カテゴリ:読書メモ( 12 )

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ようやく『カラマーゾフの妹』を読了。
これは、高野史緒氏が、ドストエフスキーの急逝によって実現しなかった続編に挑戦されたものなんですが、想像以上に「ドストエフスキー感」があって、すごく楽しめました。

亀山郁夫氏の『「カラマーゾフの兄弟」続編を空想する』という本に刺激をうけて書かれた本作は、あとがきで、亀山氏が「全部をもっていかれるような恐怖を味わった」と言わしめるほどの見事な出来栄えで、

本編が未読の人にも楽しめるような工夫も多く、またネタバレしたところで、面白さが半減する作品でもないので、こちらを先に読む方が、あの超長編に対してのハードルが低くなったり、

またもう一度読んでみようという人には、まるでドストエフスキーが読みやすく、面白くなったような気がするかも。

スメルジャコフも、ミーチャも、イワンも、登場人物のキャラはより内面が深く表現されているように感じましたが、あの「天使的」なアリョーシャが、最終的にどうなるのか、高野氏が出した答えは、実際にドストエフスキーが、続編として描きたかった方向に近いように、私には思えました。
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でもって、こちらは、なんだかハイジにも似た「ゆりあん」が、一周回ってちょうどイイ感じのケルTを着てたので、テレビ画面をパシャッと。



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調べてみたら、別の番組でも着ちゃうぐらい「お気に入り」みたい。

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by yomodalite | 2017-08-01 00:00 | 読書メモ | Trackback | Comments(0)

物理学者が整理したこと

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前書『物理学者が解き明かす重大事件の真相』は、誰もが知っている重大事件を通して、物理学の世界を垣間見られるという試みが新鮮で、とても面白い本だったのですが、

本書は、タイトルからはまったく想像のできない内容で・・・

第1章 なぜ日本人は哲学がわからないのか
「哲学」とはアリストテレス哲学のことである
・プラトンとアリストテレス
・哲学を信じて虐殺された女哲学者ヒュパティア
・哲学者とはアリストテレス哲学を信奉する人たちという意味である
・『薔薇の名前』にでてくるアリストテレス哲学
・現代につながるアリストテレスの哲学

第2章 星占いの科学
なぜ日本人は星占いが大好きなのか
・現代の星占い
・四神(朱雀、玄武、青竜、白虎)とは四方にある星座のことである
・西暦150年に完成していた中国天文学
・木星の動きからつくられた十二支
・北極星の移動に見る中国と日本の政治思想
・陰陽師が行っていた星占いとは何だったのか

第3章 歴史の謎を天文学から明らかにする
女王卑弥呼とは誰だったのか?
・日本に伝わる妙見信仰
・西播磨の大避神社が示す北斗七星と北極星
・昔の北極星の位置にある大倉山山頂
・歴史から大避神社が星の位置にある理由を探る
・二十四節気が明らかにする日本の古代史
・日本に入ってきた道教
・女王卑弥呼の正体
・道教国家・日本

第4章 金融工学とはどういう学問か
なぜ儲けることができるのか
・金融工学という錬金術
・金融工学の想定外、ファットテイル(fat tail)
・経済物理(econophysics)が予言した2014年1月の株式市場の暴落
・20世紀は数学が世界を席巻していた時代である

第5章 現代物理学は本当に正しいのか?
副島隆彦氏との対談
・物理学とはどのような分野に分かれるのか?
・現代物理学は正しいのか 
・エルンスト・マッハの科学哲学
・科学とは思考を節約するためにある
・文科系の人間は「一定の条件において」を認めない

第6章 STAP事件の真実
なぜ小保方晴子著『あの日』は陰謀論と呼ばれたか
・業績を奪われ激怒していたハーバード大学バカンティ教授
・STAP事件に関する異常な世論誘導
・再現実験での丹羽仁史副チームリーダーの実験データ
・STAP特許はまだ生きている
・STAP細胞関連でファンドを獲得しているバカンティ教授
・故笹井芳樹氏の見た夢

第7章 AIとは何か
経験は知恵に勝る
・プロ棋士と互角の戦いをする将棋プログラム『ボナンザ』
・将棋プログラムの強さは「特徴ベクトル」によって決まる
・プロ棋士の指手をまねる
・「特徴ベクトル」を自分で見つける最近のAI
・脳の機能に似ている深層学習

第8章 なぜ日本人は論理的な文章が書けないのか
論理とはことばとことばの連結である
・論理的な文章とはどういうものか
・パラグラフ・ライティング
・実際の文章例
・文章に必要な要素① flow(流れ)
・テーマの糸
・文章に必要な要素② clarity(明快さ)
・プレゼンテーション(パワーポイント)への応用
・現代日本語は英語の文章作法を基礎としている


厚さ12ミリほどのコンパクトな外観からは、これらすべてが納められているとはとても思えないのですが、どの章も、最近の新書ならそれぞれ1冊にできるような内容で、タイトルには「整理法」とありますが、読者に整理の仕方を教えてくれるというよりは、物理学者である著者の整理された脳内が垣間見れるという感じ。

