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松岡正剛の書棚ー松丸本舗の挑戦/松岡正剛

松岡正剛氏は、わたしの十代の頃からのアイドルのひとりで、今も、追っかけたくなる気持ちを考えると、もしかしたら、一番長い期間、萌えている方なんですが、、

でも、ここ数年、松岡氏のお仕事は、リンクしている「松岡正剛の千夜千冊」というブログをたまに見るぐらいで、著書は、去年の春頃に読んだ『日本という方法—おもかげ・うつろいの文化』に、久しぶりに感動して以来。

松岡氏は、わたしに、初めて古本屋に行く楽しみを教えてくれた人で、これまで、まったく知らなかった類の本や、氏の編集による、伝説的な雑誌『遊』や、杉浦康平氏が造本した本を、1冊づつ買い揃えて行ったり「本屋」に行くことを、すごく楽しませてくれた方だったんですが、近頃はネットショップばかり利用していて、「松丸本舗」は、そんなに遠くないにもかかわらず、なんだかキレイ過ぎるせいもあって、一度行ったきりで、忘れていたんですけど、

今後、わたしは、この本に紹介されている本を中心に、読書していくことにします!!!

今までに、何度も、古典を読まなきゃとか、思っているんですけど、やっぱり、松岡氏のブックガイドが、わたしにとって、一番の道しるべだと思う。

橋本治氏、内田樹氏、小室直樹氏、副島隆彦氏は、それぞれ、むずかしいことを、わかりやすく、わたしに、説明してくださった方々なんですが、松岡氏は、個別の作家、著作だけでなく、膨大な本の海を前に、地図のように、道筋を示してくださる先生で、

それゆえ、これまで紹介されて、読んだ本の中には、全然理解できなかった本も、かなり多いんですが(苦笑)、ただ、よくわからなかった本に対して、あとから、松岡氏も、難しかったんだなぁってことがわかると、「やっぱり、そうだよねっ!」て感じで、すごく安心できるんですよね(笑)

本書には、佐藤優氏との、すごく面白い対談も納められているんですが、そこでも、佐藤氏の『日米開戦の真実−大川周明著「米英東亜侵略史」を読み解く』という本を、とんでもないと思った(←よくわかんなかった言ってる例)とか、

山本七平氏の『現人神の創作者たち』に対しても、こんな風に解説してくれるのは、松岡氏以外にはいないと思う。

(「千夜千冊」より引用)……こうして、山本七平は「歴史の誤ちを糺す歴史観」と「ありうべき天皇像を求める歴史観」とが重なって尊皇思想が準備され、そこから現人神の原像が出てきたというふうに、本書を結論づけたようだった。
 

「ようだった」と書いたのは、本書は後半になって組み立てが崩れ、江戸の歴史家たちによる赤穂浪士論をめぐったままに閉じられてしまうからである。


徳川時代の後半、朱子学や儒学の思想は伊藤仁斎と荻生徂徠の登場をもって大きく一新されていく。陽明学の登場もある。また、他方では荷田春滿や賀茂眞淵や本居宣長の登場によって「国学」が深化する。

本書はこのような動向にはまったくふれず、あえて江戸前期の「尊皇思想の遺伝子」を探索してみたものになっている。
 

このあとをどのように議論していくかといえば、いまのべた徂徠学や陽明学や国学を、以上の「正統性を探ってきた試み」の系譜のなかで捉えなおし、さらに幕末の会沢正志斎らの「国体」の提案とも結びつけて見直さなければならないところであろう。
 

山本七平はそこまでの面倒を見なかったのだが、それがいまもって丸山真男と山本七平を両目で議論できるホリゾントを失わさせることになったのである。
 

が、ぼくとしては冒頭で書いたように、そこをつなぐ研究が出てこないかぎり、われわれはいまもって何か全身で「日本の問題」を語り尽くした気になれないままになってしまうのではないか、と思うのだ。(引用終了)


松岡氏の魅力は、ある種の権威にも関わらず、著書にも、著者にも、ずっと謙虚さを失われないところだと思います。そういったところが、

『日本という方法—おもかげ・うつろいの文化』の、魅力に繋がっているんですよね!

で、ここから、本書の内容なんですが、

松丸本舗の内臓とされる「本殿」は7つあって

「遠くからとどく声」
「猫と量子が見ている」
「脳と心の編集学校」
「神の戦争・仏法の鬼」
「日本イデオロギーの森」
「茶碗とピアノと山水屏風」
「男と女の資本主義」

タイトルから、内容が想像しにくい「遠くからとどく声」には、少年少女文学と少女マンガと、SF、漢詩、幻想文学、短歌・俳句など。。

松丸本舗の洋服とされる「本集」は、2つで

◎再編する市場と政治
◎たくらみの方法

「たくらみの方法」は、社会の出来事を考えるための方法に迫る本が納められています。

その他、「造本」「本家」「懐本」「本相」の棚があり

「本相」には、セイゴウ式勝手相場」と名付けて、独断と偏見で、ある本を絶賛したり、がっかりしたり……名作に心震わせるのも読書の楽しみではあるけど、タイトルや文章に騙されて失望するのも読書の恋愛術なのだ。なんて、またまた、憎いことを。。。

対談は、上記の佐藤優氏以外に、東浩紀氏との対談「僕たちは今、“ライプニッツ的世界”を生きている」も。デジタル時代の本格的到来が「本との生活をどう変えるのか?というテーマ。

