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わたしは、ダニエル・ブレイク

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イギリス北東部ニューカッスルで大工として働くダニエル・ブレイク。心臓病のダニエルは、医者から仕事を止められ、国からの援助を受けようとしたが、複雑な制度に阻まれ、援助が受けられない。そこには、ロンドンのアパートを追い出され、2人の子どもをもつシングルマザーのケイティもいて、彼女を助けたことから、絆を深めていくダニエル。しかし、ダニエルもケイティも、厳しい現実によって、ますます追い詰められ・・・

2016年のカンヌ国際映画祭で、2度目のパルムドールを受賞した、イギリスの巨匠ケン・ローチ監督の作品を見るのは初めてだったのですが、ふと読んだインタヴュー記事から興味を持ちました。

ケン・ローチ「真のポリティカルコレクトネスとは自由市場に楯突かないこと。私たちを殺しつつある自由市場について指摘するのは『政治的に正しくない』のです」
長年真面目に働き、しっかり税金も払い、妻の介護もしてきた人が、病気になったとき、政府から援助を受けることもできない。そして、そんな困難な状況であっても他人への優しさを失わないダニエルや、ケイティ、その子どもたちも、本当に俳優が演じているということを忘れてしまうぐらいリアリティがあって、強く惹きこまれる。

ただ、監督の言葉にあるような、イギリスの社会状況については描かれていいないせいか、役人の態度についても致し方ないと感じる部分も多かった。ベテラン大工のダニエルは、病気で仕事ができない間、ケイティのためにアパートの修理をしてあげたり、棚を作ってもいる。治療としては薬を飲むぐらいで、就職活動のためにたくさん歩いてもいるので、「求職中」という枠に入れられる判断が「不公平」かどうかはむずかしい。

知り合いに、心臓病の持病をもつ人がいて、一見すると健康そうで、ポジティブ思考の彼は、もっていた障害者手帳がもつ数々の高待遇について、周囲に明るく語っていたこともあって、口の悪い友人から「障害者サギ」などと言われるほど、周囲から羨ましがられてもいた。でも、そんな「特権」を行使しているように見えた彼も、結局若くして突然亡くなってしまった。彼が本当に「重い心臓病」だったことがわかったのは、葬儀でのことだった。

だから、ダニエルのような心臓病患者にとって、病気での申請を審査する係りが行う設問や、目視が不利なものになりがちだということはよくわかるし、ダニエルやケイティはとても身近に感じられるのだけど、社会批判としてはちょっぴりヨワいかな・・。



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by yomodalite | 2017-03-30 07:00 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(0)

京都で東京の友人に会い、ベガスと大阪の話をする

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akimさんと会った翌日、結婚式に出席するダーリンのお供で京都に来たkumaさんにも会った。



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4時に待合せをして、高台寺近くの古民家カフェで、まずはまったり。
頻繁にメールとか、LINEで話してるせいもあって、実際会うのがラスベガスのとき以来というのが信じられない。


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「をちょぼ庵」


ベガスといえば、MJのボディガードが書いた『Remember the Time』の中に、マイケルのSummerlinの家のことが出てきて、ベガスで偶然そこに行ったときのことや、タクシーから降りて迷子になった「おかげ」で、マイケルが自分の先生だとまで言うハワード・ヒューズの寄付でできた図書館に辿り着いたり、帰りのタクシーの中では、妹がLGBTになった運転手の話を聞いたことも、なんだかやっぱり導かれていたように感じてしまう私たち。


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カフェから出たあと、「香十」で、香木を選んだり、「本家西尾八ツ橋」で黒ごま八つ橋を買ったり、高台寺や石塀小路を散策しているうちに、夕陽はどんどんきれいになっていく。


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京都に来るのは久しぶりだというkumaさんとのディナーは、庭園から八坂の塔が見えるという、ベタな京都ぽさが決め手で、元は京都画壇の巨匠竹内栖鳳の邸宅だという「ザ ソウドウ 東山」を予約。


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https://www.thesodoh.com


見た目も味も美しい食事をしながら、大阪は、テレビで「ヤラセ」とかないから、電通とか、CIAとか、フェイクニュースとか、色んなタイプの陰謀論的な話が通じる「土壌」がないんだよね。と、またもや、大阪愛をぶちまける私。

akimさんは「幼稚園落ちた、日本死ね」っていうのがわからないって言ってたけど、そんなの東京のひとしかわかんないっていうか、東京でさえ・・って話で、中央メディアぐらい「全国」がわかってないとこないよね・・

大阪のひとに、大阪の素晴らしさを伝えることはむずかしいけど、メディアが伝える大阪は「嘘ばかり」という話は、東京の人にはすぐに伝わる。


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食事を終えて庭園に出ると、「八坂の塔」は本当によく見えた。


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京都のタクシーが「運転が荒い」ことは、1日過ごしただけでもわかるけど、大阪のタクシーの運転手は、おしゃべり好きな人が多いせいか、たいていの場合運転が「はんなり」してるw。

私が大阪人が「せっかち」だなんて一度も感じたことないのは、自分がせっかちだからなのかな。でも、桜の開花が大阪よりも早いのは、東京のメディアのせっかち体質が、早く開花する桜を選んで、いち早く言いたいだけだっていう気がしない?


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夜の八坂神社・・・


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花見小路通に寄り道しながら、


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「祇園四条」の駅でkumaさんと別れた。


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梅田までの電車の中では、中沢新一の『大阪アースダイバー』を読んだ。これまで自分の「気」が感じることを大事にしていて、なるべく学者のいうことを取り入れたくなかったんだけど、中沢氏が大阪について語っていることは、私が直感的に感じたことに近い。


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大阪の土台は、東京のそれとはまったく違う成り立ちをしている。東京の中心的な部分は、硬い洪積層の上につくられている。その洪積層の台地が河川などによって複雑に侵食されたために、東京には異常に坂が多いのである。ところが大阪の中心部には、このような堅固な土台が、ほんとうに少ない。生駒山から裾野が広がる大阪平野は、二千年ほど前には、まだ大きな湖の底にあった。(…)

続く・・・


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by yomodalite | 2017-03-28 10:00 | 日常と写真 | Trackback | Comments(2)

大阪の友人に会う

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[追記あり]久しぶりに、akimさんに会う。
「ネバーランドコレクション」が行われた場所から2分ぐらい歩いた場所にあるカフェで待ち合わせしたせいもあって、「もう7年も経ったんだよね」と、しみじみしてしまうふたり・・・

