カテゴリ:政治・外交( 52 )

中国 赤い資本主義は平和な帝国を目指す

副島 隆彦/ビジネス社



副島氏が名著「アメ政」の中国版と言い切った本だけに期待して読みましたが、「アメ政」とは印象が異なります。何と中国の最高指導者9人を善人悪人という切り口で紹介し(P164)、政界対立図(P184)でも鄧小平派を善人、上海閥を悪人として19人を紹介しています。

知識をこねくりまわしたり、インテリぶりたい人、歴史に大河ドラマ風「味付け」を期待してしまう人には面白くないでしょうが、それ以外の文学頭でない「頭のイイ人」なら目次を見ただけで読む必要もないというか、答えが書いてあるような本。

著者の切り口があまりにも鮮やか過ぎて、読者として楽しめないほどの「凄技」が炸裂するので、一緒に考えたふりをしたい読者には、読後感が寂しいかも。

【目次】
第1章 人民元(じんみんげん)の時代
まえがき…-2
人民元の買い方…-13
中国株の買い方…-16
天津の証券会社で見た現地の過熱ぶり…-22
中国はそう簡単には崩れない……26
エネルギー問題も日本の技術で解決する…-31
2008年から、いよいよアメリカの世界覇権が衰退を始める・…-40
領土問題は国家間の話し合いで解決すべき問題である…-44
アメリカ発の大暴落、その時中国は?…-50
アメリカや日本こそ統制経済を行っている…-53

第2章 中国「赤い資本主義」の深層
やはり中国は覇権を求めて進んでいく…59
中国が日本の「富国強兵」「近代化」に注目するわけ…-66
中国台頭の目的は13億人の生存のため…-74
中国は共産党と資本家たちが治める階級社会だ…-78
独裁者・毛沢東の暴走の歴史…-83
文化大革命を体験した中国人に恐いものなどない…-88
日本人は中国人と対等につき合えばいい…-92
争乱の時代なら、中国はためらわずに武力行使する…-94
他国の人工衛星を撃ち落とす権利がある!?…99
「義」の思想が分かれば、中国人が分かる…-100
民衆支配の思想「儒教」を中国人は憎んでいる…110
「無関心」という中国人の本質…-15

第3章 中国急成長の歴史と原動力
すべては郡小平(とうしょうへい)から始まった-…-125
中国は共産主義を捨て、個人が富を追求する国になった…128
いずれアメリカはアジアから去っていく…-131
今こそ日本の国家戦略を示すべきだ…-133
中国の現在…136
中国は2000年に大変貌を遂げた---137
中国が分裂、崩壊する可能性はない…-139
華僑の力…142
中国経済はバブルか?…-143
急激な成長は1990年から始まった……150
中国の発展に客家は不可欠だ…-153
世界中の華僑資本が中国に流れ込んだ…156
郡小平の南巡講話から始まる…-158
成功した深別モデルを全土に展開する…168
1997年から中国の東アジア経済属国化は始まった…170
中国の腐敗は不動産業の構造にある…174
不動産不正投資のカラクリ…-175
中国の大きな政界対立図…-184

第4章 暴落を乗り越え、着実に中国は昇っていく
中国が絶対に譲らない2つの政治問題……191
政治問題で日本が遠慮する必要はない…198
農民たちの暮らしは今も苛酷だ…200
きれいごとで事実を隠すな!…201
本当の中国の姿を私たちは知らない…206
「中国人は将来の心配などしない」…210
最も深刻な問題は水…212
1ドル=60円=2元時代がやってくる…213
不動産価格暴落の可能性…216
注目すべき主な中国株の銘柄、…220

第5章 世界覇権戦争が始まった
イスラエルVS中国世界覇権を巡る暗闘…231
イランに核技術を渡したのは中国か?…233
中国のエネルギー政策…235
ユダヤ人の反撃が始まる…-237
博打と金儲け好きの中国人が、なぜ共産主義に騙されたのか?…-238
あとがき…242

【内容紹介】この本は、副島氏が「自分の専門であるアメリカやヨーロッパの政治思想の研究ばかりしてても駄目だ。隣りの大国中国を勉強しなければ」と思い立ってから初めて記す、中国研究の書である。07年8月17日のアメリカのサブプライムローン危機から始まった世界的な金融危機、信用市場崩れの動きは、大きな世界史レベルの動きであるから少しぐらいの事では収まらない。当然中国も「ドル崩壊」で打撃を受け、人民元は下落する。しかし中国市場はすぐにでも回復するだろう。それは何故なのか。副島氏独自が調査した中国を描く。 ビジネス社 (2007/12/26)

