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映画『永い言い訳』監督:西川美和

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映画館で邦画ってこれまではあまり観ていなかったけど、ブログには書いてないものの、『シンゴジラ』や『怒り』も映画館で観たし、今後ますますその傾向は強くなりそう・・

というわけで、今週観た映画の2本目は、西川美和監督の『永い言い訳』。

* * *

テレビにも頻繁に出演する作家の主人公には、美容師の妻がいる。

売れないころからの習慣なのか、妻は夫の髪を切っている。

「衣笠幸夫」という本名へのコンプレックスは、男を作家らしくねじれさせ、女はそれをスパスパと切っていく役割のよう。

男は当然のように妻に不満を抱き、妻が女友達と旅行に出ると、家で別の女を抱いていた。

そんなとき、乗っていたバスが事故に遭い、妻は友人と一緒に亡くなってしまう。

そこからの夫の行動が「永い言い訳」として描かれている。

友人にはふたりの幼い子供がいて、夫は作家とは正反対ともいえる長距離トラックの運転手。まったく共通点がなさそうなふたりは、子供を通して急接近することになって・・・

映画のキャッチコピーは、

妻が死んだ。これっぽっちも泣けなかった。そこから愛しはじめた。

でも、愛しはじめたものが何だったのかは、観る人によるのかも。

同監督の『ゆれる』と同じように、この映画も個性の異なるふたりの男性の話で、こういった心理をよく描いてくれたと感じるのは男性の方が多そう。

一方で、これまでも、女性は物語の外に置かれていることが多く、男性への目線の中に、父親コンプレックスを感じないのも、女性クリエイターとしてめずらしい個性のような・・

私は西川美和氏の小説も読んでみたくなりました。

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by yomodalite | 2016-10-29 07:00 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(0)

映画『SCOOP!』監督:大根仁

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今週のレディースデーは邦画で2作品を鑑賞。

まずは最初に見た『SCOOP!』から。

『山田孝之の東京都北区赤羽』でお顔を拝見してから、なんとなく次作は見てみなきゃ、と思っていた大根仁監督の作品。

昨今の「文春砲」などと言われるスクープに対して、まったく好ましい感情を抱いていないし、MJファンとして、週刊誌やパパラッチをヒーロー視するなんてありえない。そんなネガティブ感情を覆すような展開なんて絶対に無理なんじゃないかと思っていたのですが、

冒頭から下品極まりない始まり方で、タバコを吸いまくる福山雅治は清潔感のカケラもなく、口から出る言葉の90%以上が、最近ではほとんど耳にすることもなかったような下衆いセリフばかりで、そして、そんな彼や、彼の主戦場である雑誌がスクープするのもぜんぜん巨悪というわけでもない。

それなのに・・・

不思議と楽しめたんですよね。

現実のスクープは、芸能人の不倫ごとき内容に、社会正義を振りかざし、まるで絶対悪であるかのように関係者以外の人間に謝罪させるとか・・・そんなことを言っていたら、人類最古の小説ともいわれる「源氏物語」は?、古典小説の多くが絶版になったりしたら・・女子高生に恋愛について聞いてどーするの?とか、

とにかく、もうどーでもいいことで「謝罪」ばっかりさせて・・というところが嫌でしかたなかったんですが、この映画では、下衆が下衆を追うという姿勢が貫かれているところが爽快なのかも。

トップが腐敗していると、トリクルダウンするのは「偽善」ばっかり・・

それで、気概というものが「下衆な場所」の中にしかないように思える現代にぴったりな娯楽作品!

