カテゴリ:映画・マンガ・TV( 135 )

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残酷さに加え超人的な人間ばかり登場する近年のアメリカ映画には辟易としているのだけど、「バットマン」には思い入れもあり、下記の竹熊健太郎氏のブログ評により、うっかり観てしまいました。

で、結果から言うと「最高傑作」という評価には賛成です。しかし、それゆえの「うんざり感」も相当というか。憎めない感じだけど、ナンギなところも多かったTVシリーズの頃の「バットマン」と、この『ダークナイト』のバットマンの差は、リアルに昔と今のアメリカ人の印象と重なります。

(↓若干ネタバレ要注意。以下青文字 竹熊氏のブログより引用)

俺は近年、ここまで評論しやすい映画を見たことがないです。とにかくテーマがはっきりしていて、ひとつのテーマに沿って全体が一分の隙もなく構成されている。本当に隙がないんですよ。そのテーマというのは、言葉にすれば「善悪の相対性」という、日本のヒーロー物でもよく使われるものです。

と竹熊氏は評しています。確かにしつこいと思えるほどの「善悪」の判断が求められるシーンの連続があり、そこではメトロン星人とモロボシダンがちゃぶ台を挟んで会話した時のような、危険が回避され、時間がそこだけ止まっているような異次元空間(思想空間)ではありません。

観客にとって、一瞬の判断で生死が決まってしまうリアルな瞬間瞬間に、常に「善悪」を問われることによって、それは「問い」としては機能せず、敵の「悪」のイメージを増大させることに寄与してはいないでしょうか。それは、この映画に限らず、『24』や、アメリカの映画やTVの多くに見られるものです。果たしてバットマンの超人としての苦悩は、大ヒット中だというアメリカの大勢の観客が共有できるものなんでしょうか。

メトロン星人とモロボシダンは、ちゃぶ台という一般人の「日常」に降りて来ましたが、バットマンも、ジョーカーも、あり得ないほどの強大な「力」の頂点で闘い続け、ゴッサムシティに甚大な被害を与え、市民全てを敵にまわしますが、快楽殺人の権化ともいえる、まったく同情の余地のないジョーカーに、ようやく訪れた絶体絶命の瞬間も、バットマンはジョーカーを殺さず助けてしまう。

この場面は、今までのバットマンは人殺しをしない、という「お約束」とはまったく異なる「異常」な判断で、衝撃的です。無法者だけど、正義の味方という「闇のヒーロー」の系譜から逸脱した、正にアメリカの病そのものを体現しているような「異常」さ。

『ダークナイト』のような「スーパー・ヒーローの自己言及映画」が出て、しかも当のアメリカで空前のヒットを飛ばしているということは、いよいよ何かの時代の変わり目にさしかかっているような気がします。

今が時代の変わり目であることは間違いなく、それが特にアメリカ発信であることもたしかではあるけれど、これは、

ベトナム戦争が泥沼になってきた60年代末から70年代前半にかけては、『俺たちに明日はない』とか『イージー・ライダー』なんかの「アンチ・ヒーロー」を描いたアメリカン・ニューシネマ・・・

とは違い「イラク戦争」批判になっているのでしょうか。「敵」の中にある悪を膨らませることに飽きずに、超人としての自分も増大させている『ダークナイト』は、『戦争における「人殺し」の心理学』で言及されていた「脱感作」や「条件づけ」という洗脳の範疇からは、はみ出していないように思える。

メトロン星人とモロボシダンのちゃぶ台会談を実現できるのは、ゴシックな異空間であるゴッサムシティを創造したティム・バートンだけど、ワーナーのお偉方は、まだまだ戦争で金儲けしたい人々なんじゃないでしょうか。

え〜〜っと。この書き方では『俺たちに明日はない』とか『イージー・ライダー』を肯定してるみたいですが....でも、この映画の正義漢の検事ハービー・デントは、ロバート・レッドフォードを意識したキャラなので、彼の「反転」は皮肉が効いてます。更に彼の反転は市民には伏せておこうというのも痛烈。

そして、相変わらず、常識的な善人役には黒人が配置されていて(船中での黒人囚人やモーガン・フリーマンの扱い・・次期大統領はやっぱりオバマなんですねw)

レイチェルは益々ブサイクになっていて、ノーラン、相当喰えない奴のようですが、、

これは、敵もヒーローも際限なく「超人化」していくアメリカ映画の「最後の作品」を目指しているのか?

ジョーカー役のヒース・レジャーは亡くなり、バットマン役のクリスチャン・ベールは、母親と姉に対する暴力で逮捕というドメスティックな問題を露にしました。アメリカという新天地で別の仮面を手にしたいというハリウッド・ドリームもその澱みをもう隠しきれず、光と闇の「光」にすら輝きを失ったと、大勢のアメリカの観客は認識したのか? 

「ダークヒーロー」ですらない、こんな暗い映画が記録的な大ヒットし、日本では、このところ洋画の観客数の落ち込みが激しく、『崖の上のポニョ』が大ヒットしている。世界を知れば知るほど、島国なのは、日本だけではないとわかる。

◎「たけくまメモ」
◎「超映画批評」


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by yomodalite | 2008-09-04 00:46 | 映画・マンガ・TV | Trackback(1) | Comments(0)
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宮崎駿作品が、それほど好きではないので、今まで映画館で観たことはなかったのですが、

・最後の作品
・主題歌を先に作り、それにあわせてとにかく子供向けに創った。
・初めての「水」の表現。
・全部手描き。。。

などが気になり、今回はスクリーンで観ることにしました。

☆続きを読む!!!
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by yomodalite | 2008-08-13 20:42 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(0)
消えたマンガ家は全3冊あり、その後「消えたマンガ家・アッパー系」と「消えたマンガ家・ダウナー系」は、新潮社OH!文庫にも納められています。

