<   2011年 10月 ( 18 )   > この月の画像一覧

「悪党顔」のひとの本が続きますが、、隣でダーリンが読んでいたんです....

古典に手を出すようになってから、同時進行の本が倍増していて、ホントに、もうこんな「下品な感じの本」を読んでる場合じゃないって思ったんですけど、、

「フィクサー」って、大好きなんですよね。(読書としてw)

ただ、「フィクサー本」って、なかなか良書は少ないと思うんです。取材も難しいし、ほとんどの場合、フィクサーは自分からは語りませんし、これまで、このブログに記録した「フィクサー本」でも、これは面白いと思ったのは『田中清玄自伝』ぐらいでしょうか。

本としての、面白さだけでなく、本人の「大物感」や「魅力」という点でも、本書には期待していませんでした。

というのも、フィクサーは自分からはなかなか語らないものですが、朝堂院氏は、現在、youtubeにも多くの動画がありますし、そこで見る氏の風貌からも、どこか“マンガチック”で、これまでの「フィクサー」と言われた人に比べると、歴史的スケール感に乏しいという印象も持っていました。

(現在の活動を見ると、今は「フィクサー」ではないのだと思います)

著者の大下英治氏は、分業体制で大量出版を維持している、熟達のノンフィクション作家の方ですが、本書と同じ竹書房のシリーズは、そっち方面の方々よりの「物語」になっているような印象も強く、

まぁ、とにかく、そんな期待薄な感じで読み始めたところ、第一章にある「血判の儀式」(売上げ目標達成の決意を示すために、社員の前で、愛蔵の日本刀により、自らの前腕を突き刺すという行為)で「ドン引き」...期待度はさらに急降下し、

本書の半分くらいを過ぎても、なかなか引き込まれることがなかったのですが、そこから、だんだん朝堂院氏の印象が変わっていったのは、彼がオウム事件の黒幕として疑われ、それをきっかけに、ここまでの順風満帆な人生から、様々な活動が困難になっていき、ついに、松浦良右(まつうらりょうすけ)という名前を改名するまで追い込まれた後も、

商売人でありながら、検察や銀行に対しても、主義主張にブレがなく、確固とした信念を貫いていて、読了後、自分でも驚いたんですが、、朝堂院氏のことがちょっぴり好きになりました。

たぶん、わたしの中で評価がグンと上がったのは、他のフィクサーの方はすべて、アメリカ占領下の日本で、良くも悪くも、米国の日本統治に関わることで「利権」や「特権」を得てきた方々ばかりですが、朝堂院氏はそうではないようです(早合点かもしれませんが。。)

本書で特に注目したのは、朝堂院氏は暴力団を一切使ってこなかったにも関わらず、1997年の山口組N0.2の若頭、宅見勝が射殺された事件(「宅見事件」)の容疑者の弁護のために、優秀な弁護士を紹介したというところ(p216「司忍と後藤忠政」)

当時、若頭補佐だった司忍が、護衛の組員に拳銃を持たせていたとして銃刀法違反容疑をかけられ、指名手配される。司は翌年出頭し、逮捕、起訴され、後藤忠政は、司の力になるために朝堂院に力を求め、朝堂院は、有力弁護士で、元最高裁判事の横井へ依頼する。

なかなか首を縦に振らない横井に、朝堂院は、こう説得した。(以下省略引用)

「先生、今回の事件は、いちヤクザの問題ではないんです。共同正犯は、いつどこで親分が子分に拳銃を所持しておれを守れ、と指示したかが明確になってはじめて成立つ。ところが、ヤクザだから、親分が指示しなくても子分が拳銃を所持していれば、行動原理として同様だという理屈で逮捕した。

この法律はアメリカが強引に日本に押し付けている。これが日本の判例となり、社会全体に拡大すれば、大変なことになります。政界と秘書の関係も同じことになります。これは罪形法廷主義の原則をやぶることになりませんか」その後、朝堂院は、何度も横井を尋ね説得を続けた。(引用終了)


という部分です。

(この後、現在の小沢一郎の逮捕まで、実際「大変なこと」になってますよね)

このとき容疑者であった司忍が組長になり、後藤氏の山口組での株は上がったのですが、元々、戦後アメリカとの関係で成長してきた「ヤクザ」の世界で、その後、後藤氏は小泉内閣でも暗躍し、最終的にジャマになった米側から、移植手術のご褒美を最後に引退した氏と違い(この部分は後藤氏の著書『憚りながら』を読んだ私の個人的感想)ポーズだけではないなぁと思った点で、

日本の右翼は、その源流から現在までに、完全に変節していますが、老師系の方から、行動派の方まで含めて、これほどの経済力を基盤にして行動できた方も、他には見当たらないように思えますし、

朝堂院氏は、天皇家や菊の紋章のブランドにも頼らず、武道を通じて、日本の歴史や精神性を受継ごうとされていたり、

その経済力の源も、急速冷凍の技術力による実体のある「商品」で、これまでの「フィクサー」と呼ばれた人と比べて、独占的な権益などではなく、お金の生み出し方に、卑怯な手口が感じられないというか、、

わたしは、この人と、MJの繋がりというのはすんなり納得できました。帽子、サングラス、オリジナルデザインによるオーダーメイドファッションなど、朝堂院氏のファッションに関しての感覚は、どこかMJに似てますしねw

そんなわけで、朝堂院氏のマイケル本も、やっぱり読まないとって思いました。

☆読みました!『マイケルからの伝言』
f0134963_2358027.jpg
◎[音声による解説]最後の黒幕・朝堂院大覚
◎MJJAPAN設立記者発表会レポート

[目 次]
序章 フィクサーの系譜
第1章 血判の儀式 ー 父の会社再建
第2章 親・後藤田‐反・中曽根
第3章 検察が狙った後藤田の首
第4章 石原慎太郎 ー 尖閣列島 ー アキノ
第5章 ニカラグア巨大運河計画
第6章 オウム事件黒幕説
第7章 山口敏夫に渡した拳銃
第8章 裏社会コネクション ー 許永中の頼みごと
第9章 TSKCCCビル争奪戦
第10章 朝鮮総連詐欺事件
第11章 マイケル・ジャクソンの亡霊
第12章 生まれた子供が57人
________________

朝堂院大覚/本名、松浦良右。大阪枚方で400年続いた名家に生まれ、父方の祖父は枚方の大地主で不動産業を営み、米相場でも成功した。父は満州へ陸軍大尉として出兵し、帰国後は朝日新聞の傍系会社の朝日ビルディングの経理担当重役に就任。母は、戦前、松下乾電池(松下電工の当時の稼ぎ頭)の代表取締役専務。乾電池事業は、母キノの父である吉田幸太郎が支えた事業だった。

