<   2017年 04月 ( 17 )   > この月の画像一覧

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サービスデーの水曜日に『ゴンドラ』という映画を観た。
ちなみに、先週の水曜日には『T2 トレインスポッティング』も観たのだけど、そちらは、下記のリンク先に書いてある感想とほとんど一緒だったので、ここには書かなかった。


2週間前からひいている風邪がなかなか治らなくて、この日も咳と鼻水に苦しめられていた上に、雨まで降っていて、出かけるまではかなり迷ったのだけど、今日出かけなかったら、もう観られないかもしれないという思いと、未だに旅行気分が抜けない大阪でまだ行ったことがなかった「九条」という街にも行ってみたくて、ギリギリの時間になって、ようやく重い腰をあげて、家を出た。

『ゴンドラ』は1988年の作品で、今回はリヴァイバル上映。伊藤智生監督には、AV監督としてTOHJIROという名前もあって、私がこの作品を観たかったのも、そのAV作品に衝撃を受け、森下くるみさんのような人が長くAVの世界で活躍されたのも、この監督の磁力によるものなんじゃないかと思っていたから。


映画は、新宿高層ビルの映像から始まる。そのビルの上空から下を見下ろしている窓清掃の青年と、小学校の水泳の授業中、プールサイドで生理が始まってしまう少女との出会いは、少女が飼っていた文鳥のケガから。

大方の想像とは違い、この映画の「少女」はまったく性的には描かれておらず、監督は、少女を「自分」と同じように捉えているようで、青年と少女の関係には、性差や年の差さえも感じられない。

決して特別な女の子ではない主人公の少女が、周囲と迎合できずにいるのは「孤独を知って」しまったから。そして、田舎から上京した普通の青年と共通しているのは、「起きているときも夢を見られる」ということ。少女は、音叉を魔法の杖のように使い、青年は窓を拭いているとき下の世界に海を見ると言う。

そして、自立した女であろうとする母から愛情を感じられない少女は、家を出て、青年と旅に出ることに・・・

映画には、都会の上空や夕暮れ、青年の故郷の青く澄み切った空も、それぞれに美しい「空」が幾度か登場したのだけど、エンディングは、その中でも一番美しい「空」だった。


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シネ・ヌーヴォの写真は、スマホの消音機能付きのカメラで撮ったせいか、酷いピンボケ・・


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サントラ(1500円)にも惹かれたけど、今回はめったに買わないパンフ(読みどころが多くて丁寧な作りで500円)を購入。谷川俊太郎や切通理作氏の感想にうなづいたり、TOHJIRO監督が、かつて、私が東京で一番好きだった場所、あの六本木WAVEのオープニングビデオを監督されていたことを知る。


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迷ったけどやっぱり来て良かった。


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劇場を出ると、雨も上がっていた。
こういう映画を上映してくれるミニシアターがある場所には、独特の雰囲気を漂わせている街が多い。大阪のミニシアターは、十三(じゅうそう)の第七藝術劇場にしか行ったことがなかったので、シアターだけでなく、九条という街にも興味しんしんだったのだけど、上映中必死でガマンしていたこともあって、早く家に帰って目一杯うがいしたり、ティッシュを抱え込んでベッドでしばらく休みたいという気持ちが先立ち、あまり九条を楽しめなかった。

ただ、映画を見て私も旅をした気分になったせいなのか、なんだか、九条は大阪ではないみたいだった。ミニシアター系で働いている人は、どの街でもその街を代表する感じではないということもあるけど、劇場に行くまでに通ったナインモール九条、大阪には多いアーケード付きの商店街なんだけど、標語が標準語で書かれていて・・・

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「待った!スピードの出し過ぎ」は、大阪では「スピードを出し過ぎたら、アカン!」と書くのが “普通” なんだよねw

とにかく、、、

『T2 トレインスポッティング』は、前作を見た人しか見なくて良くて、前作を見た人も別に見なくてもいいけど、TOHJIRO監督のAVにお世話になったことがある人は、絶対にこの映画も観るべき!

でもって、別にお世話になってないというこのブログを見てくれている大半の女子は、公式サイトなどの情報を読んでじっくりと判断してねw

リヴァイバル上映に対する監督の思い・・
東京では4月28日まで 5月1日の夜にスペシャル最終上映があるようです。
他の地域の上映は、今後拡大中


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by yomodalite | 2017-04-27 18:00 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(0)

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(1)の続き・・・

ヒップホップの世界では、1970年代 - 1980年代までをオールド・スクール、1990年代以降をニュー・スクールと呼ぶことがあります(現在は1990年代もオールドスクールと呼ぶことが多いですが)。オールド・スクールを代表するアフリカ・バンバータは、ヒップホップの創始に関わった3大DJの1人で、ラップ、DJ、ダンス、グラフィティなどの黒人の創造性文化を総称して「ヒップホップ」と名付けた、ヒップホップの生みの親。


プレイリストに、ジャクソン5も入れていたアフリカ・バンバータは、1982年に発表した『Planet Rock』により、ヒップホップ、ハウス、テクノの音楽シーンに多大な影響を与えたと言われていますが、クラフトワークに強い影響を受け、YMOから音のサンプリングを学び、ジョン・ロビーがシンセサイザーを演奏した『ビート・ボックス』を提供してもらったことで完成した『Planet Rock』のヒットは、マイケルが、YMOの「ビハインド・ザ・マスク」を、最終的に『スリラー』(1982)から外したのと同時期のこと。