と、そんな風に思ってしまったのは、おそらくアメリカ大統領選挙のせいですがw

今年の助演男優賞なら、リリー・フランキーでキマリだと思う。


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by yomodalite | 2016-10-28 07:00 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(0)

映画『ジャニス:リトル・ガール・ブルー』

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今住んでいる大阪の家は、これまで以上に映画館が近いせいもあって、この機会にできる限り映画は劇場で、という気持ちが強くて、ミュージシャンを主役にした映画の場合は特にそう思う。映画を観に行くというより、ライブよりも良い席でステージが見られるような気がするし、映画としてハズレだったこともないから。

『ミスター・ダイナマイト』も、『AMY エイミー』も、映画で初めて彼らに会えたような気がしたけど、ジャニス・ジョプリンのことも、それまでCDを聞いていたわけでも、親しみを持っていたわけではなく、これが初めての出会いだった。

平凡な家庭に生まれた3人兄弟の長女であるジャニスは、家族の中でも学校でも、妹や弟より浮いた存在。それでもその歌声は人々を一瞬で魅了し、天才シンガーとして一気に階段を駆け上がっていく彼女は、モントレー・ポップ・フェスティバル(1967)や、ウッドストック(1969)といった60年代の歴史的な音楽祭で大成功を収めていく。

驚いたというか、ある意味、当時からそうだったんだと思ったのは、ジャニスがウーマン・リブの団体から非難されたというエピソード。ジャニスは自分ほど女性の自由な表現を追求して成功したアーティストはいないと思っている。当然そうだと思う。彼女に勇気をもらった人は数知れないだろう。それでも、女性運動家たちはジャニスのバンドは男性ばかりだと非難した。

生前最後のテレビ放送では、酷いいじめに遭っていた高校時代の同窓会に出席すると語っていた。実際に出席した同窓会はテレビカメラに収められることになり、そこには、スターとして故郷に帰った彼女を冷たく迎える同級生たちの様子が映し出された。

ジャニスが27歳という若さで亡くなったのは、それからわずか数ヶ月後のこと。

これまで彼女の歌を意識して聞いたことはなかったのだけど、映画の中で流れる曲はどれも聞いたことがあって、冒頭から息をのむぐらい惹きこまれてしまうものばかりだった。でも、映画のタイトルにもなっている「リトル・ガール・ブルー」は、ジャニスが創った曲ではない。

それは古いブルースのようで、私はニーナ・シモンの曲としてこの曲を知っていたけど、映画の一番最後に流れた曲がそれと同じ曲だということに最初は気づかなかった。

少女の絶望を歌った『Little Girl Blue』は、ニーナのデビューアルバム(1958)のタイトル曲で、ジャニスの曲は3枚目で、生前に発売された最後のアルバム『I Got Dem Ol' Kozmic Blues Again Mama!』(1969)に入っている。

本当に差別が激しかった時代に黒人として生まれ、正統的なクラシックピアノの教育をうけたニーナには絶望した少女を過去のものにするような黒人のプライドと未来がある。

ジャニスの「リトル・ガール・ブルー」は、彼女の傷口から絞り出したかのような他の曲と比べると、どこか明るさが感じられるけど、絶望はより深く、ジャニスの人生と死がそのまま歌われているように感じる。

亡くなったとき、「27クラブ」に入会してしまったと言われたエイミーには他にも選択肢があったのかもしれない。それでも彼女は、迷いながらもジャズを選んだ。でも「27クラブ」を創設してしまったひとりであるジャニスには、本当にそれ以外になかったように思えた。

大声で差別を訴えることができて、居場所も与えられている「マイノリティ」と違って、本当に誰にもわかってもらえない少女の絶望をわかってくれたのは、彼女だけだ。
誰もジャニスにはなれないけど、なりたいとも言えないだろう。
たったひとりっきりの孤独に耐えられる人なんて、どこにもいないから。


Nina Simone - Little girl blue





Janis Joplin - Little Girl Blue




Sit there, hmm, count your fingers.
What else, what else is there to do ?
Oh and I know how you feel,
I know you feel that you're through.
Oh wah wah ah sit there, hmm, count,
Ah, count your little fingers,
My unhappy oh little girl, little girl blue, yeah.