同志社中学校・高等学校を経て、同志社大学を卒業。1982年3月、当時空調設備工事会社ナミレイの会長であったが、空調設備工事業界の大手高砂熱学工業の株式を買い占め、筆頭株主の力を盾に高砂熱学工業の社長等を脅して業界提携やナミレイ発行の株式引き受けを押しつけたとして、当時ナミレイ社長だった実兄の松浦幸作ほか、ナミレイの他の役員等と共に強要罪で逮捕される(執行猶予判決)。

1996年、オウム事件の黒幕に仕立て上げられたことから、松浦良右から「朝堂院大覚」に改名。「朝堂院」は政務・儀式の中心となる建物群のことで、平安時代の国家的儀式や政治を司る場。大覚は、仏語で「悟りを開くこと、大きな悟り、大悟」のことを指す。

ファッションも「和装」スタイルに変わったが、これも、長着、羽織、袴と3つに分かれている和装品を1つに縫い上げたオリジナルデザインによるもの。また草履のつま先には、護身のため、鉄でできた銀色の金具が取り付けてあり、「刀」も袋に入れて持ち歩いている(居合道の家元として警察より所持を許可されている)

1998年7月に来日したマイケル・ジャクソンに士道館空手道名誉五段を授与する。更に「マイケル・ジャクソン・ジャパン」を立ち上げマイケル・ジャクソンのレジャーランド設立構想を仕掛けるが、頓挫した模様。

2007年にTSK・CCCターミナルビルのテナントとして、所有者と立ち退きについて争う(同ビルは最終的には2008年3月に解体された)。 また、狂言師の和泉元彌が能楽協会より「退会命令」処分を決定した際、和泉元彌の後見人として能楽協会の対応に介入する 。

政界から武道界まで幅広い交友を持ち、田中角栄や後藤田正晴と懇意であった。他にも亀井静香・石原慎太郎・小池百合子とその父の小池勇二郎や、高市早苗らとも親しい[要出典]。また空手道家同士ということで、添野義二や真樹日佐夫などとも懇意であり、杉原正康が館長を務める白蓮会館が主催する全日本空手道選手権大会も支援している。

竹書房 (2011/4/7)




[PR]
by yomodalite | 2011-10-30 00:14 | 報道・ノンフィクション | Trackback | Comments(0)

悪党―小沢一郎に仕えて

石川知裕



高村薫の小沢一郎批判が気になる。。

わたしは、小沢一郎にすごく興味をもっているけど「小沢シンパ」じゃない。高村薫は、わたしより絶対にドストエフスキーをわかっていると思うし、他の古典への理解も、もちろんそうだと思う。だから、、たぶん、高村氏は、小沢一郎の「文学的でない」ところが嫌いなのだと思う。

「嫌い」だなんて、感情的な言葉をつかってしまうけど、でも、高村氏の小沢一郎への言葉は、驚くほど「感情的」で、高村氏は、文学者として、政治の現実そのものに「怨念」をぶつけていて、その代表が「小沢一郎」であるような....

この本は、佐藤優氏の『国家の罠』のような、“文学の香り”は一切ありませんが、若手政治家が、素直に書いた本で、わたしはとても面白く読みました。

また、これまでの、どんな本より、政治家・小沢一郎がわかる本で、これが『新リア王』より、刺激的だと思えるのは、まだまだ、わたしが「古典」をわかっていないからでしょうか。。

高村薫は、自分の方が遥かに「豪腕」だということは自覚があるのかなぁ....

☆下記は、本書の「帯」コピー

佐藤優氏も絶賛!「この本は危ない。誰も書けなかった小沢一郎がいる」

恩讐を超えた「師弟対決」も
石川:チャーチルのように70代でも総理に....。
小沢:そんなスケベ根性を起こしちゃダメだってんだよ。

破門覚悟の告白潭
「小沢擁護」ではない。「小沢排除」でもない。日本の政治に「小沢一郎」は必要か。
日本人が放置してきたその問いに、1人ひとりが答えを出す期限がきた。
ー元小沢一郎秘書・衆議院議員 石川知裕

小沢一郎、なんとか黙認
「おまえ、よく覚えてんな」

☆本書の冒頭に掲げられたルーズベルトの言葉(小沢氏の部屋に張り出されているもの)

重要なのは批評するものではありません。
強い男のつまづきを指摘したり、
立派な仕事をした者にけちをつけたりする人間でもありません。
真に賞賛しなければならないのは、泥と汗と血とで顔を汚し、実際に戦いの場に立って、
勇敢に努力する男、努力につきものの過ちや失敗を繰り返す男です。
しかし、彼は、実際に物事を成し遂げるために全力を尽くします。
偉大な情熱と献身を知っています。
価値ある大義のために全力を傾け、最後には赫々たる勝利を収めます。
たとえ、敗れるときであっても、敢然として戦いつつ敗れます。
だから、そういう男を、勝利も敗北も経験しない無感動で臆病な連中と、
断じて、同列に並べるべきではありません。

セオドア・ルーズベルト


☆石川氏と小沢一郎の対談(対決 小沢一郎が語った「原発」「遷都」「復権」)より

石川:....国民の期待が高まれば、先生はそれに応える思いがあるのでしょうか。

小沢:おう、そういや、この言葉が好きで机に取っておいたんだ。
「人事を尽くして天命に遊ぶ」。

「天命を待つ」「天命に従う」が普通の言葉なんだよ。これは自分で自分に期待感がこもるだろ。自分のいいように天命が回ってくりゃいい、とそれじゃ、本当のアレじゃない。「天命に遊ぶ」ってのは、確か戦前の左翼が言ったんだよ。だからあまり言うなと忠告する人もいるけど、オレは最高に気に入っているんだ。期待するでも何でもない。待つんじゃねえんだよ。


石川:では、チャーチルのように70代でも総理に.....