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by yomodalite | 2008-01-02 10:31 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)
アメリカによるジャパン・バッシングの時代に書かれた『日本権力構造の謎』以来、久しぶりにウォルフレンの本を読みました。『日本権力〜』は、力作ではありますが、日本の謎に挑んだ数々の外国人による著作同様、鮮やかな解答が得られるものではなかったし、その後の「日本」本も一部のマゾヒズム傾向の反日受けを狙ったようなタイトルに興味を抱きませんでしたが、この本は「世界」のことなので、久しぶりに読んでみました。

相変わらず「日本人だけが知らない〜」などの余計な一言や(苦笑)、身勝手な日本への期待で締めるという流れにはうんざりなんですが、第4章 貧困撲滅〜や、第6章のEUに関しては読みごたえあり。

日本が唯一成功した社会主義国家と言われていた時代には、世界はグローバリゼーションという超資本主義が蔓延し、日本は市場を開放しろと散々叩かれ、EUが社会主義に舵取りをしたころ、日本は益々アメリカに牛耳られ、逆方向へと歩み出しました。

ズレているのは承知ですが、ヨーロッパでも、米の顔色を伺うのに必死だった時代に、日本の当時のシステムを批判をしてきたウォルフレンが今さら何を?という気持ちが拭えません。ウォルフレンの略歴にはフィリピンや、東アジアでの報道により評価を得た記述がありますが、「オランダ」の政治、歴史にどうのような総括をしているのか、彼の著作を読むとその疑問が気になって仕方がありません。

___________

【書籍紹介】すでに世界はアメリカ抜きで動き始めた。日本はいつまでアメリカに縋りつくのか?アメリカの不在が露わにしつつある政治・経済の新しい現実を、綿密な取材と緻密な分析で明らかに。 徳間書店 (2007/7/20)

【目 次】
第1章 アメリカの覇権は終わった
第2章 テロリズムは脅威ではない
第3章 グローバリゼーションは崩壊した
第4章 貧困撲滅という虚構
第5章 地殻変動を起こす地球経済
第6章 新しい現実の中での欧州連合
第7章 中国は信頼できるか?
第8章 虚構にとって代わる真実





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by yomodalite | 2007-11-26 11:20 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)
世界的話題書の第2弾。〈イスラエル・ロビー〉が、イスラエルの為になっていないことを、これでもかと列挙した第Ⅱ部。異論を挟む余地のない鮮やかな著作です。副島氏による本著刊行後の米国本国での反響に関する、簡潔にして的確な訳者あとがきも◎

【目 次】
第2部 ロビーの実態
第7章/イスラエル・ロビー”対パレスチナ人
第8章/イラクと中東 体制転換の夢
第9章/シリアに狙いを定める
第10章/照準の中のイラン
第11章/〈イスラエル・ロビー〉と第二次レバノン戦争
終章/何がなされるべきか

◎[Amazon]『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策2』

☆第1弾はこちら
◎『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策[1]』  
____________

泥沼のイラク戦争は、誰が始めたのか? イスラエル・パレスチナ紛争、イラク侵攻、シリアやイランとの今なお続く衝突など、米国の外交政策において重要な役割を果たしている「イスラエル・ロビー」の姿に迫る。 講談社 (2007/10/17)





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by yomodalite | 2007-11-20 22:53 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)
国際政治学の2トップによる、世界的な話題書。

反ユダヤではないことを、これでもかと強調し、イスラエル・ロビーの圧力の実例が示されている。ユダヤ陰謀本とは、まったく異なるアプローチ。第二部の刊行はまだですが、これから世界にどんな影響があるか興味深いところ。

下記、「JANJAN」より引用

露見したイスラエル・ロビー 2007/09/16
ワシントンIPS=コーディ・アハビ、9月6日

ハーバード大学のジョン・J・ミアシャイマーとシカゴ大学のステファン・ウォルトがロンドン・レビュー・オブ・ブックス2006年3月号に発表した論文「イスラエル・ロビー」は、学術書としては珍しい大反響を呼んだ。しかし、ネオコン、ユダヤ教徒、反対派学者、評論家、そしてアメリカ・イスラエル共同問題委員会(AIPAC)といったワシントンのロビイスト団体が、米国の中東政策を形作り、ワシントンにおける公開討議を妨げているとの主張が、厳しい批判/攻撃の的となった。

