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映画『ラスト、コーション』監督:アン・リー

ラスト、コーション [DVD]

トニー・レオン,タン・ウェイ,ワン・リーホン



ようやく観ることができた、2008年公開のアン・リー監督の映画の感想です。

原題は、Lust, Cautionで「LAST」ではない。過激な性描写が話題になっていたけど、あのトニー・レオンがこんなことを、、とか、この映画でデヴューした清楚なお嬢さま風のタン・ウェイがそんなことまで、、といった期待はおそらく裏切られる。そして通常の映画では見ることのない、ひどく生々しいSEXシーンは、それが「エロス」なのかどうかさえよくわからない。

物語の舞台は、1942年、日本占領下の上海。人々のきもちを、演劇を通して上演するだけでは物足りなくなった学生たちは、抗日運動の敵である政府高官のイー(トニー・レオン)に、ハニートラップにかけ暗殺することを計画し、学生演劇の主演女優のワン・チアチー(タン・ウェイ)は、その目的のためにSEXを覚える。


イー:私の周りは高官ばかり

国の重要な問題や将来について語る

だが、何を言おうと、彼らの目に浮かぶものは同じ

チアチー:何です?

イー:恐れだ。

でも、君はまるで違う 恐れていない。違うかな?

チアチー:あなたは?

イー:君は聡明だが麻雀は弱い

チアチー:そうね、いつも負けるわ。あなたには勝ったけど


イーを食事に誘うことに成功し、殺害を準備した自宅の玄関まで連れて来たチアチーだったが、イーは家には上がらなかった。彼はとても慎重だった。

チアチーたちの計画は破綻し、仲間たちもバラバラになった3年後、街中に餓死する人々が溢れる上海で、チアチーはかろうじて復学し、授業では日本語がその素晴らしさとともに教えられている。束の間の娯楽を求めて入った映画館で、ケーリー・グラントが主演する「愛のアルバム」を観ていると、映画は途中でカットされ、

「500年間、英米の抑圧を受けてきたが、全アジアの民族は、ついに苦しみに勝ち、自由を手にいれた。アジアをアジア人の手に取り戻すため、我々は1日もひるむことなく奮闘し、、、」

というナレーションに変わる。

映画館からの帰路、チアチーはかつての仲間、クァン・ユイミンに再会し、自分の思いから危険な目にあわせたことを詫びるユイミンは、再び、チアチーをスパイ活動へと導いていく。「君を傷つけることはさせない」と言って。

危険な任務だということはわかっているはずの彼女は嫌がることもなく、イーの自宅で下宿する身となる。そして、イーはついに、チアチーを抱くことになるが、そこで、激しい情欲をむき出しにしているのは「政府高官」のイーで、目的のために愛人を演じているはずの「女優」は演技を忘れている。

日本の降伏は目前に迫り、崩壊寸前の南京国民政府の高官であるイーを「殺害する」という役目に意義はなく、そこにあるのは「危険」だけ。しかし、チアチーをレジスタンス活動に誘ったユイミンや、彼らを指導する反政府の軍人には、自分の信じる道しか見えていない。

でも、チアチーは何も信じておらず、ただ、イーに会いたいという思いさえも、自覚できていない。そして、その「目的のなさ」が疑うことしかできないイーの心を揺るがすことになる。

チアチーが、イーをハニートラップにかける作戦に参加したのは、ユイミンへの愛ではなく、そこには、祖国への愛や、アジアをアジア人の手にというスローガンも、政府の任務といった「理由」もない。ただ激しく肉体を求めあったイーとチアチーの間には、むきだしの「真実」だけがある。

誰かが、誰かを裏切るのではなく、
誰もが、国や政府や思想に裏切られているけど、
自分の心を、自分で裏切ってもいることに、誰もが気づいていない。

それゆえ、アン・リー監督は、この映画の中で一切「愛」を描こうとしないのだ。

漢字によるタイトルは、『色・戒』。

「色」には様々な意味があり、Lust, Caution の「Lust」にも、肉欲だけでなく、征服欲、金銭欲、名誉欲、、など、さまざまな意味があって、

この映画には、すべての「色」と「Lust」と「Coution(警告)」が織り込まれている。

世界的に評価の高いアン・リーですが、本当にスゴイ監督だということがよくわかって、『ブローバック・マウンテン』しか観ていなかったことが恥ずかしくなった。


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by yomodalite | 2015-05-29 06:00 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(0)