第1章の哲学から、古代史や天文学、金融工学を経て、第5章の現代物理学までは、門外漢には、とっつきにくい内容ですが、

第6章の小保方晴子氏とSTAP細胞事件では、ニュースやメディアとどう付き合うべきなのか? AI(人工知能)は、教育をどう変えるのか? など、大学で、教養教育について議論する機会が多いという著者の話には、義務教育に携わる方々にも興味深いと思われる内容が多く、

第8章の「論理的な文章が書けない」という問題は、人工知能によって、高度な自動翻訳が可能になったとき、英語教育の充実よりももっと重要な問題のように感じられました。

そんな盛りだくさんの本書ですが、下記は夏休みに行ってみたい場所についてのメモ。

北極星、北斗七星を崇める民間の信仰は「妙見信仰」とよばれている。(…)妙見信仰と「聖徳太子」には、強い繋がりがあって、聖徳太子が持っていたとされる七星剣は、四天王寺にあり、妙見信仰のもっとも古い菩薩像は、よみうりランド内の妙見堂にあるが、この菩薩像は、聖徳太子の若いときの像ではないか。聖徳太子の時代は、北斗七星が崇拝されていて、吉野裕子という在野の民俗学者は、伊勢神宮の天皇の儀式である神嘗祭が執り行われる日付と時刻は、北斗七星の動きと関連していると、『隠された神々』という本の中で明らかにしている。

しかし、高松塚古墳が完成した天武、持統天皇の頃には、北斗七星よりも、天皇を表す北極星の方が重要になったと考えられる。

西播磨一帯には、大避神社という神社が点在し、赤穂浪士で有名な赤穂市から、上部町、相性市にかけて、8神社、その他名前が少し違う大酒神社や、地図に載ってない大避神社までいれると、20ぐらいが点在し、一番有名な神社が、赤穂市の坂越にある大避神社。ここには、生島という島があって、そこには聖徳太子のブレーンとして有名な秦河勝の墓がある。また、この神社は日本ユダヤ同祖論でも有名で、「大避」というのは、ダビデを意味している・・・

「第5章」から、前書に引き続き、ビッグバンを信じないマイケルのためにw。

副島:ヨーロッパの近代法学では、裁判官はまるで実験を実験室(法廷)でやるように、「真実を発見する」という理屈になっている。すべての主観や思い込みを排除していくんですよ。有罪であることの証明作業(証拠から真実を組み立てる)以外の可能性をすべて排除する。しかし、そのとき学問というのは恐ろしい学問犯罪というのを起こす可能性がいつもある。ただひたすら理論の美しさ(これが数学的証明)みたいなところを突き詰める人は、自分たちの欠点を見ようとはしない。そのことの恐ろしさが色々と現代にあらわれているという気がします。数学的に証明された。ゆえに実在している。ゆえに宇宙はこのように成り立っていて、ゆえにビッグバン理論は正しい、という逆の形の証明をこの人たちはしている。このとき、マッハが主張した、実在としての素朴な証明は行っていない、ということでいいですか。

下條:はい。

副島:(…)falsifiability、日本では反証可能性と訳しますが、これはトーマス・クーンという人が言い出したことで、クーンは、ユダヤ人の科学史学者で、ヨーロッパの理科系の学者をアメリカに招聘する係りで、クーンは、ある事実を覆そうとして行われたある実験によって、反対証明が行われなかったらば、その事実やあるいは理論はサイエンスとして正しいのだ、という考えをしたというふうに理解されている。しかし、falsifiabilityという検証のテストストーンはどうもおかしい。トーマス・クーンとカール・ポパーの「科学哲学」は調べなおさなくてはならない。理科系の学者は、自己限定を徹底的にやって、ある極めて限定された世界に予め逃げ込んで置いてから、そこでの証明作業で無矛盾であれば、それで証明されたという行動をとるが、すでに始めのところから、ずるいんじゃないかと私は考えているんです。

関連図書・・・


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by yomodalite | 2017-07-07 22:54 | 読書メモ | Trackback | Comments(0)
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ここ数ヶ月の間で読んだ「イイ本」について。

言語学者や物理学者によるチームが、宇宙から来た謎の知的生命体の真意を探ろうとする、映画『メッセージ』(原題:Arrival)。



ドゥニ・ビルヌーヴ監督の映像はすごく魅力的だったけど、ロシアや中国を悪者にしようとするハリウッド・ストーリーではない、原作本を読んでみたら・・

理解
ゼロで割る
あなたの人生の物語
72文字
人類科学の進化
地獄とは神の不在なり
顔の美醜について ー ドキュメンタリー

という8編の短編集で、どれも緻密で繊細で、何度でも読み返したくなる作品ばかり。



最愛の子ども

松浦 理英子/文藝春秋



主人公は、私立高校に通う女子高生3人で、「ファミリー」と呼ばれる、彼女たちの疑似家族的な関係では、パパ、ママ、王子様という配役があって、特に華やかでもなく、おとなしい薬井空穂が「王子様」役。
空穂が初めて注目を浴びたのは、学校帰りに行ったカラオケで、マイケル・ジャクソンが13歳のときのソロデビュー曲「ガット・トゥー・ビー・ゼア」を歌ったときだった・・・

