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ヤンキー文化論序説/五十嵐太郎(編)

ヤンキー文化論序説

五十嵐 太郎/河出書房新社

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浮世絵や、江戸時代の風俗を見ていたら、「ヤンキー」的なものには、明治以降の近代化以前の日本が見えることに気づいた。

例えば彼らのリーゼントにしても、金髪にしても、外国人コンプレックスではなくて「歌舞伎」だし、ガングロもヤマンバも黒人コンプレックスではなく、渋谷ギャルは出雲阿国や辰巳芸者を生んだ「踊り子」と繋がっている。(本書では酒井順子氏が同様なことを書いておられました)

私はヤンキー的なものに惹かれたことは一切ないし、ファミレスやドン・キホーテ、コンビニすらほとんど行かないし、現在住んでいる地域は、東京都心部の中でも最も「ヤンキー」的なものが見られない地域だと思うのだけど、それでも、E・YAZAWAのロゴステッカーを張った車から逃れることは出来ないことを考えると、ナンシー関氏が、日本人の5割は「銀蝿的なもの」を必要としていると断定したことに間違いはないと思う。

日本人のヤンキー的意識は拡げていけば、歌舞伎座の高級きもの集団や、女性起業家のシャネル好きにも繋がっていくものだと思っていたのだけど、気になっていたのは男子のヤンキー文化が廃れていること。

本書では「ヤンキーマンガダイジェスト」の森田真功、「映画『国道20号線』はなぜ世紀の大傑作なのか」の宮台真司、「ヤンキーたちは地域に戻ることができるのか」の阿部真大がそれについて触れられていて興味深かった。

また、斎藤環氏は「ヤンキー文化と『キャラクター』」で、酒井順子氏との対談集『「性愛」格差論』の中で酒井氏が「平安時代にもヤンキーはいた」ことを紹介し、対談では、家の外壁のイルミネーションや、ルミナリエ、ピーチ・ジョンの下着、桐野夏生、中上健次まで列挙されていて至極納得。

宮台真司、酒井順子、近田春夫、斎藤環。。。などおよそヤンキー文化と関係なさそうな豪華執筆陣ですが、上滑りのコラムではなく、執筆陣の数だけのヤンキー論が満載で、「日本論」としてとても興味深い内容。これまでヤンキーに一切関わりなかった人に!

「情報工学Passion For The Future」
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/03/post-951.html
_______________

【内容紹介】思考や行動の様式から、ファッション、音楽、マンガ、映画、アート、建築まで——いまこそ、ヤンキー文化の豊潤な可能性を見よ! 執筆・インタビュー:都築響一、宮台真司、斎藤環、酒井順子、近田春夫、永江朗、速水健朗ほか  河出書房新社 (2009/3/3)



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by yomodalite | 2009-03-29 22:59 | 評論・インタヴュー | Trackback(1) | Comments(0)

橋本治と内田樹/橋本治、内田樹

橋本治と内田樹 (ちくま文庫)

橋本 治,内田 樹/筑摩書房



橋本治氏には、三島由紀夫を読み解いた『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』などの名著があるのだけど、橋本氏のことを論じた文章は読んだことがない。と思っていたところ、わかりにくいことを説明する名手と名高い内田樹氏が、橋本治に挑んだ本があると知って、興味津々で読んでみました。

2004年の冬の対談である「Ⅰ」では、内田樹は橋本治のファンであると名乗り、二人の母校である70年前後の東大のことから話は始まる。

「Ⅰ」で内田氏が引出した一番のキーワードは、橋本治は「パブリックの人」であるということ。パブリックであろうとする橋本治に評論家が手を出せない状況や、文壇でのポジションがないことなど。。

また職人としての自分をメルロ・ポンティは知らないけど、カルロ・ポンティなら知ってる。と橋本治。内田氏は自分が対談の相手として人気なのは、聞き役が上手いからというものの、インテリとしての役割不足は否めない。

2005年の春の対談である「II」では、作家になってから批評なしでここまできたという橋本治の強固な自分語りの聞き役に徹し過ぎた感があった「Ⅰ」に比べると、「Ⅱ」は内田氏も自分を語ることで、橋本治との違いを強調したり、変調が見られ、内容もますます深くなっていく。