私は、当時は大阪にいなかったけど、引っ越してすぐ、akimさんに会ったとき、転居先のすぐ近くで、その展覧会が行われていたことを知って、この家を選んだことさえ、マイケルに導かれたのかと思ったことを思い出した。

そんなことも、こんなことも、とにかく、「なにもかも信じられない、もう7年前だなんて・・」

MJ本の翻訳メンバーの4人は、全員ひとりっ子で、既婚者で、子なし(childspirits先生除く)で、夫が長男・・という共通点があったんだけど、この日さらに、私とakimさんは、かなりの方向音痴で、数字に弱いこともわかったりしながら、話題は「大阪」についてのことへ。


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(数々の映画スターやミュージシャンの写真がいっぱい貼ってあって、マドンナ、プリンス、シンディ・ローパーなどの写真はあるけど、なぜかMJだけがいない、カフェのトイレ)


もうすぐ4月。5月を過ぎれば、私の大阪生活は5年目に突入しようとしているけど、大阪と関西生活の楽しさは薄れることなく、愛が募る一方だと私が言うと、akimさんはちょっぴり嬉しそうにしながらも、不思議そうな顔をする。

大阪の素晴らしさについて話しだすと、京都や神戸の人はすぐに自分の地域の自慢系に話をもって行こうとするけど、絶対に大阪の良さをアピールせず、悪い点ばかりを言うところも「大阪人」の特徴だ。私がどんなに大阪の素晴らしさを力説しても、「そやろ、大阪一番がでっしゃろ」なーんて納得する人は今まで一人も会ったことがない。

akimさんは、全国メディアでの大阪の扱われ方が不満みたいで、私も実際に大阪に来て、東京でイメージしてた大阪と違っていたことに驚いたんだけど、それを大阪のひとに説明するのもすごくむつかしい。なぜなら、大阪人が思い描いている「東京」も、メディアの中の東京だから。

そういえば、akimさんから「電通とか博報堂と仕事したことある?」って聞かれて、ハっとしたんだけど、大阪では、電通や博報堂がまったく感じられない。

ヒョウ柄とか、よくしゃべるおばちゃんばかりを優遇する大阪のテレビに、akimさんは偏見を感じているみたいで、確かに私もそう思う。東京のメディアは常に「上」を見せようとするけど、どんなにオシャレな場所や人がいても、大阪のメディアは常に「下」に照準を合わせてる。

私は常にロケに出て、実際に人々に接していたり、お客の前で芸を披露している芸人さんたちが、テレビを創っているから、大阪のテレビには嘘やヤラセがない。それで、私がどれほど癒されているか・・を説明したかったけど、大阪のひとは、そもそもそんなストレスを抱えた経験がない。

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大阪の素晴らしさは、結局「人」なんじゃないかと最近よく思う。大阪のひとは確実に正直だし、差別的な言葉は多いけど、それも「嘘がない」ことと繋がっていて、東京のように「見ないこと」にはしないというか、実際に「悪所」だとされているところに行ってみると、東京のそれと比べて殺伐とした雰囲気がまったくない。

みんなよく「怖い」とか、「危ない」なんて言うんだけど、じゃあ具体的にどんなことがあったの?って聞くと、誰も具体的なエピソードを持ってない。結局、誰ひとり危ない経験なんてしてないのに、大阪のひとは、ここが東京よりも怖い街だと信じてるみたい。こんなに平和で優しい街なのに・・・

大阪の人は、まるで東京にはヤ☆ザなんていないかのように語るけど、大阪市内中心部で4年足らずの経験と、20年以上の東京生活との比較でいえば、東京にはむしろそーゆー人がたくさんいて、大阪の人がヤ☆ザだって言ってるのは、もしかしたらヤ☆キーのことなんじゃないか、と疑いたくなることも多いw。

ただ、もう少し真面目に考えてみると、大阪は「恫喝」が通じやすい世界だとは思う。でもそれは裏を返せば、大した「権力」がないからなのだ。大阪では役人が強いという意識がないし、大阪の役人は官僚ではない。だから、役人や政治家と付き合うことの旨みや方法についても、東京とはちがっていて、それが、悪い人の認識にも繋がっているんだと思う。

大阪では、警察官を見かけることもすごく少ない(本当に危険だったらそれもありえないw)。前にデモを見学に行ったときもびっくりしたけど、数千人?ぐらい集まっていても、警察官が3人ぐらい目につかなかったし、街中で職務質問されたという人にも会ったことがない。

どこそこが「アブナイ」だなんて聞いて、実際に行ってみても、ただ、昼間から幸せそうに、お酒飲んでる人がいるだけだったり、もし、海外の人に、尼崎(大阪から数駅のところにある兵庫県の市)と世田谷区(成城以外)の住宅写真を見せて、どちらが高級住宅街だと思いますか?っていう質問をしてもきっとそんなに差はつかない。でも、ボロボロの空き家は世田谷の方が多いんじゃないかな。


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akimさんは、「最近、日本礼賛みたいな番組多くて気持ち悪いよね」とも言っていて、すごく共感したんだけど、それもこれも、今の東京に活力がないからだと思う。反米意識を利用したり、中国や韓国を貶めたりすることで日本が一番だと思わせ、また、大阪を悪者にすることで、日本の中で一番だと思わせる。若い人に影響(洗脳)を与える手段がそれぐらいしか思いつくことができないみたい。

吉本が大阪の「カラー」を創っていることに不満をもつ「大阪人」が少なくないことはわかるけど、私には、先進諸国でこれほど素晴らしい教育(洗脳)が行われているのは、吉本のおかげのようにも思える。エンターテイメント会社のお客を見る視線と、芸人さんたちのおかげで、さまざまな格差や不公平を意識することなく笑えることができるんだから。

もうひとつ、akimさんの言葉でハッとしたのは、大阪のひとは「東京人」というのがいると思っていること。

前にgingerさんも、ほんとの東京人って、どんな人たちなのだろう…ってコメントくれたけど、たしかに関西にいると、大阪人とか、京都人といった「アイデンティティ」があるように思う。東北にも、北海道にも、九州にも、そういった地方性というのがあるのかもしれない。でも、そういった意味でいえば、「東京人」というのはいないと思う。