という、松浦理英子氏の小説を久しぶりに読むことになったのは、今村夏子氏の新作が呼び水になったみたい。


星の子

今村夏子/朝日新聞出版



娘の虚弱体質をきっかけで、宗教にはまっていく家族・・

よくある話なんだけど、やっぱり今村氏の文章に惹きこまれてしまう。

そして、最後は、

毎日ニュースを見ている人の中には、もうその名前に飽きたっていう人も多そうな「トランプ」なんだけど、20冊以上は彼に関する本を読んでる私が、幅広い思想信条の人におすすめできるのは、

トランプ現象とアメリカ保守思想

会田 弘継/左右社



反知性主義―アメリカが生んだ「熱病」の正体―(新潮選書)

森本 あんり/新潮社



上記の2冊。これは、松岡正剛氏の受け売りなんだけど、反知性主義にしても、アメリカの保守主義についても、類書とは一線を画す、本物の学識をもった著者が書いたという内容でした。


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by yomodalite | 2017-07-04 08:00 | 読書メモ | Trackback | Comments(0)
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数日前にアップされた、Soul Train Awards のテディ・ライリーのショー、ご覧になりました?

MJメドレーはもちろん、こちらも最近ますます元気なティト兄のギター参加もあって、とにかくテディが今でもすっごくカッコよくて、なんか元気出ちゃったんですけどぉ・・


この頃の黒人音楽には言葉の壁を感じなくてイイよね。

ヒップホップ時代は、メロディよりラップが重要視されるようになって、世代間の差とか、地域差も激しくなり、歌の中に暴力とドラッグが蔓延して、実際に亡くなったラッパーも・・・

それなのに、どうして、これまでの音楽ジャンル以上のビッグビジネスになったのか?

そんな疑問を解いてくれる本になかなか出会えなかったのだけど、この本は、ヒップホップの歴史が丹念に描かれていて、色々と参考になりました。


なじみのないカタカナ用語が多い上に、厚みが5センチぐらいある大書なので、想像以上に時間がかかって、なかなか読み終わらなかったんですが、ようやく、「ミリオン・マン・マーチ構想」が登場する(P643)頃から興味深い記述が増えてきて面白くなってきたんですが、


それにしても、全756ページ(注釈をのぞく)もある本を、643ページまで読んで、ようやく「ミリオン・マン・マーチ」(1995年)って!、ジェイ・Zや、ノトーリアス・B.I.G.が出てくる前に、ヒップホップの歴史ってそんなに長くあったっけって思いません?

記憶の中では腑に落ちなかったものの、スパイク・リー監督の出世作『ドゥ・ザ・ライト・シング』は1989年で、映画では、それまで同じ地区の住民という関係だった韓国系やユダヤ系と黒人たちが分離していく状況を描いていて、その後さらに黒人とユダヤ人の連携関係が崩壊したことがヒップホップ文化の発展にとっては重要なポイントになったことや、

MTVで初めてかかった黒人音楽がマイケルとプリンスだった、というのは有名ですが、そのときMTVや、流行の仕掛け人たちが嫌っていたのは、黒人だけでなく「都会」だった。という話も、なんだか納得するものがありました。

マイケルのヴィデオを初めて見たとき、それを都会的だとは感じなかったけど、当時の他のアメリカンアーティストたちはもっと「カントリー」な感じの人が多くて、「ライブエイド」はロックアーティストたちが仕切った若者のイベントという印象だったけど、「ウィ・アー・ザ・ワールド」は、紅白歌合戦みたいで、なんか古臭い・・・と当時の私は思っていたのですが・・

そんな風に思えた時代のアメリカは、今のようには「分断」しておらず、ヒップホップの仕掛け人たちによる、MTVでラップを流す計画は、マイケルがMTVに登場した数年後にはあって、マイケル以降、それまで消費社会の中心にあったカントリーミュージックは消え、都会中心になっていったんですね。

とにかく取り上げたくなるポイントが多すぎてピックアップするのも大変な大書なんですが、押野素子氏の翻訳がスムーズで読みやすく、ヒップホップの資料という以上に、アメリカの歴史に迫った本だと思いました。


そして、私がヒップホップに四苦八苦しているとき、ダーリンがときどき笑いながら読んでいたのがこちら。

空手バカのダーリンは、読む本の6割以上が「格闘技関係」なんだけど、この分野には、いろいろと変わった方が多くて、この本の著者の保江邦夫氏も数理物理学・量子力学の教授で、少林寺拳法や、大東流合気武術などさまざまな武術を学んだだけでなく、イエス・キリストが直接使用した(!)活人術まで伝授されて、『人を見たら神様と思え』なんていう本も書いておられたり、

