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リアル鬼ごっこ/山田悠介

アマゾンレヴュー616件!すさまじい酷評と、自費出版から幻冬社文庫、なぜか映画化という作品の真価を探るため、読んでみました


《総評》→どこもイイところがない。驚くほど極フツーにダメ。
(読2002年の初版第4冊)

《出版社・著者》→ネット書き込みを装った宣伝がうまくいきましたね。ヽ( ̄▽ ̄*)ノ
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【出版社/著者からの内容紹介】(佐藤〉姓を皆殺しにせよ!西暦3000年、国王は7日間にわたる大量虐殺を決行。佐藤翼は妹を救うため、死の競走路を疾走する。

【BOOKデータベース】弱冠20歳の新進気鋭作家が放つ奇抜な発想と自由奔放な筆致で描くニュータイプ・ホラー・ノベル登場。史上最凶最悪の追跡劇がいま始まる。文芸社 (2001/11)

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by yomodalite | 2008-01-26 13:36 | 文学 | Trackback | Comments(0)

知られざる魯山人/山田和

知られざる魯山人 (文春文庫)

山田 和/文藝春秋



「魯山人伝の決定版」という出版社の宣伝に偽りなし。著者は、家族に魯山人と親密な関係者をもち、幼いときから、魯山人の器を食事に使用するような家庭に育ったという方なんですが、巻末で紹介されている夥しい量の参考書籍や関係者へのインタビューなど、資料的にもすばらしい。

魯山人の想像を絶するほどの不幸な生い立ち、天下をとったとまで評された成功から孤独な晩年まで、著書の厚み以上の重量感のある内容。また5歳まで住んでいた富山の言葉が、著者の父親などを通して頻繁に使用されているのも新鮮でした。

☆参考サイト
◎MADE IN JAPAN! IN Japan

【目 次】
第1章/父と魯山人—昭和三十四年〜五十二年
第2章/出生—明治十六年〜四十四年
第3章/食客—大正元年〜十三年
第4章/星岡茶寮—大正十四年〜昭和十一年
第5章/雅陶三昧—昭和十二年〜二十年
第6章/永遠なれ魯山人—昭和二十一年〜三十四年
______________

[内容紹介]著者山田和氏の父は、北陸の町に住む新聞記者でしたが、魯山人と親密で家には譲り受けた作品が多数ありました。ところが魯山人の死後まもなく、父は所有の品々のほとんどを処分してしまいます。なぜ父は手許に何も残さなかったのか。古い思い出を手がかりにして、近しくしていたからこそ知ることのできた魯山人の本当の姿。彼は人情を解せず、経営を顧みず、傲岸で計算高く、女好き、だったのか。その強い個性ゆえに毀誉褒貶の激しい魯山人の、これまで彼をめぐって世間に流布した俗説を排し、一新した著者渾身、魯山人伝の決定版! 文藝春秋 (2007/10)

[著者紹介]山田和[ヤマダカズ]/1946年(昭和21年)、富山県礪波市生まれ。著書に『インド ミニアチュール幻想』(1996年、平凡社。講談社ノンフィクション賞受賞)


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by yomodalite | 2008-01-26 12:34 | 報道・ノンフィクション | Trackback | Comments(0)

ロックフェラー回顧録/デイヴィッド・ロックフェラー、楡井浩一 (訳)

ロックフェラー回顧録

デイヴィッド ロックフェラー/新潮社

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本著は図書館レンタル期日あと一日になってようやく慌てて1日で読みました。ちなみに厚みが5センチほどもあるので1日で読むのは全くおすすめできません。世界皇帝に相応しいポートレイト写真とインテリアの邪魔にならない美しい装幀なんですが、購入を躊躇わせたのは、年表や、家系図など資料に乏しいところ。

この本によってD・ロックフェラーの印象が変わったという点はありませんが、収益追求と慈善事業や現代美術、妻の好みなどが双子座ぽいなぁと思ったぐらいでしょうか。そういえば、この本には同じ双子座であるキッシンジャー氏の話はほとんど出てきません。

