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90年代のアメリカで犯罪発生率が急激に下がったのはなぜか?

一般的には警察官の増員や治安政策の成功が理由だとされているが、著者は実はそんなことは関係がなくて、70年代以降に、女性の中絶が合法化され、増加したからだと結論する。

不遇な生い立ちの人が減ったから犯罪率が減ったという事実から従来の定説をデータで否定しています。ジュリアーニ市長だの、割れ窓理論だの関係なかったんでしょうか。

それにしても、真っ白い名前、真っ黒い名前、高級な名前、安物の名前って!!

【目 次】
序章/あらゆるものの裏側
―この本のサワリ:道徳が私たちの望む世の中のあり方についての学問だとすると、経済学は実際の世の中のあり方についての学問だ。
第1章/学校の先生と相撲の力士、どこがおんなじ?
―インセンティブの美しさとその暗黒面であるインチキを追究する。
第2章/ク・クラックス・クランと不動産屋さん、どこがおんなじ?
―情報は最強の力である。とくに悪いことに使うときは。
第3章/ヤクの売人はどうしてママと住んでるの?
―通念なんてたいていは張り巡らした嘘と、私利私欲と、ご都合主義にすぎないことについて。
第4章/犯罪者はみんなどこへ消えた?
―犯罪のウソとマコトを仕分けする。
第5章/完璧な子育てとは?
―差し迫った疑問をさまざまな視点から追究する:親でそんなに違うもの?
第6章/完璧な子育て、その2
―あるいは、ロシャンダは他の名前でもやっぱり甘い香り?―親が子供にする最初の儀式、つまり赤ん坊に名前をつけることの大事さを測る。
終章/ハーヴァードへ続く道二つ
―データの信頼性が日々の偶然に出合う。
オマケ/『ヤバい経済学』増補改訂版での追加
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【本の内容】アメリカに経済学ブームを巻き起こし、170万部のベストセラーとなった話題の書。若手経済学者のホープが、日常生活から裏社会まで、ユニークな分析で通念をひっくり返します。犯罪と中絶合法化論争のその後や、犬のウンコ、臓器売買、脱税など、もっとヤバい話題を追加した増補改訂版。





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by yomodalite | 2007-12-26 19:04 | ビジネス・経済・金融 | Trackback | Comments(0)
本書でブードゥーサイエンスとして扱われているのは、常温核融合、TM(超越瞑想)、地球温暖化論争、ホメオパシー、磁力(磁気療法)、代替療法、宇宙開発、タイムトラベラー、永久機関、電磁波、UFO、スターウォーズ計画、X線レーザー。。。。

著者の主張する「騙されるな!」もひとつの宗教ではありますが。。。

「極東ブログ」
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2007/12/l_f98d.html
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2007/12/l_3c8d.html
____________

【BOOKデータベース】欧米で話題沸騰!出版差し止めキャンペーンまで展開された話題の本。人々を騒がす「UFO」騒動、政府や大企業が莫大なカネをつぎ込んだ「常温核融合」開発や「宇宙ステーション」計画、本当に効くのか「磁気療法などの健康医療」、正確なデータのない「電磁波の影響」問題—これらあなたをねらう「科学の顔」をしたニセ科学のからくりを、米物理学会ワシントン事務所長ロバート・パーク博士(メリーランド大学)が暴く。

【目 次】
第1章 ニュースなんかじゃない、ただのエンタテインメントさ
第2章 信じたがる脳―科学こそ真実を選びだす戦略
第3章 ニセ薬に副作用あり!―「ナチュラル」な薬に救いを求める人々
第4章 「宇宙開発」の実態―人造の世界を夢見る人々
第5章 ブードゥー・サイエンス、議会に登場―科学に無知な政治家たち
第6章 「永久機関」は実現可能か?―無限のエネルギーを夢見る人々
第7章 恐怖の電流―電磁場が白血病の原因というデマ
第8章 審判の日―集団訴訟で企業を襲う「ジャンク科学」
第9章 UFO、エイリアン、スターウォーズ計画―当局の秘密主義も悪因
第10章 「まかふしぎな宇宙」を利用しろ―ニセ科学としてよみがえる古代迷信