Afrika Bambaataa - Planet Rock





1980年代後期から1990年代前期については、音楽面で革新的な技法・作品が多く生み出されたことから、特にゴールデンエイジ(黄金時代)と呼ばれ、マイケルが「JAM」で共演したヘヴィ・Dもその時代のアーティスト。

彼は1967年にジャマイカで生まれ、9歳からニューヨークに移住し、80年代末から90年代前半にニュージャック・スウィングのラッパーとして活躍していました。


Dangerous発売前の1989年のヒット曲

Heavy D & the Boyz - Somebody For Me





また、『Dangerous』には収録されなかったものの、同時期に録音された「Serious Effect」で共演したLLクールJは1968年生まれで、ヘヴィ・Dと同じくニューヨークで育ち、ふたりとも愛嬌あふれる明るいキャラクターで、ヒップホップがポップスに浸透していく一翼を担ったラッパーであり、俳優としても活躍したという点も、マイケルに好まれたように思われます。


マイケルの『BAD』と同じ1987年の曲

LL Cool J - I'm Bad





MJの売上には程遠いものの、当時の時代感覚に合った「Bad」なセンスは、おそらくLLクールJの方でしょう。マイケルの「BAD」は、病気理由であっても、人種の壁を破ったと賞賛された黒人としての外見を白人に見せてしまったことで、元々マイケルが気に入らなかったローリングストーン誌など老舗のロック雑誌のライターからは「偽物のロック」と判断され、ヒップホップによって今までにない盛り上がりを見せたブラックミュージックのジャーナリストたちをも混乱させたことで、真っ当な評価を受けることはありませんでした。


代表曲は「Dangerous」の前年にリリースされたこの曲

LL Cool J - Mama Said Knock You Out





プリンスはヒップホップに批判的でしたが、「Dangerous」の翌年に発表したアルバム『Love Symbol』には、この曲の影響も感じられるこんなラップ曲も。


Prince - My Name Is Prince

http://www.nicovideo.jp/watch/sm14109619



今聞くと、Heavy Dの曲は、テディ・ライリーが推薦しただけあって、当時のニュージャックスウィング・サウンドそのものといった感じですが、LLクールJの曲は現代のラップにも近い感覚で、マイケルの「JAM」も、ニュージャックスウィングとは別のソリッドな感覚がありますね。


(1)で紹介したスパイク・リーのCMのように、この曲のショートフィルム(以下SF)には、嘘の告発によるスキャンダルから影響力が低下していたマイケルより、当時は影響力が絶大だったマイケル・ジョーダンが登場し、スポーツとダンスが融合し、ふたりの大スターがみんなに「JAM」を求めているような感じで、下記の和訳には使いませんでしたが、NBAで「Jam」と言えば、強力なダンクシュートという意味もあります。


SFの冒頭では、ハーレムのような場所で、ガラスが割られ、地球のようなボールが飛び出し、荒廃した地を見回すような映像の後、「全世界が一つになり、僕らが直面する問題に取り組めば、何か方法が見つかるはずだ」という歌が始まり、歌の最後では、そのボールは水溜まりから拾われる。


ジョセフ・ボーゲルの『コンプリート・ワークス」には、


「Jam」はマイケルの楽曲の中で、『Thriller』のオープニング曲「Wanna Be Startin’ Somethin’」に次いで社会を見据えた、内面を率直に吐露した曲となった。・・・彼は決まり文句を皮肉たっぷりに吐き捨てる。「世界はひとつ。みんなで協力しよう」。彼は現実はもっと殺風景なものであることを知っている。「世界は変わり続け/心もその都度変化する」と彼は観察し、質問を投げる。「僕らは正しいものと間違ったものを見分けられるのか?」

家族、政治、宗教のいずれもが彼を落胆させ、彼は考え続ける。彼は「幸せを見つけ」なければならない。しかし、他人の基準にはうんざりしている。「僕に教えようとしないでくれ/叫んだりわめいたりしないでくれ」。・・・

歌手の最後の救いが見つかるとすれば、それはもちろん音楽の中だろう。「Jam」とは時々息がつまりそうになるこの世界からの一時的な脱出のことであり、クリエイティブな世界に没頭し、音楽によって問題を解決することである。


と書かれています。私は、冒頭部分をマイケルが皮肉たっぷりに言っているとは思いませんが、彼は作曲者で、中心メンバーでありながら、「We Are The World」のツアーに参加しなかったり、「人種差別」や「多文化共生」の政治的な欺瞞には鋭い視点をもっていたと思います。


同署では、「Black Or White」のSF、後半部における暴力表現に見られたマイケルの痛みと怒りは、1992年ロス暴動を予言することになった。という記述もあるのですが、


後半の映像でのマイケルは「破壊」の限りを尽くしていて、ブラックパンサー党の黒人至上主義的ともいえる過激な思想を表現するかのごとく、最後は「ブラックパンサー」に変身します。これは、前半の多文化共生的なメッセージに反して、見るものを混乱させましたが、実はこの曲では、それらが相反していただけでなく、もっとあらゆるものが「混ざって(Jam)」いて、「Black Or White」は、黒人サイドが主張する「人種差別」ではなく、人種に限らず、あらゆる「カテゴライズ」への抵抗をテーマにしていました。


自由の女神像から登場したマイケルは、「白いシーツ(KKKのこと)なんか怖くない・・・」と言い、黒人差別に立ち向かっているようですが、そんな彼の肌はすっかり「白く」なっていて、ご丁寧にも、「I’m not going to spend my life being a color(僕は生涯、有色人種と呼ばれて生きる気はない)」というラップを、自分や黒人ラッパーではなく、制作者のひとりである白人のビル・ボットレルにやらせていたり(笑)・・・