自らも同問題に関与しているコラムニストのクリストファー・ヒチェンズは、同論文の信憑性を批判。また、名誉棄損防止同盟は、ユダヤの力/支配というデマを取り上げ、反ユダヤ分析を行う古典的陰謀と批判。猛烈な反対キャンペーンが展開された。

ミアシャイマー/ウォルト両氏は、その後同論文を基に「イスラエルのロビー活動と米外交政策」と題された355ページの本を出版。米国のイスラエル支援には、外交的にも軍事的にも戦略的意味、モラル的理由も存在しないと主張している。

両氏はまた、イスラエル・ロビー団体の強い影響力により、米国の政治議論は、自国の長期的安全保障を損なわせる方向に向かっていると批判。更に、ロビー団体の活動は、時にイスラエル政府の政策/利益に反する自己本位なもので、イスラエルの右派リクード党に近い個人、組織で構成されていると主張している。

ロビー団体の境界線は曖昧で、両氏によれば、学者、シンクタンク、政治活動委員会、ネオコン、ユダヤキリスト教団体などもイデオロギー的にこれら団体を支えているという。

ロビー団体とその支援者は、イスラエル批判を抑えるため所謂「いじめ戦略」を取っており、2人の著者も、反ユダヤの汚名を着せられた。ロビー団体はまた、カーター大統領の「パレスチナ:アパルトヘイトではなく平和を」という著作に対しても反ユダヤのレッテルを貼り、同氏をナチ親派と糾弾している。(引用終了)

第1部 : アメリカ、イスラエル、そしてロビー

第一章/アメリカという大恩人
イスラエルへの経済援助/際立つ軍事支援/外交面からの擁護と戦時の支援/結論

第二章/イスラエルは戦略上の資産?か負債?か?
ソ連という熊を封じる手助けをする/冷戦から9・11へ/テロとの戦いのパートナー?という新しい論拠/ならず者国家?に立ち向かう/疑わしい同盟国/結論

第三章/道義的根拠も消えてゆく
弱きを助ける/民主国家の同朋を援助する/過去の犯罪に対する償い/善玉イスラエル?対悪玉アラブ?/キャンプ・デービッドの神話/イスラエル支援は神の御意志に適う/米国民は何を求めているか?/結論

第四章/〈イスラエル・ロビー〉とは何か?
〈イスラエル・ロビー〉を定義する/米国のユダヤ人社会の役割/多様な組織と異議へのきまりごと/右傾化する〈イスラエル・ロビー〉/ネオコン派の役割/キリスト教シオニスト/〈イスラエル・ロビー〉の力の源/大きくはない石油ロビーの影響力/二重の忠誠心?という問題/結論

第五章/政策形成を誘導する
アメリカ合衆国議会を牛耳る/親イスラエルの合衆国大統領を誕生させる/政権を〈イスラエル・ロビー〉側に引き止める/結論

第六章/社会的風潮を支配する
メディアは一つのメッセージしか発信しない/一方向からしか考えないシンクタンク/学界、教育界を見張る〈イスラエル・ロビー〉/不快な戦術/新しい反ユダヤ主義/大きな消音装置/結論


【目 次】 〈イスラエル・ロビー〉と米国の中東政策/〈イスラエル・ロビー〉の手口/なぜ〈イスラエル・ロビー〉を語ることがこれほど大変なのか/私たちはどのように主張を展開するか/この研究に使用した文献について/情報源について/結論

◎[Amazon]『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策1』

☆続編も出版されました!
◎『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策[2]』 
  
______________

【内容】『文明の衝突』のS・ハンチントンに並ぶ、世界最高の知性がタブーに挑む。ユダヤ陰謀説を超える議論の提起!!なぜアメリカはイラク戦争を始めたのか?、なぜ中東はいつまでも不安定なのか?、アメリカの外交政策を歪めてきたのは誰か?、タブーはどのようにしてつくられたのか?

