カテゴリ:政治・外交( 52 )

売国者たちの末路

副島 隆彦,植草 一秀/祥伝社



ここ数年、流行語大賞も、今年を表す漢字も「売国」でいいんじゃないかと思うほど大流行なんですが、

中でも、「キング・オブ・売国」竹中平蔵氏と、小泉純一郎氏が行なった数々の売国行為と、売国者によって、犯罪者に貶められた優秀な経済学者で愛国者の植草一秀氏の真実が一冊によくまとめられています。

副島氏の弟子で、『ジャパンハンドラーズ』の著者でもある中田安彦氏は本の内容は大きく3つに分かれ、

現在アメリカを襲い世界に波及している、アメリカ初の世界金融恐慌についての分析と、

有力エコノミストである植草一秀氏に痴漢の罪をでっち上げて、「破廉恥(はれんち)罪」というレッテルを貼り、拘置所に閉じこめ、社会的に抹殺しようとした、「国家権力の手先」との熾烈な戦いの記録。

そして、エコノミスト植草一秀の目から見た、「流行の経済思想の流通業者・竹中平蔵」の分析、解説であり、この3番目の部分こそが一番の読みどころと評しておられます。

植草氏は、かつて大蔵省での同僚でもあり、若い頃の竹中氏の姿を間近に目撃していて、竹中氏の経済学者としての変節も、大臣として登りつめていった過程も、よく知っている。また、「かんぽの宿」のオリックス(宮内義彦会長)への安値払い下げ問題にも深く触れられているので、全国納税者の必読の書と言っていいでしょう。

アマゾンレヴューでも発売後一週間未満で20件以上のレヴュー、ランキングでも政治経済部門で1位、一般書部門でもベストテン入りとよく売れているようなので、未読の方は選挙までにお買い求めになられますように。

売国者も、末路と聞けば、哀れにも思え、溺れる者に石をぶつけるのもどうかと思えてしまいますが、被害者の植草氏は、6月27日に、最高裁は上告を棄却を決定し、近く収監が決まってしまいました。

今度の総選挙では、この決定をだした最高裁判所判事の近藤崇晴(こんどうたかはる)に、国民審査で×をつけるのもお忘れなく。

★追加更新
那須弘平(なすこうへい)←この名前も憶えておこう!


「佐藤優元分析官の有罪確定へ=猶予付き懲役2年6月−外務省背任事件・最高裁 」
2009年7月1日 17時9分  時事通信


国際会議への派遣費用を外務省の関連機関に不正支出させたなどとして、背任と偽計業務妨害の罪に問われた同省元主任分析官佐藤優被告(49)=休職中=について、最高裁第3小法廷(那須弘平、なすこうへい 裁判長)は6月30日付で、被告側上告を棄却する決定をした。懲役2年6月、執行猶予4年とした一、二審判決が確定する。

植草一秀の知られざる真実
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/

日本電子新聞社「『売国者たちの末路』を読んで、選挙に備えるべし」
http://www.qualitysaitama.com/?p=2640

___________

【内容紹介】リーマン・ショックを的中させた副島隆彦氏と植草一秀氏の対面が実現。国民を不幸にする国家権力に対して「共闘宣言」を叩きつける。
植草氏は1990年代、日本を代表するエコノミストとして華々しく活躍していた。しかし2001年4月の小泉純一郎政権誕生後、その経済政策(すなわち竹中平蔵氏主導の『構造改革』路線)に異を唱えつづけたところ2度にわたって「痴漢事件」の犯人となり、公的な職を失った。2004年の事件は罰金刑が確定したが、2006年の事件は最高裁で係争中である。現在はブログで政治・経済分析を中心とする言論を発信している。
副島氏は早くから「植草氏は冤罪。売国者・小泉=竹中政治の謀略に嵌められた」と指摘。同時に植草氏の言論活動を高く評価してきた。
両氏が相見える本書では、小泉=竹中政策の糾弾はもとより、民主党・小沢一郎代表への国策捜査、「かんぽの宿」問題に象徴される郵政民営化の闇、世界金融危機の行方まで、新聞やテレビでは触れることのできない「真実の言論」を展開する。
祥伝社 (2009/6/23)



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by yomodalite | 2009-06-28 23:51 | 政治・外交 | Trackback | Comments(4)
f0134963_12162425.jpg著者は外交官として、ソ連、アメリカ、イラク、カナダ勤務の後、ウズベキスタン大使、国際情報局長、イラン大使を歴任し、2002年防衛大学教授という経歴。