棚写真と平行した解説では収まらなかった分は、より深くセイゴオ・ワールドを味わうための「お薦め本」として、驚異の松岡式チェーン・リーディングを紹介。

とにかく、見応えも、読みごたえも、スゴ過ぎる、最強ブックガイド!!!
特に、松丸本舗が、お近くにない人は、買うしかないです。

◎松岡正剛の書棚|特設ページ|中央公論社

◎本たちの息吹き(文中リンクも必読)

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[BOOKデータベース]あの「千夜千冊」が本屋になった。書店初のセレクトショップ、松丸本舗を解説。中央公論新社 (2010/07)





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by yomodalite | 2010-11-09 08:46 | 評論・インタヴュー | Trackback | Comments(0)

超出禁上等/ゲッツ板谷

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ゲッツ板谷氏が、興味のないイベント、コンサート、施設に、出禁覚悟で、言いたい放題突っ込んで行く「週刊SPA!」の人気連載『出禁上等』の続編。

去年読んだ記憶で比較すると、こちらの続編の方が、喧嘩の売り方も、笑いも、パワーアップされてます。続編の第一発目は「ミス・ユニバース・ジャパン」潜入。2ショット写真のキャプションに添えられた、マンガを担当している天久聖一氏のコメントに共感しました。

(ゲッツ板谷)「モデルって、やっぱ凄いスタイルしてるね」とはなしかけたところ、
(天久)「でも、人間としての色気は俺たちの方が数段上っすよ」との答え。…濡れたなぁ〜。

私も、随所で、ゲッツ板谷の男気に濡れました。

2005年の出版ですが、本書は、話題の場所の紹介とか、そんな、そのときどきで消えて行く、情報を扱っているのではなくて、ゲッツ板谷の、生き方や、魂が感じられて、尚かつ、親が死んだ日であっても、と思えるぐらい、めちゃめちゃ、笑える箇所もあります。

最終回に近づくほど、笑いも、凄みも増していったのは、天久聖一氏のマンガの力も大きく、小さな挿絵にもかかわらず、ここまで下品で、クレージーな、マンガ読んだことないかも!!!ってレベルで、笑わせてもらいました!

図書館本で読みましたが、文庫版は、今年の12月25日に発売されるようです。買い!

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突っ込んだ場所/ミス・ユニバース・ジャパン、御柱祭、芥川賞受賞作を読む、稲川淳二の怪談ナイト、そば打ち、ヒルズ、東京ムツゴロウ動物王国、断食、ピューロランド、万博、「第九」のコンサート、東京ミレナリオ、ジブリ美術館、東京ディズニーランド、詩のボクシング、樹海、ピンクレディーコンサート、筋肉ミュージカル、浅草寄席 他。

[BOOKデータベース]売られてない喧嘩、激安で買います。ライター界の攻めだるまゲッツ板谷の突撃ルポ。

[MARCデータベース]ミス・ユニバース・ジャパン、ピンク・レディーのコンサート、東京ムツゴロウ動物王国…。ライター界の攻めだるま・ゲッツ板谷が本気で突っ込む突撃ルポ。『週刊SPA!』連載に加筆して単行本化。扶桑社 (2005/07)





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by yomodalite | 2010-11-06 22:28 | 評論・インタヴュー | Trackback | Comments(0)

結婚失格/枡野浩一

久しぶりに、枡野氏の本を読む。本書は一応、“小説”なのだけど、『あるきかたがただしくない』など、これまでも様々なメディアで語ってきた、自らの夫婦の別居、妻(マンガ家の南Q太)の連れ子+実子のふたりの子供との別れ〜離婚を、登場人物の肩書きや、名前などは代えつつも、ほぼ実話として織込んだ“小説”の中で「書評」を試みるという、めずらしいもの。


結婚失格 (講談社文庫)

枡野 浩一/講談社

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元々、連載書評だったにも関わらず、当時の枡野氏としては、これを語らずにはいられなかったのでしょう。会えなくなった子供たちと、妻の態度、突然離婚を突きつけられた“男”の、リアルな感情には、ヒリヒリしてしまう部分が多く見られる。

更に興味深いのは、巻末の「解説にかえて」とある“真夜中のロデオボーイ”という名の、枡野浩一+穂村弘+長嶋有による“あとがき”のようなもの。(これは、普通の「あとがき」でなくて、この部分も含めて“作品”だといえる)

枡野、穂村は、短歌界の2大スターで、小説家の長嶋氏は、それぞれの友人。“真夜中のロデオボーイ”は、その3人が、初めて一堂に会した日のことなどを、各人が綴った文章なのですが、

以前から、枡野氏のストレートな愛憎を浴びてきた、穂村氏は、枡野氏の人となりを実にわかりやすく説明している。それは、ひと言で言うと、根本的なところで「普通の人」の感覚をわかっていない。という点だと、穂村氏は語っているのだけど、『現実入門』『世界音痴』など、現実感のないふわふわキャラで人気を得てきた穂村弘は、もし、枡野浩一さえ居なかったら、こんなことを、うっかり、言うはずではなかったのでは?