◎参考記事「Black or White」でラップを歌った謎の男に会う

上記の記事で言われているように、「Black Or White」時点では、主流のラジオ局はラップをオンエアしない方針でした。つまり、マイケルはヒップホップがメインストリームに登場することにも一役買っていたわけですが、マイケルが、アルバムの最初の曲を『Jam』にしたのは、過激なメッセージから、分裂・対立が激しくなっていた時代背景や、その頃数多く語られていた多文化主義、結集や団結といった意味だけでなく、自由にやりあい、様々なものを混ぜ合わせ、ゴールにボールを叩き込む・・・その他にも、当時の日本では想像もしていなかったあらゆる意味が「Jam」には込められていたようです。



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by yomodalite | 2017-04-27 09:56 | MJ考察系 | Trackback | Comments(0)

和訳 “Jam”

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「マイケルとヒップホップ」最初に書くのを忘れていましたが、

「Unbreakable」の和訳のためのヒップホップ学習から理解したことをまとめておこうと思って始めたことで・・・で、その(2)の前に、Dangerousのラップ曲「JAM」の和訳をしておくことにします。






JAM

lyric by Michael Jackson


Nation to nation

All the world

Must get together

Face the problems

That we see

Then maybe somehow


全世界の国という国が

一つになり

僕らが直面する問題に取り組めば

何か方法が見つかるはずだ


I asked my neighbor

For a favor

She said, “Later”

What has come of

All the people?


隣人に頼みごとをしたら

彼女に「後でね」と言われた

みんなどうなってるんだ?


False prophets cry of doom

What are the possibilities?


偽物の預言者がみんなに叫んでることなんて

どれほどありえることだと思う?


I told my brother

There’ll be problems

Times and tears of fears

But we must live each day

Like it’s the last


僕は(宗教指導者や)仲間に

そういうのは問題だって言ったんだ

恐怖も悲しみも、時代とともにある

ただ、僕たちは毎日を

いつも最後の日だと思って生きなきゃならないんだって


Go with it

Go with it

Jam


それをやって行こうよ

みんなで自由に


It ain’t too much stuff

It ain’t too much

It ain’t too much for me to

Jam


それは多すぎることはないし

大変すぎるわけでもない

僕にとってはどうってことじゃない

みんな自由にやればいい


The world keeps changing

Rearranging

Minds and thoughts

Predictions cry of doom

The baby boom

Has come of age

We’ll work it out


世界は変化しつづけ

再編成される

精神も思考も

予言された運命も

ベビーブーム世代も年を重ねた

僕らは乗り越えていくんだ


I told my brother

Don’t you ask me for no favors

I’m conditioned by the system

Don’t you preach to me

Don’t scream and shout


僕は(宗教指導者や)仲間に言ったんだ

僕をあてにしないでほしいって

僕はシステムに組み込まれてる

説教したって無駄だよ

大声でどなったり叫んだりもしないでくれ


She pray to God, to Buddha

Then she sings a Talmud song

Confusions contradict the self

Do we know right from wrong?

I just want you to recognize me

In the temple

You can’t hurt me

I found peace within myself


彼女は神に祈り、仏に祈り

それからタルムードの歌を歌い

その混乱から自己矛盾に陥る

僕らに正しいとか、間違ってるとかわかると思う?

僕はただ君に気づいてもらいたいだけ

僕が安らかな場所にいるんだってことを

僕を傷つけることなんてできない

僕は自分の中に平和を見つけたから


Go with it

Go with it

Jam

It ain’t too much stuff

It ain’t too much

It ain’t too much for me to

Jam

It ain’t too much stuff

It ain’t

Don’t you

It ain’t too much for me to

Jam

It ain’t too much stuff

It ain’t too much

It ain’t too much for me to

Jam

It ain’t too much stuff

It ain’t

Don’t you

It ain’t too much for me to


やってみろよ

みんなで集まって

何をするにも多すぎることはないし

大変すぎるなんてこともない

みんな混じりあって

自由にやればいいんだ・・・


[Rap by Heavy D]

Jam Jam

Here comes the man

Hot damn

The big boy stands

Movin’ up a hand

Makin’ funky tracks

With my man

Michael Jackson

Smooth Criminal

That’s the man

Mike’s so relaxed

Mingle mingle

Jingle in the jungle

Bum rushed the door

3 and 4’s in a bundle

Execute the plan

First I cooled like a fan

Got with Janet

Then with Guy

Now with Michael

Cause it ain’t too hard to …


みんな集まってやりあおうぜ

熱くてヤバい奴らはこっちへ来いよ

デッカい男のお出ましさ

手を動かして

ファンキーなやつを作るんだ

一緒にやるのは、マイケル・ジャクソン

あのカッコイイ完全犯罪の男さ

マイケルの曲は、超リラックスしてて

なんでもかんでも入れ込んで

混ざりに混ざってる

のらくらしてる奴もドアをぶち破って

3人とか4人で束になれば

計画を実行できる

最初にやったジャネットのように

おまえらも後に続けよ(*)

今度は、マイケルと一緒なんだから

むずかしいことなんてないだろ・・


Jam

It ain’t too much stuff

It ain’t too much

It ain’t too much for me too


混じり合うんだ

何をするにも多すぎることはないし

大変すぎるなんてこともない

自分にとって多過ぎることなんてないんだ


Jam

It ain’t too much stuff

It ain’t

Don’t you

It ain’t too much for me to


みんな自由にやれよ

なんだってやり過ぎることなんてない

そんなことはないよ

そうだろ?