小沢:そんなスケベ根性を起こしちゃダメだっつってんだよ。人事を尽くすことが大事。それぞれが自分の立場、職責で全力を尽くせば世の中はよくなるんだよ。見え透いた根性を起こすからみんなおかしくなるんだよ。

◎『悪党―小沢一郎に仕えて』(アマゾン)
◎『新リア王』高村薫(アマゾン)
◎松岡正剛の千夜千冊『新リア王(上・下)』

《第1部》「悪党」登場
第1章 逮捕まで、そして逮捕から
第2章 悪党の思想と外交戦略
第3章 悪党に仕えるということ
第4章 悪党の急所
第5章 悪党と選挙、大連立

《第2部》「悪党」解剖
第1章 悪党とキン肉マン
第2章 悪党とマルクス
第3章 悪党とウェーバー
第4章 悪党とチャーチル
第5章 悪党とサンデル

《第3部》対決
小沢一郎が語った「原発」「遷都」「復権」
____________

[内容紹介]その思想、選挙戦術、日常の素顔から、知られざる弱点まで――。政治資金規正法違反容疑で逮捕・起訴された元秘書が、覚悟を込めて明かす、誰も書けなかった小沢一郎論。「擁護」でも「排除」でもなく、等身大の政治家像を描き出す。佐藤優氏も絶賛!「この本は危ない。誰も書けなかった小沢一郎がいる」朝日新聞出版 (2011/7/7)


[PR]
by yomodalite | 2011-10-28 12:05 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

恥ずかしい読書/永江朗

恥ずかしい読書

永江 朗



読書にまつわる素敵なエッセイ集。

著者の「まえがき」によれば、本についての本というよりも、本を読むことについての本、本の読み方についての本である。そうです。

でも、どーしてこれが『恥ずかしい読書』なのか? それは、もしかしたら読書に耽溺しているタイプの人にしか感じない感覚かもしれません。

下記は、永江朗氏のステキなエッセイの雰囲気が、ちょっぴり伝わる「あとがき」から

この本の制作作業を大詰めを迎えた2004年10月20日、私は道後温泉にいた。カンヅメになって原稿を執筆....していたのではなく、たんに食って飲んで温泉につかっていたのである。(中略)

私はもっぱら、エミリー・ブロンテの『嵐が丘』(鴻巣友季子訳、新潮文庫)を読んで過ごした。以前、姫野カオルコさんから、鴻巣訳の『嵐が丘』がすばらしいと、いう手紙をいただいて購入した本だ。たしか『嵐が丘』は中学校か高校生のころに父の本棚にあったものを読んだはずだが、そのときとはまるで印象が違っていた。

あまりに面白くて、一気に読むのはもったいない。途中でやめて、土砂降りのなか、妻と散歩に出た。(中略)

宿の裏手にある子規記念博物館に入った。(中略)新しいもの好きで、とくに当時はまだほとんど知られていなかった野球に夢中になった子規。果物が好きで、とくに柿が大好きだった子規。自分の墓碑銘について書いた手紙では、そう長く生きられないことを自覚していて、かわいそうになった。

記念館を出ると、雨は小振りになっていた。宿に戻り、また『嵐が丘』の世界に入った。私にとっての『嵐が丘』は、道後温泉の『嵐が丘』であり、私にとっての正岡子規は、台風の正岡子規だ。

翌日の新聞で、この台風で多くの犠牲者が出たことを知った。

東京に戻ってから、『漱石・子規 往復書簡集』(岩波文庫)をパラパラと拾い読みした。また『嵐が丘』の翻案というかリメイクというかカバーというか、あらすじはそのまま舞台を日本を移した小説である水村美苗の『本格小説』をパラパラと読み返した。(中略)

書名については、3人で相談した。私は『百億円稼ぐ読書術』というのはどうかと提案したが、ほとんど相手にしてもらえなかった。本を読むだけで100億円稼げたらいいのになぁと思うが、そんなことはありそうにない。

『幸福になる読書の方法』とか『気持ちが軽くなる本の読み方』なんていうのはどうだろう。でも、歯磨き読書で幸福になったり、カメラのファインダー越しに写真集を見て、気持ちが軽くなったりはしない。

いろいろあって、『恥ずかしい読書』になった。(引用終了)


第1回の「歯磨き読書」は、古典など、難易度の高い本に苦しんでいる私にとっては、デキル先輩から届いた助言というか、優しく包み込んでくれるような、救いの書のような感じで読みました。

作家のひとも、編集者のひとも、本を仕事にしている方が、どれぐらい本を読んでいるかを、ちょっぴり垣間見たことがあったり、その分野の巨匠と言われるような作家からのメールがもの凄かったこととかを経験して....

とにかく、本のプロ達の「読書」の凄さには、畏怖を抱いていましたけど、、そんなプロの方が、難解な本を読むことが、難解だと言ってくれて、それでも諦めない気持ちというか、精神を指し示してくれているような気がして、、

わたしが、ジャーナリストとか、新聞記者が大嫌いな理由と逆で、やっぱり、本物のプロは、嘘をつかないし、謙虚で.....ステキ!!!

図書館の人も、この本を「自分磨き本」として、ピックアップするなんて、センスあるぅーー!

この本に出会っていなかったら『田中小実昌エッセイ・コレクション』とか、殿山泰司の『JAMJAM日記』とか読まずに死んじゃうとこでしたし、

『嵐が丘』の新訳にも気づいてませんでした。海外古典を読むのに、何度も、新訳に期待してしまうとか、ジョニー・デップも丸谷才一訳でジョイスを読んでみたら....とか、チラっと思っていたけど、年代ごとに再読する、新たな楽しみになっていいかも。。と考えを改めることにしよう。

待ってて!ヒースクリフ!!!
♪Heathcliff, I'ts me Cathy. Come home. I'm so cold!
Let me in a your window♫

◎Kate Bush - Wuthering Heights

◎『恥ずかしい読書』(アマゾン)

[目 次](小見出しは部分省略)

第1回「歯磨き読書」
中身は難しくてもページを開くことはカンタンだ/「絶望的な気分」の正しさ/秘訣は歯磨き粉の分量にあり/1日3回、哲学書でギアチェンジ.....

第2回「強化年間」
読書にあわせて服を変える?/安岡章太郎と過ごした2002年/私の日常に作家が入り込む....

第3回「本に線を引く」
線引き読書の無意味さ.....

第4回「年表と地図を手元に置いて」
漢字が読めないと落ち着かない?/リンクしていく読書....

第5回「本を裸にする」
脱がせて良かった!/そして、はなぎれは残った....

第6回「写しながら読む」
書いた人のリズムや呼吸を感じる/書き写して理解する/書き写すと喧嘩する?....

第7回「トイレと読書」
読むのか、拭くのか/記憶の排泄と密接なかかわり.....

耽溺ルポ Part 1「失われた本棚を求めて」

第8回「本を逆さに読んでみる」
無重力状態で月をみる/地図をひっくり返す.....

第9回「東京ブックトリップ」
若手思想家たちを支えた池袋リブロ/千駄木往来堂、「文脈棚」を読み解く楽しみ/そして神保町。東京堂の「軍艦」を目指せ.....

第10回「散歩と読書」
散歩に持っていくならこんな本/身体にいい読書はあるか.....

第11回「本をよく読む本屋、本を読まない本屋」
忙しいから読まない?/本屋の動体視力.....

第12回「キーワード的官能と哲学」
検索の日々/官能小説の恥ずかしさを乗り越える方法.....

第13回「書店は変わる」
本は出会う環境で変わる......