また、わたしが読んだのは単行本ですが、文庫には、町山智浩氏の解説がついていて全文は読んでいないのですが「結婚破綻の理由」を理路整然と解き明かした内容のため、納得する読者も多いそうです。

で、その町山解説による文庫本刊行後に行われた出版イベントのようなものが、こちら。

◎歌舞伎町のBE-WAVEでのイベント

かなり面白い内容ですけど、1時間20分!!!ぐらいあるので、お暇なときに♡
5:10ぐらいから町田氏登場。25分ぐらいから、町田氏が例の解説について語る。26分ぐらいから、外でこどもをつくった切通理作の壮絶な結婚生活の顛末、33分ぐらいから、漫画家、山田ナイトの助言の紹介などを経て、最終的に町田氏が、自らの離婚危機をどう修復したかという熱い自慢話(笑)に到ります。。

一貫して、サブカル界のB級から、Z級までをフィールドにしてきた、町山氏が、少々焦り気味に、結論を出そうとしたり、律儀な恋愛論を語ってしまっている点など(もちろん、彼もポジショントークをしている自覚はあるにしても)、

枡野氏も、ギリギリの体重まで、身を細る想いをしたことには間違いないのですが、ここまで多くの業界人を、巻き込んで“天秤”の役をやっているのは、やっぱり、枡野浩一なんですよね。

わたしの中では、天秤座の枡野氏がジョン、双子座の穂村氏がポールといった感じで、甲乙つけがたい、おふたりなんですけど、どちらが、より興味深いかという、究極の選択を迫られたら、今は、ギリギリ、枡野氏かなぁ。。(おふたりの著作を読むたびに入れ替わってますが。。)

そういえば、“真夜中のロデオボーイ”に登場する、長嶋有氏の、ユニークな書評集『電化製品列伝』は、紹介されている作品にも興味が湧きましたけど、本書で、書評されている本のことは、全然印象に残りませんでした(笑)。町山氏に、自分のことしか考えていないと評されるのも、やっぱり仕方ないのかも。。

☆参考書評
◎琥珀色の戯言
_____________

[出版社 / 著者からの内容紹介]愛の暴力に、誠意はかくも無力なものなのか
四人での幸せな暮らしが、このまま続くと思っていたのに。週末以外は仕事場で暮らしてほしいと言い出した妻。いつのまにか、自宅玄関の鍵は取り替えられていた。講談社 (2006/10/31) 講談社文庫(2010/7/15)

[BOOK」データベース]その昔、あなたのことが大好きで、そして今では嫌いになった。あまりにも率直に、リアルタイムで綴られた初の自伝的連載小説「結婚失格」…待望の単行本化。驚愕の同時進行形小説。短歌連作「愛について」、歌人・穂村弘と作家・長嶋有のエッセイも特別収録。


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by yomodalite | 2010-08-22 01:05 | 評論・インタヴュー | Trackback | Comments(0)

男気万字固め/吉田豪

本日、東京では、連日の猛暑が少し和らいでいますが、このまま、一挙に涼しくなることもなく、きっと、また厳しい暑さが戻る日もあるでしょう。そして、そんなときこそ本書を読むチャンス!!!

男気万字固め (幻冬舎文庫)

吉田 豪/幻冬舎

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エコだの、地球温暖化だの、ガン無視して、エアコンをガンガンに効かせた、冷え冷えのお部屋か、もしくは、首振りを止めた扇風機の風を、正面から受け止める位置に陣取って男汁が滴る本書と共に、高度成長魂を蘇らせてみる!のは、いかがでしょう。

真夏の吉田豪祭り!3冊目は、著者の長時間インタヴュー本、第1弾『男気万字固め』

インタヴューされているのは、見事なまでに、女子ファンの存在が感じられない、男臭全開の以下の方々

◎山城新伍(蠍座)
◎ガッツ石松(双子座)
◎張本勲(双子座)
◎小林亜星(獅子座)
◎さいとう・たかお(蠍座)

※西川のりお(おうし座)
※畑 正憲(牡羊座)
(※印は、本人の希望により、単行本収録できなかった方々)


1番バッターの山城新伍氏は、本人はもちろんですが、著者と同じく、プロレスとタレント本に詳しい水道橋博士の『本業』でも、絶賛の著書『おこりんぼ さびしんぼ』による、男気レジェンド、勝新、若富の紹介者としても、現在の「男気界」への影響度においても最重要人物。とにかく、しゃべりが上手い!!!

お次ぎは、ガッツ石松氏。本当に情けないんですけど、わたしは、亀田問題のとき、父親の亀田史郎氏を、説得するガッツ氏を見るまで、彼の天然が“演技”だったことに気づきませんでした。一生の不覚だったと、未だに反省してます。そんな見事な演技力と、サービス精神と、言葉のセンスが光ります!!! “OK農場!!”(←牧場だけじゃなかったの。。)

3番バッターと言えば、張本勲氏。野球界一の「闘魂」、男の中の超男!
わたくしなどが、言えることは、何もございません!!!(ハァハァ)

4番バッター、CM音楽界のホームラン王、小林亜星氏。一世を風靡した、寺内貫太郎のキャラとは、まったく別のキャラで、しゃべりまくります。本文内で、事務所の壁にシド・ビシャスや、BECKのポストカードが張ってあることを、吉田氏が質問するくだりがあるのですけど、インタヴュー後記の写真をよく見ると、レディオヘッドや、中央にはデンジャラスツアー時のMJの写真も!

そして、最後に登場するのは、抑えの切札か、代打の神様か、、ねらった獲物は逃さないゴルゴ13を陰で操る、さいとう・たかお氏。流石というか、当然なのか、漫画家デヴュー前に、祇園で芸者遊びデヴュー済み。

読了後は、今まで、月島の高層マンション群を見て、どんだけ建てれば気が済むのか。。とか、思っていたエコ主婦(笑)のわたしですら、まだまだ空いている!と目をギラギラさせ、超高層の上を飛ぶヘリコプターを見る目も変わるほどの影響力!