ただ、いずれにしても、リードしているのは橋本氏で、内田樹にしてこんなものかなぁという感じ。

あちこちにキラキラと光る砂金が見えるのだけど、なかなか救いとるのは難しく、またキラキラしているのは、すべて橋本治印がついている、というような本です。

内田氏は「まえがき」で『桃尻娘』以来のファンである橋本氏との共著で本を出すことの喜びを語っているのだけど、本著の出来上がりを見てきっと悔しい思いをしているにちがいないので、きっといつか『橋本治論』を書いてくれることを期待してます。それにしても、どうして対談後、出版まで3年もかかったんでしょう。

「大物じゃない限り、主観を出しちゃいけない」

大勢がブログをやっているということについては、

「参考にするんじゃなくて、とにかく参加したい」。

「私は批評はいらないんです。ちゃんと紹介してくれれば」


など、本当にためになった本は、できるだけ感想でなく紹介することができたらと、私も思ってはいるのですけど橋本治氏の本を紹介するのは、むずかしいなぁ。特にこの本は、そういう感じ。

とりあえず、『デヴィッド100コラム』『ロバート本』『アストロモモンガ』はいち早くチェックしていたのに、『嘘つき映画館シネマほらセット』を読み忘れていたことに気づいたので、早く読みたいと思います。

【目 次】

まえがき 内田樹
#1 くだらないことに命懸けるところあるんですよね。
#2 うっかりするとね、「美しい」の上に 「とても幸福だ」があるんですよ。それはあえてやってる。
#3 メルロ・ポンティは知らないけど、カルロ・ポンティなら知ってる。
#4 議論とか論争がわかんないんですよ。闘犬や闘牛をはたで見てるようなもんじゃないかっていう……。

II
#5 「本を読むときに眼鏡をかけると、なんかインテリになったみたいな気がして」「先生、それ中学生ですよ(笑)」
#6 「あっ、君の中にすばらしいバカがあるね」と言って、ピンとくる人ってどれだけいる?
#7 人間の話は全部講談だから、講談が扱ってないことに関して、日本人は何も知らないんですよ。
#8 光源氏がセクハラ親父になって孤立していくあたりが、すごく哀しくてね……。
#9 竹垣の向こうに人が住んでるから、秋になると秋刀魚をくれるんですよ。
#10 ちゃんとした紹介が、最大の批評だと思うんです。
#11 アメリカの不幸は土地の神様がいないこと。ジャパニーズ・ホラーで「祟りなす神」まで輸入している。
あとがき 橋本治

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【内容紹介】いま自分が子どもや高校生だったら、つらすぎる/橋本さんは「パブリックの人」/期間限定で「民主主義」が輝いていた/ヤなやつは小説の主人公にならない/自分がわからない(内田)×他人がわからない(橋本)/お洒落とは自分を消すこと/自分の中にすばらしい“バカ”がある/禁煙ファシズム/光源氏がセクハラ親父になって孤立していくあたりが、すごく哀しくてね…/人間の話は全部講談だから、講談が扱ってないことに関して、日本人は何も知らないんですよ/「私の最大の破壊は建設である」/距離がないと関係は深まらない/三島由紀夫の描写はなぜすごいか/ちゃんとした紹介が、最大の批評/アメリカの不幸は「土地の神様」がいないこと(ほか)

話題の対談集、ついに刊行!文学歴史芸能に、教育問題、身体論。はたまた米中の行方まで。抱腹絶倒、痛快無比。当代きっての柔軟な知性が語りつくす、世界と日本の現在過去未来。不毛で窮屈な論争をほぐして、「よきもの」に変えるおじさんの智慧がここに凝縮。読むと希望が湧いてきます。 筑摩書房 (2008/11/27)



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by yomodalite | 2009-03-28 00:07 | 文学 | Trackback | Comments(0)