映画『永遠の僕たち』監督:ガス・ヴァン・サント

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ビートルズの “Tow Of Us” で始まる、
ガス・ヴァン・サント監督の2011年の映画。

♪ 僕らは絵葉書を送って、家の壁に手紙を書く

君と僕、マッチ棒に火をつけ

かんぬきは外したけど、まだ家に帰る途中さ

僕らは帰るところ、家に帰るんだ

僕らの家に(映画字幕より)♪


そして、バスに揺られていた少年イーノックは葬儀会場へと到着する。壇上では、青年が故人の思い出を語っている。


「クリスは生来のおどけ者で、お得意のジョークを誰にでも語ったものです。その時々で質問が変わる。“ボートの定員は何人?”“エレベーターの定員は? 車の定員は?”

オチはいつも同じ。“ドデカ頭ひとり分” 大切に隠している本に載っていたそうです。人に見せずに。。。弟は亡くなる直前、打明け話があると言いました。“兄さん、ジョークの載った本なんてなかったんだ 全部、僕の創作さ 探そうと思わないで”」


その会場で、イーノックはアナベラに出会う。彼女も「見知らぬ人の葬儀」に来ていた“仲間”だったのだ。


次第に心を開くうちに、彼は、彼女に神風特攻隊の友人ヒロシを紹介し、彼女は自分が余命3ヶ月のガン患者だと告げる。。。



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彼女が亡くなるまでの期間が、この映画の物語なのだけど、これは、人生に限りがあるから、今を大事に生きなくては、、という映画ではなく、


もし、あと3ヶ月で人生が終わるのなら、ガマンしなくてもいいことがたくさんあって、目の前にいる相手と同じ夢の中にいられて、ずっと幸せが消えることもないのに。。と思ったことがある人のための、


自分と “彼” がまったくちがう生き物だということも、彼の目に映っていた自分の姿も知ることなく、


セックスはふたりがひとつになるものだと思っていた時代の、思春期の白くて柔らかくてシミだらけのベッドを思い出させてくれるような、、


甘美な夢の映画でした。



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by yomodalite | 2015-05-27 06:00 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(0)

映画『ズタボロ』

ズタボロ [DVD]

永瀬匡,清水富美加,堀井新太,成田瑛基,荒井敦史



前作『ワルボロ』はビデオですませてしまったこともあり、どうにか師匠へのこれまでの不義理を少しでも返したい。

MJのことばかり考えていて、ゲッツ師匠のことを忘れていてごめんなさい。自分、『ズタボロ』は絶対に映画館で観させてもらいますっ!

てな気分で、梅田のファッションビル内のシアターに行くと、レディースデーの昼間に、この映画を見ようと思う人が少ないせいか、いつもは小ぎれいなシアター内の雰囲気もどこか違っていて、映画が始まる直前まで、すぐ後ろの席から、おっさんのものらしいいびき声のような音も響いていて、もしかして、この映画に出てくるようなタイプだったら、どうしよう。とか、

通常、映画を見る前のドキドキ感とはまったく違う緊張感で、映画は始まりました。

映画の『ズタボロ』は、小説の『メタボロ』と『ズタボロ』両作品を映画化したもの。


コーちゃんは、高校に進学し、地元最凶の暴走族「立川獄門」から理不尽なヤキを入れられる毎日。のっけから、映画館中に、ズシッズシッというパンチの音が響き渡って、その音は最後まで途切れることがないぐらい、本当に死と隣り合わせのような殴りあいが続く。暴力シーンはどんな種類も苦手で、目を背けたくなるようなシーンがない映画なんてないと思うぐらいなんだけど、この映画の暴力シーンは残虐度においてそれらを上回っているとは言えないのに、自分の身に感じる重たさは、これまで感じたことがないものだった。

コーちゃんの喧嘩への熱情は、まったく理解できないし、ヤンキー文化とは遠い場所にいた自分が、こんなにも惹きつけられてしまうわけを、あえて言葉にすれば、それはきっと「純粋さ」なんだと思う。

子供が、その子供らしさを失うのは、いつ頃かはわからないけど、私が同級生が変わったことを感じたのは、小学校を卒業する前だった。中学には、未来への希望で目がキラキラしている同級生なんていなかったし、いたとしても、それは「鈍さ」であって、10代の少年少女にとって、純粋さとは、ある種の凶暴さを抱え込まずにはいられないようなものだったと思う。

それで、高校生のコーちゃんの崖っぷち感だけはわかるような気がするのだ。

完成度はまったく違うけど、これは『ゴッドファーザー』のように 板谷家の “サーガ” であって、小説でも印象的だった『道化師』の音楽は、どんなギャング映画よりも、やっぱりこの話に相応しかった。