【目 次】
第1章/天才マンガ家・ちばあきお—イノセントとマス・プロダクト
第2章/伝説のマンガ家・徳南晴一郎—人間時計はどこに!?
第3章/人気マンガ家・冨樫義博—幽・遊・白書の終わり方
第4章/孤独のマンガ家・山田花子—嘆きの天使は永遠に
第5章/ラスト・ロング・インタビュー—鴨川つばめ

【アッパー系の巻】
◎ギャグマンガでネーム見せるバカがいるか ー とりいかずよしロング・インタビュー
◎早すぎた肉弾マンガ家の失踪ーふくしま政美(前編)
◎ふくしまを巡る関係者の証言ーふくしま/政美(後編)
◎少女マンガ家は、なぜ教祖になってしまうのか? ー 神さまファンフラブ山本鈴美香と"神山会"。美内すずえ、黒田みのる
◎人間時計はどこに!?ー伝説のマンガ家・徳南晴一郎
◎三人の鬼太郎作家ー竹内寛行
◎消えたマンガ家外伝ー鳥山明はエホバの証人だった!?

【ダウナー系の巻】
◎イノセントとマス・プロダクトー天才マンガ家・ちばあきお
◎嘆きの天使は永遠にー孤独のマンガ家・山田花子
◎鴨川つばめラスト・ロング・インタビュー
◎病める天才劇画家ー安部慎一
◎異色メルヘンマンガ家ー中本繁
◎『幽☆遊☆白書』の終わり方ー人気マンガ家・冨樫義博
◎夢幻の少女マンガ家ー内田善美
◎消えたマンガ家外伝ーねこぢる曼荼羅を探して

参考サイト http://www.asahi-net.or.jp/~wf9r-tngc/mangaka.html

◎消えたマンガ家(アマゾン)
◎消えたマンガ家ーダウナー系の巻(新潮OH!文庫)
◎消えたマンガ家ーアッパー系の巻(新潮OH!文庫)
_______________

【MARCデータベース】画力もあり、ストーリーもうまい、力量のあるマンガ家が、ふと気がつくといなくなっている。富樫義博、山田花子、ちばあきおらの跡を追い、「消えたマンガ家」の裏にある、マンガ雑誌の苛酷な現実を暴く。太田出版 (1996/08)






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by yomodalite | 2007-12-16 00:10 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(0)

創造の狂気 ウォルト・ディズニー

ニール・ガブラー/ダイヤモンド社



『ウォルトディズニー』 、『闇の王子ディズニー』など、興味を持ちつつ未読。もしかして、これが決定版という期待と、あとがきのホイチョイプロダクションに釣られてこちらを読了しましたが、やっぱり前記2作を読んだ方が良かったかな。

といっても厚さにめげず最後まで読まされる偉人伝にはまちがいありません。

文中、ウォルトのスタジオ内での評判の良さを描いた場面の数ページ後に、スタッフの裏切りや、ストライキ勃発など不可解な印象があり、ディズニー社や、親族取材の弊害かと思われたのですが、あとがきでのホイチョイ馬場氏の中に、その答えの一端がありました。

下記は、本書『創造の狂気』ではなく、ボブ・トマス著『ウォルト・ディズニー』と、マーク・エリオット著『闇の王子ディズニー』の参考記事。

「副島隆彦の学問道場」
http://www.snsi-j.jp/boyaki/diary.cgi?no=1&past=92

(前文略)〜「プロパガンダ」と聞いて私が思い浮かんだのは、世耕弘成(せこうひろしげ)議員でも、ナチス宣伝相ゲッベルスでもない。ウォルト・ディズニーである。そう、あのディズニーアニメーションの製作者、ディズニーランドの創設者である、ウォルト・ディズニーである。ウォルト・ディズニーといえば、大抵のひとは平和な子供の夢の世界しか思い浮かばないだろう。企業経営者などの現実的な方々であれば、大企業ディズニー社を創始した経営者という捉え方をするかもしれない。

しかし、実際のディズニー氏はそれよりもっと「政治的」なのである。具体的には、政府の意を汲んで戦時プロパガンダに進んで参画し、労働組合運動を弾圧しようとした反共主義者であり、ハリウッドの赤狩りに協力し、FBI長官フーヴァーのもとでスパイとして働いたという経歴をもっている人物である。

そして、だからこそ今日のディズニー社のような巨大メディア帝国を築き上げることが出来たのである。ただ子供のような夢を追い続けているだけでは社会的に成功できるはずはないのだ。この事実は、ディズニーの評価を上げることはあっても下げることはないだろう。

ディズニーの伝記
ウォルト・ディズニーの伝記で代表的なものはボブ・トマス著『ウォルト・ディズニー』である。原題は『WALT DISNEY: An American Original』であり、1976年に刊行された。講談社より1995年に翻訳が出ている。

この伝記は非常に「正統的」な伝記である。貧しい生まれのディズニーが苦労して映画会社を立ち上げ、せっかくの成功も詐欺にあって苦労が続き、そして最後には成功するという、いかにも典型的なサクセスストーリーに包まれた伝記である。子供の夢の世界の製作者としてディズニーを見るひとならば(それが世間一般の大多数なのだが)、この伝記は十分にその需要に答えてくれるだろう。そのためか、翻訳版には「日本図書館協会選定図書」の指定がある。
一方で、その裏版ともいうべき、ディズニーの負の側面を暴いた伝記も存在する。マーク・エリオット著『闇の王子ディズニー』である。原題は『WALT DISNEY Hollywood's Dark Prince』であり、1993年に刊行された。草思社より1994年に翻訳が上下巻構成で出ている。