座って、指を折りながら数えてみる
自分にいったい何ができるの?
感じるのは、ただ年を重ねてしまったということ
座って数えてみる
小さな指を折って
不幸で、哀しい私の少女時代

Oh sit there, oh count those raindrops
Oh, feel 'em falling down, oh honey all around you.
Honey don't you know it's time,
I feel it's time,
Somebody told you 'cause you got to know
That all you ever gonna have to count on
Or gonna wanna lean on
It's gonna feel just like those raindrops do
When they're falling down, honey, all around you.
Oh, I know you're unhappy.

座って、雨粒を数える
ただ落ちてくる雨粒を数えるぐらいしかなくて
誰もがそう言う
何をしても無駄なんだと
できることといえば、雨の雫を数えるぐらいなんだと・・





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by yomodalite | 2016-10-21 06:00 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(0)

映画『君の名は。』

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現在、興行収入130億円突破という大ヒット中の映画。

実際、公開からすでに1ヶ月以上経っているのに、一番大きな会場が、平日昼間に満席になるほどの人気ぶり。

私の人生の中で、そういった映画にハマったことはほとんどなく、また、公開に合わせて新海監督の過去作品を特集したテレビも見たんだけど、光や影が美しく表現された映像には惹かれたものの、女の子のキャラが・・・

アニメ作家になるような人に、女性がリアルじゃないなんて言いたくはないし、理想の異性を作ろうとするのは表現者の本能だと思うけど、これが理想だとしたら、あまりにも・・と言いたくなってしまうほど、宮崎駿がいう「声優さんの女の子の声は媚びた声が気持ち悪い、売春婦みたい」という見本のような声としぐさに、冒頭で根を上げてしまった。

そんなわけなので、期待していたというよりは、若い子に人気だという作品を勉強のために見てみましょう、みたいな気分だったのだけど、色んな意味で予想外に素敵な作品でした。

『シン・ゴジラ』は、日本人が日本人をリアルに描くということに初めて成功した、日本人にしか意味のない傑作だったけど、『君の名は。』は、世界中で失われてしまった恋愛映画を、アニメによって奇跡的に復活させたことで、世界中でウケるような気がする。

キムタク主演の恋愛ドラマがアジア中で長く愛されたように、冬のソナタが韓流に興味のないオジさんにさえ届いたように、そして、村上春樹の作品を待つファンが世界中にいるように、世界で評価されるというよりは、世界で愛されるような、そんな映画のように感じられました。

普段アニメ映画を見ない人にもオススメ!


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by yomodalite | 2016-10-06 06:00 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(0)

映画『ソウルパワー』

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1974年、“キンシャサの奇跡”と言われたモハメド・アリ対ジョージ・フォアマンの対戦の前には、アフリカ系ミュージシャンたちの “ブラック・ウッドストック” とも言える『ザイール'74』と題された音楽祭が行われていた。

差別を乗り越え、成功をおさめた米国のアフリカ系ミュージシャンと、解放運動を戦ったアフリカン・ミュージシャンが共に同じステージに立った歴史的なコンサートのことは、JBに興味をもったときから、いつか見てみたいと思っていたのですが、ドキュメント映画公開や、モハメド・アリへの追悼企画も重なって、今回ようやく見ることができました。

この映画は、『モハメド・アリかけがえのない日々』(1997年アカデミー賞ドキュメンタリ部門受賞作)の編集をしていたジェフリー・レヴィ=ヒントが、1974年のコンサートフィルムが撮影されていたことを知って、2009年に編集し直したもので、最初からドキュメント映画として撮影されたものではない。

最初、私はこの映画を1974年という時代に巻き起こった「ブラックパワー」の一端をとらえた映画だと思っていたのだけど、残されたフィルムを2009年に編集した監督の意図はそうではないようで・・・

映画が始まるとすぐ、少し前に見た『ミスター・ダイナマイト』のときよりも、だいぶグッチ裕三っぽくなったJBが現れるのだけど、股割ステップを含む短いステージシーンが終わってしまうと、しばらくJBの姿は見られなくなり、キンシャサの街や、コンサート会場が建設されていく様子、米国の黒人ミュージシャンたちが、自らのルーツだと感じているアフリカでコンサートを行うことを、故郷への帰還だと感じて高揚しているところや、対戦前のアリのアジテーションなどが淡々と移し出されていく。