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by yomodalite | 2007-12-22 18:32 | 科学・環境問題 | Trackback | Comments(0)
梶原一騎の正統派評伝。一騎の父「高森龍夫」はウィキペディアでは「星一徹」のモデルとされていますが、クリスチャンで英語教師から文芸編集者となった経歴など都会的でスマートな人物であったようで、一徹のイメージとはかなり隔たりを感じる。

また母も「おかあさん」で描かれた母親像とは異なっていて、後の梶原の奔放な女性遍歴への影響が感じられる。ハイカラな夫婦であった両親から、少年時代を教護院で過ごし、その後も暴力とは切っても切れなかった梶原が育ったというのは意外だった。

格闘技ファンには、大山倍達との長年の関係が気になるところですが、夫人による7回忌の「偲ぶ会」には、名作を生んだコンビである一流漫画家も、親交もあり、作品のモデルでもあった猪木、馬場、金田正一なども欠席だったが、大山倍達だけは出席しているらしい。

遺作である『男の星座』のことを大山は、「これは私に対するラブコールだよ」と親しい人間に話し、また梶原の入院時には、匿名で励ましのハガキを出していたが、梶原は、それに気づいていたというエピソードが感動的だった。

【目 次】
第1章 スポ根伝説〜栄光の時代
第2章 生い立ち
第3章 青春
第4章 『あしたのジョー』
第5章 栄光の頂点
第6章 狂気の時代
第7章 大山倍達と梶原一騎
第8章 どいつもこいつも
第9章 逮捕とスキャンダルと『男の星座』
第10章 梶原家の父と子
____________

【Amazon.co.jp】わけても昭和30~40年代に青春を過ごした人たちの脳裏に、梶原一騎という名前は永遠に刻印されているに違いない。『巨人の星』『あしたのジョー』『タイガーマスク』『夕やけ番長』『愛と誠』と聞けば、胸熱くした日々がありありとよみがえるだろう。本書は、日本中に「スポ根」ブームを巻き起こした漫画原作者梶原一騎こと高森朝樹の実像に肉迫した評伝の文庫化である。

親の手に余り、教護院送りとなった少年は、激情家でありながら、同時に純文学作家を目指すロマンチストでもあった。やがて弱冠17歳にしてフリーライターとなると、その後川崎のぼる、ちばてつや、辻なおきら漫画家たちと才能をぶつけ合う。あるいは極真空手の大山倍達、プロレスラー力道山らとも広く交流した。すでに伝説と化している梶原の生い立ちやその仕事ぶりについて、著者は多くの証言を得るべく東奔西走しつつも、丁寧かつ冷静にその足跡をたどっている。

そして、梶原を語るには避けて通れない、数々の事件やスキャンダルについても、著者は終始その姿勢を崩さない。暴力団とのかかわり、編集者へのたび重なる暴行、天井知らずの浪費、女性問題。作者は努めてニュートラルな視点でそれらの真相を追いかけている。

その目的は、事件を暴くことでも、物事の是非を明らかにすることでもない。その時々の梶原のこころの動きを察し、その震えを感じ取ることである。なぜなら、梶原一騎という存在自体が、すでに事件そのものだったからである。新潮社 (1995/01)





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by yomodalite | 2007-12-18 22:55 | 報道・ノンフィクション | Trackback | Comments(0)
消えたマンガ家は全3冊あり、その後「消えたマンガ家・アッパー系」と「消えたマンガ家・ダウナー系」は、新潮社OH!文庫にも納められています。

【目 次】
第1章/天才マンガ家・ちばあきお—イノセントとマス・プロダクト
第2章/伝説のマンガ家・徳南晴一郎—人間時計はどこに!?
第3章/人気マンガ家・冨樫義博—幽・遊・白書の終わり方
第4章/孤独のマンガ家・山田花子—嘆きの天使は永遠に
第5章/ラスト・ロング・インタビュー—鴨川つばめ

【アッパー系の巻】
◎ギャグマンガでネーム見せるバカがいるか ー とりいかずよしロング・インタビュー
◎早すぎた肉弾マンガ家の失踪ーふくしま政美(前編)
◎ふくしまを巡る関係者の証言ーふくしま/政美(後編)
◎少女マンガ家は、なぜ教祖になってしまうのか? ー 神さまファンフラブ山本鈴美香と"神山会"。美内すずえ、黒田みのる
◎人間時計はどこに!?ー伝説のマンガ家・徳南晴一郎
◎三人の鬼太郎作家ー竹内寛行
◎消えたマンガ家外伝ー鳥山明はエホバの証人だった!?