比例代表で、日本のこころを大切にする党から立候補されて、落選されていたり、とにかくてんこ盛りな人生を歩まれている方なんですけど、

物理学用語をテキトーに利用して、宇宙の真理を語ってしまうスピリチュアル本は多いですが、理論物理学者の著者が書いたこの本では、受験生時代からここまで、自分の人生がいかにツイていて、スゴい奇跡にいっぱい遭遇してきた、という話が満載の・・・ナンダカンダ笑える本でした。


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by yomodalite | 2016-12-03 07:00 | 読書メモ | Trackback | Comments(0)
苦手な英語読みに時間がかかって、読書日記が書けないので、
9月と10月で読んだ本のすべてではなく、良本のみ、とりあえずメモ。


◎マイケル研究資料

下記は、MJ蔵書のブラックヒストリーといった分類の中におそらくあったはず。という推測で読んだもの。

1987年に初刊が出版され、世界的に話題になった本で、多くの本に引用されていますが、著名な読書家による紹介文などから感じるのは、実際のところ、日本では、ほぼ誰も読了していない本だと思います(笑)。

現在まで、《1》《2》(上下巻)が出ているのですが、原文がすごく難しい(と、著者自身も言っている)こともあって、翻訳に何年もかかり、《2》の方が先に出版されてしまうなどの混乱だけでなく、とにかく世界史について、広範囲に専門知識がないと読めない(あったとしてもかなりの難読本)本なんですが、

最近、「黒いアテナ批判に答えるという本が出版されていたことを知って、再度挑戦のきもちもあって、一応中身を見てみたんです。本書で巻き起こった批判をまとめて、著者が答えているというのは、あの、超長くてクソ面倒くさい本より少しは楽かも・・と思って。
結果から言えば、この本自体も上下巻あって、、全然無理でした(笑)

それで、私が読めなかったから、隊長も・・なんて言うつもりはないですが、でも、マイケルもこの本を読んだのではなく、日本の知識人と同じようにw、多数出版された関連書籍を読んだのではないかと思うので(原典を必ず押さえるという基本から、書庫にある可能性は高いですが)、「マイケルの愛読書」には含めませんでした。



黒い皮膚・白い仮面 (みすずライブラリー)

フランツ ファノン/みすず書房



黒い肌と白い肌。それは、植民者と本国者によっての分断なのか、それとも、皮膚の色によっての分断なのか・・マルコムXにも大きな影響を与えたフランツ・ファノンの本も、マイケルは読んでるはず・・と思って、『地に呪われたる者』と『黒い皮膚・白い仮面』の2冊をパラパラと。こちらは、バナール本とは違って、私よりも何世代か前の人には、よく読まれていた本らしく、熱情的な筆致に、かつて日本にもあった「革命の季節」を感じました。

そして、マイケルの肌の色を変えたことの中には、彼の呪いも幾分含まれていて、感覚的には異なっているように見えるファノンの叫びが、マイケルの声を通して発信されていたのかもしれないと。

[参考記事]松岡正剛の千夜千冊


◎アート系

アート・ヒステリー ---なんでもかんでもアートな国・ニッポン

大野 左紀子/河出書房新社



現代アートといったような範疇で、アーティストになろうとしたことがある人や、作品というものを作ったことがある人、あるいは、それらを見ている人には、おすすめ。疑問に思ったことへの回答は得られないものの(当然でしょ)、疑問を再確認することが出来ます(そっちの方が重要でしょ)。


◎文学系

旅のラゴス/筒井康隆

1986年に出版された本なのに、今また売れているという評判につられて。。

[参考記事]終わらない不思議な旅の人生とロマン


受難/姫野カオルコ

米原万里氏が絶賛し、1997年の直木賞候補になった作品。姫野氏の作品は現代を描いているようで、世界にも通じる古典性もあると思うんですが、この作品もまったく古くなっていませんでした。流石!

これ以外に読んだ本で、良かったものは個別に書く予定。

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by yomodalite | 2015-10-17 16:00 | 読書メモ | Trackback | Comments(0)

ヒタメン 三島由紀夫が女に逢う時…

岩下尚史/雄山閣



〈ヒタメン〉とは〈直面〉と書き、能楽の舞台で、面を着けずに舞うことを指すそうですが、〈ひたむきな男=ヒタメン〉という多くの人が思いつくイメージともズレてはおらず「三島の恋」に相応しいタイトル。

岩下尚史氏のことは『芸者論』で衝撃を受けて以来、『名妓の資格』『見出された恋』も、すべて読んでいて、もし、2009年6月25日さえなかったら、私は『芸者論」について、まだ、あれこれ考えているはずだったのにと、よく思うぐらい刺激を受けている方。

『名妓の資格』も『見出された恋』も、ブログにも書いておきたかったのだけど、あれこれ思うことが多すぎたり、どう書いていいのかわからないこともいっぱいあったりで、つい先延ばしにしてました。