夏バテや、ニートなお子様へのプレゼントにもいいかも。

☆あまりの激白内容に、単行本収録にストップがかかった「ムツゴロウインタビュー」 こちらで、全文が読めます。マジで激し過ぎるw
http://homepage1.nifty.com/SiteK4/m1.htm

☆水道橋博士の『本と誠』(収録を断ったもうひとりの芸人は西川のりおだった)
http://www.asakusakid.com/column/nikkei-4.html

この下の[内容紹介]は、文庫版のときのもの。私が読了したのは2001年の単行本です(右写真)2007年の文庫版はアマゾンでは在庫切れですが、他のネットショップでは購入可。わたしは、表紙の好みで、単行本を入手したのですが、文庫版には、本宮ひろ志と、乙武君のインタビューが追加されている模様(シマッタ!!!)。

ただ、単行本には、本文下にコラム欄があって、各人の出版本の紹介がされている部分が素敵なのだけど、文庫版は、そこんとこどうなんでしょうね?


[内容紹介]山城新伍、ガッツ石松、張本勲、小林亜星、さいとう・たかをの5人の大物たちの尋常じゃないほどの男っぷりを一挙公開。『月刊TVチョップ』に連載されたインタビューに、書き下ろしを加え単行本化。エンターブレイン (2001/06) 文庫版/幻冬舎 (2007/02)

帯にある「これが男の生き様だ!思い知れ!」とあるとおり、そして文庫化記念特別収録本宮ひろ志!最高!男気特別対談には乙武君!いままでの乙武君のイメージが変わります!!

浅草キッド・水道橋博士(本書・帯より)
吉田豪は、相手の99の話を引き出し、100の力で書く。そして読者に200以上を夢想させる。だからこそ、芸能本史上、最強の聞き手として、300パーセント推薦するしだいである。



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by yomodalite | 2010-08-19 12:05 | 評論・インタヴュー | Trackback | Comments(4)

hon-nin列伝 セキララなオンナたち/吉田豪

hon-nin列伝 セキララなオンナたち (本人本)

吉田 豪/太田出版

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『人間コク宝』をきっかけに、吉田豪氏の著作を、まとめて読みたくなりました。

どうも最近、難しい本があまり読めないのは、W杯後遺症かなぁ〜と思っていたんですけど、よく考えてみたら、暑いからじゃん!!!

で、こんなに暑くても、読めるの、吉田豪ぐらいじゃん!!!って、ことで落ち着きました。(以下、暑さでいつもより“暴言”多めになってますけど、暑いから仕方ないよねっ!!!)

本書は、雑誌『本人 hon-nin』でのインタヴューを、2008年に単行本化したもの。インタヴューされているのは、以下の人たち。

・荻野目慶子(乙女座)
・中川翔子(おうし座)
・土屋アンナ(魚座)
・麻生久美子(双子座)
・広田レオナ(魚座)

わたしは、根っからの「男好き」なので、特にそう思うのかもしれませんが、『人間コク宝』と比較すると、どんなにインタヴュアーが素晴らしくても、「本人」がつまらなければ、やっぱり、面白くはならない。それで、改めて思ったんですけど、やっぱり「女」はつまらない。

(自分も「女」だし、コメントをくれる人も、女子が多いブログで、こんなことを言うのも何なんですが・・)

中でもつまらないのが荻野目慶子と、土屋アンナで、

荻野目慶子は、付き合っていた監督が、首を吊った姿を目撃してしまい、パニック障害に陥り、対人恐怖症になり、でも働かざるを得なくて仕事に復帰したこと。ニューヨークで占い師に騙されてしまったなどなど、、、、う〜〜ン、愛人だった監督の自殺は、1990年。インタヴュー当時2006年ですから、16年前ですよ。16年もあったら、あと2、3人、いや、4、5人は、イッておいてもらわないとって、何が(?)。。だって、女優なんだし。「正直か!」ってツッコミたくなるのは、わたしだけでしょうか。

「痛い目に遭ってるのに、結局また信じちゃうの(笑)

って、それは、信じてる方が心地良くて、本当に痛い目にあってないからじゃん!!

土屋アンナも、隠し事したくないとか、隠す意味もわからない。とか、「売れなくてもいい」とか、「女優キライ」とか、この世界で将来的にやりたいことなんか、ない!とか、もう言い放題で

吉田豪 「今日だけで、人となりが、だいぶわかりましたよ(笑)
土屋アンナ 「意味わかんないでしょ?」
吉田豪 「想像以上にシンプルでしたね」
土屋アンナ 「シンプルだね。好きか嫌いか、美味しいか美味しくないかだけ。」


とか・・・吉田豪も「男気」マニアの男だから、この程度のなんちゃって男気では、あまり引き出すものもないと悟り、アンナに合わせて、

吉田豪 「しかし、ホントに男ですね(笑)。」
土屋 「........男だよね(笑)。」


みたいな展開に。ホントに土屋アンナは全然男がわかっていないなぁ。ただのアル中とか、ホントにダメな男にはいるかもしれないけど、チャーミングな男にそんな甘えてるやつは1人もいないよ。