この『闇の王子』、ダーク・プリンスというタイトルの伝記は、著者まえがきにあるように、正伝であるボブ・トマス『ウォルト・ディズニー』に挑戦することを意図して書かれている。正伝の『ウォルト』が取りあげなかった箇所を中心にして書かれた伝記である。20世紀映画史の裏面史としても資料的価値のある文献である。

以上の2冊を読み比べてみて、はじめてウォルト・ディズニーという人物の本当の姿が浮かびあがってくるのである。以下で引用する際には正伝ボブ・トマス著『ウォルト・ディズニー』を『ウォルト』、異伝マーク・エリオット著『闇の王子ディズニー』を『闇の王子』と省略して記載する。

ストライキと南米旅行
ディズニーの「裏側」ともいえる活動を、政府側で手引きをした人物こそがFBI長官のエドガー・フーヴァーである。さらに、フーヴァーの背後にいる人物こそ、ネルソン・ロックフェラーなのである。

このことが露見するのは、ディズニー社がとりあえず軌道に乗ったあとの、従業員のストライキ騒動の場面からである。『ウォルト・デイズニー』より引用する。

(引用開始)
1941年のストライキは、ウォルトに大きな影響を与えた。それは、政治とか従業員に対する彼の姿勢に影を落とすことになり、ウォルトをますます保守、反共へと追いやった。また、ディズニー・スタジオを従業員の楽園にしようという計画にも彼は幻滅を感じた。従業員は出勤時と退社時にタイムカードを押さなければならなくなり、昔、スタジオの初期に制作スタッフが経験したような、自由で親密なウォルトとの交流は、もう永久に戻ってこなかった。(p. 192)
(引用終了)

トマスの『ウォルト・ディズニー』に記載されているこのような文章を読むと、なぜウォルトに対して従業員が歯向かったのか理解できない。正伝ではつねにウォルトは善玉だからだ。しかし、従業員がやむに已まれずストライキに突入したのはよほどの理由があるだろう。

単純に考えれば、ディズニー社での労働環境が悪かったのだろう。今でも変わらないらしいが、アニメーターという職業は「労働集約的」な職業である。絵を書くというのは機械化、自動化しずらい作業であり、手作業である。そのため、人海戦術が必要となる。利益を上げるためには、人件費を抑えなければならない。

しかし、ここで述べたいのは労働環境のことではない。悪化するストライキの状況から逃れるため、ウォルトは「親善と映画制作を兼ねた」南米旅行に出かけるのである。『ウォルト・デイズニー』より引用する。

(引用開始)
ところで、南米旅行の話をもってきたのは、国務省米州局の調整役ネルソン・ロックフェラーの下で働く映画部の部長ジョン・ホイットニーであった。彼は、ディズニーがスタッフとともに南米を訪れ、アメリカ文化の芸術的側面を紹介してくれれば、中南米諸国に対する政府の善隣政策が功を奏すると説明した。そしてそれは緊急を要する、とホイットニーは言った。南米にはドイツ系やイタリア系の移民が多く、枢軸国に同調する空気がかなり濃厚であった。1941年半ばの時点においてアメリカ合衆国はまだ参戦こそしていなかったが、連合国を支持しており、ナチやファシズムの影響が西欧諸国に広がることを恐れていた。(p. 193)
(引用終了)

ここで、ネルソン・ロックフェラーが登場する。そして、政治的理由によりウォルトにミッションが課されたことが読み取れる。善隣政策とは、今でいえば宣伝を多用したいわゆる軍事力(ハード・パワー)に対抗する意味での「ソフト・パワー」による外交であろう。第一次大戦と第二次対戦の戦間期に、南米においてこのような植民地の駆け引きがあったことはあまり知られていない。『闇の王子(下)』にはさらに詳述されている。

ネルソン・ロックフェラーは戦時中、ローズヴェルト大統領のアシスタントを務めた
1935年から1972年までの長きにわたりFBI長官として君臨したエドガー・フーバー

(引用開始)
南アメリカへの「親善」旅行を考えついたのは、一般には国務省米州調整局の映画部長ジョン・ジェイ・ホイットニーだということになっているが、じつはロイ(引用者注:ウォルトの兄、ディズニー社の財務担当)の発案によるもので、彼がJ・エドガー・フーヴァーに、その実現に手を貸してくれるよう頼んだのである。

ローズヴェルト大統領は南アメリカでのナチス・ドイツの影響力増大に対する懸念から、国務省に新設された米州調整局のポストにネルソン・ロックフェラーを任命した。ロックフェラーは以前、ダリル・F・ザナックとオーソン・ウェルズの映画プロジェクトのスポンサーとなったこともあり、ロイの要請を受けたフーヴァーはローズヴェルトに、ディズニーもプログラムに参加させるべきだと提案した。ローズヴェルトはこの提案をロックフェラーに伝え、彼がディズニーに南米へ旅行に行かないかともちかけた。(p. 32)
(引用終了)

この南米への「プロパガンダ旅行」は、ロックフェラーの、そしてフーヴァーFBI長官によるウォルトへの指図であった。ウォルトとフーヴァーはこの時点ですでに顔見知りであったのである。では、このまったく生まれも業界も異なるふたりはどのように知り合っていたのだろうか。

ディズニーとフーヴァー
伝記作者マーク・エリオットは以下のように述べている。ディズニーがFBIのスパイであったというのは今でもスキャンダルであろう。『闇の王子(上)』より引用する。