本著は、日米安保体制(日米同盟)が、国民の知らない間に、完全に米国の戦争協力の道具に変えられてしまっていることを白日の下にさらし、これからの日米同盟とは、米国の「テロ」との戦いに日本がどうやって協力させられていくかという事でしかない、という内容。

★続きを読む!!
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by yomodalite | 2009-05-22 12:21 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

テロリズムの罠 右巻 忍び寄るファシズムの魅力 (角川oneテーマ21)

佐藤 優/角川学芸出版




『テロリズムの罠 左巻』に続き、『テロリズムの罠 右巻ー忍び寄るファシズムの魅力』は、2008年のロシア・グルジア戦争は、国家間の懸案を武力で解決するという傾向を強め、リーマンブラザーズの破綻による世界不況で、各国政府は保護主義政策に傾いているなか、オバマ米大統領が国民を糾合し、国家体制を強化しようとしている姿勢に、危険な要素を感じるところから始まる。

イタリアのムッソリーニによるファシズムと、ナチズムを区別することが重要で、自由主義的な資本主義によって生じる格差拡大、貧困問題、失業問題などを国家の介入によって是正するというかなり知的に高度な操作を必要とするのが、「ファシズム」。

「ファシズムは、欧米の良質な知的伝統を継承した運動なのである。」

しかし結論を先取りしていうとファシズムの処方箋は好ましくない。

著者は、「はじめに」で、ファシズムの美点を紹介し、序章からは、その戦争への危険性を論じるという内容になっている。

序章では、「思想戦」、第1部「血と帝国の思想戦」では、ロシア、中国など社会主義国家の過去と現在を、著者の専門領域ともいえる分析力で読ませられるのですが、第2部「甦るファシズム」では、著者が強い影響を受けている宇野弘蔵のマルクス論を、さらに経済哲学的に考察した滝沢克己が引用されると、私には全くついていけなかった。ちなみに、滝沢克己氏の不安と恐慌の関係についての文章とは、

<じっさい、私のこれまで考えたところでは、右に述べた一点においては、「恐慌」は少しも「不安」と異ならない。相違は、「不安」が客体的主体としての人間の、絶対主体そのものに対する直接の関係のある特定の仕方に伴って避けがたく人間の世界に起こってくる現象であるのに反して、「恐慌」ないし一般に経済的・社会的な不安定は、同じ客体的主体としての限界の内部で、人間以外の個々の客体に対して関係せざるをえないその関係のある特定の仕方に伴って、必然的に人間の世界に起こってくる現象だという点だけなのである。>

この文章は、『「現代」への哲学的思惟ーマルクス哲学と経済学』という著書からの引用。上記でもたった7行の文章に、4回も「人間」とことわっているが、他の文章も、異常に「人間」率の高い文章で、滝沢氏が人間であることを疑わせるほど(笑)。

第2部は、第8章の雨宮処凛、あるいは「希望」の変奏まで、上記のような呑み込み難い文章が続きますが、その後は、厚生事務次官の殺傷事件や、田茂神論文などコンテンポラリーな話題から「あとがき」ー人種主義の足音へと順調にまとめられていますが、読了後は手を付けなければ良かったという印象。佐藤氏には、もうそろそろ、作家としてよりも、日本の優秀な外務省職員として職場復帰してもらいたいと思います。
________________

【BOOKデータベース】ロシア・グルジア戦争、リーマン・ブラザーズの破綻…。新自由主義イデオロギーが駆動するグローバル資本主義のもとで帝国主義化するアメリカ、ロシア、中国など、大国各国の政権と国体の変動を詳細に検証。資本主義の恐慌と過剰な搾取が生み出す社会不安と閉塞感が排外主義・ファシズムへと吸収される、現下の世界情勢の危機を警告する。 角川学芸出版 (2009/2/10)


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by yomodalite | 2009-04-28 15:24 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

テロリズムの罠 左巻 新自由主義社会の行方 (角川oneテーマ21)

佐藤 優/角川学芸出版



本書は、角川学芸出版のウェブマガジン『WEB国家』に連載されていた「国家への提言」に加筆修正したもの。左巻、右巻と2冊同時出版されていて、それぞれ、左派・右派向けかと思いきや、そうではなくて、左巻は新自由主義、右巻はファシズムをテーマにしている。

左巻きは嫌いだから、右巻だけ読もうと思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、両巻読んだ感想で言えば、左巻から読んだ方がわかりやすい内容になっていて、リーマンブラザーズの破綻を契機に起きた世界不況が、新自由主義に基づくグローバル資本主義の終焉を招くであろうという予測から、新自由主義の見直しの必要性を説いた内容になっている。