[目 次]
祖父
父と母
子ども時代
旅行
ロックフェラー・センター
ハーヴァード大学
偉大な経済学者に学ぶ
論文、結婚、就職
戦争
チェース銀行への就職
第二の本職のはじまり
チュース・マンハッタン銀行の誕生
対立
困難な過渡期
グローバルな銀行を創る
舵取り
ソ連との関わり
竹のカーテンを越えて中国へ
中東の“バランス”を保つ使者
生き残るOPEC
仕事上の動乱
家庭内の悩み
兄弟間の対立
シャー
目標の履行
ニューヨーク、ニューヨーク
誇り高き国際主義者
国境の南
近代美術への情熱
帰ってきたロックフェラー・センター
パートナーシップ
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【出版社/著者からの内容紹介】石油で巨万の富を築いた祖父、慈善家として有名な両親、副大統領で夢絶たれた兄、資本主義に反発する子供たち----「アメリカ史上最強の一族」によって初めて書かれた貴重な自叙伝。長年にわたってロックフェラー家の党首をつとめ、またチェース銀行の頭取として歴史を動かしてきた著者が、九十余年の人生を振り返った。米国でのベストセラー、待望の日本版発売。新潮社 (2007/10)

デイヴィッド・ロックフェラー/1915年6月12日、ニューヨークで六人兄弟の末っ子として生まれる。祖父はスタンダード・オイル社を設立したジョン・D・ロックフェラー、父はロックフェラー・センターを建てたジョンJr.。ハーヴァード大学を卒業後、同大大学院とロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで学び、シカゴ大学で経済学の博士号を取得。第2次世界大戦で従軍後、チェース・ナショナル(後にチェース・マンハッタン銀行)銀行に入行。1969~81年まで同銀行の頭取兼最高経営責任者を務めた。現在にいたるまで数多くの国家元首や指導者と交流し国際問題に関与するとともに、近代美術館やニューヨーク市の復興など、さまざまな事業や寄付活動を行っている。
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by yomodalite | 2008-01-23 14:28 | ビジネス・経済・金融 | Trackback | Comments(0)

岡本太郎の見た日本/赤坂憲雄

岡本太郎に興味のなかった人こそ読むべき本。
「奈良・平安以降の日本文化なんぞは、大陸文化を模倣した薄っぺらな貴族・官僚趣味」という太郎の求めた「日本」を知る軌跡を太郎自身の著作で更に深く知りたいと思う。

【岡本太郎の著作】
沖縄文化論—忘れられた日本 (中公文庫)/岡本 太郎(1996/6)
芸術は爆発だ!—岡本太郎痛快語録 (小学館文庫)/岡本敏子(1999/10)
日本の伝統 (知恵の森文庫)/岡本太郎 (2005/5/10)
青春ピカソ (新潮文庫)/岡本太郎 (2000/6)
美の呪力 (新潮文庫)/岡本太郎 (2004/2)
芸術と青春 (知恵の森文庫)/岡本太郎 (2002/10)
人間は瞬間瞬間に、いのちを捨てるために生きている/岡本太郎 (2007/11)
迷宮の人生/岡本 太郎 (2004/2)
岡本太郎の東北/岡本太郎、飯沢耕太郎、 岡本敏子 (2002/6)
日本人は爆発しなければならない—日本列島文化論/岡本太郎、泉 靖一 (2000/7)
歓喜 (Art & words)/岡本太郎、岡本敏子 (1997/9)
眼 美しく怒れ/岡本太郎 岡本敏子 (2004/7)
アラーキーのTARO愛—岡本太郎への旅/岡本太郎、荒木経惟(1999/10)
岡本太郎の遊ぶ心 (The New Fifties)/岡本敏子(2005/3)
太郎に訊け!—岡本太郎流爆発人生相談/岡本太郎(2001/5)
岡本太郎が撮った「日本」/岡本敏子、山下裕二 (2001/4)
太郎さんとカラス/岡本敏子 (2004/2)
岡本太郎—岡本敏子が語るはじめての太郎伝記/岡本敏子 篠藤ゆり (2006/7)