よく勘違いされてるけど、東京で生まれて育つ人は特にオシャレでもない。

だって「東京デビュー」の機会がないから。


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これは、私が東京土着民と2回結婚して、彼らの幼なじみとか親戚などを観察した「自分調べ」の結果でしかないけど、「東京」は、メディアと政府が一体となってハンドリングし、10年ぐらいでどんどん変化する街で、東京の土着性というのがあるとすれば、常に欧米諸国を見習うべきとか、できるかぎり海外と歩調を合わせたいとか、世の中の変わり目を察知して、変化を受け入れることぐらいだと思う。

周囲の空気を読んで「勝ち馬」に乗ろうとすることが、「東京人」でいられるコツなのだ。

だからいつでも使い捨てられる若年僧向けの視聴者洗脳モデルとしての「読者モデル」とか「女子高生」とか「TVコメンター」(テリー伊藤とか、本業としては仕事のない芸能人とか、取材なんてまるでしない元ジャーナリストとか)などという、それぞれバブル世代向けとか、団塊世代とか、主婦向けだと想定しているような「視聴者の意見を作るための特殊な専門職」が、東京でのみ、たくさん成り立っていて、彼らは関西の芸人とは違って、メディアの中の空気を外に知らしめようとするけど、その逆のことはまるでしない。

茂木健一郎が、日本のお笑い芸人が権力批判できないっていう批判をしてたけど、アメリカのコメディ番組は、権力批判ばっかりするようになって、自分を笑うことをすっかり忘れてしまってると思う。トランプやバノンを悪者にするなんて、本当の権力に「忖度」してる・・・だなんて、もうコメディアン自身も自覚できないぐらい、自分の周囲以外の人々のことがわからなくなってて、都会に住んでるひとの「全国」目線や、「世界」目線なんて、とことん「的外れ」になってるような気がする。

私には、大阪から「人好きな」お笑い感覚が失われたら、日本全体が「オワコン」だと思えてならないんだけどな・・・




akimさんとふたりでやって、しばらく前に終わった「バーニー先生(本名William Van Valin II)の本」の最後、17歳の息子メイソンが、「天国で会おうね、アップルヘッド」ってコメントで言ってる曲を探したかったんだけど、上の動画は、「サンタ・イネス・バレー」がロケ場所の、Mason Van Valin という人の動画。




同じくMason Van Valinの「Ghost Love」って曲。

メイソン、いい感じの大人になってるみたいだよね。


追記:そういえば、大阪のファッションが派手で、原色やヒョウ柄が好きっていうイメージも間違ってると思う。原色の看板は東京の方が多いし、ファッションで目立とうと思っている人も大阪には少ない気がするし、パンチパーマでヒョウ柄みたいなオバちゃんに出会える確率は、東京と変わらないんじゃない、と思っていたらやっぱりね・・・


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by yomodalite | 2017-03-27 15:40 | 日常と写真 | Trackback | Comments(2)

梅の香りに誘われて、聖徳太子に会いに行く

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快晴に恵まれた日曜は、大阪と奈良の境に位置する太子町にドライブ。
ここには、聖徳太子廟をはじめ、推古天皇陵や、孝徳天皇陵といった古墳があって、近所の羽曳野市、堺市など、実は面積が大きい古墳は奈良ではなく、大阪に一番多いのだけど、太子町にある、近つ飛鳥博物館という、安藤忠雄がデザインした古墳文化を紹介する博物館にも行ってみたかったんですね。


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館内に入る通路を歩いていると不思議な音がして、手を叩くとビョーンビョーンって鳴るのが楽しい(私ひとりしかやってなかったけどw)


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館内の様子



私が訪れたとき建物周辺は、白、桃、赤の梅でいっぱいでしたが、桜の季節はさらに華やぐようです。



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そこから車で数分のところにある聖徳太子の墓所とされる叡福寺へ。


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日本の仏教が洗練された時代にできた寺が多い京都には、完成された日本の様式美があって美しいのだけど、大阪には、伝来当初の古来仏教様式をもつ寺が多く、そういった古代と、近代日本を創造した日本人を多く輩出し、今もそのエネルギーが失われていない大阪に興味津々な私は、連休前にふと聖徳太子のことを思い出し、ここに来てみたくなったんですね。


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四天王寺を創った人のお墓(個人寺)って感じ。。


大阪に、東京よりも目を見張る建築が多いのは、太陽の塔や通天閣など、ここには人に優しい塔があって、それで人々がモニュメントの重要性を理解し、愛しているからではないかと思うんだけど、、


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で、、そんなことも含めて、八紘一宇からどうして大アジア主義が消えてしまったのか、私も「あのおっさん」に2時間ぐらいインタビューしたいんですけど(笑)

大阪・奈良は古墳パラダイス!

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by yomodalite | 2017-03-21 12:40 | 日常と写真 | Trackback | Comments(2)

『1Q84』と『オペ・おかめ』そしてイサム・ノグチと藤永茂のペルソナ

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巷では、4年ぶりの新作長編小説の話題でいっぱいだというのに、今頃になって『1Q84』を読み出した私は、黒原敏行氏が『闇の奥』のクルツとの対面と似た場面と言っていた箇所をクリアし、今、青豆がミッションを終えたあたりを読んでます(BOOK 2の後編《文庫版4巻》)。

クルツよりも、マーロン・ブランドが演じていたカーツや、麻原のことが、映像のごとく浮かび上がってきて、『アフター・ダーク』のときにもういいかなと思ったことと、長編なのに続きを読ませる魅力の両方を思い出しながら、とにかくこれを読み終わるまで、他の小説は読めないって思ってたんだけど、そうは言ってられない事態が起きた。

なんと、このブログにもときどき登場していただいた藤永先生が小説を発表されたのだ!


およそ30年前に発想したと言われていますが、「一人の老物理学者が100パーセント確実な暗殺用機器を完成させ、核軍拡に狂奔する世界に対して神を演じようとする」というのは、まさに “今” の物語!

