二つの月の記憶/岸田今日子

f0134963_136764.jpg長く都心に住んでいるので、今までに街で見かけた有名人は、反町隆史、吉田栄作、武田修宏、檀ふみ、大貫妙子、清水ミチ子、美輪明宏。。。などなど、相当近くで見た人だけでも数えきれない程多いのですが、その中でも、最も周囲のざわめきを感じたのは、意外にも岸田今日子さんなんです。



今から10年近く前のことですが、渋谷のブックファースト前の交差点で岸田氏を見かけた時、老若男女の大勢が口々に小声で「キシダキョウコ」と囁いているのを目撃し、彼女の幅広い層への知名度と人気を実感しました。

この本は、日本の本格ミステリを創った名編集者、宇山秀雄(日出臣)氏の依頼により雑誌『メフィスト』に掲載された作品を集めた短編集。

佐野洋子氏の紹介どおり毒とユーモアと不思議と愛とエロスで出来ていて、装幀は祖父江慎、表紙、章扉に作田えつ子氏の素敵なイラスト。

この本が家にあるだけで、趣味の良さと見識の高さは保証されるであろう、短編集が、たったの1500円。単行本で購入するべきだと思います。

☆☆☆☆

『オートバイ』
少年は、住宅街の極普通の家の前でオートバイを停め、屋根に小石を投げた。ーマンディアルグの『オートバイ』の読者必読。

『二つの月の記憶』
クウガとアギトを操るこどもは言った。「月が二つあった頃、『わるもん』は『いいもん』だったんだよ。」。。。

『K村やすらぎの里』
小さな丘の上に立つ老人ホーム『K村やすらぎの里』。そこで付添婦をしているN子が作家の京子に語りだした。「本当のことを作り話として聞いてくださることもお出来になるんじゃないでしょうか」。。。

『P夫人の冒険』
トリュフを見つけるのが得意なP夫人は、ある日突然いつもと違う体臭を嗅ぎ、荒々しい息遣いを聞くが体重を受け止めて立っているしかなかった。。。

『赤い帽子』
タンタンの家がある私鉄の駅で、偶然(だと思う)オオカミに会った。この前、タンタンの家から帰る時、すれ違ったから知っている。

『逆光の中の樹』
M・Iという名前をはじめて聞いたのは、短大の写真科に入学してすぐだった。

『引き裂かれて』
「あなたの映画を観ました」と、N氏は通訳のCさんを通して言った。「あの映画は、わたしたちの伝説です」。。。。


「琥珀の坂」
http://d.hatena.ne.jp/Judastree/20080119/p1
_________________________

【書籍紹介】「かけがえのない快楽には少しの毒のあるユーモアと不思議な愛とエロスが必要です。今日子さんをそのまま食べて下さい。」――佐野洋子(『100万回生きたねこ』作・絵)病に倒れる直前まで「メフィスト」誌上に連載していた7つの珠玉の掌編を収録。講談社 (2008/1/18)
[PR]
トラックバックURL : http://nikkidoku.exblog.jp/tb/8532690
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by yomodalite | 2008-07-03 13:07 | 文学 | Trackback | Comments(0)

旧「読書日記と着物あれこれ」。歴史/文学/お笑いを好み、着物生活をしていたはずが、いつしかマイケルジャクソンのように本を読もうになってしまったブログ。永年暮らした東京を離れ、現在は大阪を満喫中。


by yomodalite