【岡本太郎の主要作品】
「敗残の嘆き」(1924年)現存する岡本の最古の作品。
「傷ましき腕」(1936年)
「重工業」(1949年)
「森の掟」(1950年)
「燃える人」(1955年)
「午後の日」(1967年)東京都立多磨霊園にある岡本太郎の墓碑にもなっている。
「明日の神話」(1968年)長い間行方不明だったが2003年に発見され、愛媛県東温市にて修復作業完了。2006年7月7日汐留日テレプラザにて初公開。
「若い太陽の塔」(1969年)愛知県犬山市の日本モンキーパーク内に現存する。
「太陽の塔」(1970年)
「こどもの樹」(1985年)こどもの城のシンボルモニュメント
「平和を呼ぶ像」(1988年)10月に船橋市の平和都市宣言記念シンボル像として建立。
「未来を拓く塔」(1988年)ぎふ中部未来博のシンボルとして建立。跡地の岐阜メモリアルセンター内に現存する。
「母の塔(原作)」
「坐る事を拒否する椅子」
「歓び」(川崎市内の小学校にある作品『赤いリボンの少女』などと呼ばれていたことも)
近鉄バファローズ“猛牛マーク”
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【目 次】
第1章 前史 パリのおもかげ
第2章 身をやつした民族学者
第3章 獣の匂い、または東北的な
第4章 沖縄、ひとつの恋のように
第5章 臍の緒として、韓国へ
第6章 世界とはなにか


「芸術は爆発だ!」と叫ぶ奇妙な顔つきに、どうしても知性を感じることができなかった。そんな著者が故人の養女に乗せられ、彼の日本文化論に触れた。法隆寺を古代中国の遺産と言い切り、日本の文化史や美術史を西欧の価値観で作り上げた「影」と斬(き)って捨てる驚くべき率直さ。何ものにもとらわれず日本文化の本質を見抜こうとする動物的なまなざし。「東北学」という視座から日本を問い直す試みを続けている民俗学者は、思想家岡本太郎に惚(ほ)れた。
 1951年の縄文土器発見。太郎はそこに、狩猟民族の動物的な美意識を見た。大陸から伝わった稲作文化や仏教などによって覆い隠されてしまう前の本来の日本文化を見た。
 東北や沖縄への旅を通して、日本の特殊性を追求し続けた太郎だが、民族主義的な発想は一切ない。日本とは何かを知ろうとする本能があるだけ。太郎自身が狩猟民族なのだ。グローバル化で世界が急速に均質化する中、同じ危機感を共有する著者からの〈恋文〉は16日、ドゥマゴ文学賞に決まった。2007年8月22日読売新聞 (岩波書店2007/06)




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by yomodalite | 2008-01-16 11:52 | 報道・ノンフィクション | Trackback | Comments(0)

失われた日本語、失われた日本/林秀彦

『この国の終わり」を読んで以来、他の著作も読んでみようと思っていましたが、同時に読んでいた『岡本太郎の見た日本』で、西洋文化の中心でその神髄に触れ、綺羅星ような人脈の中で大きな存在感を得ていながら、帰国後、「日本」とは何かを、真摯に求め続けた岡本氏に比べると、林氏の日本への理解の浅さが気になりました。

旧制中学の教育内容など、戦前の教育に関してはもっと精査しなければと思いますが、本書の内容では、日本人は三味線を弾いて、夜なべをしていればいいのか、ということになってしまいそう。『日本を捨てて、日本を知った』を読めば、著者がどんな日本に失望し、西洋に何を求めたのかがわかるのかも知れませんが、もういいかな。
_________

[BOOKデータベース]「夜なべ」「手鍋下げても」「細君」…。生活環境や価値観の変化によって現在は死語化している味のある言葉を取り上げ、そこに込められた日本人独特の美意識の再評価を説く。 草思社 (2002/10)
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by yomodalite | 2008-01-16 11:20 | 評論・インタヴュー | Trackback | Comments(0)

生物と無生物のあいだ(新書)/福岡伸一

極上の科学ミステリーという宣伝文句ですが、著者の詩的で美しい文章に引き込まれました。

研究者の日常の些事から、生命誕生の神秘にせまる歴史、脚光を浴びる研究者の陰に隠れた真のヒーロー、オズワルド・エイブリー、ルドルフ・シェーンハイマーとロザリンド・フランクリンいう三人の「アンサング・ヒーロー」(unsung hero)の物語が錯綜しているのも、科学の最先端の現場に物語的深みを感じさせ、また著者の生命観とも合致している。