藤永ブログは、小説『闇の奥』のことにしても、シリアやクルド人のことも、私には知識が少なすぎて、理解できないことの方が多いのですが、

『地獄の黙示録』から、『闇の奥』の訳書と解説本へとたどり着き、メールを差し上げて以来、マイケルのことを、ポール・ヴァレリーのいう「大芸術」として考えてくださったり、勝新の『座頭市』や、フィギュアスケートについても、私のブログのあらゆる話題に反応してくださって、自分の父親よりも遥かに年上の先生の若々しさ(御歳90歳)と、しなやかさに仰天したことは一度や二度ではないのですが、それは、今回の小説にもいかんなく発揮されていて・・・

主人公の老化学者、白鳥譲治

量子化学者、大学教授として、人種のるつぼと言われる米国やカナダで永年暮らし、人種・民族問題の名著『アメリカ・インディアン悲史』を著し、英語圏の大学で、20世紀で最も多く使用された文学作品と言われる『闇の奥』の解読や、古典文学から現代文化までの幅広い教養、そしてそれらすべてを内包して培われた現代政治への問題意識など、白鳥譲治は、藤永先生自身がモデルではないかと思う人は多いでしょう。

娼婦ジャンヌ

そして、白鳥とは真逆の人生を歩んでいるはずの美貌の娼婦ジャンヌ・・高校の文学教師から、ボードレールやランボー、ロートレアモンの『マルドロールの歌』や、ジャリの戯曲『ユビュ王』を読まされ、今井正のドキュメンタリーに衝撃を受けた彼女の人生もまた藤永茂の「ペルソナ」のようにも感じられる。しかも、ジャンヌは、村上春樹が描く「女性」よりもリアルで、そのエロティックさは、日本の中高年だけでなく、多くの世界作家の「男目線」とも違っている。

今回、村上春樹の小説と交互に読むことになったのは、まったくの偶然ですが、私にとって、藤永茂と村上春樹は、浅からぬ関係があります。

311後に、村上氏がカタルーニャ国際賞で、オッペンハイマーに言及したときに、ちょうど『ロバート・オッペンハイマー』を読んでいて、それは村上春樹の物語(ファンタジー)に違和感を覚えるきっかけにもなったから。


夢を見ることは小説家の仕事で、小説家にとって大事な仕事は、人々とその夢を分かち合うことです。

と村上春樹は言う。

しかし、人が夢を分かち合うためには、現実の共有も必要だ。でも、フェイクニュースや、オルタナファクトという言葉が飛び交う “今” だけでなく、私たちが、現実や、事実を共有することはずっとむずかしい問題であり続け、世界に垣根がなくなったように見える現代では、人々が夢を分かち合うことの困難さだけが、可視化されているようにも見える。

村上春樹に癒される人が世界中にいるのは、村上氏が言うように、「人々と夢を共有している」からではなく、アイデンティティを喪失し、社会から疎外されているという感覚のまま、引き篭っていられるための居心地のいい装置になっているから。村上春樹が、現実を把握することをやめ、自己批評性を放棄していることで、読者も批判や現実から逃れることができる。

1984年に起きたことで人々が共有できる歴史と、個人にとっての1984年は違う。そういった無数にある物語ではなく、「1Q84」を共有することが、人々と夢を分かち合うことになる。それが、小説家としての仕事だと、村上春樹は言っているのだと思う。

夢とは見るものではなく、実現させるもの。

村上春樹は、そんな風には言えないわたしたちを少しだけ別の世界へ連れていってくれるけど、藤永茂の「夢」はそんなことではない。

村上春樹の小説では固有名詞がキーワードとして話題になることが多く、読者もゲーマーのように、そこに隠しコマンドやメッセージを発見したがる。それらは、ハルキ世界を表現する調度品であり、ゲームを支配しているのはあくまでも「作家」だ。

でも、藤永世界での固有名詞は、「狂奔する世界に対して “神” を演じようとする」ために、歴史を踏まえ、ひとつひとつ必要な手順を踏んできたことを示すものであり、調度品でも、知性を演じるためのアクセサリでもなく、まさに世界を攻略するためのロールプレイングであり、本当のゲームのための「知識」であり「武器」なのだ。

世界作家となった村上春樹は、311のとき、村上春樹が、日本人は核に対して「ノー」を言うべきだったとは言っても、原爆を落とした相手が広島や長崎だけでなく、もっと世界中に爆弾投下を行っていることには何も言わない。

鴻巣友季子氏が、『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』の書評で、「かつて村上の小説にうっすらあった自己批評性としたたかなユーモアはどこへ行ったんだろう? その謎の方が気になる」と述べたように、自己批評性とユーモアの欠如は「偽善」という感覚を失わせる。でも、『オペ・おかめ』の主人公、白鳥譲治の「偽善」への感覚は、藤永茂と同じように鋭敏だ。

第1章「人間のペルソナ」
白鳥譲治はジキルとハイドのように、化学者でありながらテロリストなのか。彼が実行しようとしている米国大統領へのオペレーションの名前は「おかめ」。一体なぜそんな名前が?そして、白鳥がジャンヌに近づいた理由とは・・

第2章「仏たちの面立ち」
白鳥譲治の驚くべき前半生が明かされ、おかめの仮面が意味していたものも明かされる!

イサム・ノグチの作品が好きで観に行ったり、また家に彼がデザインした家具がある人は多いでしょう。でも、この記事の一番上の電子書籍の表紙絵を見て、「イサム・ノグチ」の作品を思い出した人は少ないのではないでしょうか?

実は私もそうでした。

香川県のイサム・ノグチ庭園美術館も、札幌のモエレ沼公園も訪れたことがあり(両方ともこの小説に登場します)、イサム・ノグチのテーブルも使っている私ですが、第2章でそれが明かされるまで気づきませんでした。

「おかめ」は、イサム・ノグチの作品の名前でもあり、それはノグチのペルソナでもあったのだ。


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知ってると思っていたものに対して、自分がいかに知らなかったか。イサム・ノグチのことだけでなく、読んでいる間、何度もそんな感覚におそわれて、私は2009年以降、マイケルに対して感じてきた感覚を、もう一度強く感じることになりました。

藤永先生は、少数民族や世界文学など、日本人が考えることが少ない難しいテーマについて多く書かれていますが、この小説はそうではありません。

『永遠の0』という大ベストセラーの感想文に「零戦にも、戦争にも、興味がない、少女から老女までと、すべての日本人に!」と書きましたが、

この小説でも同じような気持ちになりました。読みやすい海外ミステリのような面白さから、予想もできない着地点へと引きずり込まれる快感と、決して忘れてはいけない記憶。
右翼でも左翼でもなく、日本が好きだったり嫌いだったりしながら、世界が平和であってほしいと願う、すべての日本人に。