時折現れるほんの小さな瞬間から、1974年当時、JBがモハメド・アリと同様か、それ以上に人々から尊敬され、愛され、ソウル界や、黒人だけでなく、白人からも「ゴッドファーザー」のように慕われていたことが伝わるシーンがあり、また、彼が想像していたよりもずっと小柄な人だったことにも気づいた。

ようやくコンサートが始まると、期待以上に音が良く、今実際にフェスに行って聞くよりもずっと「生の音」のように感じられ、これまで名前ぐらいしかわからなかった70年代のアーティストや、まったく知らなかったアフリカンミュージシャンたちが身近に感じられる。

B・Bキングが、ギターを弾く人だってことさえ知らなかったけど、彼の指から奏でられる音にグッと来たり、ダニー“ビッグ・ブラック”レイのコンガや、ミリアム・マケバの「クリック・ソング」に魅了され、楽屋でアフリカの女性アーティストたちと仲良くじゃれあっている往年の女性ディスコグループというイメージしかなかったシスター・スレッジがまだすごく幼くて、こんなムサい男たちの中で大丈夫なの?と心配になったり・・

そんな感じで、すっかりどこかの夏フェスに行ったような気分で見ていた画面に、ついにJBが登場すると、私だけでなく、会場の雰囲気が一気にヒートアップする。みんな素晴らしかったのに、やっぱりパワーが全然ちがうのだ。

ようやく登場したJBのステージシーンもあまり長くはないけど、曲が終わると、JBはその曲と同じぐらいシビれることを言って、エンディング・ロールが始まる。バックステージの彼の姿が映し出され、彼はもうこれで本当に最後という感じで、頭を下げたりするけど、エンドロールがすべて終わった後、再度JBからグッとくるメッセージがあるので、最後まで見逃さないようにね。

これは、彼のメッセージで始まり、彼のメッセージで終わる映画なのだ。

『ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男』でも、『ミスター・ダイナマイト』でも、JBがメンバーにずいぶんと厳しかったことが描かれていたけど、この映画では、何気ないシーンに、彼の優しさや繊細さが伝わってきて、もっと好きになった。

今まで、プリンスのパフォーマンスがJB直系だとは思っていたけど、プリンスの小柄で中性的な容姿は、ソウル界のゴッドファーザーとはだいぶ異なると思っていた。でも、JBもまた小柄な人で、「パープルレイン』以前のプリンスは、ファッションも音楽も想像以上にJBの姿を追っていたように感じられた。

また、JBとは正反対ともいえる声のマイケルが、色々と苦心して、キャリアの最後まで、JBの音楽に近づく努力をしていたんじゃないかと思ってしまったのは、MJの「アンブレイカブル」へのこだわりについて、考えてばかりいるせいかもしれない。

でも、ショウビズ界一と言われた自分以上によく働いたふたりのことを、JBはすごく可愛く思っていたんじゃないかな。彼がメンバーに厳しかったのは、自分より全然働いていないと思っていたからだと思うから。


通常の劇場公開は終了していますが・・




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by yomodalite | 2016-08-03 06:00 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(0)

映画『ミスター・ダイナマイト:ファンクの帝王ジェームス・ブラウン』

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ブログアップするのが遅くなっちゃいましたが、『AMY エイミー』 を観た日に、こちらも観に行ったんです。1日で2本の映画を観るなんて、めったにしないことなんですが、『エイミー』同様、こちらも大勢の証言者が登場するドキュメンタリでありながら、どちらも製作者も上から目線の物語を避け、アーティストへのリスペクトが伝わる作品になっていて、行った甲斐がありました。

ちょうど1年前に公開された『ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男』は、JBの人生を圧縮して、2時間の物語にしたもので、チャドウィック・ボーズマンの熱演によって、若くてカッコイイJBを見事に現代に蘇らせた素晴らしい音楽映画でした。

それで、実を言うと、カラーの2時間映画で、JBの音楽を堪能するには、チャドウィックの方がイケメンだから良いかなぁなんて思っちゃってたんですけど、浅はかでした。やっぱ、本物のJBの方が、めちゃくちゃカッコいいっ!ダイナマイト感ハンパない!