■池田信夫Blog
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/31e93631310649419220ba30ddba14dd
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生命とは何か? 極上の科学ミステリー。生命とは、実は流れゆく分子の淀みにすぎない!?「生命とは何か」という生命科学最大の問いに、いま分子生物学はどう答えるのか。歴史の闇に沈んだ天才科学者たちの思考を紹介しながら、現在形の生命観を探る。
ページをめくる手がとまらない極上の科学ミステリー。分子生物学がとどりついた地平を平易に明かし、目に映る景色がガラリと変える!講談社 (2007/5/18)


【目 次】
第1章 ヨークアベニュー、66丁目、ニューヨーク
ロックフェラー大学、野口英世の現在の評価
第2章 アンサング・ヒーロー
《オズワルド・エイブリー》
遺伝子の本体はDNAである。当時遺伝子はたんぱく質であると思われていた。
第3章 フォー・レター・ワード
《オズワルド・エイブリー》
A、C、G、Tたった4種しかないDNA文字がそのシンプルさゆえに変化の可能性を容易に生み出した。エイブリーの業績こそが分子生物学の幕開きをした。
第4章 シャルガフのパズル
任意の遺伝子を試験管の中で自由自在に複製する技術〜PCRの原理
第5章 サーファー・ゲッツ・ノーベルプライズ
PCRは、ポスドクを渡り歩いたサーファー、キャリー・マリスが発明した。
第6章 ダークサイド・オブ・DNA
DNA二重らせん構造発見にまつわる疑惑。それは、ウィルキンズが《ロザリンド・フランクリン》のX線写真を盗み見たことから始まった。
第7章 チャンスは、準備された心に降り立つ
「準備された心」をもっていたのは誰かータンパク質X線データ解析の経験があったのはクリックだけだった。クリックが盗み見た《ロザリンド・フランクリン》の報告書の一文「DNAの結晶構造はC2空間群である」が決定打となった。
第8章 原子が秩序を生み出すとき
ワトソン、クリック、ウィルキンズに共通して影響を与えたエルディン・シュレーディンガー『生命とは何か』。ワトソン、クリックの発見は、シュレーディンガーの予言の成就だった。
第9章 動的平衡(ダイナミック・イクイリブリアム)とは何か
《ルドルフ・シェーンハイマー》
生命とは代謝の持続的変化であり、この変化こそが生命の真の姿である。
生命とは自己複製するシステムである。
脳細胞のDNAを構成する原子は、むしろ増殖する細胞のDNAより高い頻度で、常に部分的な分解と修復がなされている。
「秩序は守られるために絶え間なく壊されなければならない」
第10章 タンパク質のかすかな口づけ
《エルディン・シュレーディンガー》
生物は、原子・分子に比べてなぜそんなに大きいのか?それは粒子の統計学的ふるまいに不可避の誤差率の寄与をできるだけ小さいものにするためである。
第11章 内部の内部は外部である
《ジョージ・パラーディ》1960〜70年代にかけてロックフェラー大学が細胞生物学のトップであった時代の中心的人物。細胞の内部で作られたタンパク質はどのような経路で細胞の外に出るかを「可視化」しようとした。
第12章 細胞膜のダイナミズム
NYからボストンへ。「細胞膜」との葛藤
第13章 膜にかたちを与えるもの
「GP2遺伝子の特定とその全アミノ酸配列」をアメリカ細胞生物学会でライバルと同着で発表。
第14章 数・タイミング・ノックアウト
GP2ノックアウトマウスの細胞はまったく正常だった。
第15章 時間という名の解けない折り紙
タンパク質を完全に欠損したマウスは正常だが、不完全な遺伝子をノックインするとマウスは変調をきたした。部分的な欠落や局所的な改変の方が全体の欠落よりも、より優位に害作用を与える。動的な平衡がもつ、やわらかな適応力となめらかな復元力の大きさに感嘆し、生命を機械的に扱うことの不可能性を知る。





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by yomodalite | 2008-01-12 18:27 | 科学・環境問題 | Trackback(1) | Comments(0)

愚連—岸和田のカオルちゃん/中場利一

愚連―岸和田のカオルちゃん

中場 利一/講談社



映画「カオルちゃん最強伝説」でカオルちゃんに魅了されてから早2年余。ようやく原作本を読むことが出来ました。

チュンバに小鉄、ハッタリ君にイサミちゃん、スッポンの徳次、ケイコ姉、岸和田陰の市長ロクさん、、、登場人物がすべてワルなうえに、揃いも揃って、すさまじくエゲツナイにも関わらず、どうしてこんなに痛快なんでしょう。。。