Must Read!! Must buy!!!
☆まだ、Kindleで本を読んだことのない人へ。

電子書籍リーダーがなくても、スマホがあれば、Kindle本を読むことはカンタンです。無料のKindleアプリをダウンロードすれば、すぐに読めます。紙の本が好きな人は多いと思いますが、興味がある本がKindle販でも出版されている場合、簡単に立ち読みができて、紙の本を買うときの参考にもなります。

例えば、今話題の菅野完氏の『日本会議の研究』
その他のフォーマットにKindle販の表示があれば、そちらをクリックすると「1クリックで今すぐ買う」の下に「無料サンプルを送信」というボタンがあるので、そこをクリック。サンプル販で読める量は、本によってかなり違いがあり、電子書籍の作りも、文字の書体や大きさが自由に変えられないものもありますが、
『オペ・おかめ』は激安価格にもかかわらず、文字の書体や大きさが変えられる、上質な作りなので「Kindle本」が初めての人にもオススメです。

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by yomodalite | 2017-03-17 07:00 | 文学 | Trackback | Comments(0)

大阪のカフェと松井五郎

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週末にランチしたカフェ「ンケリコ」
店名はスペイン語の「Mmm Que Rico」で「ん~美味しい」という意味らしい。



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夜はバーにもなる、このお店の「食」は作っている人の顔が見えるというか、見たくなる感じの「美味しいもの」がたくさんあって、流れている音楽もステキ!


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ちなみに、この日かかったマイケルの曲は「Girl You're So Together」で、






その何曲かあとにかかったのは、マーヴィン・ゲイの「Feel All My Love Inside」。




この曲が収録されてる『I Want You』はMGのアルバムの中でも特にヘビロテ


カフェでは、ランチの後、タルトタタンまで頂いて本を読む暇がなかったんだけど、帰宅後、ずっとページを開くことがなかった詩集を読みたくなって・・・


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これは、安全地帯の『悲しみにさよなら』や、郷ひろみの『逢いたくてしかたない』とか、坂本冬美の『また君に恋してる』などなど、ヒットするだけでなく長く愛される名曲の作詞家として有名な松井五郎氏の限定千部の詩集『august』。

名曲の歌詞とは、また少し違うステキな詩が納められているんだけど、保存状態が良くなかったせいか、ページをめくっていると、全部バラバラとほどけてしまいそう・・・

Goro Matsui library というシリーズで出版されてるのも読んでみようかな。
ンケリコは以前、別のお店で紹介した中津商店街の入り口にあるお店で、


中津商店街は、数年前よりは少し明るくなって、新しいお店もちょっぴり増えたみたい。この日は、こちらのお店でパンも買いました!(この商店街に来たらまたリピートしそう)


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by yomodalite | 2017-03-14 07:00 | 日常と写真 | Trackback | Comments(4)

ミレービスケットと『荒唐無稽音楽辞典』

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芦屋マダム御用達のスーパーとして知られる「いかりスーパー」。
大阪駅にあるお店は、駅ナカにある「成城石井」と似た感じのお店なんだけど、米国のセレブに人気だという概ね半年以内にブームが去るようなマズい食材や、ヴィーガン系のものは少ない感じ。

先日そこでおやつを物色していたとき、輸入系のお菓子の狭間でこちらを発見!

4袋が繋がっている初めて見るパッケージに惹きつけられて見ると、4袋とも表情が違うキャラクターを、あの、やなせたかし先生が書いてて、4つで228円という安さも魅力で買ってみたところ、500円玉大のハードタイプのビスケットなんだけど、なんだかクセになってしまう味で、

調べてみると愛知と高知ではよく知られたお菓子で、特に高知県ではソウルフードになっていて、やなせ先生がキャラクターを描いたのも、高知との縁だったとか・・

で、、そんなビスケットを食べながら読んだのが、こちら。

新 荒唐無稽音楽事典

高木 壮太/平凡社



自費出版で発売され、以前はタワレコや、ヴィレッジバンガードなどで販売されていた『荒唐無稽音楽辞典』が、加筆修正され、今回は平凡社からなので、より「辞典」ぽくなって再登場!

音楽にまつわる言葉辞典なんだけど、知らないことばかりが書いてある。

例えば・・

【モータウン】このレーベルのレコードのタンバリンの音が大きかった頃は全米最大の黒人経営企業だったが、タンバリンの音が小さくなるにつれて資本関係は複雑になった。

【加藤茶】西城秀樹との白熱のドラムバトルで知られる、ザ・ドリフターズのドラマー。

【マドンナ】カバラの秘法でレディー・ガガ暗殺を目論む元人気女性歌手。

とか、

【マイケル・ジャクソン】世界一有名なチンパンジー「バブルス」の飼育係。月面を歩き「一人の人間にとっては小さな一歩だが人類にとってはロボットダンスと同じぐらい難しいことだ」と言った。

だって。「マイケルの言葉」に追加しとかなきゃw。

それと、ショッキングなお知らせ・・

【ムーン・ウォーク】トリックに騙されてはいけない。あれは床のほうが動いているのである。あんなこと物理的にできるわけない。

・・・騙されてたw

その他、有史以前から始まる「音楽史年表」とか、オバマやハイヒールモモコも登場する「音域表」などの付録も付いてます!


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by yomodalite | 2017-03-12 07:00 | 現代文化・音楽・訳詞 | Trackback | Comments(0)

観なくてはならない「音楽」

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これまで、韓国映画、ドキュメンタリー、青春映画、絶望シネマといったテーマで発刊されている「観ずに死ねるか ! 」シリーズの第5弾。

観ずに死ねるか! 傑作音楽シネマ88

宇多丸、尾崎世界観、オダギリジョー、能町みね子・・



音楽スピリッツに溢れた映画を、ライムスター宇多丸、尾崎世界観、オダギリジョー、能町みね子、湯川れい子、鮎川誠、近田春夫、みうらじゅん、大槻ケンヂ、九龍ジョー氏等、総勢70人が、それぞれの視点で語り尽くし、良質な紙質に印刷された全256ページのほとんどがカラーで、たったの2000円ポッキリ!