両作とも、ミック・ジャガーのプロデュースで、こちらはドキュメンタリなので、『最高の魂を持つ男』よりも音楽を楽しめるシーンが少ないのではないかと思っていたんですが、この映画でも、JBの音楽や、素晴らしいショーを捉えたシーンがたくさんあって、当時の観客が熱狂する場面で、白人のティーエイジャーの女の子がたくさん映っていたり、あの伝説になっている、ステージに観客が押し寄せたときに、JBが警察の力を借りずに、みんなを制する場面とか、モハメド・アリと同様に、JBが音楽界だけでなく、時代のリーダーだったことがよくわかります。

『最高の魂を持つ男』では、バンドメンバーで親友のボビーバードとの物語が中心でしたが、『ミスターダイナマイト』では、ボビーバードや、後にプリンスと共演することになるメイシオ・パーカーなど脱退メンバーが実際に語っていて、その後の新生バンドの中心メンバーであるブーツィー・コリンズの証言も面白い。

MJのハーレムスピーチや追悼式、オバマ大統領の誕生にも大きな影響を与えたアル・シャープトン師によって語られる、60年代、70年代の政治の季節、ブラックパワーを牽引するアクターでもあったJB自身の「パワー」との違い。

そして、あのMJとプリンスが飛び入り参加するシーンも映し出されるのですが、あのときプリンスが、MJよりも緊張していたのは、プリンスの方が、大方の人々に実際の後継者と目されていたことが大きかったのではないかと改めて思ったり・・・

これから、どちらかの映画を見てみようという方には、『ミスターダイナマイト』の方がオススメかな。




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大阪・テアトル梅田に設置されていた、JB神社



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二礼はなんか違うような気がしたので
「大阪締め」でお参りしておきました!




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by yomodalite | 2016-07-28 11:47 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(2)

映画『AMY エイミー』

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映画は、十代の頃に友人たちと過ごすエイミーのプライヴェート映像で始まる。

友人たちとのパーティーで、ほんの少しだけ聴ける歌声は、やっぱり当時から光っていて、そこからラストシーンまで、エイミーは、ほとんどの画面に映っている。

授賞式や、レコーディング、インタヴュー、コンサート風景など彼女のアーティストとしての歴史の一場面以上に、プライヴェート映像が豊富で、幼なじみや、デビュー当時からのマネージャー、ミュージック・ビデオの撮影アシスタントで薬物依存症の夫ブレイク、父親・・・彼女を知る人物も大勢登場するけど、コメントは断片的で、監督は、エイミーの若すぎる死について、彼らに語らせることを避けている。

ブレイクを見ていると、なぜこんな男と、彼にさえ会わなければ・・と思ってしまうのだけど、

デュエットもしたトニー・ベネットが、彼女のことを、エラ・フィッツジェラルドや、ビリー・ホリディに匹敵するようなシンガーだったと褒めていたり、クエストラブが、音楽オタクである自分に、彼女が次々にジャズアルバムを送ってくることを語っている場面をみているうちに、ブレイクのことも、彼女がジャズシンガーとして選んだ相手だったのだと、納得してしまった。

ジャズもブルースも、それは音楽ジャンルの名前なんかじゃない。

それは、魂のあり方や、生き方のことで、ブレイクは避けられない運命の相手だったのだと思う。

デビュー後、彼女は、「私を知れば世間はわかるはずよ。私には音楽しかないって」と言っていた。でも、映画の冒頭では、歌は趣味であって、仕事になるとは思っていなかったという彼女の声も収録されている。彼女が有名になることに強い不安を感じていたことも、よく描かれているのだけど、それは、ただ純粋に歌が好きだった女の子が、世間に翻弄されてしまった、ということではなく、エイミー自身がこの結末に対して、正確に予想できたからだと私には思えた。

