やむにやまれず/関川夏央

やむにやまれず 中年シングル生活 (講談社文庫)

関川夏央/講談社

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中央区の図書館が、今年は24日で終了ということで、年末、お正月の活字ギレに不安を感じ、終了間際に慌てて飛び込んだ。本著は、蛍の光が流れる中、内容も見ずにとにかく手に取った中の一冊。

いしいひさいち氏のイラストによる表紙から、ちょっぴりユーモアの効いたエッセイ集かなと思っていたのだけど、『任侠映画講義』『「統一」と「結婚」』『山田先生』『講演「“おフランス”について』の以外の14話は創作短編集。

1編ごとに、いしいひさいち氏による関川氏の大学生活をパロディにした4コマ漫画が扉についているというブレイクタイムは、意外なほど(?)洒落たショートストーリーにも拘らずオシャレにまとめさせないぞ。という編集サイドの考えか、著者がシャイなのか、いすれにしても著者の日頃の人徳のおかげでしょう。

関川氏の単行本は、今年は『家族の昭和』に続いて2冊目。若い頃に数々のサブカルチャー系の雑誌で名前を拝見していたものの、単行本の著者として出会ったのはつい最近。本著も気軽に手に取ったのに想像以上の作品でした。関川氏は自身が団塊の世代であることを何度も卑下しているのだけど、関川氏と同世代である、いしいひさいち氏も、南伸坊氏も、本当にしぶとくイイ仕事を続けていて、かつて新人類と言われた我が同世代は本当ダメだなあと思う。

本著の装幀は決して女性好みとは言えないように思うのだけど、現在アラフォー突入間近の女子がこれからの人生を考えるとき、読んでみるといい本だと思います。疲れとどうつきあっていくか?が、やっぱ今後の重要な課題ですから。。恋愛とか元気とか勇気では40代は生きられないからなぁ。

第1話/通俗だけど泣けちゃう
第2話/ネコにだって過去はある
第3話/「赤いニシン」の物語
第4話/をみなごに花びらながれ
第5話/任侠映画講義
第6話/ミラボー橋
第7話/時代の刻印
第8話/夏のにおい
第9話/「統一」と「結婚」
第10話/ネコの命日
第11話/秋
第12話/夜のカフェテラス
第13話/ホテル・レイクビュー
第14話/エイジング
第15話/山田先生
第16話/講演「“おフランス”について」
第17話/三月十五日の出来事
第18話/やむにやまれず嘘をつく
__________

【出版社/著者からの内容紹介】まことに残念なことではあるが、ネコにだって過去はある。人間にだって記憶はある。人生の秋?をつぶやく18の物語

「中年シングル生活」その後の好エッセイ!
40歳にして惑わずどころか50歳にして日々はますます混乱する。大人のせつなさを虚実ないまぜに描いた司馬遼太郎賞作家の最新エッセイ。マンガ/いしいひさいち

ひとりものには自分の客観的評価ができない。心で戒めてはいるのだが、どこかまだ青年のつもりでいる。誠意あふれた忠告、というやつを受取る機会がないからだ。
見かけは若いわねえ、あなた、といってくれた。私は少し寂しく思った。若く見えるのが寂しいのか、そういわれて気をよくしてしまう自分が寂しいのか。——(本文より)講談社 (2001/09)

【文庫本裏表紙より】時は、過ぎてゆく。何かを成し遂げても何ひとつなさなくても。青春を遠く離れ、その間に何かを得、多くを失った。そんな記憶の断片からなる18の物語は、いまだ胸に残る希望のかけらと諦観の間で揺れている。豊かなユーモアやペーソス、やせ我慢と自嘲、感情と論考、それらに昭和の匂いが織り込まれた上質の短編集。


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by yomodalite | 2008-12-26 21:38 | 文学 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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