一次大戦〜日中戦争〜太平洋戦争と続いた日本の戦争を、それぞれ世界の歴史と合わせて、くわしく語られています。

世界の戦争の歴史の中で、日本の決断は、どうなされたのか。

自虐でも、陰謀でもなく、隣国とアメリカだけに目を向けた狭窄史観でもない、日本人すべてにオススメの戦争歴史教本。

中高生相手とバカにするのは大いに間違っていて、生徒の歴史知識はかなりのものなので、菊川怜のクイズ解答のようにがっかりすることは一切ありません。

日本の戦争論の著者のほとんどにみられる、軍や国への恨みつらみや、天皇への幼児的愛着心から、解き放たれている、めったにない良書。

また、戦争のような極限的状況でなくても、日本人が陥りやすい特性というか、性質が見えてくるあたりもとても興味深く、その点は著者が女性であることが優位に働いている。

本書では、戦争がいかに経済と密接に繋がっているかが、よく理解できるのですが、今後の日本経済の悪化を、戦争なしで、どう耐えるかは深刻です。

序章 日本近現代史を考える
1章  日清戦争 - 「侵略・被侵略」では見えてこないもの
2章  日露戦争 - 朝鮮か満州か、それが問題
3章  第一次世界大戦 - 日本が抱いた主観的な挫折
4章  満州事変と日中戦争 - 日本切腹、中国介錯論
5章  太平洋戦争 - 戦死者の死に場所を教えられなかった国
___________

【内容紹介】かつて、普通のよき日本人が「もう戦争しかない」と思った。世界最高の頭脳たちが「やむなし」と決断した。世界を絶望の淵に追いやりながら、戦争はきまじめともいうべき相貌をたたえて起こり続けた。その論理を直視できなければ、かたちを変えて戦争は起こり続ける。

だからいま、高校生と考える戦争史講座。日清戦争から太平洋戦争まで。講義のなかで、戦争を生きる。生徒さんには、自分が作戦計画の立案者であったなら、自分が満州移民として送り出される立場であったならなどと授業のなかで考えてもらいました。講義の間だけ戦争を生きてもらいました。そうするためには、時々の戦争の根源的な特徴、時々の戦争が地域秩序や国家や社会に与えた影響や変化を簡潔に明解にまとめる必要が生じます。その成果がこの本です。……本書「はじめに」より

日本だけでなく、世界の人々がなにを考え、どのような道を選択したのか、 かつての人々が残した言葉をたどりながら、詳しく鮮やかに紐解いてゆきます。縦横無尽に「戦争」を考え抜く。歴史の面白さ・迫力に圧倒される5日間の講義録◆ 朝日出版社 (2009/7/29)



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by yomodalite | 2009-11-08 19:26 | 戦争・軍隊 | Trackback | Comments(0)

映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』

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この映画の試写を観た姉のラトーヤは、感想を聞かれて不快な表情だった。

下記のニュースにある、MJファンの気持ちも理解できる。生前、マイケルに苦痛を与えた連中がマイケルの死後、平然と金儲けしているということには、まったく腹が立つ。

一部MJファン、アンチ”This Is It”を呼びかけ。

“This Is Not It”と称するアンチThis Is Itキャンペーンで、イベントプロモーターのAEG Liveなどがマイケル・ジャクソンに過酷なライブ日程を強制、激しいリハーサルを強いたことで心理的、体力的に彼を追い込み、最終的に死に至る要因を作ったと主張している。
http://www.barks.jp/news/?id=1000054590


それでも、やっぱり、この映画を観ずにはいられない。

マイケルが、このコンサートを発表したニュースを見たとき、わたしはマイケルのことを何もわかっていなかった。トレードマークにもなっている、あの“ミリタリー風シャツ”は、もう古くさく見えて仕方なかったし、頭髪も不自然すぎる。50回という途方もない回数をこなせるはずがないし、熱狂する観衆の映像を冷ややかに眺めるだけだった。

最後のバラエティ番組出演となった「SMAP×SMAP」での、人間離れした容貌、歩くのさえ辛そうな雰囲気だったマイケルには、もう観客の期待に応えるステージなど、到底無理に思えたのだ。

ところが、死後に残されたリハーサル映像をニュースで見て驚いた。マイケルは、絶頂期と変わらないキレのある動きで、会見のときとはまったく違って、ものすごくカッコ良かった。これだったら、コンサートはきっと素晴らしいものになったに違いない。誰もがそう思ったであろう数日後、このリハーサル映像は、映画として公開されることになった。

