体の中の美術館—EYE、BRAIN、and BODY/布施英利

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布施氏の本を読むのは処女作の『脳の中の美術館』以来20年ぶり。カバーの頭蓋骨写真(ゲルハルト・リヒターの『髑髏』という作品)に惹かれて久しぶりに読んでみました。

昔からこの手の本をよく読んでいたのだけど、今はあまり触手が動かない。言葉で美術を語る語り口に少し飽きてしまったからでしょうか。それに、幼い頃から美術評論の本を読んでいて不満でならなかったのは、全体に図版が少な過ぎることと、本文ページの白黒図版の汚さだったのですが、それから30年以上も経ってもほとんど変わっていないのはなぜだろう。印刷・製版業界は、デジタル化により激変したのに。。。

本著の雰囲気は、ベストセラーになった福岡伸一氏の『生物と無生物のあいだ』に似ています。布施氏の語り口の詩的なところがそう感じさせるのだけど、残念ながら福岡氏の本ほどの濃密な物語はないので新書化には向いていないでしょう。ガツガツした気分でなく、昼下がりにカフェでまったりという余裕のある1日なら美味しい紅茶のお供に合うかも。

★★★

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【内 容】
人は、目と脳と、そして体で見る。東京藝術大学で美術解剖学を教える芸術学者・布施英利が、芸術に対峙する「人体」を思考軸として先史洞窟から現代アートまで、作品に込められた生命の記憶を辿る。前作「脳の中の美術館」に続くシリーズ第2弾。図版50点収録。筑摩書房 (2008/06)

【目 次】
1.EYE「目」
科学の目
芸術の目
目の誕生
ワンダフル・アートの世界
光と色の歴史
中世フランスの光
2.BRAIN「脳」
イメージが生まれる
脳が芸術を生む瞬間
脳と遠近法
レオナルド・ダ・ヴィンチ『最後の晩餐』
千利休「待庵」
重森三玲の庭
絵画と脳
ピカソによる破壊
脳における視覚情報
デュシャンによる破壊
芸術における「子ども」
絵画の死?
3.and BODY
「手」 手の解剖学、線を描く、石を彫る
「足」 ヒトの足、足の解剖学、他
「肺」 オペラ、空気を吸う、呼吸で描く
「背骨」 バッターボックス、サボテンと脊柱、他
「内臓」 一本の管、内蔵と進化、色と進化、30億年のかたち



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by yomodalite | 2008-10-06 13:07 | 現代文化・音楽・訳詞 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


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