佐藤氏は、新自由主義は、国家と社会がもつ暴力性を加速する傾向にある。という。

新自由主義は、生活における貨幣の比重を高めてしまう。貨幣は本性として暴力的であることを認識し、新自由主義が市場による競争で合理的で公正な配分ができるというのは嘘で、市場において、豊かな者と貧しい者では、初期段階でもっている道具や情報に格段に差があることを指摘。宇野弘蔵のマルクス経済学に沿って、新自由主義の行方について語られている。

『テロリズムの罠』というタイトルは、わかりにくいのだけど、

秋葉原無差別殺傷事件は、国家を直接の標的にしていないが、「社会」を標的にしたテロである。テロは社会を弱体化し、国家が収奪する対象である社会が弱体化し基礎体力が衰えると、国家は弱体化する。秋葉原無差別殺傷事件が他のポトスに向けられたときの危険を認識したため、政府は迅速に対応し、派遣労働者に対する法整備を急速に進めた。テロにおびえ、あわてて対症療法するのは弱い国家であり、日本国家の弱体化は、国民の目に明らかになった。格差から生じる不満を政治はどのように理解するべきかを、元官僚であった佐藤氏が考察すると、『国家の罠』を逆さにしたタイトルになった、ということか。

各章により、インテリジェンス、旧ソ連、ロシアについての内容は興味深い点が多いものの、これを『テロリズムの罠』というひとつのパッケージの納め方には、居心地が悪かったり、風呂敷を広げ過ぎた感もあるような。。。

第2章の『蟹工船』異論では、小林多喜二がプロレタリアートの実態を知らずに書いた部分を、雨宮処凛氏との対談などを通して指摘し、第5章の内閣崩壊では、安倍〜福田の内閣の性格とその崩壊を解いている。

あとがきでは、テロとクーデターを避けるためには、日本を愛する人々が、暴力によって「世直し」を試みると、その結果、国家が暴力性を高める。この認識を共有することがテロやクーデターの歯止めになる。そのために思想がもつ力をいまここで発揮しなくてはならない。としているのだけど、どこからも援助されることのない、純粋に「日本を愛する人々」による暴力的な世直し、というものが想像できないし、国家の暴力性には様々な形体(軍隊・警察権力の強化〜税金の収奪、格差の定着)があるが、愛国者の抵抗(テロ・クーデター)は、幅がせまくなる一方であるなら、歯止めが「国家」の弱体化に繋がるかどうか。。。

『国家』本が飽和状態であると出版社側は判断したのだと思うけど、やっぱり本書は『国家への提言』のほうが、すっきりした内容になったと思う。
★★★☆

【目 次】
序章ーなぜいま国家について語らなくてはならないのか
・国民の災厄に備える
・国家権力の本質
・「不可能の可能性」に挑む

第1部ー滞留する殺意 暴力化する国家と社会の論理
 
第1章 国家と社会の殺人
・「社会」へのテロリズム
・「物神」と殺人

第2章 『蟹工船』異論
・「蟹工船」という問題
・葉山嘉樹『海に生くる人々』を読む

第3章 控訴棄却
・鈴木宗男疑惑の本質
・「欲望」する検察

第4章 農本主義の思想
・思想としての「土」
・「農本主義」を再考せよ

第2部ー沈みゆく国家 新自由主義と保守主義の相克

第5章 内閣自壊
・安倍内閣「自壊」の内在的論理
・新自由主義による日本国家・日本国民の簒奪
・ファッショの危機

第6章 情報漏洩
・国家とインテリジェンス
・インテリジェンス戦争

第7章 支持率2パーセントでも政権は維持できる
・求心力なき国家
・信任なき政権、崩壊せず

第8章 北方領土と竹島
・メドベージェフの“シグナル”
・領土問題の交渉術

あとがき テロとクーデターを避けるために
________________

【BOOKデータベース】秋原原無差別殺傷事件、うち続く政権崩壊…。二〇〇七年から「最悪の年」二〇〇八年にかけて起きた国内の数々の事件・出来事、そして一大ブームとなった『蟹工船』の犀利な読解・分析を通じ、日本国家を弱体化すると共に暴力化し、日本社会の中に絶対的貧困とテロリズムへの期待を生み出した新自由主義の内在論理を徹底的に解読する。 角川学芸出版 (2009/2/10)



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by yomodalite | 2009-04-27 15:45 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

援助貴族は貧困に巣喰う

グレアム ハンコック/朝日新聞



こちらのサイトで紹介されていた箴言

「大いなる悪をなす者はまず、自分が大いなる善をしていると、自分自身を納得させる必要がある」

インドのガンジーの言葉だそうです。で、この箴言にぴったりの著作が本書。ズバリ内容がわかるタイトル。著者が1995年出版の『神々の指紋』で、世界的なベストセラー作家になる前の1989年に出版されています。『神々の指紋』は未読なので、トンデモ本なのかどうかは判断できませんが、こちらは間違いなく真っ当な本です。なんせ朝日新聞社刊ですから(笑)