自分にとってやり過ぎることなんてないんだ・・・


Jam

It ain’t too much stuff

It ain’t too much

It ain’t too much for me to


混じり合うんだ

何をするにも多すぎることはないし

大変すぎるなんてこともない

自分にとって多過ぎることなんてないんだ


Jam

It ain’t too much stuff

It ain’t

Don’t you

It ain’t too much for me to


みんな自由にやれよ

なんだって多すぎることなんてない

そんなことはないよ

そうだろ?

自分にとってやり過ぎることなんてないんだ・・・


(訳:yomodalite)







(*)ここは、テディ・ライリーのバンドである「Guy」の意味も含まれていると思います。ただ、First I cooled like a fan got with Janet は、ここでは主にジャネットの「Rhythm Nation」(1989)を指していると思いますが、それに対応するような内容のGuyの曲が見当たらなかったので、「それから、Guyもね」という訳にはしませんでした。




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by yomodalite | 2017-04-26 07:00 | ☆マイケルの言葉 | Trackback | Comments(0)
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マイケルのアルバムに “ラップ” が登場したのは、1991年のアルバム『Dangerous』からでした。

前作『Bad』発売1年前の1986年は、ロックとラップを融合したRun-D.M.Cの「Walk This Way」や、白人ヒップホップの草分けであるビースティ・ボーイズ「Licensed to Ill」がヒットした年で、スパイク・リー監督のデビュー作『シーズ・ガッタ・ハヴ・イット』が低予算映画でありながら700万ドルを超える興行成績を残した年でもありました。


RUN-DMC - Walk This Way




Beastie Boys - Fight For Your Right




ナイキのCM撮影をまかされるようになったリーは、NBAの大スター、マイケル・ジョーダンを起用し、高価なスニーカーへの欲望は、「エア・ジョーダン狩り」と呼ばれる暴力事件を誘発するほどの大ヒットを記録。それまで業界第2位だったナイキを一躍トップメーカーへと押し上げ、自身が共演したジョーダンとのCMも評判を呼びました(1987)。





ちなみに、マイケルがペプシのCMに登場し、「コーラ戦争に勝った」と言われたシリーズCMが始まったのは1984年のこと。80年代は、エンターテイメント界と、スポーツ界の2人の若き黒人スター(奇しくも二人ともMJ)が、マーケティング史上にのこる快挙を成し遂げた時代でした。

当時、マイケルと『Bad』を製作していたプロデューサーのクインシー・ジョーンズは、ヒップホップに強い関心があり、マイケルがヒップホップのアーティストと会ったのも、クインシーがセッテイングしたRun-D.M.Cとの出会いが最初だと言われています。

クインシー・ジョーンズは、彼らとマイケルの共作を考えていて、「Crack Kills」という曲を録音したものの、結局「Crack(亀裂)」や、「Crack(ドラッグの一種)」をテーマにしたこの曲は『Bad』には収録されることはありませんでした。

『Bad』で実現しなかった共演では、Run-D.M.Cよりも、シングル曲でのプリンスとの計画の方がよく知られていますが、プリンスは自らこの共演を断り、マイケルがその後、ヒップホップとの距離を縮めていくのとは逆に、ヒップホップ界の汚い言葉や、男性優位で、女性蔑視的な言葉遣いや世界観を嫌って、ラップミュージックに反対の立場をとるようになります。

これは、マイケルファンにとっては意外というか、むしろ、マイケルがしそうなことだと感じる人が多いのではないかと思いますが、これまでマイケルよりもずっと過激な表現をしてきたプリンスは、1985年のアルバム『Around the World in a Day』以降、徐々に宗教色を強めていき、その後、マイケルが『Bad』期に離れた教団に改宗します(2001)。

ふたりは音楽や仕事に対しても、神に対しても、非常に似通ったところがあるのですが、マイケルは時代に支持されていることに、常に真っ向から立ち向かおうとし、プリンスは独自な道を歩もうとする。というのはこの後も続いたふたりの個性ではあるものの、プリンスが宗教的になっていった要因は、ヒップホップ世代の社会変化にもあるように思えます。

音楽やダンスの修養や、練習する楽器を手に入れなくとも、ラップを書くことで成功できるかもしれない、という希望は、かつて英国のパンクムーブメント以上に、黒人社会を変え、評論家はヒップホップに黒人社会の未来を感じ、アーティストによる過激な言葉は、音楽や文化だけでなく、政治やビジネスにも大きな影響を与えていく。

『Bad』と同じ1987年は、おそらくヒップホップに関する文章で、最も多く引用されているグループである、パブリック・エネミーのデビューアルバム『Yo! Bum Rush the Show』も発売され、彼らはセカンドアルバム『It Takes a Nation of Millions to Hold Us Back』から、より政治色が強くなり、

スパイク・リーの1989年の映画『ドゥ・ザ・ライト・シング』のテーマにも使用された「Fight The Power」を含む、彼らのアルバムの中で最も売れた1990年の3rdアルバム『Fear of a Black Planet』は、ブラックパワーや、ネイション・イスラムとの連携を深め、黒人至上主義的なメッセージによって、ポリティカル・ヒップホップの土台を作ることになりました。