映画は、オーディションに集まったダンサーたちの言葉で始まります。
そこから、映画終了まで、胸のずっとずっと上の方まで、なにかが一杯になった状態が続いて、帰宅後もそれはなかなか治まりません。

アンチ”This Is It”の「激しいリハーサルを強いたことで心理的、体力的に彼を追い込み・・・」というのは、気持ちはよくわかるし、間違っているとはいえない。

でも、マイケルは、完璧のそのまた向こう側、完璧主義のさらに上を行く究極主義でコンサートが素晴らしいものになるように、極限の努力を自らの意志で続けていた。誰かに追い込まれたわけではない。ダンスも、音楽も、舞台演出も、それぞれの監督よりも、ずっと高いものを求め、細かい点まで把握し、全体を見通し、そして、それをスタッフや共演者に求めるときも、声を荒げたり、怒ったりすることなく、いつも言葉を選び、穏やかに。。。。究極をめざしながら、どんなときでも荒々しい態度を自らに絶対に許さない。こんな人、他にいるだろうか。。。

クリエーターやアーティストの多くが厳しい不眠症に悩まされた経験があると思うけど、マイケルほど研ぎすまされた神経では寝られるわけがないと思う。驚異的な量の麻酔剤というのも、このリハーサル映像を見た後だと、納得してしまいそうになります。

オーディション映像や舞台裏でセットを組んだりしている絵を長々と撮ったりだとか、マイケルの過去の映像を目一杯付け足しているんじゃないかとか、そういう悪い方の想像はすべて打ち砕かれて、会見で言っていたとおり、みんなが聞きたい曲、みんなが観たいと思っていたマイケルが期待を遥かに超える水準で観られると同時に、まったく想像も出来なかった地点に立っていた彼の姿をも垣間見られます。

彼の死に、どんなにドス黒い陰謀があったとしても、最後まで、アーティストとしての魂が燃え尽きることがなかった、そして、そのことが、彼の肉体の極限を超えたのは間違いないでしょう。それなら、ファンは拍手で彼を見送って、哀れな“奴ら”には金を恵んであげればいい。

全世界の人へ
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★……………………



マイケルとは関係ないんですが、、、
グランプリシリーズでの惨敗後の会見で、浅田真央は、トリプルアクセルを百発百中で決めたいと、百発百中を何度も強調して語った。試合後、協会には選曲ミスやコーチ変更などの意見がたくさん寄せられたようです。確かに、会見前は私も同様の意見だったけど、「百発百中」発言を聞いた後は、ああやっぱり、彼女は伊藤みどりの血筋なんだなぁと思いました。

現役時代の伊藤みどりは、あまり好きではなく、むしろ、美しさを競う競技の中で、彼女だけが、こぶしをどらえもんのように握りしめて、ジャンプする姿がキライだった。でも今、過去の映像で見て、あの頃、あれほど美しかったカトリーナ・ビットの演技が色褪せて見えるのに反して、伊藤みどりのジャンプは今尚輝いてみえる。

浅田真央も、天才少女から、オリンピックの金メダルの上をいく「伝説」の入口に立ったのかもしれないなぁ。。
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【解説】2009年6月に急逝したマイケル・ジャクソンによって、死の数日前まで行われていたコンサート・リハーサルを収録したドキュメンタリー。何百時間にも及ぶリハーサルを一本の映画にまとめあげたのは、『ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー』の監督兼振付師で、予定されていたロンドン公演のクリエーティブ・パートナーでもあったケニー・オルテガ。コンサートを創り上げる過程では、偉大なスターであり才能あふれるアーティストでもありながらなおも進化を続けたマイケル・ジャクソンの素顔が垣間見える。

【あらすじ】2009年6月、1か月後に迫ったロンドンでのコンサートを控え、突然この世を去ったマイケル・ジャクソン。照明、美術、ステージ上で流れるビデオ映像にまでこだわり、唯一無二のアーティストとしての才能を復帰ステージに賭けながら、歌やダンスの猛特訓は死の直前まで繰り返されていた。

【スタッフ】
監督: ケニー・オルテガ
振り付け: トラビス・ペイン
音楽監督: マイケル・ビアーデン
プロデューサー: ランディ・フィリップス

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by yomodalite | 2009-10-29 02:28 | マイケルジャクソン資料 | Trackback | Comments(4)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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