著者は「タイムズ」「サンデー・タイムズ」「インデペンデント」「ガーディアン」などイギリスを代表する高級紙でジャーナリストとしてのキャリアを積み、1970年代にNGOの援助スタッフとして現場経験もあり、1984〜85年のエチオピア飢饉のときには現場で緊急援助活動にたずさわり人道的活動で表彰もされている。

翻訳者の武藤一羊はアジア太平洋資料センター代表。巻末の『「援助の思想」をどう超えるか』には、神田浩史(ODA調査研究会)、松井やより(朝日新聞社編集委員)村井吉敬(ODA調査研究会コーディネーター)(※( )内はすべて刊行当時)による、本著ではあまり取り上げられていない日本のODAの実体に関しての座談会も収録。

ここに書かれてある援助の実態は、現在でもまったく変わっていないと思う。(酷くなっているかも)なんせ、一応ソマリアとか、エチオピアという国への援助だったのが、今や全部まとめて「アフリカ支援」。たしかに、ブッシュが、アフリカを国名と思っても仕方のない報道ばかりですし、

それでもアフリカだけでは足らないらしく、地球を救おう(巣喰おう)なんて、援助貴族はますます拡大する一方ですけど、飢餓難民は一向に減らない。

絶版本ですけど、お子さまにボランティアになりたい。国連で働きたいなどと言われたら古本屋か図書館で本著を探して一読をお薦めされてはいかがでしょう。

援助された国がいかにボロボロになっていったかが、少し解ります。

◎「関心空間」ー 第三世界の鉄則として、「プロジェクトが外国の資金でまかなわれていれば、そのプロジェクトは、外国人が設計し、外国市場で購買された外国の設備を使って、外国人によって実施されている、という法則」があると述べる。そして、援助の受益者は誰か?と問いかけるのだ....

◎「コラム国連」ー 国連への批判と結論の錯綜は日本に限ったものではありません。例えば、グレアム・ハンコック氏は「援助貴族は貧困に巣食う」(朝日新聞社)で先進国の援助政策を批判しますが、その国連批判ではヘリテージ財団の資料を多く引用しています。これは米国の右派のシンクタンクで、レーガン政権の国連敵視姿勢に大きな影響を与えました....

________________

【BOOKデータベース】北の国民がつぎ込む膨大な税金と善意の寄付が、援助ビジネスのエリートたちの手で南の人々をますます貧困に陥れる、恐るべきメカニズム。朝日新聞 (1992/03)



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by yomodalite | 2009-01-30 12:06 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

暴走する国家 恐慌化する世界―迫り来る新統制経済体制(ネオ・コーポラティズム)の罠

副島 隆彦,佐藤 優/日本文芸社



奥付では平成20年12月30日第1刷発行とあり、まさに年末スペシャル企画ともいえる夢の最強タッグによる対談本。このお二人による対談にワクワクされた方には期待を裏切らない内容です。

序章、第1章までは、副島氏の熱心な読者には重複内容が多いものの、第2章は、ユダヤ教の本質がラチオとリーズンであるという副島氏の主張に、豊富な宗教知識をもつ佐藤氏が広汎な宗教・哲学論議へと展開されていて、このあたりの論議は、今まで副島氏の水準に適う対談相手がいなかっただけに、これまでになく深い内容になっています。

第3章、第4章は、佐藤氏のロシアへの深いインテリジェンスが、副島氏によって、欧州、中国との関連を交えた世界情勢の話として理解できる内容に。

そして、最終章は、日本の外交の問題点について。

【目 次】
序章 アメリカ大統領選に隠された真実
●ユダヤ・ロビーを無視して国際情勢は認識出来ない
・奇跡を肯定するキリスト教西欧文明の虚偽
・ニューヨーク・金融財界人に操られるアメリカ大統領
・アメリカ政治の二大原理ーリバータリア二ズムとポピュリズム
・世界を動かすユダヤ・ロビーの実力

第1章 アメリカ・ドル覇権の崩壊で「恐慌化」する世界
●1929年の「世界大恐慌」を凌ぐアメリカ発の金融危機の正体
・世界中で今、アメリカ外しの動きが始まっている。
・今回の恐慌には従来の経済学理論は通用しない
・アメリカ政府はAIG保険会社をなぜ救出したか
・カジノ経済を操る金融万のインチキは崩壊した
・これから大打撃を受ける日本の金融機関
・世界銀行・IMF体制は一旦崩壊する