(引用開始)
あまり知られていないことだが、ウォルト・ディズニーは1940年、39歳のときに、アメリカ政府の国内諜報部員になったのである。彼の任務は、FBI(米連邦捜査局)から政治的破壊活動をもくろんでいると疑いをもたれたハリウッドの俳優、作家、プロデューサー、監督、技術者、労組活動家の動向について報告することだった。ディズニーはFBIエージェントという自分の任務を、愛国的義務であるばかりか、気高い道徳的務めと見なしていた。彼はスパイ活動にも、かつての映画づくりと同じように、異常なまでに真剣に打ち込んだ。(p. 15)
(引用終了)

ウォルトとフーヴァーの関係は、互いに利用しあう関係である。フーヴァーはウォルトが第一次大戦でフランスへ従軍した際に、徴兵書類を偽造したのを知っていた。ウォルトは、自分の両親は実は本当の両親ではないのではないかと疑っており、その調査をフーヴァーに依頼していた。『闇の王子(上)』より引用する。

(引用開始)
フーヴァーは、彼に対して無条件に忠誠心を表す兵士として、一番小さくて力も弱かった独立系スタジオの盟主、ウォルト・ディズニーをあえて選んだ。それも当然と言えば当然だった。フーヴァーは、まだFBIの下っ端だった1918年に、第一次大戦の徴兵忌避者の追及作業に加わっている。同じころ、17歳のウォルト・ディズニーは、初めてFBIの目にとまっている。徴兵を逃れようとしたからではない。ディズニーがまだ未成年であるにもかかわらず陸軍に入ろうとして、両親の同意を得たかのように書類に署名を偽造し、見破られたためである。(p. 18)

フーヴァーはディズニーに、アメリカの将来を安泰にするのに手を貸してくれれば、FBIはその見返りに、彼の過去をいくらでも追跡調査しようともちかけたのだ。それはディズニーにとって断りきれない申し出だった。(p. 19) (引用終了)

こうしてディズニーはフーヴァーと関係するのである。また、このときのストライキに対処するため、ディズニーはマフィアとも手を組んでいた。マーロン・ブランド主演の名画「波止場」(ウォーターフロント Waterfront)は組合運動を描いた映画である。当時の政府は反共防止活動として、労働者のストライキを弾圧した。その尖兵となったのがマフィアである。つまり政府とマフィアは癒着していたのだ。

戦争プロパガンダ映画
第二次大戦に向けてアメリカの参戦が決定的となると、国家は戦争一色となる。ディズニー社も例外ではなかった。『ウォルト』より引用する。

(引用開始)
アメリカが参戦に踏みきると、連邦政府からも映画制作の注文がどっと流れ込んだ。海軍からは『航空母艦の着艦信号』を、農務省からは『食糧が戦争を勝利に導く』を、そして陸軍からは航空機識別官を対象とする教材映画を依頼された。さらにディズニー・スタジオは、ナチスに動員される若者を描いた『死への教育』、免疫注射を呼びかける『侵略に備える防衛対策』なども制作した。(p. 196)
(引用終了)

これだけならば、戦時下の映画会社としては致しかたないのだろう。事実、他の映画会社もまた同じような戦時協力映画を制作している。しかし、ディズニー映画がプロパガンダたるゆえんは次の箇所である。ここでは『闇の王子』よりも正伝である『ウォルト』の方がかえって率直に描いてしまっている。

(引用開始)
1942年12月、ウォルトのもとに、財務省の役人であるジョン・サリバンから電話があった。財務長官のヘンリー・モーゲンソーが緊急の特別プロジェクトの件で相談があるという。(中略)この仕事は戦時公債の販売キャンペーンだろうと、ウォルトは予想をたてていた。が、モーゲンソーのオフィスに着いてみると、その予想は見事にはずれた。

「実は、所得税の納税義務を国民に売り込む仕事に、君の力を貸してほしいのだ」
モーゲンソーは、こうきりだしたのである。ウォルトは当惑した。

「ちょっと待ってくださいよ。こちらは財務省でしょう。合衆国の政府でしょう。国民に納税義務を売りこむですって?税を払わなければ、監獄にでもぶち込むまでのことじゃありませんか」
そばにいた国税庁長官のガイ・ヘルバリングが口を開いた。

「そこが私の困っている点なんですよ。新しい税法でいくと、来年は1500万人の新規納税者が出てくる。だが彼らが納税義務を怠ったからといって、1500万人を起訴するなんて、とてもじゃないができるわけがない。そこでだ。税とは何であるか、戦争に勝つために税金がどんな役割を果たすのか、彼らにわからせなくちゃならないんですよ」(中略)

「国民の気持ちとして、公債を買えば、それが戦争の資金になると考える。ところが、公債はどうやって返済するのか ― 税金によってじゃないですか。税金不払いの国民を起訴するというのが我々の目的ではない。納税が愛国的な行為だということをわかってもらって、国民に積極的になってもらいたいんですよ」(p. 199)
(引用終了)

財務省の要請を受けて、ディズニーは自社の人気キャラクターであるドナルドダックを使って、分かりやすくて面白い納税を説明する『新しい精神』(The Spirit of 43 )という映画を作った。その結果は大成功であった。(実際の映画は、 こちら から観ることが出来る)この映画では、「Taxes to bury the Axis(税金(タックシズ)を払って枢軸国(アクイシズ)のやつらをを葬り去る)」というスローガンを掲げた。さらに、『闇の王子』から引用する。

(引用開始)
財務省の統計によれば、この映画は結局、6000万人の国民の目に触れ、一方、ギャラップ世論調査は、納税対象者のうちの実に37パーセントが、『新しい精神』を見て税を納める決心をしたと発表した。(p. 201)
(引用終了)