Public Enemy - Fight The Power





この作品は、アメリカ国会図書館の重要保存録音物として永久保存もされているのですが、映画『ドゥ・ザ・ライト・シング』で描かれたように、かつて隣人だったユダヤ人はハーレムを離れ、新しくハーレムで店を始めた韓国人社会との間に軋轢が生まれ、黒人社会の底辺には「反ユダヤ主義」や「新世界秩序」といった陰謀論が蔓延し、ドラッグビジネスや、銃による抗争や自己防衛は、地元警察との関係をますます悪化させていきました。

マイケルの『Bad』(1987)から、『Dangerous』(1991)までの間に、プリンスは『アンダー・ザ・チェリー・ムーン』(1986)や、『Sign "☮" the Times』(1987)、『Graffiti Bridge』で、音楽だけでなく、映画を通して、神や愛というメッセージを表現しようと苦心するのですが、音楽的な完成度はさておき、プリンスと消費者でもある一般の若者との距離は遠くなっていきました。


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by yomodalite | 2017-04-24 16:15 | MJ考察系 | Trackback | Comments(0)
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最近読んだ中で一番面白かった本から、抜粋省略してメモしておきます。


ラップは何を映しているのか


磯部・・・ネルソン・ジョージのようなオーセンティックなブラック・ミュージックの歴史観では、ディスコはソウルを売り渡したもので、対してオールドスクールのヒップホップはピュアなものとされていますから、ところが「ゲット・ダウン」は、ヒップホップと、同時代のニューヨークで起こっていたアンダーグラウンドなゲイ・ディスコのシーンとの接近を描くことで、前者の「正史」には描かれてこなかった歴史の在り方を示唆した。・・・






大和田 ゲイフレンドリーなディスコと、ミソジニスティックなヒップホップが交互に描かれていますね。・・・実はオバマ政権はアフリカン・アメリカンの団体からはそれほど評価は高くないけど、LGBTの団体からは評判がいい。


大和田 アメリカのヒップホップやラップミュージックを象徴する10曲を選ぶにあたって、当初は普通にBLM関係の曲にしようと思っていたんです。例えば、ビヨンセがスーパーボウルのハーフタイムショーで、ブラックパンサーの格好をしたダンサーを従えたり、ケンドリック・ラマーがBETアワードの授賞式でパトカーの上に乗って「Alright」をラップしたりと印象的なパフォーマンスも多かったですし。


ところが、大統領選の結果を受けて、そうしたことがどうしようもなく虚しく感じられてしまった。






つまりケンドリック・ラマーが重要で素晴らしいアーティストであることは間違いないけど、意地悪な言い方をすれば、そのケンドリックを白人の音楽評論家が絶賛するという、マイノリティとリベラルな白人の音楽評論家が結託して作り出す適度に心地よいぬるま湯的な共同体が結局はトランプ的なるものに敗北してしまった、ということを思わずにはいられませんでした。


吉田 確かにそういう視点から見ると・・あまりに評価されすぎているように思えるところはあります。・・・


磯部 ・・・ケンドリックはBLMのデモについて、「行動もいいけど、葛藤しろ」というような微妙な発言もしているようですが・・・


大和田 ・・・例えばアメリカの学会などに行くと、白人男性の研究者でフェミニズムやアフリカ系アメリカ人のアクティビズムに深くコミットしている人はたくさんいるけど、白人の労働者階級に言及する白人研究者は相対的に少ない。・・・


アカデミーに属する人間として、僕らはアメリカの様々な現象を分析する際に、呪文のように「レイス」「ジェンダー」「クラス」の3つの指標を用いるように訓練づけられていますが、ウォルター・ベン・マイケルズによれば、レイス、ジェンダーの二つと、クラスというカテゴリーはぜんぜん違う。つまり、前者の二つは結局アイデンティティ・ポリティックスになりうるけど、階級(クラス)はなりえないんですよ。


例えば、アフリカ系アメリカ人や女性というアイデンティティには、マイノリティとしての戦略的な本質主義、すなわち「黒人」や「女性」の「誇り」がともなうけど、貧乏であることに誇りは生じない。貧乏はただ単に金持ちになりたいだけで、だからこそ階級闘争が重要だとマイケルズは言う。・・・


要するに統治者は白人のアイデンティティやプライドをくすぐることで、同じような状況にある黒人に対する優越感を持たせ、労働者としての連帯を妨害したというんですね。それが統治者の操作によるものかどうかは別として、白人労働者と黒人が共闘することがアメリカにおいていかに困難であったかは容易に想像がつきます。


磯部 トランプの勝利確定直後の混乱状態にいては、これは「白人労働者階級の革命だ」なんてことが言われましたが、だんだんデータが出揃ってくる中で、トランプを勝たせたのは、むしろアフリカ系やヒスパニックのようなマイノリティだ」という見方も出てきていますね。オバマに比べてヒラリーを積極的に支持できなかったアフリカ系の投票率の低さや、ヒスパニックによる意外なトランプへの投票率の高さが彼の勝利を導いた面もあると。・・


実はトランプはラップミュージックでは人気がありましたからね。2015年の時点でハフィントン・ポストは「ドナルド・トランプ」がネーム・ドロップされた67曲ものラップソングをリストに上げていますが、多くの場合、その名前は金持ちの象徴として肯定的に扱われています。そもそも。自信家で口が悪くて・・・っていうキャラクターがラップ的。しかも、トランプ自身もラップ好きで、エミネムがお気に入りだったり・・・