耽読ルポ Part2「目にいい読書を求めて」

第14回「本を汚す、本を捨てる」
本は美しくなくていい/読んでいない本は売れ.....

第15回「スクラップ考」
愛と挫折の青春スクラップ.....

第16回「手紙と読書」
私信あなどるなかれ/ワンランク上の書簡集/文豪同士の手紙作法/マナーより激情

第17回「本に密着する」
「読まない」理由のあやうさ/1人になる/本を真剣に選ぶ楽しみを.....

第18回「学校の図書館」
私も人の目を気にします/図書館の物語......

☆恥ずかしいブックリスト
__________

[BOOKデータベース]時間がない、お金がない、は理由になりません。難しい、面白くない、も理由になりません。本は、いかようにも読めるのです。いつでも、どこでも、読書する。哲学書から官能小説まで、読書する。ひっそり、ふむふむ、読書する。「読書」という淫靡な快楽を徹底追求したら…こんなことになってしまいました。 ポプラ社 (2004/12)


[PR]
by yomodalite | 2011-10-27 10:34 | 文学 | Trackback | Comments(0)
f0134963_1259769.jpg
談春師匠の噺を聴くのは、実は成城寄席以来なので、ほぼ1年ぶり。

本日は「死神」と「人情八百屋」の2席。

☆続きを読む!!!
[PR]
by yomodalite | 2011-10-26 13:12 | お笑い・落語 | Trackback | Comments(0)
f0134963_10471589.jpg


先日、以前やんちゃさんに教えてもらった千代田図書館に行ってみたら、図書館のイベントとして「靴磨き」をやっていた。“靴をみがいて自分も磨く”ということらしい。

◎イベントは終わってますが....
◎図書館「見直し」計画

わたしは、靴磨きはしてないんだけど、その周辺には「自分磨き」に関連する書籍が、表紙が見える形でディスプレイされていて、こちらは、そのとき目に入った本。

とにかく、今、思想レベルのものじゃないと....って思う気持ちが強いせいか、この赤と黄色の表紙に思わず惹き付けられてしまいました。

赤塚不二夫がいつからマンガを描かなくなったのかに興味があって、少し調べてみたけどよくわからなかった。でも『天才バカボン』は1967年が連載スタートで、1978年に一応完結しているらしい。

赤塚不二夫は、マンガではなく「赤塚イズム」で30年余りを生きてきたのだと思う。

1956年『嵐をこえて』で漫画家デビュー
1962年『おそ松くん』『ひみつのアッコちゃん』連載開始
1967年『天才バカボン』連載開始
1969年「ひみつのアッコちゃん」「もーれつア太郎」がテレビアニメ化。
1971年「天才バカボン」がよみうりテレビ系でテレビアニメ化。
1975年「元祖天才バカボン」がテレビアニメ化。
1988年「おそ松くん」「ひみつのアッコちゃん」がテレビアニメ化。
1990年「平成天才バカボン」「もーれつア太郎」がテレビアニメ化。
1998年「ひみつのアッコちゃん」が放送スタート。
1999年「レレレの天才バカボン」がテレビアニメ化。
2008年 肺炎のため逝去。享年72歳。


赤塚不二夫の代表的なマンガは、ほとんど「アニメ」になっている。マンガをあまり描かない、というか、天才マンガ家として苦悩の時代に、アニメからの莫大な収入があったことが、タモリを育てることになったんじゃないかと思う。

本書の中で、赤塚氏は何度かタモリにちょっぴり厳しいことを言っている。でも、タモリはタモリで、赤塚が自分を育てたことを重く考えていて、『いいとも』を棄てられないんじゃないかな。。で、そーゆーことは、タモリと同じ「獅子座」の中居くんに強く影響を与えていて....というような想像を、わたしは勝手にしていて、勝手に残念に思っていたりする。

本書の対談が企画されたのは1999年の春で、対談終了したのは2000年。生きている間に赤塚らしい対談本を作って欲しいという夫人の願いにより実現した、赤塚不二夫最後の対談集。

赤塚氏ともっとも関係の深いタモリとのエピソードは色々知られているけど、本書で語られていることを、タモリの口調以外で読むと笑えるというよりは「壮絶」としか言いようがなかったり、

柳美里はすごく緊張してるけど(そりゃそうだよね..)色々がんばっているという感じで、

立川談志(赤塚に立川不死身という落語家名を与えた家元)とは「がん経験者」としての話、若手の笑い、フレッド・アステアの『イースター・パレード』(談志はアステアが大好き)や映画の話、桂枝雀の鬱やもちろん落語の話も。。

赤塚氏が「志ん生の、蛙が立って歩くやつ。吉原行くやつ」って言ってるのは『蛙の遊び(蛙の女郎買い)』という噺。(私もこれが大好きで何度も聴いてる)

北野武は、映画の話が多くて、この当時大島渚の『御法度』に出演していて、赤塚氏はたけしが原作で以前の助監督が撮った『教祖誕生』が面白かったとか、たけしはウッディ・アレンの『カメレオン』が好きだとか....

ダニエル・カール氏には、開口一番「会いたかったんだよ。あなたにお会いしたかったの。昔からファンだったんだよ。4年前の『徹子の部屋』に出たときのビデオも持ってるんだよ.....で始まり、最後は「だけどこいつは外人なんだから、こんな奴と話しても仕様がないんだ。俺の娘がさぁ、イギリス野郎とな.....」で終わります。

荒木経惟は本書の表紙の写真も撮影。赤塚氏はアラーキーの妻陽子さんのことを凄いイイ女、本当に何でもわかってるイイ女だったと言ってますが.....酷いことしてますw

松本人志は『赤塚不二夫のマンガ入門』を見て漫画家を目指していた。松本の『VISUALBUMー安心ー』(コントビデオ)の「荒城の月」、『ごっつええ感じ』のトカゲのおっさんの話、松本が一生懸命にやらないと...と言うと、赤塚氏は「タモリに言っとこ....見習え!って」

対談中も当然のように酒を求め、最後までグラスを手放さなかった赤塚氏のお酒は、30歳を過ぎてから対人恐怖症をやわらげるためだったらしい。このときは相手をホテルで迎えるときは、2時間も前に約束の部屋に入りベッドで横になり、身体の快復に努めた。

この本は「赤塚イズム」の基本を学ぶには、あまり良書ではないかもしれないけど、わたしは「偉人の晩年」に興味があって読みました。物語系のマンガはあまり読まないのだけど、ギャグマンガは大好きで、

乙女よりも、もっと儚く、そして尊いギャグマンガとギャグマンガ家の「命」とか「魂」とか、出版社がもっともっと大切にしてくれたらなぁと思う....