このように、ディズニーは政府の納税プロパガンダに全面的に協力して成果を収めた。さらに、戦後はハリウッドの「赤狩り」に対して協力をしている。晩年のディズニーの成功は、戦時および戦後の政府への協力が陰に陽に作用していると推測することはあながち間違いではないだろう。

メディアとプロパガンダ
ディズニーはこのあと、テレビに大々的に進出して大成功を収めることになる。晩年には遊園地、「ディズニーランド」の建設が行なわれ、ディズニー社の重要な収入源となった。

ディズニーの死後、一族による内紛があった後に、モルガンやラザール・フレールなどの投資会社、あのウォーレン・バフェットなどの投資家が現われて、経営を一族から取り上げたあとに、投資家の利益を代弁する経営者が現われる。それがパラマウントから招かれた当時30代のマイケル・アイズナー(Michael Eisner)であり、20年以上に渡ってディズニー社を支配した(2005年に辞任、現在のCEOであるのは、ネットワークテレビ局のABCとディズニーの合併を実現させた、ABC出身のボブ・アイガーという人物)。ディズニー死後のディズニー社の遍歴については、早稲田大学教授の有馬哲夫の『ディズニー千年王国の始まり』(NTT出版)が詳しい。

ディズニーの元CEO、マイケル・アイズナー
ディズニーはメディアにおいて常に新しい可能性を引き出し、それを娯楽として利益を上げる一方で、政府機関に仕えてきた。メディアというのは手段あるいは道具であるから、娯楽として使用できるとともに、プロパガンダとしても使用できてしまうということが、ディズニーの生涯を見ると分かるのである。

とくにキャラクターを使用したプロパガンダについては、アニメが全盛の現在の日本においては他人事ではないだろう。娯楽として楽しんでいるアニメがいつのまにか政府機関のプロパガンダになっているかもしれないのだ。すべてのメディアには気をつけないといけない。

以上
吉田(Y2J)筆
_____________

【作品紹介】 【ロサンゼルス・タイムズ出版賞・伝記部門大賞(2006年度)】創造の天才か、闇の王子か−。ディズニー社の全面協力を得ながら、同社の検閲を受けずに出版されたウォルト・ディズニー伝の決定版。過度に美化や否定をせず、ディズニーの業績の偉大さと人間としての弱さを冷静に描く。


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by yomodalite | 2007-09-19 20:07 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(0)
「3本の法則(漫画雑誌がヒットするには、3本の人気連載がなければいけない)」
「最近の単行本は20巻、30巻があたりまえとなっているが、
 物語性の増加につながっているのだろうか?」

という警告を出版社は真摯に受け止めてほしいと思います。
_____________

【MARKデータベース】少年マンガ誌、成功の影に「三本の法則」、文豪・中上健次の遺作はマンガだった!? 「サルでも描けるまんが教室」の著者が捨て身で語る爆笑エッセイ。オンライン書店bk1で連載した文章に補筆。 イーストプレス (2004/02)

【目 次】
はじめに マンガ・景気のいいハナシ
1 マンガ業界のハナシ
(マンガ原稿料の秘密;描き下しマンガの可能性ほか)
2 マンガ本のハナシ
(作家のすべては処女作にあり!『魔少年ビーティー』荒木飛呂彦;どんどん増える星の数、末は社長か会長か?『島耕作』シリーズ 弘兼憲史ほか)
3 マンガ作家のハナシ
(宮崎駿という奇跡;赤塚不二夫を語るほか)
4 サルまんのハナシ
(『サルまん』はこうして生まれた;特別付録 幻の第一回サルまん・ボツネーム(作・竹熊健太郎/画・相原コージ))





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by yomodalite | 2007-08-30 23:18 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(0)

「世界征服」は可能か? (ちくまプリマー新書)

岡田 斗司夫/筑摩書房




この本の説明を聞いて「世界征服」って、意外と大変だなぁ〜と感じることのできる人にはオススメ。。私は、ちくまプリマー新書が中高生が対象と知らずに読みました。

資金集めに銀行強盗とか、スタッフに給料15万円とか(笑)、、オウムよりはるかに情けない世界征服感に驚きをかくせません。少なくとも「FRB」が何なのか知っている人は手に取るべきではないし、小学生高学年ぐらいの年代が読むには、ちょうどいいのかも知れませんが、早熟な知性が逆に世界への理解を浅くする危険もあり。

岡田氏は近年「オタクは終わった」というような意見を述べておられるようですが、「全共闘世代」の理論派から、オタクの元祖はつながっていて、それは、現在のオタクにもつながっていると私は思います。現実からどんどん離れていているのは、全共闘世代も同じだったのでは。。。

◎世界征服の目的がアニメや漫画、特撮物の悪役を参考に分類
1.人類の全滅・・・ガミラス人
2.お金が欲しい・・・・ドクロベエ
3.支配されそうだから逆に支配する・・・ジオン公国
4.悪を広める・・・ピッコロ大魔王
5.目的が意味不明・・・聖帝サウザー

◎自分が世界征服をする場合に自分はどんなタイプか?
Aタイプ:魔王 「正しい」価値観ですべてを支配したい
Bタイプ:独裁者 責任感が強く、働き者
Cタイプ:王様 自分が大好きで、贅沢が大好き
Dタイプ:黒幕 人目に触れず、悪の魅力に溺れたい
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【内容紹介】アニメや漫画に登場する悪の組織が掲げる「世界征服」とは、実社会で可能か? 70年代以降のアニメや漫画の登場キャラを引き合いに、組織の資金調達や人材確保など様々な側面から検証する。
誰もが一度は夢見た「世界征服」! その実践法を大真面目に検証する初の世界征服学!
世界征服の目的とは? かかるコストは? 設備投資、人材の確保、部下の管理、後継者問題・・・・・・「悪の組織」も会社組織も運営するのは同じだ! ではあなたはビジネスで「世界征服」できるか? ではアメリカは? 真剣に考える。 (ちくまプリマー新書2007/06)