『ワルボロ』にあった明るさや、笑えるような部分は、『ズタボロ』にはまったくなくて、高校生のコーちゃんは暗闇の中にいて、そこからさらに闇を求めることで、今の暗さから脱出しようとしてもがく。この映画の暴力シーンが、一般的な洋画のレベルよりも残虐とは思わないけど、高校生を描いたこの物語ほど、ヤクザや、彼らの生きる世界の怖さが感じられる映画もないと思った。

映画は、小説で描かれている背景が描き切れていない不満はあるものの、この話に出会えた喜びは、再確認できました。



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by yomodalite | 2015-05-15 22:54 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(0)

年末に観たビデオ『鈴木先生』『アンチ・クライスト』ほか・・・

映画 鈴木先生 通常版 [DVD]

長谷川博己,臼田あさ美,土屋太鳳,風間俊介,田畑智子/角川書店

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昨年末、ひと足先にダーリンが東京に帰ったあとは、返却期間が迫っていたレンタルビデオを片付けた。


アンチクライスト [DVD]

ウィレム・デフォー、シャルロット・ゲンズブール/キングレコード

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まずは、このところ、すっかり慣れてきたラース・フォン・トリアーの『アンチ・クライスト』をやっつける(余裕。。何がw)、これで、トリアー監督で観てないのは、『エピデミック』と『ラース・フォン・トリアーの5つの挑戦』のみだと思うと、またもや、余裕を感じつつ(だから、何でw)、

この勢いが止まらないうちに、『トム・アット・ザ・ファーム』でお初だったグザヴィエ・ドランのデヴュー作(監督・脚本・主演)『マイ・マザー』をすばやくデッキに滑り込ませると、冒頭からドランが可愛いせいか、「あっと言う間」に片付いたんだけど、でも、自分の主演映画を、最初からこんなに完璧に創るなんて、、何か、可愛くない気もするw。
 

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しかし、そんなことを長々と考えている暇はないと思い、一緒にレンタルしたビデオを確認すると、残りは邦画で、しかも、ドラマの映画版だったことに気づいて「しまった!」と思うけど、2014年ももうすぐ終わるのに、一旦、日を改めてなんていられない。

気合いを入れるために、ビートたけしのように首と肩を動かし、中居君のように前髪ふーふーして、映画版『鈴木先生』をデッキにねじ込む。

案の定、クオリティがどっと下がった映像に、テンションが下がるものの、テレビ東京のドラマが映画化までにたどり着いたことを、何度も思い出しながら乗り切るw。2011年に放映されていたドラマの『鈴木先生』をみていないので、鈴木先生のキャラをなかなか把握できなかったんだけど、とりあえず、このドラマが評価された理由のようなものだけはわかって、連ドラとして観ていたら、面白かっただろうと思った。2時間で起承転結をつけるという映画のリズムにも不満が多いし、長い物語を展開できるドラマには可能性を感じているものの、面白いドラマを自分で発見するような努力を全然していないことを、ちょっぴり反省する。

それで、年が明けてから、NHKの「新春テレビ放談2015」を観ていたら、千原ジュニア氏とYOU氏が『若者たち2014』(フジテレビ)と、『アオイホノオ』(TV東京)について熱く語っていたので、すごく観たくなった。YOU氏が、新ドラマは第一話をすべて観てから、続きを観るものを決めると言っていたので、少し真似しようと思った。


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by yomodalite | 2015-01-08 13:29 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(0)

映画『インターステラー』に登場した詩

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クリストファー・ノーランの新作『インターステラー』が素敵だったので
そこで使われていた詩を全訳してみました。

マイケル・ケインが演じていたブランド教授がつぶやいていた詩で、
予告編の字幕では、

”おとなしく夜を迎えるな。賢人は闇にこそ奮起するもの。
消えゆく光に対して果敢に挑むのだ”

となっていたものです。
気になる点は、遠慮なくご指摘くださいませ


☆続きを読む!!!
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by yomodalite | 2014-11-26 22:55 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(4)

映画『ニンフォマニアック Vol.1』監督:ラース・フォン・トリアー

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その名前だけで観にいく監督のひとりではあるものの、そんなに好きだと思ったことはない、ラース・フォン・トリアー監督。

新作は前後編に分かれた長編という以外の情報に疎かったせいなのか、先週水曜日に、前編を観に映画館に行ったら、午後2時の回が、上映30分前に「立見」になっていて、その後の4時からのも売り切れ。トリアーの映画がそんなにヒットしてるなんて、、と泣く泣く家に帰り、今回は、前日に予約しての再チャレンジ。


☆続きを読む!!!(ネタバレはありませんが、あらすじもわかりませんw)
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by yomodalite | 2014-10-23 06:00 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(0)

映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』ほか...