【著者略歴】
ジョン・J.ミアシャイマー/1947年生まれ。シカゴ大学ウェンデル・ハリソン記念講座政治学教授(国際関係論)。米中衝突を予言し、「オフェンシヴ・リアリズム」理論を提唱。米国のイラク侵攻を非難して、ネオコン学者と対立する。

スティーヴン・M・ウォルト/1955年生まれ。ハーヴァード大学ジョン・F・ケネディ行政学大学院教授(国際関係論)。「脅威の均衡」理論を提唱。ミアシャイマーとともに、米国のイラク侵攻を非難して、ネオコン学者と対立する





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by yomodalite | 2007-09-17 14:17 | 政治・外交 | Trackback | Comments(1)
「アジア女性基金」の理事であった著者による「慰安婦問題」の総括本。
NGOや、メディアは、国家補償だけが唯一無二の被害者の意志であり、それなくして、「慰安婦問題」の解決はありえないとし、韓国の被害者支援団体は、被害者が基金の補償金を受け取ることを拒否するよう指導し、解決を遅らせた。

「慰安婦問題」は、元慰安婦への補償問題ではなくなり、高度な政治問題となる。

アジア女性基金の失敗を論じたメディアは多かったが、理事であった著者の苦闘の歴史は現実的で、いわゆる「左派」とは異なり、批判されることに慣れず、独善的になりやすいNGOの弱点をよく理解している。

◎下記は、呉 智英氏による「日刊新書レヴュー」より

慰安婦についての議論は、いくつもの論点といくつもの立場が錯綜している。

論点は、まず第一に、慰安婦の実態はどのようなものであったかであり、第二に、その慰安婦であった女性を我々はどう扱うかであり、最後に、海外からの慰安婦関連の日本批判にどう対応するかである。そして、論点ごとに論者の立場がちがっており、意見がちがっている。

本書は、元慰安婦への“償い金”であるアジア女性基金の理事を務めた政治学者による、その苦闘の記録である。当然、第2の論点が中心になり、立場としては元慰安婦救済ということになる。私とは考えが近いものもあり、ちがうものもあるが、報道などではわかりにくいこの種の活動、任務の困難さが細部にわたって記録され、非常に興味深い一冊となった。

私自身は慰安婦について、次のように考えている。
特別な存在ではない。しかし、救済するのは当然だ

慰安婦は基本的に娼婦である。本質において、現在のいわゆるフーゾク嬢などと変わらない。交戦国、敵国であった支那(「支那」は世界共通語であって差別語ではない。日本人に限って「支那」を禁ずることこそが差別である)やオランダ他の女性は別として、選挙権・被選挙権も順次認められていった同じ大日本帝国臣民たる朝鮮人の女性を性奴隷として強制連行するなどということは考えにくい。事実、そのような証拠は何一つない。

とはいうものの、現代とは圧倒的にちがう貧困と不十分な教育、そして同一国内における格差(内地と朝鮮地域)の上に、甘言や瞞着を以って娼婦を集めたのだから、昨今のコギャルや出会い系の援助交際とは同一視できない。

現在、健康上も経済的にも困っている元慰安婦が多いからには、これに救済の手を差し伸べるべきだろう。ただし、これを“償い”とするのには異論がないわけではないが。

ともあれ、現実的に困っている人がいれば、元娼婦であろうと病人であろうと失業者であろうと、救済に尽力して悪いはずがない。
最近、アメリカを含む外国からの理不尽な日本批判が出ている。マイク・ホンダ下院議員らが中心になって、日本に謝罪要求する決議が可決された。事実認識が誤っているだけでなく、背後に謀略的な動きもあるようだ。こういうものに対しては、元慰安婦救済とは別に、断固として反論すべきである。

こう考える私は、結果的に著者の行動に共感するところが多い。

著者は、本書でくり返し述べている。元慰安婦は高齢になり、病院にも満足に通えず、支えてくれる家族もなく、経済的にも困窮している。政治的イデオロギー論争は措いておいて、まず実際に、とりわけ金銭的に、彼女たちを救わなければならない、と。

原理主義者 対 現実主義者
ところが、民間からの醵金(きょきん)で始められたアジア女性基金は、日本の保守勢力よりも、イデオロギストの活動家たちに翻弄される。韓国内では、公式の国家賠償でなければ金を受け取るべきではないとする人たちが現に困窮している元慰安婦に圧力をかけ、日本国内でも、同様の人たちや一部のフェミニストたちが基金を欺瞞だと批判した。