◎赤塚不二夫対談集『これでいいのだ。』(アマゾン)

赤塚不二夫の対談集として、2000年1~7月『サンデー毎日』連載を中心にした『バカは死んでもバカなのだ』も忘れずに読まなきゃ。。
___________

[内容紹介]天才たちの言葉を聴け。『天才バカボン』『おそ松くん』で日本の笑いの歴史を変えた天才・赤塚不二夫が、同じく天才と呼ばれる者たちと語り合う。笑いの神髄に迫る言葉の数々、心して聴け。赤塚不二夫VSタモリ、北野武、松本人志、立川談志、荒木経惟、ダニエル・カール、柳美里の対談集。天才たちの対話は、ときに笑いの神髄に迫り、ときに生と死に触れ、ときに常人の理解を超えた高みに達する。笑いを極めたい者、生に迷う者、必読! 単行本(2000/1/14)、文庫版メディアファクトリー (2008/12/20)

[PR]
by yomodalite | 2011-10-25 10:55 | 評論・インタヴュー | Trackback | Comments(4)
f0134963_14294938.jpg


ジョニー・デップのことをあれこれ書き始めたときに、MJを演じる可能性...という理由を挙げてしまいましたが、私は、MJとジョニー・デップ本人が似ていると思っているわけではないんです。ジョニー・デップは今の時代を象徴する俳優の1人だと思っていますが、それは、MJやブランドから感じる「歴史的スケール感」とは違う気がします。


☆続きを読む!!!
[PR]
by yomodalite | 2011-10-24 14:56 | MJ考察系 | Trackback | Comments(0)
f0134963_17421462.jpg


つい最近まで、わたしは、映画は、映画監督のものだと思ってました。

ほとんど、すべての映画に、そーゆー表記がありますし....

お気に入りの監督の映画を全部観てみようと思ったことはあっても、お気に入りの俳優が出演している作品を全部観たいと思ったことはなくて、俳優の存在がより感じられる芝居や舞台が今も苦手です。

この俳優が出演しているんだったら、きっとイイ映画なんじゃないかな?と思って、映画を観たことは、もちろんあります。例えば、ロバート・デ・ニーロとか、エドワード・ノートン、ジョニー・デップもそうですね。

デ・ニーロ、ノートン、ブランドが共演した『スコア』(The Score)は、“You Rock My World”と同年の、ブランドの遺作映画で、アマゾンの紹介にもあるように、ノートン、デニーロの共演が話題で、ブランドは3番目の役。出演シーンも2人より遥かに少なく、この映画を最初に観て、ブランドの素晴らしさを認識する人はかなり少ないと思いますし、わたしもそう思います。

ただ、私がわかったのは、やっぱり、ブランドは彼らとは全然違うということでした。

(アマゾン評では、デ・ニーロとノートンの演技決戦の軍配にはいろいろ見方があるようですが、わたしには、これほどノートンがつまらなく見えた映画は初めてで、それが、どういうことなのかも、まだよくわからないのですが....)

これまで、わたしは『ゴッドファーザー』は、“パートⅡ”が一番傑作だと思っていて、最近、ブランド愛から“パートⅠ”を観直したんですが、やっぱり作品としては“パートⅡ”の方が、素晴らしいと思いますし、デ・ニーロは本当に素晴らしい俳優だと思いますが、

デ・ニーロの演技が素晴らしかったというような感動と、ブランドが私に与えてくれた感動とは、桁が違うというか、もう、まるで違うんですよね。

でも、どう違うのか、どうして、ブランドだけにこんなに感動してしまうのかも、まだ、どう説明していいのかわからないんですが、MJが、Singer、Dancer、Entertainerよりも、先に「Greatest Actor」 と書いたことは、ブランドという存在なしにはありえなかったということはますます確信し、(参照:マイケル・ジャクソンの顔について[39])

ジョニー・デップが、his mind is much more important than the acting thingや、He's as important as, uh... who's important today? と言ってるのも本当にそうだと思うんです。(参照:Johnny Depp talking about Marlon Brando[1])

全部にはまだほど遠いんですが、ブランドの初期から晩年までの作品を観て、彼は、デ・ニーロよりも、最後まで様々な役に挑戦してきたように感じていますが、それでいて、デップが言うように、ブランド自身の精神性を強く感じるとは、どういうことなんだろう?

それが知りたくなったので、舞台とか、芝居とか、演技にも、ほとんど興味がなかったにも関わらず、こんな本も読んでみました。


f0134963_17553327.jpg

著者のステラ・アドラーは、ブランドの自伝で「50年代から60年代にかけて演技は完全に変化した。ステラに導かれた世代が台頭するまで、俳優の多くは、私が常に思うところの“個性派”俳優」で、メソッド演技を確立したと言われ「アクターズ・スタジオ」の指導者として高名なリー・ストラスバーグに対しては、「メソッド・アクティング」という言葉はストラスバーグによって通俗化され、汚され、誤用されてきた。

私が成功を修めると、自分の教育の成果だと言い出したことや、通るものなら、太陽や月にさえクレジットを要求する奴だった」
と、かなり激烈な表現で批判し、何もかもステラから教わったことと、彼女への感謝のきもち、彼女の素晴らしさに多くのページが費やされています。(P85〜)

本書の原題は『The Art of Acting by STELLA ADLER』で2000年に出版されたもの。

以下は、ブランド(当時76歳『スコア』公開1年前)による序文


f0134963_18104569.jpg

ステラ・アドラーは私にとって、演技教師以上の存在だ。

彼女が私に伝えてくれたことはこれ以上ないというほど尊く、価値がある。自己の感情が生まれるしくみと、他者の感情が生まれるしくみをいかに見出すか。

いわゆる「メソッド」演技の流行に乗じてまやかしの技法が横行しても、彼女はけっしてそれに組することはなかった。その結果、彼女の演劇文化に対する貢献は世に知られることなく埋もれていった。

私が知る限り、パリに渡ってコンスタンティン・スタニスラフスキイから直接教えを受けた米国人アーティストはステラ・アドラーただ1人だ。スタニスラフスキイはロシア演劇界で最も偉大な存在であり、卓越した人間観察力を持っていた。

彼女は氏のテクニックをアメリカに持ち帰り、自らのレッスンに組み込んだ。それが世界中の演劇文化に影響を与えるとは、彼女自身夢にも思わなかっただろう。

アメリカ映画は世界中の映画に影響を与えている。
そのアメリカ映画に影響を与えたのは、実はステラ・アドラーの演技に対する教えなのだ。
彼女は多くの人に愛され、貢献している。

私の人生に言い尽くせないほど大きな助けを頂いたことを感謝している。また公私にわたり、生涯おつきあいさせて頂いたことを光栄に思う。

マーロン・ブランド


彼女が「俳優」に求める理想は、とてもとても高いので、本書は演技を真剣に学ぼうと思っている人にとっても、厳しい本だと思いますし、ましてや、わたしは、今まで1度も俳優になりたいと思ったこともありませんし、もちろん、今はもっとそう思っていますけど、

ステラ・アドラーは、ブランドが尊敬するだけあって、完全に「思想レベル」の人で、そのせいか、わたしはすごくいっぱい付箋を貼りながら読みました。

また、彼女が「俳優」とは何かについて書いていたことを知ると、MJの「Greatest Actor」や、「映画を撮っていくことの芸術的価値について彼が抱いている想いを知ると、僕は畏怖の念を抱いてしまいます」(参照:映画『ブレイブ』監督・脚本・主演:ジョニー・デップ[2])

と言っていたことや、日々努力を重ねていたことが少し感じられたというか、わたしもますます彼に畏怖の念を抱いてしまいました(って、もうすでに抱き過ぎなんですけど...)