2004年にはエミネムのパーティに呼ばれて、「私は正しいことしか言わない!スリム・シェイディ(エミネムの別名)は勝利者だ!なぜなら、トランプの一票を獲得しているからだ!」みたいな演説を打っている。それが今回の選挙期間中、エミネムは手のひらを返すように「キャンペーン・スピーチ」という強烈なアンチ・トランプソングを発表したわけです。・・・ラップミュージックこそがトランプを有名にしたとも言えるのではないでしょうか。


もともとラップをやるような不良は、ストリートの政治にしか目に行かないというか、かつてN.W.Aみたいに無意識に政治を体現してしまうタイプの方が多いとしても・・。大文字の政治という意味では、「いま」を映さなくなってきたとも言えるのではないかと。あるいは、それこそが「いま」なのかもしれません。


吉田 ・・・例えば2008年のオバマ対マケインの裏にも、ラップ対カントリーという構図があったわけですよね。当時はウィル・アイアム、ジェイZらがオバマ支持を表明しましたが、あの頃と避泊しても、確かに状況は複雑化しているように見えます。


大和田 リチャード・B・スペンサーのような白人至上主義者の団体がワシントンで集会を開いてナチス式敬礼をしているといった、これまであまり一般のメディアでは見られなかったような映像が、大統領選をきっかけに可視化されるようになりましたね。彼らにしてみれば、アフリカ系アメリカ人や女性のアイデンティティ政治があるのなら、白人のアイデンティティ政治があってもいいだろうということになる。


磯部 「男性差別」みたいなネトウヨ用語っていうのは日本独自のものだと思われがちですが、例えば、ビヨンセのスーパーボウルでのパフォーマンスに対しては「白人差別」、BLMに対しては「ホワイト・ライブズ・マター」というような逆張りが散見されました。


磯部 ラップミュージックはリアルを歌っていると思われがちですが、むしろ重要なのはリアリティ、つまり「リアルっぽさ」であり、それってポスト・トゥルース的だとも言えると思うんですね。


ア・トライブ・コールド・クエストが、大統領選挙直後のサタデー・ナイト・ライブでトランプの演説をアイロニックに引用した「We the People」を披露して話題になりました。・・・投票直前にリリーズされたコモンの「Black America Again」も、トランプのスローガン「グレート・アメリカ・アゲイン」をもじったタイトルをつけ、スティービー・ワンダーからロバート・グラスパーまで様々な世代のアフリカ系アーティストを呼んだリベラルなアルバムでした。






しかし、アメリカのラップにおける幼児退行の象徴であるリル・ヨッティと、ラッパーとシンガーの中間のようないかにもいまっぽいヴォーカリストのドラムが共演した曲からは、トライブやコモンが保守的に思えるようなアナーキーさが感じられ・・・実際トライブやコモンよりも「Broccoili」の方が圧倒的に受けています。





大和田 ネットで「大統領選でこれだけ有名ミュージシャンが輪になってもリベラル側が勝てなかった」と言うひとがいたけど、アメリカ研究に関わる者としては、それはまったく驚くべきことではないんです。例えば、レディ・ガガやケイティ・ペリーが政治的にどういう立場をとり、どういうことを言うのか、みんなすでにわかってる。


ディベートですら支持者を変えるほどの影響力はそれほどなく、政治的なポジションがメディアやカルチャーによって変化することはほとんどないように思います。・・・同じ意見の人たちがうなづきあう状況を「エコー・チェンバー(反響室)」と言いますが、結局みなが反響室の中で自分たちの意見が増幅されることに満足していた、ということだと思います。


リル・ウェインや、エイサップ・ロッキーはBLMに興味がないと言っている、そのことには真摯に耳を傾けなければいけないと思います。


磯部 実はそれこそが多様性とも言えるだろうし、「アメリカの多様性」や「多文化主義」といったときに排除されてしまうものもあるのでしょうね。エイサップにとって、BLMは、排他的なブラック・ナショナリズムに映る部分もあると思うんですよ。・・・


この1ヶ月は完全にミーゴスが制覇していましたよね。






吉田 ・・・政治的な楽曲が溢れすぎて食傷気味になった反動が表れている・・・


大和田 反動というか、でもサウスのシーンってもともと政治的なメッセージをそれほど発したわけでなないです。実際に鳴っているサウンドを「政治的に:」解釈することは可能ですが・・・


オバマ政権下においてはエンターテイメントとしてのポリティックスも政治的に見えたものが、トランプ政権下においては、文字通りのエンターテイメント、しかもあまり出来のよくない娯楽にしか見えないというか・・・


磯部 カニエ・ウエストは、「もし(選挙に)行っていたら、トランプに入れていただろう」という発言のあと、実際にトランプに面会して、さらなる批判を受けています。


大和田 もう一人、スティーブ・ハーヴェイという黒人コメディアンが同じようにトランプに面会して批判を受けました。(yomodalite:カニエとMJは2008年の「スリラー25周年記念アルバム」で共演。スティーブはMJの潔白を晴らすことに多大な貢献をしている)


磯部 カニエは「多文化問題について議論するためにトランプに会う」・・とツイートしていました。・・・しかし、彼はトランプと会ったあと、精神的な疲労で入院し、件のツイートを削除するという。・・・


大統領選でのディベートでもシカゴのサウス・サイドがいかに治安が悪いかが議論されていて、そこの出身のチーフ・キーフの「I don’t Like」のMVだけでなく、同じイメージをまとった曲が過剰に再生産されている。サウスサイドで起こった年間の死亡件数がイラクを超えたからってことで、Chicag(シカゴ)+Iraq(イラク)で、「Chiraq(シャイラック)」という。