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今月、映画館で観た映画について。

『ジゴロ・イン・ニューヨーク』は、シャロン・ストーンが今でもすごく綺麗だったということがわかる以外には何もなくて、

『LUCY/ルーシー』は、『her 世界でひとつの彼女』、『トランセンデンス』に引き続き、人工知能に関する映画を見ておこうと思ったんだけど、、LUCYは、2作と違って、脳機能の人工的覚醒で、、とか、どうでもいいぐらいありがちなアクション映画で、

『イブ・サンローラン』は、恋人でもあり、重要な仕事上のパートナーでもあり、すべてを共有してきたはずのピエール・ベルジェ公認の脚本なんだけど、サンローランの才能も業績も苦悩も描かれているとは思えなかった。あばたがエクボに見えるだけでなく、愛していると思う気持ちには「本質が見えない」ということもあるのかも。。嫉妬ってものすごく強い感情だからなぁ。同性どうしの場合は特に。


今年はじめに観た『ファイア by ルブタン』もそうだったけど、『イブ・サンローラン』、『LUCY』で、フランス映画のレベル低下をハンパなく実感。完成度が高くないというだけでなく、ハリウッド映画より志の低さを感じる。

『TOKYO TRIBE』は、私にとって、監督の名前だけで見てしまう園子温の最新作。自主映画ぽさが薄れ、商業映画としても完成度の高い作品に、あと一歩というところが残念というか、、

監督にとって、初めての原作ありの映画。原作コミックは全然知らないけど、各トライブのリーダーの生き様とか、もう少し人物描写があれば、バトルシーンとのメリハリもついて、本当に名作になったのではないかと。


ラップミュージカルというアイデアは秀逸だし、ラップ自体も素敵(窪塚洋介以外w)。音と映像のマッチングは、たけしの『座頭市』よりもずっと素晴らしく、巨根自慢で『花子とアン』の村岡印刷さんとは180度違う、鈴木亮平のTバック姿も、美香さんの妖艶演技も、『プライド』に次いで、オペラを披露するステファニー、自前で黄色のジャンプスーツを所有するほどのブルース・リーファンのしょこたんのヌンチャク使いも素敵だったので、どうしても惜しい感じがしてしまいました。

そんなわけで、

少し早いけど、今月私がいちばん良いと思った映画は

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』に決定!

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この映画のストーリーをカンタンに説明すると、『キャプテンEO』を2014年に、2時間映画にしたという感じ(ホントかどうかは各自確認w)。マイケルがマーベル・エンタテイメントを買おうとしていたことを知ってるMJファンで、時間がある人は見るべし。買収計画は失敗したものの、制作者サイドには、MJスピリッツが生きていた!

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70年代〜80年代ヒットチューンの数々が、映画を引き立てているのだけど、
ラストでは、まさに瞬殺のキラーチューンがかかります!








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by yomodalite | 2014-09-26 06:00 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(12)

映画『ミスター・ロンリー』監督:ハーモニー・コリン

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聖誕祭月のため、映画もマイケル絡み!

もっとも、そーゆー「縛り」にあっているというよりは、むしろ、普段は、たまには他のことを考えなくては、、と思って、無理しているところをw、思う存分好きなだけ!というルールに自分でしちゃっている方が正しいのだけどww。

ハーモニー・コリン監督が2007年に撮った、マイケル・ジャクソンとしてしか生きられない青年が主人公の映画『ミスター・ロンリー』は、マイケルのインパーソネーターをしている青年が、マリリン・モンローのインパーソネーターに出会い、チャップリンのモノマネをしている彼女の夫と、ふたりの間にできた、シャーリー・テンプルのモノマネをしている子供や、それ以外にも、サミー・ディヴィス・Jrや、三バカ大将の3人、リンカーン大統領や、ローマ法王まで、様々なモノマネ芸人たちが一緒に暮らすコミューンに行って。。というお話。

MJファンにとっては、マイケル役のクオリティが気になるところですが、
演じているディエゴ・ルナ、結構キュートです!