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by yomodalite | 2007-07-30 15:54 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(0)

ゴルゴ13はいつ終わるのか? 竹熊漫談

竹熊 健太郎/イースト・プレス



ゴルゴ13がいつ終わるのか、興味がある人もない人も興味深く読める本です。

また、この本を読んで、なぜ竹熊氏が、「サルまん」以降も、作品制作に積極的でないのかがわかったような気がしました。

※以下、ネタバレメモ。

【結末はこうなる/ガラスの仮面】
北島マヤは、「紅天女」本番直前に死ぬ。死の直前に「紅天女」は完成され、暗示されるが、 それは、姫川亜弓のみが目のあたりにし、その演技に敗北を宣言する。マヤの死により、急遽亜弓が「紅天女」を演じることになり、敗北感と、死のショックに見舞われている亜弓に、マヤの「魂の声」に突き動かされ、観客は、舞台上の亜弓の背後にマヤの姿を見る。

【結末はこうなる/美味しんぼ】
母親の死にまつわる誤解が解け、山岡と海原が和解。和解に至るまでの盛り上がりとして、「共通の敵」が現れる。徹底的な反伝統主義者、反エコロジスト、化学調味料や合成着色料や農薬にどっぷり浸かって育ち、自然食品を食ったらジンマシンが出るような人間に「究極のメニュー」を食わせ、「美味しい」と涙を流させる。

【出生の秘密/ゴルゴ13】
「日本人・東研作」14巻、「芹沢家殺人事件」27巻、「おろしや間諜伝説」36巻、「毛沢東の遺言」51巻、「河豚の季節」57巻。。。これらのエピソードは、関係者の誤認や証拠のないものばかり、「当たらずとも遠からず」がみそ。

【結末はこうなる/ゴルゴ13】
『市民ケーン』パターン。物語は「ゴルゴの死」からはじまる。ゴルゴがミスにより死ぬ。1人のジャーナリストが登場し、取材の過程でゴルゴの最後の標的と遭遇、その男はゴルゴの弟だった。男とゴルゴは共に満州で生まれ、旧日本軍の情報将校を父にもつ。男の母は旧ソ連の女スパイ、ゴルゴの母はユダヤ人、敗戦後、父はその旧悪から中国人の手で処刑され、男は実母を頼ってソ連に渡り、ゴルゴは建国まもないイスラエルに渡って、それぞれ優秀な軍人となる。男は旧ソ連の体制に絶望し、ゴルゴも民主主義の悲惨を目の当たりにし、アナーキストと化す。男はゴルゴが最後につぶやいた意味不明の言葉を伝える。それは、ポリネシア系の言語で、オセアニアの海に浮かぶ無人島の名前だった。そこは近代的な生活設備が完備しており、様々な民俗の孤児たちが平等に暮らす地上の楽園だった。
※もうひとつの予想は、「最終回」はない。さいとう氏が最終回を書いても、スタッフが総入替えになっても、永遠に物語は続いていく。

【火の鳥の最終回はこうなった】
『火の鳥』が『鉄腕アトム』と融合して大団円を迎える、という噂について。『火の鳥』は、過去と未来のエピソードを交互に挟み込む構成。最後が「現在」でおわる終ることは、手塚の口からも公言されていた。アトムが誕生した年が2003年、この年手塚は74歳。「ちょうどいい時期」ではないか。
手塚のチーフアシスタントを20年以上つとめた福元一義氏のインタヴューにて、
「確かに完結編は『鉄腕アトム』になったはずです・・・・・ただしアトムの主要人物が全員登場するとまでは聞いていますが、どういうストーリーであるかは、天国の先生にしかわかりません」

【目 次】
1/最終回のハナシ
   『ガラスの仮面』(美内すずえ)
   『美味しんぼ』(雁屋哲・花咲アキラ)
   『ゴルゴ13』(さいとう・たかを))
2/マンガのハナシ(『火の鳥』の最終回はこうなった
    ドストエフスキーと手塚治虫
    吉田戦車氏へ…一〇年目の詫び状)
3/自分のハナシ(一九六七年・はじめてのメディア体験
    1976年・ミニコミと少女マンガの日々
    1977年・オタクと青春
    1978年・ミニコミとアニメブームと)
4/オタクのハナシ(アニメーション編
    マンガ編
    エヴァ編
    私とエヴァンゲリオン)
☆特別付録 幻の竹熊健太郎マンガ・デビュー作
『ゲッペル先生のなぜなに教室どうしてくん』
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【出版社/著者からの内容紹介】 これを言ったら殺される!? 竹熊健太郎が業界震撼のタブー破りをまたやります! 『ゴルゴ13』『美味しんぼ』『ガラスの仮面』の最終回を徹底予想!
「いまだ完結を見ぬ代表的な「大河マンガ」をセレクトして、 その結末がどうなるのかを大胆にも予想してみようと思う。 もちろん、外れる可能性は大いにあるが、 ノストラダムスの大予言程度には当るのではないかと 内心自負しておる次第—?(本文より)」 そして続々と明かされる驚愕の事実……

・漫画家たちが脅える『ガラスの仮面』の「怖さ」とは?
・『美味しんぼ』に仕掛けられた巧妙なトリックとは?
・『火の鳥』最終回が『アトム』につながる!?
・『伝染るんです。』の名づけ親は竹熊だった!?