わたしは以前は、MJの映画への思いは、自ら主演するとしても、監督業への興味が大きいんじゃないかとずっと思っていたんですね。彼は2000年頃のインタビューでも、エンターティナーというイメージが強いけど、作曲家としてや、SFの製作においても、クリエーターとして過小評価されているといった不満が感じられたので、

総合芸術と言える映画製作では、監督や、プロデューサーなど、KING OF POPとして以外で、色々とアイデアを実現させたかったことがあったんじゃないかと思っていました。でも、まだ結論を出せる段階ではありませんが、ブランドのことを知って、あの「メモ」を見てから、かなり考えが変わりました。


f0134963_18324227.jpg

◎ステラ・アドラー(ウィキペディア)

詳しいことはわかりませんが、本書はステラが亡くなって8年後に出版されていて、もしかしたら、この出版もブランドの尽力により実現したのかもしれません。

ブランドの序文では「彼女の貢献は世に知られることなく埋もれていった」とありますが、本書の出版が経緯になったのでしょうか?現在、彼女の功績は2006年に「ハリウッド・フェーム」にも刻まれ、ステラ・アドラーの名を冠した演技スクールは今も健在のようですが、そのスクールの名誉会長は生前ブランドが努めていたようです。

☆☆☆☆☆(満点)

◎『魂の演技レッスン22』(アマゾン)

☆「ステラ・アドラーの言葉」につづく

____________

[内容紹介]世界的に多大な影響を与えた俳優教育法で知られるロシア・ソ連の巨匠、スタスフラフスキーから教えを受けた唯一のアメリカ人として、マーロン・ブランド、ロバート・デ・ニーロ、ハーベイ・カイテル、ベニチオ・デル・トロ…など、多くの優れた俳優を育てたステラの魂が宿る、演技のHow-to本ならぬWhat-to本。と同時に、世界を一つの劇場とするならば、その登場人物である全ての人に向けた人生哲学書でもある フィルムアート社 (2009/4/22)

[著者について]1901年、ニューヨークの俳優一家に生まれ、幼少の頃から舞台に出演。1931年、米国の演劇界に新風を吹き込んだグループ・シアターに参加したが、リー・ストラスバーグが唱える感情の記憶を中心とした「メソッド」の解釈に反発。提唱者スタニスラフスキイ本人に教えを乞い、「状況を想像することの大切さ」が氏のメソッドの本意であることを確認した。1947年、自身の名を冠した演劇学校を設立。20世紀最大の俳優といわれるマーロン・ブランドの可能性をいち早く見抜き、『欲望という名の電車』の歴史的名演に導くなどしてアメリカの伝説的演技教師となる。1992年没。


[PR]
by yomodalite | 2011-10-21 18:43 | MJ考察系 | Trackback | Comments(0)
f0134963_1034694.jpg



(1)に続いて、ジョニー・デップがブランドについて語っているインタビューを紹介します。こちらは、2011年のヴァニティ・フェアの最新号(11月号)。ブランドに関することのみ抜粋しているので、最初一部分しか気づかなかったのですが、全部見てみたら、ロングインタヴューの中で、ブランドのことを語っている部分は長いので独立させました。

彼が亡くなってからもう7年経っているのに、ジョニーは何を聞いてもブランドのことを語りたいというか(笑).....私より遥かにゾッコンみたいで(嬉)ますますジョニー・デップが好きになりました。

しかも、このインタビュアーはパティ・スミス!詩人でロックレジェンドでもあり、デップもファンである(画も描いてる)彼女のおかげで、その他の内容もすごく充実していて、デップファン必見の内容かも。彼は『ラスベガスをやっつけろ』で演じたハンター・トンプソンを再度演じるみたいですね(『ラム・ダイアリー』The Rum Diary)。

☆トンプソンの小説本ではなく、彼のジャーナリストとしての文章が読める本→『アメリカンドリームの終焉』(翻訳者の副島隆彦氏は実際にトンプソンに会いに行って『アクターズスタジオ』でデップが語っているのと同様の体験をして翻訳されてます。入手困難なうえに20世紀史への興味とロック魂の両方がないと読むのも困難ですが...)



f0134963_1036162.jpg


☆2011年「ヴァニティフェア誌インタヴュー」
◎"Vanity Fair," The Crowded Mind of Johnny Depp by Patti Smith

日本語部分は私訳なので・・気になる点はぜひご指摘くださいませ

Smith : Do you have any actors that you studied from the past, actors from any era, who were helpful either in a specific role or just in general?

過去に研究した俳優はいますか?彼らの演技は今の時代においても有用でしたか?

The guys I always adored were mostly the silent-film actors, Buster Keaton first, Lon Chaney Sr., and Chaplin, of course—those three for me.

僕が敬愛したのは、ほとんど無声映画の俳優なんだ。1位はバスター・キートン、ロン・チェイニーとチャップリンももちろんです。彼ら3人から僕は影響を受けた。

And John Barrymore. The gods: those are the gods. And then you've got the people that came out of that, Paul Muni, certainly ...

それと、ジョン・バリモアは神だな。そのあと、そこから出て来た人々...ポール・ムニもそう。


f0134963_10365131.jpg


But Marlon, it wasn't until Marlon Brando came along that … it was revolutionary, it just changed everything. The work he was doing, Streetcar —completely different fucking animal. And everybody changed their approach from that moment on.

でも、マーロン、マーロン・ブランドは彼らからではなく、それは革命的なんだ。彼は何もかも変えた。彼は『欲望という名の電車』で、今までとは異なる野性的な男を演じて、そのアプローチで誰もが変わったんだよ。

smith: He was bigger than—I don't know how to say it—it was almost like the screen could not contain him. Does that make sense?