5つの章に分かれている各章の内容を一言で言うと、

第1章の「ヤァ!ヤァ!ヤァ!」は名作音楽映画が多く、第2章の「Songs」は、曲が映画のテーマになっていて、第3章の「Legend」は音楽界の偉人たちの映画、第4章「Music Life」は文字通り音楽と人生がテーマになっていて、第5章「Passion」は、音楽系熱血青春モノといったところでしょうか。

書いている人と映画の組み合わせは、湯川れい子の『エルビス・オン・ステージ』や、ROLLYの『ロッキー・ホラー・ショー』のように意外性のないものはむしろ少なく・・・聞いたこともない映画や、耳にしたことのない音楽を、何やっている人だっけ?という方々が熱く語られていることが思った以上に多くて、死ぬまでにクリアできるか不安になってしまいましたw

とにかく、この本を見なかったら、興味を持つことがなかった映画や音楽のメモがいっぱい溜まってしまう本です。

ちなみに、マイケルの映画は第3章「Legend」に収録!

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第1章 ヤァ!ヤァ!ヤァ!
「ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!」告井延隆/ギタリスト
「エレキの若大将」 松崎まこと/映画活動家、放送作家
「星くず兄弟の伝説」白石晃士/映画監督
「私たちのハァハァ」大谷ノブ彦/芸人
「ブルース・ブラザース」鮎川誠/ミュージシャン
「レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ」三留まゆみ/映画イラストライター
「リンダ リンダ リンダ」板谷由夏/女優
「サタデー・ナイト・フィーバー」内田春菊/漫画家 、小説家
「青春デンデケデケデケ」モルモット吉田/映画評論家、ライター
「パイレーツ・ロック」ピーター・バラカン/ラジオDJ他
「WE ARE Perfume」掟ポルシェ/音楽家、アイドル評論家
「映画 けいおん!」サンキュータツオ/芸人)
「こまどり姉妹がやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!」三留まゆみ/映画イラストライター

第2章 Songs
「歌行燈」入江悠/映画監督
「晴れ姿 伊豆の佐太郎」根岸洋之/映画プロデューサー
「東京ナイト」高橋洋二/放送作家
「豊田道倫 映像集」 岩淵弘樹/映画監督
「恋のゆくえ ファビュラス・ベイカー・ボーイズ」松崎健夫/映画評論家
「ちびまる子ちゃん」松江哲明/ドキュメンタリー映画監督
「愛と誠」篠崎真紀/イラストレーター、ライター
「ライブテープ」「トーキョードリフター」「フラッシュバックメモリーズ 3D」成海璃子/女優
「ONCE ダブリンの街角で」大根仁/映像ディレクター
「フェーム」花くまゆうさく/漫画家
「ナッシュビル」高木壮太/ミュージシャン、戯作者
「はじまりのうた」松江哲明/ドキュメンタリー映画監督
「ロッキー・ホラー・ショー」ROLLY/エンターテイナー
「センチメンタル・アドベンチャー」根岸洋之/映画プロデューサー
「ナビィの恋」 佐々木俊尚/作家、ジャーナリスト
「バングラデシュのコンサート」みうらじゅん/イラストレーターなど

第3章 Legend
「5つの銅貨」立川志らく/落語家、映画監督
「処女ゲバゲバ」「ゆけゆけ二度目の処女」他 渚ようこ/歌手
「ラ★バンバ」森直人/映画ライター
「エルビス・オン・ステージ」湯川れい子/音楽評論家、作詞家
「永遠のモータウン」岩崎太整/作曲家
「タカダワタル的」「タカダワタル的ゼロ」佐野史郎/俳優
「Ray(レイ)」古泉智浩/漫画家
「ウッドストック 愛と平和と音楽の三日間」山本直樹/マンガ家
「ジャージー・ボーイズ」川本三郎/評論家
「シュガーマン 奇跡に愛された男」清水節/編集者、映画評論家
「バード」冨永昌敬/映画監督
「ワイルド・スタイル」宇多丸/ラッパー、ラジオパーソナリティ
「ムーンウォーカー」佐々木誠/映像ディレクター、映画監督
「パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト」辛酸なめ子/漫画家、コラムニスト
「アトムの足音が聞こえる」佐々木敦/批評家

第4章 Music Life
「右側に気をつけろ」樋口泰人/「爆音映画祭」主催人
「メタリカ:真実の瞬間」深町秋生/ミステリー作家
「あの頃ペニー・レインと」九龍ジョー/編集者、ライター
「光にふれる」中井圭/映画解説者
「色即ぜねれいしょん」内田春菊/漫画家、小説家
「あがた森魚 ややデラックス」森達也/作家、映画監督、明治大学特任教授
「DENKI GROOVE THE MOVIE?」塙宣之/芸人
「オーバー・ザ・ブルースカイ」真魚八重子/映画著述業
「ギター弾きの恋」佐々木誠/映像ディレクター、映画監督
「テネイシャスD」アサダアツシ/放送作家 、脚本家
「ドキュメント 灰野敬二」能町みね子/自称漫画家
「ワイルド・マン・ブルース」ケラリーノ・サンドロヴィッチ/劇作家、演出家、音楽家、映画監督
「ドリームガールズ」金子修介/映画監督
「嗚呼!おんなたち猥歌」樋口毅宏/作家
「祭爆 SAIBAKU」森世一/新宿ゴールデン街「談SINGシネマ」店主
「ラストコンサート」清水節/編集者、映画評論家
「ハイ・フィデリティ」伊賀大介/スタイリスト

第5章 Passion
「セッション」オダギリジョー/俳優
「ストレイト・アウタ・コンプトン」長谷川町蔵/ライター
「劇場版 どついたるねんライブ」九龍ジョー/編集者 、ライター
「ドラムライン」ファーストサマーウイカ/アーティスト
「THIS IS ENGLAND」鮫肌文殊/放送作家
「グミ・チョコレート・パイン」大槻ケンヂ/ロックミュージシャン、作家
「ファントム・オブ・パラダイス」近田春夫/ロックンローラー
「アメリカン・グラフィティ」渡辺大知/ミュージシャン
「SRサイタマノラッパー」シリーズ、「TOKYO TRIBE」磯部涼/音楽ライター
「ザ・コミットメンツ」山下敦弘/映画監督
「さらば青春の光」カンパニー松尾/AV監督
「タレンタイム」森岡龍/俳優、映画監督
「スクール・オブ・ロック」長谷川町蔵/ライター
「自分の事ばかりで情けなくなるよ」尾崎世界観/ミュージシャン
「自由と壁とヒップホップ」森達也/作家、映画監督 、明治大学特任教授
「ウォールフラワー」中井圭/映画解説者