第2章 秘密結社の実像ー西欧を動かす民族思想と宗教
●キリスト教に反旗を翻した集団の思想的系譜
・陰謀の分析なしに国際情勢は読めない
・神学者アダム・ヴァイスハウプトの思想
・ロシアで今、影響を与えている2人の思想家
・キリスト教会(カトリック僧侶階級)に反抗する宗教思想
・ロシア人に嫌われるイエズス会の実像
・神との「契約」から「摂理」重視になった近代キリスト教
・神学(セオロジー)と神聖政治(テオクラシー)

第3章 ロシアの野望と裏で操る二大勢力
●実力者プーチンとユダヤ・ロビー、アルメニア・ロビーの暗躍
・ロシアは2020年までに帝国主義大国をめざす
・備蓄しているものをお互いに融通しあうロシア社会の伝統
・ロシアを動かす二つの目に見えない同盟
・ユダヤ人とは何者か?アシュケナージとスファラディー

第4章 グルジアで発火したロシアとアメリカの「熱き戦争」
●大三次世界大戦への発火点となるか?グルジア軍事衝突の実像
・グルジア戦争は大三次世界大戦の発火点になるか
・グルジア経由、カスピ海・黒海の原油をめぐる争奪戦
・やがて中国はロシアと組み、アメリカと衝突する
・ロシアとアメリカは「熱い戦争」を繰り広げる
・「熱い戦い」になると中東で核兵器が使われる

第5章 劣化し、暴走を始めた日本の行方
●アメリカと官僚に乗っ取られた日本国は「新統制経済国家」へと転落する
・属国・日本の外交にインテリジェンスはない
・日本の政治を堕落させた官僚制度の弊害
・日米同盟にロシアを加える「地政学主義」こそ正しい日本の選択
・このままでは、政権交代で日本は何も変わらない
・全世界の国家が今、暴走を始めている
_____________

【内容説明】アメリカ発の金融恐慌で国家は暴走し、世界は新統制経済体制に突入する! 世界帝国アメリカの凋落と勃興するロシア。ドル亡き後の世界で、国家、そして民族はどのように変貌するのか? 言論界の両雄が語りつくす衝撃の対論。日本文芸社 (2008/12)


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by yomodalite | 2008-12-25 22:36 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

「海洋国家」日本の戦後史 (ちくま新書)

宮城 大蔵/筑摩書房




アジア外交といえば、中国、韓国・朝鮮ばかりをイメージしてしまいますが、本著はインドネシアを主軸として、アジアの転換期に日本がどのように関わってきたのか、というお話。今もって話題のつきないデヴィ夫人の活躍も。アメリカの属国をやりながら、アジアの非政治化を目指す。外交とはつくづく難しい。

「毎日jp」今週の本棚/五百旗頭(いおきべ)真・評

◇アジアの経済建設という劇

 あの戦争に敗れた日本の戦後外交は、受け身の対応を基調としてきたと言われる。とりわけ超大国アメリカとの関係はそう見える。日本外交は舞台の中央に立って大見得(おおみえ)を切るような派手なスタイルをとらないし、自らの外交的成功を世界に誇って回るようなこともしないので、実際より小さく見られがちである。

 そのような見てくれと大方の評判に騙(だま)されてはいけない。日本が新しい時代をつくり出すうえで国際的役割を果した局面がある。それもアジアの地で、というのが本書のメッセージである。

 『「海洋国家」日本の戦後史』という本書の表題を見て、日米海洋同盟の話かと早とちりしてはいけない。日本の南方にある多島海の国インドネシアを軸とするアジアの歴史が、本書の世界である。

 アジアの戦後史とは何であったか。第一局面は、脱植民地化と独立の時代であった。革命と解放の熱き政治の時代であり、毛沢東やスカルノらカリスマ的英雄が跳躍する局面である。(ちなみに日本史は、この局面を西郷隆盛や坂本竜馬の明治維新期に済ませており、戦後史は経済再建と民主化をテーマとした。)

 戦後アジアの第二局面は、経済建設を中心とする実質的な国づくりの時代であり、朴正熙、スハルト、マハティール、トウ小平ら開発権威主義者たちの活躍が目立った。第三局面は、フィリピンのピープルズ・パワーがマルコス政権を倒して以後の民主化の季節である。

 本書が描き出すのは、第一と第二の局面であり、とりわけ第二の局面を切り開いて、戦後日本が自らの経済主義的な「海洋国家」の生き方を、南の海の国に拡(ひろ)げて行くプロセスがハイライトである。