彼より大きな存在... 私にはスクリーン上の彼のことをどう言っていいのかわからないのですが、それは何だと思いますか?

depp: Absolutely. I don't know what the fuck it is, or was, but, at that time—especially at that time—he had too much.

うん。それはスゴすぎて僕もわからない。でもその時...その特別な瞬間に....彼はものすごく多くを持っていたんだ。


f0134963_10504680.jpg

And the shape of his face and his nose and his—and the distance between his forehead and his eyebrows, and whatever was going on for whatever genetic reason, or whatever.

彼の顔、彼の鼻の形、そして彼の額と眉と眉の間の距離、彼の知性といった遺伝的なものから、何もかも。

He was placed in that spot for that particular thing. And, man, he cranked it. He just absolutely owned it.

彼のいる場所は常にスポットライトが当たっていて、人もカメラも、彼はすべてを動かしその場を支配していた。


f0134963_10531891.jpg


smith: It's interesting when one individual—whether it's Michelangelo, Coltrane, Bob Dylan, Jackson Pollock—they're so inspiring, and they help beget almost a whole school, but no one can touch them. They have this place of kingship, but also solitude.

1人の人間として興味深いですね。ミケランジェロ、コルトレーン、ボブ・ディラン、ジャクソン・ポロック...彼らは多くの影響を与え、すべての学校の教師も生徒も支持するでしょう。しかし、誰も彼らに触れられないし、彼らのような王座には孤独もあります。

depp: And Marlon hated it. He hated it, which is probably why he rejected the whole idea of it, you know, and made fun of it.

マーロンはそういったことを嫌っていたね。彼はそういったイメージをとことん拒否していたし、面白いことを常に考えていた。

But I know it's bullshit. I know he was capable of the work and worked hard when he did the work. I saw him do it, you know. He did care.

そういったイメージは本当にくだらないよ。僕は彼と仕事をして、彼の熱心な仕事ぶりを通して彼を知っている。彼はとても気を配っていた。


f0134963_1057361.jpg

smith: Throughout your life you seem to have had beautiful relationships with a succession of mentors—Marlon, Hunter, Allen Ginsberg. You hold these people with you. Is that something that has just come your way? Or is it something that you seek in life?

あなたの人生にわたるメンターである、マーロン・ブランド、ハンター・トンプソン、アレン・ギンズバーグとは、美しい関係を持ってきたように見えます。あなたは、彼らとの関係から何を受けとりましたか?何かの方法ですか?また、あなたが人生で求めるものは何ですか?

depp: I think it's probably a combination. It's never been a conscious sort of searching, but it did happen with these guys. The combination probably goes back to memories of my grandfather. We were very, very close, and I lost him. I was about nine.

それはコンビネーションじゃないかな。意識して探索してなかったけど、彼らから受けとったと思う。そういったコンビネーションは、なんとなく祖父の記憶を思い出すんだ。僕たちはすごく親密だったんだけど、僕は9歳のときに彼を失った。


f0134963_10584758.jpg
Johnny Depp painted Marlon Brando



smith: Do you ever think of doing plays? I think it would be wonderful to see you work live.

あなたが、常にやろうとしている演技とは?私はあなたの人生でそれが見られたら素晴らしいと思うんだけど?

depp: I do, I do, I do. The bitter pill that I swallowed was with Marlon, who asked how many movies I did a year.

やるよ。やります。マーロンからの苦言だけど、彼は、僕が一年にどれだけの映画に出演するか尋ねたんだ。

And I said, I don't know—three? He said, You ought to slow down, kid. You've got to slow down 'cause we only have so many faces in our pockets.

それで、僕は、そうだなぁ、3本ぐらい? 彼は、「お前は、もっとゆっくりやるべきだよ、坊主。もっとペースを落とした方がいい。俺たちは、ポケットにたくさんの顔を持っていなくてはいけないんだからな」

And then he went on to say, “Why don't you just take a year and go and study Shakespeare, or go and study Hamlet. Go and work on Hamlet and play that part. Play that part before you're too old. I thought, ” Well, yeah, yeah. I know Hamlet. Great. What a great part, great play, you know, this and that, And then the killer came.

それから、彼はこう言ったんだ「1年間ずっと、シェイクスピアだけを研究するとか、ハムレットをやってみるとか。。ハムレットに影響を与えられるようなそんな仕事をしなさい。そんなに年を取る前にそれを演じてみるべきだ」うんうん確かに、ハムレットは偉大でそれは重要な役柄だよね。それで、なんだかんだあって「殺人者」の役が来た。

(Brando) said, “I never did it. I never got the chance to do it. Why don't you go and do it?” He was the one that should've done it, and he didn't. He didn't. So what he was trying to tell me was play that f****** part, man. Play that part before you're too long in the tooth. Play it. And I would like to. I'd really, really like to."

ブランドは言ってたよ。「私はそれをしなかった。私には、それをするチャンスが与えられなかった。君は何故それをやらないんだ?」彼はそれをするべきだったのにしなかった。それで彼は僕に初老になる前に挑戦するように言ったんだ。演じることは好きだよ。僕は実際にそうすると思う。(インタヴュー引用終了)



f0134963_11104775.jpg

☆パティ・スミスのレジェンド曲!
♫Because the night belongs to lovers!Because the night belongs to lust...♫

◎Patti Smith Group - Because the night 1978


f0134963_11143056.jpg


☆コンガを叩くブランドの子どもみたいな顔がたまらないっ!! 演奏は9:35〜
◎Person to Person with Marlon Brando (1955).avi

☆しばらく消えていたブランドのコンガですが、
こちらのとても素敵なブログの方が発見してくださいました!

◎マーロン・ブランドとコンガについて(1)
◎マーロン・ブランドとコンガについて(2)


☆これは、コンガを叩くブランド以上にたまらないっ!!! MJの“a-ha!” 初回は1:45〜
◎Diana Ross & Michael Jackson "EATEN ALIVE" (Extended)





[PR]
by yomodalite | 2011-10-20 11:17 | MJ考察系 | Trackback | Comments(0)
f0134963_10361324.jpg


MJをテーマにした映画の主演俳優として、すぐに名前の挙ったジョニー・デップ(1963年6月9日生まれ。MJより5歳下、現在48歳)を通して、MJの映画への思いや、ブランドへの思いを探ってみようと思います。
以下は、ジョニー・デップがブランドを語っているインタヴュー。

デップとブランドの親密な関係は有名で、彼もそれを語りたがり、インタビュー側もブランドのことを聞きたがっていることが多く、2011年の最新のものでも、ブランドのことを語っているものが容易に発見できるので、このあとまた追加していくと思います。

日本語部分はyomodaliteのテキトー役なので、充分にご注意の上、気になる点はぜひ指摘くださいませ。



f0134963_10373825.jpg


◎1995年「プレミアマガジン」インタヴュー

On Marlon Brando 

Marlon Brando is maybe the greatest actor of the last two centuries. But his mind is much more important than the acting thing. The way that he looks at things, doesn't judge things, the way that he assesses things. He's as important as, uh... who's important today? Jesus, not many people... Stephen Hawking!