巻末には【特別付録】として、竹熊健太郎が、あの伝説のロリコン雑誌「漫画ブリッコ」に連載した幻のマンガ・デビュー作「どうしてくん」も収録!  イースト・プレス (2005/3/18)

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by yomodalite | 2007-07-30 12:56 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(0)
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デヴィッド・リンチ5年ぶりの新作映画公開。

21日初日、15時開演に間に合うように13時半に行きましたが、すでに完売。19時開演はオーストラリア戦のため断念し、翌々日の23日15時ようやく観ることが叶いました。意外だったのは、平日昼間にもかかわらず男性客が目立っていたこと。7:3、8:2ぐらい?。20〜30代の比較的オシャレな男性客が多い。


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19時開演時には、女性客が増えてきたようですが。改めて見回すと、映画館に限らずどこの会場にも多い30代中盤以上の女性が非常に少ないですね。なんとなく客層を見て、最近「マルホランド・ドライブ」の人気が高い理由が分かったような気がしました。リアルタイムであれが初めてっていう客が多いんですね。


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観賞後の印象をひとことで言えば、これは「ジジイ映画」ですね。
「ジジイ映画」の定義を詳しく書く気はありませんが、巨匠が晩年にとるタイプの映画ということ。といっても、これは、完全自主制作ビデオ作品であり、実際は「映画」ではありません。現代美術は金融ユダヤ人が創ったものですが、リンチの遅すぎるシュールレアリスムが気に入らないのか、反グローバリズムが気に入らないのか。。

映画が作品として語られる時代など、とっくに過ぎ去った中で、唯一観たい監督であったリンチも映画を撮れなくなってしまった。この映画?を色々と必死で読み解いている人もいるけど、「最高傑作」だの考えられない持ち上げ方をしている人は、関係者か「おこちゃま」かどっちかじゃないかな。滝本翁だって辛そうに書いているのに。

リンチファンならこの映画を褒めるより、リンチにちゃんとした映画を創らせろ!ていう声を上げるべきじゃないかな。

「マルホ」も元々TVプログラムとして構想されていたのが上手くいかず、なんとか最終的に「映画」の形に仕上げたものだったけど、成功と思われた「マルホ」以降も、映画もTV製作にもまったくスポンサーがつかない状態になって、なんとか撮らせたい周囲(今回はローラ・ダーンが奮闘)が動いて、ようやくカメラを持たせたけど、リンチは、ダーンにはもう興味ないし。。

ノーアイデアで始めたので編集といっても・・みたいなことがあの長さで、最終的にダーンも思惑とは異なる出来にもうガックシ!今までリンチ映画を支えてきたメンバーも居なくなって・・・寂しいなぁという感想以外は今は受け付けられないかも。。

アートフィルムだったら「SHORT FILM of DAVID LYNCH」内の作品の方がレベル高いです。とにかく『インランド』をを持ち上げることは、これから見る若い観客がリンチを誤解してしまいそうなので絶対反対。

今ある映画はお金のかかった米プロパガンダ映画と後進国ビンボー映画と宮崎アニメのみで、リンチのジジイぶりを、実験映像とかCMアーティストとしてしか楽しめなくなるのかと思うと本当に寂しいのですが。

ちなみに滝本翁は、著書でリンチは若い女にはビンビンって言ってたけど、滝本翁と比較すればだよね。「インランド〜」は、若い女に対しても冷めてたよ(ビックリ!)。だからこその裕木奈江でしょ?

☆リンチのジジイっぷりを楽しもう!!
牛と一緒に「インランド・エンパイア」の自主宣伝するリンチ
◎Nate & Matt meet David Lynch (and a cow)
_________

☆私的リンチBEST!

1. イレイザーヘッド (97)
2. ツイン・ピークス [TV1-29話](90-91) ※パイロット版
3. ロスト・ハイウェイ  (97)
4. ツイン・ピークス [ローラ・パーマー最期の7日間](92)
5. ホテル・ルーム [TV1-3話] (92) ※3話の「Black Out」
6. ワイルド・アット・ハート (90)
8. マルホランド・ドライブ (01) 
7. ブルーベルベット (86)   
9. オン・ジ・エアー ” [TV1-7話]  (90-91)
10. エレファントマン (80)
11. デューン/砂の惑星 (84)
12. ストレイト・ストーリー (99)

☆インランド・エンパイアは、評価外。

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by yomodalite | 2007-07-26 13:24 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(2)
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前回著作から、約一年ぶり、しかも今回は、デイヴィッド特集!!!!
滝本誠氏には、本当にお疲れさま。と言いたいです。私は、タキヤン中毒者でもあって、『インランド・エンパイア』を激賞した人とは距離をおきたいリンチ中毒者で、

この本は、そういった中毒患者には『インランド・エンパイア』以上にリンチ映画の幻を思い出させてくれる日本で唯一の本です。

【目 次】

「扉」 It's all in the beans....and I'm just full of beans
豆にすべては在り、ジジイもビンビン (滝本訳?)