年金暮らしの老人から、警察、ヤクザまで、カオルちゃんの暴力は徹底して平等が貫かれているのだ。

☆爆笑!!! 中場氏、今田、東野にカオルちゃんを語る
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【出版社/著者からの内容紹介】「おうコラ、いてもうたろか」 岸和田祭り、真昼の決闘。岸和田愚連隊が繰りひろげる痛快活劇。胸がスカッとする青春小説。ヤクザも機動隊もカオルちゃんには道を譲る。名は優しいが、泣く子も黙る乱暴者で遊び人。岸和田の最強男・カオルちゃんに、「コイツいてもうたら世界一や」と、愚連のチュンバ、小鉄、スッポンの徳次らが、あの手この手で挑む。結末やいかに。奇想天外、呆気にとられて笑いがとまらぬ痛快バイオレンス小説。講談社 (1999/01)

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by yomodalite | 2008-01-11 16:36 | 文学 | Trackback | Comments(0)

枢密院議長の日記(新書)/佐野眞一

まるで日記を書くために生まれてきたとしか思えないようなパーソナリティーが枢密院議長だったら。。。

歴史好きにはもうたまらない奇跡なんですけど、そのあまりにも判読しがたい文章は、チーム佐野にかかっても、精読出来たのは大正10.11年のたった2年分だけ!!宮中某重大事件や、日韓併合の舞台裏など興味深い事件が記されているものの、読者側の期待値にはどうしても到達しにくい性質の本です。

ただ当時の皇室、貴族社会の雰囲気を知るには良書。

__________

【要旨】これは一種の奇書である。なぜなら本書が対象にする枢密院議長・倉富勇三郎(1853〜1948)の日記を、著者も含め誰も読み通せなかったからである。明治・大正・昭和の三代の天皇に仕えた倉富の日記には、昭和天皇の婚姻をめぐって世間を騒がせた「宮中某重大事件」や白蓮騒動などを間近で見聞した記述が残され超一級史料とされているが、本にすれば50冊以上と、とてつもなく長いのである。しかも、ミミズがのたくったような字の判読は困難を極め、記述の大半は細々と、延々と、淡々とつづられた日常の些事(さじ)。死ぬほど退屈で、読む作業は〈渺茫(びょうぼう)たる砂漠のなかから、一粒の砂金を見つける作業に似ている〉のである。
 しかし、日記を〈一点一画たりとも創作のない究極のノンフィクション〉と感じた著者は、大正10年と11年を中心とした約2年分を7年かけて解読、本書にした。日記の最後は〈午後五時三十分頃、硬便中量〉だったという。記録する人間の熱意と、人間を知ろうとするノンフィクション作家の熱意がぶつかり、スパークする力作だ。 (2007年10月31日読売新聞より)  講談社 (2007/10/19)

【目次】
序章/誰も読み通せなかった日記
第1章/宮中某重大事件—怪文書をめぐる「噂の真相」
第2章/懊悩また懊悩—倉富勇三郎の修業時代
第3章/朝鮮王族の事件簿—黒衣が見た日韓併合裏面史
第4章/柳原白蓮騒動—皇族・華族のスキャンダル
第5章/日記中毒者の生活と意見—素顔の倉富勇三郎
第6章/有馬伯爵家の困った人びと—若殿様と三太夫
第7章/ロンドン海軍条約—枢密院議長の栄光と無念
終章/倉富、故郷に帰る





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by yomodalite | 2008-01-08 20:00 | 天皇・皇室 | Trackback | Comments(0)

中国 赤い資本主義は平和な大国を目指す/副島隆彦

中国 赤い資本主義は平和な帝国を目指す

副島 隆彦/ビジネス社



副島氏が名著「アメ政」の中国版と言い切った本だけに期待して読みましたが、「アメ政」とは印象が異なります。何と中国の最高指導者9人を善人悪人という切り口で紹介し(P164)、政界対立図(P184)でも鄧小平派を善人、上海閥を悪人として19人を紹介しています。