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この映画の「マイケル」は、実際のMJのような、知性とか、ユーモア感覚には乏しいのですが、演じているのはMJではなく、彼のモノマネ芸人というところが幸いして、MJの魅力の一部である、シャイで、スイートな面が、よく出てます。

といっても、MJファンにおすすめなどと言うつもりはなく、ハーモニー・コリンに興味があるひとが見ればいい映画だとはおもうのですが、なんとなく、私はこの映画を撮ったときのコリンには、スパイク・リーが『ゲット・オン・ザ・バス』を撮ったときと似ているというか、

◎[関連記事]マイケルとスパイク・リー

作風は似ているようには感じられない2人ですが、ふたりとも次作に悩んでいるときに、MJを選んだような。。リーが、こどもの頃からMJファンというのは、よく知られたことですが、コリンの映画にも、彼が、MJの言葉をかなり調べていたように感じる点がありました。MJが話したことを、セリフにしているというのとは、少しちがうのですが。。

無類の映画マニアであるMJは、おそらくこの映画を観たでしょう。彼はどんな風に感じたんだろうと。私は思って観てました。


下記に、エリザベス女王のモノマネ芸人の言葉と、
この映画の「マイケル」が、インパーソネーターを止める決意をしたあとの言葉、

それと、

MJ自身の言葉も記しておきます。


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エリザベス女王芸人の言葉

モノマネ芸人といえど、どこにでもいる普通の人間
お客様だけが頼りです
芸における私たちの目標は
お客様を喜ばせるよう努め
美と人生を探すこと
その輝きや詩を探すことです
歌にもあります
“天国にいる気分”
“二人が組んで踊ればまさに天国”
“あなたと私が頬すりよせて踊れば・・・”
ありがとう、そしてお忘れなく
モノマネをする人の魂こそ真実に近いのです
子供心を失わぬよう、
私たちは他者の姿を通じて生きるのです
ありがとう、感謝します
神と共にあらんことを

(日本語字幕より)



映画のマイケルが「マイケル・ジャクソン」を止めたあとのモノローグ

どこを見ても災いだらけ
この世は完全に病んでしまっている
みんなが暗闇や陰から逃れようとしている
でも逃げたっていつかは追いつかれる
僕にはわかる
逃げることもできず、隠れることも出来ない
逃げ道はないんだ
なら、真っ正面から向き合おう
群衆の中でひとりぼっちになろう
なにもかも所詮まぼろし
もう終わらせるべきだ
夢は長続きしない
みんな希望に満ちた顔をしている
何かを追い求めて生きている
夢を追っているんだ
ひたすら上だけを見つめて
答えを探し求めている
答えはもうとっくに見つかっているのに
そのことに気づいていないんだ
そのあいだにも
死の世界は僕らを待っている
僕らを連れ去る日を
辛抱強く待っている

(吹き替え字幕より)


映画が始まるとすぐに「ミスター・ロンリー」のメロディが流れました。





MJが孤独について語った言葉で、私が思い出すのはこの言葉です。

デートや女の子との関係が、僕が探し求めているようなハッピーエンドになったことはありません。いつも、何かが邪魔をするのです。僕が何百万人かの人と分かち合うものと、ひとりの相手と分かち合うものとは別なのです。

多くの女の子たちは、僕を孤独から救いたいらしい。

でも僕には彼女たちが、僕の孤独を分かち合いたがっているように見えます。僕はそんなことは誰にも望んでいません。

なぜなら、僕は自分が世界で一番孤独な人間のひとりだと信じているのですから。

(自伝『ムーンウォーク』P178より省略引用)




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by yomodalite | 2014-08-11 20:54 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(0)

映画『her 世界でひとつの彼女』監督:スパイク・ジョーンズ

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人工知能をテーマにした映画が気になって、『トランセンデンス』だけでなく、こちらも観てみました。

感想を書くために映画の内容に触れています。また、観賞後、結末までのあらすじを晒している記事をいくつか見たところ、自分の感想とは異なるものが多く、かなりのカン違いをして観ている可能性も大いにありますw。


以前は、SFの世界だった A.I. 。現在のところは、統計・確率的な世界から脱してはおらず、人工知能と呼べる段階ではない。というような批判もありましたが、知能テストに表れるような、答えがある問いに対して、最適な回答を導きだすということであれば、ビッグデータの蓄積が容易になった今、人工知能が、人間の「知能」を上回ることは確実だと思うんですよね。

『トランセンデンス』では、人間の能をコンピューター上に移し替えて、成長していくのは、有能な科学者のものでした。人工知能は、人間の智慧には及ばない。という物語は、言葉で表せないものが「智慧」であって、答えのないものを考え続けることが「知性」である。という前提があってのことですが、