 アジア・アフリカ諸国が参集した一九五五年のバンドン会議から本書は始まる。対米基軸で再建を図る日本は、しかし親米反共の立場で会議に臨まなかった。もとより会議で活発な反植民地主義と反米左翼に同ぜず、中立主義を政治的立場ともせず、平和主義を説きつつアジアへの復帰を求める鮮明でない存在だった。日本の知るかつてのアジアと全く違う反植民地主義の政治感情が煮えたぎるアジアを前に立ちすくんだ日本であった。

 一九五七年にインドネシアを訪れた岸首相がスカルノ大統領に対して、こじれていた賠償問題を大胆な決断によって決着したことにより、日本は南方に経済地平を拡げることになった。

 反植民地主義の精神動員によって多元的な大国を統合し、共産中国に接近するスカルノ政治。スカルノに対する地方の反乱を米国CIAは支援して敗れた。この地での信頼と影響力を失うアメリカ。マレーシアを守るため強固な反スカルノに走るイギリス。日本はスカルノを親共であるよりも民族主義であると定義し、この国との関係を切らない。一九六五年の九・三〇事件後にスハルトが指導権を確立すると、日本は真先に協力と支援に乗り出す。

 この第二局面への移行に際して、日本は米英両国がそれぞれに外交的影響力を失う中で、インドネシア債権国会議を東京で開催し、開発の時代を南方に切り開く。それは独立したアジアの国をめぐって、中国の革命路線を抑えて、地道な経済建設の時代を呼び起すことになった。

 朝鮮戦争やベトナム戦争といった冷戦の地域的熱戦化に眼(め)が奪われがちななかで、静かな、しかし長期的に真に重要なアジアのドラマと、それへの日本の関与を、はじめて実証的に解明した著者の総集編ともいうべき本書である。

毎日新聞 2008年6月29日 東京朝刊
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【本の内容 asahi.com】独立と脱植民地化が課題となった戦後アジアは、冷戦と革命をめぐる渦に巻き込まれる。ひとつの軸であったインドネシアでの1965年の政変を転換点に、「非政治化」したアジアの開発は本格化する。解禁された日米ほかの外交機密文書をもとに、アジアの半世紀の変容における日本の航跡を描き出す。筑摩書房 (2008/06)

1.「アジア」の誕生―バンドン会議と日本のジレンマ
2. 日本の「南進」とその波紋―独立と冷戦の間で
3. 脱植民地化をめぐる攻防―日英の確執、中国との綱引き
4. 戦後アジアの転換点―1965年
5. アジア冷戦の溶解―米中接近と「中国問題」の浮上
エピローグ(「アジアの非政治化」と戦後日本、「吉田ドクトリン」と「福田ドクトリン」、21世紀のアジアと日本)

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by yomodalite | 2008-08-24 20:54 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

闇権力の執行人 (講談社+α文庫)

鈴木 宗男/講談社




佐藤優氏の「国家の罠」だけで充分かなと思い放置していたが今になってようやく読んでみた。陰謀論本のようなタイトルだが、外務省以外の存在には一切触れていない。

重厚なロシア文学の香り漂う佐藤氏の本とは違い、外務省職員の週刊誌的スキャンダルが、これでもかと顔写真入りで紹介されている。

鈴木氏はこの逮捕により、逆に好感度が上昇し、外務省の評判は地に落ちた。2008年02月、2審でも実刑判決を受けた鈴木氏だが、小泉、福田はいずれも反宗男。最高裁判決が小沢氏政権奪取後ならどうなるのだろうか。

◎「あたまにスッと入るあらすじ」
___________

【MARC」データベース】権力の中枢にいた者にしか、この本は書けない! 日本の中枢に巣くう暗黒集団の実態-「政治家」「検察」「官僚」「民間人」の邪悪なリンクによる闇の世界を、見聞した事実に基づき明らかにする。命を賭した初めての告白。講談社 (2005/12)


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by yomodalite | 2008-08-12 12:55 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

テロルの真犯人

加藤 紘一/講談社




政治家の発言というのは難しいのだと思う。責任をもった政治家ほど、真実が言えなくなるのでしょう。政治家は学者と違って、常に「勝負」の世界。「実」を取らなければ、何の意味もない。加藤氏は、政治家を志したときから、いずれは総理を目指すまでの経験と学習を積んできた人だと思う。

アジアばかりに媚びていると言われるが、政治とヤクザの世界は似ていて、アメリカも、EUも、中国も大事だなどと言う政治家は、結局、そのいずれとも関係を保つことは出来ない。しかし日本という国にとっては、いずれの国とも良好な関係を築くことこそ国益であるはず。それゆえ親中派の政治家を「媚中派」などと言って貶めるのは、愛国者のすべきことではない。