◎デイヴィッド・リンチとコーヒー/前書きに替えて
・娘ジェニファーのタトゥ
・リンチ(エスプレッソ・キット)
・リンチ・コーヒーの発売
・コーヒー・テーブル・ブック
・カタログで得た新発見、その一
・次の発見

◎『インランド・エンパイア』への即効的アプローチ
・ウサギ・イン・リンチランド
・Wourld was on fire
・Everything is on fire
・Cheese is made from milk
・ニューヨークの恨みをロスではらす?
・バカアニメ=Dumland
・たまにはヘンリー・ミラーをいかが?
・MT瞑想、浮遊する白のブラジャー
・Catching the Big Fish
・SPLASHマガジン、1989年4月号
・リンチ・アメリカン・シュルレアリスト
・キャッチ・コピー
・インランド・エンパイア、とは?
・リンチの隣人、ローラ・ダーン
・カオヂカラ!
・ベンデレツキ愛からポーランド愛へ

◎ロバート・ヘンライの一冊の本がリンチの人生を決定した。
・ブッシュネル・キーラーとの出会い
・ロバート・ヘンライとは?
・友人ジャック・フィスク
・フィスク+リンチ、Heart Beat
・フィスク+リンチ、狂乱の『オン・ジ・エアー』
・フィスク+リンチ、イン・ヨーロッパ1965

◎リンチが学ぼうとしたオスカー・ココシュカについて、いくつか

◎『フロム・ヘル』にエレファント・マンが!
・象印聖人譚
・ヴィクトリアン・インダストリアル・シンフォニー
・公開当時は……
・佐藤重臣自主配給の『フリークス』

◎ニール・ヤングが『ブルーベルヴェット』の生みの母だった!?
 です、ます調で書いてみます、です。

◎イザベラ・ロッセリーニ、リンチ初めてのセレブ愛

◎『ツインピークス』フェスティバル参加、ハイジと抱き合う
・フェスティバル第一夜
・ツイン・ピークス・コーヒー最終形
・ジェリー・クルーズの鶏ガラ足
・ペギー・リーのBlack Coffee
・ロケ地巡りは暑かった
・クリス・アイザック…キーファー・サザーランド
・「おととい」の煎れたて
・コーヒー・トリック
・『マルホランド・ドライブ』のアイザック
・ローラとともに昼寝
・あれ、ブルース・ビッグフォード?
・I don't know Jack

◎カイル・マクラクランが秘蔵エロ雑誌を持って帰った

◎アリシア・ウィットが可愛かった、あの日々をあらためて追想しよう。
・アリシア、8歳デビュー
・ホドロフスキー版『デューン砂の惑星』
・リドリー・スコットからリンチへ
・『デューン砂の惑星』TV長尺版
・東高現代美術館リンチ・トーク
・アリシア・イン・ホッパー・ペインティング

◎映画評論家ロバート・エバートとの《20年戦争》
・まずはトロント詣で
・リンチ邸訪問
・キャロル・スピアの工房
・ロバート・エバートVSリンチ
・ドキュメンタリー
・『ミッドナイト・ムービー』
・またしてもロジャーが!

◎キャプテン・ビーフハート、そしてリンチ
・ある天才の回想
・リンチの「幼児状覚醒」
・その他の例外者

◎ナオミ・ワッツ、オーディション哀歌
・ケネス・アンガーは見た!
・ナオミ・ワッツ・プレイズ
・「オリーブ」誌モデルとしてのナオミ
・スコット・コフィ&マーク・ぺルグリノ
・キルスティン・ダンスト
・リンチとフェリー二
・スパイク・リーのオーディション・ムーヴィ
・ブラック・ダリア追補

◎コーヒー・カッピング/後書きに替えて

◎カルティエ財団現代美術館にて
_____________

【内容説明】 「リンチ初めてのセレブ愛」「リンチの人生を決定した一冊」「リンチが学ぼうとした男」などをキーワードに、デイヴィッド・リンチを解読する。知れば知るほどわからない、語れば語るほどに迷い込む、リンチの宇宙。 (洋泉社 2007.6.25)

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by yomodalite | 2007-06-26 12:47 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(0)
読書限定と思って始めたブログですが、例外的に(たまに?)映画の感想も書くことにしました。

松本人志初監督作品『大日本人』の初日から10日以上経っての反響はそれほど芳しいものではないようですが、本日観賞後、それらの雑音は無理もないと思いました。なぜなら、この作品は、笑いも、涙も、癒しもなく、勇気も与えられないから。(笑いがない、とは「お笑い」ではないという意味)

平日昼間、3割ほどの客席は、思いのほか静かでした。何度もクスっとさせられましたが、声が漏れるほどの笑いではなかった。でも、面白いか、面白くないかと言われれば、確実に面白かった。

もちろん迷っての判断ではありません。

TV番組で、かつてのような「天才松本」を感じることが少なくなりましたが、この映画で、やはりこの人は、超一流のクリエーターだと改めて感動しました。カンヌの賞などもらえなくても、この映画を『大佐藤』でなく、『大日本人』としたセンスには「大拍手」を送ります。

どこかのブログに、松本は、映画の神に愛されなかったと書いてあった。

アホか。北野の映画が人気があるのは、それが遅れてきたヨーロッパで、これまでの映画の良き生徒であるからでしょう。

松本人志は、日本が最も刺激的なカルチャーを生み出してきた時代の「若者の神」に君臨してきたひと。年老いた「神」との比較などできない。松本の映画のような「映画」を創れる国は日本しかない。

松本人志が書いた映画評は、なんだかツマラナイと感じていたんですが、(この映画のメッセージで)人とカブらないために映画観ていたと語れるクリエーターが、現在世界で何人いるだろう。(これが、彼の教養のなさからくるものではないことも、今回はっきりした)

この映画が、世界発信されることを、同世代の日本人としてとても誇らしく思う。

松本人志の次回作まで、もう映画館に行く必要はないでしょう(嘘。『インランド・エンパイア』も観ます!)

《最後に不満を少しだけ》

カンヌでの先行上映という戦略から考えると、スーパージャスティス一家はきっちり「アメリカ人」にしたほうが、カンヌで受けたと思うけど、そこが、真性「ハニカミ王子」である松本の弱点でしょうか。

☆☆☆☆(次回作にもおおいに期待)





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by yomodalite | 2007-06-13 20:38 | 映画・マンガ・TV | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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