私が最初に彼女を知ったとき、すでに彼女は、大きなビーハイブヘアで、チープなコミック・テイストのタトゥーと、細すぎる足のハイヒールが痛々しい、あの姿だったのだけど、

その後、デビューして間もない頃の映像を見たことがあって、まだビーハイブヘアじゃない彼女は、大学でジャーナリズムを学んでいるような明るく聡明な雰囲気で、あまりのギャップに驚いたことがあった。そこにはドラッグの影響しか考えられず、なぜ、すでに多くのアーティストが失敗してきた道に今更・・・という思いがあったのだけど、今はもうそうは思わない。

健康な肉体より、魂が腐っているという状態はつくづく判定しにくい・・


エイミー・ワインハウスが好きな人も嫌いな人もどちらでもない人にもオススメ!



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by yomodalite | 2016-07-21 10:41 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(7)

春日太一のトークショーで千葉真一に圧倒される

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ロフトプラスワンウエスト『あかんやつら』文庫化記念トークイベントに行く。

数日前、ツイッターのタイムラインで、このトークショーのことを知って、腰の重い私にしてはめずらしいほど素早くチケット購入ボタンを押してしまったのは、『天才 勝新太郎』で、忘れ去られようとしていることを発掘し、蘇らせてくれたことへの感謝から、会場に隙間があるのなら、私ひとり分は埋めさせていただきます。みたいな気分だったんだけど、


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『あかんやつら』はまだ読んでいる最中だわ、これまでに見た時代劇も、このブログに書いたものがすべてという寒い状況で、千葉真一氏の出演作品にいたっては、『仁義なき戦い』と『KILLBILL』しかちゃんと見ていないだなんて、あの会場で私しかいなかったと思う。

客席は8割が男性で39歳の春日氏よりも若い人が多いという印象。千葉真一が『影の軍団』のテーマ曲で登場すると、全員こぶしを突き上げる感じの「オォーーー」という歓声が響き、壇上に上がった千葉氏がジン・トニックを注文されると、またもや、「オォーーー」みたいな・・・春日氏のトークショーは二夜連続で、前日の杉作J太郎氏の回も来たという人も6割以上もいたようで、とにかく熱気がスゴい。

春日氏の声を聞くのは今回が初めてだったのですが、物書きとは思えない美声で、トークショーのホストとしてもゲストとしてもとても素敵だったのですが、。トークショーは博識で、MCも上手い春日氏がリードする形ではなく、千葉真一の独壇場でした。

それは、最近見た『アナザーストーリーズ 仁義なき戦い』(NHK)でも発揮されていましたが、番組で話されたことを、編集された放送と同じぐらい淀みないだけでなく、さらに肉付けして話されたり、ひとつの質問に対して倍以上の答えが返ってくるだけでなく、もっとずっと深いところまで熱く語られる。

役者としての話だけでもスゴいのに、JACを創り、そこで何人もの人にアクションを教えただけでなく、撮影技術を発明したことや、今構想中の映画の話まで、とにかく話題が尽きなくて、全然作品を見ていない私にも情景が目に浮かぶぐらい、上手に観客に説明することが出来るなんて、本当に驚愕のひとこと。

トークショーの内容を自分のメモとして少しだけ・・

・緒形拳がキライ(彼はアクションを人任せにするから)
・成田三樹夫の肉体は素晴らしい(彼はアクションを人任せにしない)
・時代劇の中で本当に「峰打ち」が出来るのは若山富三郎だけ(暴れん坊将軍がやってるのは峰打ちじゃない)
・影の軍団で共演した樹木希林がすごかった
・東映の撮影所で役者をやめさせられそうになったとき、高倉健が救ってくれた
・今の若手俳優でいいと思うのは?「イイのいるかな?」
・共演してみたい俳優は?「ブラッド・ピット。彼はなにをやってもいいと思えるほど魅力がある。大好き!」
・ブルース・リーに約束して会いに行ったら、飛行機が着陸したとき、彼はもう亡くなっていた。
・時代劇に出ていても、千葉真一が現代的に見えるのはなぜか?「深作監督に教わったことだけど、映画はリズムとリアリズムが大事。シーンはテンポなんだ」