現在、媚中派というレッテルを一身に浴びている加藤氏だが、親中であればすべて批判されるようなネット世論には、かつて中国との国交を結んだことにより、アメリカから失脚させられた田中角栄氏と同じく、親米派の策略を見るべきだと思う。マスコミや、ネットでの論調に左右されずに、真実の加藤氏を少しでも知りたいと考え、本著を読んでみた。

加藤宅の放火事件の真の原因、正体とは何なのか。という思いが『テロルの真犯人』というタイトルになっている。老テロリストを突き動かした加藤氏の靖国発言から、自らの発言の歴史をふりかえる第1章、第2章。

内務官僚として生まれた生い立ちを語った第3章。アメリカ留学、台湾赴任を経て、中国をライフワークとし、出馬を決心した第4章。政治家の発言と責任。「加藤の乱」への反省、小沢、宮澤、大平、渡辺美智雄などの発言をふりかえる第5章。

第6章は、小林よしのりの『ゴーマニズム宣言』に見られる靖国史観、小泉外交への批判。ナショナリズムの危険な側面に注意すべきという第7章。「真犯人」と題されたエピローグでは、テロルの真犯人は、小林よしのり氏の作品により戦争がフィクション化され、再生したことによる浮世離れした現代人の心の隙間に潜んでいる。と結論づけている。

で、本著を読んだ感想を、一言でいうなら、「やっぱり、この人はダメである」。
必死に肩を持とうと読んだにも関わらず。。。。

第6章で、小林氏の『戦争論』を、手にするにはずいぶんためらいがあり、つい最近読んだというのは、エリートである加藤氏の正直な発言だろうが、この後に続くのが、読んでみたら素晴らしいマンガだったというなら、これでも良いが、本著発売の8年前に出版され、未だに売れている政治本として異例のベストセラー本に対して反論なら、あまりにも危機感が無さ過ぎる。日本への不満に対して中国に見せる細やかな気遣いを、どうして自国民にできないのだろうか? 

加藤氏が言う、日本会議や松平宮司の背景にいる旧軍人グループ、昭和天皇の松平宮司への不信感といった問題は重要であるが、その重要さを国民に伝えようとする努力が、小林よしのり氏の1000分の一もない。安易なナショナリズムを危険視し、今後のアメリカとの付き合いを考えなくてはいけないと思うなら、保守の名を借りた親米派を「ポチ保守」と名付けた小林氏に対してもう少し別の態度もあったのでは。

どんなに、中国の肩をもったところで、自国民に信頼のない政治家は中国も信頼しない。
加藤氏がどんなにアジア外交が重要だと言っても、アメリカも別に危険視しないだろう。
田中角栄、真紀子、鈴木宗男、小林よしのりのような影響力がないから。

この人を見ていると、アジアで戦争が起こった後に「平和主義者」として、生き残ってそうな気がしてならない。小沢氏に対して、自己像を正確に描いていたら、と言っているが、加藤氏の自己像と、国民から見える像のズレは、広がっていく一方です。

老テロリストへ、冷静な態度で、真犯人を「時代の空気」との位置づけたが、
「時代の空気」に反していることへの危機感が全くなく、まるで回答を用意しての「自作自演」だったのか、という疑いすら抱かせる。
なぜか、この人の場合、軸がぶれない態度に政治家としての大きさよりも、無風の山形から出た官僚出身2世議員の傲慢さのようなものが鼻を突いてならない。

愛国者団体というよりは、アメリカの鉄砲玉の右翼が、反靖国発言で本当に脅すかな〜〜。

「加藤紘一オフィシャルサイト」
http://www.katokoichi.org/

上記サイトにある、「拉致被害者を返して、国交正常化」という案は本当に実行力があったものなのかが、未だにわからない。実行力がなかったと思われる理由は、

○なぜ北朝鮮による拉致は、これほど長い間放置され公表されなかったのか。
○拉致犯罪を公表するタイミングはアメリカの指示だったのではないのか。
○なぜ小泉しか行けなかったのか。
○国交正常化重視派の元には、拉致被害者の情報が正確に伝わっていたのか。
○情報があったのなら、国交正常化重視派は、小泉が行く前に、拉致被害者が第三国で見つかったという事態をなぜ作れなかったのか。
○国交正常化重視派の元に情報があれば、亡くなった人に対して、亡くなった理由や、
遺骨、北朝鮮での家族に語らせるなど、全面解決を演出するには、相当の準備が必要と思われるが、返すための根回しを事前に一切やらないで、遺族や国民をどう説得するつもりだったのか。
○加藤氏は、安倍さえいなければと言うが、親中派はなんの成果もあげていない。

