一途/岸本加世子


一途

岸本 加世子/集英社



数日前、辰吉に関する記事を久しぶりに見た。

辰吉は引退納得せず…ジム社長は長期戦覚悟 - 2008年11月19日
プロボクシング・大阪帝拳ジムの吉井寛会長が19日、守口市内で元WBC世界バンタム級王者・辰吉丈一郎(38)と面談。約30分にわたり、改めて引退を勧めたが辰吉が納得せず、結論は持ち越しになった。。。。


もう何年も前から、そして何回目かわからない「引退勧告」。辰吉丈一郎のあとの括弧内の数字が増えただけの記事内容。

ボクシングのことはよくわからないけど、辰吉という名前を聞くと心がざわざわする。でも自分には触れてはならないというか、近づくことを躊躇していたのだけど、何回目かの引退勧告記事を見たあと、偶然にも辰吉と親しい関係である女優・岸本加世子が辰吉のことを描いた本を出版していたことを知った。

第一章は、2001年の秋の対談。辰吉のことを丈ちゃんと呼び、2002年、3年4ヶ月ぶりの復帰戦勝利後、るみ夫人は「加世ちゃん抱きしめたって!」と辰吉の背中を押し「無償で帰ってきたで」と言う彼の胸で泣いたこともある岸本は辰吉を深いところで語らせることに成功していて、父粂二の男ひとりでの子育てによる、辰吉のボクサー人生の原点が描かれている。

第二章からは、16歳で片道切符だけで大阪に出てきた辰吉のここまでの人生に、岸本の障害をもつ母親との人生も重ねあわせ濃密な家族の物語が語られる。私は、親や家族との深い繋がりを語られることに苦痛を感じる方なのだけど、辰吉も岸本からも、なぜかそれを感じなかった。

きっと、ふたりとも、またそれぞれの親の人生にも、現在の生き方にも「甘さ」がないからだろう。岸本加世子の作家としての力量にも驚かされた。

★★★★☆

【目 次】

第1章 辰吉丈一郎と岸本加世子 深夜の長電話
(出会い、辰吉丈一郎のお父さん、息子たち、一心同体、幸せって?、更なる目標)

第2章 一途
(片道切符;デビュー、余命一年、四角い鞄、親の死、憧れの人、チャンピオンベルト、網膜裂孔、試練の始まり、辰吉丈一郎を支える人々、舅と嫁の長電話、心の傷、父の遺影の前で、引退せず、父と子・夫婦の絆)

★YouTube動画(タイに響き渡った辰吉コール!)
辰吉復帰戦 2008/10/26 タイ 3
http://jp.youtube.com/watch?v=hFK3v2FzNMk

辰吉丈一郎 再起戦後インタビュー
http://jp.youtube.com/watch?v=e-F6p0IROp8&feature=related

_________________

【出版社/著者からの内容紹介】意外な親友・辰吉丈一郎と、著者に通じる家族の情愛
スポーツ音痴の著者が、なぜか辰吉ファン。亡くなった親父さんをテレビで見て以来、家族ぐるみの交際が始まった。辰吉の亡き父、著者の亡き母へのほとばしる想いが全編に交錯する……。集英社 (2004/05)




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by yomodalite | 2008-11-27 11:23 | 報道・ノンフィクション | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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