そのほか、今企画中の映画として、米国のサラリーマンも読んでいる「五輪の書」、柳生十兵衛やくノ一がCIAの手先となって活躍する映画のこと、カムイ伝や、沖縄のこと・・

また、タランティーノのことは、めちゃめちゃ頭が良くてクレイジーだと語られていましたが、それと同じぐらい千葉真一も頭が良くてクレイジーなのは、3時間を超えても尽きることのない話の中で、何度も「オールナイト」を口にされていたことで充分すぎるほど納得(77歳なのに)!

とにかくもっと作品を観なくちゃ。まずは『日本暗殺秘録』かな。あと『柳生十兵衛あばれ旅』、『柳生一族の陰謀』と『新幹線爆破』と『影の軍団』と・・・

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by yomodalite | 2016-06-23 11:44 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(0)

座頭市物語・第23話「心中あいや節」

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久しぶりの「座頭市」。そういえば、プリンスも、勝新に座頭市としてビデオ出演のオファーをしていたとか・・・

1974年から始まったTVシリーズとしては一番古い『座頭市物語』では、勝新が監督した回は6本あるのですが、今回紹介する『心中あいや節』は、その6本目の作品で、当時自分の付き人だった松平健をデビューさせた作品。

映像と音、その両方を先鋭的に追及した勝新ですが、三味線に関しては、彼自身が名手ということもあるので、瞽女を主役にした監督作品は特に見逃せないんですよね!

* * *

はなれ瞽女おさわ(浅丘ルリ子)は、手引き役の若い娘(吉沢京子)と二人で雪国を旅する道中で、市に出会う。

三味線と歌で諸国を遍歴する盲目の女芸人を瞽女(ごぜ)といい、彼女たちにとって恋はタブーであり、掟を破った瞽女は仲間はずれにされ、“はなれ瞽女”となる。おさわが、“はなれ瞽女”になったのは、彼女たちを仕切る瞽女宿の息子・佐八(松平健)が、彼女を見初めてしまったから。


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妻子を捨てて、おさわの後を追う佐八を連れ戻すため、父である瞽女宿の主人(加藤嘉)は、おさわ殺しを、生首の加平次(石橋蓮司)に依頼する・・・


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白く透き通る女の肌と、零れ落ちる涙、
人の心の純粋さと、邪悪さが、雪と風と涙と氷柱になって、刀が舞う。



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白い雪に赤い血というコントラストはよく使われているけど、この作品では「透明感」をもっとも重視していて、「赤」が意識的に使われていない。



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それと同じく、自ら汚れを背負っていると感じている座頭市自身もこの作品では一歩引いた存在になっていて、そういったところも勝新自身が監督でなければ、できなかった作品でしょう。



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そんな勝新の映像へのこだわり具合からか、このあとの「新・座頭市」シリーズの傑作『折れた杖』の原点と感じられる部分もありますが、ここで心中できなかった女を描いたともいえる『雪の別れ路』の習作という方が近いかな。



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このシリーズは、毎回の豪華キャストに加え、音楽を冨田勲が担当していて、座頭市のJehovah(唯一神)とも言える「おてんとさん」が主題歌になっている。

1966年『交響詩 ジャングル大帝』、1969年から『新日本紀行』のテーマ音楽を担当していた冨田勲は、1974年、シンセサイザー音楽作品としてのデビュー・アルバム『月の光』を制作して、初めてグラミー賞にノミネートされ、コッポラも『地獄の黙示録』(1979年公開)で音楽を依頼しようとしている頃、勝新も初のTVシリーズの座頭市の音楽を冨田勲に依頼していたんですね。