土屋 「1回飲みに行ったら、みんな酒くれるのよ。やったぁって思って、あとから聞いたらそれ合コンだったらしいんだけど、ガンガン飲んだの。そしたら、みんなつぶれちゃって。飲むだけ飲んで帰ったら、「もう二度と来るな!」って言われちゃって(笑)

この程度の内容は、女としてという括りじゃなかったら全然豪快じゃないじゃん。インタヴュー受ける前に、毎晩、誰よりも飲んで、金も使って、気も使う、そんな男たちばかりのインタヴューが詰まった、吉田豪氏の『男気万字固め』を読んでないなんて、本当に勉強不足でどうするの!。ガッツ石松が、どんだけ努力して、あの天然キャラを創っているか。。。

と、まあ、最初に不満を連ねてみましたけど、つまらないと言った2人のインタヴューでも、この程度で、全体を通して、やっぱり、本書は面白い本です。

特に面白いのが、アマゾンレヴューなどでも、評判の高い「麻生久美子」。彼女の薄幸系の美女顔で語る、超ビンボー話や、炸裂する、カン違いキャラは、男女問わず、ファンを増やしたはずだし、しょこたんのオタク話も、活字向き。

また、広田レオナは、キャラ設定に年期が入っているというか、同じエピソードでも、常に細かい点に、修正を加えてたり、練りに練った感じが「流石」ですね。いつ何時も、クリエイティブであることを止めないサービス精神には、なかなかの“男気”を感じました。
_______

[内容紹介]スーパー・インタビュアー吉田豪が聞き出す、トップ女性たちの赤裸々人生!!

「痛い目に遭っても、結局また信じちゃう(笑)」(荻野目慶子)
「ブログって日々の老いを刻んでることだったりも……」(中川翔子)
「シンプルだね。美味しいか美味しくないかだけ」(土屋アンナ)
「ザリガニは……美味しかったですよ!」(麻生久美子)
「私っていつも病気の最先端をいってるんですよね」(広田レオナ)

まえがき&あとがき代わりの「吉田豪“本人”インタビュー」
インタビュアー・松尾スズキ(射手座)も収録!! 太田出版 (2008/1/31)

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by yomodalite | 2010-08-18 13:18 | 評論・インタヴュー | Trackback | Comments(2)

人間コク宝/吉田豪

人間コク宝

吉田 豪/コアマガジン

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吉田豪(乙女座)氏の本は、ずっと読みたいと思っていたのですが、わたしが難しめの本を、眉間にしわ寄せて読んでいる間に、ダーリンが図書館から借りてきて、先に爆笑していました。

本書は、日本で、一番上手いインタビュアーと言われる、著者によるインタビュー本第2弾。(ちなみに第1弾は『男気万字固め』)

2004年に出版されたものですが、インタヴューされているのは、以下の人たち。


・坂上忍(『地球に落ちてしまった忍』 双子座)
・岸辺四郎(双子座)

・チャック・ウィルソン(蠍座)

・安部譲二(『日本怪死人列伝』 おうし座)

・カルーセル麻紀(『私を脱がせて』 射手座)
・三浦和義(『民事訴訟入門』『ドラキュラの花嫁』三浦良枝著 獅子座)
・田代まさし(乙女座)

・真木蔵人(天秤座)

・ジョニー大倉(『暴力青春』 乙女座)
・高嶋政宏(『高嶋兄』 蠍座)
・稲川淳二(獅子座)

・ジョー山中(『証』 乙女座)
・山本晋也(『ポルノ監督奮戦記』『真面目な社会学』『わたしは痴監』双子座)
・梨本勝(『突撃エロチカ』 射手座)
・ROLLY(『不思議の国のローリー』 乙女座)
・桑名正博(『赤き獅子の伝説』 獅子座)
・中山一也(『刺されたいのか、主役はこの俺だ!』 不明)
・内田裕也(『俺はロッキンローラー』『レディス・アンド・ジェントルメン』蠍座)

☆( )内はインタヴューの資料となっている本人が出版した書名と、なぜか誕生星座w

“コク”宝というだけあって、確かに、濃い面々のような気はすると思いますし、、、それゆえの拒否反応や、暑苦しい感じ、男臭さにむせ返りそうになる女子も多いと思われますが、でも、そんな人にこそ、激しくお奨めしたくなるほど、本書は、意外性に満ちていてびっくりするほど、面白い本です!!!



まさか、坂上忍が、そこまでパンクな奴だったとは...チャック・ウィルソンの仲間は何人も...最近、ウチのブログによく登場するロス事件の三浦氏、本書出版後、再逮捕された、田代まさし、意外性の高さでは最高度だった、山本晋也、その怪談話よりも遥かに壮絶な稲川淳二の私生活、ROLLYの複雑さ、中山一也、あなたは誰?(笑) 

そして、締めは、Babyへの想いがまったく感じられない「シェケナベイビー」や、都知事選の政見放送時「ゴミ収集者の待遇を改善する」という政策を、ローマ字で書くなど(「GOMISHUSHUSHA NO TAIGUU O KAIZEN SURU」)、まったく理解できないロッキンロール魂をもつ、謎の人、内田裕也は、ファミリーと目される、ジョー山中、桑名正博、ジョニー大倉などのインタヴュー後、満を持して登場する。