以上の疑問から、北朝鮮の拉致を顕現させたのは、アメリカの後押しがあったのではないかという疑惑が拭えない。国交正常化重視派は、拉致被害者の情報があったのなら、その後の工作を何もしていないのは、無能としか言いようがないし、被害者を返すということの、国民説明の工夫もまったくしておらず、返したら「こんなにいいことがあった」と夢想しているとしか考えられない。拉致被害が、大きく取り上げられる前なら可能だった案だと思うが、あれほどの被害者がいて、国民が納得する具体性が何もない。

親米派の小泉だったから、金正日に会えたのではないのか。
だとしたら、日本と北朝鮮の国交正常化をアメリカが許しただろうか。

「北朝鮮が拉致を認めて謝罪したあの時、北朝鮮はアメリカの攻撃を恐れていた。だからこそ、一気呵成に交渉を進めて、拉致問題の全面解決を図るべきだった。」

加藤氏の考えは、

お互いアメリカに虐められて大変だったね。でも日本は北朝鮮のきもちはわかるからこれ以上は責めないよ。だって大変な時期だったんだから、拉致だってしょうがないよ。お互い協力して、アメリカに少しでも対抗していこうよ。ねえ困っていることない?

ということかな。
「国交正常化」にどんなイイことがあるか、それが何十人、何百人もいると言われている拉致被害者を犠牲にしても、なお重要なら、国民を納得する説明のしかたを、もっと真剣に考えるべきなんだけど。。。

時代の空気に流されないのは、大事なことだけど、時代の空気への対応に鈍感すぎるというか、国民は賢い自分に従っていればいいのだ、という姿勢が今また、国民への説明不足により批判されている。本当に国益や、戦争回避のためなら、拉致被害者家族に会って、泣きながらでも話しあいをすべきだ。自国民を説得できないで、どうして北朝鮮と交渉できるのだろう・・・

真に優秀な親中派の政治家が早く現れてほしいです(はあと)
______________

【出版社/著者からの内容紹介】なぜ、狙われたのか。
老テロリストを決起させたのは、尖鋭化していく「時代の空気」だった。政治家の一言が、人を動かし、時代の歯車を回す。政治家にとって、言葉とはなにか。覚悟とはなにか。それでも私は、発言を続ける。講談社 (2006/12/19)

【本書の主な内容】
●絵に描いたような全焼
●同世代の犯人
●「それが私の心だ」
●私はなにを発言してきたか
●安倍首相の訪中
●日中のわだかまりはなぜ消えないか
●内務官僚の子
●復員した兵士たちの体験談
●朝鮮人差別
●「靖国の妻」たち
●私の中国体験
●畏友の自死
●吉田茂の訓辞
●キッシンジャーに騙された
●「加藤の乱」から小泉劇場へ
●日本会議と『ゴーマニズム宣言』
●オリンピック、ワールドカップの愛国心
●自由電子化する国民

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by yomodalite | 2008-07-11 17:31 | 政治・外交 | Trackback | Comments(1)

世界を動かす人脈 (講談社現代新書)

中田 安彦/講談社




世界を動かす人びとを、欧州、カナダ、ロシア、中東、ビルダーバーガー、ロスチャイルド家、ロックフェラー家と、非常にわかりやすくカタログ化されている。陰謀論を超えて真の支配者たちを理解する手だてとして画期的な第一歩を刻む著。

[目次]
序章/誰が本当に世界を動かしているのか?
第1章/欧州の中心部で今、起きていること
第2章/カナダの巨大金融産業を支配する“パワー・ブローカー”たち
第3章/欧州エネルギー共同体とビルダーバーグ会議
第4章/「新ロシア王朝」の樹立とそれを支える新政商たち
第5章/進化を続ける21世紀のロスチャイルド家
第6章/世界を一つにしようとしたロックフェラー家
第7章/ウォール街の支配者たちの興亡
第8章/グローバリゼーションに参入するアジア、中東の資本家たちと欧米資本
終章/スモール・ワールドの行方

■原田武夫国際戦略情報研究所公式ブログ
http://blog.goo.ne.jp/shiome/e/4bdffd6448b7d868eb144d12fed943a4
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【内容説明】国境を越えて進む大企業の再編、通貨の変動、資源戦争…。激変するグローバル市場を裏で操る世界のパワーエリートたち。彼らのパワーの源泉であるネットワークを明らかにし、ダイナミックに変動する世界を読み解く。講談社 (2008/02)

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by yomodalite | 2008-03-03 12:21 | 政治・外交 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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