本書は『見出された恋』では、実名を伏せられていた三島の恋人「満佐子」を、6世中村歌右衛門をお兄様と呼び、その楽屋に自由に出入りしていた、赤坂の大料亭「若林」の娘(旧姓)豊田貞子さんと記し、三島との恋愛話も、当時の東京のことも、詳細に語られているとても貴重な本。

三島の恋人「豊田貞子さん」は、猪瀬直樹氏の『ペルソナ』では、X嬢として登場した方なのですが、本書は、猪瀬氏のようなジャーナリスティックな目線とは真逆の趣で、通人の世界をインサイダーとして描いています。しかし、奥底に「ギラリ」と光る視点が見え隠れするところが、逆に、、、という感じは、岩下氏の本を読むといつも思うこと。

TV出演時の個性的なキャラもまた、三島由紀夫や、かつての橋本治と通じておられるような気がして、そのミステリアスな魅力から目が離せません。

◎[参考サイト]「何か決定的なもの」をめぐって。井嶋ナギ
◎[参考サイト]指田文夫の「さすらい日乗」
◎[参考サイト]岩下尚史『ヒタメン』――半玄人の告白(阿部重夫)

◎[関連記事]『芸者論』について(桜庭一樹「読書日記」)

内容紹介/若き日の三島由紀夫の愛を一身に受けた女性と、そのふたりの恋を暖かく見守った女性。 ふたりの女性の証言から浮かび上がる三島由紀夫の素顔とは・・・。 これまで幾多の伝説に塗り固められた来た三島由紀夫に対する先入観は揺らぎ、驚きとともに新鮮な感動に包まれる。〈ヒタメン〉とは〈直面〉と書き、能楽の舞台で、面を着けずに舞うことを指す。ふたりの女性が語る、誰も知らない三島由紀夫の、もうひとつの顔を御覧ください。雄山閣 (2011/12/9)



彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)

沼田 まほかる/幻冬舎



著者は、僧侶や建設会社経営を経て、50代で作家デビューしたという経歴の方なのですが、本書は、その経歴すべてに深く納得したくなるような作品。

恋愛小説であり、ミステリでもあり、純文学でもあり、絶望的に暗く、激しく切ない。

著者の作品は、本書が初めてなので、帯コピー “限りなく不愉快、でもまぎれもない最高傑作” の「最高」かどうかはわかりませんが「傑作」だと思いました。

読了後、このタイトルについて考えてみたんですが、、

もし、これを書いたのが才能ある30代の作家なら「彼女がその名を知らない鳥」にしたんじゃないかと、、でも、そこをきっちり「鳥たち」と「複数形」にしちゃうところが、スゴいというか、『嵐が丘』なんじゃないかと思ったのですけど、、どうなんでしょう?

☆安定した精神状態のときに!

◎[参考サイト」なんか気になる
◎[参考サイト」村雲式

[内容]八年前に別れた黒崎を忘れられない十和子は、淋しさから十五歳上の男・陣治と暮らし始める。下品で、貧相で、地位もお金もない陣治。彼を激しく嫌悪しながらも離れられない十和子。そんな二人の暮らしを刑事の訪問が脅かす。「黒崎が行方不明だ」と知らされた十和子は、陣治が黒崎を殺したのではないかと疑い始めるが…。衝撃の長編ミステリ。幻冬舎(2006/10) 文庫版(2009/10)

[沼田まほかる]1948年大阪府生まれ。主婦、僧侶、会社経営などを経て、初めて書いた小説「九月が永遠に続けば」で、第五回ホラーサスペンス大賞を受賞。


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by yomodalite | 2012-05-09 10:33 | 読書メモ | Trackback | Comments(0)
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◎マドンナ真実の言葉/エッセンシャル・ワークス(編集)、橋本弘美 (翻訳)

西寺剛太さんが、ラジオで小島慶子さんに薦めていた本。

◎西寺郷太が語る「小島慶子とマドンナの共通点」
◎西寺さんのキラキラ「Podcast」MJ系リンク

CDサイズの写真集に、言葉が添えられているようなビジュアルブック。


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わたしが記憶に残った言葉は…

「憧れてたのは……尼さん。」

マジ?

「なりたかったのは、マイケル・ジャクソン!」

本にも、そう書いてたなんて、、知りませんでした。


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◎あの日からのマンガ(コミック)/しりあがり寿

新聞には、とにかく近づきたくないので、全然知らなかったのですが、朝日新聞の夕刊の4コマまんがは、しりあがり氏が担当されていたんですね。

大勢の人を悪者に仕立て上げ、その仕立て上げた悪者を叩いては、世の中を良くしているかのような「傲慢」かつ「偽善的」で「不道徳」とも言えるような行為を、1日1回行うだけでは飽き足らず、朝夕2回も励んでいるとは、ホントに「吐き気」がする思いですが、