『心中あいや節』では、「おてんとさん」は流れず、勝新自身の音のセンスが際立つ作品なんですが・・・



おてんとさん(作曲:冨田勲)




歌詞「おてんとさん」(作詞 麻里あさみ)




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by yomodalite | 2016-06-20 12:02 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(0)

映画『FAKE』監督:森達也

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『A』も『A2』も、忘れられないぐらい面白い作品だっただけに、森監督が佐村河内氏を撮ると聞いて、公開をずっと楽しみにしていました。


大阪は東京よりも1週間も初上映が遅いうえに、上映館はアングラなんていう言葉を久しぶりに思い出してしまいそうな「第七藝術劇場」というシアター。


今どきの映画館と違って、席つきチケットをネット予約することも出来ず、チケットを買うときに「整理券」を渡されて、順番に入場するというシステムにちょっぴりイライラしつつも、やっぱりワクワクの方が勝っているという感じで、窓口までたどり着くと、森監督のトークショー付きの12:25からの上映は、11時の段階で、すでに「立ち見」。


立ち見で映画を見るなんて無理なお年ごろなので、14:45からのチケットを購入すると、整理番号は60番台で、食事をして劇場に戻って番号順に並んでいると、あまり広くないロビーには、ナインティナインの岡村氏もいた。彼がどのあたりの席で見たのかはわからないけど、トークショーのないこの回も、立ち見の人が30人ぐらいはいたと思う。


第七藝術劇場は、想像していたよりもずっと小綺麗な映画館で、椅子の座り心地も良く、スクリーンがよく見えるだけでなく、最近のシアターと違って、映画に没頭できる「暗やみ」もありがたかった。


一切の予告編もなく、唐突に『FAKE』が始まると、私を含めて多くの観客が笑った箇所が5、6個あって、衝撃はラストシーンだけではなかった。


上映後の森監督の「舞台挨拶」を曖昧な記憶から少しだけ紹介すると、


監督は、ようやく15年ぶりに映画に帰ってきたこと、映画だけでなく、映像が好きなんだけど、それ以上に映画館が好きだ。でも、人が入っていない映画館は好きではない、つまり、来てくれる人が好きなのだ、と。映画館では、周りの人のちょっとした息遣いを感じながら、映画を見ることになる。この暗やみの中で、ぜひ、佐村河内氏を見て欲しい。


といった感じのことを語り、少ない残り時間の中、進行役が2人だけ観客からの質問に答えましょうと言うと、若い女性がすぐに手を挙げ、「この映画について、本に書かれますか?」と質問。監督が、「この映画については絶対に本にしない」と答えると、


次に手を挙げたのも20代ぐらいの女性で、東京から来た熱心な森監督ファンらしく、冒頭で、監督からは、多くを学んでいると言い、「人を信用すること」と、「困っている人に手を差し伸べること」について質問した。


監督は「たぶん、質問したいことと、言っていることが少し違ってしまっているように思うけど・・」と優しい言葉をかけ、自分は人を信用する方だ、と答えていた。


年代は様々なものの、男性客が多かった場内で、臆せず質問したのが二人とも若くて普通に可愛い女性だったことが、嬉しくもあり、残念でもあるような・・舞台挨拶の終了後、監督のサインを求めてパンフを購入する列も長く続いていた。


映画を見るとき、映画館で見るか、DVD発売まで待つか、迷う人は多いと思う。大きなスクリーンに相応しいかということを考えると、ドキュメンタリー映画はDVDでいいかと思う人も多いと思うけど、


この映画は、映画館で見た方がいい。


話題として古くならないうちに、というわけではなく、


何が真実で、何が虚偽なのかがわかるというわけでもなく、


佐村河内氏を見るのも、佐村河内氏の音楽を聴くのも、映画館の方がずっといいと思うから。


自分がどう思うか、それだけを確かめに観に行って欲しい、必見の映画。


猫が好きな人には特におすすめ!




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by yomodalite | 2016-06-12 18:00 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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