いわゆるファミリー以外でも、内田氏は、本書の面々と不思議に繋がっていて、また、同じような“縁”を感じさせる「真樹道場」(梶原一騎の弟、真樹日佐夫の主催する空手道場)や、内田やジョニー大倉の矢沢永吉への想いも興味深いのだけれど、最近は、ヘアスタイルから、康 芳夫(こう よしお)のB級という印象だった、内田裕也が、もしかしたら、Rockを理解していて(笑)、実は英語が堪能で、尚かつ、知性があるのかも(笑)とまで印象を覆されたことは、私にとって新鮮な驚きでもあり、やはり、何でも疑ってみなくては、、との思いをより一層強く感じました。
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[出版社 / 著者からの内容紹介]芸能本史上最強のインタビュアーによる濃厚インタビュー集。怒濤のインタビュー18連発
コアマガジン (2004/12/3)

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by yomodalite | 2010-08-15 14:06 | 評論・インタヴュー | Trackback | Comments(0)

日本辺境論/内田樹

日本辺境論 (新潮新書)

内田 樹/新潮社



去年出版されていて、2010年の新書大賞も受賞している本。

内田氏の、キャシャーンがやらねば、誰がやる!的な「まえがき」に、強く納得。氏が言われるように、本書の内容は、目新しくはないけど、さっぱり浸透していない、日本論の典型。

久しぶりに、最後まで、赤線を引っ張って、読了しました。本書には、有名ブロガーや、著名人による書評も多くあるのだけど、心から共感する書評は、まだ見当たらない。といっても自分で書くのは大変すぎる内容。ただ、本書が、意外と評判高くないのは、エセ愛国者のような方にとって、都合が悪いからだと思う。

「まえがき」より

……ですから、最初にお断りしておきますけど、本書のコンテンツにはあまり(というかほとんど)新味はありません

でも、新味があろうとなかろうと、繰り返し確認しておくことが必要な命題というのはあります。

私たちはどういう固有の文化をもち、どのような思考や公道上の「民族誌的奇習」をもち、それが私たちの眼に映じる世界像にどのようなバイアスをかけているのか。それを確認する仕事に「もう、これで十分」ということはありえません。

朝起きたら顔を洗って歯を磨くようなものです。一昨日洗ったからもういいよというわけにはゆきません。……

[内 容]

◎日本人は辺境人である
「大きな物語」が消えてしまった/日本人はきょろきょろする/オバマ演説を日本人ができない理由 /他国との比較でしか自国を語れない/「お前の気持ちがわかる」空気で戦争 /ロジックはいつも「被害者意識」/「辺境人」のメンタリティ /明治人にとって「日本は中華」だった/日本人が日本人でなくなるとき / とことん辺境で行こう

◎辺境人の「学び」は効率がいい
「アメリカの司馬遼太郎」/ 君が代と日の丸の根拠 / 虎の威を借る狐の意見/ 起源からの遅れ/『武士道』を読む/無防備に開放する日本人 /便所掃除がなぜ修業なのか/学びの極意/『水戸黄門』のドラマツルギー

◎「機」の思想
どこか遠くにあるはずの叡智/ 極楽でも地獄でもよい/「機」と「辺境人の時間」 /武道的な「天下無敵」の意味 /敵を作らない「私」とは / 肌理細かく身体を使う/「ありもの」の「使い回し」/「学ぶ力」の劣化 /わからないけれど、わかる/「世界の中心にいない」という前提

◎辺境人は日本語と共に
「ぼく」がなぜこの本を書けなかったのか/「もしもし」が伝わること/ 不自然なほどに態度の大きな人間/日本語の特殊性はどこにあるか/日本語がマンガ脳を育んだ /「真名」と「仮名」の使い分け /日本人の召命

◎終わりに
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[BOOKデータベース]日本人とは辺境人である―「日本人とは何ものか」という大きな問いに、著者は正面から答える。常にどこかに「世界の中心」を必要とする辺境の民、それが日本人なのだ、と。日露戦争から太平洋戦争までは、辺境人が自らの特性を忘れた特異な時期だった。丸山眞男、澤庵、武士道から水戸黄門、養老孟司、マンガまで、多様なテーマを自在に扱いつつ日本を論じる。読み出したら止らない、日本論の金字塔、ここに誕生。「新書大賞2010」受賞。(中央公論新社主催)新潮社 (2009/11)



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by yomodalite | 2010-03-27 14:12 | 評論・インタヴュー | Trackback | Comments(0)

明日は昨日の風が吹く/橋本治

日々の報道は、昨日のことすら覚えていないかのごとくですが、、どうか、本書のタイトルだけでも覚えて帰ってください。

内容は「広告批評」という雑誌に、1997年から2008年8月まで連載されていた『ああでもなくこうでもなく』のセレクションに、2009年4月までの連載を追加した集成本。

「まえがき」で『広告批評』が2009年の4月号で終刊したことが書かれているのですが、そんな最近まで「広告批評」が刊行されていたことに、むしろ驚きました。

雑誌って、読者がいなくても続けられるんですよね。本誌に限らず...