そのおかげで、1日1回、しりあがり氏の素敵なマンガが世に出ている。

これは、戦争で破壊した町に住む子供に、
ガムをあたえるぐらい「親切」な行為なんでしょうか。

確かに、そのガムの甘さと同じく、しりあがり氏のマンガは、被災地のひとが読んでも、心和むことが多かったと思うので、一番情報に飢えていた被災地に無料で配布するなんてことがあったなら、多少は見直すんですけど、新聞社の人は、政府が決めた危険範囲よりも、ずっと遠方から、いつものように「吠えていた」だけでした。

本書には、表紙にあるような新聞の4コマだけでなく、月刊コミックビームに掲載された「海辺の村」、「希望」(希望という字にバッテンがついている)、「震える街」、「そらとみず」、週刊宝石に掲載された「川下り 双子のオヤジ」というマンガも納められています。

いずれも、2001年3月11日以降に書かれたもので、しりあがり氏が「たとえ間違えているとしても、今、描こうと思いました」というような渾身の作なのですが、

わたしが、ここにメモしておきたいのは…

「希望」(希望という字にバッテンがついている)という作品の中にあった、
こんなセリフ。。。


外の世界には、太陽があるんだって…  

タイヨウ……  

太陽ホエールズ!

今は横浜ベイスターズね。 ナニゲによく知ってるわね。

マイケル・ジャクソンは?

あーあっちこっちよく動く人…?  今はもういないみたいよ

太陽とマイケル・ジャクソン以外は?  知らない

あーあ…… ぐす… 外の世界が見たいよーーっ!!

わがまま言っちゃいかんな  あーーーあんちゃん!!

ここはいいじゃないか……  静かだし 仲間もいるし

やだーーーっ   

ジャーメイン・ジャクソンでもいいし  なんだよ それ



太陽とマイケル・ジャクソン以外、ほとんど知らないという「このひと」はいったい?

どんなマンガなのか、読まないと、さっぱりわからないと思いますが、突然登場したマイケルだけでなく、まさかの「ジャーメイン」に噴いてしまったので。

それと、http://nikkidoku.exblog.jp/17443036 ←ここのコメント欄でパセリさんが教えてくれた『知られざるマイケル』今日から読み出して、まだ最初の方の「グラミー賞」を最多受賞した頃などの話なんだけど、ホントに読んでて気持ちがいいっ!パセリさん、アリガトーーー!!!

☆業務連絡:明日から「二泊」で福島に行ってきます!(地震がないといいなぁ。せめて「震度4」までで、、ヨロシク!)



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by yomodalite | 2012-04-28 01:11 | 読書メモ | Trackback | Comments(2)

掏摸(スリ) (河出文庫)

中村 文則



(本書のあとがきから)小さい頃、いつも遠くに、塔があった。
長屋や低いアパートが並ぶ汚れた路地から、見上げると、その塔はいつもぼんやりと見えた。霧に覆われ、輪郭が曖昧な、古い白昼夢のような塔だった。どこかの外国のもののように、厳粛で、先端が見えないほど高く、どのように歩いても決して辿り着けないと思えるほど、その塔は遠く、美しかった。(引用終了)

☆参考サイト「飴色色彩日記」

内容紹介/第4回(2010年)大江健三郎賞受賞。東京を仕事場にする天才スリ師。ある日、彼は「最悪」の男と再会する。男の名は木崎かつて一度だけ、仕事をともにした闇社会に生きる男。「これから三つの仕事をこなせ。失敗すれば、お前が死ぬ。逃げれば、あの子供が死ぬ……」運命とはなにか。他人の人生を支配するとはどういうことなのか。そして、社会から外れた人々の想い、その切なる祈りとは。芥川賞作家がジャンルの壁を越えて描き切った、著者最高傑作にして称賛の声続出の話題作!


検事失格 (新潮文庫)

市川 寛



内容紹介/「私はこうして冤罪を作りました」元“暴言検事”が実名告白。検察庁の内部・教育体制を暴く、“冤罪加害者”による衝撃ノンフィクションが登場!法曹界・マスコミ大激震!!誰もが待っていた「本当の検察本」。刑事裁判有罪率99%の裏側。小沢一郎氏の裁判の行方が注視される中、メディアには決して伝えられない、不当逮捕・違法捜査が生まれる真の理由が明らかに。

☆参考サイト「蟷螂の斧となろうとも」 by 元外資系証券マン
☆Togetter「検事失格」


生きるコント (文春文庫)

大宮 エリー



内容紹介/毎日、真面目に生きているつもりなのに…なぜか、すべてがコントになってしまう人生。思えばそれは子供の頃からだった。小学4年生のときのバレンタイン。あれはひどかった。おかんとふたりの海外旅行。あれは危なかった。彼とのクリマスマスイブ。なんでそうなるのか。これ全部本当なんです。

大宮 エリー/1975年大阪生まれ。映画監督・脚本家・作家・演出家・CMプランナー。東京大学薬学部卒業後、電通に入社。06年フリーに。多数のヒットCMを生み出す傍ら、スピッツ、山崎まさよし、ケツメイシなどのMVも手掛ける。「サラリーマンNEO」の製作者