「鬼平先生」流 男の作法、大人の嗜み/佐藤隆介

「鬼平先生」流 男の作法、大人の嗜み

佐藤 隆介/講談社



著者の佐藤隆介氏は、編集者として池波正太郎に会い、その後10年間書生をし、本を作る手伝いをし、旅行には必ず同行していた。そんな生粋の池波狂が書いた男の作法、嗜みとはどんなものなんでしょう。旦那が図書館で借りてきたので、ざっくり読んでみました。わたしは池波正太郎の本をあまり読んでいないので、池波氏の愛した店などといって崇める人の気持ちが今イチわからないのですが、男にしろ女にしろ、大人の流儀は極めたいものですからね。

「食」「粋」「家族」「生き方」、、、なんとなく本書の女編を考えながら読んでいたのですけど、これだけやれば「男」として、そこそこイケてるのだったら実に楽なものですね。男の作法は実にシンプルでいいですね!女の作法とか嗜みの世界は魔境ですが・・

【目 次】
はじめに
「男が生きる」ということ
第1章 男を鍛える「食の流儀」
蕎麦屋酒/ウィスキー/お楽しみ袋/片口/酒道/鮨屋心得のこと/食日記
第2章 男を究める「粋の構造」
落書き箋/ポチ袋/男の「へそくり」/文人になろう/早め早めに/手みやげ/名刺/男の「けじめ」
第3章 男を揚げる「家族の掟」
父親の復権/女房教育/女房と母親の間で/女房の公休日/誕生日/教育は食卓にあり/もう一匹の家族/エンジェル係数/親馬鹿
第4章 男を糺す「真の生き方」
学会のススメ/無心の時間/旅の効用/男の休日/生涯現役/乱読/私の遺言状
あとがき
鬼平先生からの請売り集のはずが、亡師の名を借りて勝手に独断と偏見を書き連ねたと、言われてもしかたがないようなものになっている。こんな本を書いたおかげで私はまた恥をかくことになるが、恥を恐れずどんどん恥をかいて、その口惜しさをバネにして明日も生きる、というのが私の生き方だ。そういうしぶとい生き方も亡師 池波正太郎から教わったことにしてしまおう。

____________

【出版社/著者からの内容紹介】「鬼平先生」こと池波正太郎から学んだ、男を結実させる「生きる術(すべ)」
書生として10年間、衣食住にわたって叩き込まれた「男の生き様」。「大人の男」の粋と洗練、人生の機微を、亡師の作品や言葉で伝える!

鬼平こと鬼の平蔵は池波正太郎の一分身である。鬼平イコール池波正太郎といってもよいだろう。ということになれば、まがりなりにも10年、池波正太郎の身近にいて裏方をつとめた書生が「鬼平=池波正太郎の男の生き方」について少々駄弁をふるっても許してもらえるだろう……と、自分勝手に理屈をつけた。その結果がこの一書だ。——「あとがき」より 講談社 (1998/06)



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by yomodalite | 2009-03-24 17:57 | エッセイ | Trackback | Comments(0)

アメリカは今日もステロイドを打つ USAスポーツ狂騒曲/町山智浩

アメリカは今日もステロイドを打つ USAスポーツ狂騒曲 (集英社文庫)

町山 智浩/集英社




アメリカ在住、町山智浩氏によるアメリカ本、本書はスポーツ編。

タイトルのステロイドとは、筋肉増強剤のそれ以外にも、学習のための覚醒剤、演奏の前に飲むアガらない薬、整形...遺伝子ドーピングの時代の到来、勝つためには手段を選ばず、障害をも「強さ」で乗り切ろうとするアメリカが、これでもかと紹介されます。

アメフト、バスケだけでなく、アメリカだけで異常に盛り上がっているスポーツが網羅されていますが、スポーツに興味がなくてもカルチャー本として充分読ませる内容。流石です。

まえがき もっとデカく!強く!速く!
筋肉こそがアメリカ。デカくなるために、強くなるために、速くなるために、アメリカはどこまでも突き進んでいく!