こうした非現実的な批判を反批判しつつ、著者は多忙な本務の時間を割いて元慰安婦救済に奔走する。いわば、究極の理念のみを判断の基準にする原理主義者と対決しつつ、実(じつ)のある運動を進めようとする現実主義者が著者なのである。

NGO、NPOというと善玉と受け取ってしまう人たちや、単純な図式で一見わかりやすい世論を作りたがるマスコミへの批判も随所に見られる。これもまた実践を踏まえた見識である。 (文/呉 智英、企画・編集/須藤輝&連結社)

[目次]
第1章 「慰安婦」問題の衝撃
Ⅰ. メディア、NGO、日本政府
Ⅱ. 村山内閣とアジア女性基金の設立
第2章 アジア女性基金とメディア、NGOの反応
Ⅰ.  アジア女性基金の発足
Ⅱ. 5つの国・地域での償い
第3章 被害者の視点、被害者の利益
Ⅰ.  「慰安婦」問題の評価
Ⅱ.  被害者の願いとそれへの対応
第4章 アジア女性基金と日本政府の問題性
Ⅰ.  アジア女性基金の失敗
Ⅱ.  日本政府の対応と政策
第5章 償いとは何か―「失敗」を糧として
Ⅰ.  何が「失敗」をもたらしたのか 
Ⅱ.  法的責任論の誤謬
Ⅲ. 道義的責任のはたし方
Ⅳ. 総理のお詫びの手紙
Ⅴ.新しい公共性の担い手とは
終章 二一世紀の日本社会のあり方
Ⅰ.  中国、韓国とのつきあい方
Ⅱ. 日本社会の可能性
あとがき
「慰安婦」問題関連年表

《参考サイト》
◎「愛・読書博」
_________________________

[BOOKデータベースより]一九九〇年代以降「慰安婦」問題は、「歴史認識」の最大の争点となっている。政府は軍の関与を認め謝罪。市民と政府により被害者への償いを行う「アジア女性基金」がつくられた。だが、国家関与を否定する右派、国家賠償を要求する左派、メディアによる問題の政治化で償いは難航した。本書は、この問題に深く関わった当事者による「失敗」と「達成」の記録であり、その過程から考える新たな歴史構築の試みである。 中公新書 (2007/06)





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by yomodalite | 2007-08-26 22:07 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)
1993年に発売された『1991年日本の敗北』の文庫化。大蔵省、外務省の二元外交の弊を実際の証言者への緻密な取材により描かれています。登場人物がよく描かれていて、橋本元首相と、ブレイディ、育ちの良い二人の会談など、どのような雰囲気だったのかよく理解出来ます。この後、大蔵省は解体され、現在自衛隊はイラクに派遣され、憲法は改正されようとしている。

___________

【内容紹介】それは、大蔵省、外務省の暗闘が招いた結果に他ならなかった—。湾岸戦争終結後、クウェート政府が発表した感謝国リストに“JAPAN”は存在しなかった。130億ドルもの国家予算を投じ多国籍軍を支援しながら、ニッポンを迎えたのは、世界の冷笑だった。戦略なき経済大国の「外交敗戦」を、『ウルトラ・ダラー』の著者が圧倒的な情報力で描ききる。

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by yomodalite | 2007-05-23 12:51 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

昭和の三傑―憲法九条は「救国のトリック」だった (集英社文庫)

堤 堯/集英社

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以前から気になっていた本を、憲法改正議論の中ようやく読了しました。

以下のサイトより引用

吉田茂と幣原喜重郎が、アメリカのダレスの再軍備要求をうっちゃって「憲法九条」による、アメリカの「日本永久占領」を受け入れる選択をしたというのは、 堤暁氏の『昭和の三傑』(集英社) が発刊されていらい、もはや定説になっている。

名著『現代の戦略』 を書いた永井陽之助氏は、これを「吉田ドクトリン」と名付けて、軍需ケインズ主義に日本が傾斜することを戒めた。
日本の戦後の繁栄は吉田茂の重要な決断に基づいていた。この決断によって、日本はベトナム戦争という闘われる必要の全くなかったアメリカの暴走した国家戦略に追従することを免れ、軍需景気だけを享受することができたのである。