大和田 スパイク・リーが同名のタイトルで2015年に映画化したんですが、批評家受けは悪くはないものの、現地の若者からデタラメだと批判されましたよね。中でもチャンス・ザ・ラッパーの批判は激烈で、部外者がシカゴを搾取しているとかなり強い口調で・・・それに対してスパイク・リーが、シカゴに問題があるなら(市長の側近を務める)チャンスの父親に言え、と反論するんですが・・・。


磯部 スパイク・リーもアウト・オブ・デイトな存在になってしまったのか、と感慨深くなりました・・・


(引用終了。「第1章:ラップは今を映しているか」より。このあとも興味深い話題が続きます)


ナチス式敬礼だと批判されたリチャード・B・スペンサーをはじめ、トランプ支持者は、シリアへの攻撃に対していち早くトランプを批判しましたが、CNNなどヒラリー支持のメディアでは、逆に評価が上がっていて・・・


日本のポップミュージックや、お笑いが政治を扱わないことを批判する声もあったけど、人種(レイス)や、ジェンダーへの言葉に驚くほど過敏なアメリカ社会が、女性蔑視で、同性愛嫌悪で、男性優位主義で、武器とドラッグとニガって言葉が大好きすぎるラップミュージックのみ批判してこなかったことを考えると(ヒラリーが「嘆かわしい人々」といった特徴のうち、人種差別主義者(黒人至上主義)、女性蔑視(ミソジニー)、同性愛者嫌い(ホモフォビア)の3つを兼ね備えていない有名ラッパーの方が少なく、ネイション・イスラムという黒人至上主義による特殊なイスラム教は、一般的なムスリムからイスラム教とは認められないことがほとんど)、やっぱりリアルとリアリティは違うんだなと。(銃規制の話になると、全米ライフル協会の話ばかりなのも、白人差別かもw)


ヒップホップにはユダヤ陰謀論を広めたという功績(苦笑)も、あると思うけど、かつてのフォークと違って、ラップは商業主義と手を結ぶのが早く、何故これほど大きなビジネスになったのか、っていう「陰謀論」の方が、私的には気になる今日この頃・・。



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by yomodalite | 2017-04-19 07:00 | 現代文化・音楽・訳詞 | Trackback | Comments(0)

和訳 “This Time Around”

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インヴィンシブルの和訳は、あと2曲を残すのみ。

それなのに、「Speechless」に手をつけようとすると緊張してしまうし、「Unbreakable」はラップが一番の難問なので、Notorious B.I.G(別名ビギー・スモールズ)の生前のアルバムを繰り返し聴いたり、同じ時代のヒップホップのリリックを調べたり、自分でも呆れるほど遠回りして考えているんですが、なかなかビギーの魂が降りてこないこともあって、


「Unbreakable」よりも前、MJが初めてビギーを使った「This Time Around」から取りかかることにしました。


Notorious B.I.G(本名Christopher George Latore Wallace)は、犯罪とクラックが蔓延する環境に育ち、17歳で銃の不法所持により逮捕され、その後はお決まりのようにドラッグディーラーの道へ。しかし、その頃からラッパーとしても注目を集め、1994年のデビューアルバム『レディ・トゥ・ダイ』は大成功をおさめます。


当時のヒップホップ業界は、西海岸(デス・ロウ・レコード)と、東海岸(バッド・ボーイレーベル)が争っていて、それぞれを代表するスターとなった2pacとビギーは交友をもちながらも激化する両者の抗争の渦に巻き込まれ、


94年に、2pacが何者かに銃撃されると、ビギーは犯行に関わったと疑われ、96年に2pacが射殺されると、翌年ビギーも同じように亡くなってしまう。


マイケルは、再び王冠を手にするために、『Dangerous』をチャートのNo.1から蹴落としたニルヴァーナや、インダストリアル・ロックのナイン・インチ・ネイルズらだけでなく、ブラックミュージック界を席巻していたラップをも取り入れようとしたわけですが、


X世代と呼ばれた当時の若者の気持ちを代弁していたカート・コバーンや、2pac、ビギーにとっては、成功の重圧や、周囲の変化にやりきれない思いを抱いている時期でもありました(カート・コバーンは、2pacが銃撃された94年に猟銃自殺によって亡くなった)。


批評家は、『HIStory』に対して、様々な批判を繰り広げましたが、マイケルは再びNo,1に返り咲き、この曲から数年後の裁判ではすべてにおいて無罪を勝ち取りました。


この曲は、ビギーとマイケルふたりのスターダムの苦悩が歌われていると言われていますが、本当に劇的な「This time around」を演出できたのは、マイケルだったのではないでしょうか。






This Time Around

song and lyrics by Michael Jackson


[Verse 1]

This time around I’ll never get bit

Though you really wanna fix me

This time around you’re making me sick

Though you really wanna get me

Somebody’s out

Somebody’s out to get me

They really wanna fix me, hit me

But this time around I’m taking no shit

Though you really wanna get me

You really wanna get me


今度は絶対にひっかからない

君は心底僕をハメたいだろうけどね

今度ばかりはうんざりだよ

君は僕をいいようにしたいんだろう

外に誰かがいる、僕をつかまえようと、うろつく誰かが

彼らは、心底僕を捕らえて、ぶちのめしたいのさ

でも、今度ばかりは君の相手はしてられない

君はマジで、僕を本当に捕まえたいだろうけどね


[Chorus]