広告が、かつては批評に値するもので、しかも、それを業界人のみならず、大学生も読んでいた時代があることなど、今となっては信じられない状況ですけど、この連載が、始まった1997年には、もうそれは終わっていたように思います。

橋本氏が、昭和が終わった段階で『’89』を書いて、その後、山の中に籠るように『窯変源氏物語』を書き続けた時期が、そんな時代が終わった頃だったということを、あらためて確認したり、「SMAP×SMAP」がとてつもなく素晴らしかったのは、1999年だったんだなぁとか、なかなか、振り返る機会がないような、小ネタから、大ネタまで、13年前から、1年前までを振り返ることができます。

今や、橋本治の解説者として、欠かせない存在の内田樹氏の文章が、最後にあります。
内田氏が明らかにした、全国紙の学芸欄に橋本治氏に言及した記事が1つもなかったという事実は、驚くと同時に、日本という国の言論の軽さを象徴しているようで、ああやっぱりという気もしました。

橋本さんは書く前に、「言いたいこと」があるので、書いているわけではない。自分が何を知っているのかを知るために書いているのである。だから、橋本さんの書くものは本質的に説明である。

という内田氏の橋本評は、どうして、新聞記者の書く文章がつまらないかの説明にもなっている。

読書中は、橋本氏のやり方では、2000年以降の時評は難しいと思っていたのだけど、読了後しばらくすると、自分の無知と偏見だったと思い直しました。特に、2001年〜2007年までの時評から、1年にひとつ、省略してピックアップしておきます。2008年と、2009年は、量が多くて選びきれませんでした。

2001年
◎その時、きみはいくつだったか?
1983年の三流大学の学生を主人公にした「ふぞろいの林檎たち」と同様の若者に、はやりの服を着せたのが、1990年代のトレンディドラマ。日本のドラマは等身大の若者を描こうとして、その試みは10年もたたない間に消滅してしまった。

1985年の「夕やけニャンニャン」の司会で一躍人気者になったとんねるずは、「三流大学出身」のふぞろい性を逆手にとった。一方での“嘆き”は、一方での“笑い”になる。
選択肢は2つあって、どっちを取るべきだったかは、過去の自分に問うしかない。

2002年
◎「国家権力」という言葉は、かなりの度合いで死語だ
日本の官僚には、「国家権力を強化し、国民を管理するため、総背番号制にする」という考え方をする力はないと思う。あるんだとしたら、「IT時代にふさわしいネット社会を作る」というまぬけな発想だけだと思う。

1980年代が終わって、「思想の時代」が「経済の時代」に移行してから、国家の力は弱まった。1980年代から始まるのは、国家の没落に伴う、官僚達の身分保全ーつまり、「俺たちは金儲けに介入して、この経済第一の世界でイニシアチブを取るぞ」だったのではないかと疑っている。

2003年
◎フランチャイズド国家
私は日本人だから、イラクの民主化は、イラクのアメリカ化である」という意義を唱えるが、「自分達は民主主義そのものだ」と思っているアメリカ人は、同じことを言って、「どこが不思議だ?」と怒るだろう。(中略)

日本の占領政策が成功したのはなぜか?冷戦構造の世界で、日本は、ソ連や中国や北朝鮮に存在する社会主義の防波堤の意味を持った。その意味があるから、「日本を押さえておくことの重要性」は、「日本をいじくり回す必要性」に勝った。

だから、日本はアメリカ的になりながら「日本」としての統一性を保つために「日本」であることを許された。日本は、アメリカによって「日本であることを許された」という不思議な一面を持っている。だから「親米でありながら国粋的で嫌米」という不思議な人達を生む。

2004年
◎組織に拠る男達の孤独と迷走
イラクで人質に取られた人達への「自己責任」発言問題から、年金改革法案の参議院での強硬突破まで、あることが一貫している。それは「批判の拒絶」である。「我々の方針に逆らうな、水を差すな」という流れは、国の中枢部で一貫している。(中略)

「小泉訪朝」が発表されてすぐ、日本テレビが「拉致問題の解決進展を図るため、日本は手土産として米25万トン支援を用意している」と報道してしまった。そうすると、総理の秘書官だかなんだかの方から、「そんな話、どこから聞いた?言わなきゃ、総理訪朝の時に同行取材をさせないぞ」という脅しが来て、一度は「訪朝同行取材団」のメンバーからはずされてしまった。

日本テレビ側が抗議して事が公になると、慌てて「なかったこと」にしてしまう。「報道の自由の侵害」とかを言う前に、平気でそんな発想が出来てしまう人間が、国家の中枢近くにいることに驚く。これはつまり、「我々のする事に水を差すな」という、警戒なのだ(後文略)

2005年
◎危険な国
「海外取材の多いフリージャーナリストが言ってたけど」という前置き付きで、こう言ったー「海外に行ってね、紛争地帯なんかで、その場所の危険度を測ろう思う時、彼はまず子供に声をかけるんですって。子供は普通に答えてくれたらそこは安全で、声をかけられた子供が逃げちゃったら、そこは危険地帯なんですって。」

それを言う彼も、言われる私も、思うところは同じである。「じゃ、日本はもう危険地帯なんだ」と。それは分かるが、では、日本はどう「危険」なのだろう?日本は別に「紛争地帯」ではない。(中略)

「大人が子供を襲う」という事件が、ここ何年もの間、やたらと多い。「小学校、中学校に、侵入者が現れて、襲撃する」というのも。(中略)
私には、その答えが1つしか思い当たらない。つまり「子供への嫉妬」である。

2006年
◎すべてはそこから始まった
5年前の9.11同時多発テロで、世界は変わった。
もしかしたらそれは、「根本的に変わった」であるのかもしれないが「世界を構成する根本要素」の側では、おそらく、それを理解していない。「根本要素」とは、例えば、「国連」という単位である。「根本的に変わった」に対して「根本的に変わらない処置」をとっても、どうにもならないだろうーそれが「現在」だ。

ニューヨークの世界貿易センタービルに旅客機が突っ込んだ瞬間の映像を見ていて、5年前の私は、「これでもう戦争は不可能になった」と思ったー5年前に、そう書いたと思って単行本になっている『ああでもなくこうでもなく3「日本が変わってゆく」の論』を引っ張りだしたら「昔の原稿をそのまんまここに載せた方がいいな」という気になった。
同時多発テロのことを2回続けてその前は「靖国問題」とはいかなる問題か」だったりするし.......