この世から戦争を無くすことはできないにしても、余分な戦闘にわが国は関わらないことはできる。この問題は宮澤喜一が昔、「モラリティのない日本」という問題意識で提示した問題でもある。(注2)宮澤元首相は、モラリティのない日本をやや批判しておられた。だから、私は国連決議があれば派兵には原則としては賛成である。ここでモラリティは確保できる。今のアメリカはモラリティだけの外交、しかもそのモラリティがイスラエルの安全保障を守るための隠れ蓑になっており、これもまた問題なのである。

しかし、「日米同盟に基づく派兵はできないとという風に口で言わなくても制度としてそうなっている」今の制度が実に素晴らしいと思う。しかも、憲法押しつけの責任はアメリカ側にある。
だから、今の憲法を変える必要はないのである。

つまりこういう事だ、

わが国は国際協調の名の下で「一国平和主義」を掲げるべきなのである。

(注) 吉田茂の発言は次の通りとされる。

(引用開始)

…だが、壇上の夏目晴雄学校長の口をついて出た言葉は僕の予想とは似ても似つかないものだった。

(校長は)「その上で、防大の生みの親である吉田茂元首相が諸君の先輩にこう言われたことがあります」と前置きして、防大OBの間で長年にわたり語り継がれてきたその言葉を紹介した。

…『「君たちは自衛隊在職中決して国民から感謝されたり歓迎されることなく自衛隊を終わるかもしれない。きっと非難とか誹謗ばかりの一生かもしれない。ご苦労なことだと思う。

しかし、自衛隊が国民から感謝され、ちやほやされる事態とは外国から攻撃されて国家存亡のときとか、国民が困窮し国家が混乱に直面しているときだけなのだ。言葉をかえれば、 君たちが日陰者であるときの方が、国民や日本は幸せなのだ。耐えてもらいたい。」

……諸君の先輩は、この言葉に心を打たれ、自らを励まし、逆風をはねのけながら、ひそやかな誇りを持ち、報われることの少ない自衛官としての道を歩んだのであります。』

杉山隆男「兵士に聞け」新潮文庫、pp57-58。
(引用終わり)

(注2)この問題については田原総一朗との宮澤氏の対談を参照。

(引用はじめ)

「実は私は、外務大臣のときに次官以下の幹部の諸君に宿題を出したのですよ。まず、こう問いました。日本は憲法によって戦争の放棄を宣言し、どこの国とも仲良くするということを外交方針にしていると、私は考えているのだが、間違いはないか、とね。げんに、憲法の前文に『諸国民の公正と信義に信頼して……』と書いてあるのですよ。みんな、間違いない、その通りだと答えました。そこで私は言ったのです。もしも、どこの国とも仲良くするということを、実際に行うとこれは大変にモラリティの無い外交にならざるを得ない、とね。そうでしょ」

-わかりません。どうして、です?

「どこの国とも仲良くすると言うことは、たとえ、どんなひどい、不正や非人間的な事が行われていても、その国に対して、制裁行動は起こさないで仲良くするということでしょう。これはモラリティの無い外交ではないですか」

宮沢氏がイランやソ連の行動を指しているのだろう、とは、容易に推察できた。

-非人間的なことが行われていれば、やはり、それに抗議すべきじゃないのですか。

「抗議してやめてくれれば良いのですが、もしも改めなかったらどうするのです」

宮沢喜一氏は、逆に問うた。

「口先でいうくらいじゃ抗議にもならない。まるで効果はない。といって、日本は武力行使はダメ、威圧もダメ、十字軍を出すこともできない。一体、どうすればよいのです」

どうすればよいのか、と、私は宮沢氏の言葉をそのまま口にするしかなかった。

「結局、日本はモラリティのない外交しかできない。また、国民も本心ではそれを望んでいるのではないですか。 一切の価値判断をしない外交。しかし、これは、ごまかし外交でしてね。価値判断と言えば損得勘定だけでしょうな。価値判断がないのだから、何も言えない。言うべき事がない。ただ、頭を叩かれれば引っ込める。世界の空気を眺めて大勢に従う。日本はこれまでそれでやってきたのですよ。念のために言っておきますが、日本の外交、いかにあるべきか、という宿題の解答は外務省の諸君からいまに到るももらってません」 (文藝春秋1980年3月号 「ソ連は怖くないですか」宮沢喜一/聞き手 田原総一郎 から)