第1章 強さこそはすべて—All You Need Is To Be Strong
ステロイド使用の蔓延が引き起こす悲劇と、すべてを犠牲にして可能性の低いスポーツ業界での成功に賭けるモンスターペアレンツ。メジャーリーガー、プロレスラー、チアリーダー、ボクサー、サーファー。。。

第2章 悪魔に挑む男たち—Daredevils
85キロ以上の距離を走るウルトラマラソン、スケボー禁止から生まれたパルクール、スタントライダー、高さ360mの綱渡り、フリースタイルモトクロス。。。ハイリスク、ローリターンな競技に人生を賭ける者たち。

第3章 スポーツ犯科帳—Sports Crime File
『リアリティTV』が生んだ悲劇、精神障害でホームレスのサッカー選手の名探偵ぶり、詐欺ストリッパー、友人を殺害してしまったボクサー、NFLのスターが運営していた闘犬、NFLのスパイ事件、ハルク・ホーガン一家を崩壊させた息子の飲酒運転など、スポーツ選手の犯罪の数々。

第4章 私を観戦に連れてって—Take Me Out To The Ball Game
スポーツ観戦にまつわる話題。NFLの定番ソング、ロケット工学者のチアリーダー、大リーグで三千個のボールを集めた男、一万敗もしたチームのファン意識。野球カードの異常な高騰。

第5章 アメリカンスポーツの殿堂—Only In America
60歳にしてガチで勝利した女子プロレス最強の選手、ぶつかるのを避けるなんて男じゃないデモリッションダービー、地獄のマリアたちによるローラーダービー、ビンボー白人運動会レッドネックゲームス、10年間で18人の死者や度重なる脳障害や耳がちぎれてもアメフトは止められない。ダンクが変えたNBA。

第6章 多民族国家のバトルロイヤル—Racism In Sports
チームのマスコットはインディアンばかり、「障害を持つ人を映画に出さずにいられない」ファレリー兄弟、NFL唯一のアジア系スターはアフリカと韓国とのハーフ、レスリングも、大リーグも試合後に宗教ショーがある、未だに黒人監督やオーナーはいない。アリのラップ、NFLのスター選手スコット・フジタはブロンドでブルーの瞳。DJの差別発言。

第7章 敗れざる者たち—The Undefeateds
『ミリオンダラー・ベイビー』原作者の人生、車椅子ラグビーは「殺人ボール」、片足のスキーヤーの壮絶ガン人生、四肢欠損のアマレスチャンプ、人民寺院教祖の息子とバスケットボール、カリフォルニア工科大学のバスケチーム、一万敗したチームが世界一に、ミッキーロークが演じたプロレスラー。

_____________

【内容紹介】アメリカの10代のステロイド使用者数、30万人! プロスポーツ選手になれる人は、たった2400人しかいないのに。なぜアメリカ人は副作用を知りつつ、ステロイドで筋骨隆々の体になろうとするのか…。その他、娘をチアリーダーにしたくてライバルを殺そうとした母親。マラソン10回分(421.95km)を75時間で走るエリート・ビジネスマン。1枚の野球カードに3億円払う人々、などなど。
「アメリカンスポーツ=富と名誉、夢と希望、強くてカッコいい」の思い込みをぶっ壊すエピソードの数々。「アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない」の著者が暴くスポーツバカ大国・アメリカの真実。

80年代は筋肉の時代だった。大リーグでは、レスラー並の体をしたホセ・カンセコとマーク・マグワイアがバットを大振りしてバカバカとホームランを打っていた。スクリーンではシュワルツェネッガーが、シルベスタ・スタローンが筋肉をうならせてアメリカの敵を倒していた。筋肉こそアメリカだった。(中略)この本は「ビッガー、ストロンガー、ファスター」という言葉に象徴されるアメリカンスポーツの世界で日夜繰り広げられる、異常な事件、笑えるニュース、悲しい出来事、感動的な物語を、アメリカに暮らす異邦人の目から見たコラムを集めています。(まえがきより抜粋) 集英社 (2009/2/25)



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by yomodalite | 2009-03-24 13:45 | 現代文化・音楽・訳詞 | Trackback | Comments(0)

映画『SAYURI』監督:ロブ・マーシャル 主演:チャン・ツィイー

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アマゾンレヴューの、日本文化を履き違えているとか、世界に「日本文化とか芸者ってこんなんなのね」って勘違いされるかと思うと腹立たしいとか、主役が日本人でないとか、なんで英語なの(笑)とか・・・なんだか同じ日本人として恥ずかしいです。舞台が1930〜50年代の日本だとすれば、その当時の芸者を実際に知っている人は70〜90歳のはず。もちろんその世代の人で、この映画を観てブログやアマゾンレヴューに感想を書かれた人がいないとは言い切れませんが、みなさん、どちらで「芸者」をご覧になったのでしょうか?