◉特集
ボクが痺れたストーンズCINEMA …しゅりんぷ小林/漫画家
ボリウッドを観ずに死ねるか! …サラーム海上/音楽評論家、DJ、中東料理研究家
映画の中のボブ・ディラン …湯浅学/音楽評論家
今どきアイドル映画は<ドキュメンタリー的>な文脈で語られる …松崎健夫/映画評論家


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by yomodalite | 2017-03-10 06:00 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(0)

マイケルが子供に読み聞かせた本

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パリス・ジャクソンが、ローリング・ストーン紙のインタヴューの中で、「寝る前に私たちに『A Light in the Attic』を読んでくれた父を知るのは、父の子どもである私たちだけ」と語っていたので、どんな本なのか読んでみたくなりました。

こちらの素敵なブログで、マイケルと関連がありそうな本として『Giving Tree(大きな木)』が取り上げられていましたが、
『A Light in the Attic(邦題「屋根裏の明かり」』は、『Giving Tree』と同じシェル・シルヴァスタインの作品。シルヴァスタインはアメリカで何冊もベストセラーになっている人気作家ですし、私もその世界観から、マイケルは『Giving Tree』も『The Missing Piece(ぼくを探しに)』も、子供に読んであげていたような気がするのですが、

その2冊と比べると『A Light in the Attic』は、より大人向けというか、一本の線によるイラストと、抽象的なストーリーが最後まで続くのではなく、1コマのペン画に、早口言葉や言葉遊び似た詩がついているものが134篇もあって、マザーグースのような感じ。

リズムや音を大事にするマイケルの歌詞の世界とも通じるところがあって、これを口にする、マイケルパパの楽しそうな様子が想像できたり、大人になったパリスが特にこの本を挙げた理由も、ページを開くとすぐにわかるような気がしました。

和訳本は、これまでのシルヴァスタイン本の翻訳と同じ『聖少女』の倉橋由美子氏で、言葉遊びに満ちた134篇もの詩を訳すなんて、ホントに大変なお仕事だと思いますが、日本語でも楽しめるように色々と工夫されていて大満足!

でも、どうしても原本も照らし合わせて読みたくなってしまう本なので、私は和英両方買ってしまいました。

参考記事・・・

シルヴァスタインって、ソングライターとしても大活躍してて、シンガーとしてアルバムも出してる人だったのね!

屋根裏の明かり

シェル・シルヴァスタイン,倉橋 由美子,Shel Silverstein/講談社





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by yomodalite | 2017-03-08 07:00 | ☆マイケルの愛読書 | Trackback | Comments(0)

マイケルとトランプ(まとめ)

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これまでトランプがマイケルについて発言したことや、自著に書いたことなどの「まとめ」です。


* * *


ドナルド・トランプとマイケル・ジャクソンの話は、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンのコンサートの舞台裏で会った1988年3月に始まる。トランプ氏は次のように振り返る。「私はわずかな時間、彼と話したが、彼はとても控え目な感じでね。それで、「この人がステージに出て行ってパフォーマンスするなんてありえない」と思ったんだ。そのあと、彼がステージの向こう側でムーンウォークをして、そこが熱狂するのを見ることになったんだけどね。

2人が正式に出会ったのは、トランプが世界で最も豪華なカジノ、ニュージャージー州アトランティックシティに「タージマハール」をオープンした1990年。「世界で8番目の不思議な場所」と呼ばれた1250室のカジノホテルは総額11億ドルで建設され、今までで最も高級なカジノとなっていた。



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1990年4月6日金曜日、マイケルはアトランティックシティを訪れ、そのグランドオープンに華を添え、1万ドルのアレクサンダー・ザ・グレートスイートに滞在した。「もし何か必要なことがあれば、彼はいつでもそこに来てくれただろう」とトランプ氏は言った。「マイケルは、友人に対してとても誠実だった」


マイケルのタージマハールへの到着は大混乱を引き起こした。 何千人もの叫ぶファンと大勢のカメラマンが、トランプとゲストであるスターへの施設案内にくっついて、このペアを追いかけた。「文字通り何千人もの人々が私たちを押しつぶしていた」と、トランプは大混乱の場を思い出し、「20人のボディガードがいたが、本当に危険だった」と語った。「マイケルは膝をついてクラウチングスタートで出口に向かった。 彼は日常的にそれをやっていたようだが、私は彼が倒れたのかと思った。 私が「マイケル、いつもこんな感じなの?」と言うと、彼は「うん。こんなのどうってことないよ。日本の方がもっと酷かった」と。



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翌日、トランプはマイケルを、トランプ・プラザのカジノホテルに隣接するアトランティック・シティ・コンベンション・ホールのアリーナに連れて行った。 日曜日、マイケルは5年間エイズと果敢に戦っていた18歳の親友ライアン・ホワイトの元に行くためにインディアナに出発する予定だった。



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空港に着いたとき、マイケルはライアンが亡くなったと聞かされ、プライベートジェットでニューヨークに帰るつもりだったトランプは、ホワイト家へ向かうのに、うちのジェット機に乗っていかないかと申し出た。たぶん、絶好の自己PRの機会ととらえたのだろう。


2人は、マイケルのレコードレーベルから提供されたプライベートジェット機でインディアナポリスに行き、ライアンの故郷であるシセロまでの20マイルは、数台の警察車両に見守られ、3台のリムジンで向かうことになった。



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ライアンの自宅に到着すると、悲嘆にくれるマイケルは、1年前にライアンに贈った赤いフォード・マスタングGTの後ろにしばらく座っていた。 彼は待ち構えたメディアに、「ライアンは個人的な友人で、とても悲しい」と言い、家族に哀悼の意を表した後、トランプはニュージャージーに戻り、 マイケルは夕方まで家に留まり、ライアンの母親ジャンヌとアルバムを見ながら思い出を語り合った。

マイケルは今年で25周年を迎えるアルバム「Dangerous」の製作で18ヶ月を過ごし、 彼とトランプは1992年6月、ニューヨークのグリーン・レストランの象徴でもある「タバーン」で開催されたチャリティパーティーで再び会い、トランプと未来の妻であるマーラ・メープルズは、経済的に恵まれない子供たちを助けた功績に対して、マイケルが賞を受けたときその場に同行した。


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トランプとマイケルの友情は1994年に最も強かったと思われる。その年の3月、マイケルはワールドツアーの激務の中、児童虐待の告発を受けることになり、次のアルバム『HIStory』に取り組むため、ニューヨークに移住した。マイケルは、マンハッタンのミッドタウン、フィフス・アベニューの上にあるトランプ・タワーのペントハウスに4ベッドルームのアパートを借りるため月に11万ドルを支払ったと伝えられている。



