時代劇のきもの(1)

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粋と言われる縞のキモノの着こなしを知ったのは、時代劇だったのではないかと気づき、このところ急に「時代劇チャンネル」を見るようになりました。

といっても、なかなかオシャレの勉強になる作品は少なく、今放映されていて参考になる作品は、『大江戸捜査網』、『必殺シリーズ』などごくわずかで、特に80年以降新しく企画された作品は、出演している女優がかわいそうになるほど着物も着付けも酷くなっていく。



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ただ『銭形平次』は1966〜1984年まで放送されていた888話の長寿番組ですが、着物に見所があるのは1980年〜700話以降のようです。第776話「花火殺人事件」のお静(香山美子)の青い楓の夏キモノがすごく素敵だったのですが、シリーズ全体的には衣装が庶民的すぎてオシャレ的にはつまらない。

映画では女性任侠映画の人気シリーズ『緋牡丹博徒』(1968)や『修羅雪姫』(1973)、江波杏子の女賭博師などがありますが、TV時代劇では女性が単独で主役のものはないので、そのことが男女混成主役の『大江戸捜査網』を特別オシャレ度の高い作品にしている理由かもしれない。

『大江戸捜査網』は、梶芽衣子と杉良太郎が出演している初期のシリーズは見逃してしまい、今放映されているのは、里見浩太朗、瑳川哲朗、江崎英子、山口いづみの1974年~1979年の作品。

梶芽衣子の隠密同心を見逃したのは残念なんだけど、江崎英子さんが素敵過ぎてはまってます。彼女と『大江戸捜査網』に関しては、別に捕獲することにして、京風はんなり顔の山口いずみさんが江戸前の芸者を演じているところを1枚だけ。


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今のアンティーク着物本は花魁風が多いのですけど、江戸の芸者という世界の格好良さも見直して欲しいですね。

とにかくキモノのオシャレに興味がある女子には『大江戸捜査網』は一押しです!このシリーズは、安田道代(大楠道代)を入れて女子が3人だったときもあり、もしかしたら『チャーリーズ・エンジェル』の元ネタか!かと思えるほど華やかです。

着物関連の書には必ず博多献上帯はたいへん重宝だということがよく書いてありますが、博多帯をオシャレに決めている人を見かける機会って少ないですよね。

この時代は太鼓結びがまだなく、長い帯を角だし風に結んだものが多いのですが、かなりボリュームを出した締め方が素敵です。


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全体を通して言えるのは、着物がおしゃれだった80年代ごろまでの作品は、おしなべて衣紋の抜きが深く、半襟もたっぷり見せています。

武士の妻、町娘、大店の女将、芸者など役柄によって差はありますが、いずれも今の着付け教室基準よりも圧倒的に抜いています。町娘も正面からみると首がつまっていても後からみるとやっぱり大分抜いていますね。


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それから、色半襟がほとんどで、そうでないのは武士の妻たち。ムコ殿でおなじみのセンとリツや隠密奉行の妻の岸田今日子ぐらい。彼女たちはいつも白半襟と白い帯締めをしているようです。

人気の半襟色は水色が一番多く、美女系はほとんどとこの色と言っていいほど。茶屋などの町娘は、たいてい着物が赤いので、それにあわせて半襟も赤いことが多いです。

この色半襟の多用は90年ごろもあまり変わらないのですが、90年ぐらいになると色がかなりどぎつくなってきます。

見始めて1ヶ月も経っていないので、時代劇チャンネルで現在放映しているものしか観ていないのですけど、今のところの作品寸評。

『銭形平次』(1966〜1984)
岡引きの妻の香山美子。理想の女房と言われたお静は今見てもキレイですが、若い頃の着物には見るべき点が少なく、シリーズ終盤の方が、平次もお静もおしゃれになっている。


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『日本犯科帳 隠密奉行』(1981〜1982)
奉行の妻の岸田今日子。シックで現代的なんだけど色気がある。細面なので首がつまった着付けがよく似合う。(ただし後はかなり衣紋を抜いています)白い着物に白半襟、帯締めも白という格の高い着こなしに、帯をかなり幅広に締めているところが素敵。現代の大人の女性がもっとも参考にしたい装い。

『必殺仕事人Ⅲ』(1982〜1983)
なんでも屋の加代は、私が観た回では衣装的には今ひとつだったのだけど、他の出演者に見所多い。



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『必殺仕事人・激突!』(1991〜1992)
時代劇の本格的衰退期は『必殺」をもってしても乗り切れず。

『あばれ八州御用旅』(1990〜)
この作品以外も、1990年以降に企画された作品は観る価値一切なし。と言ってしまおう。

※追記
1995年から2002年までのシリーズ(全50話)『御家人斬九郎』が面白いらしい。渡辺謙、若村麻由美、岸田今日子という期待度満点のメンバーで、若村麻由美は辰巳芸者役!!どこかで早く再放送してくれないかな。。。。


※最追記・再放送観ました!感想と、斬九郎の素敵なお姿はこちら!
『御家人斬九郎』(1)/渡辺謙


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『あばれ八州御用旅』の夏樹陽子さんは、今の着付け教室で習うように、半襟は肩のあたりで着物の襟に隠れるという着付けを守っていますが、ものすごく綺麗な女優の夏樹陽子がかわいそうなぐらいキレイに見えませんね。

首がつまっているために、怒り肩に見えて色気が全然感じられません。この作品では全員こんな感じで、とにかく着物が安っぽく、出演者が気の毒で見ていられないほど。このあたりは巷のキモノ業界の衰退と同じで、時代劇がキモノと共に廃れていったことが良くわかります。

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参考までにこれと同じ着付けの長沼静先生w



※写真は上から『日本犯科帳 隠密奉行』の野川由美子、『銭形平次』第776話「花火殺人事件」の大川橋蔵(平次)と香山美子(お静)、『大江戸捜査網』いさり火お紺の山口いづみ、『日本犯科帳 隠密奉行』の岸田今日子、『必殺仕事人Ⅲ』ゲスト主演の女優の名前が思い出せない。。。『あばれ八州御用旅』夏樹陽子(左)

時代劇のきもの(2)/『大江戸捜査網』不知火のお吉(江崎英子)


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Commented by ydr at 2008-10-21 04:37 x
改めて比べるとすごい…!
衿の抜き方と半襟でこんなに体型が違って見えるんですね。
個人的には半襟を多めに出す方が好きなので、今度から敢えて出すようにしようかな。
『大江戸捜査網』、見たくなりました。
Commented by yomodalite at 2008-10-21 08:56
感想ありがとうございます。なにを見ても着付けが気になる年頃でして。。大江戸捜査網や、小津映画のきものに関しても今後アップ予定なので、またご覧くださいませ。
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by yomodalite | 2008-10-19 13:07 | きもの | Trackback | Comments(2)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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