マーロン・ブランドについて
ブランドは恐らく過去2世紀にわたって偉大な俳優であり続けるだろう。でも、彼の精神は彼の演技よりはるかに重要だ。彼のものの見方は、それを審査するんじゃくて、そのもの自体を評価することなんだ。彼のように重要な存在なんて・・・現代において、誰がいる? ジーザス?....ホーキング博士?


f0134963_10434147.jpg

◎2011年「英国ミラー紙インタビュー」

Despite missing out on the title, you’re considered one of the sexiest men in the world, but which men do you think are sexy?

タイトルは逃しましたが、あなたは世界で最もセクシーな1人と考えられています。あなたは、誰がセクシーだと思いますか?

JD : Who's sexy to me? Marlon Brando… there was something he had that was unexplainable, it was just this, whatever – charisma? Marlon definitely had it.

誰がセクシーかだって? マーロン・ブランドだよ…彼が持っていたものは説明なんかできないよ。それはまさにカリスマというか、マーロンは間違いなくそれを持ってた。



f0134963_10525193.jpg


MARLON BRANDO YELLED AT JOHNNY DEPP
マーロン・ブランドはジョニー・デップに怒鳴った。

Hollywood star Johnny Depp refuses to discuss his personal life with reporters, ever since late movie icon Marlon Brando admonished him for talking about his daughters in a TV interview.

ハリウッドスターのジョニー・デップは、かつての映画スター、マーロン・ブランドがテレビインタヴューで、彼の娘について話すことを忠告して以来、デップはリポーターに彼の私生活について話すことを拒否しています。

Depp was surprised to receive an angry phone call from Brando, who died in 2004, just moments after the interview aired. He says, "I had done some television interview, and they asked about my family life and kids.

デップは、ブランド(2004年に亡くなった)から、放映されたインタヴューのすぐ後に、怒りの電話を受けとり驚きました。彼は、「わたしは、家族や子供について尋ねられても、いかなるテレビインタヴューも受けない」と。

I talked about how I'm a proud father and how much I love my kids and how they're fun and what we do and how it's great.

僕は父親でいることの誇らしさとか、どれほど子供を愛しているかについて話し、そして、それがどのように楽しいか、また、僕たちが何を行うか、そして、それはどのように素晴らしいなどを語っていた。

"I was thinking that if in 25, 35 years my kids watch old footage, I'd be proud for them to see their dad saying how much he loves them.

僕は25年か35年後に、子供が古いフィルムを見たら、パパが彼らをどれほど誇りに思っているか感じてくれると思っていたんだ。

"Well, the show aired, and I get a phone call : ‘What the f**k are you doing?’ I said, ‘Marlon, what are you talking about?’ He said, ‘That's none of their business!’ "I tried to say, ‘Marlon, listen, man, I only wanted my kids to…’ And it was like he gave me this sort of once-over.

で、その放映後、僕が電話を取ると、彼は、「お前はなんてバカなことをするんだ?」僕は、「マーロン、どうしてそんなことを言うんだ?」彼は、「あんなのは、仕事でもなんでもない!」僕は、「マーロン、聞いてくれ。僕はただ子供が必要だということを、少しだけ・・・」

‘You don't do it, man. That's your world and it's nobody else's business. It's not anybody's entertainment.’ And he was right."

「お前はそんなことするな。それはお前の世界であって、他の誰のものでもない。そんなのはエンターテイメントじゃない」彼はまちがいなく正しかったよ。



f0134963_11173.jpg


◎『アクターズ・スタジオ ジョニー・デップ』(Inside Actors Studio) より

マーロン・ブランドといくつものシーンを演じた感想は?

マーロンとの共演で学んだ大切なことは......真顔でいることだ(笑)ほとんど不可能に近い。多くの場合、それが一番の目標だった(笑)最後まで吹出さずに撮るのに苦労した。

マーロンが面白いから?

彼が笑わせるんだ。最高に面白い。とにかくこらえるのが大変だった。

親しくなりました?

彼から多くを学んだ。僕の偉大なる師であり友人だ。

(下記はテレビ未放送部分)

映画『ブレイブ』へのブランドの出演は?

あれも不思議で、僕は最初からマーロンを念頭に役を書いた。でも、それを彼に押し付けるのは嫌だった。「あなたの役を書いたから演じてくれ」と、そう頼むのはお互い気まずいと思ったんだ。それで、その役だけ未定のまま、撮影初日を迎えたんだけど、初日に電話がかかってきた。朝の8時ころに、マーロンからね。

「坊主 どうしてる?」(ブランドのモノマネで会場笑)

実は今日がクランクインだと伝えると、マーロンが自分が演じる役はないのかと聞いてきた。僕は動揺を隠しつつ「実はあるんです」...「もし良かったら、撮影は2日くらいで」すると彼が「台本を送ってロケ先を教えてくれ」と....


すごい話だ。。



f0134963_1184747.jpg


◎10 Things You Didn't Know About Johnny Depp

He had a close connection with Marlon Brando.For some reason, Brando took a liking to Johnny Depp, calling him one of the greatest actors of his generation. It's clear Johnny admired his friend as well, as he used his best Marlon Brando impression for his small, additional role as a priest in Once Upon a Time in Mexico

彼は、マーロン・ブランドとの綿密な関係をもっていた。ブランドはいくつかの理由で、ジョニー・デップを現代で最も優れた俳優と呼び、ジョニーも同様に彼を賞賛している。彼は『レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード2』で、聖職者の役を演じるのにブランドの影響が小さくなかったことを明らかにしている。






[PR]
by yomodalite | 2011-10-19 11:14 | MJ考察系 | Trackback | Comments(0)
f0134963_10435570.jpg

[NOTICE]わたしは基本的に、報道の中のMJには興味がないですし、始まる前から何度も言っていますが、この裁判がMJの正義に関係があるとは思えません。ただブログに書いてしまったことで間違っていた点があったら訂正しなくてはという「責任」でざっくり情報を追っていて、この件に関しては、ライブを傍聴したり、英文サイトを読んだりということはあまりしてません。翻訳して情報を伝えてくださっている、いくつかのサイトから、重要だと思うポイントだけ確認しています。

☆続きを読む!!!
[PR]
by yomodalite | 2011-10-16 11:20 | always happy | Trackback | Comments(12)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


by yomodalite