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国内では『さくらん』や『舞妓Haaaan!!!』のような映画しか創れないくせに、いったいどういう了見で、そんなに偉そうに日本文化を語っていらっしゃるのか不思議でしょうがありません。他のレヴューで発見した意見ですが、

花魁はある意味売春婦でありながら、色は売ったけど決して性は売らないのだ。

こんな妖しげな知識から、国籍が日本人であるというだけで、日本文化について、外国人に偉そうに意見できると思っている人が多すぎるように思います。自ら日本文化を徹底的にないがしろにしてきたくせにに、外人に理解しろとは!!陰影礼賛を外人に教えられても、もうそれに気づくことすらできない日本人ばかり。確かに、ハリウッド映画には妖しい日本文化がよく見受けられますが、これほど芸者や日本文化へのリスペクトが感じられる映画に、芸者への理解が足りないとか、着物の着方が変だとか、ゆがんだプライドもいい加減にするべきです。そもそも映画芸術を誤解していませんか?



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何度も言いますが、あなたが知っている芸者は、いつどこで観た芸者なんですか?その芸者は今ハリウッド映画の大スクリーンで、世界の観客を魅了できるような存在なんですか?あなたが見た芸者は正しい日本の姿かもしれませんが「一流」といえるのですか?



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確か、祇園ではこの映画への協力を断ったと記憶しています。そのこと自体は無理からぬ事情もあると思います。今の祇園は、隠すことで成り立っている部分が大きいですから。もっと日本を研究してなどと書いている人も多く見られるのですが、日本語が読める日本人ですら、難しい分野であることは、日本文化に興味がない人にはわからないのでしょう。下手に興味をもったところで「色は売ったけど決して性は売らないのだ」などと大声で言ってしまうことにしかなりません。



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日本ではとうに廃れてしまった「芸者」へ、美しい想い出を残してくれた外国人に心から感謝。日本文化のために懸命に英語をマスターした日本の俳優たちにも感謝。チャン・ツィイー、ミッシェル・ヨー、コン・リー。この3人のアジア人女優が出演してくれなかったら、この映画はこんなに立派なものにはならなかったでしょう。(仮に英語というハンデがなくても)彼女たち以上の日本女優がいないことは残念ですが、それを認めることから、日本が日本文化を取り戻すスタートにすればいいと思います。




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チャン・ツィイーの元には、かつて芸者をしていた日本の老女から優美な着物の贈り物があったそうです。予告編を観てすごく期待したという元芸者の気持ちの方が私にはすんなり理解できます。



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☆☆☆☆☆(Memoirs of a Geisha でこれ以上の映画はもう二度と無理なので)

“Memoirs of a Geisha Wallpaper”
http://www.helloziyi.us/Galleries/geisha-wallpaper4.htm
http://www.helloziyi.us/Galleries/895zhangziyi_032.htm
________________

【Amazon.co.jp】舞台は京都の祇園ながら、アメリカ人のアーサー・ゴールデンが原作を書き、ロブ・マーシャル監督で映画化。その点だけでも、これは日本人にとって興味津々の作品だろう。幼い頃に置屋に売られた千代が、花街で一番の芸者「さゆり」に成長するまでを、豪華絢爛な映像で描いていく。さゆり役にチャン・ツィイー、彼女が想いを寄せる会長さんに渡辺謙など、アジアを代表するスターが共演。端々に日本語の単語を織り込みつつも、基本は英語の会話というのには違和感もあるが、その分、異色の面白さが味わえるのも事実だ。芸者たちの踊りや着物の着方など、明らかに常識と違う描写にも、マーシャル監督の美意識が貫かれている。日本家屋の暗さや、障子に映る影には、日本映画以上に“日本らしさ”が意識されている気もする。さゆりと先輩芸者の初桃、そのライバルの豆葉など、女たちが嫉妬と確執のドロドロなバトルを繰り広げるのだが、この点はハリウッド製のためか、映像ほど、こってりはしていない。そんななか、桃井かおりの存在感だけは終始、圧倒的だ。(斉藤博昭)