【ダウナー系の巻】
◎イノセントとマス・プロダクトー天才マンガ家・ちばあきお
◎嘆きの天使は永遠にー孤独のマンガ家・山田花子
◎鴨川つばめラスト・ロング・インタビュー
◎病める天才劇画家ー安部慎一
◎異色メルヘンマンガ家ー中本繁
◎『幽☆遊☆白書』の終わり方ー人気マンガ家・冨樫義博
◎夢幻の少女マンガ家ー内田善美
◎消えたマンガ家外伝ーねこぢる曼荼羅を探して

参考サイト http://www.asahi-net.or.jp/~wf9r-tngc/mangaka.html

◎消えたマンガ家(アマゾン)
◎消えたマンガ家ーダウナー系の巻(新潮OH!文庫)
◎消えたマンガ家ーアッパー系の巻(新潮OH!文庫)
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【MARCデータベース】画力もあり、ストーリーもうまい、力量のあるマンガ家が、ふと気がつくといなくなっている。富樫義博、山田花子、ちばあきおらの跡を追い、「消えたマンガ家」の裏にある、マンガ雑誌の苛酷な現実を暴く。太田出版 (1996/08)






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by yomodalite | 2007-12-16 00:10 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(0)

のはなし/伊集院光

携帯電話会社「tu-ka」の契約者へのメルマガ、週3回400文字以上という依頼で書かれたものをまとめた単行本。

テーマはメルマガ読者から募集したもので、全原稿750余から82編があいうえお順に収録されている。普段の伊集院氏の語り口とは異なるというか、とても素直な文章ですが、高い頻度で笑わせてくれます。

伊集院氏の文章を読むのはこれが初めてなんですが、お客のお題で噺を語るというスタイルで、流石は元噺家さん、非凡な才能を感じました。

___________

【本の内容】爆笑!感動!鳥肌!のメルマガ・エッセイ。「あそこが痒い」の話から「ん?」の話まで全82話。宝島社 (2007.10.12)

【目次】
「あそこが痒い」・「アメ横」・「アウェイ」・「命懸け」・「うなぎの蒲焼」・「運命の出会い」・「エロ本隠し場所」・「塩分」・「お金持ち」・「お小遣い」・「男の料理」・「お葬式」・「勘違い」・「感傷」・「嫌いな食べ物」・「業界用語」・「牛乳」・「気まぐれ」・「苦しい言い訳」・「結婚式」・「芸人魂」・「警備」・「ゴキブリ」・「坂」・「週末何してた?」・「新入社員」・「地元」・「好きな理由」・「すげえびびった」・「先輩後輩」・「善人」・「節税」・「想像力」・「卒業文集」・「駄菓子屋」・「立ちション」・「超難問」・「血で地を洗う」・「父親への反抗」・「釣り」・「つらい仕事」・「ディスカウント」・「独立」・「取り越し苦労」・「縄跳び」・「生卵」・「ニート」・「ぬるぬる」・「寝言」・「乗り越したっ」・「バイク」・「馬鹿の大足」・「ピロリ菌」・「100g」・「フリマ」・「プール」・「ペットショップ」・「ホームラン」・「本性を見た」・「万引き」・「豆知識」・「ミシン」・「無神論」・「婿養子」・「免許証」・「もんじゃ焼き」・「痩せ薬」・「家賃」・「雪」・「ユニフォーム」・「有効」・「40歳」・「ライター」・「理科室」・「留守番」・「冷蔵庫」・「ロケ」・「路地裏」・「わんわん泣く」・「ん?」〜の話






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by yomodalite | 2007-12-10 13:34 | エッセイ | Trackback | Comments(0)
井上光晴氏に関しては、映画『全身小説家』を見たのみで、荒野氏の作品も初めてなんですが、作家の娘が父(母)を語ることの興味から読んでみました。

タイトルは井上氏の作品から。その作品を知っている人なら感慨深いものかもしれないのですが、単純に「ひどい父」を想像していた私には意外なほど、光晴氏は良き父親であったようで、対外的なイメージと、家庭でのそれはさほど変わらない様子。