参考記事・・・


その後、セントラルパークの素晴らしい景色を望むこのアパートは、2016年の初めに2300万ドルで市場に出された。



マイケルが借りてた部屋はここみたい・・・




ジャクソンの友人であるフランク・カシオは、次のように語っている。「マイケルのアパートは、トランプタワーの一番上にあって、劇的な光景と、金色に輝く備品が置かれたバスルーム、2階には3つの寝室があった。 彼は置いてあった家具をすべて取り除いてダンスフロアを設置し、そこをミニダンススタジオへと変身させた。

マイケルは、トランプが住んでいる1億ドルのペントハウスのすぐ下のフロアに住んでいた。「彼は私のアパートに来て、ビジネスについて多くを話し合った」とトランプは語る。「実際、彼は非常に賢いビジネスマンだった」と。


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(イヴァンカ&エリック・トランプ)

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(ティファニー・トランプ)


この頃トランプが、マイケルとリサ・マリーについて語った話はこちら。



マイケルは1994年5月下旬、ドミニカ共和国で秘密裏にリサ・マリーと結婚したが、その20ヶ月後に離婚した。その間の1994年12月、マイケルは9ヶ月の滞在の後、トランプタワーからチェックアウトし、カリフォルニアに戻って、アルバム「HIStory」を完成させた。


この段階では、2人はまだ良き友人だったように見える。しかし、マイケルはアルバム『HIStory』の曲『Money』の中で、トランプの名を忍ばせた。これは、貪欲で無慈悲で非倫理的な人に対する攻撃だ。

マイケルが、数人のアメリカ産業界の巨人とビジネスマンの名前を語る前のバック・ボーカルは、「お金がほしいなら、尊厳をもって獲得しろ」 そして、そこに含まれる名前として、トランプ、コーネリアス・ヴァンダービルト、JPモルガン、ジョン・D・ロックフェラー、アンドリュ・ーカーネギーと、J・ポールゲッティの名が。



若干驚くべきことだが、その歌詞はメディアの主要な見出しになるほどではなかった。 ビジネス関係を共有したにもかかわらず、マイケルのトランプに関する本当の気持ちは、それらの歌詞を通して明るみに出たようだ。


しかし、マイケルが賞賛した個人は、トーマス・エジソンのようなアメリカの発明家だけでなく、モーガン家や、ヴァンダービルト家のビジネスマン、そして、反ユダヤ主義から、しばしば論争の的になっている自動車会社の創設者であるヘンリー・フォードのことも彼は賞賛している。


マイケルは、2004年に友人が録音した会話の中で、逆境に直面してもあきらめないということを語ったとき、エジソンとフォードの話をしている。「この世界に誇りを持っている偉大な人たちの何人かは、みんなそんな風に扱われてる。いいかい、君は何もやろうとしてないし、どこにも行こうとしていない。人々はライト兄弟を笑い、エジソンを笑い、ヘンリー・フォードについてのジョークを作り、彼らは無知であると言う。彼らは、私たちの文化や、習慣、暮らし方、やり方を変えたのに」

いずれにしても、マイケルとトランプはその半年後に再び会い、友情が失墜していないことが示されている。マイケルは、『INVICIBLE』のアルバムの製作で、ニューヨークに滞在しているとき、トランプを呼び出し、彼のパートナーであるメラニアをピエールホテルでの豪華な夕食に招待した。


2005年にトランプと結婚し、ファーストレディになったメラニアは、ジャクソンとの出会いについて思い出し、次のように述べた。「夕食後、私たちはソファーでおしゃべりしていました。私の夫は別の部屋で、誰かが見せたいと言ってきたアートを見に行きました。 そして、マイケルは私に言ったの。「ねえ、トランプが戻ってきたら、キスをして嫉妬させようよ!」2人はキスしなかった。「でも、私たちはいつもよく笑っていたわ」と彼女は言った。


2016年2月、トランプはマイケルが「悪い手術」のために自尊心を失ったと語り、ジャーメイン・ジャクソンは彼を批判した。「彼は酷く自信を失っていた。率直にいえば、非常に良くない手術のせいだ。彼は最悪な状態だった。彼の周囲には、信じられないほど、数字のことしか考えない人がいた。信じようと信じまいと、人は信用を失うと、才能さえも失うことがある」


しかし、トランプは彼の友人に敬意も表した。「彼は他の誰よりも驚くべき男で、私が知っている中で最も偉大なエンターテイナーだった。彼は魔法を持った、天才だった。 彼はまた本当に良い人間でもあった。彼を知ればみんなそう思うし、彼がどれほど賢いかもわかる。彼は輝くような存在だった。




「ただ、最後の10年間はこれまでと同じマイケルじゃなかった。彼は良い状態とは言えなかった。多くの問題を抱え、そのことで辱めを受け、予期せぬ事態に困惑しきっていた。


「でも、彼の最後の10年間は人々の記憶には残らないだろう。彼は最初の35年間で記憶される。マイケルの絶頂期、彼のような存在はどこにもいなかった」


ここまでの内容は、下記の和訳を元に作成しました。

◎The full story behind a mysterious friendship


* * *


人種差別や、女性蔑視、同性愛者嫌いで、イスラム恐怖症・・・と批判されていたトランプに対して、周囲に支持者がおらず、イスラム教徒でもあるジャーメインが、弟の名前を利用するな!と、ファミリーを代表するかのように怒る気持ちはよくわかりますが、1990年以降のトランプは、ジャーメインよりはマイケルと親しかったように見えますし、トランプの発言は、保守層へのマイケルの名誉の回復にも一役買ったのではないかと思います。


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彼が開発してきた物件はすべて超一流で、テーマパークの開発も考えていたマイケルには、トランプから学べることは多かったでしょうし、また、ビジネス界の大物ほど、マイケルの賢さを高く評価することが多いですね。



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(トランプの42歳の誕生日パーティーに出席したときのラトーヤ)


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(2004年から始まったトランプがホストを務める人気TV番組『アプレンティス』は、08年から有名人が参加する『セレブリティ・アプレンティス』として復活。ラトーヤはその出演者のひとりだった)



こちらは関連記事・・・


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by yomodalite | 2017-03-07 08:40 | マイケルジャクソン資料 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


by yomodalite