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by yomodalite | 2009-03-22 22:18 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(0)

ハチはなぜ大量死したのか/ローワン・ジェイコブセン (著)

ハチはなぜ大量死したのか (文春文庫)

ローワン ジェイコブセン/文藝春秋




子どもの頃から昆虫が苦手。ミツバチにも近寄ったことはないのだけど、この本を読んだあとには、ミツバチを飼ってみてもいいかも。と思ってしまったほど、ミツバチの行動の賢さ、環境に与える良い影響など、ミツバチの素晴らしさがよくわかる。(本書の付録にはミツバチを飼う、授粉の庭造りという章もあります)

普段は、あまり意識していないけど、果実はミツバチの授粉で生まれている。アーモンドなどのナッツもミツバチがいなかったら口にすることはできないし、巣全体の意志と進化で「高等動物」を恥ずかしくさせるほど高度で複雑な仕事をしているミツバチのコロニーとしての生き方の素晴らしさは社会性昆虫として非情に優れた性質を備えている。

ところが、2007年に北半球から約4/1のハチが消えてしまったのだ。

大勢の養蜂家が必死の治療を行なうも、方向感覚の異常、無気力から死を迎えるハチはあとを絶たない。
科学者たちはこの異変を蜂群崩壊症候群(Colony Collapse Disorder=CCD)と名付け、ミツバチの体液を吸うダニや携帯電話の電磁波から地球温暖化、ウイルスや伝染病、遺伝子組み換えなど様々な原因が探られたがいずれも決定的な原因とは言えない。

CCDは大勢の養蜂家の破滅を生んだが、ハチの長距離巡業、単一の花粉しか得られず、免疫低下を起こし、ウイルスやカビなどに冒され、酷使されている現在の養蜂の実態から、本著は養蜂のビジネス化の行き過ぎを指摘し、農業が生態系といかに共存していくかという模索に解決の糸口を見つけている。

訳者のあとがきでは、本書では語られていない日本ミツバチのこと、また福岡伸一氏による解説では、CCDと狂牛病との類似点と、本書がハチの奇病についてだけのレポートではなく、より大きな問題についての告発の書であることを指摘している。

詐欺まがいの「エコロジー」ではなく、本当の環境問題に興味がある人へ

【目次】
ハチが消えた
あなたのその朝食は
集団としての知性
何かがおかしい
犯人を追う
夢の農薬
おかされた巣箱を見る
人間の経済に組み込まれた
複合汚染
ロシアのミツバチは「復元力」をもつ
もし世界に花がなかったら?
実りなき秋
初霜

◎美しい論理
http://miron.blog.so-net.ne.jp/2009-03-21

◎404 Blog Not Found
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51172029.html

◎銀座ミツバチプロジェクト
http://www.gin-pachi.jp/top.html
___________

【BOOKデータベース】2007年春までに北半球から四分の一のハチが消えた。巣箱という巣箱を開けても働きバチはいない。残されたのは女王バチとそして大量のハチミツ。その謎の集団死は、やがて果実の受粉を移動養蜂にたよる農業に大打撃をあたえていく。携帯電話の電磁波?謎のウイルス?農薬?科学者たちの必死の原因追及のはてにみえてきたのは。 文藝春秋 (2009/1/27)

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by yomodalite | 2009-03-20 23:22 | 科学・環境問題 | Trackback(1) | Comments(2)

御家人斬九郎 最終回「最後の死闘」/蔦吉(若村麻由美)編

蔦吉姐さん最後の艶姿です。


(BGM)One Little Creature "You've Gotta Learn"
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「傘・・・貸すんですよ傘。 返しておくんなさいね・・・」

★続きを読む!!
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by yomodalite | 2009-03-17 23:04 | 美男・美女 | Trackback | Comments(0)

御家人斬九郎 最終回「最後の死闘」/斬九郎編(2)