知識をこねくりまわしたり、インテリぶりたい人、歴史に大河ドラマ風「味付け」を期待してしまう人には面白くないでしょうが、それ以外の文学頭でない「頭のイイ人」なら目次を見ただけで読む必要もないというか、答えが書いてあるような本。

著者の切り口があまりにも鮮やか過ぎて、読者として楽しめないほどの「凄技」が炸裂するので、一緒に考えたふりをしたい読者には、読後感が寂しいかも。

【目次】
第1章 人民元(じんみんげん)の時代
まえがき…-2
人民元の買い方…-13
中国株の買い方…-16
天津の証券会社で見た現地の過熱ぶり…-22
中国はそう簡単には崩れない……26
エネルギー問題も日本の技術で解決する…-31
2008年から、いよいよアメリカの世界覇権が衰退を始める・…-40
領土問題は国家間の話し合いで解決すべき問題である…-44
アメリカ発の大暴落、その時中国は?…-50
アメリカや日本こそ統制経済を行っている…-53

第2章 中国「赤い資本主義」の深層
やはり中国は覇権を求めて進んでいく…59
中国が日本の「富国強兵」「近代化」に注目するわけ…-66
中国台頭の目的は13億人の生存のため…-74
中国は共産党と資本家たちが治める階級社会だ…-78
独裁者・毛沢東の暴走の歴史…-83
文化大革命を体験した中国人に恐いものなどない…-88
日本人は中国人と対等につき合えばいい…-92
争乱の時代なら、中国はためらわずに武力行使する…-94
他国の人工衛星を撃ち落とす権利がある!?…99
「義」の思想が分かれば、中国人が分かる…-100
民衆支配の思想「儒教」を中国人は憎んでいる…110
「無関心」という中国人の本質…-15

第3章 中国急成長の歴史と原動力
すべては郡小平(とうしょうへい)から始まった-…-125
中国は共産主義を捨て、個人が富を追求する国になった…128
いずれアメリカはアジアから去っていく…-131
今こそ日本の国家戦略を示すべきだ…-133
中国の現在…136
中国は2000年に大変貌を遂げた---137
中国が分裂、崩壊する可能性はない…-139
華僑の力…142
中国経済はバブルか?…-143
急激な成長は1990年から始まった……150
中国の発展に客家は不可欠だ…-153
世界中の華僑資本が中国に流れ込んだ…156
郡小平の南巡講話から始まる…-158
成功した深別モデルを全土に展開する…168
1997年から中国の東アジア経済属国化は始まった…170
中国の腐敗は不動産業の構造にある…174
不動産不正投資のカラクリ…-175
中国の大きな政界対立図…-184

第4章 暴落を乗り越え、着実に中国は昇っていく
中国が絶対に譲らない2つの政治問題……191
政治問題で日本が遠慮する必要はない…198
農民たちの暮らしは今も苛酷だ…200
きれいごとで事実を隠すな!…201
本当の中国の姿を私たちは知らない…206
「中国人は将来の心配などしない」…210
最も深刻な問題は水…212
1ドル=60円=2元時代がやってくる…213
不動産価格暴落の可能性…216
注目すべき主な中国株の銘柄、…220

第5章 世界覇権戦争が始まった
イスラエルVS中国世界覇権を巡る暗闘…231
イランに核技術を渡したのは中国か?…233
中国のエネルギー政策…235
ユダヤ人の反撃が始まる…-237
博打と金儲け好きの中国人が、なぜ共産主義に騙されたのか?…-238
あとがき…242

【内容紹介】この本は、副島氏が「自分の専門であるアメリカやヨーロッパの政治思想の研究ばかりしてても駄目だ。隣りの大国中国を勉強しなければ」と思い立ってから初めて記す、中国研究の書である。07年8月17日のアメリカのサブプライムローン危機から始まった世界的な金融危機、信用市場崩れの動きは、大きな世界史レベルの動きであるから少しぐらいの事では収まらない。当然中国も「ドル崩壊」で打撃を受け、人民元は下落する。しかし中国市場はすぐにでも回復するだろう。それは何故なのか。副島氏独自が調査した中国を描く。 ビジネス社 (2007/12/26)

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by yomodalite | 2008-01-02 10:31 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


by yomodalite