He really thought he really had

Had a hold on me

He really thought he really had

They thought they really had control of me


彼はでかしたと思った

僕を仕留めたってね

彼はでかしたと思った

マジで僕を自由にできると思ったのさ


This time around I’ll never get bit

Though you really wanna get me

This time around I’m taking no shit

Though you really wanna fix me

Somebody’s out

Somebody’s out to use me

They really want to use me

And they falsely accuse me

This time around

They’ll take it like spit

‘Cause you really can’t control me

You know you can’t control me


今度は絶対にひっかからない

君は心底僕をハメたいだろうけどね

今度ばかりはうんざりだよ

君は僕をいいようにしたいんだろう

外に誰かがいる、僕を利用しようとする誰かが

彼らはマジで僕を利用して、偽りの罪で僕を告訴する

今度ばかりは、彼らに言ってやる

君に僕を自由にはさせないって


[Chorus]

He really thought he really had

Had a hold on me

He really thought he really had

They thought they really had control of me

He really thought he really had

A hold on me

He really thought he really had

They thought they really had control of me

He really thought he really had

Had a hold on me

He really thought he really had

They thought they really had control of me

He really thought he really had

A hold on me

He really thought he really had

They thought they really had control of me


彼はでかしたと思った

僕を仕留めたってね

彼はでかしたと思った

マジで僕を自由にできると思ったのさ


[rap by The Notorious BIG]

Listen

I’ve got problems of my own

Flashin’ cameras

Taps on my phone

Even in my home

I ain’t safe as I should be

Things always missin’

Maybe it could be my friends

They ain’t friends

If they robbin’ me

Stoppin’ me

From makin’ a profit, see

Apology

Shallow like the ocean

I guess I’ll resort to gun totin’

If I was dead broke and smokin’

I’d probably be by my lonesome

I’m a killer nigga

I ain’t jokin’

Endo smoke got me choked

And I’m hopin’

The fool comes slippin’

So I could blow ’em open

This time around

I changed up my flow

Got rid of the rocks

Got Pitts by the door

I’ve raised other people

To watch my back

Stay away from strangers

So I won’t slack

And I know my nigga Mike like that

Baby


聞いてくれ

俺には俺の悩みがある

カメラのフラッシュ、電話の盗聴

自分の家でさえ、安全とは言えず

いつもモノがなくなるんだ

たぶん、やったのは俺のダチさ

でも、俺から奪うなんて、ダチとは言えないな

俺が儲けようとすれば、足を引っ張り

しょっぱい謝罪は、海のごとく(*1)

俺は銃を持って歩くしかないのかも

もし俺が死ぬほど貧乏で、煙でもふかしてたら

だれもそばには寄ってこないんだろうけどな

俺は最高の黒人(*2)

冗談なんかじゃないぜ

マリファナの煙でむせてるけど

そうありたいって思ってる

バカなヤツがうっかりやって来たら

そいつをぶちのめしてやる

今度こそは、俺が流れを変えるんだ

ドラッグとはおさらばして(*3)

ピッツに表に立ってもらう(*4)

今までとは別のやつらを引き立てて

俺を背後から守ってもらい

知らない奴らからは離れて、気を緩めたりしない

俺のダチのマイク(MJのこと)もそうしてるんだ、ベイビィ


This time around, yeah

He really thought he really had

Control of me

He really thought he really had

They thought they really had control of me

He really thought he really had

A hold on me

He really thought he really had

They thought they really had control of me

He really thought he really had

Had a hold on me

He really thought he really had

They thought they really had control of me

He really thought he really had

Control of me

He really thought he really had

They thought they really had control of me

He really thought he really had

A hold on me

He really thought he really had

They thought they really had control of me

This time around yeah

He really thought


今度こそは・・

彼はでかしたと思った

僕を仕留めたってね

彼はでかしたと思った

マジで僕を自由にできると思ったのさ・・・


(訳:yomdalite)

_________


(*1)CD訳の「お詫びは大洋のように空っぽ」とは別の訳を考えてみました。

(*2)このkiller は凶暴ではなく最高!という意味。(MJインタビューでの使用例→)

Rod Temperton came into the studio and he came up with this killer

ロッド・テンパートンがスタジオに現れたとき、彼はあのスゴい曲を持ってきたんだ。

(*3)rocks は、クラックや、コカインといったドラッグのことだと思う。

(*4)Pitts は、落とし穴や、ピッツバーグではなく、ビギーのマネージャーであり、プロデューサーでもあった、Mark Pitts のことだと思う。→ https://en.wikipedia.org/wiki/Mark_Pitts



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by yomodalite | 2017-04-14 09:01 | ☆マイケルの言葉 | Trackback | Comments(0)
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日本で一番、可憐だった人が、桜が散っていくように引退を決めました。

今日あらためて、銀盤という言葉は美しいなぁと思い、そこでこれほど永く美しく輝いた人は、やっぱり浅田真央以外にはいなかったと思いました。

競技会ではなく、もっともっと美しい舞台で、これからも輝いてください。
たくさんの感動を本当に本当にありがとう。。



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TEB 2010 EX「バラード第1番」






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2011-2012 Nationals Gala





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散ることができるのは、
美しい花だけ





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by yomodalite | 2017-04-11 12:06 | スポーツ | Trackback | Comments(6)
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by yomodalite | 2017-04-10 17:00 | 日常と写真 | Trackback | Comments(0)

桜曲 ー Yume no Shizuku

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by yomodalite | 2017-04-10 07:00 | 日常と写真 | Trackback | Comments(0)
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by yomodalite | 2017-04-09 17:00 | 日常と写真 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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