御家人斬九郎 最終回「最後の死闘」/斬九郎編(1)の続き


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そんなものはくそくらえだ。



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注:この曲は、監督の渡辺謙自らによる選曲でしたが、
2010年ごろからの再放送では使用されていないようです。
楽曲使用料の関係でしょうか。



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by yomodalite | 2009-03-17 18:12 | 美男・美女 | Trackback | Comments(0)

御家人斬九郎 最終回「最後の死闘」/斬九郎編(1)

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御家人斬九郎ファイナルシリーズ最終回。
ご覧になった方だけ、どうぞ思い出しながらご覧くださいませ。
こちらは斬九郎ばかりの写真です。


★続きを観る!!
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by yomodalite | 2009-03-17 17:47 | 美男・美女 | Trackback | Comments(0)

『静かなる決闘』主演:三船敏郎(監督:黒澤明)

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『酔いどれ天使』では、ギラギラした男臭さが全開だった三船が、この作品では若き青年医師の苦悩と使命感を見事に演じています。

『酔いどれ天使』のイメージから、三船の主演抜擢に周囲は大反対するも、黒澤は断固として三船にこだわり、三船はその期待に大いに応えました。写真は、黒澤が足が震えるほど興奮し涙した千石規子とのシーン。(全17枚)



野戦病院での治療により患者から感染した梅毒に苦しむ青年医師は、
看護婦にその苦悩を初めて口にしてしまう。


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考えてみりゃぼくの欲望なんて奴は可愛そうな奴さ。


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戦争が始まる前は若い潔癖な感情でただ、
ぎゅうぎゅうと押さえつけてきた


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戦争中は帰りさえすれば平和な結婚が待っている。
操さんが待っていてくれると言い聞かせていた。


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ところがある日、
僕の体は破廉恥な男の汚れた血液のために、
何の享楽もなく汚されてしまった。
こんなことなら、
こんなことになるぐらいだったらって、
僕だってときどき考えるよ。



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良心的に考えてたら
いつになったら
僕の欲望は満足させられるのかわかりゃしない。


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第一どうして僕はこんなに苦しまなきゃならないんだ。



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僕は梅毒さ!


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しかし、それは僕の罪でもなければ、
僕の欲望の知ったことじゃない。


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僕の欲望はなんにも知らないんだ!
今まで神聖なんだ!


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そいつがときどき泣きわめくんだよ。


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ところが、その欲望を徹底的に叩きのめして
しまおうとする道徳的な良心て奴が
のさばっているんだ。


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くそつまらない良心って奴がのさばっている。
そいつをはね飛ばして、
この欲望の中に埋もれちゃちゃ、
なぜいけないんだ!


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ねぇ、そのほうが人間として正直なんじゃないか!
こんなやせ我慢している僕はただ滑稽なだけだ。
ただ、センチメンタルになっているだけだ。


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操さんだって、結局あたりまえの女だ。
あたりまえの女の肉体をもっているんだ。
その肉体を6年間も思い続けてきた僕が
なんでそれが他の男の女になるのを
黙って見ていなきゃならないんだ。


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まだ遅くはない。今なら操さんと火遊びができる。


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そうだろ、そう思わないか。
峯岸くん。


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僕は恥ずべきことを
言ってしまったようだな。
僕は医者なんだ!
医者の良心をもって
生きていかなきゃいけないんだ。
それがどんなに辛くても。



この後、看護婦峯岸(千石)は、愛する藤崎(三船)を助けたいと自らが犠牲となることを申し出ますが、藤崎は、医者としての事務的な態度でその場を去っていく。女子も男子も胸キュンMAXのクライマックスシーン。ぜひ映像でご確認くださいませ

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【ストーリー】前線の野戦病院で働く軍医・藤崎は、ふとした不注意から手術中に梅毒に感染してしまう。藤崎は秘かに治療をするが効果はなく、復員後も婚約者に隠すが、彼女に触れることが出来ず苦悩する。また、藤崎の婚約者は彼が心変わりしたのかと悩むようになる。

監督/黒澤明
脚本/黒澤明、谷口千吉
出演者/三船敏郎、志村喬、三条美紀、千石規子
音楽/伊福部昭
公開/1949年3月13日



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by yomodalite | 2009-03-14 13:51 | 美男・美女 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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