(引用終わり)
____________

【BOOKデータベース】 未曽有の敗戦処理に当たった三代の宰相は、智略の限りを尽くして占領軍アメリカに立ち向かった。憲法九条の発案者はいまだに定まらない。天皇制存続とバーターに押しつけられたとする「定説」を覆し、ビックリ条項に秘めた「救国の経略」を明らかにする。

【MARCデータベース】「憲法第九条」は日本製だった。日本国民が「アメリカの手駒」となることを防ぐための当時の歴代首相の「知恵」とは? 鈴木貫太郎、幣原喜重郎、吉田茂をキーマンに、戦後を総括する歴史ノンフィクション。

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by yomodalite | 2007-05-12 22:48 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

小泉官邸秘録/飯島勲

小泉官邸秘録 総理とは何か (文春文庫)

飯島 勲/文藝春秋

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秘録とありますが、内容は前書「代議士秘書—永田町、笑っちゃうけどホントの話」に比べて赤裸裸度は大幅に減じています。身もふたもないような自慢話が続き、最後まで読み通すのがとても辛い。小泉劇場が好きで、暇な方向き。
___________

【MARCデータベース】米国同時多発テロ、北朝鮮外交、郵政民営化など様々な難局に官邸はどのように対応したか。小泉内閣で主席総理秘書官を務めた著者が初めて明かす、決断と改革の真実。政策決定の舞台裏を、内部者ならではの視点から克明に描く。
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by yomodalite | 2007-05-09 21:39 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

大地の咆哮/杉本信行

大地の咆哮 元上海総領事が見た中国

杉本 信行/PHP研究所

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日本を背負って働き、命を縮められた著者には哀悼の意を表したい。

巻末の付録「日中を隔てる五つの誤解と対処法」、中国人との歴史対話という、現場における最も重いテーマについて、具体的な対処マニュアルを提示している。

全体的に読みにくい印象あり。また上海駐在員の自殺の真相については物足りなさが残る。
__________

【出版社/著者からの内容紹介】2004年5月、在上海日本総領事館の館員が、中国側公安当局者による恫喝と脅迫に苦しめられ、自殺の道を選んだ事件は、日本人に大きな衝撃を与えた。そのときの総領事が著者である。
同年秋、一時帰国した著者は、自らの体に病巣があることを知る。医師から告げられた最終診断は末期がんであった。抗がん剤による激しい副作用と闘いながら、日本と中国の未来を見据えて書いたのが本書である。

「解説文」を執筆した岡本行夫氏(国際問題アドバイザー)はこう語る。「この本は現在の中国を分析するものとして世界中で書かれた多くの著作のうちでも屈指のものだと思う」「現役の外交官が、病気と闘う中で、自分の経験と考えを、脚色や誤魔化しなしに、そのまま我々に伝える決心をした」
著者はいう。「中国認識で大切なことは、机上の理論を排した現実に即して中国を理解することだ」と。その言葉どおり、日本人が知らない中国の実態を明らかにした大著。

[MARCデータベース]中国は日本にとって時としてやっかいな隣国であるが、だからといって引っ越すわけにもいかない。約30年間、中国外交の第一線で活躍した元上海総領事が、知られざる大国の実態と問題点を、その歴史と現状から分析する。





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by yomodalite | 2007-04-19 18:38 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

軍隊なき占領―戦後日本を操った謎の男 (講談社プラスアルファ文庫)

ジョン・G. ロバーツ,グレン デイビス/講談社




マッカーサーの政策を演出し、「逆コース」を、指示したのは本当は誰だったのか。

単行本サブタイトルは、「ウォール街が『戦後』を演出した」。

___________

[BOOKデータベース]次々と釈放されるA級戦犯、公職復帰する旧官僚、再興する財閥…。マッカーサーの民主化政策を百八十度転換させることになった「逆コース」はどのように仕組まれたのか?戦後日本を操った「ジャパン・ロビー」の中枢機関「アメリカ対日協議会」(ACJ)とは?政財官を結びつけ暗躍する謎の男ハリー・カーンとは何者か?オリジナル文書、公開・非公開の資料、インタビュー、日記など、事実のみが語る、戦後史の闇を暴く力作。(解説 カレル・ヴァン・ウォルフレン)
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by yomodalite | 2007-03-26 17:58 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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