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by yomodalite | 2012-04-03 18:35 | 読書メモ | Trackback | Comments(0)

アート・スピリット

ロバート・ヘンライ/国書刊行会

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2月に読んだ本で、良本だけど、ブログに書けなかった本2冊をまとめてメモ。

『アート・スピリット』は、デヴィッド・リンチが語っていたことから興味を持っていて、大分前から待ち望んでいた本なのに、3.11ショックでなかなか読むことができませんでした。

80年以上、書店から消えることのない「芸術指南書の古典」に、滝本誠氏による詳細な解説も加わっているので(「ロバート・ヘンライ、アメリカ美術史を面白くした男」約40ページ)、さらに読み応えが増しているのではないでしょうか。

パレットに絵の具をどう配置するかといった具体的なことから「一人ぼっちで、寒さに耐えること」「賞とメダルについて」など、アーティストの悩みにも答えつつ、それが「絶対」ではなく、常に、ひとつの考え方として提示されているところが、ヘンライの“先生”としての魅力だと思う。この学校で学びたかった!

◎国書刊行会『アート・スピリット』

[内容紹介]君たちは生まれながらにして巨匠なのだ!80年以上に渡ってアメリカの若き芸術家たちによって読み継がれデイヴィッド・リンチ、キース・ヘリングらも魅了した芸術指南書の古典的名著がついに邦訳。「傑作を生み出せ ― 君自身と同じくらいの傑作だ」「芸術家として生きる人生 はすばらしい。それは、どんな人にも可能なことなのだ」「拒絶を恐れるな。すぐれたものをもつ人間はみな拒絶を通過してきた」……1923年、当時人気画家 だったロバート・ヘンライ(1865~1929)による実用的かつアジテーションに満ちあふれた美術講義録は刊行後すぐさま若き芸術家たちにとってのバイブルとなった。以後80年ものあいだ、画家の名声は消え去っても書物は残りつづけ、芸術書としてだけでなく人生哲学の書として読み継がれてきた ― 幻の名著を詳細な解説(滝本誠)とともに本邦初訳でおくる。国書刊行会 (2011/8/12)


サッカーと独裁者 ─ アフリカ13か国の「紛争地帯」を行く

スティーヴ ブルームフィールド/白水社

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サッカー好きの人には、記憶に残る名選手たちの名前に、そのときの記憶が蘇ったりという部分もあるのだけど、この本を読むのに、サッカーへの興味は関係がなく「アフリカ」に興味があるけど、アフリカにたくさんの国があることも、それぞれの国の異なる背景もよく知らないし、難民の子どもの顔しか浮かばない.....という人がアフリカを知るのにイイ本。(最近、ますますユニセフ募金の広告量が増えましたよね...)

著者は「インデペンデント」紙の元記者で、現在もケニア・ナイロビを拠点に取材活動中の方。一般メディアの目線とはちがう「アフリカ」が見えます!

◎MSN産経「書評」
◎よみうりオンライン「書評」

[目次]

第一章 エジプト サッカーを利用した独裁者
第二章 スーダンとチャド 石油をめぐる哀しい争い
第三章 ソマリア 紛争国家に見出される一筋の希望の光
第四章 ケニア サッカーは部族間闘争を超える
第五章 ルワンダとコンゴ民主共和国 大虐殺と大災害を乗り越えての再生
第六章 ナイジェリア サッカー強豪国が抱える深い悩み
第七章 コートジヴォワール サッカー代表チームがもたらした平和と統一
第八章 シエラレオネとリベリア アフリカナンバー1になった障がい者サッカー代表チーム
第九章 ジンバブエ 破綻した国家でサッカーを操る独裁者
第十章 南アフリカ アフリカ初ワールドカップ開催国の光と影


◎雑誌「インデペンデント」(ウィキペディア)
◎英紙一面で「がんばれ日本」

[BOOKデータベース]サッカーから見える、「新生アフリカ」の光と闇。内戦や貧困、政変が続く一方、経済発展を遂げ、スター選手を輩出し、W杯を成功させたアフリカ。エジプト、スーダン、ソマリア、ルワンダなど大陸を縦断、激動の情勢と驚愕の真相に迫る!写真多数、地図・各国最新情報を収録。白水社 (2011/12/10)


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by yomodalite | 2012-02-26 20:44 | 読書メモ | Trackback | Comments(0)

昭和天皇伝 (文春文庫)

伊藤 之雄



主要参考文献のページが、未刊行、刊行、新聞・雑誌、単行本、論文などに分類されて、8ページ、人名索引も16ページもあり、これまでの著者である、豊下楢彦、ハーバート・ビックス、保阪正泰、原武史.....が著した内容や、米内光政氏、牧野伸顕氏など、主要な発言の要旨を知るのに非常に便利で、また、これまでに昭和天皇について、それなりに読んできた人にとっても、これが初めての人にとっても、著者の見解はバランス感覚に優れているので、リファ本として家に置いておくには最適かも。