〜母は、「父専業」主婦みたいなものだった。〜

〜察するに、ささいな怒りがたちまち思想や文学観に変換されてしまうような難儀さが、父と母の間にはあったのだと思う。だから二人は、仲が良かったというよりは、関係が深かった、というほうが正しい気もする。たとえば父の虚実に関して、私たち家族には故意に無関心だったところがあるわけだけれど、その家風は母が率先して醸していたとも思われる。〜


荒野氏の父への見方は愛情あふれるものの的確な印象。「文学伝習所」の存在、ガン闘病記など、光晴氏の内面がよくわかる。

次は、井上荒野氏の『もう切るわ』も、読んでみようかな。

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【本の内容】没後十数年たっても愛され続ける作家・井上光晴。その生涯は多くの謎に包まれていた。旅順生まれ、炭鉱での労働経験、それらはすべて嘘だった。何事もドラマチックに仕立てなければならない、「全身小説家」井上光晴の素顔とは?そして、ガン闘病の真実。小説家・井上荒野が父の魅力のすべてを書きあげる。






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by yomodalite | 2007-12-10 11:44 | 文学 | Trackback | Comments(0)

サムライとヤクザ―「男」の来た道 (ちくま新書)

氏家 幹人/筑摩書房

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サムライとヤクザ―「男」の来た道 (ちくま文庫)

氏家 幹人/筑摩書房

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私は、男には5つの型があると思うんですよね。ヤクザ、役人、商人、芸人、奴隷。

本書はヤクザとサムライの関係を読み解くという内容なんですが、ヤクザもサムライも、時代によりかなり性格が異なると思います。

例えば、

・戦国武将はヤクザである
・江戸時代の武士は役人である
・江戸文化は商人と芸人が創り、農民が奴隷
・明治維新は、国際金融ヤクザとの出会い
・明治から第二次大戦までは、役人と奴隷の時代
・戦後は一億総奴隷で、夢はヤクザか役人(上流奴隷)
・昭和後期は、商人と奴隷の時代になり、芸人が重用される
・現代は、アメリカの奴隷とそれに仕える奴隷の時代で芸人は憧れの職業!

で、本著なのですが、武士と任侠の関係を「男らしさ」の来歴という観点から読み解くというテーマ自体に、やはり難があると思う。

武士がヤクザであった時代もあれば、役人だった時代もあり、またヤクザが任侠だった時代もあれば、金がすべてだった時代もあり、本著でのヤクザも、サムライも、その定義がはっきりしていません。文章も読んでいて少しまどろっこしいというか、端的に言ってあまり面白い本とはいえないかな。

「戦争を稼業に人殺しを本領にしてきた荒々しい男たちの一部が、戦国の世の終焉によって武将や大名に上昇転化し、徳川の体制に組み込まれていった。その過程で戦士(戦場)の作法だった『男道(おとこどう)』は色あせ、治者あるいは役人(奉公人)の心得である『武士道』へと様変わりしていく」

ということを、まだ知らなかったという人へ。

【目 次】
1章 男とはなにか
2章 逸平と金平
3章 任侠の精神
4章 男の色
5章 新しい男たち
6章 されど武士の一分
7章 悪の華
8章 戦士失格
9章 ノーブレス・オブリージュ、ヤクザ

◎「カオスの縁」
◎「毎日一冊新書レヴュー」
◎「神足裕司のそれは違うぜ」
__________

【本の内容】なぜ政治家も企業家もヤクザに引け目を感じるのか。「ヤクザは武士道の継承者」説が浸透しているのは何故か。本書は武士と任侠の関係を「男らしさ」の来歴という観点から読み解いていく。戦国の世から徳川の泰平の世への転換と軌を一にして、戦士の作法だった「男道」は色あせ、役人の心得である「武士道」へと様変わりする。江戸前期に鳴らした「かぶき者」が幕府から弾圧されると、「男」を継承したのは江戸の藩邸が雇い入れた駕籠かきなど町の男達だった。武士が武威を彼ら荒くれ男に肩代わりさせた帰結が、幕府のあっけない倒壊…。武士道神話・任侠神話を排し史料の博捜により明らかにする「男」の江戸時代史。 筑摩書 2007年9月

