カテゴリ:現代文化・音楽・訳詞( 134 )

芸術と青春 (知恵の森文庫)

岡本 太郎/光文社




岡本太郎の知恵の森文庫で復刊されている3部作、『今日の芸術』(1954)、『日本の伝統』(1956)、『芸術と青春』(1956)を一気読み。

まずは、今回初めて読む『芸術と青春』。
1929年、太郎は18歳でフランスに行き、1940年、29歳で帰国している。31歳で徴兵検査を受け中国で4年間軍隊生活を送り、1946年に復員した。1947年に敏子に会い、復員の8年後に、『今日の芸術』刊行。本著はその2年後に出版されています。

大成功した親の2世として、当時は非常にめずらしかったであろう留学経験。しかもパリが芸術の都として最も華やかな時代に、その綺羅星たちのほとんどに太郎は交流を果たした後一転して軍隊生活へ。終戦後の多くの文学者が、日本軍の惨めな実情をとおした反戦哲学や、日本批判をすることでしか世界意識を獲得できなかったのとは異なり、太郎は、日本とフランスを比較して日本を批判するようなことは一切していない。

鋭敏な感受性を持ちつつ、夏目漱石のように神経症にも陥ることなく、通常の日本人より落差が大きかったであろう軍隊生活を経て『今日の芸術』が書かれたことはまさに驚異的。芸術の都での太郎は、いわゆる日本の伝統を心の拠り所にしていたわけではない。太郎のその誇り高い魂の源であった岡本家の真実、かの子と一平の夫婦生活についても、実の息子でありながら、的確な評価をし、尊敬しつつも、超えようとする太郎の強い意志。。。この本を十代までに読めなかったことが本当に悔やまれる。

【目 次】
はじめに/岡本敏子
1/青春回想
色気と喰気、はたち前後、青春の森、ソルボンヌの学生生活、銃と私 ほか
2/父母を憶う
母、かの子の想い出、私の好きな母の歌、かの子文学の鍵、父の死 ほか
3/女のモラル・性のモラル
処女無用論、日本女性は世界最良か?、春画と落書き、女性に興ざめするとき ほか
解説/みうらじゅん
____________

【BOOKデータベースより】「青春は無限に明るく、また無限に暗い。」—岡本太郎にとって、青春とは何だったのか。パリでの旺盛な芸術活動、交遊、そしてロマンス…。母かの子・父一平との特異ではあるが、敬愛に満ちた生活。これらの体験が育んだ女性観。孤絶をおそれることなく、情熱を武器に疾走する、爆発前夜の岡本太郎の姿がここにある。 光文社 (2002/10 初出1956年河出書房)

[PR]
by yomodalite | 2008-04-22 14:10 | 現代文化・音楽・訳詞 | Trackback | Comments(0)

日本発イット革命―アジアに広がるジャパン・クール

奥野 卓司/岩波書店



タイムリーではありませんが、4年前の著書が今の現状をどれぐらい予知していたのかという興味により読んでみました。この数年で秋葉原の外人客の様相は明らかに変化し、ジャパニメーションや、ジャパンクールは一層拡大している印象がありますね。

著者は関西学院大学教授で、若い頃は11PMの台本をアルバイトで書いていたらしく、通常の大学教授の著書と違って関係者向けではない一般書。日本のオタク市場をTV的な印象操作のそれではなく「多元的マニアックス」と呼び、韓国や中国が国主導でコンテンツ政策を進めているが、イット革命が遊びの要素からなりたっている以上日本が追い抜かれることはないだろう。というのが要旨。

現在の日本のアニメ、マンガ業界の疲弊は明らかだが、世界の文化状況の停滞ぶりは更に激しいので、相対的にはやはり追い抜かれることはないかもしれない。それにしても、このダサ過ぎる装幀にジャパンクールっていうのは・・ ヾ(´ω`)

★★★☆
__________

【内容「BOOK」データベースより】拡大する日本発ポップカルチャーの実態に迫る。いま日本のゲームやアニメ、Jポップなど日本発のポップカルチャー(ジャパン・クール)がソウル、台北、上海、香港などで爆発的に拡大し、世界で高い評価を受けている。この拡大を支えているのは、多元的なコンテンツ(イット)に関心をもつ若者たちだ。豊富な調査から彼らの実態を浮き彫りにする。 岩波書店 (2004/12)

【目次】
1章/イット革命が始まる
竹中さん、IT革命って何だったのですか、Tバブル崩壊の原因 ほか
2章/イット革命が広がる—東アジアでの日本発ポップカルチャー
「ジャパン・クール」伝播の実態は?、台北の「哈日族」 ほか
3章/イット革命が創られる
「イット革命」以前、エキゾティシズムの評価を越えて ほか
4章/イット革命のゆくえ
国家戦略としてのイット革命—韓国と中国、就業可能人口と産業化の可能性 ほか



[PR]
by yomodalite | 2008-04-06 23:29 | 現代文化・音楽・訳詞 | Trackback | Comments(0)

底抜け合衆国―アメリカが最もバカだった4年間 (ちくま文庫)

町山 智浩/筑摩書房




アメリカ衰退の始まりを描いた歴史的カルチャー本!

____________

[BOOKデータベース]ブッシュ大統領「疑惑の当選」からマイケル・ムーアの『華氏911』戦争まで戦時下アメリカの恐ろしくもマヌケな真実!カリフォルニア州知事アーノルド・シュワルツェネッガー、『アメリカン・サイコ』ブレット・イーストン・エリスなどのインタビューも収録。 洋泉社 (2004/08)

[PR]
by yomodalite | 2007-04-11 14:29 | 現代文化・音楽・訳詞 | Trackback | Comments(0)

USAカニバケツ: 超大国の三面記事的真実 (ちくま文庫)

町山 智浩/筑摩書房




アメリカ衰退の始まりを描いた歴史的カルチャー本の第2弾。軽〜い読みものとしても楽しめますが、10年後にもまた違った感慨で読める内容かも。

<内容のほんの一部>
●史上最もヒドい音楽でアメリカ集計1位に選ばれた歌とは?
●1球3億円? 大リーグのホームランボールを奪い合う男達の肖像
●シンプルライフなんて全然できないセレビッチ、パリス・ヒルトン
●自分の足首切断をネット中継する男
●ジェニファー・ロペスのワガママ度
●乱闘だらけのアイスホッケー
他てんこもり!!

_____________

[出版社 / 著者からの内容紹介]アメリカは、政治と大統領以外でも、ずーっと騒がしい!雑誌『映画秘宝』、単行本『底抜け合衆国』『<映画の見方>がわかる本』『映画欠席裁判』(洋泉社)などで知られる著者が贈る、怒濤のコラム集。
スポーツ、TV、映画、マンガ、ゴシップ、犯罪etc・・「政治」や「大統領」や「戦争」以外でも騒がしい国・アメリカからの、911以降のポップカルチャー総まくり通信!!知られざるアメリカのB面を知りたければ、まずこの1冊!太田出版 (2004/12/7)

[PR]
by yomodalite | 2007-03-25 23:36 | 現代文化・音楽・訳詞 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


by yomodalite