現代では与えられる知識や情報が膨大すぎて、「知性」を育てるという環境は悪くなりがちで、コンピューターのスピードに合わせて、人間が対応しなくてはならない状況は加速しています。

そんな中、愛だけは、ゆっくりと育もうなんてことにはなるわけはなく、注目を集めるためには、不安を煽り、嫌いという感情や、不公平を訴える方が簡単なので、ネット社会は、愛よりも憎しみが増える傾向にあります。

知性や智慧と同じく、愛にも答えはないとは言われますが、

自分が、希望しているような「彼(彼女)」が、コンピューターによって実現するのは、かなり近い将来に可能であるというか、むしろ、最適な方法ではないでしょうか?

私はなんとなく、そんなことを思いつつ映画を観に行きました。

で、ここからが、映画を観た感想です。

主人公は優しそうではあるものの、あんまりイケテル感じではない男で、職業は「レター代筆業」。これは、ビジネスレターではなく、個人から依頼されて「心のこもった手紙」を書く仕事で、彼はその仕事を、近代的でおしゃれなオフィスでしています。

このストーリーは、そんなに近未来のことを描いているわけでないのですが、今ある「Siri」よりは、はるかに高性能な人口知能OSが登場します。それなのに、主人公の仕事が「レター代筆」で、しかも、その仕事を、都会のど真ん中にある素晴らしく素敵なビルに、わざわざ出勤して行なっている。

レター代筆だけでなく、確か「LAウィークリー」でも執筆しているとも言っていたような気がするんですが、いずれにしても、近未来の世の中で、ライターが近代的なオフィスに出勤して仕事をするということが信じられなかったので、これはすべて、主人公の脳内世界だと、私は思ったんですね。

同僚も、映画の仕事している友人夫婦も、別居中の妻さえも。。(多くの人の感想ではそうではないようですが)

舞台は、近未来のロスアンジェルスらしいのですが、私には、東京にも、今住んでいる大阪の梅田にも見え、流石は『ロスト・ジェネレーション』を撮ったソフィア・コッポラの元夫!と思うと同時に、この物語が今もっとも現実的なのは日本だということも、スパイクは感じているだろうと思いました。

主役のホアキン・フェニックスは、最初登場したときは、地味で冴えないという印象でしたが、物語が進行するにつれて、心から共感ができる人物を見事に演じていて、

愛をド直球で描いたという感想には大いに共感しました。

ただ、最後にエイミーと、ビルの屋上で肩を寄せあって、美しい夜景を見ながら語り合う場面で、多くの人が癒されたようですが、私はカン違いして見ていたからか、寒気がするほど怖くなって、ひとり住まいでなかったことに、心から感謝したくなりました。

(エイミーは、メグ・ライアンに似ていて、彼女が登場したときから『ユー・ガット・メール』を思い出して。。スパイク・ジョーンズってホント食えない奴って思ったのも私だけ?)

さらに、私にとってラッキーだったのは、その日は自分としてはめずらしく、もう1本映画を観る予定だったことで、この日は、このあと、ホドロフスキーの『リアリティのダンス』も観ました。

その映画については、また別の機会に書くかもしれませんが、ホドロフスキーの映画は、天才による自伝的な作品なので、統計・確率的な世界から真逆で、誰がこんな話を思いつくのかというストーリーで、彼自身の生き方もそうなんですね。それで、私は、この物語も、今のビッグデータの中にあるということに、多少の安堵を感じました。

ブログを始めてから7年が経ち、毎日止めることも考えますし、マイケルのことを考えていると、なぜか、着物を着る時間がないほどw、読書量が増えてしまうことにも悩んでいるのですが、この主人公が、魅力的なOSに恋できたのも、彼の内面がそれを創ったのであって、そもそも「恋」というのは、素晴らしい誰かが現れるというよりは、自分が何かに可能性を見いだすことかもしれないと思うので、

経験のためにも、読書は重要で、それを書いておくことも、きっと重要なのではないか。と、今のところは思う次第です。。




☆私の感想とは異なるプロフェッショナルな方の長い記事。





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by yomodalite | 2014-07-18 08:24 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(0)

映画『私の男』(監督:熊切和嘉 主演:浅野忠信、二階堂ふみ)

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ブラジルが歴史的敗退をした日の午後、前日にチケット予約していた映画「私の男」を観に行った。


☆続きを読む!!(ネタバレなし)
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by yomodalite | 2014-07-10 21:25 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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