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by yomodalite | 2007-12-06 17:53 | 評論・インタヴュー | Trackback | Comments(0)
あのマジックのトリックは、もしかしたら...というネタバレヒントもちょっぴり。最後の仕掛けにもすっかりはまってしまいました。

もし、自分は騙されない人がいたら....その人は騙されることが、よほどキライで、自分だけは絶対に騙されていないと信じている人でしょう。

マジシャンは「今から騙しますよ」と宣言して騙してくれるので、
騙されることの快感を安心して味わうことが出来るので癒されます

【目 次】
第1章 まずはあなたを騙してみせます
第2章 自分の世界観が崩壊する時
第3章 「信じる」ってなんだろう?
第4章 マジックにおいて「騙す」とは
第5章 人には「信じたい」という本能がある
第6章 プロ奇術家が看破する犯罪詐欺
最終章 最後の挨拶
______________

【内容「BOOK」データベースより】 振り込め詐欺から超能力といったオカルトまで、身の周りにはびこるトリックの数々。客観的に眺めると、どれも騙されるなんておかしいのではと思えるような単純な手法ばかりだが、人は条件さえ整えば、案外簡単に騙されてしまうもの。騙すという意味では同じ立場のプロマジシャンが、心理を操るメカニズムを明快に解き明かしてみせます—。そして最後に仕掛けられた究極のマジック、必ずやあなたも騙されるはず。 新潮社 (2006/12/14)





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by yomodalite | 2007-12-04 14:51 | 精神・教育・自己啓発 | Trackback | Comments(0)
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水道橋博士の『本業』により本書の存在を知りました。これは博士の異常な愛情も致し方ない名著です。勝新太郎については、森繁とのエピソードや多くの豪快伝説で知っていたつもりだったのですが、意外だったのは若山富三郎を知るとむしろ「天然」なのは兄の方だったこと。

ふたりのことが描かれていますが、主役はやっぱり「若山富三郎」若山の、おこりんぼでさびしんぼなパーソナリティーに人生をからめとられ、「おやっさん」と読んだ山城の愛情の度合いがどうしてもそうさせてしまうのでしょう。

芝居のように、第一章ではなく「第一幕」といった章立てにふさわしい兄弟の人生に、何度も拍手を贈りたくなる場面があるのですが、「第四幕」 の葬儀場面では、親しい人が亡くなった哀しさ以上に、もう二度と彼らのようなひとが現れない寂しさでなんともいえない気持ちになります。

日本一の組長の借金を踏み倒していながら、葬儀には全国の組長から花が届く男をうらやましく思わない人がいるでしょうか。若山はヤクザ映画でも活躍しましたが、鶴田浩二や高倉健のようなヒーローではなかったことを考えると、尚更うらやましく、そして寂しいきもちになります。

「今だから…昭和さ ある男のぼやき」

______________

【MARCデータベース】 栄光と不遇が交錯するなかで、生涯芸への情熱を失わなかった俳優兄弟、若山富三郎と勝新太郎。芸能史を彩ったふたりを見続けてきた著者が、生身の彼らを描いた痛快裏面史。 幻冬舎 (1998/06)

【目 次】
「前口上」ふたりの座頭一
「第一幕」
・野火を斬る兄弟
・誕生、チーム富三郎
・撮影所の暴れん坊
・菅原文太と仁義なきテレビ
・壁をぶち抜く役者たち
・帝大コンプレックス
・親分のドサ回り
・聖地、千恵蔵御大の部屋
「第二幕」
・下手な芝居
・編集長軟禁事件
・豆鉄砲の親分
・金は天下のまわりもの
・惚れた女と金色のロールスロイス
・ああマサルのせがれだ
・お父ちゃんの人力車
・お母ちゃんのあそこにキス
「第三幕」
・『座頭一』に台本なし
・なりきり魔の志ん生、ボケ殺し
・影武者降板の真相
・淋しいスター
・もし勝プロにブルース・リーがいたなら
・もったいない絵〜パンツの中の真実
「第四幕」
・おやっさんの一大事
・最後の麻雀
・戒名は“親分”で
・勝さんは負けた
「終幕」たったひとりの花道





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by yomodalite | 2007-12-03 11:14 | 報道・ノンフィクション | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


by yomodalite