読書の興奮を感じさせるような面白さはまったくありませんが、同じく、一流大学教授である豊下楢彦氏が、何年も研究を重ねて得た結論とか、新聞社出身だと、これで賞がとれるの?!など、どうしても裏を感じさせずにはいられないほど、不可解な原武史氏の本のように、昭和天皇本にありがちな「疲れ」を感じる点が少なく、

公金で運営されている大学関係者の本として、最後に(静かに)登場するのに相応しく、わたしは「昭和天皇本」は、これが「最終ヴァージョン」というか、もう、これ以上読まなくてもいいかなと思いました。

[参考リンク]社会科学者の時評


ハリウッド・エンジェル―失われた少女時代を乗り越えて

ドリュー バリモア,トッド ゴールド



ドリュー・バリモア(1975年2月22日魚座)は、ジョニー・デップが「神」と称した ジョン・バリモア(代表作『グランドホテル』デップも演じた『ドンファン』など)を祖父にもち、MJの大好きな映画『ET』(1982)の子役として(当時7歳)芸能界で成功した後、10歳でマリファナ、12歳でコカイン中毒に苦しむ。

本書では、アルコール・薬物依存矯正施設での体験が赤裸々に語られていますが、施設での治療に助けられ、順調に回復したという結末ではなく、むしろ、治療の困難さが語られている点が興味深い。

原書は1990年に出版された『Little girl lost』。わたしは、薬物依存、チャイルドスター、『ET』、ジョン・バリモア、両親との葛藤....などの興味で手にしたので、興味の範疇とも、共感とも少しズレてはいたものの、スピルバーグの話は少し面白かったかも。。

アルコール中毒で、離婚し別居している父親、女優で自分のキャリアと、子どもの芸能生活に悩みつつ同居する母親との葛藤、本書では、自らのキャリアを捨て、ドリューのマネジメントに奔走する母親に対して愛情深く語られていますが、本書の続編では(未読)、その後の14歳での自殺未遂に対し、母親を原因とし独立を訴えるなど、この後も、10代にして、ドリューの波乱の人生には、まだまだ、続きがあった模様。

迷いと決断―ソニーと格闘した10年の記録(新潮新書)

出井伸之



1995年にソニーの6代目の社長に就任した出井氏が、CEOを退任して1年を経過した後に書かれたもの(2006年11月執筆終了)。MJの90年代を復習するための副読本として読んでみる(呆)

出井氏は「はじめに」で、コンシューマー・エレクトロニクスの全盛期が過ぎ、インターネットの時代が胎動しようとする中で、事業のフィールドを拡大し、重心を移行して、ネット社会に適合できるような方向へ会社を転換していく必要があり、社長就任当初から、伝統的AVでビジネスをしてきたソニーにITの事業を加えようとしたわけですが、90年代も後半に差し掛かると、パソコンの粋を越えて、インターネットのインパクトがだいぶ明確になり、ネットのインパクトの大きさを見誤って変革を起こせないままだったら、ソニーといえども恐竜のように絶滅の運命をたどっていたかもしれません。と語る。

00年に、ソニーの3つの子会社、ソニー・ミュージックエンターテインメント、ソニーケミカル、ソニー・プレシジョン・テクノロジーの上場を廃止して、ソニーの100%子会社とした。特に抵抗を示したソニー・ミュージックの業績はきわめて悪く、同社の利益の大半を占めていた、ソニー・コンピュータの株を買い占められたらという懸念が深刻だったことなど。。。

出井氏が「スティーブ・ジョブズの死はマイケル・ジャクソンと似たところがある」と言ったことに、直接繋がる表現はないものの、グローバル企業のCEOには、気の休まる暇がなく、睡眠導入剤の選び方と飲み方を熱心に研究し、厳しい自己規制を設けたものの、なかなか上手くいかなかった体験なども印象に残りました。

「MJの90年代」と「ソニーウォーズ」を考え直してみるのに簡単に読める副読本かも。


キッシンジャー―世界をデザインした男〈上〉

ウォルター アイザックソン



『スティーブ・ジョブズ』の著者の、1994年出版(国内)の本を思い出して読んでみる。国際政治学者が、有能政治家になることは、海外ではよくあることですが、思想・哲学分野においても、重厚な知識を備えた歴史観の持主である、キッシンジャーに魅せられる、優秀な日本人が多いのは、ホント仕方がないというか、きっと、初めて「メンター」に出逢ったような気分なんだと思う。

どんなに、小室直樹が天才であっても、彼をメンターにする限り「国際政治」のアクターになれない。。。当時よりさらに、落ちた日本の大学の知性では、差が歴然すぎて、どうにもならなさそう。

すでに「上巻」で、その重みにぐったり(内容が濃いという意味ね)

ネットで英文ばかり読んでると、眼を縦に動かすスピードが遅くなるし、古典の翻訳本も素早く読めないせいか、読書スピードが遅くなったような気がする。どーしよー。。


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by yomodalite | 2011-11-28 16:17 | 読書メモ | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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