2007年
◎阿久悠が死んだので思うこと
自民党が参議院選挙で大敗して、安倍晋三が「辞めない」と言い出したら、作詞家の阿久悠さんが死んでしまった。なんだか「じんわりと来るショック」だった。「ああそうか、“現代の日本語”は1980年代の初めに死んでいたのか」と思った。

私が「安倍晋三には関心がない」と言うのは、あまりにも言うことが空々しくて、しかもきっぱりと断定してしまっているからだ。断定が先で、先に断定されてしまっているから、その後の「説明」が続かない。(中略)

「形としては成り立っていても、論理としては意味をなさない日本語は、いつからこの日本に罷り通るようになた?」と思う。前総理の小泉純一郎の「人生いろいろです」で通してしまう答弁から、その傾向は顕著になったんだけども、言葉の上に現れる変化というのは、一朝一夕には生まれないもので、「日本語を成り立たせる根本はいつからおかしくなったのかな?」とずっと思ってはいた。(後略)
_____________

【内容紹介】橋本治氏が約11年間、『広告批評』誌上で連載していた“ああでもなく こうでもなく”。その連載からベスト・オブ・ベストを厳選。政治、経済、芸能、スポーツ、事件…など年次順に編集。橋本治氏の筆は、連想飛躍しながら、的確に時代の本質をつかまえる。例えば、松田聖子でバブルを語り、小泉内閣を家庭内離婚で語る。映画『スター・ウォーズ』でアメリカを斬ってみせる。世界金融危機を誰も言わないときに予言のように語っていたのも氏である。”ああでもなく こうでもなく”決定版!

●文庫/単行本未収録の2008年9月~2009年4月連載分8本に書き下ろし「時評の終わり」をプラス。集英社 (2009/9/25)





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by yomodalite | 2010-03-09 23:50 | 評論・インタヴュー | Trackback | Comments(0)

ホリエモン×ひろゆき 語りつくした本音の12時間 「なんかヘンだよね・・・」/堀江貴文、西村博之

ひろゆき氏の本は3冊目、ほりえもんの本は、これで2冊目になりますが、お二人の本はいずれも聞き書きであると思われるので、2人が対談すれば一石二鳥というか、まぁそんな感じでしょうか。

12時間という時間の割には、充分興味深い内容で、内容は、“IT”に関しては比較的短く1章があるだけで、あとは社会批評。

全体を通して、ひろゆき氏が聞き手になり、ほりえもんにしゃべらせていることにより、ほりえもんの単独の本にみられる露悪趣味や、悪人ぶりが抑えられていて、彼の本質がより表現されている印象で、名言も多数。例えば、

テレビ局員というのが共産党の幹部みたいなもんなの。(中略)自分たちが高給を得ながら、貧しい人の代弁をしているように思わせる。

メディアにしてみれば、ネットを使わないで『ジャパネットたかた』とかで買い物して「得した」と思っているようなバカなお客さんを囲んでおいたほうが、利益率が高いという発想になって、囲い込みをずっとし続けるんですよ。

出版社はマスメディアじゃなくなるのが正解だって。


などなど、共感する発言が多くて書ききれないぐらい。
両氏とも、来年も年1〜2冊は読みたい方です。

★★★★

第1章 格差社会
第2章 政治・裁判・税金
第3章 メディア
第4章 教育
第5章 IT
第6章 食とオンナとオシャレとお金
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【BOOKデータベース】元ライブドア社長のホリエモンと、元2ちゃんねる管理人のひろゆき、“時代の寵児”ふたりが、格差社会・政治・裁判・メディア・お金・IT・教育からAV・風俗までニッポンの“ヘン”を語り尽くす!おかしいのはオレたちなのか?ニッポンか。





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by yomodalite | 2009-12-11 14:36 | 評論・インタヴュー | Trackback | Comments(0)

大不況には本を読む(中公新書ラクレ)/橋本治

大不況には本を読む (河出文庫)

橋本 治/河出書房新社



不況でも、好景気でも本を読むのに理由はいらないのですけど、なんだか、大いに納得させられてしまうタイトル。

異論もなく、まったく疑問も感じないのですけど、橋本氏がそれをどう語ったか、興味があったので、読んでみたのですが、読書中も、読後もやっぱり読む必要なかったのかなぁ〜と、個人的には思いましたが、決してつまらない本ではないです。

もしかしたら、現在の不況を作っている(?)ビジネスマンには、ここに書かれてあることが新鮮なんでしょうね。橋本氏が、これほど親切に長々と説明してくれているということは、そういうことなんでしょう。ふむふむ。。

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【BOOKデータベース】
もはや読書と出版の復権はありえないのか。「思想性ゼロの国」日本でいま起きている日本人の魂のドラマを描き、「本を読む」人間をここに取り戻すための方法を深く考察した、硬骨の力作。中央公論新社 (2009/06)



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by yomodalite | 2009-10-26 23:39 | 評論・インタヴュー | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


by yomodalite